Kenkyu soshiki no gyouseki kojo no tame no manejimento
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(2) 一R&D研. 究 者 の業 績 とHRM一. 一. 121. お よ び マ ネ ー ジ ャー を対 象 と した イ ン タ ビ ュー調 査 を行 った。 イ ン タ ビ ュー で は, 彼 ら 自身 の キ ャ. 2.研. 究の方法. リア の他 に, 同 じ組 織 の高 業 績 の科 学 技 術 者 の特 徴 な ど に つ い て 質 問 して い る。 こ の調 査 に よ る. 1)研. と,科 学 技 術 者 の キ ャ リア は大 き く分 けて4つ. に. 研 究 業績 向上 に有 効 な人 的 資 源 管 理 を 考 え るた. 分 か れ る こ と が わ か った 。4っ の段 階 は そ れ ぞ. め に, まず そ の両 者 の 関係 にっ い て 明 らか に して. れ, 第1段. お く。 図1は. 階 が見 習 い期 間, 第2段. 階が プロジェ. ク トの責 任 者 な どを任 され る段 階, 第3段. ,人 的 資 源管 理 と研 究 業績 の 関 係 に. つ い て, 要 約 した もの で あ る。. 階 が他. 人 の キ ャ リア や行 動 に つ い て の責 任 を任 され る段 階 , 第4段. 究 の フ レー ム ワー ク. た だ し, こ こで い う研 究 業績 と は, 論 文 数 や 特. 階 が さ らに組 織 に対 して大 きな影 響 力. 許 数 な どを表 して お り, 売 上 高 や利 益 な どの経 営. を 持 っ よ う に な る段 階 で あ る。 そ れ ぞ れ の 段 階. 成 果 に どれ だ け直接 の影 響 を与 え た か, と い う こ. は, 求 め られ る行 動 , 求 め られ る人 間 関係 , そ れ. とで はな い。 これ は,2つ の理 由 に よ る。第1に. に よ り もた ら され る心 理 的欲 求 に お い て違 い が み. 研 究 部 門 の場 合, 開発 や生 産 と違 い, そ の 部 門 に. られ る。 各 段 階 の特 徴 は表1の. お け る業 績 が経 営 成 果 と して反 映 され る まで に は. 通 りで あ る。. この調 査 に お い て, 表1の 各 段 階 と年 齢 の相 関. ,. 様 々 な要 因 の影 響 を受 け るた め, 研 究 部 門 だ けの. は あ ま り高 くな く, む しろ業 績 との相 関 の方 が高. 貢 献 度 を取 り出 す こ と は難 しい か らで あ る。 第2. い こ とが わ か った。 ま た各 段 階 を上 昇 して い く科. に, 研 究 業 績 を考 え る際 に は, ア ウ トプ ッ トの う. 学 技 術 者 は, 一 っ の段 階 に と どま って い る科 学 技. ち, 最 終 的 な製 品 に結 び っ か な い ア ウ トプ ッ トも. 術 者 よ り高 業 績 を上 げ て い る こ と も明 らか に され. 評 価 す る必 要 が あ るか らで あ る。 これ は, た とえ. て い る。. そ の ア ウ トプ ッ トが で た 時点 で は製 品 に結 びつ か. ま た, この調 査 に お い て, 科 学 技 術 者 の技 術 的 バ イ タ リテ ィー を維 持 し, 深 刻 な老 廃 化 を さけ る. 術 に応 用 され て製 品 に結 び っ く場 合 な どが あ る こ. こ とに成 功 して い る組 織 で は, 科 学 技 術 者 が キ ャ. とに よ る。. リア の各 段 階 を上 昇 させ て い く こ とを手 助 け す る よ うな施 策 が採 られ て い る こ と も明 らか に され て. 研 究 部 門 の人 的資 源管 理 は, そ の企 業 が採 って い るR&D戦 略 の 影 響 を 受 け るで あ ろ う。 た と. い る。 そ して, これ らの調 査 を も とに, 技 術 的貢. え ば, イ ン ク リメ ン タル な イ ノベ ー シ ョンを重 視. 献 に応 じた報 酬 や, キ ャ リア ・デ ィベ ロ ップ メ ン. して い る企 業 で は, イ ノベ ー シ ョンの大 き さ よ り. ト上 の障 害 を低 減 す るた め の施 策 が提 案 され て い. も頻 度 を 重 視 した 評 価 制 度 を採 用 す る で あ ろ う. る。. し, ブ レー ク スル ー 的 な イ ノベ ー シ ョンを重 視 し. な く と も, 後 に 当初 の も く ろみ と は違 った別 の技. この 調 査 に よ り, 研 究 者 に つ い て も, キ ャ リ. て い る企 業 で は そ の逆 で あ ろ う。. ア ・デ ィベ ロ ップ メ ン トの考 え方 が有 効 で あ る こ. 次 に, 人 的資 源 管 理 は, 研 究 業 績 に 直接 影 響 を. とが わ か った。 研 究 者 が高 業 績 を維 持 して い くた. 与 え るの で は な く, 各 研 究 者 の, モ チ ベ ー シ ョン. め に は, 研 究 者 の キ ャ リア ・デ ィベ ロ ップ メ ン ト. や職 務 満 足 , 組 織 に対 す る コ ミッ トメ ン トな どに. に対 す る マ ネ ジメ ン ト側 の配 慮 が必 要 で あ る こ と. 影 響 を与 え るの で あ る。 た とえ ば, 研 究 者 に と っ. が 示 唆 され る ので あ る。. て や りが い の あ るテ ー マ が与 え られ れ ば, 自分 の 研 究 に対 す るモ チ ベ ー シ ョ ン も高 ま るで あ ろ う。 ま た, 研 究 業 績 にっ い て の評 価 制 度 が, 研 究 者 に. V_ R&D戦. 略. 人的資源管理. ダ 図1. 行動成果. 研究業績. ↑ 人 的資源管理 と研究業績 の関係. 経営 成果.
(3) 122. と って公 平 感 が高 い もの で あ れ ば, 職 務 満 足 は高 ま り, 組 織 に対 す る帰 属 意 識 す な わ ち組 織 コ ミッ トメ ン トも高 ま るで あ ろ う。 これ と は逆 に, 自分. 2)研. 究 の方 法. 本 稿 で は, 日本 の企 業10社. の 研 究 者 に 対 して. 行 った 質 問 紙 調 査 の うち, 製 薬 企 業5社1)か. ら収. の 興 味 の な い研 究 テ ー マ ばか りを与 え られ れ ば,. 集 され た デ ー タ を中 心 に分 析 を行 う。 製 薬 企 業 の. モ チ ベ ー シ ョ ン も下 が って くるで あ ろ う し, 研 究. み を 分 析 対 象 と し た の は, 次 の2つ. の理 由 に よ. 業 績 の 評 価 制 度 が 不 公 平 感 を 高 め る よ うな もの で. る。 一 つ は, 製 薬 企 業 の 場 合 , 研 究 部 門 にお け る. あ れ ば , 研 究 者 の 職 務 満 足 や 組 織 コ ミ ッ トメ ン ト. 業 績 が , 会 社 の 将 来 を 大 き く左 右 す るた め , 研 究. は下 が るで あ ろ う。 この よ うに , 研 究 部 門 に お い て ど の よ うな 人 的 資 源 管 理 が 行 わ れ る か に よ っ. に 対 す る重 視 度 が 高 い と考 え た か らで あ る。 も う 一 つ は, 製 薬企 業 だ けで統 計 的 分 析 に 耐 え う るだ. て, 各 研 究 者 の モ チ ベ ー シ ョンや職 務 関与 , 組 織. け の サ ンプ ル を集 あ る こ とが で きた か らで あ る。. コ ミッ トメ ン トは影 響 を受 け る の で あ る。 こ こで は, 研 究 者 の モ チ ベ ー シ ョ ン, 職 務 満 足 , 組 織 コ. 調 査 対 象5社 の うち,3社(表2のB,D,E社) は, ほ ぼ す べ て の薬 効 分 野 に製 品 を揃 え て い る大. ミ ”1トメ ン トを総 称 して, 行 動 成 果 と呼 ぶ こと に. 手 製 薬 企 業 で あ り,2社(表2のA,C社)は. す る。. られ た分 野 の製 品 ラ イ ンを持 っ 中堅 企 業 で あ る。. 次 に, 研 究 業 績 は, 研 究 者 の 行 動 成 果 の影 響 を 受 け る。 た とえ ば, 自己 の研 究 に対 す る モ チベ ー シ ョ ンが高 い研 究 者 の方 が, よ り高 い研 究 業績 を. ,限. 以 上 の製 薬 企 業5社 を ,研 究 業 績 が 相 対 的 に高 い組 織 群 と研 究 業 績 が 相 対 的 に低 い組 織 群 に わ け, そ れ ぞ れ に人 的 資 源 管 理 や 行 動 成 果 に ど の よ. 上 げ るで あ ろ う。 また , 「組 織 の た め に何 か した. うな違 い が あ るの か に つ い て比 較 す る こ と に よ り. い」 とい う気 持 ち は, 研 究 者 の行 動 を業 績 向上 に. 検 討 を お こな う。. 向 か わせ る で あ ろ う。 この よ うに, 研 究 業 績 は,. 業 績 を分 析 す るに あ た って は, 個 人 単 位 で行 う とい う方 法 もあ る。 しか し, 本 稿 の 目的 は, 企 業. 研 究 者 の行 動 成 果 の影 響 を受 け る の で あ る。 さ らに, 研 究 部 門 の業 績 は, そ の企 業 の売 り上 げや 利 益 , す なわ ち経 営 成 果 に長 期 的 影 響 を与 え. の研 究 業 績 と人 的 資 源 管 理 の関 係 を調 べ る こ とで. るの で あ る。 当 然 企 業 の経 営 成 果 は生 産 部 門 や 営. め, 業 績 を企 業 単 位 で 分 析 す る こと と した。. 業 部 門 の 業 績 や 景 気 の 善 し悪 しな ど他 の 要 因 の 影. 質 問 紙 調 査 の 概 要 に つ い て は以 下 の通 りで あ る。. 響 も受 け るの で あ るが , 図1に. お い て は, そ の 他. の要 因 は 省 略 して い る。. あ り, 人 的 資 源 管 理 は企 業 に共 通 な もの で あ るた. 調 査 対 象 : 日本 の製 薬 企 業5社. の, 現 在 研 究 部. 最 後 に, 人 的 資 源管 理 や行 動 成 果 は, 研 究 業績 の影 響 も受 け る。 研 究 業 績 が上 が らな け れ ば, 会. サ ン プル :サ ンプ ル数 は, 表2の 通 りで あ る。. 社 は研 究 部 門 の人 的資 源 管 理 施 策 を変 え よ う とす. 今 回 の分 析 に お い て は, 研 究 部 門 で の人 的 資. るで あ ろ う。 ま た, あ る研 究 者 が, い く ら努 力 し. 源 管 理 の特 徴 を ク リア に す るた あ, 研 究 部 門. て も, 研 究 業 績 を上 げ る こ とが で き な け れ ば, や. に所 属 す る研 究 者 を対 象 と した。 この た あ,. が て そ の 研 究 に対 す る モ チ ベ ー シ ョ ンは低 くな る. 開 発 な ど他 の部 門 に所 属 して い る研 究 者 は除. か も しれ な い。 ま た,R&D戦. 門 に 所属 して い る研 究 者. 略 は,経 営 成 果 の. 影 響 を 受 け る。 企 業 の 経 営 成 果 が 芳 し くな け れ. 表2. ば, トッ プマ ネ ジ メ ン トは, 企 業戦 略 な どの 見 直. に対 して , また ,経 営 成 果 か らR&D戦. 略 に対 し. て フ ィー ドバ ック ・ル ー プが 存 在 す る の で あ る。 合 計. 40. 36 168 40. 150. 123. 150. 96. 660. 496. サ ンプ ル数. 1 00 9 Qり Qリ ハ 0. す と お り, 研 究 業 績 か ら人 的資 源 管 理 や行 動 成 果. 80 200. 回 収 数. 4 7 9臼 9. しを行 うで あ ろ う。 この よ うに, 図1の 点 線 が示. 配 布 数 社 社 社 社 社. 略 に つ い て も見 直. A B C D E. しを行 うの と同様 に,R&D戦. 調査票回収状況. 319.
(4) R&D研. 究 者 の 業績 とHRM-. 123. 外 し, 現 在 基 礎 研 究 部 門 お よ び応 用研 究部 門. 齢 に よ る影響 を 考慮 す る必 要 が あ る。 な ぜ な ら,. に所 属 して い る研 究 者 の み を サ ンプ ル対 象 と. 研 究 者 の業 績 数 は, 各研 究 者 の研 究 歴 , す な わ ち. した。. 年 齢 に よ って違 う と考 え られ るか らで あ る。 実 際 に 業 績 数 と年 齢 の 間 に は,r=0.627(t=17.054). 析. 3.分. と0.1%水. 準 で有 意 な相 関 が み られ るの で あ る。. そ こで,A,B,E社 とC,D社 1)研. の研 究 者 の平 均年 齢. に差 が あ る か ど うか を 調 べ るた め に,t値 検 定 を. 究 業 績 の測 定. まず ,今 回調 査 対 象 とな った製 薬 企 業5社. にっ. 行 った と ころ, 平 均 年 齢 に は有 意 な差 が み られ な. い て, 会 社 ごと の研 究 業 績 に差 が あ る か ど うか検. か った。 従 っ て, 表4に. 討 す る。具 体 的 に は, まず 表3の13項. 社 の研 究 業 績 の違 い は, 研 究 者 の年 齢 構 成 の違 い. 目の う ち,. お け るA,B,E社. とC,D. 各 研 究 者 が い くつ の 業 績 を あ げ て い るか を 調 べ. に よ る影 響 を 受 けて いな い とい う こ とが い え. る。 次 に,A∼E各. る2)。. 社 の研 究 者 一 人 当 た りの業 績. 数 の 平 均 値 を 出 し, 会 社 ご と に違 いが あ るか ど う か を比 較 す る。 そ の 結 果 が 表4で 表4を. あ る。. 表4の. 結 果 につ いて は,別 の指 標 に よ って確 認. して お く必 要 が あ る。 な ぜ な ら, 表4の. み る と,A,B,E社 の研 究 業 績 数 は,C,D. 結 果 は,. あ くまで 各 研 究 者 が 今 まで ど の よ うな研 究 業 績 を. 社 の研 究 業 績 数 と比 べ る と, 相 対 的 に高 い こ とが. あ げて き た のか , そ の あ げて き た研 究 業 績 の種 類. わ か る。 ち な み にA∼E社. の 数 につ いて は示 され て い る もの の, た と え ば,. の 各 社 の 研 究 業 績 に統. 計 的 な差 が あ るか ど うか検 討 した 結 果 ,表5の り5%水. 通. 準 で 有 意 な 差 が 見 られ た 。. 6.国 内雑 誌 へ の論 文 掲 載 8.研 究 成 果 の社 内表 彰 10.事 業 部 な ど か らの重 大 な要 請 に答 え る 12,国 際 会 議 な ど の座 長. 11.招 待 講 演. 結 果 が, イ. コ ール各 会社 の研 究 業 績 を 代 表 して い る と い う保. 2.国 内 で の特 許 申請 4.国 内 で の学 会 発 表. 7.研 究 成 果 の製 品 化 9.社 外 で の表 彰. 持 って い る。 また , 今 回 の 調 査 は完 全 な ラ ンダ ム サ ン プ リ ン グ で は な い た あ, 表4の. 研究業績. 1.海 外 で の特 許 申請 3.海 外 で の学 会 発 表 5.海 外 雑 誌 へ の論 文 掲 載. の 研 究 者 も1回 の み の研 究 者. も, 同 様 に扱 っ て しま っ て い る と い う 問 題 点 も. た だ し, 会 社 別 の業 績 数 を比 較 す る際 に は, 年 表3. 特 許 申請 数 が10回. 13.国 際 会 議 な ど の主 催. 証 もな い の で あ る。 そ こで別 の 資料 か ら, 海 外 特 許 申請 , 国 内特 許 申請 , 海 外 雑 誌 論 文 にっ い て, 表4の 結 果 と整 合 性 が あ るか ど うか を確 か め る こ と とす る。 こ の3 つ の研 究 業 績 を取 り上 げ た の は, 今 回 の調 査 で こ の3っ 以 外 の業 績 が, 開発 な ど研 究 以 外 の部 門 に 多 く見 られ た か らで あ る。. 表4. 会社別研究業績 平. 社 社 社 社 社 A B C D E. 1雪. 表5. 2.21. 4.82. 2.46. 2.61. 2.12. 2.99. 2.09. 3.55. 2.67. 会社別研究業績の分散分析表 自由度 尸0. O -. 8 60 1. QU QU ∩0 ﹂4. 4. 5.100. 138.337. 318. 総変動. 143.437. 323. (﹂ 4 1. 誤差変動. (**p<0.05). 表6は. ,1990∼1994年. の 間 の海 外 雑 誌 論 文 ,. 標準偏差. 3.92. 和 方 平. 水準間変. 均. 姫. 表6. 会社別研究業績 の比較 一. 海外論 文 国内特許. 海外 特許. 研究業 績数. A社社 B社社. 0238 0262. 0 552. 0393. 1008. 3.92 4.82. C社社 D社社. 0067 0194. 0430 0394. 0383 1824. 2.61 2.99. E社社. 0231. 0588. 1636. 3.55. 注 :1990∼1994年. 1. 0.959. の平均 業績 数 を研究 所 の人. 員 の 当 該 期 間 の 平 均 数 で 割 った もの で あ る 資料 :特 許 情 報機 構(PATOLISに て検 索),有 価 証 券 報 告 書 ,慶 應 義 塾 大 学 医 学 メ デ ィ ァ セ ン ター(JMEDICINE, MEDLINEに て検 索).
(5) 124. 国 内 特 許 申請 ,海 外 特 許 申請 の3っ. の研 究 業 績 の. 織 群(以. 下 研 究 業 績 が 高 い組 織),C, D社 を研 究. 平 均 数 を 各 社 別 に示 した もので あ る。 た だ し, 研. 業 績 が 相 対 的 に低 い研 究 組 織 群(以 下 研 究 業 績 が. 究 業 績 はそ の 会 社 に所 属 す る研 究 者 数 の影 響 を受. 低 い組 織)と. け る と考 え られ るた あ , 研 究 者 数 に よ る調 整 を 行. 行 動 成 果 に差 が あ るか ど うか , あ る とす れ ば ど の. う必 要 が あ る。 こ こで は, 各 社 の 研 究 者 数 を 調 べ. よ うな 差 な の か , と い う点 に っ い て 検 討 して い. る こ とが で きな か った た め, 有 価 証 券報 告 書 に よ. く。. し, 両 群 にお いて , 人 的 資 源 管 理 や. り研 究 所 に所 属 す る人 員 数 を調 べ, そ の 当該 期 間 の平 均 数 で各 組 織 の研 究 業 績 の平 均 数 を割 る こ と に よ り調 整 を行 って い る。 ま た表7は. ,各 指 標 に. つ い て の 各 社 の相 対 的 な順 位 を 示 した もの で あ る。表6お. よ び表7か. らわ か る と お り,D社 が海. 外 特 許 数 で 高 い業 績 を残 して い る こ と と,B社. の. 2)人. 的 資 源管 理 と研 究 業 績. 研 究 業 績 が高 い組 織 と低 い研 究 組 織 で は, 人 的 資 源 管 理 に 差 が あ る の で あ ろ うか 。13項. 目 の人. 的資 源 管 理 につ い て, そ の研 究 者 が所 属 して い る 研 究 所 で の実 施 状 況 を,1(全. く行 わ れ て い な い). 国 内特 許 の 業 績 が 低 い こ とを 除 け ば , や は りA,. か ら5(徹. B,E社 の方 が,C,D社 よ り も, 相 対 的 に高 い 研 究. 回 答 して も らっ た。 そ の結 果 につ いて 分 散 分 析 を. 業 績 を 示 して い る と い え る。 従 っ て 以 下 本 稿 で. 行 い, 会 社 別 に差 が あ る こ とが 確 か め られ た項 目 の 中 で , 業 績 が 高 い組 織 で 特 徴 的 に行 わ れ て い た. は,A, B,E社 を 研 究 業 績 が 相 対 的 に高 い研 究 組. 底 して い る)ま で の5点 尺 度 に よ って. 人 的 資 源 管 理 に 「+」 の 印 を , 業 績 が 低 い組 織 で 表7. 会社別研究業績の相対比較. 海外論文 国内特許 海外特許. 特 徴 的 に 行 わ れ て い た 人 的 資 源 管 理 に 「一」 の 印 を付 け た もの が表8で. あ る。. 3. 表 か らわ か る とお り, 研 究 業績 が 高 い組 織 の 方 が, 社 外 や社 内 の研 究 者 を 呼 ん で の, 情 報 交 換 の. 9臼 l. 4. 9臼 5. 9日 -. 5. FO. ﹂4. ∩ 0 4. 機 会 が数 多 く設 け られ て い る。 ま た, 研 究 業 績 が. 1. 4. 3. 1. 9︼. 高 い組 織 の方 で, よ り他 の研 究 所 や学 会 や大 学 と. 0U. 尸0. 社 社 社 社 社 A B C D E. 研究業 績数. 表8. の研 究 上 の交 流 が奨 励 さ れ て い る。 社 外 や社 内 の. 人的資源管理 全社平均. 1.研 究 開発 と製 品化 が 密接 に 関連 して い る. 2.市 場 や顧 客 の情 報 が頻 繁 に研 究 開発 に伝 え られ る. 3.研 究 者 が リス ク を お か す こ とが奨 励 さ れ て い る. 4.公 式 の プ ロ ジ ェ ク トで は な い, メ ンバ ー 独 自の 研 究(ア ング ラ研 究)が され て い る. 5.チ ー ム単 位 で 仕 事 を して も, 個 人 の貢 献 が正 し く評 価 さ れ て い る.. 研究業績高低 による違 い. 3.4560 2.5629 2.4686. 奨励. 2.4545 2.9843 2.4671. 8.社 外 や 社 内 の 研 究 者 を 呼 ん で の , 情 報 交 換 の 機 会 が 数 多 く設 け られ て い る. 9.他 の 研 究 所 や 学 会 や 大 学 との 研 究 上 の 交 流 が 奨 励 され て い る.. 3.3448. 10.他 の研 究所 や 大学 か らの 第 一 線 研 究 者 の 採 用 が 多 い. 11.こ の研 究所 で は, 予 算 や ス タ ッ フの 使 い 方 につ い て , 研 究 員 の 自由 度 が 高 い. 12.勤 務 時 間管 理 が, 研 究 員 の 自主 的 な判 断 に まか され て い る. 13.研 究 テ ー マ の設 定 は, 研 究 員 個 人 の 関心 や 興 味 を考 慮 して 決 め られ て い る.. 2.1567 3.2382 2.2194 2.8715. 十 十 十 十. 6.研 究 リー ダ ーが メ ンバ ー 間 の 調 整 や問 題 解 決 な ど に割 く時 間 を 少 な くす る努 力 が な され て い る. 7.研 究 プ ロ ジ ェ ク トを くむ 際 に異 質 な人 材 の組 み合 わせ が 重 視 され る.. 3.8934 2.6897. 十. 注 :人 的 資 源 管 理 の実 施 状 況 を5点 尺 度 で 回 答 して も ら った 結 果 に っ い て 分 散 分 析 を行 い, 会 社 別 に有 意 差 が で た項 目 の 中 で, 業 績 が 高 い組 織 で 特 徴 的 に行 わ れ て い た項 目 に 「+」 の印 を, 業 績 が低 い組 織 で 特 徴 的 に行 われ て い た項 目 に 「一」 の 印 を付 け た もの.
(6) 一R&D研. 究 者 の業 績 とHRM. 125. 研 究 者 との情 報 交 換 や研 究 上 の交 流 は, 個 々 の研. 人 の 関心 や興 味 を考 慮 して決 あ られ て い る」 に つ. 究 者 の専 門 に関 わ る知 識 や情 報 量 を増 や す と同 時. い て も, 研 究 業 績 が 高 い 組 織 の方 が 高 くで て い. に, 研 究 能 力 の 向上 に も役 立 っ と考 え られ る。 社. る。 これ らの こ と は, 予 算 や ス タ ッ フ, テ ーマ設. 内外 で の情 報 交 換 や研 究 上 の交 流 を積 極 的 に行 う. 定 に つ い て 研 究 者 に 自 由度 を与 え る と い う こ と. よ う研 究 者 を促 す こ とが, 組 織 の研 究 業 績 向上 に. が, 研 究 業 績 向上 に役 立 って い る こ とを 示 唆 して. 役 立 って い るの で あ ろ う。. い る。. 次 に, 研 究 業 績 が高 い組 織 の方 が, 他 の研 究 所. 時 間 の 自由度 にっ いて は, 研究 者 の 創 造 性 を 促. や 大 学 か ら の第 一 線 研 究 者 の 採 用 が 多 い。 た だ. 進 させ る施 策 と して , 日本 の 各 企 業 と も研 究 組 織. し, 全 体 的 に転 職 経 験 者 は少 な く, 他 の 人 的 資 源. へ の フ レッ ク ス タ イ ムや 裁 量 労 働 の 導 入 にか な り. 管 理 施 策 と比 べ る と, 全体 的 に低 い数 字 を 示 して. 積 極 的 で あ り, 表8か. い るが, 両 者 の比 較 とい う こ とで いえ ば, 研 究 業. 時 間 管 理 が ,研 究 員 の 自主 的 判 断 に まか され て い. 績 が高 い組 織 の方 が, 第一 線 研 究 者 の外 部 か らの. る」 につ いて は, ど ち らの 組 織 にお いて も高 くで. 採 用 が 多 い の で あ る。 ち な み に表9は. て い る。 従 って , 時 間 の 自由 度 に関 して は, 研 究. , 会社 別 の. ら もわ か る とお り, 「勤 務. と. 業 績 が 高 い組 織 に も低 い組 織 に も同 様 に あ る程 度. C社 に は大 き な違 い は見 られ な い もの の, 研 究 業. 導 入 され て い るた め , 両 者 の 違 い とな って 表 れ な. 績 が 高 いA,E社. で 若 干 多 く, 逆 に研 究 業 績 が低. か った の で あ ろ う。 この こ とを 考 え 併 せ る と, 研. で 少 な い こ とが わ か る。 これ らの こ とか. 究 業 績 向 上 の ため に は, 研 究 者 の 自由 裁 量 度 の増. 転 職 経 験 者 の割 合 を示 した もの で あ るが,B社. いD社. ら, 研 究 業 績 が 高 い組 織 の 方 が , 優 秀 な 人 材 獲 得. 大 が 有 効 で あ る と いえ よ う。. に 積 極 的 で あ る とい う こ とが わ か る。 「研 究 プ ロ. 次 に, 「研 究 リー ダ ーが メ ンバ ー 間 の 調 整 や 問. ジ ェ ク トを くむ 際 に異 質 な 人 材 の 組 み 合 わ せ が 重. 題 解 決 な ど に割 く時 間 を少 な くす る努 力 が な され. 視 され る」 にっ いて は両 者 の 間 に差 が み られ な い. て い る」 につ いて は, 逆 に研 究 業 績 が 低 い組 織 の. こ とか ら,異 質 性 の 導 入 が 図 られ て い る と い う よ. 方 に 目立 って 高 くで て い る。これ は,逆 に い え ば,. り も, 優 秀 な 人 材 獲 得 の 方 が 主 な 目的 と考 え られ. 研 究 業 績 が 高 い組 織 の方 が , 研 究 リー ダ ー に対 し. るの で あ る。. て , メ ンバ ー間 の問 題 な ど に取 り組 む こ と を期 待. 組 織 の 研 究 業 績 を 上 げ る た め に は, なん と い っ. して い る と い うこ とで あ る。. て も優 秀 な 研 究 者 を 集 め る こ とが 重 要 で あ る。 日. ま た, リス ク テ イ キ ン グ や ア ン グ ラ研 究 の 奨. 本 の 企 業 にお いて は, 研 究 者 と い え ど もそ の採 用. 励 , 個 人 の貢 献 の評 価 な ど, 研 究 者 の創 造 性 を高. 形 態 は新 卒 一 括 採 用 が ほ とん どで あ り, 今 回 の調. あ るた あ に必 要 で あ ろ う と思 わ れ て い る諸 施 策. 査 で も表9か の5.3%と. らわ か る とお り,転 職 経 験 者 は全 体 非 常 に低 い数 字 を 示 して い る。 しか. は, 研 究 業 績 が 高 い組 織 に お い て特 徴 的 に行 わ れ て い る施 策 で は な い よ うで あ る。. し, 技 術 進 歩 の速 度 が 速 くな る につ れ , す べ て の. で は次 に, 報 酬 制 度 につ い て み て い こ う。 業 績. 研 究 者 を 内 部 で 育 て 上 げて い くこ と は難 し くな っ. を上 げ た研 究 者 に対 す る報 酬 と して, 自分 が所 属. て い る。 そ の際 に は, 外 部 か ら優 秀 な研 究 者 を採. して い る会 社 が 重 視 して い る もの を,13項. 用 して くる こ とが 必 要 に な る ので あ る。. 報 酬 の 中 か ら上 位3つ. 次 に,「この研 究 所 で は,予 算 や ス タ ッフ の使 い. 目の. まで 選 ん で も らっ た。 そ の. 回 答 結 果 につ い て,1位 を3点 ,2位 を2点 ,3位. 方 につ いて , 研 究 員 の 自 由度 が 高 い」 につ い て,. を1点. 研 究 業 績 が 高 い組 織 の方 が , 低 い組 織 よ り も高 く. 分 析 を行 い, 会 社 別 に差 が あ る こ とが確 か め られ. で て い る。ま た,「研 究 テ ー マ の設 定 は,研 究 員 個. た項 目 の 中 で, 業 績 が高 い組 織 で特 徴 的 に重 視 さ. 表9. れ て い る報 酬 に 「+」 の印 を, 業 績 が低 い組 織 で. 転職経験者 の割合 C社. 璽 懺1講. D社. 一一. 6.2%11.0%. と して 点 数 化 した。 そ の結 果 に つ い て分 散. E社. 一 一. 10.3%. 特 徴 的 に重 視 さ れ て い る報 酬 に 「一」 の 印 を付 け 合計 一一 一 5.3. た もの が表10で. あ る。. 表 か らわ か る と お り,「給 与 や賞 与 」 は,研 究 業.
(7) 126. 表10. 会 社 が 重 視 して い る報 酬. 全社平均 1.給 与 や賞 与 2.ボ ー ナ スや 個 人 報 償 金. 1.0395. 3.リ フ レ ッシ ュ休 暇 4.長 期 休 暇. 0.0033 0.oooo. 5.管 理 職 へ の 昇 進 ・昇 格. 1.1151. 6.高 度 専 門 職(フ ェ ロ ー な ど)へ の登 用 7.研 究 テ ー マ の 設 定 や 進 め方 で の 自 由度 増 大 8.研 究 活 動 の 自 由裁 量 度 の増 大 9.研 究 費 の増 加 10.研 究 ス タ ッフ の増 加 11.留 学 等 の 研 究 機 会 の 提 供 12.社 内 の賞 13.特 許 の取 得. 0.1711. 表ll. 研究業績 高低 による違 い. 1.1151. 0.3618 0.1842 0.1151 0.2072. 本 人 が 重 視 して ほ しい報 酬. 全 社平均 1.給 与 や賞 与 2.ボ ー ナ ス や個 人 報 償 金 3.リ フ レ ッシ ュ休 暇. 0.9770. 4.長 期 休 暇 5.管 理 職 へ の昇 進 ・昇 格. 0.0789. 6.高 度 専 門 職(フ ェ ロ ー な ど)へ の 登 用 7.研 究 テ ーマ の 設 定 や 進 め 方 で の 自由 度 増大 8.研 究活 動 の 自由 裁 量度 の 増 大 9.研 究 費 の増 加. 0.3914. 0.3257 1.0888 0.8553 0.3717 0.3914. 12.社 内 の賞 13.特 許 の 取 得. 0.0526. 注 :本 人 が 重 視 して ほ し い報 酬 を 上 位3っ 十. 0.5230 0.0164. まで選. ん で も ら い, そ れ を 点 数 化 した 結 果 につ い て 分 散 分 析 を行 っ た が 会 社別 に有意 差が み ら れ な か った. 0.1447. 注 :会 社 が 重 視 して い る報 酬 を 上 位3っ. 0.1678. 10.研 究 ス タ ッフ の増 加 ll.留 学 等 の研 究 機 会 の提 供. 0.4671 0.7993. 0.7401. まで選 ん. で も らい, そ れ を点 数 化 し た結 果 に つ い て分 散 分 析 を 行 い, 会 社 別 に有 意 差 が で た 項 目 の 中 で, 業 績 が 高 い組 織 で 特 徴 的 に 行 わ れ て い. れ る報 酬 制 度 は と って こな か った。 短 期 的 な報 酬. た項 目 に 「+」 の印 を, 業 績 が 低 い組 織 で 特 徴 的 に 行 わ れ て い た項 目 に 「一」 の 印 を付 け た もの. る い は名 誉 的 な も の が 多 か った と い え る。 従 っ. は む しろ ボ ー ナ ス や社 内 の賞 とい った, 単 発 的 あ て , 相 対 的 に 「給 与 や賞 与 」 の重 要 度 が高 く, そ の分 「社 内 の賞 」 の重 視 度 が 低 い, 研 究 業 績 が 低. 績 が低 い組 織 に特 徴 的 にで て い る。 「給 与 や賞 与 」. い組 織 は, 研 究 業 績 が 高 い組 織 に比 べ , 従 来 と は. は, 「ボ ー ナ ス や個 人 報 償 金 」 や 「管 理 職 へ の昇. 違 った報 酬 制 度 を取 り入 れ て い る と い う こ とが い. 進 ・昇 格 」 と同様 に, 他 の報 酬 と比 べ て全 般 的 に. え よ う。. 高 い ので あ るが ,「給 与 や賞 与 」だ けが ,研 究 業 績 が 低 い組 織 に よ り一 層 高 くで て い る ので あ る。 ま. この他 に, 「研 究 活 動 の 自由 裁 量 度 の 増 大 」 は, 全 般 的 に低 い もの の, 研 究 業 績 が 高 い組 織 と低 い. た , 研 究 業 績 が 高 い組 織 にお いて 特 徴 的 に高 くで. 組 織 の 比 較 と い う点 で は, 低 い組 織 の方 に 目立 っ. て い るの が ,「社 内 の賞 」で あ る。つ ま り,双 方 と. て 高 くで て い る。 業 績 に よ って 研 究 活 動 の 自由 度. もに 「給 与 や賞 与 」 「ボ ー ナ ス や個 人 報 償 金 」 「管. に 差 を つ けな い とい うや り方 は従 来 型 の 人 的 資 源. 理 職 へ の昇 進 ・昇 格 」 を重 視 して い るが, 研 究 業. 管 理 で あ り, この点 で も, 研 究 業績 が低 い組 織 の. 績 が高 い組 織 に お い て は,「給 与 や賞 与 」の重 要 性. 方 が, 従 来 とは違 った報 酬 制 度 を取 り入 れ て い る. が 相 対 的 に低 い分 ,「社 内 の賞 」が重 視 さ れ て い る. と い う こ とが い え る。. と い う こ とが いえ る。 「給 与 や 賞 与 」 と 「社 内 の 準で有意 な. 以 上 み て き た と お り, 報 酬 制 度 につ い て は, 研 究 業 績 が 高 い組 織 よ り も低 い組 織 の方 が , 積 極 的. 逆 相 関 が 見 られ る こ と も, この こ とを 裏 付 けて い. に従 来 と は違 った 制 度 を 取 り入 れ て い る と い う こ. る。. とが いえ る。 これ は, 従 来 型 の報 酬 制度 が 研 究 業. 従 来 の 日本 企 業 に お け る人 的資 源管 理 に お い て は, 業 績 の 差 は 長 期 的 に は昇 進 昇 格 面 で 反 映 さ. 績 に好 影 響 を与 え て い る とい うよ り も, 業 績 が ふ. れ , 結 果 と して 給 与 に 反 映 さ れ る と い う こ と は. 今 ま で とは違 った制 度 を取 り入 れ て い る と考 え ら. あ った が , 短 期 的 に業 績 を 給 与 に大 幅 に反 映 させ. れ る。. 賞 」の間 に,r=一 〇.2191と ,0.1%水. て い くとい った , いわ ば ア メ リカ企 業 に よ く見 ら. るわ な い組 織 の方 が, 危 機 感 に迫 られ, 積 極 的 に. た だ し, 今 後 は研 究 業 績 が 高 い組 織 も, 今 まで.
(8) 一. 一 一R&D研. 表12. と は違 った 報 酬 制 度 を 取 り入 れ て い く必 要 に迫 ら れ るか も知 れ な い。表11は. ,表10と. 同 じ項 目 に. つ い て, 研 究 者 自身 が ど の報 酬 を重 視 して ほ しい と考 え て い るか につ いて 示 した もので あ る。 表 か らわ か る とお り, 従 来 日本 企 業 が あ ま り重 視 して こな か った報 酬 で あ る 「研 究 テ ー マ の設 定 や 進 め 方 で の 自由 度 増 大 」 や 「給 与 や 賞 与 」 につ いて の 研 究 者 の 要 望 は高 く, 研 究 業 績 が 高 い組 織 が 重 視 して い る 「社 内 の賞 」 に対 す る要 望 は低 い。ま た, 表10と. 同 様 に分 散 分 析 を行 った が , ど の項 目 に. っ い て も会社 間 に有 意 な差 は見 られ なか っ た。 っ ま り, どの 会社 に所 属 して い る研 究 者 も同 様 に, 「研 究 テ ー マ の 設 定 や進 あ 方 で の 自 由度 増 大 」 や. 職務 関与 度. 4.5411 4.5190 3.5665 3.7619 3.4430 4.2635 3.9905. 注 :職 務 関 与 度 を5点 尺 度 で 回答 して も ら った 結 果 につ い て 分 散 分 析 を 行 った が , 会 社 別 に有 意 差 が み られ なか った. に対 す る要 望 は低 い の で あ る。. 表13. ①. 127. 1.仕 事 に は興 味 を 持 って い る. 2.今 の 仕 事 を 自分 で い ろ い ろ工 夫 して , 改 善 して い き た い. 3.家 に帰 って か らもや り残 した仕 事 の こ とが 気 に掛 か る. 4.こ の 仕 事 で 発 言 す る機 会 が な い とっ ま らな い. 5.プ ラ イベ ー トな時 間 に も仕 事 に役 立 た せ る ため の勉 強 を して い る. 6.こ れ か らも現 在 の 仕 事 を 続 けて い き た い と思 う. 7.仕 事 場 を 離 れ て も, 今 後 の仕 事 の 進 め 方 につ いて , 自分 な り に考 え る こ とが よ く あ る.. 「給 与 や賞 与 」 に対 す る要 望 が高 く, 「社 内 の 賞 」. 3)行. 究 者 の 業 績 とHRM-. 組織 コ ミ ッ トメ ン ト. 動 成 果 と研 究 業績 職 務 関与 度. 全社平均 一 一 一一 一一 一 一 一 一. 研 究 業 績 を 高 め るた め に は, モ チベ ー シ ョ ンは. 会 社 の た め な ら, 倍働 い て もいい と. 重 要 な 要 因 で あ る と 考 え られ る。Pelz&Andrews(1966)が. 示 す と お り, 業 績 が 高 い 研 究 者. 2.8766. 思 う. ●. 2.9937. 十. 3.5949. 十. 考 え(価 値 観)と ,. は, 自己 の研 究 に対 す る モ チベ ー シ ョ ンが 高 い の. 会社 の経営 方針 と は ,. で あ る。 従 って, 研 究 業 績 が 高 い組 織 と低 い組 織. か な り 似 て い る. だ か ん だ い って も,. を比 較 した場 合, 研 究 業 績 が 高 い組 織 の 方 が 相 対. 会社 を選 んで本 当 か っ た と 思 う.. 的 に モ チ ベ ー シ ョ ンが 高 い と考 え られ る。 今 回 の 調 査 で は, モ チ ベ ー シ ョ ンを 直 接 調 べ る質 問 項 目. 研究業績高低 による違 い. 注 :組 織 コ ミ ッ トメ ン トを5点. 尺 度 で 回 答 して も. らっ た 結 果 に つ い て 分 散 分 析 を 行 い, 会 社 別 に有 意 差 が で た項 目 の 中 で , 業 績 が 高 い 組 識. を用 意 しな か った た め , 本 稿 で は, 職 務 関 与 度 を モ チ ベ ー シ ョンの代 理 指 標 と して 用 い る。 職 務 関. で 特 徴 的 に 出 て い た項 目 に 「+」 の 印 を つ け た もの. 与 度 は, 自分 の職 務 に どれ だ け関 与 して い るか , 夢 中 に な って い るか を 表 現 す る概 念 で あ り(片 柳 1992),. モチ ベ ー シ ョ ンは, 組 織 成 員 の 行 動 の エ. らな い)か. ネ ル ギ ー, 方 向 , 持 続 性 を 説 明 す る概 念 で あ る. の5点. (Campbell. ら5(自. 分 に非 常 に 当 て はま る)ま で. 尺度 に よ り回 答 して も らい , そ の結 果 につ. et al.1970)。 自分 の職 務 に夢 中 で,積. いて 分 散 分 析 を行 っ た と こ ろ, ど の項 目 につ い て. 極 的 に 関 わ って い る研 究 者 は, 自分 の職 務 にお け. も会 社 間 で の有 意 な差 はみ られ なか っ た。 従 って. る 目標 達 成 に 向 けて, 積 極 的 に行 動 を 起 こそ う と. 職 務 関 与 度 につ いて は, 研 究 業 績 が 高 い組 織 と低. し た り, そ の行 動 を 持 続 さ せ よ う とす る エ ネ ル. い組 織 の 間 に有 意 な 差 が 見 られ な い と考 え ら れ. ギ ー が高 い と考 え られ る。 従 って, 職 務 関与 度 が. る。. 高 い研 究 者 は, モ チ ベ ー シ ョン も高 い と推 察 で き るの で あ る。. ②. 会 社 に よ って職 務 関与 度 の 差 が あ るか ど うか を. 組 織 コ ミ ッ トメ ン ト. 次 に 組 織 に対 す る帰 属 意 識 , す な わ ち 組 織 コ. 確 か あ る た あ に , 表12に. 示 した職 務 関 与 度 を表. ミ ッ トメ ン トに つ い て 検 討 して み る。 一 般 的 に. す各 項 目に つ い て,1(自. 分 に ま った く当 て は ま. は, 研 究 者 は一 般 の ホ ワ イ トカ ラ ー と 比 べ て , 組.
(9) 128. 織 に対 す る コ ミ ッ トメ ン トは低 い と いわ れ て い る. 表14. が , 研 究 業 績 が 高 い組 織 と低 い組 織 にお いて そ の. lll. 違 いが 見 られ るの で あ ろ うか 。 組 織 コ ミ ッ トメ ン トを 表 す3項. 目に っ い て,1(自. 分 に ま った く当. て はま らな い)か ら5(自 分 に非 常 に 当 て は ま る) ま で の5点 尺 度 に よ り回答 して も らい, そ の結 果 に つ い て分 散 分 析 を行 い, 会社 別 に 差 が あ る こ と. 徴 的 に高 く出 て い た項 目 に 「+」 の 印 を付 け た も のが 表13で. あ る。 ち な み に , 研 究 業 績 が低 い組. 1.研 究 テー マ の 内 容 2.仕 事 の 量 3.研 究成 果 の評 価 5.昇 進 ・昇 格 の機 会 6.研 究 支 援 体 制 7.研 究 予 算 8.他 部 門 と の連 携 9.研 究 設 備. 表 か らわ か る とお り, 研 究 者 の組 織 コ ミ ッ トメ ン トは,職 務 関 与 度 と比 べ る と低 い。 しか し, 組. 12.他 の 研 究 所 と の交 流 の機会 13.外 部 で の 研 究 発 表. と 「な ん だ か ん だ とい って も, この会 社 を選 ん で 本 当 に良 か った と思 う」 に お い て, 研 究 業 績 が高 い組 織 の方 に高 くで て い る。ま た,「この会 社 の た め な ら,人 一 倍 働 いて もい い と思 う」につ いて は, 組 織 間 に差 が 見 られ な い。 この ことか ら, 研 究 者. 14.能 力 開 発 の 機 会 15.上 司 との 人 間 関 係. 十. 16.同 僚 との人 間 関 係 17.仕 事 の 自由度 18.仕 事 上 の権 限 19.労 働 時 間 20.給 与 ・賞 与 21.福 利 厚 生 22.以 上 の こ と を 含 め た. の 組 織 コ ミ ッ トメ ン トは全 般 的 に あ ま り高 くな い もの の , 研 究 業 績 が 高 い組 織 と低 い組 織 の間 の比. 十. 十 十. 10.研 究 所 の所 在 地 11.研 究 所 の周 辺 環 境. と, この 会 社 の 経 営 方 針 と は, か な り似 て い る」. 十. 4.人 事 考 課. 織 の方 に特 徴 的 に高 くで て い る項 目 は な か った。. 織 間 の 比 較 と い う点 で は, 「私 の 考 え(価 値 観). 研究業績高低 による違 い. 十 十 十 十. が確 か あ られ た項 目 の 中 で, 業 績 が 高 い組 織 に特. 職務 満足. 十. 総 合 的 な満 足 度 注 :職 務 満 足 を5点 尺 度 で 回 答 して も ら った 結 果. 較 と い う点 で は, 両 者 に差 が 見 られ る と い うこ と. に つ い て 分 散 分 析 を 行 い, 会 社 別 に有 意 差 が. が い え る。 た だ し, 組 織 の た め に積 極 的 に働 きた. で た項 目 の 中 で , 業 績 が 高 い 組 織 で 特 徴 的 に 出 て いた 項 目 に 「+」 の 印 を 付 けた もの. い とい う コ ミッ トメ ン トで はな く, 組 織 の 目標 ・ 規 範 ・価 値 観 を受 け入 れ た り, 組 織 に と どま りた. 績 が 高 い組 織 の研 究 者 の 方 が , 低 い 組 織 の 研 究 者. い とい う コ ミッ トメ ン トに お い て差 が 見 られ るの. よ り全 般 的 な職 務 満足 が 高 い とい う こ とが い え よ. で あ る。. う。. ③. 次 に, 具 体 的 な満 足 の要 因 に つ い て で あ るが, 「研 究 成 果 の 評 価 」 と 「昇 進 ・昇 格 の機 会 」が,研. 職務満足. 次 に職 務 満 足 につ い て, 研 究 業 績 が 高 い組 織 と 低 い 組 織 に違 い が 見 られ る か ど うか 検 討 して い. 究 業 績 が 高 い組 織 の方 に高 くで て い る。 これ は,. く。職 務 満 足 を表 す22項. が よ り高 い こ と を示 して い る。. 不 満足)か. ら5(大. 目 につ い て,1(大. い に満 足)ま で の5点. いに. 尺度 に. 研 究 業 績 が 高 い組 織 に お い て処 遇 に関 わ る満 足 度. よ り回答 して も らい, そ の結 果 につ い て分 散 分 析. 「研 究 予 算 」,「他 部 門 との 連 携 」,「研 究 設 備 」お よび 「研 究所 の所 在 地 」 につ いて も, 研 究 業 績 が. を行 い, 会 社 別 に差 が あ る こ とが確 か め られ た項. 高 い組 織 に お い て特 徴 的 に高 くで て い る。 これ ら. 目 の 中 で, 業 績 が高 い組 織 に特 徴 的 に高 く出 て い. は研 究 も し くは研 究 所 の物 的環 境 に つ い て, 研 究. た項 目 に 「+」 の 印 を 付 けた もの が 表14で. 業 績 が高 い組 織 の研 究 者 の方 が よ り満 足 して い る. あ る。. ち なみ に, 研 究 業 績 が 低 い組 織 の方 に特 徴 的 に高. こ とを示 して い る。 研 究 に関 わ る物 的 な環 境 の充. く出 て い る項 目 は なか った。. 実 は, 研 究 業 績 に直 接 的 な影 響 を与 え る と考 え ら. 「以 上 の こ とを 含 あ た 総 合 的 な 満 足 度 」 が研 究 業 績 が 高 い 組 織 に高 くで て い る こ とか ら, 研 究 業. れ る。 最 後 に,「他 の研 究 所 と の交 流 の機 会 」 と 「外 部.
(10) 一R&D研. 表15 A社 回帰係数(t値) 年齢. B社. 職務 関与度. 1.709 (. 組織 コミッ ト メント 職務満足. 2.326)*. (. 0.296. 一 〇.350 (一1.097) 一 〇.276 (一 〇.808). (0.391) 一 〇 .256 (一 〇.481) 一8. 定数. .856. (一2.366)*. D社. E社 全社 係数(t値) 回帰係数(t値). 壷 驫 値)回帰係数(t値)匡. 0.165 5.007)*** 0.872 2.378)*. (. 一3 .272 (一1.623). 129. 職務 関与度 と業績数 の関係. 回 帰 係 数(tイ. 0.149 (1.994). 究 者 の 業 績 とHRM-. (. 0.283. 0.283. 7.122)*** 一 〇 .160. ( 11.975)***. (一 〇.277). 1.891) 一 〇.273. (0.600) 一 〇 .045. (一1.156). (一 〇.134). (0.621). 一7 .062. 一8. 3.738)*** 一 〇 .181. (一 〇.647) 0.484 (. 2.081)* 一9. .357. (一6.135)***. 0.231 ( 16.350)***. 1.051 (. 0.139. (一2.394)*. 6.986)***. 0.537 (. 0.202. 0.222 (. .807. (一6.480)***. 0.804 (. 4.723)*** 一 〇 .167. (一1.129) o.iis (0.871) 一7. .918. (一9.176)***. R. 0.409. 0.229. 0.675. 0.644. 0.562. 調 整 済 みR F値 N. 0.284. 0.195. 0.623. 0.629. 0.535. 0.481. 3.284*. 6.751***. 12.976***. 42.095***. 20.526***. 74.353***. 24. 97. 98. 69. (*p<0.05. 31. 0.488. 319. ***p<0.001). で の 研 究 発 表 」 お よ び 「能 力 開 発 の 機 会 」 で も差. は,E社 で 職 務 満 足 が 有 意 な説 明 力 を 持 って い る. が 見 られ る。 これ は, 研 究 者 と して の 専 門 能 力 を. 他 は, 研 究 業 績 数 に対 して 有 意 な 説 明 力 を 持 た な. 磨 く機 会 に つ い て , 研 究 業 績 が 高 い 組 織 の 研 究 者. い こ とが わ か った 。. の方 が, 低 い組 織 の研 究 者 よ り も満 足 して い る こ とを表 して い る。 研 究 業 績 が 高 い組 織 は, 人 的 資. 以上 の 分 析 か らわ か った こ とを ま とめ る と以 下 の3っ の こ とが い え る。 第1に , 研 究 業 績 が 高 い. 源 管 理 に お い て, 社 内外 で の情 報 交 換 や研 究 交 流. 組 織 の方 が, 専 門能 力 向上 の機 会 に対 す る研 究 者. を促 進 す る施 策 を と って お り, この こ とが, 専 門. の 満足 度 が高 い。 表8か. 能 力 を磨 く機 会 に っ い て の満 足 度 を高 あ て い る と. の方 が, 社 内外 の情 報 交 換 や研 究 交 流 な どの人 的. 考 え られ る。. 資 源 管 理 施 策 を積 極 的 に行 って い る こ とが わ か っ. ら,研 究 業績 が 高 い組 織. て い る。 これ らの施 策 が研 究 者 の専 門能 力 向上 に ④. 行 動 成 果 と研 究 業 績 の関 係. 役 立 って お り, そ の結 果 と して専 門能 力 向上 の た. 各 研 究 者 の行 動 成 果 と研 究 業 績 の関 係 を調 べ る た あ に, 各 研 究 者 の職 務 関 与 度 , 組 織 コ ミ ッ トメ. め の機 会 に対 す る研 究 者 の満 足 度 が高 くな って い. ン ト,職 務 満 足 を 独 立 変 数 , 研 究 業 績 数 を従 属 変 数 とす る回 帰 分 析 を 会 社 別 に行 っ た。 ただ し, 研. 第2に ,組 織 コ ミ ッ トメ ン トお よ び職 務 満 足 に つ いて は, 研 究 業 績 が 高 い組 織 の方 が 高 い。 職 務. 究 業 績 数 は年 齢 の影 響 を 受 け る と考 え られ る の. 満 足 の 要 因 の 中 で は, 処 遇 , 研 究 の物 的 環 境 , 専. で, 年 齢 を コ ン トロ ール 変 数 と して 用 いた 。 そ の. 門 能 力 向 上 の 機 会 につ いて の 満 足 度 が , 研 究 業 績. 結 果 が表15で. が 高 い組 織 の 方 に高 くで て い る。 た だ し, 各 研 究. あ る。. る と考 え られ る ので あ る。. 表 か らわ か る通 り, 研 究 業 績 が高 いA,B, E社 に お い て は, 職 務 関与 度 が高 い研 究 者 ほ ど研 究 業. 者 の組 織 コ ミッ トメ ン トお よ び職 務 満 足 と, 研 究. 績 数 が多 い。 これ に対 して研 究 業 績 が低 い組 織 で. か った。 従 って, 組 織 コ ミッ トメ ン トや職 務 満足. あ るC,D社. の高 さ が, 研 究 業 績 の高 さに好 影 響 を与 え て い る. に お い て は, ど ち ら も研 究 業 績 数 に. 業 績 数 の 間 に は ほ と ん ど有 意 な 関 係 は見 られ な. 対 して 職 務 関 与 度 は有 意 な説 明 力 を持 た な い。 っ. とは考 え に くい。 む しろ これ らの こ とか ら以 下 の. ま り, 職 務 関 与 度 と研 究 業 績 の関 係 は組 織 に よ っ. 2っ の こ とが いえ る。 一 っ は, 組 織 と して の研 究. て 違 いが あ り, 研 究 業 績 が 高 い組 織 の方 が 両 者 の. 業 績 の高 さが , そ の組 織 に所 属 す る研 究 者 全 体 の. 関 係 は強 い と考 え られ る ので あ る。. 処 遇 に好 影 響 を与 え て い る と い う こ とで あ る。 研. ま た組 織 コ ミッ トメ ン トと職 務 満 足 に つ い て. 究 業 績 が 高 い組 織 の方 が 処 遇 面 にお いて 満 足 度 が.
(11) 130. 高 か った の は, この こ との現 れ で あ る。 も う一 っ. 組 織 は, 研 究 業 績 が 高 い組 織 に比 べ て社 内 の賞 の. は, 研 究 業 績 が高 い組 織 に お い て特 徴 的 に行 わ れ. 重 視 度 が低 く, そ の分 「給 与 や賞 与 」, 「研 究 の 自. て い る人 的 資 源 管 理 施 策 が, そ の組 織 に所 属 す る. 由度 増 大 」 に対 す る重 視 度 が高 い の で あ る。 これ. 研 究 者 全 体 の組 織 コ ミッ トメ ン トや満 足 度 に対 し. は, 研 究 業 績 が低 い組 織 が, 危 機 感 に迫 られ, 積. て 好 影 響 を与 えて しこる とい う こ とで あ る。 専 門 能. 極 的 に今 ま で とは違 う報 酬 制 度 を試 み て い る こ と. 力 向 上 の た あ の人 的 資 源 管 理 施 策 を積 極 的 に行 っ. に よ る と考 え られ る。 た だ し, 報 酬 と して の 「給. て い る研 究 業 績 が 高 い組 織 に お いて , 専 門 能 力 向. 与 や 賞 与 」, 「研 究 の 自 由度 増 大 」 に対 す る研 究 者. 上 の 機 会 に対 す る研 究 者 の満 足 度 が 高 い こ と は そ. の要 望 は強 く, 今 後 は研 究 業 績 が 高 い組 織 に お い. の 現 れ で あ ろ う。. て も, 従 来 と は違 っ た報 酬 制 度 を試 み て い く必 要. 第3に , 研 究 業 績 が 低 い組 織 に比 べ て, 研 究 業 績 が 高 い組 織 の 方 が , 各 研 究 者 の 職 務 関 与 度 と研. に迫 られ るか も知 れ な い。. 究 業 績 数 の 間 の 関係 が 強 い 。 そ の 理 由 は, 研 究 者. 第4に , 研 究 業 績 が 高 い組 織 は, 各 研 究 者 の 職 務 関 与 度 を , 研 究 業 績 に 結 び っ け る こ と に成 功 し. の能 力 の差 で は な い か と考 え られ る。 今 回 の調 査. て い る。 研 究 業 績 が 高 い 組 織 と 低 い組 織 の 間 に. で は, 直接 各 研 究 者 の能 力 を 測定 す る こ とは で き. は, 職 務 関 与 度 に つ い て の差 は 見 られ な い もの. な か った が, 研 究 業 績 が高 い組 織 の方 で, 研 究 能. の, 各 研 究 者 の職 務 関与 度 と研 究 業 績 の 関係 は,. 力 向上 の た め の人 的 管 理 施 策 が積 極 的 に行 わ れ て. 研 究 業 績 が 高 い 組 織 の 方 が 強 い の で あ る。 こ れ. い る し, 能 力 向上 の機 会 に対 す る研 究 者 の満 足 度. は,先 述 した とお り,研 究 業 績 が 高 い組 織 の 方 が ,. も高 い。 こ の こ と を考 え る と, 研 究 業 績 が 高 い組. 優 秀 な人 材 の確 保 と い う点 で積 極 的 で あ り, この. 織 の 研 究 者 の方 が , 全 般 的 に研 究 能 力 が 高 い と い. こ とが , 研 究 者 の職 務 関 与 度 と研 究 業 績 の結 びつ. う こ とが 推 察 され る。 研 究 者 の職 務 関 与 度 は, ど. き を強 めて い る と考 え られ る ので あ る。. ち らの 組 織 にお いて も同 様 に高 か っ たが , 研 究 業. 本 稿 は, 製 薬 企 業 のみ を対 象 と して い る た め,. 績 が 高 い組 織 の 研 究 者 の 方 が 研 究 能 力 が 高 い た. 他 の 業 界 に対 す る一 般 性 は保 証 され て い な い。 し. あ, 職 務 に 対 す る高 い 関 与 度 が 研 究 業 績 に結 びつ. か し, 製 薬 企 業 は, 日本 にお け る先 端 技 術 産 業 の 一 っ で あ り, 研 究 部 門 の 業 績 は, 企 業 の経 営 に. きや す か った の で はな い か と考 え られ る。. と って 決 定 的 に 重要 な 問 題 で あ る。 従 って , そ こ 4.結. 論. で 明 らか に され た こ とは, 他 の産 業 に もあ る程度 当 て は ま る と思 わ れ る。 特 に, 各 研 究 者 の能 力 の. こ れ ま で の 分 析 か ら,以 下 の4っ. の こ とが わ. 違 い が組 織 の業 績 に与 え る影 響 や, 研 究 者 の能 力. か っ た。 まず 第1に , 組 織 の研 究 業 績 向上 の た め. 向上 の た め の施 策 は, 他 の産 業 に と って も重 要 な. に は, 優 秀 な人 材 の確 保 が 重 要 で あ る と い うこ と. 問 題 で あ る と考 え られ る の で あ る。. で あ る。 研 究 業 績 が 高 い組 織 は, 優 秀 な人 材 を確 保 す るた め に, 外 部 か らの人 材 の導 入 を図 って い. ま た本 稿 で は, 研 究 者 の能 力 に重 点 が 置 か れ て き た。 しか し, 今 回 の調 査 で は, 研 究 能 力 の直 接. る し, 組 織 内 の研 究 者 に対 して は, 専 門 能 力 向 上. の測 定 は行 わ れ て い な い。 研 究 組 織 の業 績 に対 す. の機 会 を積 極 的 に設 けて い るの で あ る。. る重 要 性 を 考 え れ ば , 今 後 研 究 能 力 を 直 接 測 定 す. 第2に. , 研 究 業 績 向 上 の た め に は,研 究 者 の 自. 由裁 量 度 の増 大 が有 効 で あ る。 時 間 の 自由度 に つ. る方 法 と い う もの を 確立 し, そ の よ うな 測 定 を も とに した分 析 を行 って い く必 要 が あ ろ う。. い て は, 研 究 業 績 が高 い組 織 も低 い組 織 も どち ら も高 くで て お り差 が見 られ な い が, 研 究 テ ー マ の 設 定 や 予 算 ・ス タ ッ フの 使 い方 に お け る 自 由度 は, 研 究 業 績 が 高 い組 織 の方 が 高 い の で あ る。 第3に. ,研 究 業 績 が低 い組 織 は, 従 来 と は違 っ. た 報 酬 を 積 極 的 に採 用 して い る。 研 究 業 績 が 低 い. 注 1)調. 査 の対 象 に は,6社 の製 薬 企 業 が含 ま れ て い る が ,そ の うち1社. の デ ー タに は 開発 が 多 く,現 在. 研 究 部 門 に所 属 して い る研 究 者 の デ ー タ が5件 しか な か った た め, 本 稿 の 研 究 対 象 か ら除 外 し.
(12) 一R&D研. た.. 伊藤. 2)A,B,E社. とC,D社. そ れ ぞ れ の研 究 者 の年 齢 分 布. の コ ル モ ゴ ロ フ ・ ス ミ ル ノ ブ 検 定 に よ るZは 0.852と1.131で. あ り, と もに正 規 分 布 で な い と. い う 帰 無 仮 説 は 棄 却 さ れ て い る.さ 社 とC,D社. る.こ. ら に ,A, B,E. そ れ ぞ れ の 研 究 者 の年 齢 分 布 の 歪 度. は0.259と0.308で _a.900で. ,. あ. り, 尖 度. は 一 〇.257と. あ り, い ず れ も 絶 対 値 で1以. 内 で あ. れ らの こ と と , 両 者 の 平 均 値 に 有 意 な 差 が. み ら れ な い こ と か ら,A,B,E社. とC,D社. の研 究. 者 の年 齢 構 成 に は大 き な違 い が な い と い う こ と が 推 測 さ れ る.. 究 者 の業 績 とHRM-. 実(1992).技 ム.日. 術 革 新 と日本 型研 究 開 発 シス テ. 本 労 働 研 究 雑 誌 ,No.393,9月. 片 柳 敦 子(1992).職. 築.産 業 ・組 織 心 理 学 研 究 , 第6巻 Mathieu, J. E.,&Zajac, D. M.(1990). meta-analysis. of. antecedents,. consequences. of. organizational. Psychological. organizations.. J. P., Dunnette,. M., Lawler,. and Dalton,. effectiveness. G.. W.,. The. four. look. at. (Ed.),. New. stages. of. professional by. issues. in. R.. careers:Anew. professionals. human. Englewood. L.(1982).. resource. In. R.. F. M.(1966j.. John. Wiley. manage-. Cliffs:Prentice-. Hall. 石 田 英 夫(1989).企. Scientists Sons.(兼. 本 放 送 出 版 協 会.. 子. commitment,. turnover. ノournal. 榊 原 清 則(1995).日. among. of Applied. in 宙監. job. P. V.. psychiatric. satistechni-. Psychology,59,603-. 本 企 業 の 研 究 開 発 マ ネ ジ メ ン ト.. 千 倉 書 房. 者 ・ 日 本 の 技 術 者.日. 国の技術. 本 生 産 性 本 部. 究 ・開 発. 技 術 者 の 処 遇 に 関 す る 調 査 報 告.日 本 生 産 性 本 部. 勝 呂 敏 彦(1992).医 薬 品 業 界.教 育 社 新 書. Thompson,. P. H.,&Dalton,. organizations 業 と 人 材.日. and. 生 産 性 上 級 技 術 者 問 題 研 究 委 員 会(1992).研 Katz. and. commitment.. 生 産 性 上 級 技 術 者 問 題 研 究 委 員 会(1991).米. P. H.,&Price,. performance. Career. performance,. York:McGraw-Hill.. Thompson,. ment(pp.129-153).. E. E.,&Weick,. behavior,. correlates,. 訳(1971).創 造 の 行 動 科 学.ダ イ ヤ モ ン ド.) Poter, W., Steers, M., Mowday, R. T.,&Boulian,. faction, and. K.(1970).Managerial. , 第2号 ,3-13. A review and. Bulletin,108,171-194.. Pelz, D. C.,&Andrews,. cians, 609. Campbell,. ,2-12.. 務 関 与 :文 献 展 望 と モ デ ル の 再 構. (1974).Organizational. 参考文 献. 131. view,54,105-116.. obsolete?. G. W.(1976). Havard. Are Business. R&D Re-.
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