Risanteki sentaku no moderu nitsuite
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(3) 離散的選択のモデルについて1. 7/1991. 松野一彦 中央大学. 1本 稿 は プ レ リ ミナ リ ー な も の で あ り. ,こ. こ に 含 ま れ る 不 備 な 点 や 論 旨 に か か わ る コ メ ン ト を 歓 迎 す る..
(4) 離 散 的 選 択 の モデ ル につ い て 松 野___.,彦. 1. 序 本稿では従来展開 されて きた質 的反応モデル に関す る議 論を検討 してみ る。特. に 効 用 理 論 を 基 礎 に もつ モ デ ル を 中 心 に す る 。 こ れ ら は 離 散 的 選 択 理 論 の モ デ ル と 言 っ て よ い ・ 例 え ばMcFadden(1973)に tional. logit皿ode1)とHausman. デ ル(conditional. よ る 条 件 付 き ロ ジ ッ トモ デ ル(cond. and Wise(1978>に. probit皿ode1)が. i-. よ る条 件 付 き プ ロ ビ ッ トモ. 主 要 な 例 で あ る 。 こ れ ら標 準 的 モ デ ル と. わ が 国 に お い て 工 夫 され た 離 散 的 選 択 の モ デ ル と を 比 較 す る. 。. 質 的 反 応 の 統 計 的 モ デ ル と し て は 以 前 よ りプ ロ ピ ッ トモ デ ル,Finney(1947), ロ ジ ッ トモ デ ル ・Berkson(1944),が よ く知 られ て い る。 こ れ ら 生 物 学 的 な 応 用 分 野 に お け る モ デ ル が 計 量 経 済 学 で も利 用 さ れ て き た 。 質 的 反 応 が2つ の ケwス で あ れ ば これ らの 統 計 的 モ デ ル に 対 し簡 単 に 効 用 理 論 的 基 礎 付 け が で き る し 。 しか 、 反 応 が 多 数 に な る 場 合 に は 、 理 論 的 基 礎 付 け が む ず か し くな っ て く る 。. 従来の計量経済学的 モデルは経済主体の平均的な行動を叙述す るものであっ た 。 効 用 理 論 自 身 は 理 論 的 に 見 て 個 人 あ る い は 個 々 の 家 計 の 行 動 を叙 述 して い る と は 言 え て も、 計 量 経 済 学 的 分 析 で は 、 平 均 化 され た 家 計 の デ....,.タ が 用 い ちれ て お り、 結 果 的 に は 効 用 理 論 は 平 均 的 家 計 の 行 動 仮 説 と して テ ス トさ れ て き た 。. よ り詳細なデータが利用可能にな るに従い、 また実証分析の蓄積 によ り、 個 々 の主体の行動 を叙述 し、 その ままの計量経済学的にテス トできるモデルが必要 に なって きて いる。 このよ うなモデルの一つ として登場 したのが以下で検討す る質 的反応、離散的反応 のモデル である。 質的反 応、離散的選択のモデル についてはすでにい くつかのサーベ イがな され. て い る 。 例 え ば 、 舳emiya(1981,1985)で され て い る 。Madda la(1983)で. は 統 計 学 的 側 面 に も重 点 を 置 い て 議 論. は 応 用 面 も含 め て 各 種 モ デ ル を 網 羅 して 検 討 が な. され て い る。McFadden(1976,1982,1984)は. 心 理 学 に お け る 確 率 的 選 択(proba-. bilistic choice)の 議 論 を も含 め 各 種 モ デ ル の 包 括 的 な 検 討 が な さ れ て い る れら 。こ の サ ー ベ イ で 扱 わ れ て い な い い くつ か の 問 題 点 を 指 摘 して お く こ と が 本 稿 の 目 的 で あ る。. 2. 選択確率 一般的 に、離散的選択のモデルの形式は次の よ うになる。. 効用最 大化行動 を採 る経済主体の集 ま りを考 える。これ はN個(人)の 主体か ら成る。第i番 目の主体 の行動 を問題 とす る。 この主体がJ個 の選択肢か ちな る選択肢集合か ら一 つ を選ぶ もの とす る。なお ここの議論のほ とん どの箇所では モデルの展開上、各主体は同数Jの 選択肢に直 面 しているもの としてお く 。た. 一1一.
(5) だ しモ デ ル の 応 用 上 問 題 を 指 摘 し て い る 箇 所 も あ る。 問 題 は 主 体iが 選 択 肢jを 前 提 して 、 こ れ は 選 択 肢jが. 選 ぷ 確 率P.;を 求 め る こ とで あ る。 効 用最 大 化 を 主 体iに も た らす 効 用Uijが 最 大 に な る確 率. Pi」 =Pr{uij>u.k, k=1,...,J, k≠j} (2.1> に 等 し い 。Pi」 は あ る主 体 が 繰 り返 し 選 択 を 行 な う と そ の うち の 何 パ ー セ ン トが jの 選 択 に な っ て い る の か を表 す 。 確 率Pijは. 主 体iが. 選 択 肢jを. 選ぶ選択確. 率 で あ る。 即 ち 、 同 一 主 体 で あ っ て も 、 一 定 の 統 御 条 件 の も とで 、 常 に 同._...の 選 択 肢 を 選 ぷ の で は な くjを 方 をP.;が. 選 ぶ と き も あ れ ばj'を. 選 ぶ 時 も あ る。 そ の 分 布 の 仕. 表 す 。 た と え ば 同 一 主 体 を 観 察 して あ る 時 は 自分 で 車 を 運 転 し て(j=. 1)仕 事 に 出 か け る と き も あ れ ば 、 電 車 に 乗 っ て(j=2)仕. 事 に 出 か け る 時 もあ る. た め で あ る。 こ の よ うな 行 動 を叙 述 す る に は 添 え字iの. つ いた 主 体 内 の分 布 を述. べ る選 択 確 率 を 考 え る必 要 が あ る、 一 概 に 選 択 確 率 と い っ て も次 の 様 に 選 択 確 率 を設 定 す る こ と もで き る 。 主 体i が 常 に 就 業 して い る とす る 。 あ る い は こ の 主 体 に つ い て そ れ 以 外 の 観 察 値 は な い とす る 。 そ して 、 同 一 条 件 の 他 の 主 体i'は にjを. 選 ぶ 。 同 一 条 件 に あ る 他 の 主 体i'は. 就 業 して い な い 。 即 ち 、 主 体iは 常 にj'を. 常. 選 択 す る場 合 を 考 え る 。. こ の 場 合 に 考 え る ぺ き は 主 体 間 の 選 択 の 分 布 で あ る。 こ れ をPjと. す る。 添 え 字. iは 付 い て い な い 。 こ の 場 合 選 択 確 率 は P」 = Pr{u;>uk,. k・=1,...,J, k≠j}. (2.2》. ,で あ る。Pjは 主 体 の グ ル ー プ の 内 何 パ ー セ ン トがjを 選 ん だ の か を表す 。 形式 的 に は 添 え 字iの 有 る無 しの 違 い で あ る が 、P.;とPjは 適 用 され る 現 象 に 違 い が あ る 。 即 ち 、 同 一 主 体 が 時 に よ っ て 異 な る選 択 を して お り、 こ の 観 察 結 果 を分 析 す る な らPijの. モ デ ル が 必 要 に な る 。 も し一 つ の 主 体 は いつ も 同 一 の 選. 択 をす る な ら 、 あ る い は 同 一 主 体 に 関 す る 繰 り返 しの 観 察 が な い な らば 、Pjに つ い て の モ デ ル を考 え れ ば よ い 。Pi;の 方 の モ デ ル を 主 体 内 分 布 の モ デ ル と呼 び 、 Piの. 方 の モ デ ル を 主 体 間 分 布 の モ デ ル と 呼 ぶ こ と に す る。 た だ し、 両 モ デ ル の 展 開 は パ ラ レル で あ り、 主 体 内 の モ デ ルPijと 主 体 間 の モ デ ルP;の 両 者 を必要 に 応 じて 展 開 して い く 。. 3. 確率的効用. 同一条件の もとで選択が分布す る理 由は効用U」 が確率的に分布 していること に求め られ る。主体 の添 え字iを 省略 して、Ujの 同時分布 を確率分布(密 度関 数>fで あらわす と、選択確率は選択肢jが 他の選択肢よ りも大 きい効用 をもた ら している確率であ り u; P;=. ∫ 一◎◎. oo …. ∫… 一◎◎. u; ∫. f(w,...,. uj,...,. 一◎◎. 一2一. uJ)du1…. du;…. duJ. (3.1>.
(6) と か け る 。 積 分 領 域 はukに 一◎◎ で あ る 。. つ い て はu;>Uk>一. こ こ で 確 率 的 効 用 の 差 をYkj=llk-u;と. ◎◎で あ り、 u;に. し 、 そ のJ-1次. つ い ては. ◎◎>u;〉. 元 同 時 分 布 を9」. とす. る と 、 OCf gj=. d. f(1/1j+u;,..。,. i/j-1」+u;,. uj,. ンj←!j+u;,...,. L/Jj+uj)duj. (3.2). -aC1. と 書 け る 。 そ し て 選 択 確 率 は 分 布9jの 0. 負 の 領 域 に お け る 確 率,. P」=∫. 0 …. 一◎◎. ∫9j《yes,_,ン. 」一1j,ン 川. 一◎◎. 」,_,ン. 、」). d」』 ノ1」… dンj_ijdンj←1j…. と な る 。 も しUjが. 正 規 分 布 を し て い る な ら 、 Ykjも 負 象 限 の 積 分 がP3を 表す。. ス な ら 、 図1の. 図1. dンJj. 正 規 分 布 す る 。 J=3の. (3.3) ケー. 選 択 確 率 の 積分 領域 u2-u3. 0 』 一 一一 一『. 『. 『一 一'. u1聯u3. P3. 選択確率は次の よ うにも表す こ ともで きる。 同時分布 は条件付 き分布 と周辺分 .布 の 積 に な る か ら 、 ◎◎ Pj=. f. Uj {. ・ 一◎◎. ∫ 一◎◎. こ こ でfjはu;の J-1個. のuの. Pj=E. u; …. ∫. fj(u1,...,. u」luj)dug…. du」. }fj(u」)duj. (3.4》. 一◎◎. 周 辺 分 布 で あ り、 fj(1)はu;を 所 与 と した 時 の 、 他 の 条 件 付 き分 布 で あ る 。F」 を条 件 付 き 分 布 の 分 布 関 数 と す る と 、. { F」(u1,...,. UJ IUj) }. (3.5). u;. とな る。 .選 択 確 率 は 分 布 関 数 の 平 均 で あ る 。. 一3一.
(7) 原理的には上の よ うにモデルが展開 され るが、実際に分布9jを 求 め るこ と及 び9jを 負の領域 で積分す ることは解析的に複雑 にな る。 そこで十分 に一般的な 選択確率 を叙述で きかつ解析的取扱が しやす い分布 を見 いだす ことが課題 にな る とされ る。 4. 特定化の方法. 確 率 的 効 用 関 数 と して は 二 通 りの 設 定 の 仕 方 が 考 え ら れ る 。 まず 第 一 に 、 属 性 W.を 持 つ 主 体iが あ る条 件 を満 た す 状 況 の グ ル._..プ(母 集 団)でj選 択 肢 を選 ん だ 時 の 選 択 肢jの. 属 性 をXijと. す る。 関 数. uij =v(xij, と して 効 用u.;が. W., θ)+εij =vij+εij, i=1,.。 りN, j=1,...,J. (4.1) 決 ま る 。 こ こ で θ は パ ラ メ タ で あ る 。 効 用 は 系 統 的 部 分Vij. と誤 差 項. ら な る。 条 件 を あ る 程 度 統 御 して も 、 選 択 肢 自身 の 評 価 が 確 率. εijか. 的 に 変 動 す る ば あ い が あ る 。 電 車 で 通 勤 す る と して も、 そ の 評 価 は 雨 天 の 日 と 晴 天 の 日 と で は 異 な る で あ ろ う。 こ の よ う な 非 系 統 的 な 評 価 の 散 ら ば り を表 す た め に. εuを. る。e.;は. 用 い る。 εijの 主 体iが. 分 布 は 上 述 の 母 集 団 に お け る散 らば り を 表 す も の で あ. 選 択 肢jを. 選 ん だ 場 合 に つ け 加 わ る測 定 さ れ な い 効 用 を 表. す 。 主 体 内 及 び 選 択 肢 毎 に 確 率 的 に 分 布 す る 誤 差 項 で あ る。 こ の 誤 差 項 の た め に 同 一 主 体 で あ っ て も、 統 御 され な い 要 因 の た め 、 あ る 時 はjを j'を. 選 択 す る こ と に な る 。 選 択 肢jに. の時 の. 関 し、 あ る 時 のEiJは. 選 択 しあ る 時 は 小 さ い値 で、 別. εi」 は 大 き い 値 に な る こ と が あ る た め で あ る 。 こ の よ うな 主 体 内 の 分 布. の 様 子 を表 す の が 確 率 変数. εuで. あ る。. した が っ てUijの 分 布 も主 体 内 の 散 らば り を表 す もの で あ る。 この 特 定 化 に よ り、 一 主 体 の 選 択 の 分 布 を 述 べ る モ デ ル が 組 み 立 て られ る 。 最 近 の モ デ ル の 多 く は こ の 特 定 化 を 採 用 して い る 。 しか し こ の 場 合 特 定 化(4.1>に θ は 主体 毎 に異 な った値. θiを. 於 け るパ ラメ タ. と る べ き で あ る。 そ して そ の 推 定 に は 主 体iに. つ い て 繰 り返 しの サ ン プ リ ン グ が 行 わ れ な け れ ば な ら な い 。 しか し、 実 際 に は こ れ は で き な い。 従 っ て 、 各 主 体 は 共 通 の パ ラ メ タ θ を持 つ も の と仮 定 さ れ る。 そ して 各 主 体 をサ ン プ リ ン グ す る こ と で 共 通 と 見 な さ れ た. θ を推 定 して い る。. 一 方 の 主 体間 分 布 を述べ るモ デ ル で は 次 の 特定 化 を考 えて い る。 あ る条件 の も と に あ り属 性Wを 持 つ 主 体 の グ ル ー プ(母 集 団)を 考 え 、 そ の な か の 主 体 がj 選 択 肢 を採 った 時 の 効 用 を と す る。 こ こ で パ ラ メ タ θ は 確 率 的 パ ラ メ タ で 分 布f(elm)に. (42} 従 う もの と す. る。 μ は 分 布 の パ ラ メ タ で あ る 。 こ の 分 布 は 主 体 の 母 集 団 上 で の 散 ら ば りを 叙 述 す る もの で あ る・ 同 様 に 、u;の. 分 布 も 主 体 の 母 集 団 上 で の 散 ら ば り を表 す も の で. る。 こ の 特 定 化 を と って い る も の と して はObi(1968), (1969)が. あ る、. 一4一. Quandt(1968)、. 小尾.
(8) (4.1)の 特定化では選択肢が1つ 増える度 に確率変数が1つ 増えることにな り 、効用の確率分布はJ次 元分布になる。 したが って、 モデルの測定 にお いてはか な り多次元の確率分布の数値計算 が必要にな る。 そ して簡単な数値計算ができる モデル を求め るとい う問題が設定 され る。一方 、(4.2)で は、選択肢 の個数 に関 係なく、最大限でパ ラメ タ θ の次元だけの確率変数が導入 され る。 したが って 、効用の分布 も選択肢の個数に関係な く一定の次元の確率分布にな る。 なお、 上の2つ の特定化の混合 を考えることも形式的 には可能である. 5. 線 形 モデル 主 体iが. 選 択 肢jを. 採 っ た 時 の 効 用Uijを. Uij =Vij + εij・ と して お く。 た だ し変 数Vi」 あ っ た 。 主 体iの. は 選 択 肢jを. 属 性 を 変 数(ベ. ク トル)Xijで. 体 がj番. 表 す 。 た と え ば 、 i主 体 がj選 は 添 え字iが. (5.1) 均 的 〉効 用 で. あ らわ す 。 た と え ば 、 所 得 水 準 目の 選 択 肢 を選 ん だ 場 合 の 属 性 を. る 費 用 、 時 間 等 で あ る 。 同 じ選 択 肢 で あ っ て もiとi'で 認 め る。 従 っ て 変 数Xに. 採 用 して. 選 ん だ 時 の 系 統 的(平. ク トル)W.で. 、年 齢 、 性 別 の 事 で あ る 。 ま たi主 変 数(ベ. 、(4.1)を. 択 肢 を選ぶ こ とにか か は 費 用 が 異 な る こ とを. つ け られ る。 例 え ば 、iを. 郊 外 か ら電車 都 心 の 近 く か ら電 車 に 乗 る こ と とす る 。 同 じ電 車 に 乗 る と い う選 択 肢 で あ っ て も 費 用 ・所 用 時 間 と も両 選 択 肢 に と っ て 異 な る 。 に 乗 る こ と と し、i'を. 主 体iが. 選 択 肢jを. 採 っ た 時 の 平 均 的 効 用Vijを. Vij=Z(Xij,W.〉 α=Z口 α, と特 定 化 す る 。 た だ し変 数Zuは Zij =z(X;j・ W.) と い うよ う に 属 性XijとW.の. (5.2> 関 数 で あ る。 ま た α は 未 知 パ ラ メ タ で あ り効 用 関 数u.;は α に か ん し て 線 形 で あ る 。 変 数Zijに か ん して も線形 で あ るが 、 も との 属 性Xijとw;に つ いて は 非線 形 で あ って も よい。 選 択 肢jが. 効 用 最 大 と な り選 択 さ れ る の は. 即 ち Zijα+εij>Z.kα+εik φijk. >. εik,. (5.3). kニ1,...,J,. k≠j. (5.4). の と き で あ る 。 た だ し, φijk=εij+(Zij-Zik)α, で あ る 。 従 っ て ε 日,_,εiJの. 同 時 分 布 をfと. す る と 選 択 肢jの. (5.5) 選択確率. は. Pij=. φi」t. O◎. ∫…. ∫ …. 一ーー. 一ーー. φijJ ∫. f(εi1,...,. εij,...,. 一 一ーー. εiJ)dε:i1…. dεij…. dεiJ (5.6). 一5一.
(9) と な る 。 次 の よ う に も 展 開 で き る 。j選 ψijk>εik”Eij=eikj,. 択 肢 が 効 用 最 大 に な る の は k=1,...,J,. k≠j. (5.7). と な る と き で あ っ た 。 た だ し ψijk=(Z.j-Zik)α. (5.8>. で あ る 。ei1」,...,eij-1j,εij,ei」 gj=f(e.,;+ε. ・」,_,. ・1J,...,eiJjの. e・j一1」+Ei,i,ε. 分 布 は. ・j,e・j月j+ε. 、j,_,e、Jj+ε. 、」) (5.9}. で あ る 。 そ し てe;,;,...,eij-1j,eij・1j,...,e.J;の. 分 布 は. 00 h;. ニf. gjdεij. (5.10》. r. 一◎o とな る。 従 って 選 択 確 率 は ψ ポj1 Pij. =. ∫. ψi」 」. …. ∫. 一〇〇. hj. deitj。. ・・de.j_1jde.j+1j…. de.Jj. (5.11>. 一〇G. と書 け る。 ま た 、(5.7)を. つ ぎ の よ うに も書 き換 え る こ と が で き る 、. 00 Pij. ニ ∫ Fj(φij1,...,. -00 こ こ でF;(1)は. φijj_1,. 、Eijを. 布 関 数 で あ り 、fjはe.;周. 6. φijj+1. ,...,. φij」1εij)fj(ε. 所 与 と し た 時 の 、 他 のJ-1個 辺 分 布 で あ る 。 即 ちPijはF」. の. 轟J)dεij. (5.12) ε の 条 件 付 き分 の平 均 にな った。. 条 件 付 き ロ ジ ッ トモ デ ル 効用関数 を. u;;ニZi」 α+εij, と 設 定 す る 。 そ し て 、㌧ま ずJ個 従 う と す る 。 こ の と き(5.12>よ. Pij. =. ◎◎. J. ∫. n. の 撹乱 項. εi1,...,εiJは. (6.1》 独 立 で 同一 の 分 布 に. り. F」(φijk)fj(εij)dεi」. (6.2). 一・ ◎◎ k=1,k≠j と書 か れ る 。 そ して 条 件 付 き 分 布 関 数 と密 度 関 数 は F;(εik〈. φijk)・=exp{一exp(一. φijk)}. (6.3). fj(εij>・=exp(一 εij>exp{一exp(一Eij)} で あ る と仮 定 す る。 こ こ で. (6.4>. 十.
(10) φi」k=ψijk+εik. (6.5). ψijk=(Zi厂Zik)α で あ っ た 。(6.3)と(6.4)を(6.2)に. (6.6) 代 入 し、 計 算 、 整 理 す る と. ZijQ' e P;j=. 一 一 一 一. 一 一 一一一一一一. J Σ. (6.7). ZikGZ' e. k=1 とな る 。 こ の 選 択 確 率 を もつ モ デ ル を 条 件 付 き ロ ジ ッ トモ デ ル と い う。 分 布(6.3),(6.4)を 極 値 分 布 と い うが 、 誤 差 項 が 極 値 分 布 に 従 う こ と が ロ ジ ッ トモ デ ル を 導 く 十 分 条 件 で あ る 。McFadden(1973>は こ の 結 果 に く わ え、 極 値 分 布 が あ る 条 件 の も と で ロ ジ ッ トモ デ ル の た め の 必 要 条 件 で あ る こ と を示 し て い る。 しか し こ の 巧 妙 な 結 論 は ロ ジ ッ トモ デ ル の 応 用 に お い て は む しろ 否 定 的 な も の と な ろ う。 ロ ジ ッ ト モ デ ル は 、 以 前 か ち計 量 経 済 学 の 分 野 で よ く応 用 され て き て い る 。 し か し こ の モ デ ル と効 用 理 論 を結 び 付 け る た め に は 、 極 値 分 布 を前 提 に し な け れ ば な らな い 。 と こ ろ が 極 値 分 布 と い う極 く限 られ た 分 布 を 誤 差 項 の 分 布 と した 場 合 だ け に ロ ジ ッ トモ デ ル が 成 立 す る の で は 嗜 意 的 に す ぎ よ う。 極 値 分 布 に 限 ちず 、 あ る 特 定 の 分 布 を前 提 に した 場 合 だ け に モ デ ル が 成 立 す るの は 少 々 、 不 自 由 で あ る 。 誤 差 項 の 分 布 は む し ろ 推 定 、 検 定 に よ っ て 決 定 され る よ うな 自 由 度 を 持 って い る 方 が よ い。 凹cFadden自 身 及 び 他 の 文 献 は 、 ロ ジ ッ トモ デ ル に つ い て 次 の 様 な 問 題 点 を 指 摘 して い る 。(6.7)よ り、 選 択 肢jとkの 確 率 の 比(オ ッズ)は Pij/P.k=exp(zi厂zik)α (6.8) とな る 。 他 の 選 択 肢 の 存 在 に 関 わ ら ず こ の 比 率 は 不 変 で あ る。 しか し、 実 際 に は 、 第 三 の 選 択 肢 が 加 わ れ ば 上 の 比 率 が 変 わ る の が 自然 で あ ろ う.た と え ば 、 オ ッズ が 全 選 択 肢 の 属 性Z口,...,ZiJに 依 存 し、 例 え ば 関 数 「 P;j/Pik=pjk(zi1,..., ziJ> (6.9> と表 され る の で あ れ ば じ ゅ うぶ ん に 一 般 的 で あ る 。 しか し ロ ジ ッ トモ デ ル は こ の よ うな 一 般 的 な 行 動 を叙 述 す る ほ ど弾 力 的 な も の に は な っ て い な い 。 ま た 、 次 が 計 算 さ れ る 、Xikと と して 計 算 す る と. α の 第 皿・ 番 目 の 要 素 を そ れ ぞ れXik,と1Xro. ∂loge;j/∂X;km=一Q'mXikmPik と な る。 これ は 選 択 確 率 の 交 差 弾 力 性 で あ る が 、jに. (6.10) 依 存 しな い 値 で あ る。 即 ち 選 択 肢kの 属 性 の 変 化 に 対 し、 他 の 選 択 肢 の 反 応 は す べ て 同 一 に な る 。 こ れ も ロ ジ ッ トモ デ ル に お け る 強 い 制 約 に な る 。 こ れ ちは ロ ジ ッ トモ デ ル のIIA(lnde一. 一7一.
(11) pendence. of. Irrelevant. Alternatives)性. 質 と呼 ば れ 、 問 題 点 と指 摘 され る と こ. ろ で あ る 。 こ の 性 質 に 制 約 され な い 選 択 確 率 を工 夫 す る こ と が 残 さ れ た 課 題 と さ れ て い る。 こ の 制 約 に 触 れ な い モ デ ル 、 例 え ば ネ ス テ ィ ドロ ジ ッ トモ デ ル(nested logit ョodel)等 が 工 夫 さ れ る こ と に な る 。8節 の 条 件 付 き プ ロ ビ ッ トモ デ ル も そ の 例 で あ る 。 しか し条 件 付 き ロ ジ ッ トモ デ ル に つ い て 、 次 に 述 べ る よ うな 問 題 も指 摘 さ れ な けれ ば な らな い。. 7. 条件付 きロジ ットモデルの正値性. もし選択確率 が条件付 きロジ ッ トモデルに したが うな ら、(6.7)よ Zi3Q'〈◎ ◎ の時、. り、 一◎◎く. P.j>0, i=1,...,J (7.1) とな る。 すなわち開かれている選択肢は正 の確率で選ばれ る。選ばれ 得ない選択 肢はない。 もし選ばれていない選 択肢が観察 されたな ら、 それはサ ンプルサ イズ が小 さい為 であると理解 しな ければな らない。あ るいは、選択 されていない選択 肢は 当該の主体には 開かれていなか ったもの と解釈 しなければな らな い。 交通手段の問題 を例 に採 る。あ る主体 が遠 くにあ る仕事場 まで歩いて通 うこと が無 いとす る。 この 時、 ロジッ トモデルでは 自家用車、バス、電 車等の交通手段 の選択 を考 えることになる。選択 肢の集合 に徒歩は含まれな い。含んでいるな ら ロジ ットモデルは正値の確率 を与 えて しま う。 従 って徒歩で通 うこ とは主体に開 かれ た選択肢ではない と考 えざるを得 ない。 しか し徒歩で通 うのは誰 に とって も 可能な選択肢である。ただ余 りに時間が掛か る為に選択 していないのであ る。当 然 に選択不可能な選択肢であ って も、何故 その確率 がゼ ロにな るのか を説明す る こ とが必要である。 ロジッ トモデルは選ばれ うる選択肢 を所与 として、その範囲内での確率の配分 を考 える ものである。 そのため 「条件付 き」ロ ジッ トモデル と呼ばれ る。確率が 正値であ るとい う条件の もとでの確率の配分 をモデル化 した ものであ る。何故 、 正値の確 率 を取 るのか を説明す る ものではない。 い ままで存在 して いなかった新たな選択肢J+1が 利用可能 になった とす る。 そ の属性は主体iに 対 してXt川 で ある。主体iは 属性w.を 持つ。条件付 きロ ジ ットモデルで、 この主体が選択肢J+1を 選択す る確率 を予測す ると 2iJ+1GY e PiJi1. = J. 一一 一一 一 一 Zikα. Σ. e. ・一・ 一一一 一 一一一一 ZiJ+tα. (7.2). +e. k=1. 一g一.
(12) とな る。 た だ しZi川=Z(XiJ+1,. Wi)で. に 予 測 され 正 値 の 確 率 が 与 え られ る.ロ. あ る。 どん な 選 択 肢 で あ っ て も こ の よ う' ジ ッ トモ デ ル で は 新 た な 選 択 肢 が 選 択 さ. れ う る も の か ど うか は 判 断 で き な い 。 選 択 さ れ う る も の で あ る と い う 前 提 で そ の 確 率 を予 測 して し ま う。 な おMcFadden(1973)は(7.1)を. 公 理 の1つ. と し、 他 の い くつ か の 公 理 を 同. 時 に 満 た す 選 択 確 率 と して ロ ジ ッ トモ デ ル を 導 い て い る 。 も と の 特 定 化 に も ど り、 効 用 関 数 u.j =Vij + εij, を 考 え る 。Uijが 最 大 にな るのは. (7.3). ψi」k=vi厂Vik>εik一 εi=e.kj, k=1,...,J, と な る と き で あ っ た 。 各 撹 乱 項 εi1,...,EiJが. k≠j (7.4) 、 例 えば極 値 分 布 の様 に、 区間. (一◎◎,◎0)で 分 布 す る 確 率 変 数 な らば 、 eik」 も 区 間(一 ◎ ◎,◎ ◎)に 分 布 す る 。 従 っ て 、 ψUkが. 例 外 的 な 値 を と る の で な け れ ば 、(7.4)が 生 じ る 確 率 は プ ラ ス に な. る 。 即 ち 、 特 定 化(7.3)の. も と で は 選 択 確 率 は 必 ず 正 値 を と り、 厳 密 に ゼ ロ に. な る 場 合 を扱 う こ と が き な い。 ロ ジ ッ トモ デ ル は モ デ ル が 極 く小 さ い 確 率 を もた らす と い う こ と で 、 ゼ ロ の 確 率 を 近 似 的 に 処 理 す る こ と に な る 。 こ れ も従 来 の モ デル の特 徴 で あ る。 条 件 付 き ロ ジ ッ トモ デ ル に 関 し て 指 摘 さ れ る 問 題 点 は 、 ほ と ん どの 場 合 、 そ の IIA性 質 に 関 す る も の で あ る。 そ れ に 較 べ 、 こ こ で は ロ ジ ッ トモ デ ル の 正 値 性 に つ い て も 検 討 の 余 地 が あ る とい う こ と を 指 摘 して お く。 8. 条 件 付 き プ ロ ピ ッ トモ デ ル. Hausean and Wise(1978)の 工 夫 に よ る条 件 付 き プ ロ ビ ッ トモ デ ル は ロ ジ ッ 、 ト モ デ ル に お け るIIA性 質 を 解 消 し よ う とす る も の で あ る。 3つ の 選 択 肢 が あ り、 そ れ ぞ れ の 確 率 的 効 用 を u1=v1+Et, u2=v2+ε2,U3=V3+E3 で あ る と す る 。 こ こ で 、 ま た 以 下 で は 主 体 の 番 号iは E1,ε2,ε3は. 平 均(ベ. ク トル)0,共. (8.1) 省 略 され て い る 。 誤 差 項. 分 散 行 列 Ψ を 持 つ 正 規 分 布 に従 う も の. とす る。 た だ し. Ψ=擁 (8.2》. :d32 で あ る 。 第1の. 選 択 肢 の 確 率P,を. 効 用 の 差vk,=uk-u,, k=2,3,は で あ る 正 規 分 布 に 従 う。 た だ し. 求 め る。 平均. ψk1=Vk-Vtを. 一9一. 持 ち、共 分 散 行 列 が. Ω.
(13) S2=GJ::塞:3=. 2[諏. 三 頴;』. σ_司 (8.3). で あ る。 した が っ て P,ニPr{0>L/21,. 0>レ'31}. 一'yi21/Gt)2-yi =f. 3]/ω3. f. 一◎◎. B(0,p)dtds. (8.4). 一◎◎. と な る 。 こ こ でB(0,ρ)は. 平 均 ペ ク トル0,相. 規 分 布 の 密 度 関 数 で あ り、 ま た ρ=ω23/ω2ω3で. 関 係数. ρ を 持 つ 標 準2変. あ る 。 い ま は 選 択 肢1の. 量正 確率. だ け を考 え た が 、 同 じ よ うに して 他 の 選 択 肢 の 確 率 を考 え る こ と も で き る 。 条 件 付 き プ ロ ピ ッ トモ デ ル で は 、 選 択 確 率 は 上 の 積 分 の よ う に 表 さ る。 一 般 的 に は 、 選 択 確 率 は 正 値 を と る。 こ の 点 で は 条 件 つ き ロ ジ ッ トモ デ ル と 同 じで あ る 。 効 用u;の. 共 分 散 行 列 の 特 定 化 は い ろ い ろ に 考 え られ る 。 効 用 関 数 に さ か の ぼ. って. _ ._ とす る 。 こ こ で パ ラ メ タ θ と誤 差 項. ε は 確 率 的 で あ る と す る。 θ と ε は 独 の2つ の 考 え 方 の 合 成 に な っ て い る 。 θ は 平. 立 とす る。 な お 、 こ の 特 定 化 は3節 均. θ ㍉ 共 分 散 行 列 丁 を 持 つ 正 規 分 布 に 従 い 、 ε は 平 均0、. 持 つ 正 規 変 数 とす る。 こ の と きUjは. ZTZ'+Ψ を 持 つ 正 規 変 数 に な る。 た だ しZ'=[z1,... Aitchison and Bennett(1970)で 開 して い る 。 そ こ で は 、 主 体iが uij=v(choicej,. 共 分散 行 列 Ψ を. 平 均Z」 θ ●,共 分 散 行 列 (8.6) Z,1]=(KxJ)で. あ る。. も 条 件 付 き プ ロ ピ ッ トモ デ ル と同 じ形 式 を展 選 択 肢jを 選 ん だ 時 の 効 用(indicant)を. W.)+εij. =ωiθ 」+εi」 とす る。 こ こ で θjは 選 択 肢 毎 に 変 わ る非 確 率 的 パ ラ メ タ で あ る。 そ して は 共 分 散 行 列 Ψ ニd21を. もつ 正 規 変 数 と な って い る 。. 9. の 問題. ”red-bus blue-bus”. い ま通 勤 に 関 し、 選 択 肢1(自 択 確率 が. 家 用 車 〉 と 選 択 肢2(red. εu. bus)が あ り、 そ の 選. 1/2:1/2 で あ る と す る。 あ ち た に 第3(blue. bus)の 選 択 肢 が 登 場 し、 そ の 属 性 は 選 択 肢2 と ほ ぼ 同 じで あ る とす る 。 た だ 効 用 に 影 響 を 与 え な い 程 度 の 差(色 彩)が 異 な る. 一io一一.
(14) 。 これ ら3者. の 選 択 な らば 、 選 択 肢1の. 率 が 選 択 肢2と3と. 確 率 は そ の ま ま で 、 選 択 肢2の. 上の確. に 等 分 され. 1/2:1/4:1/4 と な ろ う。 実 際 に 観 察 を して み な け れ ば 解 ち な い が 、 以 上 の こ と を 正 し い も の と して お く。 条 件 付 き ロ ジ ッ ト モ デ ル で はIIA性 1/3:1/3:1/3 と 予 測 す る。 選 択 肢3が 選 択 肢1の. 確 率 は1/2か. 質 に も とず き、3者. 登 場 して も1と2の ら. 1/3へ. 選 択 につ い ての 確 率 を. 確 率 の 比 を 変 え な い た め で あ る。. と減 少 して い し ま う。. こ の 問 題 は 条 件 付 き プ ロ ピ ッ トモ デ ル で は つ ぎ の よ う に 扱 わ れ る。 選 択 肢1と 2だ け で1(自 家 用 車)が 選 択 さ れ る の は u2-u,=V2-Vt+ε2一 ε1=ψ2!+e2,<0 の 時 で あ る。 選 択 肢1,2,3の 間 で1が. (9.1> 選 択 さ れ る の は 、(9.1)及. us-u,=va'一Vt+ε ザ ε1=ψ31+eai〈0 が 成 立 す る 時 で あ る 。 た だ し、V2ニV3,ψ21ニw3](≡. び (9.2). ≡ ψ〉 で あ る。. e21,e31の 同 時 分 布 をfと し そ の 等 密 度 曲 線 が 図2に 描 か れ る 。(9.1)の 事 象 が 生 じ る確 率 は 同 時 分 布 をA1及 びA2の 領 域 で 積 分 し た も の で あ る 。 この 値 をP,と. す る 。 一 方(9.1)と(9.2)が. る 。 これ をP1●. 生 じ る確 率 はA2の. 領 域 に於 け る積 分 で あ. とす れ ば 、 一 般 的 に 、 P1>P1.と. な る。1すな わ ち 、 選 択 肢3の へ と減 少 す る 。. 場 で 、 不 変 で あ るべ き確 率P1はP1●. 登. た だ し、P1とPi'が 等 し い 場 合 が あ り る 。 そ れ はA1に 於 け る確 率 密 度 が ゼ ロ に な っ て い る場 合 で あ る 。 ま た 、A1に お け る 確 率 が 小 さ い な らば 、 P,とP1● の 差 は 小 さ く、 従 っ て 、 第 三 の 選 択 肢 が 登 場 して も選 択 肢1の しな い 。 図2.選. 択 確 率 の 積 分 領域. e31 AI. A1 一ψ. A2. A2 一 一ψ. 0 Az. A2. 一ii. 一'. e21. 確 率 は あ ま り変 化.
(15) 例 え ば 、e21とe31の. 相 関 係 数 が1で. を 通 り勾 配 が45度(以. 下)の. あ る か あ る い は1に. 直 線 上 に 退 化(集. (8.6》 の 特 定 化 の も とで 、e21とearの. 中)し. 近 く、密 度 が原 点. て い る 場 合 が そ うで あ る。. 共分散行列. Ω は. Ω=AZTZ'A'+AΨA'=RTR'+AΨA' で あ る0こ. (9.3). こで. A=[=110 101]・ た だ しZ2=Z3,. …. d2=d3(≡d》. こ こ で 、 Ψ=0と. 一]. {9.4}. で あ った。. 仮 定 す る。 即 ち 、 ε は モ デ ル に 登 場 しな い とす る 。 パ ラ メ タ. θ は 一 般 的 な 共 分 散 行 列 を も つ も の と す る 。 す る とe2iとea,の. 共分散行列は. 匪[:'Y'd'd'Y” Y'd'd'Y'::]. {9.5). とな り、 相 関 係 数 は1に な る。 従 っ て 先 に しめ し た よ う に 、P,が 変 化 しな い ケ ー ス と な る。 Ψ=0を 仮 定 しな け れ ば 、 こ の 結 論 は 近 似 的 な も の で あ る。 以 上 か ら、 条 件 付 き プ ロ ピ ッ トモ デ ル で はP,が 不 変 に 留 ま る こ とが 解 る。 従 ってIIA性 質 の 一 部 を解 決 した こ と に な る 。 た だ し第2と3の 選 択肢 の 確 率 が う ま く 説 明 され た こ と に は な らな い 、 問 題 の 設 定 か ら してred-busとblue-busは 無 差 別 の ま ま に な っ て い る為 で あ る 、 10. 順 序 付 け られ た 質 的反 応 の モ デ ル. 生 物 学 的 分 野 で はpolytoョous. probit. modelま. た はョulti. responseョodelと. よ ば れ る 質 的 選 択 の モ デ ル が よ く 用 い られ て い る 。 これ は2項 択 肢 が2つ. 分 布 に も とず き 選. あ る プ ロ ピ ッ トモ デ ル を 選 択 肢 が 複 数 個 の 場 合 を扱 う多 項 分 布 へ と拡. 張 され た 統 計 的 モ デ ル で あ る 。 こ の モ デ ル は と く に 効 用 理 論 的 基 礎 付 け を持 っ て いな い。 あ る種 の 毒 薬 を 害 虫 に 散 布 しそ の 量 をxと. す る 、 害 虫 の 反 応 が3つ. 応 の 度 合 が 順 番 に 並 べ られ る もの とす る。 た と え ばjニ1は 瀕 死 の 状 態 を 示 しj=3は. あ り、 反. 無 反 応 を示 しj=2は. 死 亡 を表 す も の とす る。. 直 接 は 観 察 さ れ な い 連 続 的 反 応 をyで. 表 し、 こ れ は 薬 の 量 の 関 数 で あ る とす. る。 y=x8+e た だ し、 反 応 は 誤 差. (10.1) ε を伴 う。 ε は 密 度 関 数f(ε)を. 一12一. もつ 分 布 に 従 う。 そ し.
(16) て 、 こ の 反 応 が あ る 臨 界 値c1,c2に で あ る 。 ま たC1<y<c2な. 対 し、 一◎◎<y<c1な. らば 反 応 は2で. ら ば 反 応(選. 択 肢)は1. あ り、 C2〈y〈◎oな ちば 反 応 は3で. あ. る。 す る と、 各 反 応 の 生 じ る確 率 は P1=F(Ct-xθ) P2=F(c2-xf3)一F(c,一x8). (10.2). P3=1-F(cz-x6) と な る 、 た だ しFは. ε の 分 布 関 数 で あ り正 規 分 布 で も他 の 分 布 で も よ い 。 こ の. 場 合 の 尤 度 関 数 は 三 項 分 布 と な る 。 上 の モ デ ル は 順 序 付 け ちれ た モ デ ル(ordered ョulti responseョodel)と (1960>が. も よ ば れAshford(1959),. 展 開 した も の で あ る 。 ま たAitchison. Gurland,. Lee and Dah皿. and Silvey(1957)で. は異な る. ア プ ロ ー チ で 順 序 付 け ら れ た モ デ ル を得 て い る 。 上 の よ うな 生 物 学 的 事 例 な らば 複 数 個 の 反 応 を順 序 付 け る 事 が で き る が 、 経 済 学 的 な 例 で は 順 序 付 け が む ず か し い こ と も あ る。 薬 の 効 き 目 の テ ス トな ら ば 、 薬 の 量 が 少 な い 時 に 生 じ る 反 応 か ら 初 め て 、 多 い 量 の 時 に 生 じ る反 応 ま で を 順 序 付 け る こ と が で き る。 要 因 と反 応 が 確 定 して い る な らば こ の モ デ ル を 用 い る こ とが で き る。 しか し計 量 経 済 分 析 で は 要 因 自 身 が 未 確 定 な こ と が 多 く、 薬 の 例 の よ う に反 応 の 順 序 付 けが 容 易 で は な い、 さ ら に 上 の モ デ ル が う ま く 適 用 され た と し て も、 臨 界 値 に 対 し ど ん な 理 由 付 け が 為 され る の か は 明 か で な い ま ま に な る。 モ デ ル の 形 式 的 特 徴 は 次 の 点 に も あ る。 簡 単 の た め に 分 布fを と 、 上 の3つ の 確 率 は. 正 規 分布 とす る. P,=Φ(c1-Xθ) P2=Φ(c2-xθ)齬 Φ(c1-xθ 》. 1. (10.3). Pa=1一 Φ(c2-xθ) とな る。 た だ し Φ は 標 準 正 規 分 布 関 数 で あ る 。 これ ら3つ の 確 率 は どん なxに 対 して も プ ラ ス の 値 を と る。3つ これ は 、 要 因xの た るcは3者. の 選 択 肢 が 選 ば れ る確 率 は 常 に プ ラ ス で あ る。. 係 数 で あ る θ が 共 通 で あ る こ と に 起 因 す る 。 た だ し切 片 項 に あ. 異 な る 。 こ の た め 積 分 限 界 で あ る 一◎◎,c1-xθ,. c2-xθ,◎ ◎ が 交. わ る こ と が な い。 こ の よ う に従 来 の 順 序 付 け られ た モ デ ル に お い て も 選 択 確 率 は どれ も正 値 を と る と い う特 徴 が あ る。1 11. 順 序 付 け られ な い 選 択 確 率 と順 序 付 け られ た 選 択 確 率. 選 択 肢 が3つ. あ り、 そ の 確 率 的 効 用 を. U1=Vt十 ε1,. u2ニV2十ε2,. と定 め る。 確 率 変 数u3-u2,. U3:=V3十ε3 u3-u1を. 考 え る と、3つ. 布 の 積 分 と して 表 さ れ る。 そ して 各 積 分 領 域 が 図3に. 一13一. の 選 択 確 率 は こ の2次 示 され る。. 元分.
(17) 図3.順. 序付 け られないモデル U3唱U2. P Ps. us-u,. 0. P2. 45・ 線. た と え ば 、 ε1,ε2,ε3が3次 元 正 規 分 布 に した が う とす れ ば 、 こ の 分 布 は2 次 元 正 規 分 布 に な る。 こ の 設 定 で 展 開 され た の が 前 節 の 条 件 付 き プ ロ ピ ッ トモ デ ル で あ っ た 。 選 択 肢 が3つ. 以 上 あ り、 図 の よ うに 積 分 領 域 が 定 め られ た モ デ ル は. 順 序 付 け られ な い モ デ ル(unorderdョu い◎. lti response皿ode. 1)と. よば れ る事 が 多. 選 択 肢 が3つ(以 上)あ っ た と して も、 ua-u2, u3-u1の 分 布 が1次 元 に 退 化 して い る こ と も あ る 。 等 密 度 曲 線 が1つ の 直 線 に な る 場 合 で あ る。 図4のa-b線 上 に 退 化 して い る 場 合 を 考 え る 。 そ して 、 各 積 分 領 域 が 図4の. よ うに 与 え られ て. お り、 順 序 付 け られ た モ デ ル に な る。 分 布 の 左 下 か ら順 にP1,P2,P3が. 位置 を占. め る こ とに な る。 ま た 、 退 化 した 分 布 を示 すa-b線 が 原 点 よ り上 方 に シ フ ト し切 片 項Aが プラ ス に な っ た な ら、 第2の 選 択 肢 の 確 率 は ゼ ロ に も な る 。 第1と3の 確 率 は プ ラス の ま ま で あ る 。 切 辺Aは. 属 性x,Wの. 関 数 と して シ フ トす る。. 第8節 ま で の 離 散 的 選 択 の モ デ ル は 、 イ)選 択 確 率 は す べ て 正 値 を と り、 ロ) 必 ず し も 順 序 付 け られ な い モ デ ル で あ った 。 しか し分 布 が 退 化 して い る場 合 の モ デ ル で は 、 上 に 示 し た よ う に イ),ロ)の. 性 質 に 制 約 され な い こ と も あ る 。 複 数. 個 の 選 択 肢 を 持 っ た 離 散 的 選 択 の モ デ ル で あ っ て も、 登 場 す る 確 率 分 布 が 退 化 し た もので あれ ば 、順 序 付 け られ た モ デル にな る こ と もあ る。 また、 選 択 確 率 が ゼ ロ にな る こ とを認 め る こ と もあ る。. 一14一.
(18) 図4. 順序付 け られたモデル ua-u2. b. P・/クO rづ 一. 一. ua-u,. /. ン. Pa. a. 45・ 線. 12. 効用最大化 と順序付け ちれたモデル. 上 の様 に選択肢が3つ あ った時、 どの よ うに して、効用最大化図式 の もとで順 序 付 け ら れ た モ デ ル が 導 か れ る か を 考 え る 。j選 ラメタ. θ に 関 しd次. 択 肢 を採 った 時、 効 用 関 数 は パ. 式、. u」二θ1zlj+θ2z2j+… +ョKZKj, と す る 。 こ こ で 変 数Zkj=Zk(Xj, で あ る 。 パ ラ メ タ の 内 の_.つ. W)は. j=1,2,3 主 体 の 属 性Wと. 、 た と え ばe,、. 体 間 の 分 布 を 表 し 、 平 均 ゼ ロ で 、 分 布 関 数fを. 選 択 肢 の 属 性Xjの. (12.1) 関数. は 確 率 的 で あ る とす る 。 こ れ は 主 持 つ もの と す る。. 3つ の 選 択 肢 が あ り変 数 は そ れ ぞ れZk 1, Zk2, Zk3, て 確 率 的 パ ラ メ タ に 掛 か る 変 数 の 大 き さが 、 便 宜 上 、. k=1,...,Kで. あ る。 そ し. Zl t>Zt2>Zt3. (12.2). と並 ん で い る も の とす る 。 簡 単 に 、j選. 択 肢 を 採 っ た 時 の 効 用 水 準 を. Uj=V」+θ1Zt. j. と 書 く 。 た だ しV」. (12.3). , j=1,2,3, は 効 用 関 数 右 辺 の 内 の 第1項. 以 外 で あ る 。 これ よ り. (12.4). V3-U1=V3-Vt+e31=w31+e31 U3-V2=V3-V2+e32=w32+e32 と な る 。 こ こ で 、 e3,=B,(Z13-Zの e32=θ1(Z13-Zt. (12.5) 2). 一15一.
(19) で あ る 。esiとe3zは. 一 次 従 属 な 確 率 変 数 で あ り、. e32=e31{(Zt 3-Zt2)/(z13-z11)} の 関 係 に あ る 。(12.2>か ら 、 こ の 式 の{}内. (12.6) り小 さ い 正 値 で あ る 。. の 係 数 は1よ. 同 様 に し てua-uaとua-u,も 一 次 従 属 で あ り 図4の 様 に 退 化 し た2次 に 従 う 。e32とe31は 原 点 を 平 均 値 と す る 分 布 を 持 つ が 、 u3-u2とU3-U1の 布 はe32とe31の. 分布 を それ ぞ れ の平 均. で あ る 。 即 ちU3-U2とU3-u,の. 分. 分 だ け シ フ ト させ た もの. 分 布 の 退 化 し た 等 密 度 線 は 点(ψ31,ψ32)を. 通 り勾 配 が(Zt3-Zt2)/(Zt3-Ztt>で こ のa-b線. ψ32,ψ31の. 元分布. あ る 直 線 、 例 え ばa-b線. 、 にな る。. の方 程 式 は. (113-U2)=・A+(u3-u,)(213-z12)/(Z13-Z11) で あ り 、 点(X31,ψ32)を 通 るか ち. (12.7>. A=ψ32一 ψ31(Zt3-Z12)/(Zt3-Zt t) と な る 。・上 の 図4か ら 解 る よ う に 、A>0な. らP2=0と. な り, A<0な. る 。 分 布fが. 切 断 さ れ て お ら ず 、 レ ン ジ(一 〇◎,∞)を. P,>0,P3>0で. あ る。 切 片 項. 体 の 属 性 の 変 化 に 伴 いAが. Aはxお. よ びWの. 符 号 を 変 え 、P2は. (12.8) あ. らP2>0で. 持 つ な ち、 い ず れ に し ろ 、 関 数 で あ る。 選 択 肢 の 属 性 、 主. ゼ ロ にな るこ と もあれ ば プ ラス に. な るこ と もあ る。 繰 り 返 す と 、(12.8)よ. り、. (V3-V2)/(x13-X12)一(Vs-Vt)/(x13-x11) の 時、 あ る いは. <0. (12.9>. y32-y21)〈0 の 時 、P2>0に な る 。 た だ し、 yij=(v」 一Vi)/(Xti-XtJ)=yji で あ る。. (12.10). i,j=1,2,3. (12.11). 以 上 の よ うに こ の モ デ ル は 順 序 付 け ら れ た モ デ ル で 、 必 ず し も全 て の 選 択 確 率 が プ ラ ス で あ る とは 限 ち な い もの で あ る 。. 13. 労 働 供 給 モ デ ル に よ る例 示. 上 の モ デ ル は 次 の 家 計 の 労 働 供 給 の 分 析 で え ち れ た もの で あ る。 保 証 所 得1を 持 つ 家 計 の 世 帯 員1名 が2つ の 雇 用 就 業 機 会 に 直 面 して い る とす る。 こ の2つ は 、 そ れ ぞ れ 、 指 定 労 働 時 間 がh1,h2、 に つ い て はh,くh2と. 賃 金 率 がWt,W2で. あ る とす る。 労 働 時 間. して 順 序 つ け られ も の とす る 。 賃 金 率 は 順 序 付 け ちれ て い な. くて よ い。 非 就 業 の 労 働 時 間 と賃 金 率 は 共 に ゼ ロ で あ る 。 世 帯 員 は2つ うち ど ち らか を選 ぶ か 、 あ る い は 非 就 業 を 採 る の か の 合 計3つ 家 計 の 効 用 は 所 得xと. 余 暇 時 間Aに. の機 会 の. の 選 択 肢 が あ る。. か ん す る2次 形 式 効 用 関 数 で. u=y,(x2/2)+γ2x+γ3xA+γ4A+γ5(A2/2) と す る。 も し非 就 業 な ら 、Tを 総 持 ち 時 間 と し て 、. 一16一. (13.1).
(20) x=1,n=T で あ るO第1あ. (13.2) る い は2の. 雇 用 機 会 を 選 ぶ な ら、 そ れ ぞれ. x=1+w,h,,n-T-h, x=1+w2h2, A=T-h2 と な る0そ メ タr4で. (13.3). して 各 家 計 の 余 暇 に 対 す る 選 好 度 に は 差 異 が あ り、 そ れ を 確 率 的 パ ラ 表 す こ と に す る。 P,は. い 就 業 機 会 、P3は. 非 就 業 の 選 択 確 率 で あ り、 P2は. 労働 時 間 の 短. 長 い 労 働 時 間 の 就 業 機 会 を選 ぶ 確 率 で あ る。. こ の 労 働 供 給 モ デ ル は 、obi(1968,小 尾(1969)の モ デ ル の 拡 張 と して 、 樋 口 (1981)に よ っ て 提 示 され た が 、 前 節 の 離 散 的 選 択 の モ デ ル の 形 に な っ て い る 。 14. ”red-bus 第12節. blue-bus”. の問題 一続 き. の モ デ ル で 先 の ”red-bus. 選 択 肢1と2に. 加 え て 第3の. blue-bus”. の 問 題 は ど う扱 わ れ る か を 考 え る 。. 選 択 肢 が 登 場 し 効 用 は(12.3)で. 与 え られ る も の. で あ る。 た だ し、 今 の 場 合 は z,2=z,s. (14.1). v2=va で あ る 。 こ の 設 定 で 、 不 変 で な け れ ば な ら な いP,を. (14.2) 計 算 して み る 。 ま ず. u3-u1=v3-V1+ea,=ψ31+e31. (14.3). U2-U1=V2-V1+e2i=ψ21+e21 とな る。 こ こで、 e31;θ1(Z13-z11> e2,=θ1(Zt2-Zt. (14.4) t). で あ る 。 し た が っ て(14.1)よ. り. e3 Fe21と. な り、. 2つ の確率変数は一次従属 である。図2のA1の 領域の確率密度はゼロである。第9節 の議論 よ り、第3の 選択肢が加わ って も、P,は 不変 にとどまるこ とが解る。 これは条件付 きプロビ ットモデルが持 って いる性質で もあった。 選択肢2と3が どのよ うに選択 され るかは不明のままである。これ は問題の 設定の仕方か ちして答 えが出ないのが 当然 であ り、その点 で も条件付 きプロビ ッ トモデル と同 じであ る。 15. 順 序 付 け られ た 離 散 的 選 択 の モ デ ル. 上 の モ デ ル を 一 般 化 す れ ば 選 択 肢 が 任 意 の 複 数 個 あ る 場 合 を 考 え る こ とに な る 。 以 下 の 分 析 が 松 野(1984),Matsuno(1988)で な され て い る 。 い ま 、J個. の 選 択 肢 の 内 、 選 択 肢jを. 採 った 時 の 効用 を. Uj=V;+θZt」 」=・1,...,J とす る。 各 主体 間 の 効 用 の差 は 確 率 変 数 らす 効 用 の 分 布 は θzljで. (15.1) 主 体 に もた. θ で 表 さ れ る。 選 択 肢jが. 表 さ れ る。 そ してJ個. 一17一. の 選 択 肢 は 変 数z1に. 関 し便.
(21) 宜 的 に 順 序 付 け られ て z11>Zs2> .・. >zl」 で あ る と す る 。 即 ち 、Ztの. 大 き さ の 順 で 第1か. る 。 ま た θ は レ ン ジ(r,R)を (12.11)に. 従 っ て 各yijが. も つ 分 布fに. ら第J選. (15.2) 択 肢 まで が並 ん で い. 従 う確 率 変 数 で あ る とす る。. 定 義 され る 。 各 選 択 確 率Pjに. 関 し次 の 命 題 が 成 立. す る。 まず 、 個 々の 選 択 肢 が プ ラ ス の 選 択 確 率 を もつ 必 要 十 分 条 件 は 、P,に R>yk 1, で あ る 。Pj, j=2,...,J-1,に. つ いて. k=2.,,,.J つ いて は. (15.3). yji>r. i=1,...,j-1. y」i>yki>yk」. k=j+1,...,J. (15.4>. R>yk」 で あ る 。 ま たP」. につ いて は. yJi>r. i=1,...J-1. で あ る。. (15.5). さ ら に 、(12.10)を. 一 般 化 した 条 件. R>y21>y32>...yJJ_1>r (15.6> が 成 り立 て ば 、 そ して そ の と き だ け 、 」 個 す べ て の 選 択 確 率 は プ ラ ス`ζな る 。 こ の 条 件 が 満 た さ れ な い と き に は 選 択 確 率 が ゼ ロ に な る もの が あ る 。yijはvの 関 数 で あ り、 vは 選 択 肢 の 属 性 、 主 体 の 属 性 の 関 数 で あ る。 従 って 、 選 択 確 率 が ゼ ロ で あ る もの も、 与 件 の 変 化 に よ りプ ラ ス に な り う る 。 そ し て 条 件(15.6)の. も と で 選 択 確 率 は 順 序 つ け られ る 。 即 ち 、Fを. θ の分. 布 関 数 と して 、 各 選 択 確 率 は つ ぎ の よ うに 書 け る。 P1. =1.0-F(y21). Pj. =F(yjj-1>一F(y」 ◎1j). PJ. =F(yJ J-1>. j=2,...,J-1. (15.7). 従 っ て 効 用 最 大 化 図 式 か ち第10節 で の べ た 順 序 付 け られ た モ デ ル が 導 か れ た こ と にな る。 こ の モ デ ル は 主 体 に 開 か れ た 選 択 肢 の 内 、(15.3),(15.4),(15.5)あ. るい は. (15.6)に 従 い 、 どの 選 択 確 率 が 正 に な る か を 判 定 す る こ と が で き る。 あ る 選 択 肢 が 選 択 さ れ て い な い 時 は 、 効 用 水 準 が 低 い と い う理 由 で 選 択 され て な い と判 断 す る こ と に な る 。 こ の 点 で 上 述 の 条 件 付 き ロ ジ ッ トモ デ ル と異 な る も の で あ る 。 条 件 付 き ロ ジ ッ トモ デ ル で は 、 も と も と主 体 に 対 し開 か れ て い な か った と い う理 由 で 選 択 さ れ な か っ た と理 解 す る こ と に な る 。. 一18一.
(22) 16. 多 変 量 モ デル. 前 節 の モ デ ル は1つ の 確 率 的 パ ラ メ タ θ に よ っ て 、 離 散 的 変 数 δ がJ個 の 値 の 内 ど の 値 を と る の か を 説 明 す る もの で あ っ た 。 次 に2つ の 離 散 的 変 数 を考 え る。 離 散 的 変数. δ1が 値1,_,Jの. れ か を と る ケwズ. を 考 え る。2つ. どれ か を と り,δ2が1,...,Kの の 確 率 的 パ ラ メ タ81、82. うち ど. を含 む効 用 関 数. ujk=Vjk+θtZIjk+θ2Z2」k j=1,..., J, kニ1,..., K (16.1) を考 え る こ と に な る 。2つ の 離 散 的 変 数 の 選 択 に 関 す る モ デ ル で あ る。 一 方 の 選 択 に はJ個 j-k選. の 選 択 肢 が あ り、 他 方 の 選 択 に はK個. 択 肢 を 採 っ た 時 の 効 用 が(16.1)で. の選 択 肢 が あ る と して い る。. 与 え ら れ る と し て い る。. 例 え ば 、2人 の 労 働 供 給 者 を持 つ 家 計 を 考 え 、2人 が 雇 用 就 業 す る か しな い か の 行 動 を 問 題 と す る 。 第1の 者 の 選 択 が δ1で あ らわ され 、 第2の 者 の 選 択 が δ2で 表 さ れ る 。 そ し てJ+2で u=γ1x. あ る 。 効 用 関 数 を2次 形 式. +rig(x2/2)+γ12xA1. +γ2A1. +γ13xA2. +γ22(A12/2>+γ23AIA2. +γ3A2 と し、 パ ラ メ タ γ2、 γ3が あ り、n,とA2は. (16.2>. +γ33(n22/2) 同 時 分 布 に 従 う確 率 変 数 で あ る。 ま たxは. 総所得で. 、 そ れ ぞ れ 、 第 一 、 二 供 給 者 の 余 暇 時 間 と す る。 第 一 、 二 供. 給 者 に 開 か れ た 労 働 時 間 、 賃 金 率 を 、 そ れ ぞ れ 、(h1,W1),(h2, W2)と す る。 こ の と き2名 の 就 業 に 関 して4つ の 選 択 肢 が あ る 。 例 え ば 、 第 一 供 給 者 だ け が 就 業 す る と い う選 択 をす る な らば 、 各 変 数 は x=1+軌h1, A1=T-h1, A2=T と な る 。 こ の モ デ ル の 性 質 は 松 野(1988)で 図5. (16.3) 扱 われ て い る。. 多 変 量離 散 的 選 択 r3. 一 一 一 一. P22P,2一 一. P,,P2,;. r2. 0. 撰 一19一.
(23) 4つ. の 選択 確 率 の 積 分 領域 は パ ラ メ タ. τ. τ ニγ1tWIW2一 γ12w2-713W1+γ23 の 値 に 依 存 す る 。 τ が マ イ ナ ス の 時 、 図5の P11は2名. 非 就 業,. P,2は. 第1供. 給 者 だ け 就 業,. は 両 名 就 業 す る 確 率 で あ る。 も し (1970)に. (16.4) よ う に 積 分 領 域 が 示 され る 。 た だ し P2,は. 第2供. 給 者 だ け 就 業 , P2z. τ の 値 が ゼ ロ な ら ば 、Ashford. and. よ る 多 変 量 質 的 反 応 モ デ ル と 同 じ モ デ ル に な る 。J=K=2の. 確 率 が ゼ ロ に な る こ と は な い 。J,K>3の. Sowden. 設定では選択. 場 合 に は ゼ ロ に な る 可 能 性 が あ りそ うで. あ る が 、 モ デ ル の 解 析 自 体 が 複 雑 で あ る。 以 上 の 二 変 量 モ デ ル を 一 般 化 す れ ばM個 の 離 散 的 変 数 δ1,_,δ 凹 に関 す る モ デ ル を 考 え る こ と に な る 。 例 え ば 家 計 構 成 員M名 の 就 業行 動 が例 で あ る。 こ こ でm番. 目 の 変 数CS. mはJ。. 個 の 離 散 的 値 の 一 つ を と る と い う もの で あ る 。 す な. わ ち 、 皿 番 目 の 構 成 員 はJ.個 変 数 がj。. の 就 業 機 会 か ち__.,つ を 選 択 す る 。 第m番. 目の離 散. 番 目 の 選 択 肢 を 採 る と い う もの で あ れ ば 、 上 と 同 じ よ うな 記 号 法 で 、. 効用 関数 は U(j1,...,. jM>=V(jt,...,. とな る。 こ こ で て 変 数Z、 Zm(jl. jM>+θ1Zt(j1,...,j鱈)+...+θMzM(j1尸..,j鬥. j1=1,..., J,, ... , jM・=1,..., JM, (16.5) 元 分 布 に 従 う確 率 的 パ ラ メ タ で あ る。 そ し. θ1,_,BMはM次. た と え ば 第m番 l. 〉,. 目の 構 成 員 の 余 暇 時 間 、 に つ い て は. jr噌)>Zm(j1. 2. j回)〉...>Zm(jl. j. jM),. m=1,...,M (16.6) と順 序 が 付 い て い る もの とす る 。 こ の 一 般 的 多 変 量 離 散 的 選 択 の モ デ ル の 解 を 見 いだす の は一 層 複雑 な残 され た 問 題 で あ る。. 17. 結語. 離散的選択のモデル、質的反応 のモデル に関する種 々の議論 を整理 して きた。 また従来取 り上げ ちれていなか った問題 の2つ を特に指摘 した。第1に 、条件付 きロジ ットモデルのIIA性 質 を解消す るため種 々のモデルが試み られ たが 、 いず れ も選択確率が正値性 をもつ とい う別 の制約が課せ られ る。 第2に 、順序付け ら れた多反応モデル と順序付け ちれな いモデル はそれほ ど異 質な ものではない とい うこ とを示 した。加 えて、効用最大化図式か ら順序付 けられたモデルが導かれ る ことを示 した。 条件付 きロジ ット、プロビ ットモデルの特徴は、選択確率 が常に正 である とい う点にあ る。 これは公理 として も用 いちれ ている。 この性 質の由来は効用の分布 の設定の仕方にあ る。 これ らのモデルでは確率的効用 が選択肢の個数 と同 じ次元 の確率分布 に したが うとい う特定化 を採用 している。 この意味で非常に一般的な ものである。 しか しこの一般性 の為にIIA性 ことになる。. 一20一. 質 あるいは正値性 とい う性質 をもつ.
(24) 一方の モデルでは離散的変数の個数 と同 じ次元の確率変数が導入 され る。2つ の離散的変数があれ ば2個 の確率 的パ ラメ タが用 いられ る。 これ らのモデル では その点で一般性 を指 向 して いないが、選択確率は必ず しも正値を とるとは限 らな い。 どんな条件の もとで正値 にな るのか を叙述で きるモデル にな る。. 参 考 文 献 Aitchison,. J.. maximum. J.. lysis. to. ya,. A.. the. S.. of. Basil. multiple. Berkson,. in. biological. J.. R.. and. Journal. Cambr. i dge.. Garland,. J.,. ponse. in. Hausman,. the. J,. R.. Sowden. American. 1.. biological. geneous. nomic. {1973). D.,. Structural. D.,. of. . Journal. data. vo1.15,. to. logistic. A.. P.. the. for. of. semiquantal. pp573-581, probit. analysis. Cambridge. Dahm,. A. decisions. function. Association,. to. vo1.39,. ,. Press. Polychotomous. vo1.16,. res-. pp382-398. probit. recognizing. interdependent. vo1.46,. ,. ,. quantal. conditional. ica,. bioassay pp357-365.. Unversity. (1960). Biometrics,. {1978). Econometr. no.2,. model. for. qualitahetero-. pp403-426.. Soc. 、pp52-79.. Conditional. Frontiers. Mc:Fadden,. pp131-140.. 子 の 短 時 間 お よ び 普 通 雇 用 機 会 へ の 供 給 確 率 決 定 図 式 と そ の. in. Press,. and. l ysis. Multivariate. and. Discrete. D.,. Mc:Fadden,. ana. Biometrics,. analysis,. 計 測 、 三 田 商 学 研 究 、 第24巻. Academic. the. Statistical. Wise,. preferences,. analysis,. ana-. 9 ,. {1970). Probit. assay,. D.. 樋 口 美 雄(1981)女. McFadden,. vo1.44,. A survey. Chapt. to. assay,. Application. 1,ee,. choice:. Biometrika,. probit. pp535-546.. (1947}. .J. and. of. pp1783-1536.. approach. R.. (1944). of D.. by. pp253-262.. models:. Econoョetrics,. An. vo1.26,. J.,. response. Oxford.. R.,(1959). Biometrics,. quantal. generalization. responses,. vo1.19,. J.. responses Ashford,. no.2, The. response. Advanced. Blackwell,. Ashford,. Polychotomous. (1957). Qualitative. (1985). (1970) vo1.57,. Silver,. Literature, T.. Finney,. D.. case. (1981). Economic. Bennett,. Biometrika,. and. T.. A鸚e皿iya,. tive. J.. indicant,. Aitchison,. Amemi. and. logit. Econometrics,. analysis. of. PP105-142,. qualitative edted. by. choice P.. Zarembka,. N.Y.. (1976. Quantal. ial. Measurement,. (1981} Analysis. choice. Econometric of. Discrete. analysis:. vol.5,. , Annals. of. Eco-. pp363-390.. models. of. Data. with. 一21一. A survey. probabilistic Economic. choice Applications,. , edited.
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