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Kigyo no puromoshon senryaku jikkosei no saidaika : seiyaku kigyo no soshikinai, oyobi kokyaku tono aida ni okeru komyunikeshon gyappu no hassei yoin no kensho, oyobi kaiketsu ni mukete

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Academic year: 2021

Membagikan "Kigyo no puromoshon senryaku jikkosei no saidaika : seiyaku kigyo no soshikinai, oyobi kokyaku tono aida ni okeru komyunikeshon gyappu no hassei yoin no kensho, oyobi kaiketsu ni mukete"

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(1)Title Sub Title Author Publisher Publication year Jtitle Abstract Notes Genre URL. Powered by TCPDF (www.tcpdf.org). 企業のプロモーション戦略実行性の最大化 : 製薬企業の組織内、及び顧客との間におけるコミュニ ケーションギャップの発生要因の検証、及び解決に向けて 佐々木, 俊介(Sasaki, Shunsuke) 中村, 洋(Nakamura, Hiroshi) 慶應義塾大学大学院経営管理研究科 2013. Thesis or Dissertation http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=KO40003001-00002013 -2841.

(2) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介. 慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士課程 学位論文(. 2013. 年度). 論文題名. 企業のプロモーション戦略実行性の最大化 -製薬企業の組織内、及び顧客との間における コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ギ ャ ッ プ の 発 生 要 因 の 検 証 、及 び 解 決 に 向 け て -. 主. 査. 副. 査. 井上. 哲浩教授. 副. 査. 清水. 勝彦教授. 副. 査. 2014年. 学籍番号. 中村. 2月. 81230410. 洋教授. 27日. 氏. 1. 名. 提出. 佐々木. 俊介.

(3) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 (論文要旨) 本研究を始めるに当たり、私の問題意識は、企業の本社で立案された戦略が実 行組織内で浸透しにくいという点にあった。通常、企業では、本社マーケティン グ部門などが立案した戦略をもとに、実行組織である営業部門内の各階層(本社 マーケティング部門→営業マネージャー→営業担当者)へ戦略がカスケードされ る。そして、最終的に営業担当者から顧客へ、プロモーションという形で伝達さ れる。しかし、本社で立案された戦略は、営業組織において、顧客に対して、想 定通り効率的に実行されにくいことが、先行研究でも指摘されている。 そこで本研究では、私の企業派遣元である製薬会社 P 社のマーケティング部門 が立案するプロモーション戦略とそれを実行する営業部門、及び顧客である医師 に注目した。本研究の目的として、第一に、企業組織内、及び企業と顧客である 医師との間に起こっている戦略への認識におけるギャップを検証する。つまり① プロモーション内容の認識のギャップ、②企業の提供情報と医師の情報ニーズの ギャップ、③プロモーションチャネルの重要度に関する企業と医師の認識のギャ ップを特定する。第二に、以上の問題点がなぜ発生しているかを探った上で、解 決方法を模索する。 本研究での手法として、実証研究を行う。研究については、派遣元である P 社 の 協 力 を 得 て 、 社 員 261 名 ( 本 社 ・ 営 業 マ ネ ー ジ ャ ー ・ MR) へ の Web ア ン ケ ー ト 、 お よ び 医 師 24 名 へ の イ ン タ ビ ュ ー 調 査 を 行 っ た 。そ し て 各 階 層 間 の 戦 略 浸 透 度 等 のギャップを t 検定等、要素の関連性は多重コレスポンデンス分析等を行った。 本研究で得られた結論として、①プロモーションメッセージの浸透度について は、研究対象製品により違いが出たが、本社から営業組織の階層を経るにつれ、 乖離が見られた。また医師の処方レベルへの現状認識においては、製品を問わず 乖離が大きい。以上の乖離がプロモーション戦略の実行性を妨げている一因と考 えられる。②医師のニーズは、ガイドラインやエビデンスなどのバイアスフリー 情報において、現状の製薬会社の情報提供よりも、高い期待をしている。③プロ モ ー シ ョ ン チ ャ ネ ル と し て 、 現 状 、 医 師 は 、 MR を 介 し た 情 報 源 を 重 視 し て い る 。 ま た Web プ ロ モ ー シ ョ ン に つ い て は 、 本 社 ・ 医 師 と も に 重 要 度 が 低 い 。 以上を踏まえ、今後の対策への提言としては、①医療現場のフィードバックを 取り込むことによる戦略精度の向上、および戦略の組織浸透度を高めるためのイ ンターナルマーケティングの強化、②医師のニーズを取り込むための組織戦略、 ③人的販売チャネルの強化とマルチチャネルプロモーションのイノベーションが 挙げられる。 な お 本 研 究 の 限 界 に お い て は 、以 下 が 挙 げ ら れ る 。研 究 対 象 が 1 社 で あ る た め 、 客観的事実を導くのが難しいこと、企業の現状のスナップショットなので、時系 列での変化が把握できないこと、研究対象製品固有の属性(製品ライフサイクル など)による影響があり、一般事実化できないこと、アンケート対象の医師数が 少ないことである。. 2.

(4) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介. 目次 1.研究テーマ. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ P1. 2 . 研 究 テ ー マ 設 定 の 背 景 と 問 題 意 識 ・ ・ ・ ・ ・ ・ P1 3.研究目的、及び研究方法 4.研究開始前の仮説. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ P5. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ P6. 5 . 先 行 研 究 を も と に し た こ れ ま で の 研 究 ・ 調 査 ・ P 11 6 . 予 想 さ れ る 研 究 結 果 と 解 決 方 法 の 提 案 ・ ・ ・ ・ P14 7 . 結 果 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ P15 8 . 考 察 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ P51 9 . 本 研 究 の 限 界 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ P58 1 0 . 参 考 書 籍 ・ 文 献 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ P59 1 1 . 謝 辞 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ P60 1 2 . 社 内 We b ア ン ケ ー ト 内 容 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ P 6 1 1 3 . 医 師 イ ン タ ビ ュ ー 調 査 結 果 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ P90. 3.

(5) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 1.研究テーマ 企業のプロモーション戦略実行性の最大化 -製薬企業の組織内、及び顧客との間におけるコミュニケーション ギャップの発生要因の検証、及び解決に向けて- 2.研究テーマ設定の背景と問題意識 . 本 研 究 を 始 め る に 当 た り 、私 の 問 題 意 識 は 、企 業 の 本 社 で 立 案 さ れた戦略が実行組織内で浸透しにくいという点にあった。 通 常 、企 業 で は 、本 社 経 営 企 画 や マ ー ケ テ ィ ン グ 部 門 な ど が 立 案 し た 戦 略 を も と に 、実 行 組 織 で あ る 営 業 部 門 内 の 各 階 層( 本 社 マ ー ケ テ ィ ン グ 部 門 → 営 業 マ ネ ー ジ ャ ー → 営 業 部 員 )へ 戦 略 が カ ス ケ ー ド さ れ る 。そ し て 、最 終 的 に 顧 客 と 接 点 を 持 つ 営 業 部 員 か ら 顧 客 へ 、プ ロ モ ー シ ョ ン と い う 形 で 製 品 メ ッ セ ー ジ や 競 合 製 品 と の 差 別 化 ポ イ ン ト な ど が 伝 達 さ れ る 。し か し 、本 社 で 立 案 さ れ た 戦 略 は 、営 業 組 織 に お い て 、顧 客 に 対 し て 、想 定 通 り 効 率 的 に 実 行されにくいのが実情といえる。. . そこで本研究では、私の企業派遣元である製薬会社 P 社のマー ケティング部門が立案する戦略とそれを実行する営業部門に注 目 し た 。企 業 組 織 内 に 起 こ っ て い る 戦 略 へ の 認 識 に お け る ギ ャ ッ プ を 特 定 す る こ と 、そ れ ら が な ぜ 発 生 し て い る か を 探 っ た う え で 解決することは、戦略の実行性を高めることにつながる。 ま た 、組 織 外 、す な わ ち 顧 客 で あ る 医 師 と 企 業 に お け る ギ ャ ッ プ も 同 様 に 特 定 し 、医 師 の ニ ー ズ に 合 っ た プ ロ モ ー シ ョ ン 活 動 を 行 う こ と は 、医 師 と 企 業 間 の ギ ャ ッ プ を 解 決 す る こ と に 加 え 、企 業 内の営業組織の戦略実行におけるモチベーションアップにもつ ながると思われる。. . そもそも「戦略をなぜ実行しなければならないか?」の前提は、 「 戦 略 を 実 行 す る こ と で 、企 業 も 利 益 を 上 げ る こ と 」に あ る 。し かしその下位にある理由について、大きく 2 点挙げる。 まず 1 点目は、戦略とはいわば「本社マーケティング部門と営 業 組 織 の 契 約 」だ か ら で あ る 。戦 略 の 立 案 自 体 は 本 社 の マ ー ケ テ ィ ン グ 部 門 が 中 心 に な っ て 行 う 。ま ず 、戦 略 策 定 の 土 台 作 り の た め に 、 P 社 で は マ ー ケ テ ィ ン グ 部 門 に よ る 市 場 調 査 や KOL(Key Opinion Leader: 医 師 の 中 で も 特 定 の 疾 患 領 域 の 権 威 の 医 師 )へ 4.

(6) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 の イ ン タ ビ ュ ー な ど 膨 大 な 時 間 と 費 用 を 費 や す 。こ れ に 加 え 、営 業組織の支店長や営業所長からの意見や問題意識もヒアリング を行ったうえ、作成される。また年に 2 回、役員・及び支店長 と マ ー ケ テ ィ ン グ 担 当 者 の 会 議 が 開 催 さ れ 、年 間 プ ラ ン の 最 終 確 認 の 会 議 が 設 定 さ れ て い る 。つ ま り 以 上 の よ う な 、企 業 が 利 益 を 上 げ る た め に 練 ら れ た 戦 略 は 、労 力 と プ ロ セ ス を 経 て 、最 終 的 に 本 社 と 営 業 で 合 意 が な さ れ て い る の で あ る 。し た が っ て 、本 来 で あ れ ば 戦 略 は 、本 社 と 営 業 が 企 業 の 業 績 を 伸 ば す た め に 作 成 さ れ た「契約」であり、最大限実行されなければならない。 2 点 目 に 、戦 略 は 徹 底 さ れ な い と 、戦 略 が 成 功 し た か 、失 敗 し た か 判 断 で き な い た め 、次 の 戦 略 の 改 善 に つ な が ら な い か ら で あ る 。 戦 略 は 、 い わ ば 会 社 単 位 で 行 う 「 仮 説 検 証 プ ロ セ ス 」、 あ る い は 大 規 模 な「 実 験 」と も い え る 。そ し て 企 業 の 戦 略 と は 、年 間 あ る い は 中 長 期 な ど 、一 定 期 間 に お け る 会 社 の 方 針 で あ り 、こ の 方 針 が 徹 底 さ れ て い る こ と を 前 提 に 、翌 年 や 長 期 プ ラ ン の 新 た な 戦 略 が 策 定 さ れ る 。も し こ の 戦 略 が 実 行 部 隊 で 徹 底 さ れ ず に 、失 敗( つ ま り 会 社 の 利 益 に つ な が ら な か っ た )し た 場 合 、そ の 原 因 に つ い て は 、「 戦 略 が 実 行 さ れ な か っ た 」 と い う 域 を 超 え ず 、 市 場 に お い て そ の 戦 略 が 正 し い 判 断 で あ っ た か や 、顧 客 ニ ー ズ に 適 合 し た 内 容 で あ っ た か に つ い て は 、実 際 に「 実 験 」が 行 わ れ な か っ た た め 分 か ら な い 。 し た が っ て 、 検 証 結 果 を も と に 行 う PDCA サ イ クルが回らなくなってしまうのである。 以上の 2 点から、本来、企業は戦略を実行することで、パフォ ー マ ン ス を 最 大 化 し 、実 行 ・ 検 証 さ れ る こ と に よ り 、新 た な 練 り 直 し を 行 っ て ゆ き 、よ り 優 れ た 戦 略 へ 改 善 し て ゆ く プ ロ セ ス を 踏 むべきである。 . し か し 、 私 は KBS に 入 学 前 、 派 遣 元 の 製 薬 会 社 の P 社 で 認 知 症 治 療 薬 の マ ー ケ テ ィ ン グ を 担 当 し て い た が 、本 社 か ら の マ ー ケ テ ィ ン グ 戦 略 は 、本 社 の マ ー ケ テ ィ ン グ 担 当 者 が 想 定 し て い る よ う に 組 織 内 で 徹 底 さ れ ず 、マ ー ケ テ ィ ン グ 戦 略 に 基 づ く プ ロ モ ー シ ョ ン メ ッ セ ー ジ は 、効 率 的 に 顧 客 で あ る 医 師 に 届 い て い な い の で はないか、という問題意識があった。 そ の 背 景 に は 、本 社 か ら 実 行 を 指 示 さ れ た マ ー ケ テ ィ ン グ 戦 略 に つ い て 、本 社 マ ー ケ テ ィ ン グ 部 門 と 営 業 組 織 、す な わ ち 社 内 で す で に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ギ ャ ッ プ が 存 在 す る と 考 え ら れ る 。つ ま り 、お 互 い の 部 門 に お け る 利 害 関 係 や 目 標 の ギ ャ ッ プ( た と え ば 、 営 業 組 織 は 比 較 的 短 期 目 標 の 達 成 を 目 標 に し て い る の に 対 し 、本 社マーケティング部門は年間の長期的目標をもとに戦略を立案 5.

(7) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 す る な ど )や 、営 業 組 織 内 の 階 層 に お い て も 、戦 略 の コ ミ ッ ト に 対する様々なギャップがあり、戦略が組織内部で薄められたり、 歪 め ら れ た り す る 結 果 、顧 客 へ の イ ン パ ク ト は 弱 ま っ て ゆ く こ と が考えられる。. 図:組織内における戦略浸透度の推移の予測 . 結 果 、営 業 現 場 の 営 業 担 当 者 M R ( M e d i c a l R e p r e s e n t a t i v e s ) に お い て 、戦 略 の 実 行 が 徹 底 さ れ に く い 。そ し て M R の プ ロ モ ー シ ョ ン メ ッ セ ー ジ は 、医 師 の 意 識 に 深 く 理 解 さ れ ず 、そ の 結 果 と し て 企業と医師の間にコミュニケーションギャップが発生すると思 わ れ る 。ま た 製 薬 企 業 と 医 師 に 共 通 の 問 題 認 識 が 共 有 さ れ な い 結 果 、医 師 は 、医 薬 品 に つ い て 医 師 が 具 体 的 な 対 象 患 者 や 症 状 が 描 け ず 、処 方 機 会 を 失 う 。一 方 、製 薬 会 社 に お い て も 、医 薬 品 の 売 上が効率的に上がらないのではないかと思われる。 先 行 研 究 を 見 る 限 り で は 、こ の よ う に 本 社 戦 略 が 実 行 す る 組 織 に お い て 徹 底 さ れ な い と い う 問 題 は 、ど の よ う な 産 業 の 企 業 に お い ても共通した課題となっている。. 図:製薬企業と顧客である医師との コミュニケーションギャップ 6.

(8) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 . 特 に 製 薬 会 社 の 営 業 や プ ロ モ ー シ ョ ン に 関 し て は 、以 下 の 特 徴 が あり、戦略の実行力へ影響を及ぼしていると推測される。 ① 販売における営業による人的販売依存性が高い S O V ( S h a r e O f Vo i c e : 営 業 担 当 者 か ら 顧 客 へ の ア プ ロ ー チ に関して、宣伝回数や情報. 伝達量を競合他社より多くする ことによって自社. 製品の採用や処方が決まるという考え方) を 追 求 す る 戦 略 で あ る た め 、 MR マ ン パ ワ ー に よ る 販 売 チ ャ ネルにおいての戦略実行性が重視される。その結果、営業部 門のパワーが高くなり、戦略を立案するマーケティング部門 は、営業サポート・スタッフと見なされがちである。 結果、本社の戦略を無視した、営業による独自の戦略が実行 される可能性がある。この場合、問題として、パレートの理 論 で い う 上 位 2 割 の ハ イ パ フ ォ ー マ ー ( 優 秀 MR) は 独 自 の 戦略視点で担当エリアでの競争に勝てる可能性が高いが、下 位 6 割のミドルパフォーマーや残り 2 割のローパフォーマー においては、本来、本社マーケティング戦略などの方針や情 報が必要にもかかわらず、戦略が徹底されないため、営業パ フォーマンスの低下につながる可能性がある。 ② また以下の4P の特徴のように、製薬企業ではマーケティン グ戦略の硬直性が発生しやすいと思われる。 . P r o d u c t:. プ ロ ダ ク ト ア ウ ト( 顧 客 ニ ー ズ か ら 製 品 開 発 難 ). . Price:. 薬価算定で決定. . Place:. . Promotion: 人 的 プ ロ モ ー シ ョ ン に 依 存 、 広 告 範 囲 は 薬 事 法. チャネルは医薬品卸→薬局に限定. で 制 約 、 疾 患 啓 発 の み で 医 薬 品 の ダ イ レ ク ト な PR は 不 可. 7.

(9) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 3.研究目的、及び研究方法 1. 製 薬 企 業 の 組 織 内 で の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ギ ャ ッ プ の 検 証 . 製薬企業の組織内で、戦略は浸透しているか?. 2. 医 師 と 製 薬 企 業 の 間 に あ る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ギ ャ ッ プ の 検 証 . 製薬企業のプロモーションは医師にどれだけ伝わり、理解さ れているか?. 3. . 上記のギャップを埋める解決策を検討する 本研究では、実証研究を行う。 企 業 に お い て 、戦 略 が 組 織 に 浸 透 し に く く 、結 果 戦 略 が 組 織 で 実 行されにくくなる理由はどのような原因により起こるかについ て、仮説を立て検証する。 そ し て 検 証 結 果 を も と に 、戦 略 浸 透 度 を 高 め 、結 果 戦 略 が 実 行 さ れやすい組織となるための解決方法についても検討する。 研 究 に つ い て は 、派 遣 元 で あ る P 社 の 協 力 を 得 て 、社 員 へ の We b ア ン ケ ー ト 、お よ び 医 師 へ の イ ン タ ビ ュ ー 調 査 を 行 う 。最 終 的 の 得られた解決方法については、P 社において提案を行う。. . 医師と製薬企業の間のコミュニケーションギャップに関するア ンケート調査 . 対象企業:P 社(派遣元). . アンケート対象者. 1. P 社 : 本 社 PM・ 営 業 マ ネ ー ジ ャ ー ・ MR . 2 0 0 名 程 度 へ の We b ア ン ケ ー ト 調 査. . 【事業部】プライマリケア部門. ① 本社:. マーケティング・営業戦略部. ② 営業マネージャー: ③ MR: 2.. / スペシャリティ部門. 支店長・副支店長・所長. 医薬情報担当者. 顧客:医師 . 20 名 程 度 へ の イ ン タ ビ ュ ー 調 査. . 【所属】大学病院・病院・クリニックの医師. . 【 属 性 】 内 科 系 ( 循 環 器 ・ 神 経 内 科 等 )・ 精 神 科 な ど. 8.

(10) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 4.研究開始前の仮説 . 本 社 マ ー ケ テ ィ ン グ 部 門 、営 業 組 織 、医 師( 顧 客 )の 3 点 で 、コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ギ ャ ッ プ が 発 生 す る と す る 。戦 略 が 実 行 さ れ な い背景には、現時点で以下の 3 つのギャップが起因していると 考えられる。 ①プロモーション内容の認識のギャップ ②企業の提供情報と医師の情報ニーズのギャップ ③プロモーションチャネルの重要度に関する企業と医師の認識 のギャップ. 図:戦略が実行されない背景にある 3 つのギャップ . 以上の. 3 つのギャップがどのような原因で発生しているか検証. し 、こ れ ら の ギ ャ ッ プ に 対 し 、解 決 方 法 を 提 案 で き れ ば 、企 業 の 戦略実行性を改善することにつながると期待できる。 そ こ で 上 記 の 3 つ の ギ ャ ッ プ に 対 応 し て 、「 あ る 製 品 ( 製 品 A と す る )に 対 す る マ ー ケ テ ィ ン グ 戦 略 が 実 行 さ れ や す い 」と い う 仮 説 い く つ か 立 案 し た 。 以 下 の 内 容 を も と に 企 業 向 け の We b ア ン ケ ー ト 項 目 を 作 成 し 、企 業 の 組 織 内 に お け る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ギャップを検証する。 . 研究を行う上での仮説. 1. 組 織 内 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に つ い て ① 営業にとって、製品 A に対するプライオリティが高い ② 戦略に関して、営業組織は腑に落ちて理解し、納得している ③ 戦略の実行に関して、正当な評価を受けている認識がある 9.

(11) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 ④ 組織内で、積極的に戦略実行の結果のフィードバックを行っ ている ≪仮定の背景≫ ① P 社 で は 1 人 の M R が 複 数 の 製 品 を 担 当 し て お り 、本 社 に お い て 、プ ロ モ ー シ ョ ン の 優 先 順 位 が 決 め ら れ て い る( ア ロ ケ ー シ ョ ン と 呼 ぶ )。 し か し 、 営 業 現 場 で は 、 顧 客 の ニ ー ズ な ど に よ り 、 本社の指示通りにアロケーションが守られていない場合が多い。 こ の 指 示 が 営 業 組 織 の 各 階 層 で 徹 底 さ れ て い れ ば 、戦 略 が 組 織 内 で一貫しているはずである。 ② 戦 略 が 営 業 組 織 内 部 の 各 階 層 の 社 員 す べ て に お い て 、戦 略 の 根 拠 を 理 解 し 、腑 に 落 ち て い れ ば 、戦 略 の 実 効 性 が 高 く な る と 考 え ら れ る 。ま た 戦 略 に 対 し て 、十 分 納 得 を し て い れ ば 、さ ら に 実 行 性は高まるはずである。 ③ 本 社 の 指 示 通 り 、戦 略 を 実 行 し た 社 員 に は 、会 社 の 決 め た プ ロ セ ス を 順 守 し た こ と に 対 し ( 本 来 は 結 果 の 甲 乙 は 問 わ ず )、 相 応 の 評 価 を 得 る べ き で あ る 。そ こ で 、社 員 が 戦 略 を 実 行 し た こ と に 対 し 、正 当 な 評 価 を 得 て い る 認 識 を 持 っ て い れ ば 、戦 略 を 実 行 す るインセンティブとなっているはずである。 ④組織内の中で健全なフィードバックや検証が行われていれば、 戦 略 が 実 行 さ れ や す い と 考 え ら れ る 。特 に 上 司 の 指 導 と 部 下 の 実 行 結 果 の 報 告 と い っ た 、日 常 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が 良 好 か つ 効 率 的 に 行 わ れ て い る と い う 認 識 を 社 員 が 持 っ て い れ ば 、戦 略 の 実 効性は高くなると考えられる。 2. 営 業 か ら の 提 案 と 顧 客 ニ ー ズ に つ い て ① 営業と顧客にとっての課題への認識が一致している ② 顧客ニーズに合った本社支援プロモーション施策が整ってい る ③ 営業が、担当する顧客に対し、顧客ニーズである製品以外の 情報(医療関連情報)を提案できている ≪仮定の背景≫ ① 営 業 が 医 師 に プ ロ モ ー シ ョ ン を 行 う 際 、営 業 か ら 提 案 す る 内 容 が 、医 師 が 抱 え て い る 悩 み ・ 課 題 が 一 致 し て い れ ば 、営 業 は 提 案 が し や す く な る 。つ ま り 、製 薬 企 業 の 戦 略 を ベ ー ス に し た 提 案 内 容 と 医 師 の 課 題 に マ ッ チ し て い れ ば 、営 業 に よ っ て 戦 略 が 実 行 さ れやすいといえる。 ② 営 業 に よ る 人 的 販 売 だ け で な く 、 We b や 全 国 講 演 会 な ど 本 社 マ ー ケ テ ィ ン グ 主 導 の プ ロ モ ー シ ョ ン 施 策 が 行 わ れ て い る 。こ れ ら の 施 策 が 営 業 活 動 を 支 援 し て い る と い う 認 識 が あ れ ば 、戦 略 は 10.

(12) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 実行されやすいといえる。 ③ 医 師 は 、大 学 病 院 な ど の 医 師 で は 治 療 ガ イ ド ラ イ ン な ど の 最 新 情 報 、病 院 や 開 業 医 の 医 師 で あ れ ば 、病 診 連 携 な ど の 薬 剤 以 外 に も 関 心 を 持 っ て い る こ と が ほ と ん ど で あ る 。M R も 毎 回 の 訪 問 で 薬 剤 だ け の 話 題 を す る わ け に は い か な い の で 、M R 自 身 が 適 切 な 医 療 関 連 情 報 の 提 供 を 行 い 、そ の よ う な 話 題 の 中 に 、自 社 の 医 薬 品 情 報 を 治 療 に 組 み 込 む な ど の 情 報 提 供 を 行 う 必 要 が あ る 。し た が っ て 、M R 自 身 が 自 ら 集 め た 情 報 や ツ ー ル で 補 完 で き て い る 場 合 は 、戦 略 が プ ロ モ ー シ ョ ン メ ッ セ ー ジ と し て 伝 わ り や す く 、実 行されやすいといえる。 3. 本 社 戦 略 と 顧 客 ニ ー ズ に つ い て ① 製品メッセージと医療現場のニーズが合致している ② 営 業 /MR の 担 当 す る 顧 客 セ グ メ ン ト の ニ ー ズ に カ ス タ マ イ ズ された戦略である ≪仮定の背景≫ ①そもそも本社の発信するマーケティング戦略におけるプロモ ー シ ョ ン 内 容 が 、医 師 な ど が 感 じ て い る 医 療 現 場 の ニ ー ズ と 合 致 し て い な け れ ば 、「 的 外 れ 」 な プ ロ モ ー シ ョ ン を 営 業 が 繰 り 返 す こ と と な り 、プ ロ モ ー シ ョ ン メ ッ セ ー ジ は 、医 師 の 心 に も 響 き に く い 。ま た 医 師 満 足 度 の 低 い プ ロ モ ー シ ョ ン は 、実 行 す る 営 業 組 織 の モ チ ベ ー シ ョ ン も 低 下 す る 。し た が っ て 、製 品 メ ッ セ ー ジ 自 体 が 医 療 現 場 の ニ ー ズ と 適 合 し て い る こ と が 、戦 略 の 実 行 に お い て前提となる。 ② 営 業 担 当 者 は 、大 学 病 院 ・ 地 域 の 基 幹 病 院 ・ 開 業 医 等 、様 々 な 属性の医師にプロモーションを行っている。現在 P 社では、病 院 担 当 /開 業 医 担 当 と い う 顧 客 単 位 の 担 当 区 分 け は な く 、 担 当 エ リ ア 制 と な っ て い る 。し か し 、大 学 ・ 病 院 ・ 開 業 医 の 専 門 性 や ニ ー ズ は そ れ ぞ れ 異 な っ て い る 。し た が っ て 、こ れ ら の 属 性 に 合 わ せ た プ ロ モ ー シ ョ ン 内 容 を 、本 社 マ ー ケ テ ィ ン グ 部 門 が 発 信 し て いれば、戦略の実効性は高まる。. . 医 師 に 対 し て 、製 薬 企 業 の 戦 略 に 基 づ く メ ッ セ ー ジ は 意 図 通 り 伝 わっているかについて、調査を行う。 . 製 品 A( 企 業 の 注 力 商 品 ) に 関 す る 調 査 メッセージは 5 項目くらい紹介. ex.「 こ の 製 品 は ○ ○ と い う. 作用があります」 各 メ ッ セ ー ジ の 伝 達 ・ 理 解 度 合 い を AMTUL で 評 価 11.

(13) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 . 医師へのインタビュー内容 . 企 業 か ら 伝 え ら れ た 製 品 A の メ ッ セ ー ジ に 対 し 、ど れ く ら い 影 響 を 受 け た か を 5 段 階 で 評 価 ( AMTUL). * A M T U L( 消 費 者 の 購 買 決 定 プ ロ セ ス の モ デ ル ) は 、 以 下 の 通 り定義する。 . Aw a r e n e s s ( 純 粋 想 起 ) : 関 心 が あ る 、同 系 統 の 薬 剤 を 認 識 は し ている(処方なし). . Memory( 助 成 想 起 ) : 製 品 名 を 記 憶 し て い る ( 処 方 な し ). . Tr i a l ( 使 用 経 験 ) : 一 部 症 例 に 、 処 方 を 試 し て い る. . Usage( 現 在 使 用 ) : 他 剤 と の 差 を 意 識 し な が ら 、 処 方 し て いる. . L o y a l t y( 使 用 意 向 ) : 必 ず 必 要 な 薬 剤 で あ り 、 継 続 的 に 処 方 している. . もっとも印象に残ったメッセージ. . もっとも処方に影響を受けたメッセージ. . 薬以外のことで、製薬企業から聞きたい情報(インタビュー 形式) . 地 域 医 療 連 携 に 関 す る 情 報 、近 隣 医 の 状 況 、大 学 と の つ な がりなど. . . その他(. ). 製品 A の情報入手手段について、その情報による影響度を 5 段 階 ( AMTUL) で 評 価. . . . 製薬企業などの情報 . MR. . MS( Medical Specialist:医 薬 品 卸 の 営 業 担 当 者 ). . 講演会. . T V C M ( D i r e c t To C u s t o m e r ). インターネットの情報 . 製 薬 企 業 We b サ イ ト. . We b プ ロ モ ー シ ョ ン ( M R 君 ・ ケ ア ネ ッ ト な ど ). 医師を通じた情報交換 . 学会. . 仲の良い医師・近隣医師の口コミ. . 今後あったらいいと思うサービス(インタビュー形式). 12.

(14) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 5.先行研究をもとにしたこれまでの研究・調査 1. 戦 略 と 組 織 . A c c e l e r a t e ! , J . K o t t e r, 2 0 1 2 , H a r v a r d B u s i n e s s R e v i e w ( H B R ) (概要)イノベーションを起こす組織には、ネットワーク型 組織が重要という内容。通常の企業に採用されている階層型 組織は、日常業務において効率性と実効性の高さが特徴であ るが、変化の激しい競争環境においては、よりフラットな第 二の組織、ネットワーク型組織を併存させたデュアルオペレ ー シ ョ ン シ ス テ ム ( Dual OS) が 有 効 で あ る 。 ( 学 び )ネ ッ ト ワ ー ク 型 組 織 の 構 成 員 で あ る Vo l u n t e e r A r m y は、階層型組織の精鋭で構成されるべきであるという。タス ク フ ォ ー ス と し て の ネ ッ ト ワ ー ク 型 組 織 は 、様 々 な 部 署 か ら 、 肩書を問わず、戦略立案タスクフォースメンバーを収集する というような、戦略立案プロセスにも応用できる。. 図 : Tw o S t r u c t u r e s i n t o O n e O r g a n i z a t i o n - A Complimentary Relationship-. 13.

(15) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 2. 戦 略 と ビ ジ ネ ス モ デ ル . Yo u r S t r a t e g y N e e d s a S t r a t e g y, M a r t i n R e e v e s , 2 0 1 2 , H B R (概要)企業は戦略立案をするうえで、自社が所属する産業 構造に注目し、変容可能性・予測可能性をもとに、外部環境 や内部資源に合った戦略立案パターンを行うべきである。 (学び)企業は自社の外部環境の不確実性について、予測可 能 性 が 高 い と い う 自 信 を 持 ち が ち で 、 C l a s s i c a l 、 Vi s i o n a r y な産業構造に自社を当てはめる傾向がある。しかし、戦略立 案時に企業努力でコントロール可能な不確実性とコントロー ル不能な不確実性は戦略立案時に、現実感をもって分類し、 コンティンジェンシーランなどを検討する必要がある。その 際、産業成熟度や製品ライフサイクルを理解したうえで、現 実に沿った戦略を立てるべきであろう。. 図 : Framework to classify industries into Four Broad Strategy 3. 戦 略 と 実 行 . T h e E x e c u t i o n Tr a p , R . M a r t i n , 2 0 1 0 , H B R ( 概 要 )「 素 晴 ら し い 戦 略 も 実 行 次 第 に よ っ て 失 敗 し 得 る 」と いう定説があるが、失敗した戦略はそもそも素晴らしいと言 えない。戦略立案=脳と実行=手足という分け方も誤りであ り、本来戦略は大枠であり、組織において機械的に実行され る の で は な く 、実 行 組 織 に お い て 調 整 機 能 を 働 か せ る た め の 、 選択権を与えるべきである。 (学び)実行組織=手足と考えると、実行組織は戦略を「や らされ仕事」としか受け取らない。実行組織に戦略の選択権 を移譲する重要性は重要である。一方で、戦略を実行組織で 自由に変更されては、仮説検証型の戦略組織となり得ないの で、権限移譲の程度については、戦略立案段階で十分検討が 必要と思われる。 14.

(16) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 4. イ ン タ ー ナ ル ・ マ ー ケ テ ィ ン グ に 関 す る 研 究 . Selling the Brand Inside , Mitchell, 2002, HBR. ( 概 要 )企 業 の マ ー ケ テ ィ ン グ 対 象 は 、社 外 の 顧 客 に 焦 点 が 当 た り が ち で あ る 。し か し 、顧 客 へ 商 品 価 値 を 提 案 す る 社 員 に お け る ブ ラ ン ド ロ イ ヤ リ テ ィ を 築 く こ と も 、同 様 に 重 要 で あ る 。す な わ ち エ ク ス タ ー ナ ル ・ マ ー ケ テ ィ ン グ と と も に 、イ ン タ ー ナ ル ・ マ ーケティングを企業は重視すべきである。 ( 学 び )戦 略 実 行 に お い て も あ て は ま る 点 は 多 か っ た 。戦 略 の 推 進 力 と な る 社 員 に 戦 略 の 背 景 や 魅 力 が 伝 わ っ て い な け れ ば 、顧 客 にとっても魅力的なプロモーション活動を展開するのは難しい。 本 文 献 の 中 で 、 NIKE の 例 に お い て は 、 会 社 の 役 員 全 員 が ‘ Just Do It’ と い う NIKE の 標 語 に 関 す る エ バ ン ジ ェ リ ス ト と な り 、 社 員 に ス ト ー リ ー テ リ ン グ し て い く 例 が あ っ た 。企 業 内 で ブ ラ ン ド を 形 成 す る こ と は 、従 業 員 の 愛 社 精 神 に も つ な が り 、戦 略 の 根 底にあるビジョンについても共有される機会となると予想され る。 本 文 献 で は 、イ ン タ ー ナ ル ・ マ ー ケ テ ィ ン グ に お い て 、① タ イ ミ ン グ を 逃 さ な い 、② 社 外 と 社 内 の マ ー ケ テ ィ ン グ 内 容 を 整 合 さ せ る 、③ ブ ラ ン ド を 従 業 員 に と っ て 生 き 生 き し た も の と す る 、と い う. 3 点を挙げている。つまり、一定の期間を区切って、社員が. 本 来 行 う べ き 業 務 を 妨 げ な い 範 囲 で 、イ ン タ ー ナ ル ・ マ ー ケ テ ィ ン グ を 行 う 必 要 が あ る 点 や 、社 内 外 に 発 信 す る メ ッ セ ー ジ は 統 合 すべきこと、そして顧客と同様、従業員との関係構築のために、 従 業 員 に お け る ブ ラ ン ド ロ イ ヤ リ テ ィ を 高 め る 点 は 、戦 略 を 実 行 組織に浸透させる場合においても共通する点が多い。. 図 : Which is the Most Important Market?. 15.

(17) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 5 .「 戦 略 実 行 力 の 本 質 」 . The Secrets to Successful Strategy Execution, G. Neilsen, 2008, HBR ( 概 要 ) 50 か 国 1000 を 超 え る 組 織 の 12 万 5000 人 回 答 の オ ン ラ イ ン 調 査 の 結 果 、「 自 社 の 戦 略 実 行 力 は 低 い 」 と 評 価 す る 社 員 が全体の 6 割いる。 「 意 思 決 定 権 」、「 情 報 活 用 」、「 動 機 づ け 」、「 組 織 構 造 」 の. 4 要. 素 の 中 で 、 戦 略 実 行 力 に 影 響 を 与 え る も の を 調 査 し た 結 果 、「 意 思 決 定 権 」や「 情 報 活 用 」に ま つ わ る 組 織 特 性 が 戦 略 実 行 力 を 左 右 す る こ と が 分 か っ た 。す な わ ち 、意 思 決 定 の 蒸 し 返 し が な い こ と 、そ し て 競 争 関 連 情 報 等 の 組 織 間 を 超 え た 迅 速 な 伝 達 こ と で あ る 。な お 、報 酬 制 度 や 組 織 構 造 を 変 え て も 、戦 略 実 行 力 は 改 善 し ない。. 16.

(18) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 6.予想される研究結果と解決方法の提案 ①社内でのコミュニケーションギャップ(マーケティング部門⇔営 業組織内) . 戦略コミットメントの強化 . 具 体 策 と し て 、 本 社 ・ 管 理 職 ・ MR と の 戦 略 タ ス ク フ ォ ー ス のプロセス化. . インターナル・マーケティングの強化 社内ブランド構築・戦略浸透度の向上の仕組作り. ② 営 業 提 案 と 医 師 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ギ ャ ッ プ( 営 業 組 織 ⇔ 医 師 ) . 顧客セグメントに適合した戦略 . . 具体策として、顧客セクター別のマーケティング戦略策定. 本社が顧客ニーズを直接把握し、ソリューション提案を行う . 具体策として、顧客リサーチ部・顧客ソリューション部・医 療推進室の新設. ③マーケティング戦略と医師ニーズのギャップ(マーケティング部 門⇔医師) . 人的販売以外のプロモーションで営業支援 . 具体策として、マルチチャネル・マーケティングの強化. 17.

(19) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 7.結果 【アンケート概要】 . 社 内 We b ア ン ケ ー ト 調 査 結 果 . 調 査 実 施 先 は 、P 社 の 以 下 の 2 つ の ビ ジ ネ ス ユ ニ ッ ト で あ る 。 詳細は、図を参照。 1. プ ラ イ マ リ ケ ア. ビ ジ ネ ス ユ ニ ッ ト( 以 下 P C B U と 略 す ). 2. ス ペ シ ャ リ テ ィ ケ ア. ビ ジ ネ ス ユ ニ ッ ト ( 以 下 SCBU と. 略す) . PCBU 本 社 で は 、 マ ー ケ テ ィ ン グ 部 門 の 製 品 C チ ー ム ・ 製 品 E チーム・製品 Z チームの3つの製品ブランドチーム、およ び営業戦略部門に協力が得られた。なお営業戦略部門とは、 主に、営業戦略をスムースに推進するために設置されている 部門である。. . PCBU 営 業 組 織 で は 、 東 京 ・ 神 奈 川 ・ 埼 玉 千 葉 ・ 甲 信 越 の 4 つの医薬支店より協力が得られた。. . SCBU 本 社 で は 、 マ ー ケ テ ィ ン グ 部 門 で は 眼 科 領 域 の 緑 内 障 治療薬を担当するザラブランドチーム、および営業戦略部門 から協力が得られた。. . SCBU 営 業 組 織 で は 、 西 日 本 営 業 部 よ り 協 力 が 得 ら れ た 。. 図 : 社 内 We b ア ン ケ ー ト 先. 18. 組織図.

(20) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 . ア ン ケ ー ト 回 収 数 は 、 当 初 の 予 定 を 超 え 、 368 名 中 261 名 か ら 得 ら れ た 。 全 回 収 率 は 、 70.9%で あ っ た 。 内 訳 は 以 下の通りである。. 図 : 社 内 We b ア ン ケ ー ト 回 収 率 . 【 ア ン ケ ー ト 対 象 者 属 性 】以 下 に 、今 回 の ア ン ケ ー ト 対 象 と な っ た マ ネ ー ジ ャ ー と MR の 属 性 の 詳 細 を 示 す 。. . PCBU で ア ン ケ ー ト 対 象 者 と な っ た マ ネ ー ジ ャ ー に お い て は 、8 割 以 上 が 所 長 で あ る 。マ ネ ー ジ ャ ー 経 験 は 4 年 以 上 が 8 割 近 く を 占 め て お り 、 7-9 年 が 最 も 多 い 。 管 轄 す る エ リ ア の 施 設 は 、大 学 ・ 病 院 ・ ク リ ニ ッ ク に 3 分 さ れ て い る 。な お こ の 施 設 構 成 は 、大 学 ・ 病 院 ・ ク リ ニ ッ ク の う ち 2 施設以上を管轄しているなど、重複を含む。. . P C B U の M R に お い て は 、担 当 施 設 は ク リ ニ ッ ク が 半 数 以 上 を 占 め る 。た だ し 、病 院 と ク リ ニ ッ ク を 療 法 担 当 す る な ど 、重 複 担 当 し て い る ケ ー ス を 含 ん で い る 。10-14 年 が 半 数以上を占めており、比較的ベテランが占めている。. 19.

(21) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介. 図 : PCBU マ ネ ー ジ ャ ー 属 性. 図 : PCBU MR 属 性 . S C B U の マ ネ ー ジ ャ ー に お い て は 、所 長 が 9 割 以 上 を 占 め る 。そ の 属 性 と し て 、マ ネ ー ジ ャ ー 担 当 歴 は 1 - 3 年 で 4 割 を 占 め る た め 、 比 較 的 若 年 マ ネ ー ジ ャ ー の お 組 織 と な っ て い る 。組 織 構 成 は 、担 当重複を含むが、ほぼ 3 分されている。. . MR の 属 性 に つ い て 、 担 当 施 設 は ほ ぼ 3 分 さ れ て い る 。 MR 歴 に つ い て は 、 20 年 以 上 が 46% と か な り の 割 合 を 占 め 、 ベ テ ラ ン が 多 い 組 織 と い え る 。 詳 細 を 見 る と 30 年 以 上 の MR 歴 を 持 つ MR 20.

(22) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 も少なくなかった。. 図 : SCBU マ ネ ー ジ ャ ー 属 性. 図 : SCBU MR 属 性 . 【 研 究 対 象 製 品 】対 象 製 品 は 、協 力 が 得 ら れ た ブ ラ ン ド チ ー ム の 、 以 下 の 5 製 品 で あ る 。 P C B U で は 製 品 C( 高 血 圧 治 療 薬 と 高 脂 血 症 治 療 薬 の 合 剤 )、 製 品 E ( 抗 凝 固 薬 : 虚 血 性 脳 卒 中 及 び 全 身 性 塞 栓 症 の 発 症 抑 制 薬 )、 製 品 Z ( う つ 病 ・ パ ニ ッ ク 障 害 治 療 薬 ) の 3 製 品 、 SCBU で は 製 品 Z 21.

(23) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 ( 緑 内 障 治 療 薬 で あ る 製 品 X と 他 製 剤 の 合 剤 )、製 品 X (緑 内障治療薬)の 2 製品である。. 図9.研究対象製品の概要 *【合剤】2 つの製品を組み合わせた薬剤。同じ適応症の薬剤を組 み 合 わ せ る 場 合 や 、製 品 C の よ う に 、血 圧 と 脂 質 の 薬 剤 を 組 み 合 わ せ る な ど 、製 薬 企 業 の 戦 略 に よ り 、組 み 合 わ せ 方 は そ れ ぞ れ で あ る 。 . 医師へのインタビューアンケート . PCBU で は 、 PCBU の MR と 同 行 の 上 、 医 師 へ ア ン ケ ー ト と フリーのインタビューを実施した。計. 24 名 の 医 師 よ り ア ン. ケートが得られた。医師の属性は以下の図の通りである。 . 同 行 MR は 、 PCBU の 中 で も 、 主 に 循 環 器 ・ 精 神 計 疾 患 領 域 の担当者である。. . 医師の所属は、クリニック、病院、大学病院で、若干大学病 院医師が多いが、ほぼ. 3 分されている。医師の専門領域は、. 精神科系が最も多く、残りを内科系医師が占める。 . 医師の年齢は、今回は. 20 代 の 医 師 が お ら ず 、 病 棟 と 外 来 を. 担 当 す る 30 代 以 降 の 臨 床 経 験 が 豊 富 な 医 師 が 中 心 と な っ た 。 40 代 の ベ テ ラ ン 医 師 が 最 も 多 く 、 30 代 、 50 代 と 続 く 。 医 師 歴 は 20-29 年 が 最 も 多 く な っ て い る 。 . な お S C B U で は 、医 師 へ の ア ン ケ ー ト 調 査 を 実 施 し て い な い 。. 22.

(24) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介. 図:アンケート先医師の所属・専門科. 図:アンケート先医師の年齢・医師歴. 23.

(25) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 【調査結果】 . 戦 略 の 実 行 性 を 評 価 す る 、下 記 の 6 項 目 に つ い て 研 究 を 行 っ た 。. インターナル・. 1. メ ッ セ ー ジ 浸 透 度. マーケティング要素. 2. 戦 略 課 題 ・ 問 題 意 識 の 共 有 度 3. 戦 略 理 解 度 ・ 戦 略 納 得 度 4. プ ロ モ ー シ ョ ン チ ャ ネ ル 毎 の 医 師 処 方. エクスターナル・ マーケティング要素. への影響度 5. 製 薬 会 社 プ ロ モ ー シ ョ ン の 意 図 と 医 師 のニーズ 6. 本 社 戦 略 改 善 へ の 期 待. 今後の改善案. 1、メッセージ浸透度 . プ ロ モ ー シ ョ ン メ ッ セ ー ジ が 社 内 ( PCBU、 お よ び. SCBU の 本. 社 ・ 営 業 マ ネ ー ジ ャ ー ・ M R )、 及 び 社 外 ( 顧 客 で あ る 医 師 ) に ど れだけ認識されているかを、メッセージ浸透度により測定する。 . 【 メ ッ セ ー ジ 浸 透 度 の 定 義 】メ ッ セ ー ジ 浸 透 度 と は 、本 社 が マ ー ケティングプランに基づき作成したプロモーションメッセージ に 関 す る 、社 内 ・ 及 び 社 外 へ の 浸 透 度 と 定 義 す る 。メ ッ セ ー ジ 浸 透 度 の 算 出 方 法 は 、本 社 の 戦 略 に 基 づ く プ ロ モ ー シ ョ ン メ ッ セ ー ジ の 正 答 選 択 率 を 加 重 平 均 し 、そ れ を 全 正 答 ス コ ア で 割 っ た 割 合 とする。 . メッセージ浸透度高い . 社内での戦略に対する認識が統一されている. . さ ら に 医 師 の メ ッ セ ー ジ 浸 透 度 が 高 け れ ば 、戦 略 の 実 行 度 が高い. . メッセージ浸透度低い . 社 内 で の 戦 略 に 対 す る 認 識 に バ ラ つ き が あ り 、統 一 し て 認 識されていない. . さ ら に 医 師 の メ ッ セ ー ジ 浸 透 度 が 低 け れ ば 、戦 略 の 実 行 度 にばらつきがあり、低い. 図:メッセージ浸透度の算出方法. 24.

(26) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 【 PCBU に 関 す る メ ッ セ ー ジ 浸 透 度 】 . 製 品 C、製 品 E、製 品 Z の 3 製 品 を 分 析 対 象 と し た 。当 初 の 仮 説 通 り 、本 社 → 営 業 組 織 の カ ス ケ ー ド を 経 る 中 で 、メ ッ セ ー ジ 浸 透 度 は 低 下 し て い る 。ま た 医 師 へ の 浸 透 度 は さ ら に 低 く な る が 、医 師全体よりも専門医へのメッセージ浸透度は高まっている。. . 製 品 C 、 及 び 製 品 Z に お い て 、 分 散 分 析 ( A N O VA ) を 行 っ た 結 果 、 5%水 準 で 有 意 差 が 出 て い る 。 有 意 差 が あ る 場 合 、 階 層 間 で メッセージ浸透度に認識ギャップが発生していることを示す。. 【分散分析の結果】 . 【製品. C】 F(4,188)=15.090,p<0.05 、 5%水 準 で 有 意 で あ る 。. ま た Tu r l e y 法 に よ る 多 重 比 較 の 結 果 、多 く の 階 層 間 に お い て 有意差がある。本社と. MR・ 医 師 ・ 専 門 医 間 、 マ ネ ー ジ ャ ー. と M R・ 医 師 ・ 専 門 医 間 、 M R と 医 師 ・ 専 門 医 間 に お い て 、 5 % 水準で有意である . 【 製 品 E 】F ( 4 , 1 8 0 ) = 0 . 8 4 7 , p > 0 . 0 5 、5 % 水 準 で 有 意 で は な い 。. . 【 製 品 Z】で は 、F( 4, 196) =7. 17 0, p<0. 00 、5%水 準 で 有 意 で あ る 。 ま た Tu r l e y 法 に よ る 多 重 比 較 の 結 果 、 本 社 ・ マ ネ ー ジ ャ ー と 医 師 間 、 医 師 と 。 専 門 医 間 に お い て 、 5%水 準 で 有 意 で あ る. 図:メッセージ浸透度のギャップ(棒グラフ). 25.

(27) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介. 図:メッセージ浸透度のギャップ(折れ線グラフ) *【医師】アンケート対象となった医師全員を指す *【 専 門 医 】ア ン ケ ー ト 対 象 と な っ た 医 師 の 中 で 、各 製 品 に 関 す る専門性の高い医師を抽出した群を示す. 【各製品メッセージ浸透度の詳細】 . 【 製 品 C 】本 社 ・ マ ネ ー ジ ャ ー へ の メ ッ セ ー ジ は 浸 透 し て い る 一 方 、 MR で メ ッ セ ー ジ が 3 分 さ れ て い る 。 し か し 、 医 師 へ の メ ッ セ ー ジ は ③ が 最 も 多 い 。こ の 原 因 と し て 、現 場 レ ベ ル で 、医 師 ニ ー ズ に ア レ ン ジ し て い る か 、メ ッ セ ー ジ 伝 達 実 行 が う ま く 伝 わ っ て い な い こ と が 考 え ら れ る 。医 師 全 般 か ら 、内 科 系 専 門 医 に 限 定 し て も メ ッ セ ー ジ の 傾 向 に 大 き な 変 化 は な い 。従 っ て 、専 門 医 で あ る 内 科 と そ れ 以 外 の 医 師 を 含 め 、本 社 が 届 け た い 明 確 な メ ッ セ ージと、組織からの確実な伝達、そして医師からの納得を得て、 ポジショニングを確立してゆくことが、本製品の課題といえる。. . 【 製 品 E】 マ ネ ー ジ ャ ー で 浸 透 度 が 3 分 さ れ て い る が 、 MR→ 医 師 へ の 伝 達 メ ッ セ ー ジ は 集 約 さ れ て い る 。新 製 品 の た め 、製 品 ポ ジ シ ョ ニ ン グ が 、医 療 現 場 で も 手 さ ぐ り で あ る 可 能 性 が あ る 。一 方で、循環器内科や神経内科など、製品 E のメインターゲット である専門医に限定すると、メッセージ浸透度は高まる。今後、 新 製 品 と し て 非 専 門 医 に も メ ッ セ ー ジ を 浸 透 さ れ せ る こ と が 、課 題といえる。. . 【 製 品 Z】カ ス ケ ー ド を 経 て も 、社 内 各 層 で は メ ッ セ ー ジ 浸 透 度 は①に集約されたまま維持されている。特に、製品 Z のメイン 26.

(28) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 タ ー ゲ ッ ト で あ る う つ 病 の 専 門 医 で あ る 精 神 科 に 限 定 す る と 、浸 透 度 は 正 答 で あ る ② に 集 約 さ れ 飛 躍 的 に 高 ま る 。一 方 で 、医 師 全 般 で は メ ッ セ ー ジ 浸 透 度 に ば ら つ き が あ る た め 、非 専 門 医 へ の メ ッセージ浸透が課題といえる。. 図:製品 C のメッセージ浸透度の内訳. 図:製品 E のメッセージ浸透度の内訳. 27.

(29) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介. 図:製品 Z のメッセージの浸透度の内訳 【 SCBU に 関 す る メ ッ セ ー ジ 浸 透 度 】 . 製 品 Z、 製 品 X の 2 製 品 を 分 析 対 象 と し た 。. . メ ッ セ ー ジ 浸 透 度 は 、2 製 品 と も 高 く 維 持 さ れ て い る 。製 品 Z は 全 て の 階 層 で 100%の 浸 透 度 で あ る 。. . 分 散 分 析 の 結 果 、マ ネ ー ジ ャ ー と M R 間 に 有 意 差 は 認 め ら れ な か った。したがって。. 【分散分析の結果】 . 【 製 品 Z】 F(2,67)=,p=(算 出 不 可 ) 5%水 準 で 有 意 で は な い 。. . 【 製 品 X 】 F ( 2 , 6 7 ) = 1 . 11 4 , p > 0 . 0 5 、 5 % 水 準 で 有 意 で は な い 。. 図:メッセージ浸透度のギャップ(折れ線グラフ) 28.

(30) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 【各製品メッセージ浸透度の詳細】 . 【 製 品 Z】 製 品 Z は 、 全 て の 階 層 で 100%の メ ッ セ ー ジ 浸 透 度 で あ る 。各 階 層 で 一 貫 し た プ ロ モ ー シ ョ ン メ ッ セ ー ジ と な っ て い る 。 本 製 品 で は 、医 師 へ の 調 査 を 実 施 し て い な い が 、本 メ ッ セ ー ジ が 確 実 に 医 師 に 届 い て い れ ば 、本 製 品 の メ ッ セ ー ジ 戦 略 は 極 め て 正 しい方向にあるといえる。. . 【 製 品 X】 製 品 X も 、 極 め て 高 い メ ッ セ ー ジ 浸 透 度 を 組 織 内 で 維持している。本製品も製品 Z と同様、医師にメッセージが伝 達 さ れ て い れ ば 、組 織 内 ・ 社 外 と の メ ッ セ ー ジ 認 識 に 退 位 す る ギ ャップは極めて小さいといえる。. 図:製品 Z のメッセージ浸透度. 図:製品 X のメッセージ浸透度 29.

(31) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 2、戦略課題・問題意識の共有度 . マ ー ケ テ ィ ン グ 戦 略 の 実 行 性 を 高 め る 要 素 と し て 、戦 略 課 題 の 共 有 が 挙 げ ら れ る 。す な わ ち 、顧 客 が 抱 え る 現 状 の 悩 み や 課 題 を 共 有 し 、そ れ を 組 織 階 層 間 で ギ ャ ッ プ な く 認 識 し て い る こ と が 、本 社の戦略立案や組織の戦略実行にとって重要となる。. . そ こ で 、戦 略 課 題 ・ そ し て 顧 客 の 問 題 意 識 を「 医 師 の 薬 剤 に 対 す る 処 方 認 識 」に 置 き 換 え て 、各 階 層 間 の ギ ャ ッ プ を マ ー ケ テ ィ ン グ ス ケ ー ル で あ る “ AMTUL“ を 用 い て 測 定 す る 。 . 「戦略課題の共通度」を測定する . ” AMTUL” の 定 義. “ AMTUL” は 、 長 期 的 な 顧 客 の 購 買 プ ロ セ ス を 説 明 す る マーケティングモデル. . AMTUL を ベ ー ス に 、 製 品 の 処 方 レ ベ ル ( 社 内 は 期 待 度 、 医 師 は 影 響 度 )を 5 レ ベ ル で 評 価 す る こ と で 、社 内 各 階 層 の 戦 略 課 題 に 対 す る 現 状 認 識 、お よ び 医 師 の 処 方 レ ベ ル を 検証する. . 各製品のスコアは、加重平均値として産出する。. 図 :「 戦 略 課 題 の 共 有 度 」 を 測 定 す る. ”AMTUL”の 定 義. 【 PCBU の メ ッ セ ー ジ 浸 透 度 】 . 製 品 C、製 品 E、製 品 Z の 3 製 品 を 分 析 対 象 と し た 。 本 社 は 、営 業 の 認 識 や 医 師 の 実 態 と か い 離 し て 、医 師 の 処 方 期 待 が よ り 高 く な っ て い る 。 一 方 、 営 業 ( マ ネ ー ジ ャ ー ・ MR) と 医 師 ( 全 般 ) 間 で は 、処 方 に 関 す る 意 識 レ ベ ル は 共 有 さ れ て い る 。専 門 医 で は 、 本 社 の 処 方 期 待 と 同 等 に 高 い 処 方 意 向 を 持 っ て い る 。な お 、医 師 の 認 識 は 、製 品 ラ イ フ サ イ ク ル や 製 品 ポ テ ン シ ャ ル に 準 じ て い る 可能性もある。. . 分 散 分 析 ( A N O VA ) を 行 っ た 結 果 、 製 品 E に お い て 5 % 水 準 で 30.

(32) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 有 意 差 が 出 て い る 。 な お 製 品 Z で は 10%水 準 で 有 意 で あ る 。 有 意 差 が あ る 場 合 、階 層 間 で 戦 略 課 題 の 認 識 ギ ャ ッ プ が 発 生 し て い ることを示す。 【分散分析の結果】 【 製 品 C】 分 散 分 析 の 結 果 、 自 由 度 ( 4,188) の F 値 が 1.493、 5% 水 準 で 有 意 で は な い 。マ ネ ー ジ ャ ー ・ M R・ 医 師 ・ 専 門 医 の 処 方 期 待 ・ 処 方 認 識 は 「 3 ( 試 用 レ ベ ル )」 ほ ぼ 同 様 で あ る が 、 本 社 の 処 方 期 待 は 「 4 ( 処 方 )」 と 約. 1 段階高い期待となっており、この点は戦略. 課題の共有が課題といえる。 【 製 品 E 】自 由 度( 4 , 1 8 0 )の F 値 が 4 . 3 9 7 、5 % 水 準 で 有 意 で あ る 。 Tu r l e y 法 に よ る 多 重 比 較 の 結 果 、 本 社 と マ ネ ー ジ ャ ー 、 及 び 本 社 と MR 間 に お い て 、 5%水 準 で 有 意 で あ る 。 製 品 C 同 様 、 本 社 と そ の 他 の階層間におけるギャップが大きい。 【 製 品 Z】 自 由 度 ( 4,196) の F 値 が 2.371、 5% 水 準 で 有 意 で は な い 。 た だ し 、 本 社 と 医 師 ( 全 体 ) 間 に お い て 、 10%水 準 で 有 意 で あ る。したがって、本社と医師との課題共有が課題といえる。なお全 体のスコアは、他の 2 製品に比べ 1 段階くらい高くなっている。こ の理由はこれまでのマーケティングの成果、及び製品ポテンシャル の高さが反映していると思われる。 1.0. 2.0. 3.0. 4.0. 5.0. 本社. マネージャー 製品C 製品E. MR. 製品J 医師 (全員) 専門医. 図:戦略課題の共有度(棒グラフ). 31.

(33) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 5.0 本社 4.0 マネージャー 3.0. MR. 2.0. 医師 (全員) 専門医. 1.0. 製品C. 製品E. 製品J. 図:戦略課題の共有度(折れ線グラフ). 【 SCBU の メ ッ セ ー ジ 浸 透 度 】 . 製 品 Z、 製 品 X の 2 製 品 を 分 析 対 象 と し た 。 本 社 は 、 営 業 の 認 識 や 医 師 の 実 態 と か い 離 し て 、医 師 の 処 方 期 待 が よ り 高 く な っ て い る 。 一 方 、 営 業 マ ネ ー ジ ャ ー ・ MR と 医 師 ( 全 般 ) 間 で は 、 処 方 に 関 す る 意 識 レ ベ ル は 共 有 さ れ て い る 。専 門 医 で は 、本 社 の 処 方期待と同等に、高い処方意向を持っている。. . また、製品間の戦略課題の共有度の 差異が大きい。製品 X は、1 ランク以上製品 Z よりも高い。これは、新薬である製品 Z は戦 略 課 題 が 低 く 、緑 内 障 の フ ァ ー ス ト チ ョ イ ス で あ る 製 品 X で は 、 戦 略 課 題 は 高 い 。な お 、医 師 の 認 識 は 、製 品 ラ イ フ サ イ ク ル や 製 品 ポ テ ン シ ャ ル に 準 じ て い る 可 能 性 も あ る 。さ ら に 、製 品 Z は 、 製品 X と他の緑内障治療薬の合剤であるため、製品間のカニバ リゼーションに懸念を持っているマネージャーや. MR は 多 い と. 思われる。 . 分 散 分 析 ( A N O VA ) を 行 っ た 結 果 、 製 品 Z に お い て 5 % 水 準 で 有 意 差 が 出 て い る 。具 体 的 に は 、本 社 と マ ネ ー ジ ャ ー 、及 び 本 社 と MR 間 に お い て 有 意 な 差 が あ る 。製 品 Z は 、メ ッ セ ー ジ 浸 透 度 が 極 め て 高 い 一 方 、階 層 間 で 戦 略 課 題 の 認 識 ギ ャ ッ プ が 発 生 し て い ることを示す。. 【分散分析の結果】 . 【製品. Z】 分 散 分 析 の 結 果 、 F(2,67)=7.132,p<0.05、 5% 水 準 で 32.

(34) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 有 意 で あ っ た 。本 社 と マ ネ ー ジ ャ ー 、及 び 本 社 と M R 間 に お い て 有意な差がある。製品 Z は、メッセージ浸透度が高かった。し か し 、本 社 は 処 方 レ ベ ル を 高 く 考 え て お り 、本 社 と 営 業 現 場 の 間 に 、現 状 課 題 の 認 識 に お い て 差 が あ る 。今 回 医 師 の 聞 き 取 り 調 査 を 行 わ な か っ た が 、医 師 の 処 方 状 況 と 乖 離 が あ る 場 合 、こ の 点 は 戦略課題の共有が課題といえる。 . 【 製 品 X】 F(2,67)=1 .321, p>0. 05. 5%水 準 で 有 意 で は な い 。し. た が っ て 、各 階 層 間 に 大 き な 差 は な か っ た と い え る 。製 品 X は 、 製品 Z に比べ、戦略課題のレベルが 1 ランク以上高い。これは 製 品 X が 、発 売 し て 8 年 が 経 過 し て お り 、成 熟 し た 製 品 で あ り 、 か つ ジ ェ ネ リ ッ ク も 発 売 し て い る こ と 。ま た 緑 内 障 治 療 薬 と し て は 、長 期 に わ た り 眼 科 医 か ら フ ァ ー ス ト チ ョ イ ス の 薬 剤 と さ れ て いたことが挙げられる。 1.00. 2.00. 3.00. 4.00. 5.00. 本社. 製品Z マネージャー. 製品X. MR. 図 : SCBU の 戦 略 課 題 の 共 有 度 ( 棒 グ ラ フ ) 5.00. 4.00 本社. 3.00. マネージャー MR. 2.00. 1.00 製品Z. 製品X. 図 : SCBU の 戦 略 課 題 の 共 有 度 ( 折 れ 線 グ ラ フ ) 33.

(35) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 3、戦略理解度・戦略納得度 . 本 社 の マ ー ケ テ ィ ン グ 戦 略 が 実 行 さ れ る に は 、ま ず 組 織 を 構 成 す る 社 員 に 戦 略 が 理 解 さ れ て い る こ と が 第 一 前 提 に な る 。そ の う え で 、戦 略 が 現 場 の ニ ー ズ に 適 合 し て い る な ど の 条 件 を 満 た し て い れ ば 、 営 業 マ ネ ー ジ ャ ー や MR か ら の 納 得 が 得 ら れ る 。 今 回 は 、 マ ネ ー ジ ャ ー と M R に 焦 点 を 当 て 、本 社 の 戦 略 に 対 し て 、理 解 し ているか?また納得できているかについて確認した。 . 【戦略理解度の定義】 「本 社 の 戦 略 を 正 し く 理 解 で き て い る か 」 を 、 ア ン ケ ー ト 回 答 者 で あ る 営 業 マ ネ ー ジ ャ ー ・ 及 び MR の 主観的回答で得たスコア. . 【 戦 略 納 得 度 の 定 義 】「 本 社 の 戦 略 に つ い て 納 得 し て い る か 」 を 、 ア ン ケ ー ト 回 答 者 で あ る 営 業 マ ネ ー ジ ャ ー ・ 及 び MR の 主観的回答で得たスコア. . 戦 略 へ の 理 解 度 と 納 得 度 が と も に 高 い ほ ど 、戦 略 へ の 腹 落 ち 度 合 い が 上 が り 、戦 略 へ の 認 識 へ ば ら つ き が な く な る た め 、メ ッ セ ー ジ 浸 透 度 が 高 く な る 。結 果 、組 織 と し て の 戦 略 の 実 行 性 が 上 が る と予想される。. 【 PCBU の 戦 略 理 解 度 ・ 戦 略 浸 透 度 】 . 戦略理解度は、マネージャーで低い傾向があるが、マネージャ ー ・ MR と も に 高 い 。 た だ し 、 完 全 に 理 解 ・ 納 得 し て い る と い う 「 5 」を 選 択 す る ケ ー ス は 少 な い 。ま た 戦 略 の 納 得 度 は 、マ ネ ー ジ ャ ー ・ MR と も に 高 い 。. 【t 検定】 . 戦 略 理 解 度 t ( 1 5 7 ) = 1 . 4 8 , p > 0 . 0 5 、戦 略 納 得 度 t ( 1 5 7 ) = 0 . 4 7 , p > 0 . 0 5 で 、 と も に 、 マ ネ ー ジ ャ ー ・ MR 間 に 有 意 差 は 認 め ら れ な い 。 し た が っ て 、 マ ネ ー ジ ャ ー ・ MR 間 で ほ ぼ 同 様 に 、 戦 略 を 理 解 し 、 納得していると思われる。. 34.

(36) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介. 図:戦略理解度・戦略納得度の比較 【多重コレスポンデンス分析】 . 戦 略 理 解 度 ・ 納 得 度 に つ い て 、マ ネ ー ジ ャ ー と M R の 認 識 の 関 係 性を視覚化するため、多重コレスポンデンス分析を行った。 . 【 PCBU の 戦 略 理 解 度 の マ ト リ ク ス 】 多 重 コ レ ス ポ ン デ ン ス 分 析 の 結 果 を 2 軸 に 分 け た 結 果 、マ ネ ー ジ ャ ー・ M R と も に 、 戦略理解度の高い「エリート・自立タイプ」に集中した。そ の 他 、「 エ リ ー ト ・ 優 柔 不 断 タ イ プ 」 と 「 自 立 ・ 落 ち こ ぼ れ タ イプ」の 3 群に分かれた。. . 【 PCBU の 戦 略 納 得 度 の マ ト リ ク ス 】 戦 略 納 得 度 は 分 散 さ れ ており、大きく 3 群に分かれている。戦略理解度の高いマネ ー ジ ャ ー ・ MR 群 ( 自 立 ・ 服 従 ) が 最 も 多 く 、 さ ら に 少 数 の ど ち ら で も な い 群( 優 柔 不 断 ・ 服 従 )、納 得 度 の 低 い 群( 自 立 ・ 反抗)で、3 群に分かれた。. . 【 PCBU の 戦 略 理 解 度 ・ 納 得 度 の マ ト リ ク ス. マネージャー】. マネージャーでは多重コレスポンデンス分析の結果、多数派 の 戦 略 理 解 度 ・ 戦 略 納 得 度 が 高 い 群 ( 服 従 タ イ プ )、 少 数 派 の 理解度・納得度が低い群(反抗タイプ)に 2 分された。 . 【 PCBU の 戦 略 理 解 度 ・ 納 得 度 の マ ト リ ク ス. MR】一 方 、MR. では多重コレスポンデンス分析の結果、戦略理解度が十分高 け れ ば 、 戦 略 納 得 度 も 高 く な る ( 実 行 タ イ プ )。 一 方 、 戦 略 を 理解できても、戦略納得度が低い傾向がある(準備不足タイ プ )。戦 略 に 対 す る 納 得 度 を 上 げ る に は 、戦 略 理 解 度 を 十 分 高 める必要が示唆される。. 35.

(37) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介. 図 : PCBU 戦 略 理 解 度 マ ト リ ク ス. 図 : PCBU 戦 略 納 得 度 マ ト リ ク ス. 36.

(38) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介. 図 : PCBU 戦 略 理 解 度 ・ 戦 略 納 得 度 マ ト リ ク ス ( マ ネ ー ジ ャ ー ). 図 : PCBU 戦 略 理 解 度 ・ 戦 略 納 得 度 マ ト リ ク ス ( MR) 【 SCBU の 戦 略 理 解 度 ・ 納 得 度 マ ト リ ッ ク ス 】 . 戦略理解度は、マネージャーで低い傾向があるが、マネージャ ー ・ MR と も に 高 い 。 た だ し 、 完 全 に 理 解 し て い る と い う 「 5 」 を選択するケースは少ない。戦略の納得度は、マネージャー・ MR と も に 「 5」 に 近 く 、 現 行 の 本 社 戦 略 に 対 し 納 得 が 得 ら れ て いるといえる。. 37.

(39) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介. 図:戦略理解度・納得度. 【多重コレスポンデンス分析】 . 戦 略 理 解 度 ・ 納 得 度 に つ い て 、マ ネ ー ジ ャ ー と M R の 認 識 の 関 係 性を視覚化するため、多重コレスポンデンス分析を行った。 . 【 SCBU の 戦 略 理 解 度 の マ ト リ ク ス 】 多 重 コ レ ス ポ ン デ ン ス 分析の結果、戦略理解度の高い「エリートタイプ」と、戦略 理解度の低い「落ちこぼれタイプ」に分かれた。. . 【 SCBU の 戦 略 納 得 度 の マ ト リ ク ス 】 多 重 コ レ ス ポ ン デ ン ス 分析の結果、戦略納得度では、納得度の高い「服従型」と納 得度の低い「反抗型」に分かれた。. . 【 SCBU の 戦 略 理 解 度・ 納 得 度 の マ ト リ ク ス. M R 】多 重 コ レ. スポンデンス分析の結果、戦略実行力の高いと思われる「実 行タイプ」と、実行性のやや高いと思われる「やや実行タイ プ 」 に 分 か れ た 。 理 解 度 「 4」 と 納 得 度 「 5」 が 同 じ グ ル ー プ にある。 . 【 S C B U の 戦 略 理 解 度・納 得 度 の マ ト リ ク ス. マネージャー】. 多重コレスポンデンス分析の結果、戦略実行性の高いと思わ れる多数派の「エリートタイプ」と、戦略実行性の低いと思 われる少数派の「反抗タイプ」に分かれた。実行タイプに集 中しているグループを見ると、戦略理解度の高い群と、戦略 納得度が高い群が明確に同じグループに属している。. 38.

(40) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介. 図 : SCBU 戦 略 理 解 度 マ ト リ ク ス. 図 : SCBU 戦 略 納 得 度 マ ト リ ク ス. 39.

(41) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介. 図 : SCBU の 戦 略 理 解 度 ・ 納 得 度 の マ ト リ ク ス. 図 : SCBU の 戦 略 理 解 度 ・ 納 得 度 の マ ト リ ク ス. 40. MR. マネージャー.

(42) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 4、プロモーションチャネルごとの医師処方への影響度 . 製 薬 会 社 で は 、近 年 マ ル チ チ ャ ネ ル ・ マ ー ケ テ ィ ン グ と い う 概 念 が 浸 透 し て き て お り 、 人 的 プ ロ モ ー シ ョ ン の ほ か 、 We b や e プ ロ モ ー シ ョ ン な ど の 様 々 な ア プ ロ ー チ で 、医 師 へ の プ ロ モ ー シ ョ ンを試みている。. . 医師がどのようなプロモーションチャネルを情報源にしている か は 、一 部 の e プ ロ モ ー シ ョ ン 企 業 な ど で 実 施 さ れ て い る が 、ネ ッ ト リ テ ラ シ ー な ど の バ イ ア ス が 入 る 恐 れ が あ る 。そ こ で 、プ ロ モーションチャネルの医師への影響度をインタビューによる聞 き 取 り 形 式 で 行 い 、そ の 実 態 を 確 認 し た 。ま た 本 研 究 で は 、企 業 が 戦 略 を 実 行 す る う え で 、組 織 を 介 し た プ ロ モ ー シ ョ ン 、す な わ ち人的プロモーションチャネルを重視していることを前提にし て い る 。よ っ て 、プ ロ モ ー シ ョ ン チ ャ ネ ル と し て の M R の 重 要 性 についても、インタビュー形式で確認した。. . プ ロ モ ー シ ョ ン チ ャ ネ ル は 、製 薬 会 社 の プ ロ モ ー シ ョ ン で 用 い ら れている以下の内容や医師の口コミなどのバイアスのかからな い情報源を確認している。. . 人的プロモーションチャネル . . MR. ・. 本社講演会. We b チ ャ ネ ル . 製 薬 会 社 We b サ イ ト. e プ ロ モ ー シ ョ ン ( MR 君 、 ケ ア. ・. ネットなど) . バイアスフリーチャネル . . 学会. ・. 医師間の口コミ. その他 . MS( 医 薬 品 卸 ). 【 PCBU に お け る プ ロ モ ー シ ョ ン チ ャ ネ ル 毎 の 医 師 処 方 へ の 影 響 度 】 . いずれのチャネルも、医師の回答より、本社の期待は高い。 . 依 然 と し て 本 社 ・ 医 師 は 、 MR や 講 演 会 を 重 視 し て い る 。 特 に MR に 関 し て 、 今 回 の 研 究 は MR を 中 心 と し た 、 人 的 プ ロ モーションチャネルの戦略実行性を高める目的であるが、医 師 が 最 も 重 視 し て い る MR の プ ロ モ ー シ ョ ン 効 率 を 上 げ る こ とは、現段階で、製薬会社にとって有効であることを示唆す る。. . 近 年 注 目 さ れ て い る 、 We b や e プ ロ モ ー シ ョ ン は 、 医 師 の 情 報源としての期待は低い。また本社の情報源としての期待も 41.

(43) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 低い。 . 医師間の口コミや学会は、バイアスフリーの情報源として、 MR 等 と 同 様 、 医 師 の 重 要 な 情 報 源 と な っ て い る 。. . 【 t 検 定 】 t 検 定 に お い て 、 本 社 と 医 師 の 間 に は 、 We b サ イ ト ・ e プ ロ モ ー シ ョ ン ・ 口 コ ミ ・ MS に お い て 有 意 差 が あ る 。 す な わ ち 本社が期待しているほど、医師が重視していない情報源である。. 図:プロモーションチャネルの重要度認識のギャップ(折れ線). 42.

(44) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介. 図:プロモーションチャネルの重要度認識のギャップ(棒グラフ) ~ 医 師 の 処 方 決 定 の Key Driver と は ? ~ 【 SCBU に お け る プ ロ モ ー シ ョ ン チ ャ ネ ル ご と の 医 師 処 方 へ の 影 響 度】 . 本 社 の 期 待 の 傾 向 は 、 医 師 は 、 MR・ エ ビ デ ン ス ・ 講 演 会 、 そ し て医師間の口コミなどを重視している。. . 医 師 に つ い て の 状 況 を 確 認 し て い な い が 、本 社 の 期 待 に 関 し て は 、 基本的にプライマリケアとほぼ同様の結果となった。. 図:プロモーションチャネルの重要度認識のギャップ 43.

(45) 修士論文 M35 81230410 佐々木俊介 【医師インタビュー結果について】 . 本 研 究 で は 、P C B U の M R に 同 行 の 上 、プ ロ モ ー シ ョ ン チ ャ ネ ル に 関 し て 、医 師 の イ ン タ ビ ュ ー を 実 施 し て い る 。以 下 の イ ン タ ビ ュ ー の 内 容 は 、上 記 の プ ロ モ ー シ ョ ン チ ャ ネ ル に 関 す る 情 報 を 指 示すると思われる。 . 医 師 は 、 M R・ エ ビ デ ン ス ・ 講 演 会 、 そ し て 医 師 間 の 口 コ ミ な どを重視している。. . 処方開始・変更などの、処方のキー・ドライバーとなる要素 は 、 依 然 と し て MR で あ る と 答 え る 医 師 は 多 く 、 MR の プ ロ モーションチャネルとしての価値は高い。. . ただし、多くの医師は、企業色のあまりないバイアスフリー な情報を重視している。したがって、医師同士の口コミ・学 会・文献を重視している。. . ネットや e プロモーションは、製薬会社の期待に比べ、処方 に大きな影響を及ぼす要因となっていない。よってネットへ 多くの資源配分を行っている製薬企業は、資源配分の検討、 あるいは提供価値や提供効率の改善を検討する必要があるか もしれない。. . 医師の情報ニーズとして、薬剤の適応外使用に関しての希望 が強かった。特に精神科や神経内科で強い要望があった。こ の点は、製薬会社のプロモーションコード範囲内で考慮する 必要があるが、興味深い内容である。. . な お 本 文 献 の 末 尾 に 、ア ン ケ ー ト 内 容 の 概 略 を 添 付 し て い る の で 、 参考いただきたい。. 5、製薬会社プロモーションの意図と医師のニーズ . 戦 略 の 実 行 性 を 高 め る 上 で 、医 師 の ニ ー ズ に 沿 っ た 戦 略 を 立 て る 必 要 が あ る 。営 業 組 織 は 、本 社 が た て た マ ー ケ テ ィ ン グ 戦 略 に 従 い プ ロ モ ー シ ョ ン を 行 う が 、こ の 際 、医 師 の ニ ー ズ に 沿 っ た 情 報 提 供 体 制 と な っ て い る こ と が 、戦 略 の 実 行 ・ 及 び 医 師 の 満 足 度 を 高めることにつながる。. . そこで、以下の情報に関して、以下の内容を全階層に確認する。 ① 製薬会社の情報提供状況(主観的にどれだけ情報提供できて いると思うか?) ② 医師のニーズ(どの情報に本当のニーズがあるか?). . 確 認 す る 情 報 は 以 下 の と お り で あ る 。こ れ ら を 各 階 層 の 価 値 曲 線 で示す。 44.

Gambar

図 : ア ン ケ ー ト 先 医 師 の 所 属 ・ 専 門 科
図 : P C B U 戦 略 納 得 度 マ ト リ ク ス
図 : S C B U 戦 略 理 解 度 マ ト リ ク ス
図 : S C B U の 戦 略 理 解 度 ・ 納 得 度 の マ ト リ ク ス   M R
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