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"Saikōsai minso jirei kenkyū hyakunana" kabushiki gaisha ni taishi sono seiri kaishimae ni futan shita teishi jōkentsuki saimu no jōken ga seiri kaishigo ni jōju shita toki to shōhō yonhyakusanjō ikkō, hasanhō hyakuyonjō (Shōwa yonjūnananen shichigatsu jū

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Academic year: 2021

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(1)Title. Sub Title Author. Publisher Publication year Jtitle Abstract Notes Genre URL. Powered by TCPDF (www.tcpdf.org). 〔最高裁民訴事例研究一〇七〕株式会社に対しその整理開始前に負 担した停止条件つき債務の条件が整理開始後に成就したときと商法 四〇三条一項、破産法一〇四条 (昭和四七年七月一三日第一小法廷判決) 宗田, 親彦(Sōda, Chikahiko) 石渡, 哲(Ishiwata, Satoshi) 民事訴訟法研究会(Minji soshōhō kenkyūkai) 慶應義塾大学法学研究会 1973 法學研究 : 法律・政治・社会 (Journal of law, politics, and sociology). Vol.46, No.9 (1973. 9) ,p.126- 138 判例研究 Journal Article http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koar a_id=AN00224504-19730915-0126.

(2) 判. 例. 研. 究. ︹最高裁 民 訴 事 例 研 究. 昭四七7︵撮號嘱藻輩承購︶. 一〇七︺. 株式会社に対しその整理開始前に負担した停止条件つき債務の条 件が整理開始後に成就したときと商法四〇三条一項、破産法[○. 一二六. ︵一コニ八︶. 剰余金返還請求事件︵昭和四七年七月一三日第一小法廷判決︶. 四条. X会社︵原告・控訴人・被上告人︶は、昭和三九年二月二六日Y会社. ︵被告・被控訴人・上告人︶から金二〇〇万円を、弁済期同年七旦三.

(3) 日、遅延損害金日歩金五銭として借用するについて、以下の如き譲渡担. 帯工具、器具︶を譲渡担保としてYに所有権を移転し、XがYのため代. 保契約を締結した.すなわち、本件物件︵カーペットニ重織機一台と附 理占有し、Xが債務の履行を遅滞したとぎは、Yは本件物件を処分し、. 剰余金があつたとぎは.その金額をXに支払う、という譲渡担保契約で. 処分代金から処分の費用を控除して、債務の弁済に充当して、右充当後. で.YはXから本件物件の引渡しを受けて、昭和四〇年八月一五日これ. あつた.しかしXは弁済期に内金一〇五万円を支払つたのみであつたの. の権利を有せず、整理開始後の会社財産あるいは破産財団所風の財産を. ではないから、Yの本件約束手形債権は一般債権者と平等に扱われるべ. あらたに購入するのも同然である、本件譲渡担保はいわゆる根担保契約. い、などと主張した.これに対して.Yは、本件剰余金債務は本件譲渡. く、他の一般債権者に優先して弁済を受ける結果になる相殺は許されな. 担保契約の締結の時に剰余金が出ることを停止条件として発生した当初. 負担したものではない。商法四〇三条一項により準用される破産法一〇. の契約上の債務であつて、会社整理手続の開始決定後にあらたに債務を. 金返還債務は当初の契約上の債務であつてそれに該当しないとする。. 場合に相殺を禁止する趣旨であり︵大判昭和九・一・二六︶、本件剰余. 第一審は相殺を有効としてXの請求を棄却した。控訴審は、本件相殺は. 四条一号は、破産宣告の前後を問わず相殺適状がことさらに作出された. ころで、Xは昭和三九年一一月ごろ経営状態が悪化して一般に支払を停. を二四〇万円で換価処分し、清算の結果工四万九五〇〇円の剰余金返. 止し、昭四〇年七月七日大阪地裁において会社整理開始決定を受けた.. は、本上告審判決と同旨であり、その説示も殆んどそのまま本判決で踏. 許されないとして、原判決を取り消してXの請求を認容した。その理由. 還債務を生じた.そこで、Xはその返還を請求して本訴を提起した。と. これに対してYはXに対し確定判決のある約束手形債権︵最終弁済期同. の根拠を当事者間の契約にかからせることを排斥するものでなく、処分. ﹁民法上の不当利得に関する一般規定は.弁済充当後の剰余金返還債務. 襲されている.. 年三月五日︶および他の約束手形債権︵満期昭和三九年二月三〇日︶ 合計約二二〇万円を有し、昭和四〇年八月一六日、この手形金債権を自. 意思表示をしたので、剰余金返還債務は消滅したと、抗弁した.Xは、. 働債権とし上記剰余金返還債務を受働債権として対当額で相殺する旨の. ないとぎは、債権者が目的物たる担保物件を換価処分し、その代金から. 清算型の譲渡担保契約において、債務者が履行期に貸金債務の履行をし. 優先的に弁済を受け.なお剰余金があればこれを担保権者に返還する旨. 剰余金返還債務は会社整理開始決定の後に生じたものであるから.商法. 張した.. 四〇三条一項、破産法一〇四条一号により相殺は効力を有しない、と主. 容とする法律行為が成立するが、その効力は制約をうけて停止条件の成. 約定されたような場合には、その契約の締結により停止条件付権利を内. のであつて、条件成就の効力は原則として遡及しないから、右貸金債権. 否未定の間は確定的には発生せず、条件の成就により確定的に発生する. 殺の効力が問題僑、あつた.この点について、Xは、Yの剰余金返還債務. は物件が一個物であるため便宜上担保権者によつて処分されたため生じ. 本件では、上述の事実関係については当事者問に争がなく、もつばら相. たもので、不当利得の法理によりYが本件物件を換価処分した時に発生. 二一七. ︵一一三九︶. するのであり、このような場合には法律上の原因のない場合に関する不 究. 者はその剰余金が生じたときにはじめて契約によつて剰余金債務を負担. 研. したものである、本件物件の金価値のうち譲渡担保権の被担保債権およ. 例. び遅延損害金に相当する部分を越える残余の部分については、Yは何ら 判.

(4) 例. 研. 究. 一二八. ︵工四〇︶. り、債務負担の原因となる停止条件付債務を内容とする契約︵本件では. 判. 当利得の一般規定は適用の余地がなく、剰余金債権者は契約にもとづい. は禁ずべきでない。﹂と主張する。. 上告審は以下の如く述べる。すなわち、株式会社の整理については、商. 当初の譲渡担保契約︶が整理開始前に締結したものであるときは、相殺. 法四〇三条一項により破産法一〇四条一号が準用されて、会社の整理開. て剰余金の返還を請求することができると解すべきである。ところで、. 条一号によれば、会社の整理開始前の原因にもとづく会社に対する債権. 始前の原因に基づき会社に対し債権を取得した債権者は、会社の整理開. 会社の整理について商法四〇三条一項によつて準用される破産法一〇四. 権をもつて相殺することができないが、その法意は破産の場合と同様、. 権と相殺することはできないとされているのであるが、その法意は、破. 始ののち会社に対して債務を負担しても、その債権をもつて会社の右債. 者は、会社の整理開始の後会社に対して債務を負担したときは、その債. 会社の整理においても会社の債権者が会社に対しその危機時に債務を負. 産の場合におけると同様会社整理の場合においても、会社の債権者が会. 担し、これと自己の有する債権とを相殺することにより、会社の債権者 問における平等的比例弁済の原則に反する結果をもたらす弊害を防止し. 権とを相殺することにより会社の債権者間における平等的比例弁済の原. 社に対しその整理開始後に債務を負担した場合、これと自己の有する債. 則に反するような結果をもたらす弊害を防止しようとするにあると解さ. ようとするものであるから、このような法意から考えると、その場合の. 時期のどうかに関係なく、債務負担の時期が整理開始後である場合を意. たときとは、その負担の原因または原因発生時期のいかんに関係がな. れる。このような法意から考えると、右にいう整理開始後債務を負担し. 整理開始後債務を負担したとぎとは、その負担の原因または原因の発生. 合であつても、整理開始後に債務を負担したものであるときは相殺が禁. 味し、たとえ停止条件付債務を内容とする契約が整理開始前に締結され. く、債務を現実に負担するにいたつた時期が整理開始後である場合を意. 味し、たとえ条件付債務を内容とする契約が整理開始前に締結された場. 止されるものと解すべきである。かように解することは、破産法一〇四. できず、条件が成就することによつてはじめて債務を負担するにいたる. た場合であつても該契約締結によつて債務を負担したものということは. 条二号には負担の原因またはその原因の発生時期による区別を設けて、. 相殺の制限を除外する場合を但書規定に明示しているのに対し、同条一. ものというべきであつて、整理開始後に条件が成就したときは、そのと. る。このことは、昭和四二年法律第八八号によつて追加された破産法一. ぎに債務を負担したものとして相殺は禁止されるものと解すべきであ. う.﹂. 号にはこのような明文を設けていないことからも類推することができよ. 上告理由は、﹁原判決は本件剰余金返還債務の発生時期についての解釈. よる区別を設け、相殺の制限を除外する場合を明示しているのに対し、. 〇四条二号但書において、債務負担の原因またはその原因の発生時期に. を誤つており、上告人は当初の譲渡担保契約の時点でこれを負担してい. る、と論じ、第二点では、破産法一〇四条一号の趣旨は、ことさらに相. である。. 同条一号にはこのような規定がなされていないことからも理解できるの. 殺適状を作り出して破産債権者間の平等的比例弁済の原則に反する結果 を生ぜしめる弊害を防止するにあり、同条の﹁会社の整理開始の後債務. 本件についてこれをみるに、昭和三九年二月二六日上告人と被上告人と. を負担したとき﹂とは、破産債権者が破産管財人との法律行為により破. 産財団に対して支払うべき債務をあらたに負担した場合をいうものであ.

(5) の間で、上告人の被上告人に対する貸金債権担保のため被上告人所有の. 算剰余金の返還債権を受働債権とし、整理会社に対して有する別口. 型の譲渡担保権を有した者が、整理開始後に目的物件を換価し、清. 二. る。. 本判決は、債務者について整理手続が開始した場合に、譲渡担. の点に関する最高裁および下級審を通じて初の判例として意義があ. の債権を自働債権としてする相殺の許否に関するものであつて、こ. 本件物件につぎ譲渡担保契約をし、被上告人が右債務の履行を遅滞した ときは、上告人が、本件物件を換価処分してその代金から優先的に右債 の合意がなされたが、被上告人において、履行期である同年七旦一二日. 務の弁済に充当し、剰余金が生じたとぎはこれを被上告人に返還する旨 に右債務の履行を遅滞し、よつて、上告人が本件物件の引渡を受け、昭. 保が被担保債権の満足の目的以上に根担保的に働き、被担保債権額. ことを認めなかつたものである.これは譲渡担保に関する最近の最. を超過する担保力︵担保価値︶を他の債権の満足︵相殺︶に使用する. 在剰余金一一四万九五〇〇円の返還債務が発生したものであるところ、. 和四〇年八月一五日右約定による換価処分をして清算した結果、同日現. 務の経営状態が悪化したため一般に支払を停止し、昭和四〇年七月七日. 本件のポイソトは、第一審判決ならびに上告理由が処分清算型. 殺は商法四〇三条一項が準用する破産法一〇四条一号に抵触するも. 成立しているものであり、したがつてこれを受働債権とするYの相. ときに当該担保物の処分による剰余金の発生を停止条件として既に. 譲渡担保の剰余金返還債務は会社整理開始前の譲渡担保契約締結の. 三. いとする方向と一致し、その一例といえる。. 高裁判例が、その担保的機能に着眼してこれを超える効果を認めな. 被上告人は、昭和三九年コ月ごろその営む毛織物類の製造販売等の業. 大阪地方裁判所において会社整理開始決定を受けたが、上告人は、同年 八月工ハ日ごろその主張の本件手形金債権︵最終弁済期同年三月五日︶. をしたものである。これによれば、右剰余金返還債務は、貸金債務の不. を自働債権とし、右剰余金債務を受働債権として相殺する旨の意思表示. 履行に基づく本件物件の換価処分清算による剰余金の発生を停止条件と. たけれども、右条件の成否確定前には剰余金返還債務はいまだ発生せ. する契約に基因するものであり、右契約は会社整理開始決定前に成立し ず、整理開始決定後に条件が成就したときはじめて上告人は被上告人に. のではなく相殺は許されるとするのに対し、第二審判決ならびに上. 研. 究. 一二九. ︵一一四一︶. から商法四〇三条一項、破産法一〇四条一号に該当し、それを受働. り、したがつて本件では整理開始決定後に条件が成就したのである. するものとはいえず、条件成就により確定的に発生するものであ. はあるが、しかし、それは条件成就または不成就の確定前には存在. 分により生ずる剰余金の発生を停止条件となす契約に基づくもので. 告審判決は、右剰余金債務は会社整理開始前に成立した担保物の処. 対し右剰余金返還債務を負担するにいたつたものというべきであり、前 記条項にいわゆる債権者が会社の整理開始後債務を負担したときに該当 するものであつて、上告人の右相殺は許されないとした原審の事実の確. 定判断は、本件記録および原判決挙示の証拠関係に照らし正当として是 認することがでぎる。﹂. 例. 本件は.整理会社の財産に対して、整理手続開始前に処分清算. 判旨の結論に賛成する.しかし判決理由には満足できない。. 一 判.

(6) 判. 例. 研. 究. 一三〇. ︵一一四二︶. 条件の成就による相殺を担保するため弁済額の供託を請求できる。. にある。. 破産法一〇一条により相殺額につぎ担保の提供または寄託すること. また解除条件つぎの場合には条件成就による債権の消滅を予定して. 債権とする相殺は許されないとするが、この対立をどう解決するか 四 右の対立を解決する基準は以下の点にあるといえよう。すなわ ち相殺権は担保権であるが、しかしそれが担保権とみられるのは、. させるよう配慮しているとみられるが、その相殺による清算は、条. を要する。これらの規定からは.相殺の担保的機能をできるだけ果. 殺は、右の正当な期待を有する相殺であるか否かである.他方整理. 口の手形債権を自働債権とし、剰余金返還債務を受働債権とする相. の場合には相殺は許されないことになるのであり、本件のYする別. な期待のない場合にまで相殺権を担保権とみることは許されず、そ. 殺も停止条件にかかるとの理由で、破産債権者はまず当の債権を破. る破産債権者の債務が停止条件つきであるときは、破産債権者の相. ついては規定がない。これについての見解は、あるいは受働債権た. ついては破産法九九条から相殺可能となる.しかし、相殺の時期に. つぎに債権者の受働債権が停止条件つきの場合であるが、これに. 件成就の時点にまで延ばしていると考えられる.. 手続における債権者間の公平、すなわち整理手続における重要な目. を保護する必要があるためである.すなわち相殺できるという正当. 相殺することができるという正当な期待が当事者に存し、この期待. 的である債権者平等の保障をいかなる程度において果すべきかとい. 一一〇頁、鼠Φ鴨雫富馨糟国ρoo壁栖㎝総︾ロ芦目、蜜Φ嘗器一−犀仁げp凶ρ刈. ︵加藤・破産法講義二三一頁、同・破産法要論二二五頁、井上・破産法綱要. 債権者平等の限界の問題であつて、これらの調和の問題であるとい. 即鼻伽罐トロ冒∋︶、あるいは破産債権者は受働債権の停止条件不成. 産債権として行使し、その後条件成就したときに相殺できるとし. える.しかも、本件では整理手続における相殺であり破産における. 〇〇頁、兼子・強制執行法破産法五一頁、中田・破産法和議法︵法律学全集. 就の機会を放棄し、ただちに相殺できるとする︵菊井・破産法概要一. ろ問題がある.つまりこの両者は、担保権としての相殺権の限界と. 相殺ではない点と、譲渡担保権者のする相殺であることの二点にお. 殺したが、その後条件不成就が確定した場合には、相殺をなした破. ;二頁等︶.これについては、後説であると停止条件つぎ受働債権. いて、後に述べるように政策的見地からする相殺の可否の問題とL. 産債権者の不利益に帰するのであるが、これは債権者が自らの判断. について条件が成就したとして︵条件不成就のチャンスを放棄して︶相. で自ら不利益を招くのでありこの結果を甘受すべきであるが、逆に. て考慮され結論が出されるべきである.. たはこれに対する相殺については、以下のようになる。まず自働債. があるが、本件と同様の債権者がなす停止条件つき債権でする、ま. 停止条件が後に成就したとすると相殺債権者のみが優先的に弁済を. 五 破産の場合における相殺については、破産法九八条以下に規定. 産法九九条によつては直ちに相殺は認められないが、その後の停止. 権が停止条件つきである場合の破産債権者のする相殺については破.

(7) れを期限つき債権についてみれば、期限は将来において到来するこ. の公平が破られる.それゆえ相殺の時期については前説がよい。こ. 受けたことになり他の債権者の不利益に帰することになり債権者間. 解される。. 適状を生じた場合も民法の一般原則により許されることに基づくと. 他の債権消滅行為まで禁止されないし、相殺も、整理開始後に相殺. は禁止される︵商法三八三条二項︶が、整理開始前の債権の弁済その. の場合には破産法九九条が存して停止条件つき受働債権でも相殺に. 条一号に触れず相殺できることを意味するが、それはあくまで破産. は、その条件成就が破産宣告後であつてもその相殺は破産法一〇四. は許されるが、相殺の時期は条件が成就した時点であるというの. 前述の如く、債権者が停止条件つき受働債権を相殺に供すること. とは確実であるのに、条件つき債権では条件は成就するか否か不明 なのであるから九九条により相殺できるとしてもその時期は期限つ. き債権の場合はただちに期限の利益を放棄して相殺できるが、条件 つきの場合は条件が成就してから相殺できることになる.これは期 限つき債権の担保力︵相殺への期待︶と条件つき債権の担保力には差. 供しうることを破産法が認めているからなのであり、ただ相殺の時. 異があり、後者は前者に劣るとみられるためと解される.つまり本 件が破産であつた場合には破産法九九条があるから破産の場合には. 期はそれが宣告後であつても条件成就のときに許されるというにと. い︶.そのため本件のごとぎ場合には宣告時にその額が未確定である. とを要するという要件を緩和しているが受働債権については緩和されていな. の成立は、準用される破産法一〇四条一号のいうその後の債務負担. とはできない.すなわち、停止条件つき受働債権の整理開始決定前. 九九条は準用されないのであるから、破産の場合のように決するこ. 翻つて、本件のごとき会社整理の場合には右にみたように破産法. るとして禁止されることはない。. であるというにとどまり、宣告後する相殺が宣告後の債務負担であ. 存するために宣告後相殺できるが、その時期が宣告後ただちに可能. ためなのである.このことは右の後説であつても、破産法九九条が. 破産法九九条で条件つき受働債権も相殺に供しうると規定している. どまり、債務の負担自体が宣告前にあつたからではないのであり、. 停止条件つき受働債権を相殺に供することができるが、相殺の時期 は条件 が 成 就 し た と き に 許 さ れ る こ と に な る 。. なお、後説のように解した場合には、破産の場合に、ただちに相 を受働債権とするときは、受働債権は破産法九九条においては金銭. 殺できるのであるが、本件のごとぎ譲渡担保の清算剰余金返還債務. 債権であり、かつその額も確定していなければならない︵自働債権. ため、ただちに相殺はできないことになる。. にっいては破産債権の現在化、金銭化に対応して宣告時に相殺適状にあるこ. 六 会社整理の場合には、商法四〇三条一項は破産法一〇四条を準 用するのみで、破産法九九条および相殺権の拡張の規定は準用して. こともできる.つまり前記四で述べたように政策により決すること. ︵一一四三︶. とみることも可能であるし、整理開始決定以前の債務負担と解する. コ三. いない.これは、会社整理では、整理開始命令によつて強制的満足 判 例 研 究.

(8) になる.それはe担保権としての相殺権の保障の程度︵これは裏を. 二号但書における債務負担の原因またはその原因の発生時期にょる. 決の判決理由が、平等的比例弁済をするべきこと、破産法一〇四条. 判決が、本件の相殺を否定した結論には賛成する.しかし、本件判. ︵一一四四︶. かえせば債権者平等の保障の問題となる︶と、⇔整理手続における相殺. 区別を設けているのに一号にはこのような規定はないことだけから. 一三二. であつて破産におけるそれではないこと、および白譲渡担保権者が. 結論を導いたことには前述したところから明らかなように満足する. 例 研 究. 清算した残額返還債務を受働債権とする相殺であることの検討の結. 判. 果導かれるところが結論となる。すなわち、eについては、停止. ことはできない。. 批評は脱稿後接した.. ︵昭四八・六・二九稿︶. 親彦. さないことの確認を請求して、本件訴を提起した。さらにXは予備的請. そこでXは主位的請求として、Xの意匠がYの登録意匠の権利範囲に属. て紛争が生じていた︵ただしYは差止請求の訴等を提起してはいない︶。. 製造販売の中止を求め、これを理由なしとして拒絶するXとの間におい. に対し数次にわたり、Xの意匠が自己の登録意匠の範囲に属するとして. 本件別紙第一目録表示の意匠の紹繰用舞輪を製造販売していた。YはX. 理されて、登録もなされた.一方、X会社︵原告・控訴人・上告人︶は. 用舞輪︶を創作したとして、特許庁に意匠登録出願をなし、右出願は受. Y︵被告・被控訴人・被上告人︶は本件別紙第二目録表示の意匠︵紹繰. 意匠権不侵害等確認請求事件︵昭和四七・七・二〇第一小法廷判決︶. 登録意匠についてのいわゆる権利範囲確認の訴の適否. 昭四七8︵撮驕嘱諜一一蘇甦︶. 宗田. ︵判例時報七〇三号︵判例評論一七三号︶一四四頁︶がある。桜井教授の. 頁︶、霜島教授の批評︵判例タイムズニ八九号九五頁︶、桜井教授の批評. なお本判決には、山木戸教授の批評︵民商法雑誌六八巻二号二八九. 条件つき受働債権を相殺しようとする債権者には、一応相殺でぎる. という期待は存するといえる.この意味で担保力を有することは否 定できない。しかし期待の程度において相殺適状にあるものに劣る. ことはもとより期限つき債権にも後れること五でみたとおりであ. て、債務の免除、期限の猶予等を得てする権利の変更により会社の. る。口会社整理は、裁判所の監督のもとに、債権者全員の同意をえ. 債務を整理し、また会社内部の改革により経営を改善して企業の維 持再建をはかり破産的清算を防止することを目的とする︵注釈会社 法㈹の−二二頁以下︶のであり、債権者への平等・比例弁済のみが. その要請ではないので破産におけるとは別に解決の基準を求めう る,かかるときには本件のきめ手となる基準は㊧となろう。すなわ. ち、譲渡担保権は担保権であり、その保障の範囲は被担保債権の範 囲等に限定すべきであること二に述べたとおりである。本件では譲. 渡担保権者が譲渡担保としての担保力の範囲を超えた金員︵清算残 額︶を返還するに際し、別口の債権を有していてこれへの弁済に充 保の一形態であり、その射程距離は担保権としての範囲にとどめる. 当するのと同一の結果を招じる相殺であるので、譲渡担保が変形担 ぺきであり、強大な効力をこれに認めるべきではないことから本件.

(9) 求として.Xが自己の意匠の製造販売につき、Yの意匠権に対する先使. 適切有効とはいいがたく、その目的達成のためにさらに差止請求権の存. 否かを確定するだけであるから、右の紛争解決目的を果すうえにおいて. 否を問題としなければならないのである.﹂したがつて主位的請求に関す. 一審判決は失当であり、これを是認した原判決は、上告理由に対する判. る訴は不適法として却下すべきであり、これにつき本案の判断をした第. いる。. 用による通常実施権︵意匠法二九条︶を有することの確認をも請求して. 第一審は主位的請求につき、訴の適法性を全く問題とせず、もつぽら両. 判・訴却下.. 断をするまでもなく破棄を免れない。i裁判官全員の一致で破棄自. 意匠の類似性のみを間題とし、両意匠は類似しているとして請求を棄却 と同様の理由でXのなした控訴を棄却した。. 告却下。. 予備的請求については、上告理由を記載した書面の提出がないため、上. した.また予備的請求も理由なしとして棄却している。控訴審も第一審 X上告.上告理由はもつぽら、Xの意匠とYの登録意匠とが類似してい. これに対して最高裁は職権をもつて以下のごとく判断した。すなわち、. る、という原審の判断に向けられている。. 究. 昭和三四年の改正前の旧特許法・旧実用新案法および旧意匠法. 判旨に疑問.. 一. 本件訴は﹁権利範囲確認とはいうものの、その目的とするところは、あ る意匠が美的印象の観点から判断して登録意匠︵およびこれに類似する. 八四条一項・三項、旧実用新案法二二条一項・三項、旧意匠法二二条一項・. は特許庁による権利範囲確認の審判の制度を設けていた︵旧特許法. 研. 一三三. ︵二四五︶. 同様の、権利範囲の確認が請求される事例が相当数あるとのことで. に対してー民事訴訟の途によりi旧法下の確認審判におけると. 七一号二五i二六頁参照︶.そこで実務界では、現行法のもとで裁判所. 判批・別冊ジュリスト特許判例百選一七三頁.田倉・本件判批・判例評論一. 許法詳説改訂版・二二九頁。改正の経緯については、同書二二八頁.兼子・. ている︵最判・昭和四三年四月一八日・民集二二巻四号九三六頁.光石・特. を有するに留まり、法的拘束力を発生せしめるものではないとされ. 代えた.この判定は特許庁の単なる意見の表明であり、鑑定的性質. 制度︵特許法七一条、実用新案法二六条、意匠法二五条︶をもつてこれに. を廃して、特許庁による技術範囲の判定および意匠の範囲の判定の. 三項︶.しかし現行特許法・実用新案法および意匠法はこの審判制度. 意匠︶の範囲に入るか否かということであるから、その判断は法律上の ではないといわなければならない。このことは、登録意匠およびこれに. 判断ではなく事実上の判断であり、判断の対象は、権利または法律関係 類似する意匠の範囲の判定権限が行政官庁である特許庁に与えられてい. る︵意匠法二五条︶がその判定の結果について不服申立の途がひらかれ ていないことからもうかがえるところである。したがつて、右訴は権利 または法律関係の確認を目的としないものとして不適法といわなければ. しょうとしている意匠についてその意匠が意匠権を侵害するか否かの紛. ならない。のみならず、右訴が本件のように第三者が実施しまたは実施. 争を解決する方法として適切有効といえるかどうかについてみるに、こ のような紛争が存する場合には、権利者側からすれば第三者の侵害︵ま. たはそのおそれ︶の排除が必要であり、また第三者からすればその実施. 例. ては、ある意匠が登録意匠︵およびこれに類似する意匠︶の範囲に入るか. を妨害されないことが必要であるが、いわゆる権利範囲確認の訴によつ. 判.

(10) 一三四. ︵二四六︶. の資格、請求適格を欠く︶ということが前提となつている。第二にこ. 究. の訴訟は紛争解決のために適切有効とはいいがたい︵確認の利益を欠. 研. ある︵兼子ほか・特許法セミナー鋤︵出願・審査・審判・訴訟︶・八九二頁の. 例. 三宅発言︶.かような訴の適法性については従来より学説の対立があ. ナーω八六一−八六二頁の原発言、八九三頁の染野発言.染野・特許権の権. く︶ということである︵同旨、兼子・前掲判批一七三頁。前掲特許法セ、、、. 判. つたが、本件においてはまさにこの点が問題とされたのである.た. 四. 利範囲確認の訴・特許管理一六巻四号二〇五頁︶。. ︵1︶. だし実例が多いといわれているわりには、この訴の適法性自体が争 われた事例は少く、管見のおよぶ限りでは、本件以前には、東京地. おいては、二つの意匠ないし技術の類似性の存否といつた事実上の. なお本件では登録意匠の権利範囲確認の訴の適法性が問題となつ. ぎない.この訴訟で原告が確認を請求し、したがつて裁判所の最終. 判断がなされる.しかしそれは本案判決を下すための前提問題にす. まず第一点につき検討してみる.たしかに権利範囲確認訴訟に. 判・昭和三七年一〇月三一目・判例タイムズ一三八号一一八頁、判. ているが、この点は特許権や実用新案権の権利範囲確認の訴の適法. 的な判断の対象となるのは、実施者︵権利者の相手方︶が権利者︵意匠. ︵2︶. 例時報三一九号三五頁を見いだすのみである。. 二 最高裁が本件訴を不適法として却下した背後には、意匠や技術. 性の問題と同等に論じう る .. 合−積極的権利範囲確認︶、あるいはしていないか︵本件のごとく実施. 権者ないし特許権者︶の権利を侵害しているか︵権利者が原告である場. 者が原告の場合ー消極的権利範闘確認︶ということである。それはも. の類似性という高度に技術的・専門的事項は司法機関たる裁判所の. 審査になじまず、この点は行政庁たる特許庁に判断せしめるべぎで. 和三七年一〇旦一二日。光石・前掲書二三一頁.同・意匠法詳論二五一!. はや単なる事実とはいえず一種の法律関係である︵前掲東京地判.昭. 一五二頁.豊崎・特許侵害訴訟・実務民訴講座5二三一頁.内田・判批・判. ︵3︶. つたものと推測される.しかし、はたして意匠法二五条や特許法七. あるという配慮がー判決理由から直接には読みとれないがーあ 一条が意匠や技術の類似性の存否の判断を特許庁の専権事項とする. また判旨は、意匠の範囲の判定権限が行政官庁たる特許庁に与え. 判批・民商六八巻二号二一ー一一二頁︶。. 例工業所有権法︵内田編︶六六頁。田倉・前掲本件判批二五頁.井上・本件 ︵4︶. ︵裁判所の権限外に置く︶趣旨であるか否かは、民訴判例研究として. の本稿の性質上一応おくとしよう.本稿では、判決理由から読みと. られており、かつ判定の結果につき不服申立の途のないことをも、. ることのできる、訴却下の理由が、はたして是認されうるものであ るかを検討することとする。. かし、権利または法律関係に関する判定の権限を行政庁に付与する. とか、その判断に不服申立の途を設けないということが、立法政策. 権利範囲確認の対象が事実であることの根拠として掲げている。し. ︵確認. 三 本判決が訴を不適法として却下した理由は要約すれば以下のご. いうこと。ここでは事実の確認は確認の訴の対象たりえない. とくである。第一に権利範囲確認訴訟の対象は事実の確定であると.

(11) 上の問題となることはあるとしても、逆に権限の配分や不服申立の. らであろうが、無用なことであつた。. 実は確認の対象たりえない﹂というテーゼが一般に定着しているか. ずである.のみならず、特許庁による意匠、技術の範囲の判定は.. 訴は不適法であるという.本判決が挙げる訴却下のための第一の根. 要するに、権利範囲確認の訴の対象は事実の確定であるからこの. ︵5︶. 途の存否から、判断の対象の何たるかを決定することはできないは. 前述のごとく鑑定的な意味をもつにすぎないものであるから、これ. そこで次に.権利範囲確認の訴は、紛争解決のために有効適切. 拠は、首肯しうるものではない。. 下のごとくである.すなわち、意匠法および特許法は、権利者の権. この点につき、判旨および判旨と同じ立場に立つ論老の見解は以. ら〆。. とは、先に掲げた確認訴訟のもつ使命を考慮すれば明らかであろ. く、まさにこの確認の利益の存否こそが問われなければならないこ. 二の根拠が問題となる.確認訴訟においては、確認の資格ではな. なものとはいえない︵確認の利益がない︶という、本判決が挙げる第. 五. を裁判所による権利範囲の確認と同列に論じることはできない。. かくして私は、権利範囲確認訴訟の対象は法律関係であると解 し、この点で判旨と見解を異にするのである.しかしそもそも疑問 とすべきことは、判旨が、権利もしくは法律関係を対象としない確 認の訴は不適法であるとして、事実に確認の資格︵請求適格︶をみ とめていない点である︵もつとも、﹁事実は確認の対象たりえない﹂とい うテーゼは、現在の判例・学説に定着しているので、疑間は単に本件判旨の. 確認訴訟とは、観念的確定をもつて紛争の予防・解決をもたらす. みに対するものではない︶。. 〇条︶・損害賠償請求権︵意匠法三九条、特許法一〇二条︶および信用. 回復の措置を求める請求権︵意匠法四一条、特許法一〇六条︶を付与し. 利が侵害された場合、権利者に差止請求権︵意匠法三七条.特許法一〇. ている.したがつて権利者と実施者の間で、権利者の権利が侵害さ. ことを使命とするものである.それゆえ、もしある確認の訴がこの. lこの場合に確認の資格なしとして訴を却下するとすれば、それは. 象の何たるかを問うまでもなく訴は適法であると解すべきであるI. れているか否かにつき争いが生じたならば、権利老の側からは差止. 使命をはたしうるならば︵すなわち確認の利益があるならば︶、確認の対. 確認訴訟の使命を忘却した所為であるー︵伊東.判批.民商六七巻. 請求や損害賠償請求等の給付の訴を実施者の側からは前記の請求権. の不存在確認の訴を提起することができる。権利範囲確認の訴はこ. 二号一五八頁.栗田・判批・本誌四五巻一二号一一七頁.9茸畏ざO旨呂− 蜀。q 窪 山 ㊦ ・ < Φ 匡 善 お 扉 器 。 算 ω あ 、 紹 O ︶ 。. それゆえこの訴には確認の利益が存しない︵兼子・前掲判批一七三頁。. 二一四七︶. れ等の訴に比較して紛争のより直裁な解決をもたらすとはいえず、. 二二五. 前掲特許法セミナーω八九三頁の染野発言︶.. したがつて、権利範囲確認の訴の対象が事実であるか法律関係で. ﹁事. あるかということは、この訴の適法性を判断する際の決め手にはな. 研究. らない.判決理由がこの点を問題としたのは、前述のごとく、. 判例.

(12) ︵コ四八︶. 川明教授は確認訴訟のもつ紛争の予防的機能を考慮して、基本的権利または. 一三六. しかし私はこの主張には賛成できない。以下に、権利範囲確認の. 判例研究 訴に確認の利益が存することを、便宜のために実施者が原告である. られる。同.過去の法律関係と確認訴訟・本誌三一巻一二号三二頁以下。な. お染野義信教授は、物権的請求権と所有権の関係を権利範囲確認の訴にひき. 法律関係の確認においてこそ確認訴訟はその重要な機能を果たすと述べてお. する.. 場合︵本件のごとき場合︶と権利者が原告である場合とに分けて論証. 言.しかしその理由は明らかにされていない.︶.もちろん実施者がこの. 5つすことに反対しておられる。前掲特許法セミナ!ω八九四頁の同教授発. られる︵現実にはほとんどあり得ないであろうが︶。しかし、この場合に. 訴訟で勝訴した後、権利者が差止請求等の訴を提起することも考え. 実施者と権利者の間で、権利が侵害されているか否かが争われて. もちろんできる。しかし実施者には、たとえ差止請求権不存在確認. いる場合、実施者が差止請求権等の不存在の確認を請求することは. 訴訟で勝訴したとしても、なお権利者から損害賠償請求の訴もしく. 性がないこと︶には既判力がおよばないから、後訴では敗訴する可能. べきである.なお権利者が差止請求等の訴を提起している場合でも. に有効適切であり、この訴訟における訴の利益は肯定されてしかる. かくして、実施者が提起する権利範囲確認訴訟は紛争解決のため. は前の訴訟で、権利者の権利が侵害されていないことが.既判力を. 性がある。したがつて請求権不存在確認訴訟では実施者の地位の不. 事情は変らない。通常は、請求権の消極的確認の訴とその請求権に. は、信用回復の措置を請求する訴を提起される危険があるし、実際. 安定さは払拭しきれないのである。もとより実施者は差止請求権、. もつて確定されているので、この判断を利用できる。. 損害賠償請求権および信用回復の措置を求める請求権といつた、お. ば、確認の訴は訴の利益を欠くにいたると解されている︵白川・請. 基づく給付の訴が本訴・反訴の関係で、もしくは別訴で提起されれ. に提起されれば、前訴での判決理由︵二つの意匠ないし技術の間に類似. ことはできる.しかしそのことは実施者に強要されるべきことでは. 求権の消極的確認の訴.法学演習講座民事訴訟法一九〇頁︶.しかし権利範. よそ考えられるすべての請求権の不存在の確認を併合して講求する. ない。むしろ権利範囲確認の訴を許容し、これらの請求権の基本と. ローバルな法律関係の確認を対象とするものであるから、権利者が. 差止請求等の訴を提起しても、このことから確認の利益が否定され. 囲確認の訴は、前述のごとく単なる個々の請求権ではなく、よりグ. なことである。それはまさ膜ある物の所有権の帰属が問題となつて. ることはない. のために、そしてまたそれにもまして紛争の予防のために有効適切. いるときに、所有権老が自称所有権者に対して個々の物権的請求権. 損害賠償請求の訴に対する反訴として実施者が提起した権利範囲確認の訴を. なる法律関係を確定しておくことは、紛争の単純にして迅速な解決. の不存在ではなく、所有権︵基本的権利︶の不存在の確認を請求する. 適法とした事例である︶。. ︵前掲東京地判・昭和三七年一〇月三一日は差虚請求および. ことが紛争解決にとつてより抜本的であるのと同じことである︵石.

(13) る.この場合には権利者は差止請求等の給付の訴を提起できる。一. 次に権利者が権利範囲確認の訴を提起する場合について検討す. 稿は訴の利益を肯定しているが、若干見解を異にしている点がある。井上.. ある場合にも、権利者が原告である場合にも肯定される︵以下の論. 要するに権利範囲確認の訴における訴の利益は、実施者が原告で. 以上の論述を要するに、私は、判旨の理論構成は是認しえない. 付随的問題であるが、第一審が請求を棄却し、控訴審もこの判. 一評&ω・一お︸3彗・尊・器9の・ω8︶。我が国でも最近かような見解. にある︵島.℃ぎすNξ国導讐aβ仁夷山霞牢自①響。声器器腔窪凝Φ戸NN℃. 問題とするまでもなく.請求を棄却しうるという学説・判例が相当. がはつきりしている場合には、裁判所は、権利保護の利益の存否を. した点についても触れておこう。ドイッでは、訴に理由のないこと. 断を支持したにもかかわらず、最高裁が原判決を破棄して訴を却下. 七. ものであると考える。. 六. 止請求の訴を提起しうることが明白な場合には、訴の利益を否定される︶︶。. 必要は少いとされる︶.光石・前掲特許法詳説二三丁二四八頁︵権利者か差. 認の利益を肯定︶.田倉・前掲本件判批二七頁︵権利者にはこの訴を提起する. 前掲本件判批一一四頁以下︵実施者が原告の場合も権利者が原告の場合も確. 般には給付の訴を提起しうる場合には確認の利益は欠けるものと解 されている︵白川・前掲論文一八八ー一八九頁およびそこに引用の文献. 参照︶.しかし、差止請求とか損害賠償請求とかいつた個々の請求を. 問題とするよりは、権利範囲の確認というよリグローバルな法律関. 係の確認を許容した方が、紛争解決のためにより有効適切であろう ︵例えぽ、もし原告︵権利者︶が勝訴すれば、現実には実施者は実施を中止. するであろうが、仮に実施を中止せず、そのため後に差止請求等の訴を提起 する必要が生じたとしても、前の訴での﹁被告は原告の権利を侵害している﹂. との既判力を伴う判断か後の訴訟で利用されうる︶.したがつて、権利者. の提起した権利範囲確認の訴にも、訴の利益は肯定される。. なお権利範囲確認の訴に確認の利益を否定する学説は、権利範囲. 実施権︵意匠法二九条、特詐法七九条︶︶ の存在までは確定されないの. 確認訴訟においては、実施者の法定実施権︵例えば先使用による通常. であるから.権利関係は確定しない、と主張する︵兼子・前掲判批一 七三頁。前掲特許法セミナーω八六一ー八六二頁の染野発言︶。しかし、こ. の訴訟の対象が、単なる事実ではなく法律関係であるとすれば、裁. 判所はこの訴訟において法定実施権の存否まで判断すべぎであろう. が有力である︵鈴木︵正裕Y訴の利益・判例展望ジュリスト五〇〇号三四. 七頁.および同頁注︵3︶に引用の諸論稿︶.この立場からすれば、最高. 一一六ー一一七頁︶.しかし訴訟要件たる確認の利益の欠ける訴に対. 裁の処置に対しては、疑義がもたれるであろう︵井上.前掲本件判批. ︵一一四九︶. し本案判決をもつて答えるということは、理論的に是認しえない. 一三七. 備的に先使用による通常実施権の存在の確認を請求しているのは、実は、請. 究. ︵閃o器冒冨夷−望げ毛釦プN三一〇﹃。器守Φ。算一ρ︾亀一こ霧●憶9魔Oム8一目さ旨器. 研. 求を理由あらしめるための予備的主張と解すべぎであろう︶から、この主. 例. も暮罫N℃ρ9>亀一,あ謡の浮いψ8ヨ伊東・権利保護の利益・民訴法演. 判. 張は 理 論 的 に な り た つ も の で は な い 。. ︵光石・前掲特許法詳説改訂版二一三頁︶︵したがつて本件において原告が予. ・。.

(14) 判. 例. 研究. 習1・二五六頁︶。したがつて確認の利益が存しないという前提に立つ. 限りでは、最高裁の処置は是認しうるものである. 通常実務においては権利範囲確認の訴が提起されると、裁判所は釈. 明により、請求の趣旨を差止請求や損害賠償請求︵権利者が原告の場. ︵1︶. 告の場合︶に変更せしめているためであろうか︵前掲特許法セミナー㈲. 合︶あるいは差止請求権や損害賠償請求権の不存在の確認︵実施者が原 八九二頁の原発言参照︶。. ︵2︶大阪地判・昭和四二年一〇月二四日・判タニ一四号一〇七頁.京都. 地判・昭和四三年三月二七日・判タ一二八号一五三頁は、ともに﹁特許 権権利範囲確認請求事件﹂というタイトルを付せられているが、その実 このことは確認の訴の適法性を広く認めるのが昨今の最高裁の傾向. 質は差止請求︵給付︶訴訟である.. ︵3︶. 巻一号三〇頁、同・昭和四七年二月九日・民集二六巻九号一五一三頁. である︵昭和四七年に限つても最判・昭和四七年二月一五日・民集二六. らず、最高裁が本件訴を不適として却下していることからも推測され. 参照。特に後者は本件と同じく第一小法廷の判決である。︶にもかかわ. る。. ︵4︶ この点を判断するためには、昭和三四年の特許法・意匠法等の改正 の経緯を検討することが重要であろう。. 一三八. ︵一一五〇︶. している。しかしドイツでは、確認の対象となる﹁法律関係とは、主張さ. ︵邑・目ぎ目器も暮NPN℃ρO︾旦ど. れた事実関係から発生する人格相互、もしくは人格の客体に対する法的. ㈱謡①ω欝Pω緕旧国8窪富り晦−の魯≦ぎ︾曽く昌胃o困聖Φo騨︸一〇.卜民一‘¢. 関係である﹂と解説されており. る.すなわち権利・義務そのもののみに確認の資格︵請求適格︶がみと. 置㎝︶、具体的には契約の存否までも確認の対象となりうると説かれてい. なお井上治典助教授はかつて、権利範囲確認訴訟の対象は事実の確認. められているわけてはない。. と主張された︵同・判批・判例工業所有権法︵内田編︶一七二ー一七三頁︶。. であるが、この訴訟は紛争の予防解決に有効適切であるから適法である. あるといえよう。しかし、この訴訟の対象を事実の確認であるとされる. 対象適格という枠を打破しようとする点で、高く評価されるべき主張で. あるとされる点︵原則的には対象適格の枠を維持される︶で、必ずしも. 点で私と立場を異にするし、さらに事実の確認が許容されるのは例外で. た本件判批では、権利範囲確認訴訟の対象は法律関係であると論じてお. 通説的把握を克服しているとはいえない。井上助教授はその後発表され. 本件に関する評釈・解説としては、本文に引用の田倉氏・井上助. られる︵同・前掲本件判批・二二頁︶。. 教授によるもの︵いずれも判旨反対︶のほか、以下のものがある。有紀・. 追記. 週刊金融商事判例・三四七号二頁。染野・ジュリスト昭和四七年度重要. 判例解説一〇一頁。川口・法曹時報二五巻六号九二頁︵いずれも判旨に. なお、仮に権利範囲確認の訴を適法とみとめたとしても、裁判所は、. 哲. 必要とみとめれは、職権で特許庁に鑑定を嘱託しうる︵民訴法三一〇. 石渡. 好意的である︶。. 一九七三年六月二四日稿. 条︶のであるから、実際上それほどの不都合は生じない、ということは 言えるのではたかろうか。. られているものと推測される.同条はたしかに、証書の真偽とならん. ︵5︶ おそらくこのテーゼは、ドイッ民訴法二五六条を念頭において唱え. で、法律関係の存否が確認訴訟の対象となりうる旨を明文をもつて規定.

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