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niji keishiki oyobi kakucho niji keishiki riapunofu kansu ni motozuku hisenkei robasuto seigyokei no kosei ni kansuru kenkyu

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   2次形式および拡張2次形式

    リアプノフ関数に基づく

非線形ロバスト制御系の構成に関する研究

1998年2月

(3)
(4)

月 1 . 3 1 ,. j l 4 , 5 4.6 定数線形行列不等式への帰着 状態フィードバック制御‥ 出,カフィードバック制御‥ 数値例‥‥ 目次 第5章結論 付録 線形分数表現に基づく双線形システムに対するロバスト制御 52 聞 64 72 91 95 Λ.]双線形システムの線形分数表現 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 95 A.2 線形分数表現に基づく出力フィードバック制御‥・・・・・・・・・・. 96 参考文献 謝辞 研究業績 101 107 109

第1章

Ξ心ヽ i囲

1.1 はじめに

 実世界に存在するほとんどのシステムは,なんらかの非線形性を含んでいる.非 線形システムの非線形制御に関する理論的研究は活発であるが,その制御理論は実 システムに広く適用されるまでには至っていない.それは,1つには,非線形シス テムに対する卸』御の具体的な構成が一般に難しいからである.また,非線形性をも つ実システムのある近傍での振舞いのみを問題とするときはほとんどの場合,その 線形近似モデルを用いて制御すれば十分であるということがある.  近年,制御対象の線形近似によるモデル化誤差や未知外乱などの不確実要素を考 慮した線形ロバスト制御システムの構成理論の発展はめざましい.さらに,より高 度な匍」御を構成できる数値解法が得られたことから,線形ロバスト部』御は実システ ムに対して多大な成果をあげている.しかし,非線形システムに対して,線形近似 モデルを用いた制御の構成では不十分な場合や,線形近似を行なうことによって問 題の本質を失ってしまうことがある.このようなシステムとして,たとえば,双線 形システムがある,このような非線形システムは,線形近似することなく,非線形 システムとして扱う必要がある.  非線形ロバスト制御システムの構成問題については,微分ゲーム理論の観点から

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6・       第1章序論 与える.さらに,コン?ヽローラの構成法と領域の評価法の関係について考察する.本 章の最後では,ゴム人工筋アクチュエータ匍』御システムの設計例と数値シミュレー ション結果を示す.  第4章は,入力アフィン多項式型非線形システムに対するロバスト制御構成問題を 議論する.本章で扱う非線形システムは,双線形システムを一般化したものとなっ ている.そのシステムに対して,本章では,7,2ゲイン解析,状態フィードバック制 御,出力フィードバック制御の構成を考える.本章ではまず,£2ゲイン解析を通し て,各ロバスト制御構成問題で用いる基本的考え方を示す.それは,まず,状態に 依存した係数行列をもつ2次形式リアプノフ関数である,拡張2次形式リアプノフ 関数の候補を考え,ロバスト制御構成問題に対する条件を状態に依存した線形行列 不等式で書き表す.この条件を満たす解が得られれば,それはリアプノフ関数を与 える.つぎに,そのロバスト制御構成条件を具体的に解く方法を与える.そこでは, 凸計画問題を解くこととなる.具体的には,状態の許容凸領域をあらかじめ設定し, 設定した領域の端点において定数線形行列不等式を解くことによって,状態に依存 した線形行列不等式を解くこととなる.あわせて,あらかじめ設定した許容領域に 基づいて,安定性を保証する領域も与える.この構成法を用いて,本章の以下では ロバスト制御システムの設計問題を考察する.  まず状態フィードパック制御問題を議論する.状態フィードバック制御構成条件 は,7L2ゲイン解析条件とは異なり,行列不等式だけで表すことができないことを示 し,リアプノフ関数を構成するための等式条件を必要とすることを明らかにする. したがって,このままでは凸計画問題に帰着して解を求めることはできない,本考 察では,その等式条件を満たさないが,ある条件を満たす解が得られたならば,そ れは状態フィードバック制御を与えることを示す.また,可変勾配法を用いること によって,ムゲィン解析の手順と同様にして,凸計画問題を解くことによりその具 体的な解が得られることも示す.  つぎに出力フィードバック制御問題を議論する.ここでは,対象システムをさら        1.4 記号      7 に,観測できない状態に関して線形な構造をもつシステムに限定する.ある構造を もつ拡張2次形式リアプノフ関数を用いることによって,出力フィードバック湘」御の 構成条件を,観測できる状態に依存した線形行列不等式として与える.これは,状 態フィードバック制御問題において定数2次形式リアプノフ関数を用いた場合に対 応する.そして,そのときのコントローラが存在するならば,3章の双線形システ ムに対する構成問題に用いた異なる2つのタイプの定数2次形式リアプノフ関数に よって,2つのタイプの出力フィードパックコントローラが存在することを示す.本 章の最後では,連続撹祥化学反応器を例にあげ,各ロバスト制御構成問題に対する 数値例を示す.出力フィードバック制御問題では,3章で示した構成法による結果と 比較する.  5章は結論であり,本論文の内容がまとめられている. 1.4

己号

本論文では,全体を通じてつぎの記号を用いる.

図│

図沁

││対2

瓦 八

7 :n次元ユークリッド空間, :ベクトルzに対するユークリッドノルム │lzll :=v/?7, :行列則こよって重みづけられた,ベクトルzに対するユークリッ ドノルム│lzh==J瓦i, :ベクトルzに対する2乗可積分空間£2のノルム £2,:={zE7L2 ││ホ:=

‖ヤ)││仙 レ㈲│<ρ,∀に[o,(x))} :R゛(”の単位行列, :(文脈から明らかな場合)適当な次元の単位行列,

(8)

8 販xm o 貼 召 司 第1章序論 :R¨’の零行列, :(文脈から明らかな場合)適当な次元の零行列, :ベクトルzのi番めの要素, :ある適当な空間において,原点を含み内部をもつ領域, :正定数の要素をもつベクトル,7EFrlに対する,

集合佃

召..,:7 くI 心 ` ・ − ' J − `│ の、i=1 ‘ ‘  ̄ ` ゝ I ‘ I J         i k 図1.4.1:領域召 n}による領域, 祀 ’匹 −、、。 。 。 J1  ̄Cyl − 1 1 自 . ︱ 自 1 1 1 ● J2 C72 t︲ . ’  ̄Cア2 1 1t1 1 4 図1.4.2:領域痢 ぐ ア 1 J1 F削>O,∀μES:原点を含み内部をもつ領域召⊆Frが存在し,連続微分可能で対         称な行列値関数F(1/):S→R¨"に対する,z7F圈z>0,∀μヨ         B,エ∀zER゛,z≠0, F一石)    :原点を含み内部をもつ領域S⊆R-が存在し,行列値関数P(!/):         Z3→R゛"に対する,1/を固定するごとに与えられる逆行列,

第2章

非線形ロバスト制御問題

 本章では,まず,本論文で扱う非線形システムの特徴を陽に表している入力アフィ ン多項式型非線形システムを示す.つぎに/‘非線形凡jl」御問題"と呼ばれる非線 形ロバスト制御問題を定式化する.その際,本論文で特に意識することとなる・・シ ステムの状態の領域'を考慮した安定性を定義する.最後に,本論文の全体を通じて 用いる非線形瓦Jirj御問題に対するゲーム理論アプローチを示す.

2.1 入力アフィン多項式型非線形システム

 本論文で扱う非線形システムは,一般に,原点に平衡点をもつ入力アフィン多項 式型非線形システム(Σ):          i=ノ1(z)z+SI(z)tz・+瓦(z)u,      (2.1.1)          2=CI(z)z   +D12(z)u,      (2.1.2)          1/ = C2z十7121uJ      (2.1.3) として表すことができる.ただし,zER・・は状態,uER'・は制御入力,tzJER・・ は外部入力,2ER'・は制御量,1/ER≒は観測量である.各係数行列は適当な次元 をもつ行列であり,原点を含み内部をもつ適当な領域召⊆R゛において,つぎの理 由から適当に滑らかである.

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加       第2章非線形ロバスト制御問題  本論文の以下の章では,係数行列の各要素がzの要素に関して多項式となる場合 を扱う.このような行列値関数を‘‘多項式型行列"と呼ぶこととする.このことか ら,非線形システム(Σ)を多項式型非線形システムと呼んでいる.3章では,召(z) のみがjに関して1次の多項式型行列であり,その他の係数行列は定数行列である システム,すなわち双線形システム限,23]を扱い,その構造に注目した制御系の 構成法を示す.4章では,双線形システムを一般化し,係数行列が高次の多項式型 行列になっているシステムを扱う.

2.2 非線形jな制御問題

 本論文では,非線形システム(Σ)に対して,つぎの2つのフィードバック形式 を考える. (1)状態フィードバックシステム:   G=1,D111=0,すなわち!J=Zとするシステム; 〔2〕出力フィードバックシステム:   C2≠0とするシステム.  各フ.ィードバックシステムに対するコントローラ(Γ)として.それぞれつぎの構 造をもつコントローラを考慮する. 田状態フィードバックコントローラ:        tj=瓦(z)z      (2.2.1)   ただし,X(z)は適当に滑らかであるとする; (2)出力フィードバックコントローラ: ぐ U 一 一 一 一 η1(4、以十7?2(4、y)u+η3(ξ、y)y、 咀、以・ (2 (2 2 2 2) 3)        2.2.非線形心釧御間題      jj  ただし,4ER゛であり,り1(4ぶ,η以副,η3(4ぶ,θ(い八は適当に滑らかで  あるとする.さらに,各係数行列η1,η2,η:ljを観測量一こ依存させる場合は,そ  の!バよ外部入力 ・こ依存していないものとする. システム(Σ)とコントローラ(nからなる拡大システム(Σjを Jα =  几尚尚十凡1(ら坤十亀谷。)u  ご= C。(八)八十玩(八押 (2 (2 2 2 4 ) 5 ) と表す.ただし,各係数行列は上記のフィードバック形式に対応してつぎのように なる. 出状態フィードバック形式: Ja 玉 一 一 J (ら) G(帽 ∈ 一 一 一 一 (幻出力フィードノリク形式: F n 庚J) CI岡 一 一 nr7 瓦1(ら) 玩(頑 一 一 一 一

私(礼民2叫)=民国

Du (J) z。=lz7,び17∈r,n=2n。,

丸岡)゜に

3

ご:レ

2η1「

7

凡1(ら)= | G(ら)=G

柄ご)」

'瓦2(ら)ニレダヅプム」

0) 玩(柏=柄府) 注意2.1出力フィードバックコントローラの構造を考える際,各係数行列は外部入 力gに依存しないものとした.その理由は,外部入力uバこ関してアフィンな拡大シ ステム(Σ.)を扱うからである.

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j2       第2章非線形ロバスト制御問題  ;l」御人力7zが存在し,システム(Σ)とコントローラ(F)によって閉ループシス テムが構成できるとき,そのシステムを(Σ,Γ)と表す.ここで,閉ループシステム (Σ,F)に対して,状態の領域を考慮した安定性を定義する.  そのためにまず,リアプノフの定理による漸近安定性と吸収領域をつぎのように 定義するμ昨 定義2.1 tl=0としたシステム(Σ,Γ)において,原点を含み内部をもつ領域Z3⊆F『 が存在し,つぎの条件を満たす連続微分可能な関数F函』:S→Rが存在するもの とする. 巾 開 (3) ド(0) 回ら ド凪 一 一 0 )> 困) 0 , < ∀ら∈召四。≠0 0,∀らc尽ら≠0 このとき,システム〔Σ,Γ〕の平衡点2.=0は,(局所的に)漸近安定であるという. 定義2.2 tzJ=0としたシステム(Σ,Γ)において,原点を含み内部をもつ領域‘D⊆『 が存在し,平衡点z。=0が漸近安定であるときを考える。時刻1=0において,あ る初期状態z。oから出発するシステム(Σ,Γ)の解φぷ;z。o)が,平衡点z。=0に収 束する初期状態の領域 を吸収領域と呼ぶ. 0.0∈7)□→ooのとき,φ。(1;4o)→0}

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M       第2章非線形ロバストお│』御間扁  本論文では,フィードバック形式の決まった非線形システム(Σ)に対して,つぎ の非線形恥厭厭題[4,28]を考える. 非線形瓦丿推]問題[P]  システム(Σ)において.与えられた正定数が=対して,つぎの条件(PI)と(P2)を 満たすコントローラ閲,および条件(P1)の内部安定性を保証する領域nを特徴づ けよ. (P1)原点ら=oを含み内部をもつある領域n⊆R・が存在し,閉ループシステム   (Σ,F)が領域nで内部安定である. (P2)ある正定数ρが存在し,z。(0)=0のとき任意のu,∈12,に対して, である. コントロー ㈹2≦引回し ラ(F) が条件(P1)を満たすとき,条件(P2)は, 列2

ぷこ‰d副h

≦7 (2.2.6) 〔2.2.7〕 と等価である.本論文の以下では,条件(P2)であるノルム条件(2.2.6)を満たす・yを 瓦ゲイン[28]と呼ぶこととする.また,条件(P2)は制御性能に関する条件である ことから,・yを制御指標と呼ぶこともある. 注意2,2非線形煩浦」御問題[P]における安定性に関する条件[P1]は,与えられた 状態の領域nが吸収領域に含まれることをコントローラげ戸こ要求している.した がって,この問題は,準大域的な安定化問題を考えていることになるけ8]・ 2.3、ゲーム理論に基づく解法

2.3 ゲーム理論に基づく解法

拐  本節では,非線形瓦丿膜]問題[PIに対する,ゲーム理論アプローチ131に基づく 形式的な解法について考察する.この節は,本論文の以下の議論に対する基礎を与 える.  非線形瓦JI』御問題[P]を定義する条件(P2)は.(2.2.7)に等価である.この表現 は,最悪の外部入力を想定して,外部入力の削御量への影響を計り,その値を,y以下 に小さくしようというものである.このことから,瓦JII]御問題は,制御入力を一方 のプレーヤが選んだ方策の結果とし,外部入力を他方のプレーヤが選んだ方策の結 果と考えて,利害の対立する2人のプレーヤのゲームの問題と考えることができる.  いま.システム(Σ)のフィードバック形式が決まり,コントローラ(Γ)の構造が 与えられているものとする.ゲーム理論アプローチ[3]によって,定常状態における ハミルトン・ヤコピ不等式 U rnln nlax u(ら)tむ=側ら刈 l (八){ソ。(八)八十凪1(八袖十玖2(ら)づ

刊行一頷岡げ」<o

(2.3.1) ∂U 一 ∂ら を満たす正定解ド(4)を得ることによって,非線形召..制御問題[P]を解くことが できる. このとき,リアプノフの安定論より,ド(ら)は閉ループシステム(Σ,Γ)の 安定性を保証するリアプノフ関数になる.このことはつぎの定理として与えられる. 定理2.1(いま,システム(Σ)のフィードバック形式が決まり,コントローラ(Γ) の構造が与えられているものとする。)  システム(Σ)において,与えられた正定数引こ対して,原点を含み内部をもつ領 域S⊆Fが存在し,任意のz。ES,z。≠0に対して,つぎの3つの条件を満たす 連続微分可能な関数y(z。):S→Rが存在するものとする。     (1) l/(n)=o,      (2.3.2)

(12)

吊 U 、

じげい>0 第2章非線形ロバスト制御問題

言ノ昇二

ご吋Jい。(ら九十越1(ら毎十凡2(ら)づ

十聯こ言岫うくo

(2.3濁 (2.3.n このとき,問題[P]に対するコントローラ(Γ)は,条件〔2.3.1〕を満たす制御人力 。==u=峠帽に基づいて与えられ,閉ループシステム(Σ,Γ)は,領域召に含まれ る殼大の領域 で内部安定である.

m(ら)={ら固(ら)≦aj

証明 条件伴3帽を満たす制御入力4を条件(2,3.1)に代入した不等式を

J

と表す.

一 一 一 一 < − 十 ∂ド (2.3.4) (八)レ。凪)八十瓦1(八畑十瓦2凪)心}十叶││こデ│㈲げ 」 <o(2.3 5 ) ∂X/’

(八)レ。(ら)八十凡面。坤十瓦2(八)≒}十川12−頷側げ」

2 一 一 を得る. + − ∂ド 2.:l.ゲーム理論に基づく解法

レ。(ら八十肌よら矩十坑脂汗ぺ十レ│12−ヅトヅ

t j ぐ

几九九十煩1仄声十凡2(ら川う十隔心ソ

U凪(巾くづず≦o

│回卜六引呂く 1im 右→C幻

U(J。け))み=0 ド12 」 j7 (2.3.6) (2.3.7) (2.3.8)   ■ ∂ら [ ∂ド ∂ら ‖押十ヅ側げ まず,閉ループシステム(Σ,Γ)が,領域n。で内部安定であること(PI)を確認する。 そのために初期状態4(o)をn。にとり,a=oとおくと,(2.3.6)は となる。条件(2.3.2)よりlim,-−F(z。(咄=0であり,limい。。z。m=oとなる(文 献[18]:定理3.1)。したがって,閉ループシステム(Σ,Γ)は領域Ω。で内部安定となる。  つぎにノルム条件(2.2.6)を満たすこと(P2)を示す。 システム(Σ,Γ)の内部安定 性,z,(o)=oに注意すると,十分小さなρに対してzJ)は原点z。=oに収束する (文献133):補題1,文献【321:補題1】。 したがって,(2.M)より,  一般に,非線形ロバスト制御システムの構成問題を解くためには,定理2.1の条件 を満たす,すなわちハミルトン・ヤコビ不等式(2.3.1)を満たしリアプノフ関数とな る解l/(z。)を求めることとなる.この解は,一般には,テイラー級数展開によって 求められている114,17]. しかし,テイラー級数展開によって解を求める際,その展 開次数を任意に決定できず,一般には無限級数展開を必要とする.そこで,適当に その次数を決定し,近似解を得ている.また一般には,制御システムの平衡点近傍 の局所的な解が得られ,解が存在する状態の領域は考慮されていない.したがって, 構成した制御システムがどのような状態の領域において安定性を損なわずに動作す るか明らかではない.そこで,状態の領域を意識することとする. ∂ら  z。Esにおいて,汎関数l/函)を考える.y(z。)を閉ループ系(Σ,Γ)の解軌道に 沿って時間微分し,その式に制御入力u。および(2.3.5)を用いるとバ壬意の外部入 力gE7ふに対してつぎの式を得る。 レ'凪(哨

ご(ら){凡(八)八十瓦1(八加十瓦2(八私y

││ず十柿剛げ

玉い。(ら八十凡1(ら坤十凡2(ら)ら}十図12一回│引2

胆2十竹川2

十三Djら九十凪1(ら匝十凡2(ら)心}十押12−他国12

 乙乙 [ ≦ -│lzll2+y ∂八 州l

(13)

個 第2章非線形ロバスト制御問題  定理2.1における状態の許容領域召,内部安定かつノルム条件(2.2.6)を満たす領 域凪,および吸収領域の関係は,図2.3.1のようになる. / l./ ケ ☆ //    / / 1

ゝ 一 一 - 一 一 │ Ja2 ∼ 一 一 -0 兄 / − 〃 一 一 a a . ヘ ヘ / へ X   1   / 吸収領域 \ \  xy 化(・)<ol    l / Ja1       図2.3.1:状態の領域 状態の領域を意識して定理2.1を解釈すると,それは,状態の許容領域召のなかで, 与えられた条件を満たす解l/(4)を探している.そして,その解び(・.)によって構 成されるコントローラは,領域n。において,閉ループシステムを安定にし,与えら れたノルム条件(2.2刹を保証する.この‘‘状態の領攻'に基づく定理の解釈が,本 論文の以下に示す各ロバスト制御システムの(具体的な)構成法の基礎を与えている.        2.3.ゲーム理論に基づく解法       Jg  本論文の以下で考えるロバスト制御システムの構成問題に対する各定理は,基本 的に,定理2.1と同様にして証明できる,しかし,それらの各定理においても,結果 を詳細に記すために証明を明記する. 注意2.3内部安定かつ句ゲインが・yとなる領域を(2.3.4)で特徴づけた.具体的に は,非線形最適化問題       ゜'≒「:詣げ(゛)       (2.39) を解くことによって,状態の許容領域の大きさを表すa。を得ることができる.この 問題に対して,3章では,数値例を通して考察を行なっている. 注意2.4定理の証明において,外部入力の大きさを表すρを十分小さいとしている。 ここで,その大きさについて考察を行なう。   システムの安定性は,状態を領域n。(a。)から出さない外部入力の大きさに対 して保証される・(2.3.6)に注意すると,初期状態z。(0)=oに対して,ある時刻7で のリアプノフ関数y(z。(咄は,

ド(榴頻くデズ八側り││佃

を満足する.またぺ2.3.4)より,閉ループシステム(Σ,Γ)は ド(ら(ァ))≦ら (2.3.10) (2.3一則 となる外部入力の大きさまで許容できる.したがって,(2.3.10)(2.3,11)より,シス テム(Σ,Γ)は,ある時刻7までに加わった外部入力の大きさとして, まで許容できる.これより

万匝(1)│

仙≦壁

1im 7−CX⊃

│川州2冶≦ 一v/町 7

(14)

即 第2瞰非線形ロバスト制御問題 を満たす外部人力まで許容できることとなる.そのような外部入力として,たとえ ばご(頑)││≦,/司/yr'/2を満たすものがあげられ,これは 半㈲ド 、 / 司   ㎜ ■ ■ ㎜

∀四囲刈

(2.3.12)

第3章

双線形システムに対するロバスト制御

 本章では.入力アフィン多項式型非線形システム(Σ)の特別な場合である,双線 形システムを扱う.双線形システムは,状態と入力のそれぞれに関しては線形であ るが,同時には線形ではない非線形システムであり,非線形システムのなかでおそ らく最も簡単なクラスである.双線形システムの線形近似システムは,しばしば制 御入力をもたないシステムになってしまうことから,線形近似を行なうことによっ て問題の本質が失われやすいシステムである.したがって,双線形システムは線形 近似を行なうことなく扱う必要がある.  双線形システムは,実例の非常に多い非線形システムであり,様々な分野に存在 する.双線形システムに関する研究は,過去30年間に多くの研究者によって様々な 研究が行なわれてきた【22,231. しかし,不確かさを考慮した双線形システムに対す る研究は数少ない.召.状態フィードバック制御問題に対しては,ハミルトン・ヤコ ビ方程式の解をテンソルを用いて形式的に表した結果[61,また解を定数2次形式に 限定して解いた結果137,36,29]がある.特に文献[37,29]では,具体的な応用例へ の適用も試みられている.文献圃]は,有限時間区間での召‰状態フィードバック 制御問題の解法を与えた.有限時間区間での7ら出力フィードバック制御問題に対 しては,文献[27]がある.  本章では,〔無限時間区間での〕双線形システムに対するH。エ出力フィードバック       7 を満足する. したがって,ρの上限として,,/冗/・yが得られる. 注意2.5外部入力UJ=g(Z。,U)は,ハミルトン・ヤ゜ビ不等式(2.3.1)からわかる ように,システムの状態z。および制御入力tj=u(z。)に基づいて決まる。すなわち, ロバスト制御問題において,本来,外部入力tZJはシステムの不破かな部分を表す内 部量である。したがって,注意2.4で論じたように,状態の許容領域の大きさa。およ び制御指標7によって,外部入力uJの大きさが決まることは自然な結果である。

(15)

22      第3章双線形システムに対するロバスト11」御 11」御問題を考える.双線形システムの構造を考慮して,H。,万出力フィードバック制御 システムを構成し,システムが安定となる状態の許容領域の評価法を与える.まず, 線形システムに対する7ね出力フィードバック制御問題をゲーム理論の観点から検 討した文献【38】のアプローチを一般化して,2つのタイプの召こ出力フィードバッ クコントローラを導出する(定理3.1,3.2).導出したコントローラを実際に構成す るためには,システムまたはコントローラの状態変数に依存するリカッチ型行列不 等式を解かなけれぱならないが,直接にこの問題を解くことは容易ではない.そこ で,双線形システムの構造に注目し,状態の許容領域を考慮し,その領域で定数リ カッチ型行列不等式を解くことによって,もとのリカッチ型行列不等式を解くとい う間接的な解法を提案する(設計法3.1,3.2).これらの解法では,入力による非線 形項の影響がいちばん小さくなるときを考慮して,コントローラを構成することと なる.ここでは,さらに,コントローラの構成法と許容領域の評価の関係について 考察する.そして,得られた許容領域に基づき,システムの内部安定性を保証する 領域を定数2次形式リアプノフ関数によ・って与える.本章の最後では,提案した解 法に基づいて,ゴム人工筋アクチュエータ制御システムの設計例の数値シミュレー ション結果を示す.

3.1 定数2次形式リアプノフ関数に基づく手法

人カアフィン多項式型非線形システムの特別な場合として,双線形システム(Σ絹 1 = メ1z十月luJ+召(z)u こ = Cジ +f)12u y = Cジ十四21狛 (3.1 (3.1 (3.1 1) 2) 3) を考える.ただし, 3.1.定数2次形式リアプノフ関数に基づく手法

俳句=凡十レV}

図V}:=Σ

zlりVi,ⅣiER”゛`j =1 n『 である.また,各係数行列はつぎの直交条件を満たしているものとする.

司六白恥」=loパ

柄ぺ可砿」=loパ

双線形システムの性質より,任意のz,uに対して

伊州u=伊財貨

という関係式を満たす行列μ(Aも,j 佃訂} -nu Σ j゛1 馬Åぢ ===1 jWj nJが導かれる.ただし, ER"゛`,j 一 一 1,‥.,n9 (3.1 (3.1 (3.1 (3.1 2j 4) 5) 6) 7) (3.1.8) (3.1.9) と定義する.  双線形システム(Σs)に対して,つぎのような構造をもつjに出力フィードバック コントローラ(Γ3):

4=剛胆十原作十陶(侑

u=θ(胆

(3.1 (3.1 10) 田 を考える.注意(2,1)で述べた通り,このコントローラは観測量がこ関してアフィン な構造になっている.  本章では,非線形瓦JI]御問題【P】の解として,2つのタイプの召..出力フィード バックコントローラを導出する.非線形システムのなかで,おそらく最も簡単なク ラスであると考えられる双線形システム(Σs)に対してでさえ,ハミルトン・ヤコ ビ不等式〔2.3.1〕の解y(z。)を得ることは容易ではない.本章では,解l/凪)の構

(16)

24      第3章双線形システムに対するロバスト制御 造をつぎの2つのタイプの定数2次形式汎関数に限定することによって問題[P]の 解を得ることを考える. 胚ぺ)=柿沢+クレーと)7片1レー胚 いレズ)=yxJ十引(J一万)7ド1レーぐ) (3.1.12) (3.1.13)  これらの解の構造は線形システムの場合と同じものである1381.このことから,双 線形システム〔Σs〕の平衡点匯司=(0圈の近傍における線形モデルに対応する解 胃祠の2次近似として,(3.1.12)あるいは(3.1.13)の構造が導入されたかのよう に思えるかも知れない. しかしながら,双線形システム(3.1.1)の線形近似モデルは しばしば制御入力をもたない無意味なものとなってしまうため,一般にはそのよう な解釈はできない.本章では,双線形項に含まれる状態zを一度不確かなパラメー タとみなし,双線形システム(Σ3)を不破かなパラメータをもつ線形システムとみ なす,そして,線形システムに対する場合[381と同様に,次節で示す定理の証明に おいて平方完成によるアプローチを用いることを考えたものである. 注意3.1コントローラ(Γs)を具体的に構成する際は,状態zを不破かなパラメー タ,すなわちシステムに悪影響を及ぼすパラメータとして扱っていない.このこと については,4.6.3節で考察している.

3.2 出力フィードバック制御

 異なる2つのタイプの解ド≒)の候補を用いて,2つのタイプの∬。出力フィー ドバックコントローラの存在かつ構成条件を,それぞれ,定理3.1と定理3.2に示す。 解ド凪)の構造を          ド(Jズ)=ど寂十ぞ0−昌TP-1(J−0 としたものが定理3.1であり,          ドレ,0=yxJ十クレーと)TT ̄d(J−ぐ) (3.1.12) (3.1.13) 12.出力フィードバック制御 25 としたものが定理3.2である. 定理3.1双綴形システム(Σs)おいて,与えられた正定数?に対して,原点を含み 内部をもつ領域SI⊆R− X R・l・が存在し,任意の匯4)ESI,(Z,心≠〔0,0〕,に対し てつぎの条件を満たすS>Ojコ>Oが存在するものとする. (C11)Eqnl(S,j〔4〕〕:=       S〔j+7 ̄りC沁1〕十(ノ1十7 ̄り)C沁1)7'S        一s(Js(心が(4)−f2Rコμ2刑s+c7'G<o; (3.2.1) (C12)Eqn2(刑:=       JPが+乖P一戸((てC2 −?-2Cμ71μ)十Bμく【】;     (3.2,2) (C13)   びEqnl隅斑4戻    竹2(z−4)り)-1【Eqn2(杓+刑以4)M}7十腿(4)M}戸]j)-1(z−4)<0,(3.2.3) ただし,・(4):=−j77(4)Sぐである.  このとき,問題「P」に対するコントローラ(Γj3)は      1= λz一斑z)が(z)&+7-2jPCμ711+PC缶一Gz) (3.2.4)      u = −BT(z)&      (3.2.5) で与えられ,閉ループシステム(Σji,Γji)は,領域Z31に含まれる最大の超楕円体       nl〔QI〕:={(z,ξ)│び別十・y2{z一心7沢内z−心≦QI}  (3.2.6) で内部安定である. 証明. (z,z)ESIにおいて.汎関数       1/(・4)=j心+・y2J7) ̄1!         (3.2.7)

(17)

涯 を考える. -ヽ , 第3章双線形システムに対するロバスト刎御 こで6=・−J,そしてJは   ー   −    − 7・二 /晦十痢匹)u十-√IP(レブc1ェ十片付(y−c江) l y 従う.(・3.2澗の両辺を解軌道に沿って時間微分し,平方完成を行なうと ド(ゴ + − 川州))=づ㈲2十竹川12 抄十が谷)脂十ヅ(雄ヱト雄治)印-≒│12

言tむ一匹C2けーや辿一0−組P九│げ

(3.2.8)    十jEqnl(S,召(z))z+yf7JP ̄1[Eqn2(F)十月2(z)M}7十佃(z)M}F?一脳    -yll(jO)一個幻)7F ̄‰│12      降2.9) となる.ただし,!(・):=-が(!)叙である.ここで,右辺の5,6項めに(3.2.3)を. 3項めに〔3.2.5〕を用いると,         靫zm4(哨<-│lzll2+yll網12−yllu一一12    〔3.2.1o〕 となる.ただし,        !z=£)μ72(?一2PS・│−!)+糾り-1!       (3.2,11) である.  まず,閉ループシステム(Σs,Γji)が領域nlで内部安定であること(P1)を確認す る.そのために初期状態(z(0),Z(0))をΩ1にとり,uJ=0とおくと,(3.2.10)は       1/は(04(り)くー│lzll2 − ylkll2 ≦o      (3.2.12) となる.(3.2.7)よりlim,−j/(・困,!(咽=Oであり,1imi__!(幻=0,1im,-−!(り= 0となる(文献[181:定理3.1].したがって,閉ループシステム(Σj7,r5)は領域n1で 内部安定となる.  つぎに,ノルム条件(2.2.6)を満たすこと(P2)を示す.閉ループシステム(Σs,Γs) の領域nlでの内部安定性,(z(0),・(O))=(0,0),およびuJE12μこ注意すると,十 分小さないこ対してlimト、。 3.2.出力フィードバック餓御 ド(頑) 題1). したがって,(3.2.10)よ を得る ││岨 引)) 27 一 一 oとなる(文献田1:補題1,文献【32】:補

辻川jくつ2半一対

j≦o (3.2.13)   ■ 定理3.2双線形システム(Σjョ)において,与えられた正定数徊こ対して,原点を含 み内部をもつ領域S2⊆R・・XFr・が存在し,任意の(zj)ES2,(z,4)≠(0,0)に対 してつぎの条件を満たすX>0,7>0が存在するものとする. (C21)Eqn3(Xβ(幻):=      xj4十ぶX−X(斑z頂7(z)−fりjl」17r〕X十邨CI<0; 〔C22〕Eq心7、斑頑:=      7石4+?-りj1S7割7+(j4+7一切1砥X)T          -7(clc2−1 ̄孔uj(邱r(z)x)7十扁砥<o; (C23)    z7Eqn3(X、S(z))z     吋2(z−4)行-1[Eqn4匡S(籾十7'{&(と)M}7+仔(4)M}7]T帽z     十│田7(z)xz− j7a)xn2−│田7(z)x(z一之)│12くo、 ただし、&(4):=−が(4)xξである.  このとき、問題EPIに対するコントローラ(Γs)は        1=剋一斑i)が(幻χi+7-2slsfxi十7・司'(1/−Gi)        7j=一j∃i7(i)xi (3.2.14) (3.2.15) ぐ) (3 2 16) (3.2.17) (3.2.18) で与えられ,閉ループシステム(Σjョ,Γ3)は,領域S2に含まれる最大の超楕円体 馬㈱):ニ{レズ}│戸XJ十ぞ{J−0ヤー1け一〇≦a2} (3.2.19)

(18)

28 で内部安定である. 第3章双線形システムに対するロバスト制御 証明 匯幻∈瓦にお`・`て,汎関数       びはj)=ヱ7'xz+7り77 ̄la を考える. = ハ e で こ こ z−i,そしてiは         ふ=七十石け)u十ツー紹I柳僕i十八万(y一Cジ) に従うバ3,2.20)の両辺を解軌道に沿って時間微分し,平方完成を行なうと      び(ヤ)AO)=づ岡げ十デ│岡12       十佃+炉'(ヰむ十ぞ(召(利一石(i))7T-1&│12       −回向一柄吊y ̄2XJ十T ̄1&)十詞栄頌12 +z +T

7Eqn3(旱越川J

≒ヤ川Eqn4爪越J))十万仲川訂}7十仲け)訂狸匹一陛

│田川r)x岬一回│吊レト万(和)惶一陛‖2 (3.2.20) (3.2.21) 〔3.2.22〕 となる.ただし,以z):=−jF(z)xzである. ここで,右辺の3項めに(3.2.18)を 用い,

        

槙Jト煩和=伊yv}−{hv}=掃帽

        俯V径け)=仔け)訂}J

という関係に注意しバ3.2.16)を用いると

        臼頑)謹困)くづ圖げ十竹川12−yllリー剣2

となる,ただし,

      仙=Bでい ̄2X・十八リト摺言行

(3 (3 2 2 川 川 (3.2.25) (3.2.26)        3.2.出力フィードバック制御       2g である.  まず,閉ループシステム(Σji,lj)が領域n2で内部安定であること(PI)を確認す る,そのために初期状態(J(0μ(0))をn2にとり,1jJ=0とおくと,(3.2.25)は        胴禎),則)く一説2一六剣2≦o    (3.2.27) となる・(3.2・剔よりlim,。,胴z(りj(1))=0であり,limi一一禎)=0,lim,-。。 印)=0となる(文献(181:定理3.1)。 したがって,閉ループシステム(Σji,Γs)は領 域n2で内部安定となる。  つぎに,ノルム条件(2.2,6)を満たすこと(P2)を示す。閉ループシステム(Σs,rs) の領域哨での内部安定性,(z(0)j(〔〕))=(0,0),およびtzJE£2,に注意すると, 十分小さなρに対してlim,-→。。び(z(り,抑))=0となる(文献[33]:補題1,文献1321〕: 補題1)。 したがって,(3.2.25)より を得る. ││刈卜言列回く一碩㈲一絹lj≦o (3.2.28)   ■ 注意3.2定理3.1において,条件(C川(C12)はコントローラ(rs)を決定するため に用いられ.条件(C13)は閉ループシステム(Σs,Γ司が内部安定となる領域を評価 するために用いられる.同様に定理3.2においては,条件(C21)(C22)がコントロー ラ(r司を決定するために用いられ,条件(C23)は閉ループシステム(Σs,Γs)が内部 安定となる領域を評価するために用いられる.なお,(cn)(C12)および(C21)(c22) は,線形システムに対する瓦.制御問題における2本のリカッチ型行列不等式に対 応する[7,38]・ 注意3.3定理3.2は,文献[16]の定理3.1において,y岡=z7xz.Q(z一心= 72(z−ξ)77-1(zぺ)とした結果に対応する.文献[16]には,本章の定理3.1に対応 する結果はない.ここでは,線形システムに対する刄JII』御問題における結果【7,381 のように,異なる2つのタイプのコントローラを与えている.

(19)

屈      第3拿双線形システムに対するロバスト制御 注意3.4定理:1.1の条件(C13)は,閉ループシステムの内部安定性を保証する領域 をできるだけ広く評価するために用いられる.原点の近傍における局所的な議論(た とえば,文献【161】ではぺC13)の状態に関する高次項は不等式(3.2.2)の“すきま" に含まれてしまうため(CI3)は不要となる.  また,定理3.2で与えた条件は文献[16]の結果をシステム(Σjに適用して得ら れる条件に対応しているが(注意3.3),(C23)が成立することを要求している点が 異なる.これは,閉ループシステムの内部安定性を保証する領域をできるだけ広く 評価するために用いられる.文献【16】のような原点の近傍における局所的な議論で は,(C23)の状態に関する高次項は不等式(3.2.15)の“すきむに含まれてしまうた め(C剔は不要となる,なお文献[16]では,内部安定性を保証する領域の評価につ いては議論されていない.

3.3 定数リカッチ型行列不等式への帰着

 3.2節では,与えられた問題IPIの解である出力フィードバックコントローラ(Γ司 を得るための十分条件として,2つの定理を示した.どちらの定理においてもコン トローラ(Γa)を得るためには,システムの状態・,またはコントローラの状態4に 依存するリカッチ型行列不等式を解かなければならない.本節では状態z,または4 の許容領域を考えることにより,定数リカッチ型行列不等式を解くことによってコ ントローラ(Γjを得るアルゴリズムを提案する.なお,閉ループシステムの内部安 定性を保証する領域Ω1およびn2もこのアルゴリズムの中で与えられる.定理3.1, 3.2に対応する設計法として,それぞれつぎの設計法3.1,3.2を与える. 設計法3.1 Stepl.  原点を含み内部をもつ領域即⊆R"'を定め,任意聊∈叩に対して,       瓦a7≦B(4)が(む 3.3.定数りカッチ型行列不等式への帰着 旧 を満たす行列β、およびつぎの定数リカッチ型行列方程式を満たすS>()、F> 0、AI>0、A2>0をみつける. Eqni(尽 ー+△1=0、  Eqnj刑十△2=0. このとき、得られすこS、Pによってコントロー Step2. ラ(rs)を決定する. (3.3 (3.3 0 2 )       Ω1={〔zば〕│び別十y(z−4)7F-1(z−4)≦QI}⊂s1  (3.3.3) となるQIをみつける. このときnlは閉ループシステム(Σs,Γ司の内部安定性を保 証する領域である.ただし,領域 sl :=(R゛xsjl)nz312 は,領域Ω1を含む許容領域であり, 召12 ={≠0トダ[ざ吊(と)フド(い−BB7)夕十八よ   サ‰一万)印-1[?往(と)訂}7十往(万)訂摺一心2]P-1け一万)<0}(3.3.4) である.なお(3,3.4)は,(3.2.3)に(3.2.1)(3.2.2)(3.3.1)(3.3.2)を代入することによっ て導かれる. 設計法3.2 Stepl.  原点を含み内部をもつ領域司1⊆R゛を定め,任意の・∈司1に対して,

鵜犀

≦胆石B争)≦瓦祀

を満たす行列瓦,j。およびつぎの定数リカッチ型行列方程式を満たすx>O,T>

o,ム1ンo,瓦ンoをみつける。

(20)

む 第3皐双線形システムに封するロバスト制御 Eqn3(X、j、)十∠XI=0. Eq悩'/'、瓦)十八2=0. このとき,得られたxj1によってコントロー Step2. ラ(ら 〕を決定する. (3.3 (3.3 5) 6)       馬={(ヱ工│ノこむ十ヅ{J一汗1ドヅー0≦a2}⊂瓦  (3.3.7) となるa2をみつける.このときn2は閉ループシステム(Σ8,ら)の内部安定性を保 証する領域である.ただし,領域 馬:=(尽 は,領域n2を含む許容領域であり, s22 :={(zj)│ −J ・y‰−4) yxR゛)∩召22

勺X(粧J)が谷)一カダ)X十八1ン

勺(札付

坦勾炉㈲))X(J一万) 十デレーと)ヤー1[T径(ぐ)訂}7十縁(ぐ)訂祥一Å2げ-1レーぐ)

刊が(頑XJ−が(OXぐ│げづ│が(J)X{J一祚目くO}

(3.3.8) である.なお(3.3.8)は,(3.2.16)に(3.2.14)(3.2.15)(3.3.5)(3.3.6)を代入することに よって導かれる. 注意3.5設計法3.1,3.2の基本的な考え方は,状態z,または4の許容領域を考慮 し.j:,がこ関する非線形項を定数項で評価することによって,zjに依存するリカッチ 型行列不等式を定数リカッチ型行列不等式におきかえて解くというものである.し たがって,Jjに関する非線形項をどのように評価するかという問題が重要である.  たとえば.設計法3.1の(3.3.1)に関して,リカッチ型行列不等式Eqnl(S,S(4))<0 の解Sは,もし任意の4ER哨こ対して,旦12「≦B(むが(○を満たすjが存在す れば.E一ぶ;J7(む)≦Eqnl(S, ーとなり,Eqnl(S,旦)く0の解Sを求めればよい        3.3.定数リカッチ型行列不等式への帰着       羽 ことになる.ただしここで.RR7を小さくすると解をみつけることが難しくなり, BBTを大きくとると許容領域がせまくなってしまう〔図3.3.1〕.  このように,許容領域の評価と定数リカッチ型行列不等式の解法においてはトレー ドオフを考える必要がある. 注意3.6設計法3.]ではコントローラの状態4の領域を,設計法3.2ではシステムの 状態zの領域を設定する.その際,設計法3.1では非線形項を下から抑えればよい のに対し,設計法3.2では上下から抑えなければならない.

斑0が旧

坦j)が(j) T & 皿7 ぐ 1)設計法3.1       2)設計法3.2  図3.3.1:各設計法における双線形項と許容傾城の関係 扁が ぶ 注意3.7各設計法のStep2では,それぞれ,つぎの非線形最適化問題を解くことと なる.

設計法3.1:  ゜1詣ぷ‰jびs4+ぞ(゛

設計法3`2:  ゜2yJJ‰回x・十7‰

0ひ ̄1(ヱー川 0俘-1け一列 3.4節では,数値例を通して,設計法3.1におけるStep2の具体的な方法について説 明する.

(21)

3.4 数値例

第3位双線形システムに対するロバスト制御  本節では,ゴム人工筋アクチュエータを桔抗させた1リンクアーム(図3.4.1)を 双線形モデルとしてとらえ,提案した設計法によって関節角∂を制御する非線形コン トローラを構成する.そして,数値シミュレーションによって,提案した構成法の 有効性を検証する. 3.4.1 ゴム人工筋アクチュエータの双線形モデル  回3圭1に示すようにゴム人工筋アクチュエータを人間の筋肉と同様,二本一組 で使用し,それぞれのアクチュエータ内の内圧を制御することによって互いの差を つくり,その差を回転力に変換して利用することを考える. 図3.4.1:ゴム人工筋アクチュエータの双線形モデル ∂  筋骨格システムの力学的性質から,筋収縮特性は双線形システムになることが知 られてい剣30], さらに,ゴム人工筋アクチュエータによる筋骨格システムと双線 形モデルの関係についても報告されている【34】.そこで,ゴム人工筋アクチュエー タを双線形システムとしてモデル化すると,図3.4.1のような一対のゴム人工筋アク 訓.数値例 チュエータからなる前腕の水平回転運動を表す状態方程式は        陥 となる.ただし、ら、u、  一  一  一  一 メ1 p, 1 q5 1Q5 1  1 爪子,十(/ぢ+うレV副+う云Vμ柚 らら 馬,こい ,・M= 1 士0 00 ﹂ 私 Oだ 01な 1  j r︲︲7  茜 篤1, M2 はつぎの通りである.

 O

= 一/ p 」 OI I o]

心づ

l ら=L1 0」 0 0 & わ 」 あ 医1.1) (:3.4.2) ここで1∂は関節角度、り、t4はそれぞれ屈筋、伸筋の収縮力、7は前腕の慣性モーメ ント,rは関節節の半径,k,bは定数である.本論文ではシミュレーション結果を示 すため,以下では,7/r=0.03,た=0.2,6=0.05として数値計算を行な到311・ 3.4.2 制御システムの設計 一般化プラントの作成  図3.4.1に示す1リンクアームの関節角∂を制御することを考える.その際, (SI)参照モデルの出力信号rに関節角∂が追従する. (S2)プ゜セスノイズg2が制御入力uに及ぼす影響を抑制する. という設計仕様を考慮し,一般化プラント

レ]

y 一 一 一 一 一 一

| |

越0

−ぐ

−1

10

に回

瓦2ら r『 ぷ切

OI I I

0 似 Λy     U 01−J   む  ?1 00 10 1 1 十ぷt, うー 001 十10 0 1卜む (3.4.3) (3.4.4) (3,4,5)

(22)

拓 を作成した〔図3.4.2〕. 1 1 . 1 1 W21 程 ` 3 M, 第:い庫双線形システムに対するロバスト制御 ly/い

二」

、回ら 1 − S

 /十 瓦2 十  / 十゛十`ト   -- +゛ θ

図3.4.2:ゴム人工筋アクチュエータ制御システムに対する一般化プラント ≒ ご2 y ただし,各行列は適当な次元をもつ.また,参照モデルM(s)は        M(j)=一駝−=工         (3.4.6)       S+恥 S+1 であり‥W(.s)の状態変数をらとする.なお,設計仕様に対する参照モデルルf〔j〕 は実│祭問題を反映させたものではない.また,直交条件を成立させるために外部入 力,1,3を加えている.しかし本問題では,外部入力g3を考慮する必要がないため,外 部入力。J3がコントローラの設計に大きな影響を与えないように,ゲイン瓦=10を 挿入した. コントローラの設計と安定領域の評価  3.3節の設計法3.1を用いて,コントローラの設計を行なう.なお以下の数値計 算では,制御システムの解析・設計に用いることができるソフトウェア:MATLAB (SIMULINK/ Optimization Toolbox/ LXITooL[12Dを使用した.

Stepl.   匪4朔より 1 侑0 :l.4.数値例

yo

‰0 ] 1 00 7 1 J (3.4.7) であることから. コントローラの状態(41ゐ紡(【-loo、1ool 、ト1ooレ1ooDに対し てmaxい(捌4)が(4))、minJ(尽むが(4))をプロットすると.っぎのようになる. ︷ ︷ i ざ ︵ 亙 ロ 石 一 名 h 1 0 0 辺 −1 ひ ○ − 1 0 Q 1 0 0 1 0 5   0   J ︷ 管 亜 一 乙 Q ︸ i i E −10 1 0 0 M I 図3.4,3: maxい肺固炉浪)) X 1 2 − I O 0 。 1 0 0 1 0 0 X 11 図3.4.4: minφ(斑ξ)j7(4)) 図3.4.3,図3.4.4から想像できるように,任意の4ER3に対して となることより 000 ﹄ 槙O)ダ(O) 000   り乙 O220   り乙  り乙 とすると,大域的(即=R3) が成立する. ≦煩ぐ)が浪) 」 =瓦どく煩o)ダ(0)

 瓦ごく煩0が巾

(3.4.8) (3.4冽 (3.no)

(23)

38      第3孝双線形システムに対するロバスト制御  制御指標づj=0.8のとき,リカッチ型行列方程式(3.3副(3.3淘の解 ら ’ A 一 一 一 一 一  ].()S28 0.「1208 -0.97144  0,11208  0.01,5301 −0.097308 1.6254 0.4681() ().46810 0.61939 -0.97M4 0.(1973〔〕8 0.87464 1.375? 0.29732 I.3757 0.29732 1.3460 が得られた.このときのAI,A2はつぎの通りである. AI 一 一 15.484 1.5564 -13.938 1.5564 −13.938 0.17616 −1.3817 −1.3817 12.565 函 一 一 | 」 4.1990 2.5775 2.5775 1.8709 1.8071 0.79585 1.8071 0.79585 1.7787 (3.4.11) これより,コントローラ(Γa)が決定できた. Step2.  内部安定性を保証する領域nl(al)は,拘束条件つきの非線形最適化問題を解く ことによって与えられる. ここではSI=(R3XR3)nS12となり,QIの値およびそ の下限は,それぞれ,召1の境界∂S1,およびZ31に含まれる超球尽の境界∂刄上で の最適化 99.F〔z、4〕≦a1=。りヨ け、りり町 匡りC∂馬 1/(z,ξ) (3.4.12) によって与えられる.ただし,F(z,4)=Fst+?(z一心7戸一心−4)である. ソ フトウェア;MATLABのOptimizationToolbox を用いて, 4.0057×10 ̄゜くa1 一 一 1.1177 を得た.しかしながら,今回使用したOptimization Toolbox による右辺の最適化は 局所的な解にとどまっている可能性もある.その場合,1.1177はalの1つの上限と なる.なお,超球刄の半径は1.0であったが,alの下限の値がこのような小さな値 になった理由は.S,Pの固有値の大きさに1∼105程度のばらつきがあるためである. 3.4.数値例 Q・1=1.1177 QI=4.0057×10-5 図3.4.5:内部安定領域 卯 シミュレーション結果  設計したコントローラの有効性を確かめるために,参照モデルヘのつぎの2種類 の入力哨,およびプロセスノイズuJ2の有無に対するシミュレーションを行なった.        RI: uJ1=1(0≦1≦8) )       R2: uJI=sin(0.57rl)(0≦1≦8)       D1: uJ2=0       D2: uJ2=−0.3(1.5引≦8) 上記からなる4つの組合せCase1(R1十D1)、Case2(R1十D2)、Case3(R2十DI Case4(R2十D2)に対するシミュレーション結果を図3.4.6-3.4.9に示す. Case1、Case3に対する結果より、参照モデルの出力信号rに関節角∂が追従してい ることがわかる.したがって,設計仕様(S1)が満たされている.また,Case2,Case4 に対する結果より,プロセスノイズu2が加わった際に,その影響を抑制するように コントローラが動作していることがわかる.したがって,設計仕様(S2)が満たされ ている.以上より,与えられた設計仕様を満たすコントローラが設計できることよ り,本章で提案した設計法の有効性が確認できる.

(24)

一 一 祁 1 . 2 1 Q e l a p n M 4 a J 0 4 1 0 2 1 Q j 1   − s     g     s a     a     a     9 p q l u 6 g J o j Q ロ 2 3 - 一 一 j 一 4 t l m e -5 1)関節角(θ) 3   4 t l m e S 1)関節角(∂) 6 6 7 7 − a a Q . 1 5 1 Ci O 0 5 1     O g j o b U g Q t 1 -o.o51 -0 1 - 0 , 1 5 j 0 2 5 「 4Q﹂﹄Q o判 o,同 0 1    S bu93jl 則 J岬 -0 1 n ○ i  2  3   ,1ユ. 1)追従誤差(zl 2 1 4 1 1 r 狗  5  S =r−∂) 5 S

1)追従誤差け1=r→)

訓.数値例 7 8 e p q 4 a j G0251  Q 0 2 α O i 5   り 0 1 0 0 0 5     0 - 0.0 0 5 − 0 0 1 - 0 0 1 5   − a 0 2 - 0 0 2 5 a 図3.4.8: Case3 7 8 O Q 3 ¶ o O 2 ㎝  0 01  02 鰐6    9  9 9   lpnl!u6aJ 0 図3.4.9: Case4 ¶ 2 3 4  5 g       ¶・1● 2)制御入力(司 1 3  4 111 S

2)制御入力㈱

G 7 7 羽 a ● 第3低双線形システムに対するロバスト制御 | 0 1 0 0 8 Q 0 6 0 0 4 0 0 2   0 - 0 0 2 - ○ 0 4 - 0 0 6 - 0 0 8   J . 1 ○ 図3.4.6: Case1 | 0.1 0 0 8 − 0 6   叫   g 0   0   0 o Q s 詞 08   J J 4 4 − a l 1 2 3  4 ¶ l g S S

2)制御入力㈲

6 ○ 図3.4.7: Case2 2  3  a  S  s 幻制御入力㈲ 7 7 8 ●

(25)

42      第:l章双線形システムに対するロバスト制御  また,どのような外乱に対してコントローラが許容できるか調べるために,適当 な時間区間に,参照入力よりもかなり大きな一定値外乱を加えたときの結果を示す. 加わった外乱7jJ2のエネルギー(図では,面積に相当する)が大きくなるにつれて, 関節角∂が増加していくことがわかる.このように,ある程度大きな外乱に対して も,設計したコントローラは,閉ループシステムの安定性を保つために動作してい ることが確認できる. 9 1 8   7 6           ! S   4   3   j l l 2 1 叫 ○ S 10  1s  2a      ¶ 1)関節角(θ) 2 5 0 . 1 5   0 1 0.S   O J O 5   - C . 1 - a 1 5   - 0 2 - 1 、 2 5 91 0   7 6 1 jQ石 3 2 O I 0 3 0 0 図3.4.10: Case5 5   ¶0  1S  2a        ¶ 2)制御入力㈲ 2 5 3 0 ] j Φ £ 引 oj 0 5 la  ¶5  2a      l 1)関節角(∂)  ¶0  ?  20 1)関節角〔∂〕 2 5 3.4.数値例 0 2 0 1 5 0 1 0 0 5 − Q SI - C I - 0 1 S − Q 2 J 2 S 3 0 ○ 図3.4.11: Casea 2 5 3 0 0 4 0 3 0 2 0 1   0 - 心 . 1 4 2 - Q 3 4 4 一 心 5 図3.4.12: Case7 5   10  15  29        t 2)制御人力㈲ 2) la  ¶S  2a      ¶ 11』御入力㈲ 2 5 2 6 招 3 0 卸

(26)

判 第3位双線形システムに対するロバスト制御

第4

多項式型非線形システムに対するロバ

スト制御

 本章では,係数行列の各要素が観測できる状態に関して多項式になっている入力 アフィン多項式型非線形システムに対するロバスト制御の構成法を考える.このシ ステムは,前章で考察した双線形システムを一般化したものであると考えられる.こ のシステムに対して,句ゲイン解析,および瓦丿犬態フィードバック制御,Hα,万出力 フィードバック制御の構成を考える.そこでは,状態の許容領域をあらかじめ設定 し,その領域の任意の状態を考慮したロバスト制御システムの構成法を与える.導 出するコントローラは,許容領域における任意の状態を考慮した構造をもっている. システムの安定性を保証する領域は,あらかじめ設定した許容領域に基づき,状態 に依存した係数行列をもつ2次形式リアプノフ関数である,拡張2次形式リアプノ フ関数によって与える.  本章ではまず,£2ゲイン解析を通して,以下の各ロバスト制御構成問題で用いる 基本的な考え方を示す.それはまず,拡張2次形式リアプノフ関数の候補を考え,与 えられたロバスト制御システムの構成問題に対する条件を状態に依存した線形行列 不等式で書き表す(定理4.1).この条件を満たす解が得られれば,それはリアプノ フ関数を与える.つぎに,その条件を具体的に解く方法を与える.そこでは,凸計 画問題を解くこととなる.具体的には,状態の許容凸領域をあらかじめ設定し,設

(27)

461        第・1章多項式型非線形システムに対するロバスト希│」御 定した領域の端点において定数線形行列不等式を解くことによって,状態に依存し た不等式を解くこととなる(定理4.3,4,4).あわせて,あらかじめ設定した許容領 域に基づいて,安定性を保証する領域も与える.この構成法を用いて,本章の以下 では,ロバスト制御システムの設計問題を考察する.  まず状態フィードバック制御問題を議論する.状態フィードバック制御構成条件 は,烏ゲイン解析条件とは異なり,不等式条件だけで表すことができないことを示 し,リアプノフ関数を構成するための等式条件を必要とすることを明らかにする(定 理4.5).したがって,このままでは凸計画問題に帰着して解を求めることはできな い.本考察では,その等式条件を満たさないが,ある条件を満たす解が得られたな らば,それは状態フィードバック制御を与えることを示す.また,可変勾配法を用 いることによって,ji2ゲイン解析の手順と同様にして,凸計画問題を解くことによ りその具体的な解が得られることも示す.  つぎに出力フィードバック制御問題を議論する.ここでは,対象システムをさら に,観測できない状態に関して線形な構造をもつシステムに限定する.ある構造を もつ拡張2次形式リアプノフ関数を用いることによって,出力フィードパック制御 の構成条件を,観測できる状態に依存した線形行列不等式として与える.この条件 は,状態フィードバック制御問題において定数2次形式リアプノフ関数を用いた場 合に対応する.そして,そのときのコントローラが存在するならば,3章の双線形シ ステムに対する構成問題に用いた異なる2つのタイプの定数2次形式リアプノフ関 数によって,2つのタイプの出力フィードバックコントローラが存在することを示 す(定理4.6,4.7).本章の最後では,連続撹神化学反応器を例にあげ,各ロバスト 制御構成問題に対する数値例を示す.出力フィードバック制御問題では,3章で示し た構成法による結果と比較する. 4.1.拡張2次形式リアプノフ関数に基づく手法

4.1 拡張2次形式リアプノフ関数に基づく手法

本章では,観測できる状態に関する多項式型非線形システム(ΣΓ) ふ=/IG/)J十凧(が袖十鴉(い馬 こ=C面)J    十仙石)u が = Cジ (t1 (4.1 (4.1 47 1 ) 2 ) 3 )

を考える.ただし,原点を含み内部をもつ適当な領域S⊆R"・が存在し,任意の

1/ESに対して,つぎの直交条件を満たしているものとする.

煩圃=

ス(めC雨/)=o

砿(め柄ぬ)>o

(4.1 (4.1 4) 5) また.行列/1(銘仙(銘仙(銘C1(峠JR-1(1/)は多項式型行列であるとする.  本章の以下では,状態フィードバックと出力フィードバックの2つの場合を考え る.行列Gは,各フィードバック形式によってつぎのように与えられる. (1)状態フィードパックシステム   C2=7,すなわち!j=z; (2)出力フィードバックシステム   C2=[7,0],nl<n,・  各フィードバックシステムに対して,2章で定義したコントローラ(司を考える (以下では,コンドーラ(ΓJ・)と呼ぶ)と,ハミルトン・ヤコビ不等式の解y(z。)を 得ることによって,問題【P】を解くこととなる.  本章では,l/(z。)の構造を,状態に依存した係数行列をもつ2次形式である,拡 張2次形式zひ(4)4という形に限定する.すなわち,拡張2次形式リアプノフ関 数を用いる.この構造はシステム(Σ.)の構造と適合するように選ばれたために, 線形2次形式制御問題の結果を自然に拡張した結果が得られる.このとき得られる

(28)

羽        第4章多項式型非線形システムに対するロバスト11」御 状態に依存したリカッチ型行列不等式は,線形システムに対する場合と同様の手順 151を用いて.状郵こ依存した線形行列不等式に書き換えることができる.このこと によって具体的に,?凪),すなわち解F凪)を得ることができる.したがって,コ ントローラ(r司を具体的に構成できる. 注意4.1文献[24,20,211は,ハミルトン・ヤコビ不等式(2.3.1)において∂1/(2.)/∂z。 =2紅X凪)とおくことによって,状態4に依存したX(扁に関するリカッチ型不 等式,または線形行列不等式を導びいている。これらの方法では,しかしながら,た とえ割z。〕を求めることができてもリアプノフ関数y(z。)が得られるとは眼らない。

4.2 稲ゲイン解析

 まず,£2ゲイン解析を通して,各ロバスト制御構成問題で用いる基本的な考え方 を示す。  ここでは,記号の繁雑さを防ぐため,システム(Σ司とコントローラ(Γ・)からな る閉ループシステムを,非線形システム(Σ。,): i=/1(z)z+S(z畑・ 2=C[司z十Z](z)uJ (4.2 (4.2 1) 2) と記述する.ただし,行列冽z),j(z),CO).D(z)は適当な次元をもち,zに関する 多項式型行列であるとする.(なお,以下の章で与えるコントローラ(Γ・)は必ずし も多項式型ではないため,システム(Σp)が多項式型であっても,閉ループシステ ム(Σ.)は,多項式型とはならない.)  以下では,烏ゲイン解析を通して,ハ 不等式 ` Q ルトン・ヤコビ不等式(2.3.1)に対応する  rnax tむ=副J) ドレ J)D(j)J十煩J)六十│圖12−デ││剛2」<O (4.2.3)        4.2.句ゲイン解析      邦 の正定解ド(頑=ドバJ)Jの存在条件が状態に依存する線形行列不等式条件として 与えられることを示す.そして,その解か凸計画問題を考えることによって具体的 に得られることを示す.  このシステムに対する句ゲイン解析は,つぎの定理を用いて行なうことができる. 定理4.1システム(Σjにおいて,与えられた正定数・yに対して,原点を含む領域 司⊆R゛が存在し,任意のzE司,zμ】に対して,つぎの条件を満たすF(刮が存 在するものとする. 川 P(J)>0 (2) ただし,

X(利札札4㈹十が(札ぴ(?(札Z)X(利札Z頌(j)び(J)

が岡X7(F(司詞

   C(祠

xげ(礼ヱ):=フニ)(J)十い将帥J −フリ p(J)

毎「巾」

が(J)  -7 である.このとき,システム(ΣJは,領域司に含まれる最大の領域

隔(≒):=レ│ジPけ)J≦ら}

で内部安定でかつ,ノルム条件(2.2.6)を満たす. 証明JE司において,汎関数       いけ):=ジや(J)J を考える.ドレ)を解軌道に洽って時間微分し,匯2湖より導かれる[5]          馬(拘:こつ与−nT(禎D(ヱ)>0,∀JE司 (4.2.4) <(). (4,2.5) 汗2.6) (4.2.7) (4,2.8)

(29)

切 第4章多項式型非線形システムに対するロバスト梢御 を用いて,平方完成を行なうと 1/'( 府巾 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 を得 i7'/でz)z十;:r7 171j°(刮ヱ十ヱフ' z7jp叫押子z7 i7μけ)J+JT £7?(勾ぶ+jT

i7レ(z)十1[

F( ヱ) Σ lこ1 Σ 1=1 l ぶ十 碍コ ー ∂石 凹 面 ︱

好 一 ∂J1 十J7 ぷyv 一 ‖ず +ぷ 7[ 十C几r)C(J)卜 J呼( (z珀 ) け) G巾 司z z十z

(Z)ZI●● G巾

レ(z)十U・

+ぶ 好 一 ∂ら 卵 TP(・)i り(司i (・)J Jlj

」 J1 Jn J十

J 」 十z7

ドバ

肝 J戸 昂巾 (4.2.9) W-4.2.£,ゲイン解析  まず,システム(Σぶが領域叫で内部安定であること〔PI〕を確認する.そのた めに初期状態j(0)を叫にとり,ilJ二〇とおくと,(4.2一則は

ド(ヤ))<づずづ帽ふ巾)≦o

(4.2・田 となる・(4.2.4)(4j.8)(4.2・川よりlims。。y(z(哨=0であり,lim,-。z(1)=0と なる(文献118):定理3,1),したがって,システム(Σぶは領域隋,で内部安定となる。  つぎに,ノルム条件(2.2.6)を満たすこと(P2)を示す。システム(Σjの領域叫 での内部安定性,z(0)=0,およびuJE」ILJこ注意すると,十分ノ』ヽさなρに対して lim,−J/(z(1))=oとなる(文献[33]:補題1,文献【32】:補題1)。したがって,(4.2.1o) より を得る.

││刈卜六網lj<-│同一司│砿(。)≦o

げ2j2)   ■  定理4.1は,線形システムに対する結果を自然に拡張したものであることがわかる. 文献[21]の£2ゲイン解析に関する定理2.2は,玖z)>0のかわりにX(j)(z),z)>0 を要求し,また先に注意4.1でも述べたように,リアプノフ関数を直接構成する方 法を与えない.一方,定理4.1では,F(z)を得ることができれば,リアプノフ関数 z7F(z)zが与えられる.さらにつぎの補題より,条件X(7)(z),z)>0は捌z)>0 より保守的な条件になっていることがわかる. 補題4.1原点を含む領域司⊆R゛が存在し,任意のzES;,z≠0に対して, X(政z)渕>0ならば.P(z)>Oとなる. 証明 X(F(z)詞>0より,2kzl`X(F(h),h)z>0,∀zE司,z≠0,∀1∈(0,11を 得る.定義(4.2.6)を用いると,つぎの不等式を得る. る O <   一   一

「12hTX(P(h),h)J

ズ‰爪れ剛八[普

(h)h■■・  そ (h)む│卜 ョ ∂孔 (ヱ)J 好 一 ∂ら (z徊●■■ 卯 一 心1

7印岡湖2十z7X(F(z),z)i

∂ら

十他国12づ匠一白│礼(。)

v(μ(礼社4(癩十が岡ダヤ侑う岡

十(割バヰJ頌(J)十びけ頌(和司‰)吊7け)X7げヤ)ダ)十が㈲)C(J))

を得る。ただし,         W。:ニ 鰐1け)(が(牡び(μ(礼七十フバ(J)C(J)坤 であるバ4.2.5)より・(4,2.5)にSchur complement[5け用いて得られる式を(4.2.9) に代人すると       亡(頑))く一││ず十代│則げ一匹一白│足9)    (4.2.1o)

(30)

第4章多項式型非線形システムに対するロバスト帽御   71   J ん FOL I y   = ダ  ーー 一 一 J Γ Υ d 一 計

哲む押十む7ブ]三

ドリ(む)白面

7jはμ、∀2ES;、J≠0

4.3 定数線形行列不等式への帰着

ド  定理4.1の解F(刮は,凸計画問題を考えることによって,具体的に得ることがで きることを示す.  まず,定理4.1の条件を満たす解P(司を,r次多項式型行列八(礼r=0,1,‥.で 得ることとすると,&〔z〕によって導かれるX(八岡岡も多項式型になることを示 し.各行列の係数行列の関係を示す.このとき,システム(Σ詞が多項式型であるこ とに注意すると,定理4.1の条件も多項式型になる.その多項式型の行列不等式条件 は,求めるべき解の係数行列に関してアフィンになっている.これより,状態の許 容凸領域を設定し,その領域の端点において定数線形行列不等式を解くことによっ て解を得ることができる.  まず,つぎの記号を定義する. 定義4.1 L.ある正の整数n,非負の整数たが存在し,n個の中から重複を許して1個と  るときの組合せを, と定義する. n斤目==、十だ_1G= 叫十ん一川 州n一汗 汪3癩 W・−-2.zERMこ対して, ぶ J J 囲:.1, 田:.z (だ) :エ 4.3、定数線形行列不等式への帰着 lぺ ht ̄42‘‘・ りjE.4!  JたI 1  ぶ 聡2 11十£2十‥・十沁=1、たlj2、…j。≧0 を定義する. たa  J  ぷ たれ

3.つぎの2つの行列値関数八(絃割八(z)、z):57→R−・を定義する.

ハけ):=Σ

nHk Σ り x&y“F\  £ 1=Oi=1 r=0、1、2 η(rけ)) 1J、パ x(ハ(社司 := ハ(司十1 Σン たzo r=Oj、2、‥. 仔刄_ Σ こ1 一一1) y;Jjべ(j^-%・ j°  (4.:l.2)  (4.3.3) R・馬,  (4.3.4) (4.3,5) (4.3.6) ただし.添字,7(汐))は,z㈲のi番めの要素に含まれる,zの要素を表すH固の 番号を辞書配列の順番に並べた数字列を表す.ここで,1=Oのときjり〔 ー〕)=0 とする‘また・八(ぞー%は'与えられたゐ゜1・2・‥‘・゛j ' 1・2・…・J71に対 して,

μj 扁ぞ-1)】、 」 ∀μ 妁戸 η ER'1,∀zノER゛ (4.3.7) を満たす行列であり・ち(,(ぞ-1・),j〕・j=1,…,削つまり,八(?0が与えら れると自然に導かれる. ここで,添字θ(η(ボ ̄1))j)は,η〔zP ̄1〕)が表す数字 列とjが表す数字を合わせて,1個の数字を辞書配列の順に並べた数字列を表 す.なお,1・=0のとき,(4.3.6)の右辺第2項は零とする.

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