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sugaku kyoiku ni okeru sugakuteki katsudo ni yoru gakushu katei no kosei ni kansuru kenkyu : hyogen sekai no saikosei katei to kansu no suijun ni yoru Freudenthal sugakukaron no kakucho

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Academic year: 2021

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1 2012年9月25日 博士学位論文審査概要要旨 申請者 礒田 正美 (筑波大学人間系准教授/ 教育開発国際協力研究センター所属) 論文題目 数学教育における数学的活動による学習過程の構成に関する研究 ―表現世界の再構成過程と関数の水準による Freudenthal数学化論の拡張― 申請学位 博士(教育学) 審査委員 主査 渡邊 公夫 早稲田大学教育・総合科学学術院教授 理学博士 筑波大学 副査 小林 和夫 早稲田大学教育・総合科学学術院教授 理学博士 早稲田大学 副査 鈴木 晋一 早稲田大名誉教授 理学博士 早稲田大学 副査 宮崎 樹夫 信州大学教育学部教授 博士(教育学)筑波大学 1.本論文の目的・方法 本論文の主題は、数学教育上の主要な目標「活動を通して数学を学ぶ」の実現にある。 教室では、この目標に対して様々な教材研究がなされ実践される。そこでの問題は、何 をもって活動を通して数学を学ぶことを実現していると言えるのかにある。その問題意 識から、本論文は、「活動を通して数学を学べるようにする際に、そこで実現されるで あろう学習過程が、真に数学を活動を通して学べる過程であると判断する際の基準を示 すこと、そして、その基準を教材開発の原理として指針にしつつ特定内容に係る教材研 究を進め、その特定内容を活動を通して学べる学習過程が実際に構成できたかを確認で きるようにすること」を目的に取り組んだものでる。この目的において、なすべきこと は教材研究に適用できるように数学的活動とは何かを規定することである。 実際には数学教育研究において、数学的活動の意味内容は多様である。特に、中学校 学習指導要領解説数学編(1999)では「数学の学習」の整理がなされ、その一つとして、 再構成としての数学的活動が示されている。本論文では、その再構成に対する用語とし て、世界的に広く知られ、また数々の研究に影響したFreudenthal, H.(1905-1990)の 数学化に限定して数学的活動を研究したものである。その目的実現のために次の課題と 方法が設定された。 課題1.本論文の目的を実現する上で、Freudenthal の数学化に準拠することが妥当で あること、その目的を実現するために、教材研究で広く適用しえるような判断 基準としてそれを拡張的に定式化することが第1の課題である。 方法1. 文献研究として世界の数学教育界に広く影響したFreudenthalの数学化論と

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2 それに関連する諸研究を参照する。具体的には、彼の言説の中で、彼の「数学 化」にかかる記述それ自体、彼の言説を根拠にした研究、彼が根拠にしたvan Hieleの研究、そして彼が批判した研究をふまえ、彼の数学化を定式化する。 ここで定式化された基準は、実際には、本論文が目的とする「数学化過程を構成する」 ことを具体的な教材で実現しようとした場合には不明瞭である。そこでその詳細を知る ために、本論文では次の課題2を設定し、数学化とみなされる学校数学、数学史上の数 学内容・過程を分析する研究方法を設定している。 課題2.数学化の過程の内容を明瞭にするために、表現世界の再構成過程として数学化 過程を定式化する。 方法2.課題1で定式化した数学化は、水準の設定を前提に再組織化を繰り返す過程で ある。その再組織化としての数学化過程で実際になすべき内容の詳細を特定す べく数学化と認められる学校数学教材を、表現を視点に分析し、その詳細過程 として、表現世界の再構成過程を導出する。そして、その過程が、広く数学史 上、学校数学上の数学化の過程の詳細を説明すること、そこでの学習課題を特 定する上で役立つことを指摘する。 ここで定式化された表現世界の再構成過程は、課題1で得た数学化の過程の詳細を記す。 課題1、2で得た結果が、数学化と言えるか否かを判断する基準である。次に実際にそ の教材を示し、例証することが課題となる。一つの課題は、大局的に数学化が繰り返さ れる様相を表す水準の設定である。もう一つの課題は、その水準を前提としつつも、個 別内容で具体的にいかなる数学化が進むかを話題にする場合である。そのために関数領 域、特に微分積分学の基本定理をその内容として採用した。 課題3. 水準設定の方法を明らかにし、事例として関数領域を選び、関数の水準が設 定し得ることを指摘するとともに、その意義を明らかにする。 方法3. 課題1で示した枠組みによって水準設定の方法を確認し、関数の水準を導入 し、小学校から高等学校に至る関数領域における子どもの思考の発展様相を記 述する。特に課題2で得られた、表現世界の再構成過程をもとにその様相の詳 細が記すことができることを確認する。 課題4. 課題 1、2 の考察から、数学化と言えるかを判断する基準としての「数学化 過程の構成原理」を定め、関数領域で進む再帰的な数学化過程において、特に 微分積分学の基本定理を中核に数学化の過程が構成できたことを例証する。 方法4. 課題1、2で示した枠組みより教材研究の指針を定める構成原理が導かれる。 その構成原理を指針に微分積分への指導課題を検討し、その課題の中での一つ の注目点として微分積分学の基本定理の考えに焦点化する。基本定理の考えの 指導を計画し、実施し、「数学化過程の構成原理」によって、特定内容の数学 化が実現しえることを示す。 本論文は Freudenthal の議論の中でも、特に彼の数学化論と関連諸説を取り上げる。

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3 その意味で副題は「Freudenthal数学化論」とされている。特に、課題1、2は、それ を拡張的に定式化し基準を定めるものであり、課題3、課題4はその基準に対応した教 材開発原理において教材研究を実際に行うものである。 2.本論文の構成 上述の課題と方法は本論文の各章に対応している。 序章 第1章.数学化の規定 第1節.本論文における活動観 第2節.数学化が求められる背景 第3節.数学化に対する諸説とFreudenthalの数学化 第4節.数学化の規定とそのための水準要件 第5節.数学化規定の妥当性と適用上の課題 第2章.表現世界の再構成過程としての数学化 第1節.適用課題に対する表現の記述枠組みの設定 第2節.表現世界の再構成過程と数学化の過程 第3節.表現世界の再構成からみた歴史上の数学化 第4節.表現世界の再構成過程からみた数学化の学習課題 第3章.学校数学における関数の水準 第1節.学校数学における水準の設定方法 第2節 学校数学における関数の水準 第3節 表現世界の再構成過程からみた関数の水準 第4節 学校数学における水準の機能と関数の水準の意義 第4章 微分積分への数学化としての学習過程の構成 第1節 数学化過程の構成原理 第2節.微分積分への数学化課題と基本定理の考え 第3節 困難校における微分積分学の基本定理への数学化 第4節 表現世界の再構成過程からみた基本定理への数学化 終章 3.結果と総括 (1) 各章の結果 各章の結果は、次のようにまとめられる。

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4 第1章では、課題1 に対応して、Freudenthalの数学化が定式化され、第 2章で別 に提出する表現世界の再構成過程の必要が示された。本論文では数学的活動に係る諸説 の中で、Freudenthalの数学化を採用する。まず、その根拠となる活動観を話題にする 第1節では、本論文が求める活動観を、数学教育において活動を解説する際に広く採用 される構成主義を前提に定めた。第2 節では、New Math時代において、構造的・形 式的な数学を活動的に教える立場に対して彼が反対する立場として数学化を提起した ことが指摘された。第3 節では、数学化に対する諸説とFreudenthal の数学化の関係 を述べた。特に彼の後継者が生きる世界の再構成を求める彼の主張を採用していないこ とに、彼が不満だったことを指摘した。第4節では、「数学化の過程」とそのための「水 準要件」を、彼の記述「経験の蓄積を対象として、数学的方法により組織すること」(数 学化の規定)に準拠して定めた。 <数学化の過程> I.数学化の対象:下位水準の数学的方法で組織する活動 下位水準の言語ないし表現とその関係網として経験が蓄積する。 II.数学化: 蓄積された経験は、新しい数学的方法によって再組織化される。下 位水準の活動に潜む操作材ないし活動を組織した数学的方法を、教 材ないし対象にして新しい数学的方法によって組織するより反省 的な活動が進む。 III.数学化の結果(新たな数学化の対象):高位水準の数学的方法で組織する活動 高位水準の言語ないし表現とその関係網として経験が蓄積する。 <数学化の前提としての水準要件> 要件1.水準に固有な方法がある。 要件2.水準に固有な言語ないし表現とその関係網がある。 要件3.水準間には通訳困難な内容がある。 要件4.水準間には方法の対象化の関係がある。

Freudenthalはvan Hieleの思考水準を典型として、水準を記述した。特にvan Hiele が、思考水準を、言語水準として性格づけ、論証をめざす幾何において定めたのに対し て、Freudenthalの水準は、水準に応じて表現内容が繰り返し再組織化される「組織化 原理」に注目して記述されていることも指摘された。下位水準からの数学の発展性は多 様にあるが、論証というように高位水準を定めるとそれに至る水準が検討しえることも 指摘された。第5節では、彼の言う再組織化としての数学化が中学校学習指導要領解説 数学編(1999)でも示されていること、第1節で述べた構成主義の活動観に照らして数学

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教育 わし が指 表す 定す 第 構成過 きる れた。 世界 細を示 を適用 議論 のD 間の 節の 詳細 化の 学上でも妥 いことを指 す内容を具 こと、水準 る必要があ 2章は、課題 過程が導入 世界」とし 。第2節で の再構成過 示すことが 用して得ら 可能な、数学 escartesに 立場の相違 考察により を記すため 学習課題を 妥当であるこ 指摘した。そ 具体的に表す 要件の一つ ることを指 題2に対し 入され、数学 て表象した では、「分割数 過程が導出さ 確認された れた。第3 学化の過程 による「幾何 違が、表現世 、表現世界 に使えるこ 示すことを ことから、彼 そして、彼の すこと、彼が である「方 指摘した。 て、数学化過 学化の学習課 水準と数学 数の数学化 れた。そし た。第2節で 節では、表 の詳細を記 何の代数化」 世界の再構成 界の再構成過 ことが示され を示すための <表現世 5 の数学化を の数学化を教 がこだわった 方法の対象化 過程の詳細 課題が示され 学化を説明す 」事例を、 して、表現世 では、表現世 表現世界の再 記すモデルで が例示され 成過程におい 過程は、表現 れた。第4節 の事例分析が 世界の再構成 根拠にする 教材において た「生きる世 化」などが具 細を記述する れた。第1節 するために、 表現の記述 世界の再構成 世界の再構成 再構成過程を であることを れた。そこで いて区別でき 現の記述枠組 節では、表現 がなされた。 成過程> ことが本論 て具体化する 世界」として 具体的に何を 枠組みとし 節では、Freu 表現の記述 述枠組みによ 成過程が、数 成過程は、表 を、表現の記 を確認するた では歴史的に きることが確 組み抜きで、 現世界の再構 論文において るには、「水 ての水準が何 をすることか して表現世界 udenthalが 述枠組みが設 より分析し、 数学化の過程 表現の記述枠 記述枠組み抜 ために、数学 に存在した数 確認された。 数学化の過 構成過程が、 てふさ 水準」 何かを かを特 界の再 が「生 設定さ 表現 程の詳 枠組み 抜きで 学史上 数学者 第3 過程の 数学

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第 行過程 同様 van H 域、他 によ 第2 水準 の水 準は 層化 第 3 述べ が示 よっ され とし 性が また 対す 第 その例 言語水 の水 織化 3章では、 程としての にその系統 Hieleの思考 他内容で水 る発達)との 節では、歴史 としての関 準が第1章 、微分積分 するもので 節では、実 た学習課題 された。こ て多層化し た。第4節 て位置付け 、意図した カリキュラ る関数の適 4章では、 例証として 水準として 準を前提に される内容 課題3に対 数学化の過 統が変動して 考水準は、論 準を設定す の対比」、「一 史的に教育 関数の水準を 章で示した水 を目標とす である。 実際の子ども 題を基準に、各 の記述によ した上で、表現 では、関数の ることにあ たカリキュラ ムの達成を 適用が指導課 課題4に対 て、微分積分 の関数の水 にすれば、比 容(組織化原理 対して、幾何 過程が表現世 てきた関数領 論証をめざす する方法とし 一般化された 課程の系統 を、この3つ 水準要件を満 る学校数学 < もの反応を、 各水準と水準 り、小学校 現世界の再構 の水準設定 あることが指 ラムを構想す を評価する際 課題となるこ 対して、数学 分学の基本定 水準は、大局 比例や運動、 理)が記述で 6 何以外の領域 世界の再構成 領域の場合で す幾何領域 して「系統発 た水準記述か 統が変動して つの水準設定 満たすことが 学で話題にし 関数の水準 表現世界の 準移行期に 校から高等学 構成過程と の意義が関 指摘された。 すする際に、 際に役立つこ ことも指摘さ 学化過程の構 定理への指導 局的な水準間 微分積分学 き、個別の 域へ水準が拡 成過程によっ で例証された 域において存 発生(数学史) からの類推」 てきた関数領 定方法に依拠 が確認された しえる関数領 準> の再構成過程 における二つ 学校に至る長 してより詳 関数に係る教 具体的には そしてカリ ことを指摘し された。 構成を実現す 導において数 間の相違を表 学の基本定理 数学化過程 拡張可能であ って説明しえ た。Freuden 存在した。第 との対比」、 があること 領域が取り上 拠して解説し た。ここで設 領域を対象に 程における第 つの層として 長期的な学習 詳細に記述し 教育内容を再 は、その再組 リキュラムを した。そこで する教材研究 数学化の過程 表象する。そ 理の考えなど 程を具体的に あること、そ えることが、 nthalが参照 第1節では、 「個体発生 とが確認され 上げられた。 し、あわせて 設定した関数 に、その系統 第 2 章第4 て記述できる 習過程を、水 し得ることが 再組織化する 組織化による を実施する では、現実事 究指針が示 程が構成され その大局的な ど、繰り返し に見出すこと その移 、幾何 照した 他領 生(学習 れた。 言語 て関数 数の水 統を階 4 節で ること 水準に が例証 る系統 る階層 際に、 事象に され、 れた。 な関数 し再組 とがで

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7 きる。第4章は、それを困難校の場合において微分積分学の基本定理への指導として例 証した。第 1節では、第 1 章、第 2章で拡張的に定式化した数学化にかかる諸基準を を、数学化過程の構成原理として定式化された。 <数学化過程の構成原理> 原理1.数学化を進める活動とは、生存可能性を追求する活動である。 原理2.数学化とは、数学的方法による再組織化を進めることである。 原理3.数学化の過程とは、表現世界の再構成過程である。 原理4.再組織化としての数学化の系統は、水準設定によって再帰的に系統付けら れる。 原理5.数学化における学習課題は、表現世界の再構成過程の4様相である この構成原理が、本論文の目的の後半でいう教材開発の原理に該当する。その原理が実 際に機能することを例証する必要がある。第2節では、その構成原理を指針に、微分積 分への数学化教材開発の様々な可能性があること、その中で特に微分積分学の基本定理 への指導が注目されることが指摘された。特に微分積分学の基本定理は、中学校段階の 生徒でも扱えるような次の矢線表示により微分に通じる「変化の変化」、積分に通じる 「変化の累積」それをあわせて「基本定理の考え」として表象された。 そして、微分積分学の基本定理の考えに対応する内容として水準毎に次のような内容が あることが示された。 変化の変化 変化の累積 Δh Δt

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関数 第 第 第 第 第3 かっ 準と こと らし 特に構 を評価 され 数の水準 1水準 2水準 3水準 4水準 節では、そ た困難校生 しての第4 を示す事例 て評価する 構成原理の 価した。そ た。 日常語:事 ジェットコ る。 算数:数量 折れ線グラ 離が得られ 代数及び幾 反比例や2 微分積分: 与えられた の指導事例 生徒に対する 水準への移 例である。そ 必要がある 中でも、表 の結果、こ 事象を数量で コースターで 量を関係で考 ラフで傾きが れることは、 幾何:関係を 2次関数のグ 関数を導関 たグラフから として、既存 る補充指導と 移行を視野に れが、真に る。その評価 現世界の再 の指導事例 8 基本定理の で考察できる で、だんだん 考察できる。 がどんどん激 グラフ上で を関数で考察 グラフは、変 関数・原始関 ら、接線のグ 存の指導で とその成果が に、微分積分 に数学化と言 価が、第 3節 再構成過程を 例は、次のよ の考えに対応 る水準 ん速くなると 激しくなる。 では面積にな 察できる。 変化の割合が 関数で考察で グラフ、面積 では微分積分 が示された。 分学の基本定 言えるかを、 節、第 4 節 を、第3節の うに表現世 応する内容( 背中が座席 速さ一定で なる。 がどんどん変 できる。 積のグラフが 分学の基本定 第3節の事 定理への数学 数学化過程 でなされた の事例がいか 世界の再構成 (例) 席に押し付け で時間を経る 変わってい が作図でき 定理を理解で 事例は、関数 学化が指導し 程の構成原理 た。第 4 節で かに辿ってい 成過程として けられ ると距 く。 る。 できな 数の水 し得る 理に照 では、 いるか て表象

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9 第3節、第4節で行った数学化過程の構成原理による確認によって微分積分学の基本定 理への事例が、数学化事例とみなせることが確認された。この困難校生徒への指導事例 は、第3水準から第4水準へなされるべき様々な数学化の一端を話題にしたものである。 (2) 本論文のオリジナリティ 本論文の第一のオリジナリティは、Freudenthalの数学化を拡張し、数学化を再帰的 に実現する水準設定方法と水準設定の意義を示したことである。彼が典型とした van Hieleの水準は幾何に限定されていた。微分積分などの目標内容を明瞭にして、関数な どの内容領域を定めて水準を設定することで、全体として数学化を繰り返す再帰的な系 統を示すことができ、現行指導で何が不足しているかなどを指摘することができるよう になった。例えば、水準が示す系統を根拠に、第2水準から第3水準への数学化におい て、代数式表現に焦点化することで基本定理の考えを指導する機会が損なわれる、第3 水準において事象で関数を利用する指導機会が損なわれるというような問題を指摘で きるようになった。 第二のオリジナリティは、数学化の過程が表現世界の再構成過程により詳細に記述し えることを示したことである。表現世界の再構成過程として数学化過程をとらえること で、数学化の学習課題を示すことができたことである。 第三のオリジナリティは、表現世界の再構成過程における学習課題を、特に言語水準 の移行の場合に適用することで、言語学習という長期スパンで進む(思考)水準移行期に おける発達の様相の大要を、二層に分けて示すことができたことである。 第四のオリジナリティは、数学化の過程と言えるかを判断する基準、教材研究指針と して数学化過程の構成原理を提出したことである。数学化の過程の構成原理は、 Freudenthalの言説を拡張したものである。この原理によって、与えられた教材に対す る数学化の過程を構成する教材研究の指針が得られ、その過程が数学化と言えるかの判 断基準となること本論文では示している。 第五のオリジナリティは、微分積分を目標として、関数領域において設定された関数 の水準において、繰り返し再構成される基本定理の考えに基づく数学化の過程を、数学 化過程の構成原理の範例として提出したことである。基本定理の考えの指導自体は、歴 史的には存在し、今日では失われた指導内容である。本論文ではその指導を改めてテク ノロジ利用を前提に、困難校でも数学化の指導が実現し得ることを示した。また、その 指導が、数学化過程の構成原理を満たしていることが確認された。それは、数学的活動 を通して学ぶ過程を実現するという本論文の目的にかなうものであった。 以上のように本論文は優れた研究成果が認められた。同時に、本論文では、課題と研 究方法の限定に基づき、幾つかの制約が認められた。第1の制約は、膨大な著作を多言 語で生涯にわたり記したことで知られる Freudenhtal の思想的発展を問題にする研究

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10 ではない点である。本論文の数学化は、彼が数学教育界で国際的に知られるようになっ て以降の後期の代表著作を前提とするものである。それは、今日の数学教育研究のスタ ンダードでもある。本論文では、そのような彼の考えがいかなる変遷のもとで成立した ものかは話題にしていない。第2の制約は、数学としての教材解釈に基づく例証を基本 的な方法論として本論文が採用した点である。個別の子どもの思考の相違を話題にすれ ばそこでは別の枠組みによる研究が必要になるが、van HieleやFreudenthalの研究は そのような詳細を問題にするものではなく、教材に係る表現内容の相違を話題にするも のである。このような教材解釈を基本とする方法論はvan HieleやFreudenthal自身 が採用した研究方法でもあり、本論文としては妥当な方法論である。それら制約は、本 論文の射程外とも言うべき研究からの指摘であり、本論文の結果がその課題設定と研究 方法に限定された結果であることを示すものである。それは、本論文の学術論文として の優れた成果に影響するものではない。 以上により、審査委員一同、総合的に判断して、本論文が「博士(教育学)」を授与す るのに十分に値するものであるとの結論に達したので、これを報告する。 以上

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