Kenkyu kaihatsu soshiki ni okeru chukan kanrishoku no yakuwari : joshi "jiritsuteki senryaku kodo" ga buka no manzoku ya soshiki komittomento, kenkyuseika ni oyobosu eikyo

17. 研究開発組織 にお ける中間管理職 の役割 ：上司 の 「自律的戦略行動」が 部下の満足や組織 コ ミッ トメ ン ト，研究成果 に及 ぼす影響*. 慶應義塾大学. 蔡 〓 錫 る 。 第2に. は じめ に. D部. ， プ ロ フ ェ ッ シ ョ ナ ル が 多 く働 くR&. 門 の場 合 ， リー ダ ー シ ップ を必 要 と しな い代. 替(substitute)要 経 済 の 成 熟 化 に 伴 い ， 日 本 企 業 を 取 り 巻 く競 争. 因 が 数 多 く存 在 し て い る こ と. が ， 幾 っ か の 研 究 に よ っ て 明 らか に な っ て い る と. パ ラ ダ イ ム も キ ャ ッ チ ・ア ッ プ 時 代 の 「コ ス トと. い う 点 で あ る 。 第3に. 品 質 競 争 」 か ら 「イ ノ ベ ー シ ョ ン に よ る 高 付 加 価. る1つ. 値 競 争 」 へ と大 き く変 り ， こ れ か ら企 業 の 競 争 優. venture)」. 位 は， 管 理 革 新 や 技 術 革 新 な ど の 組 織 の イ ノ ベ ー. 業 の イ ノ ベ ー シ ョ ン能 力 を 高 あ る た あ に は ， リ ー. ， イ ノ ベ ー シ ョ ンを促 進 す. の 方 法 で あ る 「社 内 ベ ン チ ャ ー(internal に関 す る丹 念 な事 例 研 究 に よ って， 企. シ ョ ン能 力 に大 い に 依 存 せ ざ る を 得 な くな り っ っ. ダ ー シ ッ プ を 超 え ， 「自 律 的 戦 略 行 動(autono-. あ る。 競 争 パ ラ ダ イ ム の 変 化 と と も に ， 企 業 の 競. mous. 争 優 位 を 決 め る戦 略 的 な 人 的 資 源 も ， こ れ ま で の. の. ブ ル ー カ ラ ー か ら ホ ワ イ ト カ ラ ー， 中 で も 特 に 専. か にな って い る と い う点 で あ る。. strategic. behavior)」. と い っ た中 間 管 理 職. 「戦 略 ・革 新 行 動 」 が 不 可 欠 で あ る こ と が 明 ら. 門 的 ・技 術 的 な 分 野 に 従 事 す る プ ロ フ ェ ッ シ ョ ナ. と こ ろ で ， 大 企 業 が イ ノ ベ ー シ ョ ン能 力 を 高 あ. ル へ と大 き く変 っ て き て い る。 科 学 者 ・技 術 者 な. る た あ に は ，「自 律 的 戦 略 行 動 」 と い っ た 中 間 管 理. ど の プ ロ フ ェ ッ シ ョナ ル が 明 日 の 企 業 の 競 争 優 位. 職 の 新 た な 行 動 が 不 可 欠 で あ る こ と が 明 らか に. を 決 あ る戦 略 的 な 人 的 資 源 と して の 位 置 を 着 実 に. な っ て い る に も か か わ らず ， 常 に イ ノ ベ ー シ ョ ン. 獲 得 す るに つ れ， 中 間 管理 職 の 役 割 を 主 に組 織 の. が 要 求 さ れ るR&D部. 門 で 働 くプ ロ フ ェ ッ シ ョ. 目標 に 向 け て 部 下 を 動 機 づ け る こ と に 限 定 して き. ナ ル を 研 究 対 象 と し て 捉 え ， そ の 効 果 性(effec-. た こ れ ま で の リー ダ ー シ ッ プ論 も再 構 築 を 迫 られ. tiveness)を. て い る。 そ の 理 由 と し て は ， 次 の3っ. な い。 本 研 究 は この よ う な 問 題 意 識 か ら出 発 す. が 挙 げ られ. る。. 調 べ て い る実 証 研 究 は 殆 ど 見 当 た ら. る。 要 す る に， 本 研 究 は， 戦 略 的 な人 的 資 源 と し ， 科 学 者 ・技 術 者 な ど の プ ロ フ ェ ッ シ ョ. て の 重 要 性 が 増 し て い る 科 学 者 ・技 術 者 な ど の プ. ナ ル は ， 雇 わ れ て い る組 織 よ り も 自 分 の 仕 事 や 専. ロ フ ェ ッ シ ョ ナ ル を 対 象 と し， 中 間 管 理 職 の 「自. 門 分 野 に コ ミ ッ トす る傾 向 が 強 く， 組 織 内 で コ ン. 律 的 戦 略 行 動 」 が 部 下 の 満 足 や 研 究 成 果 に及 ぼす. フ リ ク トを 経 験 し や す い 存 在 と して 知 ら れ て お り. 影響 を 実証 す る こ とを 目的 とす る。. 第1に. (Gouldner，1957，1958；Marcson，1960)，. 生 産現. 場 や 事 務 な ど で は 効 率 性(efnciency)を. 高 め る. リー ダ ー シ ッ プ が ， 常 に イ ノ ベ ー シ ョ ン能 力 が 要 求 さ れ る研 究 開 発(以. 下 ，R&D)部. 1.研. 究 開 発(R&D)組. 織 にお け る中 間 管 理. 職 の 役 割 ：「自律 的 戦 略 行 動 」. 門 で もそ の. ま ま 当 て は ま る と は 限 ら な い(Frohman，1978)。. これ まで 中 間 管 理 職 と言 え ば 職 場 で の リー ダ ー. む しろ， 効 率 性 を高 あ よ う とす る リー ダ ー シ ッ プ. と して の イ メ ー ジ が 強 く， 実 際 ， 中 間 管 理 職 に 関. は ， プ ロ フ ェ ッ シ ョナ ル の 組 織 内 で の コ ン フ リ ク. す る研 究 は殆 ど リー ダ ー シ ッ プ論 で 扱 わ れ て き. トを 高 あ ， 結 果 的 に 研 究 成 果 を 低 あ る 恐 れ が あ. た。 これ まで 行 わ れ た リー ダ ー シ ップ論 は， 研 究 の 焦 点 を ど こ に 当 て る か に よ っ て ， 「特 質 ア プ. *「R&D研. 究 会 」 に 参 加 さ せ て い た だ き， 貴 重 な. デ ー タ を使 わ せ て くだ さ っ た， 石 田 英 夫 ・守 島 基 博 ・佐 野 陽 子 先 生 を は じめ ， 「R&D研 究 会」 の 皆 様 に深 くお礼 を 申 し上 げ る次 第 で あ る.. ロ ー チ 」， 「 行 動 ア プ ロ ー チ 」， 「パ ワ ー ・ア プ ロ ー チ 」， 「状 況 要 因 ア プ ロ ー チ 」 の4つ (Bass，1990；Yukl，1989；Yukl&Van. に分 類 で き る Fleet，.

18. 1992)。4っ. の ア プ ロ ー チ の 中 で ，長 い 間 リ ー ダ ー. を 全 く必 要 と し な い 代 替 要 因 が 存 在 して い る と い. シ ッ プ論 を 主 導 して き た の は ， 「行 動 ア プ ロ ー チ 」. う 点(Howell&Dorfman，1986；Howell，. で あ る。. man&Kerr，1986；Kerr&Jermier. 「行 動 ア プ ロ ー チ 」 と は ，中 間 管 理 職 が 職 場 で 実. Dorf. ，1978；Pod-. sakoff， MacKenzie&Bommer，1996)，. 第3に. 際 に と っ て い る リー ダ ー と し て の 行 動 を ， 「配 慮. 「行 動 ア プ ロ ー チ 」 は，2っ. 的 リ ー ダ ー シ ッ プ 」 と 「タ ス ク 中 心 の リ ー ダ ー. 互 い に 独 立 し て い る次 元(dimension)で. シ ッ プ 」 の2っ. 定 し て い る が ，2っ. の カ テ ゴ リ ー に 分 類 し， 各 々 の. ，. の リー ダ ー シ ッ プ は お あ る と想. の尺 度 の 間 に は 中程 度 の相 関. リー ダ ー シ ップ と部 下 の満 足 や職 務 成 果 と の関 係. が 現 れ る な ど， そ の 尺 度 に問 題 が あ る と い う点. を 調 べ る と と も に ， 最 も有 効 な リ ー ダ ー シ ッ プ の. (Rush， Thomas&Lord，1977；Schriesheim&. 類 型 を 定 め よ う と す る も の で あ る。 「配 慮 的 リ ー. Kerr，1974，1976；Weissenberg&Kavanagh，. ダ ー シ ッ プ」 と は， 集 団 内 で の 相 互 信 頼 ， 部 下 の. 1972)の. ア イ デ ア ・考 え 方 の 尊 重 ， 部 下 の 気 持 ち ・感 情 へ. シ ップの 効 果 性 を 定 あ るた め に数 え 切 れ な い ほ ど. の心 配 りに よ って特 徴 づ け られ るよ うな 人 間 関 係. の 実 証研 究 が 行 わ れ た に もか か わ らず ， そ の 効 果. を 生 み 出 し， そ れ を 尊 重 す る リー ダ ー 行 動 を 言 う. 性 が 一 般 的 に 認 め ら れ た の は 「配 慮 的 リ ー ダ ー. (Fleishman&Harris，1962；. シ ッ プ 」 と部 下 の 満 足 と の 間 に 見 ら れ る正 の 相 関. 金 井 ，1991)。. 一方，. ，3っ. で あ る 。 さ ら に ，2つ. の リー ダ ー. 「タ ス ク 中 心 の リー ダ ー シ ッ プ」 と は ，部 下 が 目 標. だ け で， 殆 ど の研 究 は リー ダ ー シ ップ の効 果 性 を. の 達 成 に向 けて 効 率 的 に職 務 を遂 行 す る の に必 要. 立 証 す る こ と に失 敗 して い る. な 構 造 な い し枠 組 み を も た らす リ ー ダ ー 行 動 の こ. Tosi，1982；Yukl，1989；Yukl&Van. と を 意 味 す る。 「行 動 ア プ ロ ー チ 」 で は ，2つ. 1992)。. の. (Korman，1966； Fleet ，. 組 織 行 動 論 の他 の研 究 領 域 に比 べ， リー. リー ダ シ ッ プ は お 互 い に 独 立 して お り， 両 方 と も. ダ ー シ ッ プの 研 究 領 域 が 公 刊 され て い る論 文 の数. に 高 い リー ダ ー シ ッ プ が 最 も有 効 で あ る と想 定 し. に 対 し て 知 識 生 産 性 が 低 く， 理 論 ・実 証 の 両 面 で. て い る(Fleishman&Harris，1962；Fleishman. ，. 1973)。PM理. 論(P=「. タ ス ク 中 心 の リー ダ ー. シ ッ プ 」，M=「. 配 慮 的 リー ダ ー シ ッ プ 」)と し て 知. ほ ぼ 行 き詰 ま っ て い る状 態 で あ る. (金 井 ，1991；. Korman，1966；Misumi&Peterson，1985；Schriesheim&Kerr，1976；Tosi，1982；Yukl. ，1989；. られ て い る 日 本 の リ ー ダ ー シ ッ プ 研 究 も，PとM. Yuk1&Van. 共 に 高 い リ ー ダ ー シ ッ プ が 最 も有 効 で あ る と 想 定. 最 も大 き な 理 由 は ，「行 動 ア プ ロ ー チ 」 の こ の よ う. して い る 点 で は 一 致 して い る(三 隅 ，1984，1994；. な限 界 の たあ で あ る。. Misumi&Peterson，1985)。. い わ ゆ る ， 「Hi-Hi. Fleet，1992)と. 早 く か ら判 断 さ れ た. しか し， 中 間 管 理 職 の 役 割 の 全 体 図 を っ か む と. パ ラ ダ イ ム 」 で あ る。 要 す る に ， 日米 を 問 わ ず ，. い う観 点 か ら み る と ，「行 動 ア プ ロ ー チ 」の 持 つ 最. 「Hi-Hiパ. も大 き な 限 界 は ， そ の あ ま り に も 狭 い 視 野 に あ る. ラ ダ イ ム 」 は ， リー ダ ー シ ッ プ 論 で か な. り重 要 な 位 置 を 占 め て い る の で あ る 。. (金 井 ，1991；Schriesheim&Kerr，1976)。. 「行 動. と こ ろ で， リー ダ ー シ ッ プ論 を 主 導 して き た. ア プ ロー チ」 は基 本 的 に， 中 間管 理 職 が組 織 の効. 「行 動 ア プ ロ ー チ 」 の 限 界 と し て よ く指 摘 さ れ る. 果 性 に 貢 献 す る 唯 一 の 方 法 は ， 部 下 に 対 し て リー. の は， 第1に. の リー ダ ー シ ップが あ ま りに. ダ ー シ ッ プ を 発 揮 す る こ と で あ る と仮 定 して い. も抽 象 的 で あ り， 現 実 的 に 多 様 に存 在 す る リー. る 。 しか し， 中 間 管 理 職 が ， 他 部 門 の 管 理 者 や 上. ，2っ. ダ ー シ ップ の類 型 を 無 視 して い る とい う点. 司 と の 接 触 ， 契 約 の 締 結 や 維 持 な ど ， 多 く の 「対. (Korman，1966；Schriesheim&Kerr，1976；. 外 的 な 仕 事 」 も こ な して い る こ と は 確 た る 事 実 で. Yukl，1989；Yukl&Van 「行 動 ア プ ロ ー チ 」 は ，2っ. Fleet ，1992)， 第2に. ，. あ る。 ま た ， 中 間 管 理 職 の 「対 内 的 な 仕 事 」 の 全. の リー ダ ー シ ッ プ は ど. て を リー ダ ー シ ッ プ と し て ラ ベ ル づ け る こ と も で. の よ う な 状 況 で も有 効 で あ る と 想 定 し て い る が ，. き な い 。 「対 内 的 な 仕 事 」 で あ っ て も， 中 間 管 理 職. リ ー ダ ー シ ッ プ の 有 効 性 は 状 況 要 因 に よ って か な. は ， 情 報 収 集 ・処 理 ， 企 画 や 意 思 決 定 ， 仕 事 を 円. り異 な る だ け で は な く， と き に は リ ー ダ ー シ ッ プ. 滑 に 進 あ る た め の 資 源 獲 得 や 割 り当 て ， イ ノ ベ ー.

一. 研究 開発組織 におけ る中間管 理職 の役割一. 19. シ ョ ン活 動 な ど， リー ダ ー シ ッ プ と し て は 考 え に. 報 ・支 持 を 積 極 的 に 求 あ る だ け で な く， 政 治 的 な. く い 活 動 も多 く こ な し て い る. 金. ネ ゴ シ エ ー シ ョ ン な ど， 対 外 的 な 活 動 に よ り 多 く. 要す る. の 時 間 と精 力 を 注 い で い る と 指 摘 さ れ て い る 。 な. に ， リー ダ ー シ ッ プ は ， 中 間 管 理 職 が こ な し て い. ぜ な ら， イ ノ ベ ー シ ョ ン は ， 既 存 の 秩 序 や 慣 行 を. (Hales，1986；. 井 ，1991；Schriesheim&Kerr，1976)。. る 「対 内 的 な 仕 事 」 の 一 部 に 過 ぎ ず ， 中 間 管 理 職. 脅 か す だ け で な く， そ の プ ロ セ ス に は 本 質 的 に 組. は ， リ ー ダ ー シ ッ プ 以 外 の 様 々 な 「対 内 的 な 仕 事 」. 織 の 多様 な 部 門 が 関 わ り， 多 様 な 利 害 関 係 者 が 生. と 「対 外 的 な 仕 事 」 を 同 時 に こ な して い る の で あ. じ る か らで あ る 。Kanter(1982)は. る。 実 際 ， 企 業 の 中 間 管 理 職 の 対 人 接 触 や 時 間 配. は 結 局 の と こ ろ ， 中 間 管 理 職 が 如 何 に 多 くの イ ノ. 分 の パ ター ンの調 査 結 果 に よ る と， 直 属 部下 との. ベ ー シ ョ ンを 成 し遂 げ る か に 左 右 さ れ る と 結 論 づ. 接 触 の ウ ェ イ トは30-40%台. けて い る。. に 留 ま って お り，. ， 企 業 の成 果. 中 間 管 理 職 は ， よ り 多 くの 時 間 を 他 部 門 の 管 理 者. イ ノ ベ ー シ ョ ンの 推 進 者 と して の 中 間 管 理 職 の. 及 び 社 外 の 人 々 と の 接 触 に 費 や して い る こ と が 明. 役 割 は ， 巨 大 化 して い る 大 企 業 が イ ノ ベ ー シ ョ ン. ら か に さ れ て い る(金. を 活 発 に さ せ る た め の1っ. 井 ，1991：53)。. す る と， 「行 動 ア プ ロ ー チ 」 で は ，研 究 意 義 の 大. 方 法 と し て 注 目 して. い る 「社 内 ベ ンチ ャ ー 」 に 関 す る 丹 念 な 事 例 研 究. き い 中 間 管 理 職 の 他 の 多 く の 行 動 が 存 在 して い る. で も 確 認 さ れ て い る 。 ア メ リ カ の1っ. の大企業 に. に もか か わ らず， 部 下 の 満足 や成 果 に お け る ご く. お け るR&D活. 僅 か な 分 散 し か 説 明 で き な い1っ. の 行 動 に研 究. チ ャ ー 」 と して 進 化 し， そ れ が 企 業 の 全 般 的 な イ. が 集 中 さ れ て き た こ と に な る。 実 際 ， リ ー ダ ー. ノ ベ ー シ ョ ン能 力 に 結 び っ い て い くか を 丹 念 に 調. シ ッ プ 論 の 陰 に 隠 れ ， リー ダ ー シ ッ プ を 超 え た 中. べ て い るBurgelman(1983a，1983b，1984)は. 間 管 理 職 の 行 動 に 関 す る研 究 は 殆 ど 行 わ れ ず ， 中. 「社 内 ベ ン チ ャ ー 」 は ，基 本 的 に ボ トム ・ア ッ プ の. 間 管 理 職 が ど の よ う な 仕 事 を して い る か ， ど の よ. 活 動 で あ り ， そ の モ メ ン タ ム は ，R&D部. 動 が ， ど の よ う に 「社 内 ベ ン. ，. 門の グ. うな行 動 が組 織 の効 果性 を 高 め るか に つ い て 蓄 積. ル ー プ ・リー ダ ーや 中 間 管 理 職 の. さ れ て い る知 識 は 僅 か に す ぎ な い 。 行 き 詰 ま っ て. 動 」に あ る こ と を 明 ら か に し て い る 。「自 律 的 戦 略. い る リー ダ ー シ ッ プ論 の 突 破 口 と して ， リー ダ ー. 行 動 」 と は ，R&D活. シ ップ を超 え た 中 間 管 理職 の 他 の 行 動 が 注 目 され. 及 び 科 学 的 ブ レ イ ク ス ル ー か ら今 後 大 き な 事 業 と. る理 由 は ， こ こ に あ る(金 井 ，1991；Schriesheim. して 成 長 で き る 新 規 事 業 の 種 を 見 つ け ， そ の 機 会. &Kerr，1976)0. を 生 か す た め に 社 内 ・外 に 散 らば っ て い る 資 源 を. リー ダ ー シ ッ プ を 超 え た 中 間 管 理 職 の 重 要 な 役. 「自 律 的 戦 略 行. 動 か ら生 ま れ る 新 し い 技 術. 動 員 し，「社 内 ベ ン チ ャ ー 」を 更 に 発 展 さ せ る た あ. 割 と して早 くか ら注 目 され た の は， イ ノベ ー シ ョ. の モ メ ン タ ム を 作 り 出 し て い く， 主 に グ ル ー プ ・. ンの推 進 者 と して の中 間 管 理 職 の 役 割 で あ る. リ ー ダ ー や 中 間 管 理 職 の 行 動 を 指 す(Burgelman，. (Kanter，1982；Frohman，1978)o. 1984)。 要 す る に ， 「社 内 ベ ン チ ャ ー 」 を 成 功 さ せ ，. Kanter(1982). の 企 業 で 働 く中 間 管 理 職 を 対. そ れ を 企 業 の 全 般 的 な イ ノ ベ ー シ ョ ン能 力 に 結 び. 象 と し た 調 査 か ら， 中 間 管 理 職 は ， ト ッ プ ・マ ネ. 付 け て い く鍵 を 握 っ て い る 存 在 は ， グ ル ー プ ・. ジ メ ン トが 推 進 す る戦 略 を 達 成 す る た め の シ ス テ. リー ダを 含 め た 中 間 管 理 職 な の で あ る。. は ， ア メ リ カ の5つ. ム を 考 案 し， そ れ を 作 り あ げ ， 部 下 を 動 機 づ け る. R&D部. 門 の グ ル ー プ ・ リ ー ダ ー は ， 自 らR&. な ど， こ れ ま で の イ メ ー ジ通 り の 役 割 を 果 た して. D活. 動 を 遂 行 す る 立 場 に あ り な が ら， 部 下 のR&. い る だ け で な く， 新 しい ポ リ シ ー や 構 造 づ く り ，. D活. 動 か ら生 み 出 さ れ る新 規 事 業 の 種 を 早 く. 新 しい 方 法 や 新 規 事 業 の 機 会 の 発 見 な ど， イ ノ. キ ャ ッチ した り ， 新 し い プ ロ ジ ェ ク トの た あ に 研. ベ ー シ ョ ン の 推 進 者 と して の 役 割 も 多 く果 た して. 究 予 算 を求 あ る部 下 の要 求 を 評 価 した り す る な. い る こ と を 明 ら か に して い る 。 そ して ， イ ノ ベ ー. ど ， 管 理 職 の 立 場 に も立 っ て い る(Burgelman&. シ ョ ン を 成 し遂 げ る 中 間 管 理 者 は ， 企 業 の 他 の 部. Sayles，1986)。. 門 か ら よ り 多 く の ， そ し て よ り 広 範 な 資 源 ・情. れ る新 規 事 業 の 種 と部 下 の 研 究 予 算 に対 す る要 求. 部 下 のR&D活. 動 か ら産 み 出 さ.

20. を 正 しく評 価 す るた あ に は， 現 在 の 技 術 情 勢 や こ. D活. れ か ら有 望 に な る もの に対 す る知 識 が 不 可 欠 で ，. イ ク ス ル ーを よ り広 い意 味 で 企 業 戦 略 と結 び付 け. グル ー プ ・リー ダ ーに は広 い接 触 網 と情 報 が 要 求. る中 間 管 理 職 の 能 力 は， 部 下 の研 究 成 果 に大 き な. 動 か ら産 み 出 さ れ る 新 し い 技 術 や 科 学 的 ブ レ. され る。 一 方 ， グル ー プ ・リー ダ ー よ り上 位 の 中. 影 響 を 与 え る と 思 わ れ る 。 な ぜ な ら， 他 の 部 門 よ. 間管 理職 は， リス クが 大 きい た あ に まだ 公 式 的 に. りR&D部. 門 は ， タ ス ク に お け る不 確 実 性(un-. 承 認 で きな い 新 規事 業 の 種 に対 して ， 非 公 式 的 な. certainty)が. 著 し く高 く，企 業 戦 略 とR&D部. 資金 を ま わ す とい う消 極 的 な 役 割 に 留 ま らず ， そ. の 戦 略 とを 結 び付 け る中 間 管 理 職 の 能 力 は， 部 下. れ が 「社 内 ベ ンチ ャー 」 と して 公 式 的 な 承 認 を 受. の タ ス クの 不 確 実 性 を 低 め ， 部 下 の. け る と， そ の新 た な技 術 の 種 を 企 業 の 内 ・外 部 に. (role ambiguity)」. 散 らば って い る多様 な 資 源 と組 み 合 わ せ る とい う. conflict)」 を 低 め る か ら で あ る。 従 っ て ， 次 の よ. 積 極 的 な役 割 も果 た す。「 社 内 ベ ン チ ャ ー」が軌 道. うな 仮説 を立 て る こ とが で き る。. と. 門. 「役 割 曖 昧 さ. 「役 割 コ ン フ リ ク ト(role. に乗 る と， 中 間管 理 職 は， これ ま で の考 え方 や組 織 の 「社 内 ベ ンチ ャー」 に対 す る絶 え る こ との な. 仮 説 ：グル ー プ ・リー ダ ーを 含 め，R&D部. 門. い疑 い と戦 い な が ら， トップ ・マ ネ ジメ ン トや ベ. の 中 間管 理 職 の リー ダー シ ッ プを 超 え た. ンチ ャー に関 わ る他 部 門 の利 害 関 係 者 に そ の支 援. 「自律 的 戦 略 行 動 」は，部 下 の 満 足 や 組 織. を求 め る。 そ して， 「社 内 ベ ンチ ャ ー」 が 成 功 し，. コ ミッ トメ ン ト， 研 究 成 果 を 高 め る。 統. 1っ の事 業 と して成 り立 っ と，中間 管 理 職 は，「社. 計 的 に言 え ば，上 司 の 「自律 的 戦 略 行 動 」. 内 ベ ンチ ャー」 が もつ 戦 略 的 な イ ンプ リケ ー シ ョ ンを概 念 化 し， 既 存 の組 織 の戦 略 と構 造 さ え も変. は， 部 下 の結 果 変 数 に対 して， リー ダー. え て い く(Burgelman，1983a，1983b，1984；Bur-. る。. シ ップ を超 え た ユ ニ ー クな分 散 を説 明 す. gelman&Sayles，1986)o 「行 動 ア プ ロー チ」は，部 下 を動 機 づ け る た あ に. 2.研. 究 方 法. リー ダ ー シ ップ を発 揮 す る こ とが ， 中間 管 理 職 が 組 織 の 効 果 性 に貢 献 す る唯 一 の方 法 で あ る と想 定 して い る。 しか し， 中 間 管 理 職 が ， 「考 慮 的 リー. 1)研. 究対象. 本 研 究 の もと に な る研 究 対 象 は， 慶 応 義 塾 大 学. ダ ー シ ップ」 と 「タ ス ク中 心 の リー ダ ー シ ップ」. 産 業 研 究 所 の 「R&D研. を う ま く組 み 合 わ せ ， 部 下 の動 機 づ け に成 功 して. した 「研 究 者 の意 見 調 査 」 に回 答 した， 製 薬 ， エ. 究 会」 が1994年. に実 施. も， 部 門 と して の 目標 達 成 に必 要 な情 報 や 資 源 ，. レク トロ ニ ク ス，化 学 ，製 鉄 の4業 種 に属 す る10. さ らに は外 部 か らの 支 援 を 取 り付 け る こ と に失 敗. の 企 業 研 究 所 で 働 く プ ロ フ ェ ッ シ ョナ ル で あ る. す れ ば， せ っか くの 動機 づ け も部 下 の 満 足 につ な. (石 田 ・守 島 ・佐 野 ，1996)。 「R&D研. 究会」の. が らず， か え って部 下 の研 究 意 欲 を低 下 させ る可. 調 査 の 最 も大 き な特 徴 は， 開 発 ・応 用 研 究 よ り基. 能 性 が あ る(金 井 ，1991)。 そ れ に対 して，部 下 の. 礎 研 究 に焦 点 を 当 て よ う と した調 査 の 目的 を反 映. 日常 的 なR&D活. 動 か ら産 み 出 され る新 しい技. し， 基 礎 研 究 に従 事 す る プ ロ フ ェ ッシ ョナ ルが 研. 術 や科 学 的 な ブ レイ ク スル ー を い ち早 くキ ャ ッチ. 究 対 象 に 多 く含 まれ て い る と い う点 で あ る。 配 布. し， そ れ を企 業 の全 般 的 な イ ノベ ー シ ョ ンに結 び. さ れ た1，110部 の 調 査 表 の う ちジ 計965名. か ら. 付 け る 中間 管 理 職 の能 力 ほ， 部 下 の動 機 づ け や満. 有 効 な 回答 が得 られ， 有 効 回 収 率 は86.9%. で. 足 だ け で な く， 部 下 の昇 進 の ス ピー ドに も大 きな. あ った。「R&D研. 影 響 を与 え る と考 え られ る。 上 司 の 「自律 的戦 略. 田(1996)を. 行 動 」 に よ って もた らさ れ る部 下 の動 機 づ け や満. 究 会 」の研 究 対 象 の特 徴 は，石. 参 照 さ れ た い。. 本 研 究 の研 究 対 象 は， 「R&D研. 足 は， 部 下 の 組 織 に止 ま り た い と い う願 望 を 高. に回 答 した， 計291名. め ， 組 織 コ ミ ッ トメ ン トも次 第 に高 くな る。. る。 研 究 対 象 を35歳. 一 方 ，企 業 の戦 略 を 明 らか に し， 日常 的 なR&. 理 由 は，「R&D研. の35歳. 究 会 」 の調 査. 以 下 の一 般 職 で あ. 以 下 の 一 般 職 だ け に限 った. 究 会 」 の調 査 が ，部 下 の上 司 に.

一一 一研 究 開 発 組 織 に お け る中 間 管 理 職 の役 割 一. 対 す る 認 知(cognition)を. 通 じて 中 間 管 理 職 の 行. 動 を 測 っ て い る か ら で あ る 。35歳. 以 下 の一 般 職. の 属 性 変 数 に お け る 特 徴 は ， 平 均 年 齢 が29.4歳 平 均 勤 続 が5.3年. で ， 男 性 が253名(87%)で. ， 圧. 21. 時 ， 一 緒 に 考 え る 」， 「部 下 を 成 長 さ せ る た あ に 種 々 の 体 験 を さ せ る 」， 「部 下 の 創 意 工 夫 が 活 き る よ う に 仕 事 を 与 え る」 の6項. 目 で構 成 さ れ て い. る 。 い ず れ も部 下 の 気 持 ち や 成 長 を 大 事 に す る上. 倒 的 に 多 い 。 学 歴 別 に は ， 大 学 学 部 卒 業 者 が21. 司 の 行 動 に 注 目 し た も の で あ る 。一 方 ，「タ ス ク 中. 名(7.2%)，. 心 の リ ー ダ ー シ ッ プ 」の 尺 度 は ，「部 下 に い っ た ん. 大 学 院 修 士 課 程 修 了 者 が207名. (71.1%)， 大 学 院 博 士 課 程 修 了 者 が52名(17.9%). 決 定 し た こ と は 必 ず 実 行 す る よ う に 求 め る」， 「部. で あ る。 一 方 ， 業 種 別 に は ， 製 薬 が127名. 下 に 目標 の達 成 を最 後 ま で あ き らめ な い よ うに求. (43.6%)，. め る 」 の2つ. エ レ ク ト ロ ニ ク ス が151名(51.9%)，. 化 学 が13名(4.3%)で. あ る 。 研 究 対 象 を35歳. 下 の 一 般 職 だ け に 限 っ た と こ ろ ， 「R&D研. 以. 究会」. の も と の 研 究 対 象 よ り， エ レ ク ト ロ ニ ク ス は 約 10%増. え て い る の に 対 して ， 製 薬 と 化 学 は 共 に. 約6%づ. っ 減 少 して い る。. の項 目で構 成 され て い る。 い ず れ も. 部 下 が 行 っ て い る 仕 事 に 関 す る上 司 の 管 理 行 動 に 注 目 し た も の で あ る 。 項 目 が 少 な く， 信 頼 性 係 数 は 低 い と予 想 さ れ る 。 c.「 総： 合 的 な満 足 」 中 間 管 理 職 の 行 動 が も た らす 部 下 の 態 度 面 で の 効 果 を 測 る 指 標 と して 最 も よ く使 わ れ て き た こ と. 2)尺 a.「. 度. は ， 部 下 の 職 場 で の 「総 合 的 な 満 足 」 で あ る. 自律 的 戦 略 行 動 」. ま ず ，金 井(1991)の. (Bass，1990；Yukl，1989；Yukl&Van. 「管 理 者 行 動 サ ー ベ イ 」 の. 中 か ら， 「自 律 的 戦 略 行 動 」 と思 わ れ る6項 選 ば れ た 。 そ し て ，2っ. 目が. の リー ダ ー シ ッ プ と の. 「差 別 妥 当 性(discriminant. validity)」. を検 証 す. Fleet，. 1992)。 部 下 の 「総 合 的 な 満 足 」 は ， 「仕 事 に 関 連 す る 満 足 」を 聞 く項 目 群 ，「人 間 関 係 に 関 連 す る満 足 」 を 聞 く項 目 群 ， 「研 究 支 援 体 制 に 関 す る 満 足 」 を 聞 く項 目 群 ， 「プ ロ フ ェ ッ シ ョ ナ ル と して の 活. る た め に ， 因 子 分 析 が 行 な わ れ た 。 そ の 結 果 ， 「自. 動 に 関 す る 満 足 」 を 聞 く項 目 群 な ど ， 計17項. 律 的 戦 略 行 動 」 を 測 る 項 目 群 は ，2つ. で 測 ら れ た 。 リカ ー ト ・ タ イ プ の5点. の リー ダ ー. シ ップを 測 る項 目群 と異 な る因 子 と して現 れ た。 しか し，1つ. の項 目 が ダ ブル負 荷 さ れ， 分 析 か ら. 除 か れ た 。 具 体 的 な 項 目 は ， 「部 下 の 力 か ら み て ，. 目. スケ ー ル で. 測 られ た。 d.「. 組 織 コ ミ ッ トメ ン ト」. 「組 織 コ ミ ッ トメ ン ト」 も 中 間 管 理 職 の 行 動 が. ぎ り ぎ り い っ ぱ い の 仕 事 を 要 求 し て い る 」， 「職 場. も た らす 部 下 の 態 度 面 で の 効 果 を 測 る指 標 と し て. に 危 機 意 識 や 緊 張 感 を 持 た せ る 」， 「職 場 の 役 割 を. よ く使 わ れ て い る(Baba&Knoop，1987；Bate-. 会 社 全 体 の 方 針 や 戦 略 と 結 び 付 け て ， 練 り直 し て. man&Strasser，1984；Hampton，. い る 」， 「将 来 の 方 向 性 に つ い て ， 機 会 を 捉 え て は. Skinner，1986；Howell&Dorfman，1986；Pod-. 語 っ て い る 」， 「従 来 の 仕 事 の や り 方 に と ら わ れ. sakoff， MacKenzie&Bommer，1996)。. ず ，新 た な や り方 で 試 し て い る」。 い ず れ も ， 中 間. ミ ッ トメ ン ト」 は ，Mowdayな. Dubinsky&. 「組 織 コ ど(1979)に. 基 づ. 管 理 職 の 行 動 に対 す る 部 下 の 認 知 に注 目 して お. き，「こ の 会 社 の た め な ら，人 一 倍 働 い て も い い と. り， リ カ ー ト ・ タ イ プ の5点. 思 う」， 「私 の 考 え と， こ の 会 社 の 経 営 方 針 と は，. ス ケ ー ル で 測 られ. た。. か な り 一 致 し て い る」， 「な ん だ か ん だ と い っ て. b.「 配 慮 的 リ ー ダ ー シ ッ プ 」 と 「タ ス ク 中 心 の リー ダ ー シ ップ」 2っ の リー ダ ー シ ッ プ の 尺 度 も，金 井(1991)の 「中 間 管 理 職 行 動 サ ー ベ イ」 に 基 づ い て い る。 「配. も， こ の 会 社 を 選 ん で 本 当 に よ か っ た と思 う」 な ど ，3項 e.研. 目で 測 られ た 。 究成 果. 部 下 に よ る 研 究 成 果 は2つ. に 分 け ら れ る 。1つ. 慮 的 リ ー ダ ー シ ッ プ 」の 尺 度 は ，「部 下 の 気 持 ち や. は ， 研 究 成 果 が 会 社 の 成 果 に 直 接 つ な が る と思 わ. 立 場 を 大 切 に して い る 」， 「部 下 の 悩 み や 不 満 を 理. れ る 「社 内 研 究 成 果 」 で ， 具 体 的 に ， 「海 外 で の 特. 解 して い る 」， 「部 下 が 仕 事 上 で 問 題 に ぶ っ か っ た. 許 申 請 」， 「国 内 で の 特 許 申 請 」， 「研 究 成 果 の 製 品.

22. 化 」， 「研 究 成 果 の社 内 表 彰 」， 「事 業 部 な どか らの. ル式 に新 た に加 え られ た と き， そ の変 数 が既 存 の. 重 大 な 要 請 に 答 え る」 の5項. 目で構 成 され て い. 説 明 力 を ど の く ら い 高 あ る か と い う， 結 果 変 数 に. る。ダ ミー変 数 と して 測 られ た た あ，「社 内 研 究 成. 対 して 新 た に 加 え られ る 独 立 変 数 の ユ ニ ー ク な 貢. 果 」 は，5項 目 の合 計 で あ る。 も う1っ は，「総 合. 献 度 を 意 味 す る(Cohen&Cohen，1975；Darling-. 的 な研 究 成 果 」 で あ る。 これ は， 「社 内研 究 成 果 」. ton，1968；Schnake，. を測 る項 目に，「海 外 で の学 会 発 表 」，「国 内 で の学. Darlington(1968)は. 会 発 表 」， 「海 外 雑 誌 へ の論 文 掲 載 」， 「国 内雑 誌 へ. で な い と い う 「有 用 性 」 検 定 は ， そ の 変 数 の 標 準. の論 文 掲 載 」 の4項. 化 さ れ た 偏 回 帰 係 数 が 全 く有 意 で な い と い う ベ. 目が加 わ った もの で ，9項 目. の 合 計 で あ る。 新 た に加 わ っ た4項. 目はいず れ. も， 会 社 の成 果 に直 接 っ な が る とい うよ りは， プ ロ フ ェ ッ シ ョナ ル と して の個 人 の成 果 の側 面 が強. Dumler&Cochran，1993)O ， あ る 独 立 変 数 が 全 く有 用. タ ー 係 数 の 有 意 性 検 定(significance. test)と 同 じ. で あ る と指 摘 し て い る。 と こ ろ で ， あ る独 立 変 数 の 貢 献 度 は， そ の 独 立. い。 「社 内 研 究 成 果 」 を測 る項 目が 入 って い る故. 変 数 が ど の段 階 で モ デ ル式 に入 るか に よ って か な. に，2つ の 研 究 成 果 の間 に は高 い相 関 が 予 想 され. り異 な る 結 果 が 得 ら れ る こ と は 周 知 の 通 り で あ. る。. る 。Cohen&Cohen(1975)は. ，判 断 基 準 と して，. 原 因 と 思 わ れ る 変 数 を 先 に 入 れ る と い う 「原 因 変. 3.分. 析 方 法. 数 優 先 性(causal. priority)」. と研 究 者 の研 究 目的. に 適 切 と思 わ れ る 順 番 で 入 れ る と い う 「研 究 の 適. 本 研 究 の仮 説 を検 証 す るた め に用 い られ る方 法 は，変 数 の 「有 用 性(usefulness)分. 切 性(research. relevance)」. と い う2っ. を勧告 し. 析 」(Darling-. て い る。 本 研 究 は ， 「自 律 的 戦 略 行 動 」 の ユ ニ ー ク. ton，1968)， つ ま り， 「階 層 的(hierarchica1)重 回. 貢 献 度 を 調 べ る こ と を 目 的 と す る 故 に ， 「研 究 の. 帰 分 析 」(Cohen&Cohen，1975)で. 適 切 性 」 の 基 準 に 従 い ，2つ. あ る。 複 数 の. の リー ダ ー シ ッ プ変. 独 立 変 数 を モ デ ル式 に含 む重 回 帰 分 析 の際 ， 独 立. 数 を 先 に モ デ ル 式 に 入 れ る こ と に す る。 し か し，. 変 数 の 重 要 性 を定 あ る指 標 と して よ く用 い られ る. 比 較 の 側 面 か ら， 「自 律 的 戦 略 行 動 」 を 先 に 入 れ ，. の は， 各 々 の 独 立 変 数 と結 果 変 数(従 属 変 数)と. 2つ の リ ー ダ ー シ ッ プ の ユ ニ ー ク な 貢 献 度 も共 に. の単 純 相 関 係 数(r)，標 準 化 され た 偏 回帰 係数(ベ. 調 べ る こ と にす る。. ター係 数)， 偏相 関係 数 の二 乗(決 定 係 数R2に け る変 動)の3つ. お. で あ る。 独立 変 数 の 間 に相互 相. 関(intercorrelation)が. 4.分. 析 結 果. 存 在 し な い な ら ば，3っ. の指 標 は全 く同 じ意 味 を持 っ。 しか し， 独 立 変 数. 「自律 的 戦 略 行 動 」を 含 あ，木 研 究 で 使 わ れ る変. の間 に相 互 相 関 が存 在 す る とす れ ば， 因果 関係 が. 数 の平 均 ， 標 準 偏 差 ， 相 関 係 数 は， 表1に. は っき り して い な い限 り， 標 準 化 さ れ た偏 回帰 係. られ て い る。 上 司 の 「自律 的戦 略行 動 」 に対 す る. 数 は， 変 数 の重 要 性 を定 め る基 準 と して は有 効 で. 部 下 の認 知 の平 均 は，2つ. はな い。 なぜ な ら， 独 立 変 数 が お互 い に高 い相 関. す る認 知 の平 均 よ り低 い。「自律 的戦 略行 動 」の信. を 持 って い る と， 標 準 化 され た偏 回 帰 係 数 は， そ. 頼 性 係 数(α)は.78で ， こ の値 は， 「新 た に構 成 さ. の 値 が 大 き く変 動 す るだ けで な く， と き に は方 向. れ る尺 度 の信 頼 性 係 数 は， 少 な くと も.70を 超 え. ま とめ. の リー ダー シ ッ プに対. さえ も変 え て しま うか らで あ る。. る こ とが 望 ま しい」 と い うNunnally(1967)の. 独立 変 数 の 間 に 相 互 相 関 が 存 在 して お り， 研 究 の焦 点 が 因果 関係 を 明 らか に す る こ とで はな く，. 摘 を満 た して い る。 「タ ス ク中 心 の リー ダー シ ッ. あ くま で独 立 変 数 に よ る結 果 変 数 の予 測 に 置 か れ. 低 く， 結 果 変 数 に 対 す る真 の 影 響 を 低 め る可 能 性. る と き， 最 も関 心 の あ る指 標 は， 変 数 の 「有 用. が あ る こ とを予 め 断 って お く。3つ. 性 」， つ ま り，決 定 係 数(R2)に お け る変 動 で あ る。. は， 中程 度 の相 関 が現 れ て い る。 換言 す れ ば ， 上. 変 数 の 「有 用 性 」 と は， あ る独 立 変 数 が回 帰 モ デ. 司 が 「自律 的戦 略 行 動 」 を多 く と って い る と認 知. 指. プ」 の 信 頼 性 係 数 は， 項 目の 数 が 少 な い故 にや や. の変数の間 に.

一. 表1変 M. s.d.. 1.戦. 略行動. 3.33. .73. 2.配. 慮. 3.70. .76. タスク. 3.52. .79. 足度. 3.09. .46. 2.81. .80. 3. 4.満 5.OC 6.社. 内成果. 1.22. 1.06. 7.綜. 合成果. 2.35. 1.91. ・!>=291 test).. .カ. OCは. 23. 数の平均，標準偏差，相関係数 1. 2. (.78) .58 .48 .30 .33 .02 .03. ッ コ の 中 は 信 頼 性 係 数. 組 織. 研究開発組織 にお ける中間管理職 の役割一. 3. 4. 5. 6. 7. (.86) .37. (.74). .38. .22. .30. .25. 一 .15. 一. 一. 一. α.r>1.201は. .17. .01水. ，. (.83) .46 一. .05. 一. .07. (.78). .01. 一.05. .oi. 一.08. 準 で 有 意 ，r>Ll41は. ，.05水. .79 準 で 有 意(two-tailed. コ ミ ッ ト メ ン ト.. す る 部 下 ほ ど ， 上 司 は リ ー ダ ー シ ッ プ も発 揮 して. 表2は. ， 「階 層 的 重 回 帰 分 析 」 の結 果 を ま とあ. い る と 認 知 さ れ て い る 。 特 に 「自 律 的 戦 略 行 動 」. た もので あ る。 まず ， 上 司 の 「自律 的 戦 略 行 動 」. と 「配 慮 的 リー ダ ー シ ッ プ 」 と の 間 の 相 関 が 高 く，. を 部 下 の 態 度 面 で の 結 果 変 数 ， つ ま り， 部 下 の. 多 重 共 線 性(multicollinearity)の. 「総 合 的 な満 足 」 と 「組 織 コ ミッ トメ ン ト」 に回 帰. れ る。2つ. 問題 が提 議 さ. の リー ダ ー シ ップ の間 の相 関 は， 先 行. 研 究(Weissenberg&Kavanagh，1972)の. した 結 果 を 調 べ る こ と に す る。2つ の リ ー ダ ー シ ップ変 数 を 先 に モ デル 式 に導 入 した と こ ろ， 上. 範囲 の. 司 の 「自律 的 戦 略 行 動 」 は， 部 下 の 「総 合 的 な満. 変 数 が 果 た し て お 互 い に 独 立 す る次 元 で あ る か に. で あ る 。 要 す る に ， 相 関 係 数 を 見 る 限 り ，3つ. 足 」 に お け る残 され た 分 散 を 統 計 的 に有 意 に減 ら. っ い て 疑 問 を 投 げ か け る 結 果 と な っ て い る。 し か. さず， 仮 説 は棄 却 され た。 そ れ に 対 して ， 上 司 の. し，3つ. 「自律 的 戦 略 行 動 」 は，部 下 の 「組 織 コ ミ ッ トメ ン. の 変 数 が と も に リカ ー ト ・ タ イ プ の5点. ス ケ ー ル で 測 ら れ た 故 に ，中 程 度 の 相 関 は ，「同 じ わ. し， 仮 説 は立 証 さ れ た。 っ ま り， 上 司 が， 職 場 の. と か ら現 れ. 役 割 を会 社 全 体 の方 針 や戦 略 と結 び付 け た り， 将. 方 法 」 に よ る 影 響 を 少 な か らず 受 け て い る(い ゆ る ，common. method. variance)こ. ト」 に お け る残 され た分 散 を統 計 的 に 有 意 に 減 ら. た 結 果 にす ぎ な い可 能 性 は否 定 で き な い。. 表2 回帰分析 と標準化回帰係数(B係 数) 1.. 来 の方 向性 に つ い て機 会 を と らえ て語 った り， 新 階層的重回帰分析 の結果 満. 足. oc. 社内成果. 総合成果. リー ダ ー シ ップ， 戦 略 行 動 の 順 step. l. 2っ RZ. の リー ダ ー シ ップ. step. 2. 自律 的戦 略行 動 RZ. .020*. .026**. .135***. .036**. .055***. .026***. .016**. .028***. .093***. .113***. .000. .ooi. .156***. .135***. .036**. .055***. .063***. .022**. .036**. .054***. 配 慮 的 リー ダ ー シ ップ. .30***. .15**. 一 .22***. 一一. タ ス ク中 心 リー ダ ー シ ップ 自律 的 戦 略 行 動. .04. .09. 一. 一 .06. .11. .21***. △R2 2.戦. .109***. .156*** .006. 略 行 動 ， リー ダ ー シ ッ プ の 順. step. l. step. 22っ. 自律 的戦 略 行 動 RZ の リー ダ ー シ ップ RZ △R2. 標 準 化 回 帰 係 数(B係. ・1>ニ291. .150***. 数). .***p<.oi，**p<.05，*p<.10.. OCは. 組 織. コ ミ ッ ト メ ン ト.. .04 .16**. .27***. .22***.

24. た な や り方 を試 して み た り， 職 場 で 緊 張 感 を 持 続. と こ ろ，態 度 変 数 と同 じ く，「配 慮 的 リー ダ ー シ ッ. させ た りす る ほ ど，部 下 の 「組 織 コ ミッ トメ ン ト」. プ」 だ けが 統 計 的 に有 意 で， 「タ ス ク 中心 の リー. は 高 くな る。. ダ ー シ ップ」 は部 下 の研 究 成 果 に何 ら影 響 を与 え. 上 司 の 「自律 的戦 略 行 動 」 を 部 下 の 行 動 面 で の. て いな い。 「配 慮 的 リー ダ ー シ ップ」 は， 部 下 の. 結 果 変 数 ， つ ま り， 「社 内 研 究 成 果 」 と 「総 合 的 な. 「社 内研 究 成 果 」 と 「総 合 的 な研 究 成 果 」 に負 の影. 研 究 成 果 」 に 回帰 した結 果 ， 仮説 は と も に立 証 さ. 響 を 与 え て お り， これ まで リー ダ ー シ ップ論 の基. れ た。2っ. 本 的 な 仮 定 を 覆 す 結 果 と な って い る。 ま た， こ の. の リー ダー シ ッ プ変 数 を 先 に モ デル 式. に導 入 した と ころ，上 司 の 「自律 的戦 略行 動 」は，. よ うな 結 果 を ，「総 合 的 な 満 足 」 と 「組 織 コ ミ ッ ト. 「海 外 ・国 内 で の特 許 申請 」， 「研 究成 果 の 製 品 化 」，. メ ン ト」 な どの 部 下 の 態 度 面 で の 結 果 変 数 と合 わ. 「 社 内 表 彰 」， 「事 業 部 な どか らの 重 大 な要 請 に 答. せ て 解 釈 す る と，「配 慮 的 リー ダ ー シ ップ」は，部. え る」 な ど で構 成 さ れ て い る部 下 の 「社 内研 究成. 下 の 態度 面 で の 結 果 変 数 に は正 の 影 響 を 与 え る の. 果 」 に お け る残 さ れ た分 散 を統 計 的 に有 意 に減 ら. に対 して， 行 動 面 で の 結 果 変 数 に は負 の 影 響 を 与. して い る。 ま た， 上 司 の 「自律 的戦 略行 動 」 は，. え る と い う解 釈 に な り， 「行 動 面 で の 結 果 変 数 は. 「海 外 ・国 内 で の学 会 発 表 」， 「海 外 ・国 内 雑 誌 へ. 態 度 面 で の変 数 を媒 介 と して 現 れ る」 とい う組 織. の論 文 掲 載 」 な ど の個 人 成 果 を含 め た部 下 の 「総. 行 動 論 の基 本 的 な前 提 も覆 す結 果 とな って い る。. 合 的 な研 究 成 果 」 に お け る残 さ れ た分 散 も統 計 的. この よ うな結 果 に対 して は， 考 察 の と こ ろで よ り. に有 意 に減 ら して い る。 つ ま り， 上 司 が， 職 場 の. 詳 し く述 べ る こ とに す る。. 役 割 を 会 社 全 体 の方 針 や戦 略 と結 び付 け た り， 将 来 の 方 向 性 につ いて 機 会 を と らえ て語 った り， 新. 5.考. 察. た な や り方 を 試 して み た り， 職 場 で 緊 張 感 を持 続 させ た りす る ほ ど，部 下 の 「社 内研 究 成 果 」 と 「総 合 的 な 研 究 成 果 」 は高 くな る。 一 方 ， 上 司 の 「自律 的 戦 略 行 動 」 を先 に モ デ ル. 企 業 の競 争 優 位 が イ ノ ベ ー シ ョ ン能 力 に大 き く 左 右 さ れ る に つ れ， リー ダー シ ップ を発 揮 す る こ と だ け に焦 点 を絞 って き た 中 間管 理 職 の役 割 も大. 式 に導 入 し，2つ の リー ダ ー シ ップ の結 果 変 数 に. き く問 わ れ て い る。事 例 研 究 に よ って，R&D部. 対 す るユ ニ ー クな 分 散 を 調 べ た と こ ろ， 非 常 に驚. 門 に従 事 す る 中間 管 理 職 の新 た な行 動 と して早 く. くべ き結 果 が 現 れ て い る。2つ の リー ダ ー シ ップ. か ら注 目 され た の は，「自律 的戦 略 行 動 」 とい った. は， 部 下 の 「総 合 的 な 満 足 」 と 「組 織 コ ミ ッ トメ. 「戦 略 ・革 新 行 動 」で あ る。 しか し，R&D部. ン ト」 の残 さ れ た分 散 を 統 計 的 に 有 意 に 減 ら し. 従 事 す る多 くの プ ロ フ ェ ッシ ョナ ル を研 究 対 象 と. た。 しか し， 標 準 化 され た 偏 回帰 係 数 の 有 意 水 準. して 捕 え ， 中 間 管 理 職 の 「自律 的 戦 略 行 動 」 の効. を調 べ た と ころ，「配 慮 的 リー ダ ー シ ップ」だ けが. 果 を 実 証 した研 究 は希 で あ る(金 井 ，1991)。. 統 計 的 に有 意 で， 「タ ス ク中 心 の リー ダ ー シ ップ」. の 僅 か な 研 究 も，R&D部. 門に. そ. 門 よ り一 般 部 門 に重 き. は結 果 変 数 に何 ら影 響 を与 え て い な い。 これ は，. が 置 か れ て いた り， 肝 心 な 研 究 成 果 を結 果 変 数 と. 先 行 研 究 の指 摘(Korman，1966；Tosi，1982；. して捉 え て いな い。 本 研 究 の 最 も大 き な意 義 は，. Yukl，1989；Yukl&Van. こ こで求 あ る こ とが で き る。 以 下 で は， 本 研 究 の. Fleet，1992)と 概 ね一. 致 す る結 果 で ， 驚 くべ き結 果 で は な い。 驚 くべ き結 果 は， 部 下 の行 動 面 で の結 果 変 数 で. 結 論 ， そ こか ら導 か れ る イ ン プ リケ ー シ ョ ン， 限 界 な どを述 べ る こ とに す る。. あ る 「社 内 研 究 成 果 」 と 「総 合 的 な研 究 成 果 」 に. 部 下 の 「総 合 的 な満 足 」 を 除 けば， 本 研 究 の 仮. 現 れ た。 上 司 の 「自律 的 戦 略 行 動 」 を先 に モ デ ル. 説 は立 証 され た。 上 司 の 「自律 的戦 略行 動 」 は，. 式 に導 入 した と こ ろ，2つ. 部 下 の 「組 織 コ ミッ トメ ン ト」， 「社 内研 究 成 果 」，. の リー ダー シ ップ変 数. は部 下 の 「社 内研 究 成 果 」 と 「総： 合的な研究成果」. そ して 「総 合 的 な研 究 成 果 」 に統 計 的 に有 意 な影. の 残 され た 分 散 を 統 計 的 に有 意 に減 ら した。 そ し. 響 を及 ぼ して い る こ とが分 か った。 特 に， 上 司 の. て ， 標 準 化 され た 偏 回 帰 係 数 の有 意 水 準 を調 べ た. 「自律 的戦 略 行 動 」 が部 下 の 「社 内 研 究 成 果 」 と.

一. 研究開発組織 における中間管理職 の役割一. 25. 「総 合 的 な研 究 成 果 」 に と も に正 の 影 響 を 及 ぼ し. は ， ど の よ う な 状 況 で も有 効 で あ る と仮 定 し て き. て い る と い う結 果 は， イ ノ ベ ー シ ョ ンを成 し遂 げ. た 。 しか し，70年. 代 の 半 ば 頃 か ら， リー ダ ー シ ッ. る た あ に は中 間 管 理 職 の役 割 が如 何 に重 要 で あ る. プ 論 の 研 究 は 新 た な 転 機 を 迎 え る こ と に な る 。2. か を明 らか に して い る事 例 研 究 の結 論 を強 力 に裏. っ の リー ダ ー シ ッ プ を 必 要 と せ ず ， と き に は そ の. 付 けて い る。. 効 果 を 全 く無 効 に し て し ま う代 替 要 因 を 探 る研 究. 驚 くべ き結 果 は，「配 慮 的 リー ダー シ ップ」 と結. が そ れ で あ る 。 そ して ， 多 く の 研 究 は ，R&D部. 果 変 数 と の間 に現 れ た。 上 司 が 「配 慮 的 リー ダ ー. 門 の よ う に ， 特 に プ ロ フ ェ ッ シ ョナ ル が 多 く働 く. シ ッ プ」 を発 揮 して い る と認 知 して い る部 下 ほ. 職 場 で は ， リー ダ ー シ ッ プ の 代 替 要 因 が 数 多 く存. ど，「総 合 的 な満 足 」 と 「組 織 コ ミッ トメ ン ト」 な. 在 し て い る と報 告 し て い る(Howell&Dorfman，. ど， 態 度 面 で の結 果 変 数 は高 くな る の に対 して，. 1986；Howell，. 「社 内研 究 成 果 」 と 「総 合 的 な研 究 成 果 」 な ど，行. Jermier，. 動 面 で の結 果 変 数 は低 くな る と い う， お互 い に矛. Bommer，1996)。. 盾 す る よ う な結 果 が 現 れ た。これ はt「配 慮 的 リー. ダ ー シ ップ に代 わ る代 替 要 因 と して共 通 して指 摘. ダ ー シ ップ」 は， 部 下 の高 い職 務 成 果 につ なが る. さ れ る の は ， プ ロ フ ェ ッ シ ョ ナ ル ・ コ ミ ッ トメ ン. と い う，「行 動 ア プ ロ ー チ」の基 本 的 な前 提 を覆 す. トで あ る ◎. Dorfman&Kerr，1986；Kerr&. 1978；Podsakoff， R&D部. MacKenzie. &. 門 に 存 在 す る ， リー. 結 果 で あ る。ま た ，「行 動 面 で の結 果 変 数 は態 度 面. 科 学 者 ・技 術 者 な ど の プ ロ フ ェ ッ シ ョ ナ ル は ，. で の 変 数 を 媒 介 と して 現 れ る」 と い う組 織 行 動 論. 自 分 の 雇 わ れ て い る 組 織 よ り， 自 分 の 専 門 分 野 や. の基 本 的 な 前 提 を 覆 す 結 果 で もあ る。. 知 識 に コ ミ ッ トす る存 在 と し て 知 ら れ て い る. 本 研 究 の 結 果 を そ の ま ま 受 け 止 あ る と， これ は，R&D部. 門 の 特 殊 性 が 強 く反 映 され て い る結. (Gouldner，1957，1958；Marcson，1960； 1994)。. 太 田，. と ころ で， プ ロ フ ェ ッシ ョナ ル が持 って. 果 と思 わ れ る。他 の 部 門 と異 な り， プ ロ フ ェ ッ. い る専 門 的 な知 識 や ス キ ル は， 仕 事 上 必 要 とな る. シ ョナル が 多 く働 くR&D部. 門 の 場 合 ， 「行 動 ア. 情 報 に対 す る上 司 へ の依 存 度 を低 め， 結 果 的 に上. プ ロ ー チ」 や 組 織 行 動 論 の基 本 的 な前 提 と は異 な. 司 の 「タ ス ク 中 心 の リ ー ダ ー シ ッ プ 」 の 効 果 を 低. り，「配 慮 的 リー ダ ー シ ップ」が，部 下 の態 度 面 で. め る こ と に な る。 一 方 ， 研 究 テ ー マ や研 究 方 法 に. の 結 果 変 数 と， 行 動 面 で の結 果 変 数 に全 く異 な る. 対 す る 自 律 性 や ， 同 じ分 野 の 仲 間 に 対 す る 強 い コ. 影 響 を 及 ぼ して い る の か も しれ な い。 換 言 す れ. ミ ッ トメ ン トな ど ， プ ロ フ ェ ッ シ ョ ナ ル の 持 っ て. ば， 上 司 の 「配 慮 的 リー ダ ー シ ップ」 が ， 部 下 の. い る 態 度 は ，「配 慮 的 リー ダ ー シ ッ プ 」 の 効 果 を 妨. 上 司 に対 す る人 間 的 な信 頼 感 を もた らす こ と と，. げ る 要 因 と して 働 く。 な ぜ な ら， 研 究 テ ー マ や 方. 部 下 の 研 究 成 果 を高 め る こ と と は 全 く別 の こ と. 法 に 対 す る 自 律 性 を 強 く要 求 す る プ ロ フ ェ ッ シ ョ. で，「配 慮 的 リー ダ ー シ ップ」に よ って も た らされ. ナ ル は ， 上 司 の 「配 慮 的 リ ー ダ ー シ ッ プ 」 を 自 分. た部 下 の 高 い満 足 や 組 織 コ ミ ッ トメ ン トが ， 必 ず. の研 究 活 動 に対 す る干 渉 と して受 け止 あ る傾 向 が. し も部 下 の 高 い 研 究 成 果 と っ な が る と は限 ら な. 強 い か らで あ る 。 そ の 可 能 性 が 現 実 化 す る と ， 上. い。 実 際， 表1で. 分 か る よ うに， 部 下 の 「総 合 的. 司 の 「配 慮 的 リ ー ダ ー シ ッ プ 」 は ， む し ろ 部 下 の. な満 足 」 と 「組 織 コ ミ ッ トメ ン ト」 な どの 態 度 変. 研 究 成 果 に否 定 的 な影 響 を与 え るか も しれ な い。. 数 と， 部 下 の 「社 内研 究成 果 」 と 「総 合 的 な研 究. 要 す る に ，R&D部. 成 果 」 な どの行 動 変 数 との 間 に は， 何 ら統 計 的 に. ル が 多 く働 く職 場 で は ， 上 司 が 高 す ぎ る リ ー ダ ー. 有 意 な相 関 が現 れ て いな い。 す る と， 特 に 「配 慮. シ ップを 発 揮 す る と， 部 下 は それ を 自分 の研 究 活. 門 の よ うに プ ロ フ ェ ッシ ョナ. 的 な リー ダー シ ッ プ」 と部 下 の研 究 成 果 との 間 に. 動 に 対 す る 干 渉 と して 受 け 止 あ ， 部 下 の 研 究 成 果. 現 れ て い る負 の方 向 は， そ の 間 に リー ダ ー シ ップ. を 高 あ る はず の リー ダ ー シ ップが ， 結 果 的 に は部. の代 替 要 因 が存 在 して い る こ とを 強 力 に示 唆 して. 下 の 研 究 成 果 を 低 あ る と い う 皮 肉 な 結 果 を 招 く恐. い る。. れ が あ る の で あ る 。本 研 究 で 現 れ て い る ，「配 慮 的. 「行 動 ア プ ロ ー チ」論 は，2っ の リー ダ ー シ ッ プ. リー ダ ー シ ッ プ」 と研 究 成 果 と の負 の方 向 は， そ.

26. の 間 に， 上 司 の 「配 慮 的 リー ダ ー シ ップ」 を 無効. ト， 人 的 資 源 管 理 シ ス テ ムな ど， 部 下 の 結 果 変 数. に す るだ け で な く， 部 下 の研 究 成 果 に 否定 的 な影. に影 響 す る と思 わ れ る多 くの変 数 が 入 って い な い. 響 を及 ぼす よ うに働 きか け るプ ロ フ ェ ッ シ ョナ ル ・コ ミッ トメ ン トと い う代 替 要 因 が働 い て い る こ. (蔡. とか ら生 じた結 果 と思 わ れ る。 い ず れ に せ よ，R. 果 」 と 「総 合 的 な研 究 成 果 」 の場 合 ， か な り異 な. &D部. る結 果 が 出 て くる か も しれ な い。 第3に. 門 の特 殊 性 が 強 く反 映 さ れ て い る結 果 で. あ る。. 在 錫 ，1996； 守 島，1996)。 この よ うな変 数. が モ デ ル式 に入 って い る と， 特 に， 「社 内研 究 成 ， 「自律. 的 戦 略 行 動 」の尺 度 上 の問 題 で あ る。本 研 究 で は，. 本 研 究 の 結 果 か ら導 か れ る イ ンプ リケ ー シ ョ ン と して は，次 の2っ. が指 摘 で き る。 まず ，R&D. 部 門 で活 躍 して い る， グル ー プ ・リー ダ ーを 含 め. 「自律 的戦 略行 動 」 と 「配 慮 的 リー ダー シ ッ プ」 と の 間 に中 程 度 の 相 関 が 現 れ て お り，2っ. の次 元 の. 独 立 性 が 保 た れ て いな い。 また ， 本 研 究 の 尺 度 に. た 中 間 管 理 職 に対 す る イ ン プ リケ ー シ ョ ンで あ. は，ネ ッ トワー クづ く り，情 報 ・資 源 の確 保 な ど，. る。R&D部. 門 の 中 間 管 理 職 は， リー ダー シ ップ. 「自律 的戦 略 行 動 」 を 全 体 的 に捕 え るた あ に欠 か. を発 揮 す る こと が， 必 ず し も部 下 の研 究 成 果 を高. せ な い項 目 も除 か れ て い る。 本 研 究 の 限界 を超 え. め る と は限 らず ， と き に は部 下 の研 究 成 果 を低 め. た， よ り多 くの研 究 が期 待 さ れ る。 中 間管 理 職 が. る恐 れ さ?Lあ る の に対 して ， 職 場 の役 割 を会 社 全. 企 業 の イ ノ ベ ー シ ョ ンに果 たす 貢 献 は， よ り多 く. 体 の 方 針 や 戦 略 と結 び付 け た り， 将 来 の方 向 性 に つ い て機 会 を と らえ て 語 った り， 新 た な や り方 を. の研 究 が 蓄 積 され て か ら初 めて 正 し く評 価 さ れ る だ ろ う。. 試 して み た り， 職 場 で 緊 張 感 を 持 続 させ た りす る な ど， 自 らの 「自律 的 戦 略 行 動 」は，部 下 の 「組 織. 参考文 献. コ ミ ッ トメ ン ト」 と研 究 成 果 を共 に高 め る有効 な 手 段 で あ り うる と い う こ とを充 分 認 識 す る必 要 が. Baba，. V. ment. あ る。 これ ま で部 下 を動 機 づ け， 仕 事 を うま く管. and. Bass，. B. M(ed.)，. among. Canadian. Industrielles，. Bass&Stogdill's. ship：Theory，. Man-. Vol.42，1987，. Bateman，. 理 職 の 「自律 的戦 略行 動 」 を い か に促 す か， そ の. sis. た あ に は どの よ うな組 織 作 りや人 的資 源管 理 シ ス. mitment，. T. of. Handbook. Research，. tions(3ra)，1990，. て の イ ン プ リケ ー シ ョンで あ る。 企 業 は， 中 間 管. な い と思 わ れ る。Kanter(1982)は. Independence. Commit-. pp.. 325-342.. を寄 せ るべ きで あ ろ う。 も う1つ は， 企 業 に対 し. テ ムが 必 要 で あ る の か を真 剣 に考 え な け れ ば な ら. R.， ”Organizational. agers， ”Relations. 理 す る こ と に多 くの時 間 を費 や して き た 中間 管 理 職 は，「自律 的 戦 略 行 動 」に よ り多 くの時 間 と関 心. V.&Knoop，. and. The. Press. S.&Strasser，. the. of Leader-. Managerial. Applica-. Press：New. York.. S.， ”A Longitudinal. Antecedents. of. ”Academy. of. Analy-. Organizational. Management. Com-. Journal，. Vol.. 27，1984，pp.95-112. Burgelman，. ， 中 間管 理職. R.. Strategic. に よ って 多 くの イ ノ ベ ー シ ョ ンを成 し遂 げ る企 業. Study，. A.， ”Corporate. Entrepreneurship. Management：Insights ”Management. and. from. Science，. a Process. Vol.29，1983a，. pp.. 1349-1364.. の 特 徴 と して ， 組 織 構 造 が フ ラ ッ トで あ る故 に人. Burgelman，. R. A.， ”A Process. や情 報 の 部 門 間 の 交 流 が 活 発 で ， 人 々 が 社 内 に散. porate. らば って い る資 源 に 対 して す ぐア クセ スで き， 待. Administrative. Venturing. in. Model. the. Science. of. Internal. Diversified Quarterly，. Major. CorFirm，. ”. Vol.28，1983b，. pp.223-244.. 遇 シス テ ム も過 去 の成 果 よ り将 来 の成 果 を 見 っ め. Burgelman，. る よ うに して い る と指 摘 して い る。 最 後 に本 研 究 の 限 界 に つ い て 述 べ る こ と に す る。本 研 究 の 限界 と して は，次 の4つ が指 摘 で き る。 第1に. R. A.， ”Designs. neurship，. ”California. 24，Spring，1984， Burgelman，. ， 本 研 究 は， あ くまで ク ロ ス ・デ ー タ. R. A.&Sayles，. Skills，1986，. 勤 続 ， 学 歴 ， プ ロ フ ェ ッ シ ョナ ル ・コ ミッ トメ ン. 蔡. 在 錫. EntrepreReview，. L. R.， Inside Structure，. The. Free. 肇 監 訳 ， 海 老 沢 栄 一 シ ョ ン 』1987，. に， 本 研 究 の 「階層 的重 回帰 分 析 」 に は， 年 齢 や. Corporate. Vol.. pp.154-166.. Innovation：Strategy，. に基 づ いて お り， 因果 関係 は定 か で はな い 。 第2. for. Management. Press：New. ・小 山 和 伸 訳. and. Corporate Managerial York(小. 林. 『企 業 内 イ ノ ベ ー. ソ ー テ ッ ク 社).. 「プ ロ フ ェ ッ シ ョ ナ ル ・コ ミ ッ ト メ ン ト の 尺 度. の 信 頼 性 と 妥 当 性 ： 大 学 の 研 究 者 と 企 業 のR&D.

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