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enkyoku hyogen no kenkyu : nihongo kyoiku ni okeru yoda mitaida kamoshirenai daro o chushin ni waseda daigaku hakushi gakui shinsei ronbun

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Academic year: 2021

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人は自分の周囲の人と良好な関係を維持し、円滑なコミュニケーションを図るために、 どのように自分の発話を適切に相手に伝えるか、また、どのように相手の発話に自然に応 ずるかについて考慮し、言語使用で様々な工夫をせざるを得ない。特に、意図している発 話を直接的に言いにくい場合は、遠回しの言い方あるいは言い換えなどの柔らかい表現が 好ましい。日本語では、このように聞き手に配慮した表現が多く見られ、その中で、特徴 的なものに断定を控え、意図的に非断定的な表現を用いるという婉曲の用法がある。本論 文は、まず様々な言語表現の中から、相手や場面などを意識しながら発話を調整する「婉 曲表現」を研究対象として取り上げ、不確かな形式である「ようだ・みたいだ」、「かもし れない」、「だろう」が婉曲表現として使われる際の使用実態を検証した。そして、そこか ら日本語の婉曲表現が発生する仕組みを明らかにすると同時に、婉曲表現の機能分類を試 みたものである。 先行研究では、日本語の婉曲表現を論じているものがいくつかあるのだが、意味や定義 などの説明だけに止まったり、語彙やフレーズの言い換えなどの修辞学的なものや語法的 なものに焦点をあてたりするものが多く、人間関係と場面などを考慮した「待遇表現」の 観点から「文話」1レベルの分析を行うものは殆どないと言える。また、婉曲表現という用 語が多く取り上げられている日本語のモダリティ表現に関する研究の中においても、「よう だ・みたいだ」、「かもしれない」、「だろう」といった不確かな判断を表す表現形式につい て論じる場合、「推量表現」を中心としたものは多いが、推量表現から派生・拡大した「婉 曲表現」を主とするものは少ない。日本語教育の現場でも、不確かな意味を表すモダリテ ィ表現の文型を教える際に、推量の用法だけを提示し、それと関連している婉曲の用法に まったく触れていないという現状がある。ところが、実際の日本語使用場面では、断定を 避けて遠まわしな言い方をすることが多いので、婉曲表現はモダリティ表現の一つの重要 な文法項目として位置づけるべきであると考えられる。特に、中・上級の段階では、婉曲 表現が文話の理解に重要な役割を果たしているため、実際の日本語使用場面では、どのよ うな働きを持っているかについて、日本語学習者に認識させる必要がある。 したがって、本研究では、発話における「述べられる事柄の属性」および「発話の心理」 という視点から、婉曲表現の基本的な性質を明らかにしたい。また、婉曲表現の定義に基 づき、日本語教育の立場から、「ようだ・みたいだ」、「かもしれない」、「だろう」という非 1 文話とは、「表現主体」が「表現意図」を叶えるための表現上の一まとまりのことで、 「談話」「文章」の総称である。(蒲谷、川口、坂本 1998)

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断定の表現形式が婉曲表現として使用される様々な文脈や場面で、どのような意図で発せ られるのか、どのような機能を果たすのかを考察すると同時に、表現意図や使用場面の側 面から、それぞれの機能分類を試みる。更に、現在使用されている日本語教科書を対象に、 各文法項目の婉曲表現に関する内容を分析・考察し、待遇表現の原理に基づき、「人間関係」 および「場」という要素を考慮しながら具体的な提示方法を提案したい。 本研究の目的は、不確かな意味を持つ「ようだ・みたいだ」、「かもしれない」、「だろう」 といった表現形式が、話者の判断から発話・伝達へ移行する過程において、推量という性 質から断言を控えた婉曲的な表現に移り行く現象を分析し、その背景にある人間関係や場 の視点から、「述べられる事柄の属性」、「発話の心理」という要素と婉曲表現の機能との関 連性を明らかにすることである。本研究は、待遇表現の概念を日本語学の分析に導入しな がら、婉曲表現の枠組みを論証しようとする試みである。 第1章では、「婉曲表現」の定義づけおよび本稿の立場について述べる。まず、敬意表現、 情報のなわ張り理論、待遇表現などの従来の研究を検証しながら、婉曲表現の位置づけを 確かめる。そして、婉曲表現が使用される際の「述べられる事柄の属性」、「発話の心理」、 および文話における機能を分析する。更に、断定表現、推量表現との違いを考察すること によって、婉曲表現の枠組みを明らかにする。 本研究では、先行研究を踏まえた上で、「ようだ・みたいだ・かもしれない・だろう」と いう四つの表現形式を「非断定的な表現」として捉え、婉曲表現を以下のように定義する。 「婉曲表現とは、話者がある事態や事柄の成立が真であると認識した上で、その事態や 事柄に対して断定的に表すのではなく、述べられる事態や事柄に対する話者の発話の心理 的要素によって、非断定的に表す表現である。」 そして、「情報のなわ張り理論」のなわ張りおよび「待遇表現」の人間関係-自分・相手・ 話題の人物という二つの概念から発展し、婉曲表現における「述べられる事柄・事態の属 性」を「自分」、「相手」、「他者」という三種類に分ける。すなわち、話者が述べようとす る事柄や事態が、「自分」に属しているか、「相手」に属しているか、それとも「他者」(両 者共有の場合も含める)に属しているかという三つの基準によって分類する。 また、発話の目的に達するために、相手の気分を損なわずに、常に相手の意向を察しな がら、意見の相違をできるだけ回避するという婉曲表現の「発話の心理的要素」を、「丁寧さ」、

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「配慮」、「感情的回避」の三種類に分けた。「丁寧さ」は、相手との人間関係あるいは場面の 改まり度を考慮しながら表現内容を調整する心理的要素である。「配慮」は、述べられる事 柄や相手の状況、気持ちなどを考慮する心理的要素である。「感情的回避」は、主観的な発 話を避けようとする心理的要素である。 更に、コミュニケーションにおける話し手の表現意図、すなわち言葉が認識や伝達の道 具として持っている働きを「機能」として捉え、述べられる事柄の属性と発話の心理的要 素の組み合わせによって、婉曲表現の機能には、基本的に「働きかけ」、「自己表明」、「描 写」、「評価」、「擬似的同意」、「反論・弁解」、「表明回避」という7種類があると分類する。 また、文話における形式から見ると、婉曲表現は、「文末」、「返答」、「前置き」という三 種類の文形として現れることが多いと考えられる。基本的に、「ようだ・みたいだ」、「かも しれない」、「だろう」の婉曲表現が文末や返答に現れる際に、上記の「話し手が確実な事 柄を知っている、或いは、事態の成立が真であると認識している」という定義に一致して いる。ただし、前置きとして現れる際に、適用できない場合もある。前置きとして用いら れる婉曲表現を以下のように定義づける。 「婉曲表現における前置きは、話し手が、相手に対して失礼にならないようにという配慮 により、自分の意図している発話の前に、相手に思わせる可能性のある気持ちや起こりう る状況を事前に提示することによって、全体の発話を柔らかくし、コミュニケーションを 円滑に進める表現である。相手の感情・心理状態を察する内容を事前に提示するという点 から、述べられる事柄に対して断定せず、不確かな心理的要素によって、非断定的な表現 を用いることが多い。」 上述の「述べられる事柄」と「発話の心理」という基準で各表現形式をまとめると、婉曲表 現の構成は以下のようなものであると考えられる。 【表1】 婉曲表現の構成 情報の 有無 述べられる事 柄 発話の心理 表現 婉曲表現の機能 (話者の表現意図) なし 自分 感情的回避 非断定の表現を 前置き-働きかけ

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前置き-自己表明 文末-表明回避 相手 他者 配慮 前置き-働きかけ 前置き-自己表明 文末-描写 文末-評価 あり 相手 他者 配慮 使用することに よって、発話を婉 曲にする効果が ある。 返答-擬似的同意 返答-反論・弁解 婉曲表現は、基本的に以上のような「述べられる事柄の属性」および「発話の心理」と いった要素がすべてそろっている状況においてこそ成立する。すなわち、述べられる事柄 が自分に属するという条件に、感情的回避という心理的要素が同時に現れないと、婉曲表 現としては成り立たない。そして、述べられる事柄が相手や両者共有に属するという条件 に、配慮や気配りという心理的要素が同時に現れないと、婉曲表現の使用も不可能である と考えられる。 第1章の婉曲表現の定義および構成に基づき、第2章から第4章では、「ようだ・みたい だ」、「かもしれない」、「だろう」という三つの表現形式を中心に、各項目の婉曲表現とし ての機能分類を行う。既存の小説、シナリオなどの言語資料やコーパスから文例を収集し、 これらの婉曲表現がそれぞれの場面で、どのような表現意図で発せられるのか、どのよう な機能を果たすのかという観点から、各表現形式の基本的な性質を明らかにする。また、 それぞれの機能に対して、述べられる事柄の属性および発話の心理的要素という側面から 分析を試みる。 そして、第5章では、「前置き」、「返答」、「文末」という三種類の文形を軸に、「ようだ・ みたいだ」、「かもしれない」、「だろう」の婉曲表現の機能分類を整理する。更に、機能別 の用例検証によって、三表現形式の異同およびそれぞれの指示領域の差異を明らかにする。 各表現形式の機能分類をまとめると、次の表のように示すことができる。 【表2】婉曲表現の機能と表現形式 機能 表現形式

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ようだ・みたいだ かもしれない だろう 働きかけ 前置き 前置き 前置き 自己表明 前置き 前置き 前置き 擬似的同意 返答 返答 返答 反論・弁解 返答 返答 返答 描写 文末 × × 評価 文末 文末 文末 表明回避 文末 文末 × 「ようだ・みたいだ」、「かもしれない」、「だろう」が婉曲表現として使用される際には、 基本的に「働きかけ」、「自己表明」、「擬似的同意」、「反論・弁解」、「描写」、「評価」、「表 明回避」という七つの機能が存在し、文話における「前置き」、「返答」、「文末」という三種 類の文形として現れることが多い。また、「前置き」、「返答」、「文末」という文形で、三項 目の典型的な表現をまとめてみると、次の【表3】、【表4】、【表5】のように示す。 【表3】婉曲表現における前置き ようだ 1.相手あるいは他者の感情・心理状態を察する内容(しつこい、くどい、 うるさい)+「よう」+逆接表現、 働きかけ・自己表明 2.相手に起こりうる状況+「よう」+仮定形、 働きかけ・自己表明 かもしれない 1.相手あるいは他者の心理や状況を察する内容(余計なお世話、くどい、 失礼)+「かもしれない」+逆接表現、働きかけ・自己表明 2.マイナス的な内容+「かもしれない」+逆接表現、働きかけ・自己表明 だろう 相手あるいは他者の心理や状況を察する内容(大変、つらい、きつい) +「だろう/でしょう」+逆接表現、働きかけ・自己表明 【表4】婉曲表現における返答 ようだ 1.擬似的同意:そのようです(ね)/そうみたい(ね)

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みたいだ 2.反論・弁解:~「よう / みたい」+逆接表現、相手と違う意見、反論、 主張、言い訳など) かもしれない 1.擬似的同意:(確かに)そうかもしれない(ね) (確かに)相手の発言に同意する表現+かもしれない(ね) 2.反論・弁解:(確かに)~「かもしれない」+逆接表現、相手と違う意見、 反論、主張、言い訳など) だろう 1.擬似的同意:そうだろう(ね) / そうでしょう(ね) 2・反論・弁解:(確かに)~「だろう / でしょう」+逆接表現、相手と違 う意見、反論、主張、言い訳など) 【表5】婉曲表現における文末 ようだ みたいだ 1.描写:物事の様態や状態に対する描写+ようだ / みたいだ 2.評価:物事に対する評価、助言、意見+ようだ / みたいだ 3.表明回避:自分の感情・感覚・状況に関する表現+ようだ / みたいだ かもしれない 1.評価:物事に対する評価、助言、意見+かもしれない 2.表明回避:自分の感情・感覚・状態に関する表現+かもしれない だろう 評価:物事に対する評価、助言、意見+だろう / でしょう / であろう 三項目の機能分類の整理および用例検証を行うことによって、それぞれの婉曲表現にお ける指示領域の差異をある程度明らかにした。「ようだ」、「かもしれない」、「だろう」三表 現形式は、本来持つ推量という意味から婉曲の用法に発展した点では、同じ働きを持って いる。また、【表2】に見られるように、三項目の間に共通の婉曲表現の機能が存在してい る。また、実際の使用場面では、「ようだ」、「かもしれない」、「だろう」の蓋然性の度合い によって適用する状況が違う場合があるため、日本語教育の立場から婉曲表現を提示する 際に、各項目における典型的な表現および、各機能において明確に置き換えられるものと 置き換えられないものを提示すれば、学習者の理解を促すことができると思われる。 第6章では、現在使用されている日本語教科書を調査対象として、「ようだ・みたいだ」、 「かもしれない」、「だろう」の婉曲表現が教科書においてどのように扱われているのかを 考察する。また、婉曲表現の機能分類に基づき、各表現形式の婉曲表現が現れた用例にお ける表現意図や使用場面を比較・分析すると同時に、既存の日本語教科書に対する問題提

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起を行う。 分析の結果から見ると、既存の中・上級日本語教科書では、婉曲表現を学習項目として 取り扱う意識が全くないように思われ、たとえ本文の中に多くの文例が現れていても、文 法説明や練習問題では見過ごされていることが殆どである。このような背景の中で、初級 レベルと中・上級レベルの間にギャップが生じている。初級で扱っている「ようだ・みた いだ」、「かもしれない」、「だろう」といった文法項目が「型」のみの学習で終わってしま い、「不確かな判断を表す」という基本的な意味以外に、文話レベルにおける「婉曲」の用 法・機能の指導を見落としてしまっていることは、中・上級教科書における重大な問題点 であると考えられる。文型指導を初級から上級まで総合的に捉え、初級段階で基本的な意 味・用法を扱うだけで済ませるのではなく、中・上級段階においても、コミュニケーショ ン上における表現の機能を提示することが重要である。つまり、初級段階で提示した基本 的な意味以外に、同じ「型」である未習の用法・機能にも注意を払い、現行の中・上級教 科書の取りこぼしをフォローしていく必要があると思われる。従来の日本語教科書は、学 習項目の提示や練習だけに目が向けられているが、今後は、コミュニケーション上の視点 から、各学習項目が文話の中で果たす機能や役割も考慮に入れ、表現における前後文脈の 提示を通して自然に理解させるための工夫が必要である。 また、コミュニケーション上の視点が不足である点を更に追究すると、待遇表現の意識 が全くないという問題点も出てくる。日本語の表現を教える際に、話し手が誰に対して、 何について、どんな場面で、何のために発話をするかという表現の背景を認識させること も重要である。特に、婉曲表現の使用は、話者の表現意図、相手との人間関係、述べられ る事柄の属性、表現の使用場面などの要素が強く働いているため、婉曲表現を学習者に理 解させるために、具体的な発話状況を提示する必要がある。上述の分析結果では、既存の 日本語教科書は、話し手と聞き手と述べられる事柄の間にある人間関係や場面などを考慮 していないことが反映されていた。今後は、この点について更に改善していくべきである。 日本語の指導は、単に学習項目の意味や用法を説明し、語句レベルや文レベルの用例を提 示するだけではなく、待遇表現の概念を導入し、明確に人間関係や場面が分かる一連の発 話状況を示すことが必要である。婉曲表現の指導は、学習者の日本語環境に合致した人間 関係および場面の中で、待遇関係を意識しながら提示することが効果的であると考えられ る。 第7章では、第1章から第6章を踏まえた上で、各表現形式の婉曲表現に対して、待遇

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表現における相手レベル2と場レベル3の概念を取り入れながら具体的な会話例の作成を試 み、日本語教育の立場からより効果的な提示方法を提案する。 教室活動において「ようだ・みたいだ」、「かもしれない」、「だろう」の婉曲表現の表現 意図と使い方を分かりやすく導入するために、待遇表現の観点および婉曲表現の機能分類 の導入が必要であろうと考える。まず、待遇表現の観点を導入すべき理由は、婉曲表現の 指導では場面の正確な理解が必要であるため、相手を特定し待遇レベルを意識しながら練 習したほうが効果的だと考えるからである。そして婉曲表現の機能分類の提示については、 話し手の表現意図および表現形式が現れる文脈を明確に学習者に理解させる一つの助けに なると考えるからである。具体的な提示方法としては、各表現形式の機能において、相手 を一般化せず、日常生活の中で学習者にとって相手レベルが明らかに+ 0 -に当たる人 とのやりとりを具体例として提示するという方法をとりたい。このように学習者の日本語 環境に合致した人間環境の中で、待遇関係を意識しながら「ようだ・みたいだ」、「かもし れない」、「だろう」の婉曲表現を学んでいくことが有効であると考えられる。 日本語教育の現場では、婉曲表現をまとめて教えるより、教材にメタ言語表現がいくつ か出てきたら、その表現における婉曲の用法・機能を取り上げ注意させることが大切であ る。特に、中級から上級の段階で授業内容に合わせて婉曲表現を取り入れる必要がある。 教材の中に婉曲表現を用いる際に、その用例にあたる機能の使用場面、典型的な用法およ び具体的な会話例を提示することが効果的であると思われる。要するに、「ようだ」、「かも しれない」、「だろう」の婉曲表現を教える際には、表現形式が用いられる一文だけに注目す るのではなく、人間関係や場面を考慮した前後の文脈から判断する必要がある。また、指 導するには、「自分の考えや意見を婉曲的に示す」、「相手の発話に対して同意・納得する」 といった表現意図や使用場面を提示することが効果的であると考える。また、婉曲表現は、 相手に失礼にならないよう配慮を配ったり、自己の感情表出を回避したりするという待遇 表現の一つであり、構造上は前置きや返答、文末の形式で現れる、ということを学習者に 自然に理解させる必要がある。 上述のように、本研究では、各表現形式の機能分類および日本語教材の分析を通して、 「ようだ・みたいだ」、「かもしれない」、「だろう」の婉曲表現が実際の使用場面において 2 相手レベルとは、「待遇表現」を考える枠組みとして、「相手」の位置づけ(上下関係と 親疎関係)を表すものである。(蒲谷、川口、坂本 1998) 3 場レベルとは、「表現主体」が表現するときの、時間的、空間的な位置を、「改まり」「く だり」という基準によって位置づけるものである。(蒲谷、川口、坂本 1998)

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多く使用されているにもかかわらず、日本語教育現場で提示されていないという現状を明 らかにした。婉曲表現は、話し言葉でも書き言葉でも、コミュニケーション上で大切な役 目を果たしている。そのため、日本語教育の現場では、実際の言語表現における婉曲の機 能を取り上げる必要がある。婉曲表現の指導は、初級から上級まで広い範囲にわたると考 えられる。特に、一つの表現形式が様々な用法や機能を持っている場合は、レベルに合わ せて提出順を考える必要がある。本研究で取り上げる機能分類、文法上の共起関係、およ び待遇関係を考慮した指導法をレベル別に日本語教育の現場に取り入れれば、学習者の婉 曲表現に対する理解を促すのに効果的であると思われる。 本研究で取り上げた「ようだ・みたいだ」、「かもしれない」、「だろう」以外に、「そうだ」、 「~と思う」、「~のではないだろうか」などのモダリティ表現も婉曲表現と深く関わって いる。例えば、「関わらないほうがよさそうだね。」など、断定的に表せる内容を意図的に 非断定的な言い方で表現するものがたくさんある。今後の課題としては、本研究で扱った 「ようだ・みたいだ」、「かもしれない」、「だろう」以外に、不確かな意味を表す他の表現 形式の考察も試みたい。また、本論文で作成した会話例をもとに、実際の日本語授業にお ける「ようだ・みたいだ」、「かもしれない」、「だろう」の婉曲表現の取り扱い方、また多 様な会話例の提示についても引き続き検討を進めたい。 日本語における婉曲表現には様々な形式があり、その中には極めて類似の意味を表すも のや、外国語における用法とは著しく異なる表現形式がたくさんあるため、日本語学習者 にとって、それらの用法を正確に理解・習得することは困難である。日本語教育の現場で は、学習者は「ようだ・みたいだ」、「かもしれない」、「だろう」などの婉曲表現が使いこ なせないという問題点があるにもかかわらず、この分野の研究があまりされていないのが 現状である。したがって、本研究をひとつのたたき台となり、日本語の婉曲表現への関心 を促す一助となることを期待し、同時にこの研究が、待遇表現とモダリティ表現の研究に 新しい方向性を示すものになることを切に望む。

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