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「オリンパス・大王製紙事件から日本の企業統治 の将来を考える」

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(1)

「オリンパス・大王製紙事件から日本の企業統治 の将来を考える」

2012年1月18日 RIETI BBLセミナー

京都産業大学経済学部

齋藤 卓爾

([email protected])

(2)

日本企業のガバナンス問題

コーポレート・ガバナンス(経営者に対する規律付け)

はなぜ必要なのか?

1.経営者と株主の利害は異なるから

2.企業の経営状況について株主は経営者ほど知らない

日本では具体的にどのような利害対立があるのか?

1.株式をほとんど所有しない経営者 と 分散した株主 例:オリンパス

2.大株主であり経営も行う創業者、創業家 と 少数株主 例:大王製紙

3.親会社 と 少数株主 → 親子上場問題

(3)

大王製紙事件-ファミリー企業での問題

-井川意高 社長(会長):創業者の孫

-井川家の親族が関連会社のトップを占めている -井川家が約20%の株式を保有

→所有と経営が完全に分離されていない

ファミリー企業のメリットとデメリット

(-)企業の私物化

(-)親族の優遇

(-)保守的な経営

(+)長期的な視野での経営が可能

(+)強いリーダーシップ

2

(4)

事件前は大王製紙の経営は評価されていた

(5)

2011年度末時点の東証一部上場企業(1540社(金融業のぞ

く))におけるファミリー企業

-株式分散企業:親会社はなく、経営 者は創業者関係者ではない企業

-子会社:15%以上保有の親会社が存 在する企業

-ファミリー企業:社長、会長、代表 取締役に創業者もしくは創業者一族 出身者がいる企業

-創業者企業:創業者が社長、会長

、代表取締役のいずれかに就いて いる企業

-世襲企業:創業者は引退し、創業 者の子孫が社長、会長、代表取締 役のいずれかに就いている企業

4

株式分散 企業

43%

子会社 23%

ファミ リー企業

34% 株式分散企業43%

子会社 23%

創業者企業 13%

世襲企業 21%

(6)

2011年度末時点の東証一部上場企業(1540社(金融業のぞ

く))におけるファミリー企業

括弧内は創業者・創業家の持株比率

創業家・創業者一族の持株比率は上位10大株主に含まれる創業者、創業家関 係者、資産管理会社、財団などの持株比率の合計

→所有と経営の分離が不十分なファミリー企業は少なくない

株式分散企業

42.6%

子会社

23.3%

創業者

(5%

以下

) 0.3%

創業者

(5

15%) 1.2%

創業者

(15

33%) 4.9%

創業者

(33%

以上

) 6.4%

世襲

(5%

以下

) 5.8%

世襲

(5

15%) 6.0%

世襲

(15

33%) 5.4%

世襲

(33%

以上

)

4.2%

(7)

ファミリー企業のガバナンス上の問題点

創業者一族が経営と所有の両面から支配している企業で は利害の不一致が表面化しやすい

「良いファミリー企業」と「悪いファミリー企業」があ ったとしても、外部からは見分けがつかない

→ファミリー企業は率先して情報開示、ガバナンス改革を 進めるべき

※しかし現実は・・・

-多くのファミリー企業で創業者一族がどの程度の影響 力を持っているのか(所有株数すら)外部からはわかり にくい

-社外取締役を導入している企業の比率は非ファミリー 企業よりも低い(東証1部上場企業:51%

分散企業:57% 創業者企業:36.5% 子孫企業:39.8%)

6

(8)

大王製紙・オリンパス事件後の株価の動き(累積異常収益率)

事件後、ファミリー企業の株価が他のタイプの企業と 比べて下がったわけではない

-5 -4 -3 -2 -1 0 1 2

8/22 8/29 9/5 9/12 9/19 9/26 10/3 10/10 10/17 10/24 10/31 11/7 11/14 11/21 11/28 12/5 12/12 12/19 12/26

(%)

株式分散 子会社

ファミリー企業

(9)

オリンパス事件へのコメント

株式をほとんど所有しないサラリーマン経営者が株主の利 害には沿わない行動を行った。ただし今回の事件で経営陣 は私腹を肥やしたわけではない。

→経営者の利害は何だったのか?

保身? サラリーマン根性? 会社のため?

→経営者は悪意を持たず株主の利害に沿わない行動をしてい るのかもしれない

○日本の株式分散(サラリーマン社長)型企業では このようなガバナンス問題が深刻では?

8

(10)

2011年度末時点の東証一部上場企業(1540社(金融業のぞ

く))における社外取締役の普及状況

• 普及は進んだが、未導入企業も多い

なし 49%

0~10%

8%

10~20%

22%

20%~30%

11%

30~40%

5%

40~50%

4% 50%以上

1%

社外取締役人数 社外取締役比率

0人 49%

1人 24%

2人 16%

3人 6%

4人 3%

5人以上 2%

(11)

社外取締役は問題を解決してくれるのか?

なぜガバナンス問題が起きるのか?

1.経営者と株主の利害が異なるから

2.経営者の行動を外部から把握するのは難しい(情報の非対称性)

→経営者から独立な社外取締役が経営に関する情報を十分 に得られれば、有効な監視を行い問題を解決してくれる

※これは無理な注文かもしれない

理由1:ほとんどの企業では経営者が社外を含む取締役の 任命権を握っている(→問題解決の手段は問題が解決さ れないと導入されないのかもしれない)

理由2:監視に必要な情報は経営者から得る必要がある →社外取締役が完璧に問題を解決することはほぼ不可能

(ただし軽減はしてくれるかもしれない)

10

(12)

どのような企業が社外取締役を導入?

監視の必要性が高い企業ほど社外取締役を導入しない傾向 がある

42 44 46 48 50 52 54 56 58

下位20% 20~40% 40~60% 60~80% 上位20%

%)

低い ← 総資産に占める現金の比率 → 高い

社外取締役導入比率

0.6 0.7 0.8 0.9 1 1.1 1.2

下位20% 20~40% 40~60% 60~80% 上位20%

(

人)

低い ← 総資産に占める現金の比率 → 高い

社外取締役数

9.5 10 10.5 11 11.5 12

下位20% 20~40% 40~60% 60~80% 上位20%

(

%)

低い ← 総資産に占める現金の比率 → 高い

社外取締役比率

(13)

社外取締役を有効に機能させるためには

有効に機能しない理由に対応する必要がある 対策1:最小限の社外取締役の任命を義務づける

対策2:社外取締役が経営に関する情報を効率的に取得し、

理解できる体制を整える(社外取締役の資質も含む)

○全ての経営者が外部者による評価を定期的に受ける仕組み が必要なのでは?

-社外取締役があらゆる経営判断を監視するのは事実上不可 能。経営者を定期的に評価することが最も重要な役割。

-社外取締役が必要ない理由はあるのだろうか?(多すぎる ことが望ましくない理由はあるが)

-トヨタ、キヤノンは参考にならない

12

(14)

大王製紙・オリンパス事件後の株価の動き(累積異常収益率)

社外取締役がいない企業で株価の低下が顕著

→日本企業のガバナンスが見直される過程で、社外取締役 がいない企業が問題視された可能性がある

-7 -6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2

8/22 8/29 9/5 9/12 9/19 9/26 10/3 10/10 10/17 10/24 10/31 11/7 11/14 11/21 11/28 12/5 12/12 12/19 12/26

(%)

東証1部上場企業

社外あり なし

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