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Fuhenteki na komyunikeshon noryoku to gakko gaikokugo kyoiku : Ibarakiken eigo intarakutibu foramu no chosa bunseki

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Academic year: 2021

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(1)Title Sub Title Author Publisher Publication year Jtitle Abstract Notes Genre URL. Powered by TCPDF (www.tcpdf.org). 普遍的なコミュニケーション能力と学校外国語教育 : 茨城県・英語インタラクティブフォーラムの調査・分析 遠藤, 忍(Endo, Shinobu) 古石, 篤子(Koishi, Atsuko) 慶應義塾大学湘南藤沢学会 2011-09 研究会優秀論文 古石篤子研究会2010年度秋学期 Technical Report http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=0302-0000-0653.

(2) ISFC-SWP 2011-S-003. 遍普遍 的 な コ ミュニ ケ ー シ ョン能 力 と 学校 外 国語 教 育 ∼ 茨 城 県 ・英 語 イ ンタ ラ ク テ ィブ フ ォー ラム の 調 査 ・分 析 ∼. 2010年. 度. 秋学期 AUNMN. 遠藤. 忍 総合政策学部4年. 古 石 篤 子 研究会 慶應義 塾 大 学 湘南 藤 沢 学 会.

(3) 研究会優秀論文推薦の ことば. 外 国 語 教 育 の 目標 を 「コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 」 の 育 成 に お く こ と は 、 こ の と こ ろ の 文 部 科 学 省 に よ る 学 習 指 導 要 領 に 見 られ る 傾 向 で あ る 。 し か しそ の 内 実 に 関 し て は 残 念 な が ら曖 昧 な ま ま で あ る と言 わ ざ る を え な い 。 そ う い っ た 状 況 の な か で 、 本 論 文 の 著 者 は 「コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ン能 力 」 と は 何 を指 す の か と い う こ と を 、 言 語 獲 得 論 や 第 二 言 語 習 得 論 の 理 論 に 遡 っ て まず 明 ら か に し よ う と試 み た 。 そ の 上 で 、 本 人 の 出 身 地 域 で 実 践 さ れ て いて 、 「コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 」 育 成 に 資 す る の で は な い か と い う 印 象 を長 い 間抱 いて きた 茨城 県 の 「 英語 イ ンタ ラ クテ ィブ フ ォー ラム」 とい う活 動 に 照 準 を定 め て 、そ の 当 否 を 調 査 し た 。ア プ ロー チ 全 体 、及 び 分 析 方 法 は 極 め て 緻 密 で 、 学 部 学 生 に よ る 卒 業 論 文 レベ ル を遥 か に 超 え て い る と 考 え る の で 優 秀 卒 業 制 作 に 推 薦 した 次 第 で あ る。. 慶應義塾大学 総合政策学部教授 古石篤子.

(4) 慶應 義塾 大学SFC. 2010年 度. 古石 篤子 研 究会. 卒業 プ ロジェ ク ト. 普 遍 的 な コ ミュ ニ ケ ー シ ョン能 力 と学 校 外 国 語 教 育 ∼茨城 県 ・英語 イ ンタ ラクテ ィブ フ ォー ラム の調査 ・分 析∼. 慶應義塾大学SFC. 総合政策学部. 4年. 遠. 藤. 忍. (70701546/sO7154se@sfc.keio.ac.jp). キ ー ワ ー. ド. 学 校 外 国 語 教 育,英. 語 イ ン タ ラ ク テ ィ ブ フ ォ ー ラム,. コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力,動. 本 稿 は 、2010年. 度 卒 業 プ ロ ジ エ ク トと して 執 筆 し た 論 文 を 加 筆. 本 稿 の最新 版. お よ び 本 研 究 に 関 す る 情 報 は,http://enshino.biz/archives/category/project/g-thesisに. 機 づ け,方. ・修 正 し た も の で あ り,2011年8月10日. 略. 現在 の最新 版 で あ る。 掲載 する。.

(5) 目 次 1.は. 2.コ. 3.英. 4.英. じめ に 1.1.. 研究概要. 1.2.. 問題 設 定. 1.3.. リサー チ クエ ス チ ョン と研 究 の構 成. ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 の 育 成 と英 語 教 育 2.1.. コ ミユニ ケー シ ョン能 力 と教 育 政策. 2.2.. 学 習 指導 要領 に お ける外 国語 科 の意 義. 2.3.. コ ミュ ニケ ー シ ョン能 力 の学 術 的定 義. 2.4.. 普 遍 的 コ ミユニ ケ ー シ ョ ン能 力 の検 討. 6.引. 7.巻. 5. 語 イ ンタ ラ ク テ ィ ブ フ ォ ー ラ ム の 概 要 と効 果 や 課 題 の 検 討 3.1.. フ ォ ー ラ ム 実 施 の概 要. 3.2.. フ ォ ー ラ ム 成 立 と 目 的 ・意 義. 3.3.. 審 査 項 目 と普 遍 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン能 力. 3.4.. フ ォ ー ラ ム の 期 待 さ れ る 効 果 と課 題 点. 3.5.. 第 二 言 語 習 得 理 論 に基 づ く1.E.F.の 特 徴. 3.6.. 本 章 の ま とめ. 語 イ ンタ ラ ク テ ィ ブ フ ォ ー ラ ム2010の 4.1.. 調査 ・分 析 の概 要. 4.2.. ア ンケ ー トの設 計 と実 施. 4.3.. ア ンケー トの分析. 調査 分析. 20. 35. 本 章 の ま とめ. II. 5.研. 3. 究 の ま とめ 5.1.. ま とめ と結論. 5.2.. 研 究 の課 題 点 と今 後 の展 望. 5.3.. おわ りに. 48. 用 ・参 考 文 献 6.1.. 書籍(和 文). 6.2.. 雑誌 論 文(和 文). 6.3.. 欧文 文 献. 6.4.. イ ンタ ーネ ッ ト資 料,そ の他. 53. 末資料 ワ曜. 1. 7・. 2. ワ・. 3. ワ・. 4. 教 師 に 対 す る事 前 ・事 後 調 査[本. 55 文3.4】. 生 徒 に 対 す る事 前 ・直 後 ・事 後 調 査 質 問 紙[本 ア ンケ ー トの 量 的 分 析 【本 文4.3】 ア ンケ ー トの コメ ン トの 質 的 分 析[本. 文4.3]. 2. 文4.2】.

(6) 1.は. じ め に. 1.1.研. 究概 要. 本 研 究 は,茨. 1.2.問. 社 会 にお ける対人 関係 の必 要性. 城 県 教 育 委 員 会 他 が 主 催 す る,英 語 イ ン. タ ラ ク テ ィ ブ フ ォ ー ラ ム1の 中 学 校 の 部 に お け る取 り組 み を事 例 と して 扱 い,そ. 題 設 定. 社 会 の 中 で 生 活 す る上 で は,必. の 特 徴 に つ い て 調 査 す る こ とを 通. 分 以 外 の 他 者 との コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン を避 け て 通 る こ と. じ て,「 コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 の 育 成 」 を 志 向 す る学 校. はで き な い 。 した が つて,対. 外 国 語 教 育 の あ り方 を検 討 す る もの で あ る。1.E.F.は,. 非 常 に重 要 な 要 素 に な っ て く る。. 茨 城 県 の 中高 生 を対 象 と した 取 り組 み で あ る。 中 学 生 の 部 に お い て は,「 学 年 別 の3∼4人. の グル ー プ で,与. ず と い つて い い ほ ど 自. しか し,1990年. えら. 人 関係 は社会 生活 の 中で も. 代 に 入 っ て,社. 会 に お け る対 人 関 係 の. あ り方 が 変 容 して い る よ う に 思 え る。 キ レ る 若 者 や 引 き. れ た 課 題 に基 づ い て..._英 語 に よ る 自 由 な 話 合 い を行 う. こ も り,い. 登 校,凶. 悪 な少年 犯罪 等 の青 少年 を. (茨城 県 教 育 庁,2010a)上. 取 り巻 く問 題 の 原 因 に は,対. 人 関係 のゆ が みが あ るので. 形 式 の フォー ラムが行 われて い. る。. じ め,不. は な い だ ろ うか 。 象 徴 的 な事 件 と して,2004年. 1.E.F.の 実 施 目 的 に は 「英 語 を使 って 双 方 向 性 を 重 視. た,長. に 起 こつ. 崎 県 佐 世 保 市 の 同 級 生 殺 傷 事 件 が 挙 げ られ る2。 イ. した コ ミユ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 を高 め[る]」 と あ る。 ま. ン タ ー ネ ッ トの 掲 示 板 に お け る書 込 み が 原 因 とな つ た と. た,フ. 報 道 され て い る が,当. ォー ラ ム の 評 価 項 目 に は 「表 現 力(通 じ や す さ,. 事 者 の 女 児 ど う しの こ とば の や り. 自然 さ,正 確 さ)」 「豊 か で 適 切 な 内 容 」 「協 調 性 の あ る. と りが 会 話 に お い て も適 切 に 行 わ れ て い れ ば,こ. 親 しみ や す い 態 度 」 が 挙 げ られ て い る(同 上)。 以 上 の 点. は 防 げ た か も しれ な い 。 こ の 事 件 だ け で な く,学 校 教 育. か ら,英 語 の 知 識 と と も に,コ. に お け る 児 童 ・生 徒 た ち を取 り巻 く問 題 の 多 くは,対. ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 や. コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン に 対 す る 態 度 が 注 目 され て い る こ と. の事件. 人. 関 係 が 原 因 と な つ て い る の で は な い だ ろ うか 。. が 分 か る。 筆 者 は,1.E.F.を,筆. 学 校 教 育 と英 語 教 育 に お け る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン. 者 が 主 張 す る 「普 遍 的 コ ミ ユ ニ. 学 校 は,小. ケ ー シ ョ ン能 力 」 を 育 成 す る た め の 外 国 語 教 育 の 事 例 と 捉 えて い る 。 本 研 究 で は,そ. さ な 社 会 の よ うな もの で あ り,常 に 他 者 と. 接 して 生 活 を して い く場 で あ る 。 だ か ら こそ,対. の 「普 遍 的 コ ミ ユ ニ ケ ー. 人 関係. シ ョ ン能 力 」 の 構 成 要 素 と1.E.F.と の 関 係 性 に つ い て 検. や コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン を学 校 教 育 の 中 で 学 ん で い く こ と. 討 し,そ の 上 で1.E"F.が コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 の 育 成. は非 常 に重 要 で あ り意 義 が あ る。 対 人 関 係 や コ ミ ユ ニ. に お い て どの よ う な 効 果 を生 む か に つ い て 調 査 す る。. ケ ー シ ョン は本 来,特. 定 の教 科で 扱 われ る もので はな. く,教 科 横 断 的 な も の,さ な お 本 研 究 は,筆. 者 の慶應 義 塾 大 学 大 学 院 政 策 ・メ. らに は 学 校 に お け る生 活 場 面. や 部 活 動 等 の 特 別 活 動 で 身 に つ け る もの で あ る と考 え ら. デ ィ ァ 研 究 科 に お け る修 士 論 文 研 究 の パ イ ロ ッ ト調 査,. れ るが,こ. プ レ調 査 と して 実 施 す る。. 上 げ られ て しか るべ き で あ る。 現 に,中. とば を扱 う教 科 に お い て は特 に 重 点 的 に取 り. つ い て は,学. 学 校 外 国語科 に. 習 指 導 要 領(文 部 科 学 省,2008:6)の. 目標 部. 分に 「 積 極 的 に コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン を 図 ろ う とす る態 度」. 「コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ン 能 力 の 基 礎 を養 う」 と い う文. 言 が 掲 載 さ れ て い る。 コ ミ ユニ ケ ー シ ョ ン を重 視 した 英 語 教 育 の あ り方 に つ い て は,未. だ様 々 な議 論 が あ り,明 確 な 定 義 付 け は な さ. れて いな い。一 一方 で,高 校 ・大 学 入 試 制 度 の 存 在 や,文 法 規 則 や 語 彙,精. 読 に偏 りが ち な 学 習 項 目 な ど,文 法 学. 習 を 重 視 す る状 況 を 抜 け 出せ て い な い 部 分 が 多 く見 受 け. 11nteractive. English. 2毎 日新 聞 西 部 夕 刊1面. Forum. ,以. 下 特 に 指 定 が な い 限 りは1.E.F.と 省 略 して 明 記 す る 。. 「長 崎 ・佐 世 保 の 小6女. 児 殺 害:座. らせ 切 りつ け る. 3. ネ ッ ト掲 示 板 書 き 込 み で ト ラ ブ ル?」(2004. .06.02).

(7) 1.3.リ サ ー チ ク エ ス チ ョ ン と研 究 の 構 成. られ る。 現 在 で は 、 い わ ゆ る受 験 英 語 に代 表 さ れ る よ う な 文 法 訳 読 式 の 授 業 が 行 わ れ て き た 反 省 か ら,実 際 に"使. 以 上 の よ うな 問 題 設 定 に基 づ き,本 研 究 で は,普. え る英 語"を 志 向 した オ ー ラル 中 心 の 英 語 教 育 が 行 わ れ て い る。 しか し、 そ も そ も英 語 を 学 習 す べ き か 否 か に つ い て は,賛. お け る英 語),そ. 否 が 分 か れ る と こ ろで あ る。. 一 普 遍 的 コ ミ ュ ニ ケ0シ. の 「積 極 的 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 図 ろ う. ・教 育 政 策 上,コ. とす る態 度 」 や 「コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 の 基 礎 」 は, 英 語 や 他 の 外 国 語 に 限 らず. 係 性 を持 つ か 。. 日 々 の 生 活 の様 々 な 場 面 に お い. に 英 語)教. ・1.E.F.が 目標 とす る コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 は 何 を 意 味す るか。. 育 の 共 通 目標 とす るべ き. ・1-E.コF.の 予 測 さ れ る効 果 と して は どの よ う な も の が. で あ る,と 考 え る。 この こ とか ら筆 者 は,義 務 教 育 に お け る外 国 語 の 学 習 は,英. 語 だ け に特 化 しな い,普. ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 の 育 成 は ど. ・コ ミユ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 の 学 術 的 定 義 は何 か 。. て 通 用 す る 「普 遍 的 な コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 」 の 育 成 を 日本 の 外 国 語(特. ョ ン能 力 の 構 成 要 素 は 何 か 。. -1 .E.F.と 普 遍 的 コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 は どの よ うな 関. コ ミ ユニ ケ ー シ ョ ン も対 象 と して い る と解 釈 して い る。 語 を 問 わず. 下 に挙 げ る リ. の よ うに 要 請 され て い る か 。. 日常 の 会 話 で 用 い る言 語,. そ して 大 半 の 生 徒 に とっ て の 母 語 で あ る 日本 語 で の 会 話. そ して,言. して1.E.F.に つ い て,以. サ ー チ クエス チ ョンを検 討 す る。. 普遍 的 コ ミユニ ケ ー シ ョン能力 筆 者 は,こ. 遍的. コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ン能 力 と学 校 外 国 語 教 育(特 に 中 学 校 に. 挙 げ られ る か 。. 遍 的な. -1 .E。 コF.は 普 遍 的 コ ミユ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 を 育 成 す る か 。. コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ン 能 力 を 身 に つ け る た め行 わ れ るべ き. ・1.E.F,に 参 加 し た 生 徒 は どの よ う な 意 識 を 持 つ か 。. で あ り,こ の 点 に お い て 英 語 を学 習 す る 意 義 が あ る と考 えて い る。. 以 上 の リサ ー チ クエ ス チ ョ ン対 して,本 研 究 で は ま. 1.E.F.の コ ン セ プ トや 独 自 の ル ー ル は,筆. 者 の考 え方. ず. 外 国 語 教 育 に お け る コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 に 関 す. に合 致 す る部 分 が 多 く,学 習 指 導 要 領 に お け る コ ミ ユ ニ. る理 論 的 な検 討 を 行 う(2章)。 教 育 政 策 の 側 面 で は,学. ケ ー シ ョ ン と い う文 言 に 一 定 の 解 釈 を加 え た 取 り組 み と. 習 指 導 要 領 を 中 心 に コ ミ ユニ ケ ー シ ョ ン能 力 の 育 成 が ど. して 評 価 で き る 。 また,実. の よ う に 要 請 さ れ て い る か を見 て い く。 学 術 理 論 に お い. て も,た. 際 の 教 授 法 ア プ ロ ー チ に対 し. て は,外. とえ ば概 念 ・機 能 シ ラバ ス の 導 入 や 多 様 な 表 現. 力 の構 築 な ど,一 定 の 示 唆 を与 え う る もの で あ る。 た だ,1999年. に 開 始 さ れ た この 取 り組 み は,す. 国 語 教 育 学 の 視 点 を 中 心 に理 論 を 検 討 す る 。. 次 に1.E.F.の 取 り組 み に つ い て,そ. で に開. (3章)。. こ こで は,1.E.F.の. の 特 徴 を概 観 す る. 特 徴 や ル ー ル な ど を 説 明 した. 始 か ら10年 を 超 えて い な が ら,そ の 効 果 につ い て 充 分 に. 後,成. 研 究 され る こ とが な か っ た よ うに 思 え る 。 も し,1.E.F.. コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 との 関 わ りを検 討 し,先 行 研 究. の 取 り組 み が 効 果 的 で あ つ た 場 合,1ーE.Rの. や 第 二 言 語 習 得 研 究 に基 づ い て 期 待 され る効 果 や 課 題 点. 中核 で あ る. 立 の 背 景 や 実 施 目 的,さ. 会 話 とイ ン タ ラ ク シ ョ ン に よ る指 導 法 は,生 徒 た ち の コ. を検 討 す る。. ミュ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 を 伸 ぼ す こ と に有 効 で あ る とい う. そ して,そ. こ とが 分 か るだ ろ う。 よ つ て本 研 究 は,1.E.F.を につ い て 検 討 す る こ とで,日. れ ま で の 理 論 的 検 討 を 踏 ま え,実. を 対 象 と した 調 査 と分 析 を,4章 事 例 と して,そ. は,量. の特徴 や 効果. 本 の学 校外 国 語教 育 の あ り. を す る こ とを 目標 とす る。 こ の こ と は,グ. 等 は,5章. ロ ーバ ル 社 会. へ の 対 応 は もち ろ ん の こ と,現 代 社 会 が 抱 え る,子. ども. を 取 り巻 く様 々 な 問 題 を解 決 す る手 が か りに な るの で は な い だ ろ うか 。. 4. 際 の大会. に掲載 す る。調 査結 果. 的 ア ンケ ー ト,質 的 ァ ンケ ー トに分 け て 掲 載 す. る。 ま た,結. 方 に 対 し,普 遍 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 の 視 点 を 提 言. らに 審 査 項 目な どか ら,. 果 の ま とめ と今 後 の 展 望,本. に ま とめ る。. 研 究 の課 題 点.

(8) 2.コ. ミュ ニ ケ ー シ ョン能 力 の 育 成 と英 語 教 育. 本 章 で は,1.E.F.の. 実 施 目 的 で あ る 「コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 の 育 成 上 に つ い て,学. 習 指 導 要 領 を は じ め とす る教. 育 政 策 の 側 面 と,学 術 理 論 の 側 面 か ら検 討 し,筆 者 の 主 張 で あ る 普 遍 的 コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 に つ い て 考 え る 。. 2.1.コ. ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 と教 育 政 策. (a)国 語 を 尊 重 す る 熊 度 を育 て.国nnに. す る 能 力 と的 確 に 琿 解 す る能 力 を蕃 う こ と.. コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 や こ とぼ の 力 を 身 に つ け させ よ う とす る動 き は,教. (b)我 が国 の文 化 と伝 統 に対 す る理 解 と愛 情 を 育て る と. 育 政 策 レ ペ ル で も 多 く見 られ る。. 以 下 に 挙 げ る例 は,学 校 教 育 に お い て,コ. よ り適 切 に表 現. と もに.諸 外 国 の文化 に対 す る理解 とこれ を尊 重 す ミユニ ケ ー. る熊 度.外. シ ョ ン能 力 の 育 成 や こ とば の 力 の 育 成 が 求 め られ て い る. 国 語 に よ る コ ミュ ニ ケ ー シ ョン 能 力 を 育. 皿 こ とを 示 して い る。. (c)論 理 的 思考 力 や科 学 的思 考力 を育て る こ と。 また, 事象 を数 理 的 に考 察 し処 理 す る能 力 や情 報 活用 能 力. 「生 き る 力 」 に お け る言 及. を育 て る こ と。 中 央 教 育 審 議 会 は,1996年7月. に 『21世紀 を展 望 した. 我 が 国 の 教 育 の 在 り方 につ い てa(中. (d)家 庭生 活 や社 会 生 活 の意 義 を理解 し,そ の形成 者 と. 央 教 育 審 議 会,1996). と題 され た 答 申 を 出 した 。 こ の 答 申 で は,今. して主 体 的 ・創 造 的 に実 践 す る能力 と態度 を育 て る. 日の教 育行. こ と。. 政 に お い て 重 要 な 考 え 方 で あ る 「生 き る力 」 が 提 示 さ れ. (e)芸 術 を愛 好 し,芸 術 に対 す る豊 か な感 性 を育て る こ. て い る3(下線 は 筆 者)。. と。 ま た,運 動 に親 しむ 習慣,健 康 で安 全 な生 活 を 生 涯 に わた つて送 る態度 の基 礎 を育 て る こ と。. 我 々 は これ か ら の 子 供 た ち に 必 要 とな る の は,い 社 会 が 変 化 し よ う と,自 分 で 課 題 を 見 つ け,自 自 ら考 え,主. 体 的 に 判 断 し,行. 動 し,よ. 決 す る資 質 や 能 力 で あ り,ま た,自 と と も に 協 調 し.他. かに. (f)他 人 を思 い や る心,生 命や 人権 を尊 重 す る心,自 然. ら 学 び,. や 美 しい もの に感動 す る心,正 義 感,公 徳 心,ボ. り よ く問 題 を解. ら を 徳 しつ つ.純. ラ. ンテ ィア精神,郷 土や 国 を愛 す る心,世 界 の平 和,. 人. 国 際親 善 に努 め る心 な ど豊 か な人 間性 を育 て る とと. 人 を 思 い や る心 や 感 動 す る心 な ど.. もに,自 分 の生 き方 を主 体 的 に考 え る態度 を育 て る 豊 か な 人 間 性 で あ る と考 え た 。 た く ま し く生 き る た め の. こ と。. 健 康 や 体 力 が 不 可 欠 で あ る こ とは 言 う ま で も な い 。 我 々 は,こ. う し た 資 質 や 能 力 を,変. 会 を[生. き る力]と. 化 の 激 しい これ か ら の 社. 称 す る こ と と し,こ. 下 線 で 示 した 通 り,育 成 すべ き 能 力 の 筆 頭 と して,言. れ らをバ ラン ス. 語 ・こ とぼ の 能 力 が 重 視 さ れ て い る。 こ の こ とか ら,協. よ く は ぐ くん で い く こ とが 重 要 で あ る と考 え た 。. こ の 定 義 か ら,従. 調 性 や コ ミ ユニ ケ ー シ ョ ン能 力 だ けで な く,「 あ ふ れ る情 報 の 中 か ら,自. 来 の 知 識 伝 授 型 の"教 育"か ら習 得 ・. に 自 ら の 考 え を築 き上 げ て い く」 上 で,こ. 活 用 ・探 究 の た め の"学 び"が 重 視 され る よ う に な つ た こ とが 伺 え る と と も に,人. う した 資 質 や 能 力 を,特. 性 が 重 視 さ れ る よ う に な つ た こ とが 分 か る。 つ ま り,他. 答 申 に お い て は,「 生 き る 力 」 の 定 義 に 基 づ い て,特. て は,別. に. の 章 に お い て 「外 国 語 教 育 の 改 善 」 と題 して い. くつ か の 提 案 が な され て い る5。 例 え ば,コ. 挙 げ て い る4(中央 教 育 審 議. ミユニ ケー. シ ョ ン能 力 に つ い て は 「リス ニ ン グ や ス ピー キ ン グ な. 線 は 筆 者)。. ど__を. 3第1部. 今後 にお け る教 育 の在 り方 ,(3)今 後 にお け る教 育 の在 り方 の基本 的 な方 向. 4第2部. 学 校 ・家 庭 ・地 域 社会 の役 割 と連 携 の在 り方. さ ら に 重 視 す る方 向 で 改 善 を 図 つ て い く必 要 が. ,第1章. これ か らの学校 教 育 の在 り方,(1)こ れ か らの 学校 教 育 の 目指 す方 向,[2】教育 内容 の. 学 校 ・家 庭 ・地 域 社会 の役割 と連 携 の在 り方 ,第2章. 国際化 と教 育,[3】外 国語 教 育 の改 善,(中 学校 ・高 等学 校 に お け る外 国語 教育 の改 善). 厳選 と基礎 ・基 本 の徹 底 5第2部. 総 合 的 ・教. 特 に,「 外 国 語 に よ る コ ミ ユニ ケ ー シ ョ ン 能 力 」 につ い. 力 が 「生 き る 力 上 に包 含 され て い る と言 え る 。. 会,1996;下. 定 の 教 科 に 限 らず. 科 横 断 的 に養 って い く方 針 も述 べ ら れ て い る。. な わ ち コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能. 育 成 す べ き能 力 や 資 質 を6つ. と ばの 力 が 必. 要 と され て い る こ とが う か が え る 。 答 申 に お い て は,こ. 間 関 係 に 立 脚 す る他 者 との 協 調. 者 との協 調 や 人 間 関 係,す. 分 に 本 当 に 必 要 な 情 報 を選 択 し,主 体 的. (育成 すべ き資 質 ・能 力). 5.

(9) あ る 」 と,オ ー ラル 表 現 を 重 視 す る記 述 が 見 られ る。 ま. の 観 点 か ら,外. た,扱. う」 目的 で 設 置 され た 。 こ の 審 議 会 は,2007年8月. う言 語 に つ い て,英. 語 だ け で な く 「生 徒 が 様 々 な. 部 の 有 識 者 等 の 協 力 を得 て,検. 言 語 に触 れ る こ と は極 め て 意 義 の あ る こ とで あ り,....... に8回. 多 くの 外 国 語 に 触 れ る こ とが で き る よ う な 配 慮 を して い. 育 成 協 力 者 会 議,2007)と. く こ と も必 要 で あ ろ う」 とい う提 案 も され て い る 。 さ ら に,外. 国 語 教 育 を行 う上 で は 「そ の 基 礎 と して,言. まで. 『言 語 力 の 育 成 方 策 に つ い て 』(言 語 力 い う報 告 書 を ま とめ て い る。. そ もそ も,「 言 語 力 」 とは 何 だ ろ うか 。 報 告 書 で は,言. 語能. 語 が 「知 的 活 動(特. 力 を 適 切 に 身 に 付 け て い る こ とが 必 要 で あ り,そ の 意 味 で,国. 開 催 さ れ,. 討 を行. に 思 考 や 論 理),感. ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン(対. 話 や 議 論)の. 性 や 情 緒,コ. 基 盤 」 で あ り,そ の. 「言 語 を 運 用 す る の に 必 要 な 能 力 」 が 言 語 力 で あ る と さ. 語 教 育 の 重 要 性 を 再 認 識 す る必 要 が あ る」 とい う. 指 摘 が な さ れ て お り,外 国 語 の 言 語 知 識 の 前 提 と して 言. れ て い る。 ま た,こ. 語 運 用 能 力 が あ る とい う解 釈 を読 み 取 る こ とが で き る. 的 か つ 基 盤 的 な 能 力 」 で あ る と され て い る。 会 議 で は 主. (中央 教 育 審 議 会,1996)。. に 国 語 が 重 視 され て い る が,報. この 中 教 審 答 申 は,す. の 能 力 は 「言 語 種 別 を 問 わ な い 普 遍. 告書 で は外 国 語や 非言 語. の 教 育 に つ い て も言 及 され て い る 。. で に触 れ た よ う に 「生 き る力 」. とい う考 え 方 を 提 示 した だ け で な く,現 在 見 直 しが 叫 ば. 会 議 が 指 摘 す る,言. 語 力 育 成 が 必 要 で あ る理 由 と し. れ て い る 「ゆ と り教 育 」 の 方 針 を 提 示 した 。 この 答 申 を. て,「0ECDの. 受 け た 学 習 指 導 要 領 は1998年. 8』 が 低 下 して い る こ と」 の 他 に. に告 示 され,2002年. 実 施 さ れ た 。 この 学 習 指 導 要 領 に お い て は,週 制,総. 度か ら 休2日. は,現. の 後2008年. 子 ど も を 取 り巻 く環 境 が 大 き く変 化 す る な か で,N,. 的伝 統 の 中で形 成 されて きた豊 か な言 語 文化 を体験 した 語や コ りす るな どの機 会 が乏 し くな つ たた め に.言 語 で伝 える ミ ユニ ケ ー シ ョ ン に 関 す る資 質 や 能 力 が 求 め られ て い. 内Aが. る。 そ して そ れ は,中 教 審 の 答 申 に含 ま れ て い る と い う. ヒ汚. 点 で,現 代 社 会 で 求 め られ る能 力 で あ る と も言 え る 。. 貧 弱 な も の とな り.言 語 に 関 す る感 性 や 知 識 ・枝 "§. に. え つ. い. 。 こ の た め,言. 葉に. 対 す る感性 を磨 き,言 語 生活 を豊 か にす る こ とが大 変強 く求 め られて い る。. 言語力育成協力者会議での議論 に,言. 下の. な 思 いや考 えを もつ 他者 と対話 を した り,我 が 国 の文化. に お い て も,基 本 理 念 と して 継 承 され て い る 。. 2006年6月. 代 の 子 ど も た ち を 取 り巻 く環 境 に つ い て,以. 「生. に改訂 され た新学 習 指導 要領. 以 上 示 した 通 り,「 生 き る 力 」 に お い て は,言. ,「 い じ め や ニ ー トな ど. よ うに 述 べ られ て い る(同 上;下 線 は 筆 者)。. 中学 校 に お い て そ れ ま で 選 択 教 科 で あ っ た 外 国 語 科 が 必. き る力 」 は,そ. お い て 『読 解 力. 人 間 関 係 に か か わ る問 題 」 が 挙 げ られ て い る 。 報 告 書 で. 合 的 な 学 習 の 時 間 の 導 入 が な さ れ た だ け で な く,. 修 科 目 と して 組 み 入 れ ら れ た(文 部 科 学 省,1998a)。. 国 際 学 力 調 査(PISA)に. 語 力育成 協 力者 会 議 が文部 科 学省 に. こ の よ う に,他 者 との 対 話 な どの 人 間 関 係 の 機 会 が 乏. 設 置 され た 。 こ の 会 議 が 開 催 さ れ る に 至 つ た 経 緯 と し. し くな っ た こ と に よ り,こ. て,新. さ え 乏 し くな つ て し ま つて い る とい う指 摘 が な さ れ て い. 学 習 指 導 要 領(2008年. 公 示)の 改 訂 の 契 機iとな つ た. 中 教 審 に お け る審 議 の な か に,こ. と ばや 言 語 を 重 視 す る. る の で あ る 。 こ とぼ が,習. とば に よ って 伝 え られ る 内容. 得 ・活 用 ・探 究 型 の 学 習 の 基. 意 見 が 多 く含 ま れ て い た こ とが 挙 げ られ る 。 『言 語 力 育. 盤 と な る こ とか ら,そ. 成 協 力 者 会 議 に つ い て 』(文 部 科 学 省,2006a)に. 重 要 に な る とい う指 摘 も納 得 で き る。. こ の会 議 は,. よれ ば,. 『審 議 経 過 報 告6』 や 『第3期 教 育 課 程 部 会. 報 告 書(同 上)は,コ. う した 学 力 を高 め る上 で 言 語 力 が. ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン に 関 して,「 個 々. の 審 議 の 状 況 に つ い て7』 に お い て 「人 間 力 の 向 上 を 図 る. 人 が 他 者 との 対 話 を通 して 考 え を明 確 に し,自. 教 育 内 容 の 改 善 の 基 本 的 な考 え 方 と して,言. し,あ. 葉 や体 験 な. 己 を表 現. る い は他 者 を理 解 し,他 者 と意 見 を 共 有 し,お 互. どの 学 習 や 生 活 の 基 盤 づ く りの 重 視 が 提 言 」 さ れ た こ と. い の 考 え を 深 め て い くこ とが 望 まれ る」 と して い る。 そ. を 踏 ま え,教. の 上 で,特. 育 課 程 部 会 に お け る教 科 別 ・学 校 種 別 の 議. 論 に お い て 「必 要 な 資 料 を 得 る た め,......言 語 力 の 向 上. に 「聞 く力 」 を育 て る こ とが 重 要 だ,と. して. い る。 「積 極 的 に発 言 す る こ と だ け で な く,相 手 の発 言. 62006年2月13日. ,中 央教 育 審 議会 初 等 中等 教 育分 科会 教 育 課程 部 会(第38回(第3期. 72007年1月26日. ,中 央教 育 審 議会 初 等 中等 教 育分 科会(第46回)・. 第24回)). 教 育 課程 部会(第3期39回). 8「 い わ ゆ るPISA型 読解 力 は、 『自 らの 目標 を達 成 し,自 らの知識 と可 能性 を発 達 させ,効 果 的 に社 会 に参 加 す るた め に,書 か れ た テ キス トを理 解 し,利 用 し,熟 考 す る能 力。』 と定 義 されて い る。(言 語 力育成 ー 協力 者会 議2007)」. 6.

(10) を しっ か り と聞 き 取 り,受. け止 め る こ と,状 況 に 応 じ て. 以 上 見 て き た よ う に,言. 的 確 に返 す こ と上 が で き る よ う に な るべ き で あ る と述 べ. 審 に お い て 行 わ れ て き た,言. られ て お り,こ. 深 め る形 で,言. 語 力 育 成 協 力 者 会 議 は,中. こ に コ ミ ユ ニ ケ0シ. ョ ン と は何 か を 読 み. 取 る こ とが で き る。 報 告 書(同 上)は,言. 語 を 重 視 す る議 論 を さ らに. 語 力 や コ ミ ユニ ケ ー シ ョ ン 能 力 の 育 成 を. 提 言 した もの で あ っ た 。 特 に,言 し,教. 語 力 を 育 成 す る指 導 に 当 た っ て 配. 慮 す べ き事 項 と して,「 義 務 教 育 の 段 階 で,言. 教. 語 力 を 具 体 的 に定 義. 科 横 断 ・各 教 科 に お け る指 導 法 な ど を提 示 し た こ. とは 意 義 深 い と言 え る 。. 語運 用 法 の. 指 導 を 体 系 的 に 行 う こ とが 求 め られ る」 と述 べ て い る 。 これ は,従. 英 語 が使 え る日本 人の た めの戦 略構 想/行 動 計 画. 来 の 教 育 が 「論 理 や 表 現 法 に 関 す る 配 慮 が 不. 「生 き る力 」 や 学 習 指 導 要 領 で 「言 語 力 」 の 重 要 性 が 指. 足 して い た 」 こ と に対 す る反 省 と して 述 べ ら れ て い る。. 摘 さ れ る な か,外. ま た,「 文 や 文 章 の 構 造 と機 能 に っ い て の 理 解 と 自覚 」,. 国 語 教 育 に特 化 した 指 針 が 示 され て い. い わ ゆ る メ タ言 語 能 力 を深 め る必 要 が あ る と述 べ て い. る。 それ が 『「英 語 が 使 え る 日本 人 」の た め の 戦 略 構 想 』. る 。 こ れ に つ い て,「 言 葉 を 焦 点 化 した り修 飾 関 係 を と ら. お よび 同 『行 動 計 画 』 で あ る 。 前 者 の 戦 略 構 想 は,2002. え た り して,メ. 年7月. タ言 語 能 力 を高 め,言. 磨 くこ と」 が,外. 葉 に 対 す る感 性 を. に 出 され た も の で あ る。. この 戦 略 構 想(文 部 科 学 省,2002)で. 国 語 科 に 対 す る期 待 と して 言 及 さ れ て. は,「 英 語 」 の 必 要. 性 が 喫 緊 の 課 題 で あ る と さ れ て い る。 戦 略 構 想 の 策 定 に. い る。 報 告 書 で は外 国 語 に つ い て,メ. あ た つて は,「 経 済 ・社 会 等 の グ ロ ー バ ル 化 が 進 展 す る. タ言 語能 力 の 内容 を含. 中,子. め,以 下 の よ うな こ とが 述 べ られ て い る(同 上;下 線 は 筆. ど も達 が21世. 紀 を 生 き 抜 くた め に は,国. 際 的共. 通 語 とな って い る 『英 語 』 の コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 を. 者)。. 身 に 付 け る こ とが 必 要 」 で あ る とい う趣 旨 が 示 さ れ て い ・小 学 校 の 英 語 活 動 等 に お い て は ,コ. ミ ユ ニ ケ ー シ ョン. る。 同 時 に,「 日 本 人 の 多 くが,英. 能 力 を 養 う トで 必 要 と な る積 極 的 な 態 度 の 育 成 が 可 能 で あ り,. に,外. 中 学 校 以 降 続 く英 語 教 育 に も 資 す る も の で あ. る 。 ま た,. 非 言 語 を含 め て.コ. る た め に.. 言藷 力 を総 動 員す る こ との大切 さ を理 解 さ. 一. 国 人 との 交 流 に お い て 制 限 を 受 け た り,適 切 な評. 価 が 得 られ な い 」 こ と も課 題 と して 示 され て い る。. ミユニ ケ ーシ ョンを 図. 戦 略 構 想(同 上)に お い て は,そ. の 冒 頭 に 「国 民 全 体 に. 求 め られ る英 語 力 」 と して,中 学 校 と高 等 学 校 の そ れ ぞ. 。. ・小学 校 の英 語活 動 等 は,小 学 生 に とって自.己. 語 力 が十 分 で ない ため. れ に お い て 達 成 目標 を 置 い て い る。 中学 校 卒 業 段 階 で は 1. 「挨 拶 や 応 対 等 の 平 易 な 会 話(同. 程 度 の 読 む ・書 く ・聞. た り.言 語 や コ ミユニ ケー シ ョンに関 す る感 覚 を養 っ く)が で き る」 と して 英 検3級. た りす る体 験 的 機 会 と と ら え る こ とが で き る。 他 の 言. 等 学校 卒 業程 度 で. は 「日常 の 話 題 に 関 す る 通 常 の 会 話(同. 語 に ふ れ る 体 験 を 通 して,I日 ご ろ 用 いて い る 日本nnの. 程 度 の 読 む ・書. く ・聞 く)が で き る」 と して 英 検 準2∼2級. 特 性 に 気 付 い た り.日 本 文 化 に つ い て 発 信 し た りす る. 塑. が,高. が 示 され て. い る。. 機会 とす る こ とが で き る。. 上 記 の 達 成 目標 に従 い,以 上 記 に 引 用 し た 事 項 は一 部 で あ り,本 来 は 中 高 の 英 語 に. 下 に 示 す5つ. の政 策課 題 が. 提 示 さ れ て い る(同 上)。. 対 す る提 言 も な さ れ て い る。 引 用 部 は小 学 校 外 国 語 活 動 に 対 して 言 及 した も の で あ る が,同. 1.学. じ こ とは 中高 に お け. II.教 育 内容等 の改善. る外 国 語 教 育 に お い て も言 え る の で は な い か 。 特 に下 線 で 示 した 部 分 は,外. III.英 語教 師 の資 質 向上及 び 指導 体 制 の充 実. 国 語 教 育 が コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ン能 力. IV.小 学校 の英会 話 活動 の充 実. の 育 成 に大 い に 資 す る こ とを 示 して い る と言 え る 。 他 に報 告 書 に お い て は,コ. ミ ユ ニ ケ0シ. 習者 のモ ティベ ーシ ョン(動機 付 け)の高揚. V.国. 語力 の増 進. ョ ン能 力 に 関. して だ け で は な く,理 論 的 な 思 考 や 読 解 力,他. 者 に考 え. を 的 確 に伝 え る こ とな どの 知 的 活 動(議 論 な ど),そ. 上 記5つ. の 政 策 課 題 に 対 して,例. え ば 「ス ーパ ー ・イ. して. ン グ リ ッ シ ユ ・ラ ンゲ ー ジ ・ハ イ ス ク ー ル 」 の 指 定 や,. 感 性 や 情 緒 に 関 す る 内 容 に つ い て も触 れ られ て い る。 こ. 「 大 学 入 試 セ ン タ0試 験 で の リス ニ ン グ テス トの 導 入 」. れ ら の こ と は,外. 「ALT(外. 国 語 科 以 外 の ほ ぼ 全 て の教 科 に 関 して. も言 及 され て い る。. 国 語 指 導 助 手)の. , 活 躍 促 進 」 ,「 高 校 生 留 学. の 促 進 」 な どの 主 要 施 策 が 挙 げ られ て い る。 特 に 「ス ー. 7.

(11) パ ー ・イ ン グ リ ッ シ ユ ・ラ ン ゲ ー ジ ・ハ イ ス ク ー ル 」 に. メ 』(経 済 産 業 省,2007)で. つ い て は,2003年. 以 下 の よ う に 述 べ られ て い る(下 線 は筆 者)。. 度 に は50件53校,2004年. 度 に は85件. は,現. 在 の 社 会 状 況 に つ い て,. 88校 に拡 充 が 予 定 さ れ た 。 ま た,「 大 学 入 試 セ ン タ ー 試 験 で の リス ニ ン グ テ ス ト」 は2006年 科 学 省,2004)。. ち な み に,こ. 近 年,産 業競 争 力 として 「 新 しい価 値 の あ る商 品 や. 度 に 導 入 さ れ た(文 部. サ ー ビス を いか に早 く創 り出す か 」 が問 わ れ,企 業 現 場 の 戦 略 構i想に 基 づ い た 行 動. で は,新 しい価 値 創 出 に向 け た課題 の発 見,解 決 に向 け. 計 画 は2007年 度 で 一 つ の 区 切 りを 迎 え た 。. た実 行 力,異 分 野 と融合 す るチー ム ワー ク な どの能 力が. この 戦 略 構 想 お よ び 行 動 計 画 に つ い て は,賛 れ て い る。 反 対 意 見 の ー・ 例 と して は,江. 否 が分 か. 強 く求 め られ て い ま す。 他 方,従. 利 川(2007)が 挙. げ られ る 。 江 利 川 は,戦. 略 構 想 が 挙 げ る具 体 的 施 策 に つ. い て 「最 大 の 問 題 は,『. 英 語 格 差 』(Eng1ish. に. ム. こ. ・". 大 き く崩 れ て い ま す。. 科 つ ま り,課 題 発 見 と解 決 の 能 力,チ. 際 教 育 課 が 担 当 した 戦. 略 構 想 と教 育 課 程 課 が 担 当 し た 学 習 指 導 要 領 とで,英. 士垣. 社 会 で 求 め ら れ る 能 力 山 に係 る 需 要 と供 給 の バ ラ ン ス は. く り出 し,一 握 りの 『英 語 が 使 え る 』 エ リー トの 育 成 だ. 省 初 等 中 等 教 育 局 内 に お いて,国. ・ った. 動 な どに お け る教 育 力 は 落 ち 込 ん で お り,「 職 場 や 地 域. Divide)を つ. け を 目指 して い る(p.137)」 と指 摘 して い る。 また,文. 場. 来 そ れ ら の 能 力 を 「自. は本 来,家. 語. 庭 や 地 域,学. あ つ た に もか か わ らず. の 指 導 時 間 や 指 導 語 彙 数 な ど に つ い て 見 解 が 相 違 して い. い 能 力 」 とな つ た,と. る こ と も指 摘 して い る(同 上)。. ー ムワー クの能力. 校 な ど で 自然 に 身 に 付 く もの で 「意 識 して 育 成 しな けれ ば い け な. い う こ とで あ る。 そ して,従. 来の. 江 利 川(2007)は,戦 略 構 想 に 挙 げ られ て い る 提 言 が, 「 経 団 連 が2000年 に 出 した 『グ ロ ー バ ル 化 時 代 の 人 材 育. 学 校 の 評 価 観 点 で あ る 学 力 だ けで は な い,「 社 会 人 基 礎. 成 に つ い て 』._..に ほ ぼ全 て の 方 針 が 盛 り込 まれ て[い る1. とい う こ とで あ る 。. 力 」 を,学 校(特. 「社 会 人 基 礎 力 」 は,3つ. (p.144)」 と指 摘 して い る。 つ ま り,「 英 語 が 使 え る 日本 人 」 とは財 界 ・産 業 界 の 提 案 で あ る,と. に高 等 教 育)で. 成 さ れ て い る 。3つ. い う こ とで あ. 育 成 せ ね ぼ な ら な い,. の 能 力 と12の 構 成 要 素 で 構. の 能 力 と は 「前 に 踏 み 出 す 力(ア ク. る。 こ の 事 実 を別 の 側 面 か ら解 釈 す る と,賛 否 は別 と し. シ ョ ン)」,「 考 え ぬ く力(シ ン キIング)」,「 チ ー ム で 働 く. て,「 英 語 が 使 え る 日本 人 」,す. 力(チ ー ム ワ ー ク)」 で あ る。 特 に,チ. な わ ち コ ミユ ニ ケ ー シ ョ. は,「 コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョン 能 力 等 は,多 様 な 人 々 との. ン に お い て 英 語 が 使 え る よ う に な る こ とを 必 要 とす る勢 力 が 社 会 に い る,と. ー ム ワ ー ク に関 して. 『チ ー ム ワ ー ク』 に よ り新 し い 価 値 を 創 出 す る 際 に 必 要. い う こ とが 言 え る だ ろ う。 日本 人 が. 英 語 を 使 え る よ う に な る べ き か ど う か の 議 論 は こ こで は. な 能 力 で あ り,職 場 等 で 重 視 さ れ る傾 向 」 で あ る と指 摘. 行 わ な い が9,戦. され て お り(経 済 産 業 省,2006),以. 略構 想 が コ ミユニ ケー シ ョンを志 向 し. コ ミ ユニ ケ ー シ ョ ン 能 力 の 育 成 は 喫 緊 の 課 題 で あ る と考. 人 」 の た め の 戦 略 構想 』 は,コ. の構 成要 素 が. 挙 げ られ て い る 。. た 政 策 課 題 と具 体 的 施 策 を打 ち 出 して い る とい う 点 で,. え る こ とが で き る。 以 上 の よ う に,『. 下 の6つ. ・発 信 力. 「英 語 が 使 え る 日本. ・傾 聴 力. ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 に. ・柔 軟1生. つ い て 一 歩 踏 み 込 ん だ 提 言 を行 つて い る 。. ・情 況 把 握 力 ・規 律 性. 社 会人 基礎 力 が重 視 す るコ ミュニ ケ ー シ ョン能 力 これ ま で,文 を 中 心 に,コ き た が,こ. ・ス ト レス コ ン トmル. 力. 部 科 学 省 や 中 央 教 育 審 議 会 に お け る議 論 ミユ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 育 成 の 必 要 性 を 見 て. こ で 一 度,別. 特 に 「発 信 力 」. の視 点 か らその必 要性 を見 て み. 「 傾 聴 力 」 は,コ. ミユ ニ ケ ー シ ョン 能. 力 との 関 わ りが 非 常 に大 き い 。 そ れ ぞ れ 「自 分 の 意 見 を. る こ と に し よ う。 経 済 産 業 省 は,「 ビ ジ ネ ス環 境 の 変 化 と. わ か りや す く伝 え る力 」 「相 手 の 意 見 を 丁 寧 に聴 く力 」. 教 育 を 巡 る変 化 」 を 受 け,2006年2月. と定 義 さ れ て い る。 つ ま り,「 職 場 や 地 域 社 会 で 求 め られ. に 「 社 会 人基 礎. 力 」 とい う考 え方 を提 唱 した 。 『「 社 会 人 基 礎 力 」の ス ス. る 能 力 」 に お い て,コ. ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 は重 要 な 構. 成 要 素 とな つて い る。. 9ち な み に ,英. 語 の 使 用 に 関 す る 議 論 は,木. 村 ・渡 辺(2009)(特. に 吉 武(2009))や,大. 8. 津(2009)に. 見 る こ とが で き る 。.

(12) 2.2.学 習 指導 要領 にお け る外 国語 科 の意義 本 節 の ま とめ 以 上 見 て き た 指 針 は,教 りで あ つ た が,そ. これ ま で 見 た よ うな,教. 育 行 政 に 関 わ る政 府 指 針 ば か. て 策 定 さ れ た 学 習 指 導 要 領 に お い て,中. こ で は 子 ど もた ち の コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ. は,特. ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能. 能 力 に 関 す る捉 え 方 に つ いて 見 て い きた い 。. ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 を志 向 す る動 きが 顕 著 で. あ る。 ま た,コ. 学習指導要領の改訂. ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 や 言 語 力 が 重 視 さ. れ る社 会 背 景 と して は,PISAの が 指 摘 さ れ て い る こ とに 加 え,人 に 伴 う社 会 的 課 題,そ. まず. 学 力調 査 が読解 力 の低 下. 学 習指導 要領 の改 訂 につ いて触 れて お きた い。. 現 行 の 学 習 指 導 要 領 は,前. 間関係 の希薄 化 や それ. 示 さ れ,2002年. の 背 景 に あ る地 域 や 社 会 の 教 育 力. 節 で 触 れ た 通 り,1998年. に告. か ら実 施 され た 。 こ の 指 導 要 領 改 訂 は,. 前 節 で 取 り上 げ た 中 教 審 の 答 申 『21世 紀 を展 望 した 我 が. の低 下 が 指 摘 され て い る。. 国 の 教 育 の 在 り方 に つ い て 』 を 前 提 と して い る。 こ の 現. コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 が これ だ け重 視 され て い るな か で,義 務 教 育 に お け る外 国 語 科 は,コ. 行 指 導 要 領 は,ゆ. ミユニ ケー シ ョ. と り教 育 拡 充 を 目 的 と した 授 業 時 間 数. の 削減 や,「 総 合 的 な 学 習 の 時 間 」 の 導 入 を 図 る も の と. ン 能 力 の 育 成 に 対 して どれ だ け寄 与 で き る だ ろ う か 。 こ と ば を 扱 う教 科 で あ る外 国 語 科 は,国. 学 校 外 国 語 科 の 指 導 目 標 につ い て 比. 較 し な が ら,外 国 語 科 を 学 ぶ 意 義 と コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン. に国語 科や 外 国語 科 につ. い て の 提 言 や 要 請 が 多 くな され て い る 。 外 国 語 科 に つ い て は,コ. に2002年 実 施 の 現 行 指 導 要 領 と2012年 実 施 の 新 指. 導 要 領 に お け る,中. 力 は特 定 教 科 に 限 定 的 で は な く,教 科 横 断 的 に 養 って い くも の で あ る とさ れ る一 方,特. 学校 外 国語 科 は. どの よ うな 目標 が か か げ られ て い るの だ ろ うか 。 本 節 で. ン 能 力 を養 って い く こ とが 重 要 視 され て い る こ とが よ く 分 か る 。 全 体 的 な 潮 流 と して は,コ. 育行政 の指 針や 提 言 に基 づ い. な っ た 。 しか し,経 済 開 発 機 構(OECD)が. 語 科 と 同様 に コ. 実 施 したPISA. 調 査10の 結 果 が,. ミ ユニ ケ ー シ ョ ン教 育 の 筆 頭 と して扱 わ れ るべ き で あ ろ う。 そ の 場 合,具. 体 的 な 指 導 法 も重 要 で あ るが,何. ・思 考力 ・判 断力 ・表 現 力 を問 う読 解 力や 記 述式 問題. を目. ・自分 へ の 自信 の欠如 や 自 らの将 来 へ の不 安. 標 と して 教 育 を 行 う か が 重 要 に な る だ ろ う 。 そ こ で 次 節 で は,学 義.目. 習指 導 要領 にお け る中学校 外 国 語科 の指 導 の意. 的 に つ い て,コ. 等 に つ い て 課 題 が あ る こ とを示 して お り(文部 科 学 省, ミユニケ ー シ ョン能 力育成 の面 か 2008:1),こ ら検 討 した い 。. れ が マ ス コ ミ等 に よ って 学 力 低 下 とい う形. で報 道 され るよ うにな つた 。 そ の よ う な 中,2005年2月 育 審 議 会 に 対 して,国. に文 部 科 学 大 臣 か ら 中 央 教. の 教 育 課 程 の基 準 に つ い て 見 直 す. 検 討 を す る よ う要 請 され,同 さ れ た 。 そ の 諮 問 の 後,教 され た が,審. 年4月27日. か ら審 議 が 開 始. 育 基本 法 や学校 教育 法 が改正. 議 は それ ら法 改 正 を ふ ま え な が ら2年10ヶ. 月 に 渡 り継 続 され た 。 そ して,2008年1月. に,. ・「 生 きる力 」とい う理念 の共 有 ・基 礎 的 ・基 本 的 な知識 ・技能 の習得 ・思考 力 ・判 断 力 ・表現 力 等 の育成 ・確 か な学 力(の た め)に必 要 な授 業 時間 数 の確 保. な どの 方 向 性 を示 した 答 申 が 示 さ れ た 。 前 節 で 触 れ た 通 り,特 に 思 考 力 ・判 断 力 ・表 現 力 等 を 育 む た め の 学 習 活 動 に お い て は,そ され た 。 そ して,こ. の 基 盤 とな る言 語 に 関 す る 能 力 が 重 視 の 答 申 に基 づ き,同 年3月28日. に小. 学 校 と中 学 校 の 学 習 指 導 要 領 が 公 示 さ れ た 。 この 指 導 要 】02003年7月. 実 施 ,2005年12月. 公表. 9.

(13) 領 は,中. 学 校 に つ い て は2012年. 度 か ら全 面 的 に 実 施 さ れ. こ の よ う に,新. る こ と と な る(文 部 科 学 省,2008:1-2)。. 学 習 指 導 要 領 に お い て は,全. て こ とば が 重 視 され て い る。 で は,そ は,ど. 体 を通 し. のな かで外 国 語科. の よ う な 目標 を掲 げ て い る の だ ろ うか 。. 学 習指 導 要領 にお け る こ とばの重視 中学 校 外国 語科 の指 導要領 につ いて. 言 語 力や コ ミユニ ケ ーシ ョン能力 が 重視 され るに至 つ た 経 緯 は,前. 節 の 言語 力 育成 協 力者 会議 に関 す る部分 で. 学 習 指 導 要 領 は,各. 学 校 が 教 育 課 程(=カ リ キ ユ ラ ム)を. 触 れ た 通 りで あ る 。 こ の 会 議 の 提 言 は,「 生 き る 力 」 の 理. 編 成 す る上 で の 基 準 で あ り,カ. 念 を 継 承 した 新 指 導 要 領 に お い て 現 れ て い る。. 各 学 校 が 持 って い る 。 実 際 の と こ ろ,各 学 校 は学 習 指 導. 文 部 科 学 省 は,学. リキ ユラム編 成 の権 限 は. 要 領 に基 づ い て 作 成 さ れ た 教 科 書 を用 い て カ リキ ユ ラ ム. 習 指 導 要 領 改 訂 を解 説 す る保 護 者 向. け の パ ン フ レ ッ トを 作 成 して い る が(文 部 科 学 省,2010), 「 『知 識 基 盤 社 会 』 の 中 で の 『生 き る 力 』 」 と題 さ れ た. を編 成 して い く よ うで あ る 。 した が つて 本 来 は,「 内 容 」. ペ ー ジ に は,以. に記 さ れ た 内容 は,我. に つ い て 注 目す るぺ き で あ ろ う。 しか し,学. 下 の よ う な 文 言 が 掲 載 さ れ て い る(p.8,下. 線 は 筆 者)。. 習指 導要 領. が 国 の 政 府 の 教 育 に 対 す る姿 勢 を. 示 す も の で あ るか ら,特. 定 の 教 科 の 学 ぶ 意 義 や 内容 を 検. 討 す る こ と は非 常 に重 要 で あ る と考 え る 。 こ れ か ら の 社 会 を 生 き る子 ど も た ち は,自 見 し解 決 す る力,コ. ミユニ. ら課 題 を 発. ー シ ョ ン 巳,物. さ て,外. 事 を多様. 国 語 科 の 指 導 要 領 で は,始. て の 目標 が 述 べ られ,次. な 観 点 か ら 考 察 す る 力(ク リ テ ィ カ ル ・シ ン キ ン グ),. 等 」 と して,英. 様 々 な 情 報 を取 捨 選 択 で き る力 な どが 求 め ら れ る と考 え. め に外 国 語 科 と し. に 「各 言 語 の 目標 お よ び 内容. 語 に つ い て の 目標 と内 容,指. 導 計画 の作. 成 と 内容 の取 り扱 い に 関 す る 留 意 点 が 触 れ られ て い る 。. られ ま す。. な お,指 これ ら は,こ. 導 要 領 に お い て は,科. な つ て お り,「 英 語 」 は そ の な か で 扱 わ れ る言 語 の 一 つ で. と ばや 言 語 活 動 を 通 して 育 ま れ る能 力 で. あ り,言 語 力 育 成 協 力 者 会 議 が 指 摘 す る 内 容 と ほ ぼ 一 致. あ る。 しか し,第3「. す る。 こ の こ とは,単. い 」 に お い て は,現. な る現 状 認 識 に と ど ま らず. 指導. の こ とに つ い て,新. 間 で278時 間,中. 学 校 で84時 間,中. して い る 。 外 国 語 科 につ い て は,小 が 必 修 とな り,小5・6年. 実 態 や,こ. 学 校 で35時 間 増 加. 間,全. 学 省,2008:56)。. 間ず. とす る(文 部 科 学 省,2008:72)」. 国 語 科 の 指 導 時 間 が420時 間. で 最 も多 くな つて い る 。 この よ う に,こ の 筆 頭 で あ る 国 語 科 と外 国 語 科 は,共. の 他 の 外 国 語 の 目標 や 内 容. とされ るに とどまつてい. る。. とぼ を 扱 う教 科. 本 節 で は,「 外 国 語 科 」 の 目標 の み を扱 う。 な ぜ な ら,. に 時 間 数 を増 加 さ. こ と ぼの 能 力 に 関 す る科 目 で あ る外 国 語 科 に つ い て,コ. せ て い る の で あ る(文 部 科 学 省,2008:11-12)。 こ と ばや 言 語 活 動 を 重 視 す る傾 向 は,単. しか し,そ. に つ い て は,「 英 語 の 目標 お よ び 内 容 等 に 準 じ て 行 う もの. 体 で105時 間 増 加 して い る。 こ の 増 加 に よ り,中. 学 校 の 各 教 科 の な か で,外. れ ま で ほ とん どの 学 校 で 英 語 を履 修 して き た. 外 国 語 を 履 修 さ せ る こ と も で き る」 とさ れ て い る(文 部 科. 体 で70時 間. が 新 設 とな る 。 中 学 校 外 国 語 科 は,各 学 年 で1時. 指 導 要 領 の 解 説 編 で は,「 英 語 が 世 界. こ と」 を 踏 ま え た 上 で の 原 則 とさ れ て お り,「 英 語 以 外 の. 学校 で は外 国語 活動. 生 で 週1時. とさ れ て い る。 こ. で 広 く コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ンの 手 段 と して用 い られ て い る. 間 で105時 間 増 加 して い る。 そ の 中 で も 国. 語 科 に つ い て は,小. つ,全. を原 則 とす る(文 部 科 学 省,2008:73)」. 行 指 導 要 領 に 比 して 全 体 的 に指 導. 時 間 が 増 加 して い る 。 小 学 校 で は6年 学 校 で は3年. 指 導 計 画 の 作 成 と内 容 の 取 り扱 行指 導 要領 にお いて も新指 導要領 に. お い て も,「 外 国 語 科 に お い て は,英 語 を 履 修 させ る こ と. 要 領 上 に 明 確 に打 ち 出 さ れ て い る 。 新 指 導 要 領 で は,現. 目 名 は 「外 国 語 科 」 と. ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 に 関 す る定 義 を 英 語 に 限 定 して 議. に時間 数 の増. 加 だ け で な く,指 導 され る教 育 内 容 に も反 映 さ れ て い. 論 す るべ き で は な い と考 え るか ら だ 。 筆 者 の こ の考 え 方. る。 す で に,1996年. は,本. の 中 教 審 答 申 に お い て,こ. と ばや 言. 考 え 方 と関 連 す る。. 語 活 動 に つ い て は教 科 横 断 的 に行 わ れ る べ き 旨 が 触 れ ら れ て い る が,パ に お い て,知. ン フ レ ッ トに は 「国 語 を は じ め 各 教 科 等. 外国語科の教科目標の共通点. 識 ・技 能 を 活 用 して レ ポ ー トの 作 成 や 論 述. を 行 うな ど(文 部 科 学 省,2008:13)」. 章 の 最 後 に扱 う普 遍 的 コ ミ ユニ ケ ー シ ョ ン能 力 の. さ て,本. の 学 習 活 動 を取 り入. 節 で は,学. 習指 導 要領 にお け る コ ミュニケ ー. シ ョ ン能 力 の 捉 え 方 を 検 討 して い る が,現. れ て い る 旨 が 述 べ られ て い る 。. 10. 行 学 習指 導 要.

(14) 領 に お け る外 国 語 科 の 目標 と新 学 習 指 導 要 領 に お け る そ. 6)。 こ こで は ま ず. れ とを 比 較 す る と,内 容 に共 通 点 と相 違 点 が 見 られ る。. で あ る2に. 1.E.F.は 現 行 指 導 要 領 を ベ ース に 成 立 して い る取 り組 み で あ る た め,現. 本 節 で は,指. 者 の 違 い に つ い て は,. は,こ. (文部 科 学 省,2008:68)に. 討 を して み た い 。. 導 要 領 に お け る コ ミ ユニ ケ ー シ ョ ン能 力. の2に. 指 導要 領 の解 説 文 中で. 関 す る解 説(文 部 科 学 省,2008:6-7)に,コ. ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 の 捉 え 方 を 見 る こ とが で き る 。 こ. か ね て か ら筆 者 が 疑 問 とす る と こ ろ で あ つ た 。 現 行 指 導 要 領(文 部 科 学 省,1998),お. つ い て,検. の 捉 え 方 を検 討 して い る が,新. 行 指 導 要 領 と新 指 導 要 領 を 比 較 す る こ とに. は意 義 が あ る と言 え る 。 ま た,両. 現 行 指 導 要 領 と新 指 導 要 領 の共 通 点. こ に は,「 積 極 的 に 自 分 の 考 え を相 手 に 伝 え よ う と した. よ び新 指 導 要 領. り,相 手 の 考 え を 理 解 し よ う と し た りす る な ど」 と書 か. お け る 外 国 語 科 の 目標 は,以. 下 に 示 す 通 りで あ る(下 線 は 筆 者)。. れ て い る。 こ こか ら,自 分 の 考 え を 相 手 に 伝 え,相 手 の 考 え を 理 解 す る こ とが コ ミ ユニ ケ ー シ ョ ン で あ る,と. 【現行 中学校 学 習指 導 要領. 外国 語科. 目標 】. 義 さ れ て い る こ とが 読 み 取 れ る。 ま た,L定. 外 国語 を通 じて,言 語 や文 化 に対 す る理解 を深 め,積 極. 行 う」 前 提 と して,「 態 度 の 育 成 が 十 分 」 に な され る必 要. り,聞 くこ とや 話 す ことな どの 実践 的 コ ミユニ ケ ー. 性 が あ る と述 べ ら れ て い る 。 こ の こ とか ら,コ. の基 礎 を養 うー 。. ケ ー シ ョ ン能 力 に は 態 度 の側 面 が 含 ま れ,そ 【 新 中学 校 学習 指導 要 領 外 国 語 を 通 じて,言. 外 国語 科. く こ と.話. 語 や 文 化 に 対 す る理 解 を 深 め,積. す こ と.読. む こ と.書. しか し,「 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン へ の 積 極 的 な 態 度 を育 成. く こ とな どの コ. した りす る た め に は い ろ い ろ な 方 法 が あ り う る が,外 語 科 と して は,. り,そ れ 以 前 の 部 分 は 全 く同 じ で あ る。 新 指 導 要 領 外 国 語 編 の 解 説(文 部 科 学 省,2008:6)で 下 の3つ. 『外 国 語 を 通 じ て 』 と い う教 科 に 特 有 な. う文 言 が あ る。 こ の 文 言 か ら は,外. 国 語 科 を 通 じて 育 成. す る コ ミ ユ ニ ケ0シ. 語 に 関 係 な く普 遍 的. な 能 力 な の か,そ. に分 け て 捉. ョ ン能 力 が,言. れ と も外 国 語(特. れ た 能 力 な の か,ど. えて い る 。. に 英 語11)に. 限定さ. ち か らが 判 断 で き な い 。 む し ろ,外. 国 語 ・英 語 に 特 化 した コ ミ ユニ ケ ー シ ョ ン 能 力 を規 定 し 1.外 国 語 を 通 じ て,言. 語 や 文 化 に 対 す る理 解 を 深 め る。. 2.外 国 語 を 通 じ て,積. 極 的 に コ ミュニ ケ ーシ ョン を図 ろ. て い る よ う に 捉 え る こ と も可 能 で あ る。 以 上,新. す こ と,読. む こ と,書. 指 導 要 領 解 説 を も とに,現. 行 指 導 要 領 と新 指. 導 要 領 の 目標 の 共 通 部 分 に つ い て 検 討 した 。 そ の 結 果. う とす る 態 度 の 育 成 を 図 る 。 3.聞 く こ と,話. 国. 方 法 に よ っ て 目 標 の 実 現 を 図 ろ う とす る もの で あ る」とい. この よ う に 見 る と,違 い が 現 れ て い る の は下 線 部 で あ. 指 導 要 領 の 目標 の 文 言 を,以. の態 度 の育. み 取 れ る。. 極. ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 の 某 礎 を養 う。. は,新. ミュニ. 成 が 知 識 や 技 能 の 前 提 と して 必 要 で あ る とい う こ とが 読. 目標 】. 的 に コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン を 図 ろ う とす る 態 度 の 育 成 を 図 り,聞. の基 本 的 な. 知 識 や 技 能..._を 活 用 して 実 際 に コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン を. 的 に コ ミユニ ケ ーシ ョンを 図 ろ う とす る態度 の育成 を図. 幽. 定. は,以. く こ とな どの コ. 下 の よ う に ま と め る こ とが で き る 。. ミュニ ケ ーシ ョン能力 の基 礎 を養 う。. 一 自分 の 考 え を 相 手 に伝 え ,相 手 の 考 え を理 解 す る こ と 解 説 文 中 で は,こ くこ と に よ っ て,最. の 分 け方 に お い て,3を. 「最 後 に 置. が コ ミ ユニ ケ ー一シ ョ ンで あ る 。 -コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン を 図 ろ う とす る態 度 の 育 成 が 知 識. 重 要 事 項 で あ る こ とを 強 調 して い. る」 と書 か れ て お り,「 コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 の 基 礎 を 養 う」 こ とが,そ. や 技 能 の 前 提 と して 必 要 で あ る。 一 外 国 語 科 を 通 じて 育 成 す る コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力. れ 以 前 に 書 か れ た 内 容 以 上 に重 要 で あ. る と して い る 。 な お,3に. つ い て は 「1や2と. 不 可分 に. が,普. 結 び 付 い た も の 」 で あ り,「 コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 を 向 上 させ る取 組 を 通 して,1の. 理 解 が 深 ま っ た り,2の. 遍 的 な 能 力 な の か,特. な の か,ど. 定 言 語 に限 定 され た能 力. ち か らが 判 断 で き な い 。. 態. 外国語科の教科目標の相違点. 度 が 養 わ れ た りす る 」と して い る(文 部 科 学 省,2008:. さ て,教. 科 目標 の 相 違 点 は,先. ほ ど示 し た 引 用 の 下 線. 部 で あ る。 現 行 の 指 導 要 領 で は,「 コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能 11学校 教 育 法施 行 規則 にお いて、 英語 は外国 語 科 にお け る 「 基 本 」 とされて い る。. 11.

(15) 力 」とい う こ とば の 前 に 「聞 く こ と」 「話 す こ と」 とい う. だ け で は な く,実 際 の コ ミユ ニ ケ ー シ ョン を 目 的 と して. こ とば,さ. 外 国語 を運 用 す る こ とが で き る能 力 の某 礎 を養 う こ とを. 方,新. ら に 「実 践 的 」 とい う文 言 が つ いて い る。 一. 指 導 要 領 で は,聞. く ・話 す に 加 え,読. い う文 字 的 な コ ミ ユ ニ ケ0シ. 意 味 して い る 。 な お,改. む ・書 く と. の 新 旧 の 変 化 を,コ. る.こ とを 踏 ま え,今. ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン とい. 解 釈 して い た 。 現 行 指 導 要. の 場 で 用 い る や り と りの 技 法 と して,特. つ ま りこ の 文 章 か ら分 か る こ と は 以 下 の 事 柄 で あ る。. に リス ニ ン グ と -中 学 校 の 指 導 要 領 で 「読 む こ と」,「 書 く こ と」が 加 わ っ. ス ピー キ ン グ の 技 法 を 重 視 して い る と解 釈 で き る。 す な ミ ユニ ケ ー シ ョ ンの 根 幹 と して の 会 話 こ そ が 重. た の は,小. い う考 え が 読 み取 れ る 。 一 方 の 新 指 導 要. 領 は,「 実 践 的 」とい う こ とば を な く した 代 わ り に,い ゆ る4技 能 全 て を 内 容 に盛 り込 ん だ 。 こ こ か ら,聞 話 す だ け で な く,読 む ・書 くを含 め た4つ 的 に扱 い,音. 回 は 単 に 「コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 」. と した 。. 領 で は特 に 音 声 面 を 重 視 し,実 際 の コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン. 要 で あ る,と. ミユニ. ケ ー シ ョ ン 能 力 は そ う し た 実 践 性 を 当 然 に 伴 う もの で あ. う概 念 の 捉 え 直 しで あ る,と. わ ち,コ. うした趣 旨か ら「 実. 践 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 」と して い た が,コ. ョンの能 力 を養 う ことが要. 請 され て い る。 筆 者 は,こ. 訂 前 は,こ. 学 校 外 国 語 活 動 導 入 に よ つて 外 国 語 の 学 習. 開 始 時 期 が 早 ま っ た か らで あ る 。 一 外 国 語 学 習 の 導 入 で は 音 声 が 重 視 され て い る。 一 「実 践 的 」とい う こ と ば は ,コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン は 当 然. わ く・. の技法 を包括. に実 践 的 な もの で あ る と い う解 釈 に よ つ て 外 され た だ. 声 言 語 の や り と りだ け で は な く,記 述 言 語. けで あ つた。. に よ る や り と りも 含 め た す べ て の 言 語 活 動 を コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン と して 扱 う必 要 性 が あ る,と 取 れ る 。 た だ こ こ で も ま だ,コ て,聞. しか し,こ. い う こ とが 読 み. 招 くの で は な い だ ろ う か 。 現 行 指 導 要 領 の 文 言 か ら,活. ミユニ ケー シ ョンにお い. く ・話 す が 重 視 され て い る こ と は,4技. 動 内 容 は よ り現 実 性 の 高 い題 材 を 用 い た リス ニ ン グ ・ス. 能 の配 列. ピー キ ン グ の 実 践 で あ る,と. の順 序 か ら予 測 が で き る。. よ る と,た. しか に,「4技. の よ う な 活 動 を 行 うべ き か が,更. 能 の総合. 当 た つて は4技. シ ョ ン 能 力 は,普. 能 を総 合 的 に 育 成 す るス タ ン ス が 示 され. か れ て い る(下 線,太. に曖 昧 に な って し ま つ. また 先 ほ ど,外 国 語 科 を通 じ て 育 成 す る コ ミ ユ ニ ケ ー. ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 育 成 に. て い る。 しか し,解 説 文 中 に は,続. の文 言 か ら ど. た よ う に思 え る 。. 的 な 育 成 とい う改 善 の 基 本 方 針 も盛 り込 ん だ 記 述 と して い る」 と書 か れ て お り,コ. い う解 釈 を す る こ とは 容 易. で あ る 。 しか し新 指 導 要 領 に お い て は,そ. で は実 際 に は ど う だ ろ うか 。 新 指 導 要 領 の 解 説 文(文 部 科 学 省,2008:6-7)に. う した 記 述 は,解 釈 上 の い くつ か の 混 乱 を. 遍 的 な能 力 な の か,特. れ た 能 力 な の か,と. けて以 下 の文章 が書. 定 言 語 に限 定 さ. い う論 点 を示 した が,「 実 際 の コ ミ ユ. ニ ケ ー シ ョ ン を 目 的 と して 外 国 語 を運 用 す る こ とが で き. 字 は筆 者)。. る能 力 」とい う文 言 は さ ら に こ の 論 点 を 混 乱 さ せ る。 こ の 従 来 は中学校 が外 国語 学 習 の導 入 の段 階で あ つた こ と. 文 言 か ら は,特. か ら,中 学 校 で は 特 に音 声 に よ る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を. 定 す る もの で あ る,と. 重 視 し,教 科 目標 に お い て 「聞 く こ とや 話 す こ とな どの. い う解 釈 が 可 能 だ か らだ 。 つ ま. り,特 定 外 国 語 の 運 用 能 力 お よ び そ の 素 地 とな る 言 語 知. 実 践 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 の 基 礎 を養 う」と され て. 識 の 方 が,学. い た 。 しか し,今 回 の 改 訂 に よ り,小 学 校 に外 国 語 活 動 が 導 入 さ れ.特. 定 外 国 語 に よ る コ ミユ ニ ケ ー シ ョ ン を 想. 習 す べ き 内 容 と して 重 要 で あ る と され て い. るよ うに読 み取 れ るのだ。. に 音 声 面 を 中 心 と して 外 国 語 を 用 い た コ. 筆 者 に とっ て 最 も意 外 だ つ た の が,読 ミ ユニ ケ ー シ ョ ン 能 力 の 素 地 が 育 成 さ れ る こ と に な っ た 一 この た め,中. わ つ た こ とが,コ. 学 校 段 階 で は,「 聞 く こ と」,「話 す こ. し,と. み ・書 きが 加. ミ ユ ニ ケ ー シ ョン とい う概 念 の捉 え 直. い う ほ どの も の で は な か っ た とい う こ とで あ る。. と」に加 え,「 読 む こ と」,「書 く こ と上を 明 示 す る こ と で,小. 学 校 に お け る外 国 語 活 動 で は ぐ くま れ た 素 地 の ト. に.こ. れ らの 四 つ の 枝 能 をバ ラ ン ス よ く育 成 す る こ との. 外 国 語 学 習 の 導 入 時 期 が 前 倒 し に な つ た か ら,中 学 校 入 学 時 に す で に 音 声 面 で の 素 地 が で き 上 が って い る,と い うの は,い. 必要 性 を強 調 したわ けで あ る。 「聞 く こ と,話. す こ と,読. む こ と,書. る 。4つ. く こ と な どの コ. ミ ユニ ケ ー シ ョ ン 能 力 の基 礎 を 養 う」と は,単. に外 国語. の 文 法 規 則 や 語 彙 な ど に つ い て の 知 識 を 身 に 付 け させ る. 12. さ さ か 安 易 な 考 え方 で あ る よ う に も捉 え られ. の 技 能 の 配 列 か ら考 え れ ば,依. 然 と して 音 声 が. 重 視 さ れ て い る こ と は納 得 で き る が,指. 導要 領 にお いて.

(16) は,そ. の 目標 部 分 で さ え,指. か 触 れ て い な い,と. 導 され る技能 の順序 性 に し. 2.3.コ. い う の が 実 際 の と こ ろで あ る。. 本 節 で は,コ. 力 に 関 す る定 義 は,こ. 学 校 外 国 語 科 の 教 科 目標 を 現 行 の も の と新 し. ミ ユニ ケ ー シ ョ ン能 力 が どの よ う に 定 義 さ れ て い るか を み て き た 。 結 果 的 に,コ. ・個 々人 が他 者 との対話 を通 して考 えを明確 に し,自 己. ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン の 定 義 は 「自. 分 の 考 え を相 手 に伝 え,相. を表 現 し,あ るい は他 者 を理解 し,他 者 と意見 を共 有. 手 の 考 え を理 解 す る こ と」 で. あ る こ とが 判 明 し た 。 また,知. し,お 互 いの 考 えを深 めて い くこ とが望 まれ る。[言語. 識 や 技 能 の 前 提 と して 態. 力 育成 協力 者 会議 報 告書 】(言 語 力 育成 協 力者 会 議,. 度 の 育 成 が 必 要 で あ る こ と も理 解 で き た 。. 2007) ・ 「 発 信 力(自分 の意 見 をわ か りや す く伝 える力)」お よ. コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 の 育 成 は 最 重 要 で あ る とさ れ て い る一 方,外. 国 語 科 を通 じて 育 成 す る コ ミ ュ ニ ケ ー. シ ョ ン 能 力 が,普. 遍 的 な 能 力 な の か,特. れ た 能 力 な の か は,判. び 「 傾聴 力(相手 の意見 を丁寧 に聴 く力)上 【 社 会 人基礎 力】(経 済産 業省,2006). 定 言語 に限定 さ. ・積極 的 に自分 の考 えを相 手 に伝 え よ う と した り,相 手. 断 の 余 地 が あ る よ うだ 。 解 釈 に. の考 えを理解 し よ う とした りす るな ど[新 学 習 指導 要. ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン を 目 的 と した 外 国 語 運 用. 領 解説](文部 科学 省,2008). 能 力 の 育 成 が 目的 で あ り,そ れ は す な わ ち 特 定 言 語 に 限 定 され た 能 力 を 志 向 す る も の で あ る よ う に解 釈 す る こ と. な どで あ る 。 しか し これ で も な お,コ. が 可 能 で あ る。 また,指. 能 力 とい う用 語 が,"す. 導 要 領 の 比 較 か ら,コ. ミユ ニ ケ ー シ ョ ン 活 動. は,当 然 に実 践 的 な も の で あ る こ と,4技 育 成 す るが,素. ば,本. 種 文 献 か ら コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能 力. の 定 義 を読 み 取 りた い 。 特 に,外. 国語教 育 学 や応用 言 語. 学 に お い て 取 り上 げ られ て い る概 念 を 扱 い た い 。. ミ ユニ ケ ー シ ョ ン 能 力 は,学. 習指 導. 要 領 に お い て あ る程 度 明 確 化 さ れ て い る もの の,こ. 意 味 と感情 の や り と り,と い う解釈. とぼ. で に 共 通 理 解 され て い る も の と して 使 わ. れ て い る よ う に も見 え る。 で は,学. 研 究 に お け る調 査 の 視 点 を 定 め る こ と は難 しい 。. そ こで 本 章 で は,各. ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 の 捉 え 直. し と い う もの で は な か つ た の で あ る 。. それ 自体 は,す. で に そ こ に あ る も の"と して,暗. シ ョ ン能 力 とい う曖 昧 な 概 念 を あ る程 度 定 義 づ け な けれ. で 身 に 付 い て い る と捉 え られ て い る こ とが 分 か つ た 。 こ. 以 上 の よ う に,コ. ミユニ ケ ーシ ョン. 黙 の 了 解 とな つ て い る よ う に 感 じ られ る。 コ ミ ユ ニ ケ ー. 能 は総合 的 に. 地 と して の 音 声 面 の 能 力 は 小 学 校 の 時 点. れ ら に関 わ る文 言 は,コ. れ まで に見 て きた行 政 文書 にお い. て い くつ か 触 れ られ て い る 。 例 え ぼ,. い も の とで 比 較 す る こ と に よ り,指 導 要 領 に お い て コ. よ っ て は,コ. ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 に 関 す る様 々 な定. 義 に つ い て 見 て い き た い と思 う。 コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン能. 本節 の ま とめ 以 上,中. ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 の 学 術 的 定 義. コ ミ ユ ニ ケ ー シ ョ ン論 は,言. 術 的 に コ ミュ ニ ケ ー. 語 学 の 立 場 か ら だ けで は. な く,社 会 学 的 立 場 や そ れ 以 外 の 立 場 か ら様 々 な 定 義 付. シ ョ ン能 力 は どの よ う に 定 義 づ け られ て い る の だ ろ う. け が な さ れ て い る。 ま ず は 齋 藤 孝(2004)を. か 。 次 節 で は そ れ を 検 討 す る。. 齋 藤(2004)は,そ. 引用 した い 。. の 名 もず ば り 『コ ミ ユ ニ ケ0シ. カ 』 を 著 して い る。 そ の 冒 頭 で,コ は 「端 的 に 言 って,意. ョン. ミユニ ケ ーシ ョン と. 味 や 感 情 を や り と りす る行 為 」 で. あ り,「 や り と りす る相 互 性 が あ るか ら こ そ コ ミ ユニ ケ0 シ ョ ン とい え る」 と して い る(p.2)。 この 定 義 に 沿 っ た 時,コ. ミユ ニ ケ ー シ ョン カ と は 「意 味 を 適 格 に つ か み,. 感 情 を 理 解 し合 う力(p.4)」 とな る 。 この 指 摘 は,相. 手を. 伴 う対 人 関 係 の や り と りだ け を 志 向 して い な い 。 齋 藤 (2004)は,「. コ ミ ュ ニ ケ0シ. ョ ンが 深 ま つて い る と き は,. 相 手 とだ け で は な く,自 分 自身 と対 話 して い る感 覚(p. 18)」 が あ り,自 分 自 身 との 対 話 の 一 例 と して 「文 章 を 書 く とい う作 業(p.19)」 を 挙 げ て い る。 一 方 で,対 い て も 「対 話 に参 加 して い る もの が 皆,自. 13. 話 につ. 分 自身の経験.

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