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「主要国の対中認識・政策の分析」

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Academic year: 2025

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「主要国の対中認識・政策の分析」

【研究概要】

「中国の台頭」は、既存の国際秩序を変動させうる最大の変数である。特に、中国と「境 界」を接している日本にとっては、「中国の台頭」の行き着く先が日本の安全と繁栄にとっ て、ひいては国際社会全体にとって望ましいものとなることを確保することが、死活的に 重要である。したがって我々は、以下の二つの課題に取り組まねばならない。第一は、中 国の台頭は、今後アジア太平洋地域の、また世界全体の安全保障環境を如何に変容させて いくことになるのかを明らかにすることである。そして第二は、中国の台頭の行き着く先 が日本にとって、ひいては国際社会全体にとって望ましいものとなるように、日本として 採りうる政策はいかなるものであるかを明らかにすることである。

この課題に取り組むに当たって、本研究事業は、中国の台頭そのものよりは、それに対 する諸外国の認識や対応を分析対象にするというアプローチをとる。このようは方法を採 用するのは、以下の3つの理由からである。

  第一に、安全保障環境の変容は言うまでもなく、中国の台頭それのみによって生じるの ではない。安保環境の変化は、中国の台頭とそれに対する諸外国の認識・政策が相互に作 用する中で生ずるものである。したがって、中国の台頭それのみを扱うのでは、安保環境 を展望する上では不十分であり、それと同等に主要各国の認識と対応を解明する作業が不 可欠である。

  第二に、超大国と化しつつある中国は、日本一国でその対外政策を方向付けようとする には、すでに大きくなりすぎているという現状を踏まえる必要がある。日本と認識や利害 を共有する諸国(地域を含む、以下同じ)との十分な意思疎通によって同方向の行動

(parallel action)を確保すべきである。対中政策は、日本一国がその行動を声高に非難す るのみではむしろ逆効果であり、国際世論/規範に訴えかけることができたとき、最も大 きな効力を発揮し得る。それゆえに我々は、諸外国の対中認識・政策を検討し、その共通 点と相違点をできる限り明らかにし、かつ可能な範囲で認識の共有化を図るべきである。

  第三に、上記に示したこうしたアプローチからの研究の重要性に比して、日本に蓄積さ れている諸外国の対中政策に関する研究は圧倒的に不足している。韓国は、オーストラリ アは、インドネシアは、ロシアはいかに中国の台頭を捉え、いかに対処しようとしている のか。こうした問いに対して十分な回答を示し得るだけの研究成果は、残念ながら極めて 少ない。ましてそれらの政策を比較検討した研究成果などは皆無である。本研究プロジェ クトはこうした研究の欠落を埋めうるものである。

本研究が具体的に検討課題とするのは、アメリカ、ロシア、韓国、インド、インドネシ ア、オーストラリア、台湾の「中国の台頭」に対する認識と対中政策である。より具体的 には、これら各国の対中認識・政策について、①現状、②傾向、③規定要因(含、国内に

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おける意見の相違と力関係)、④展望をそれぞれ明らかにする。その上で、それら諸国と認 識の共有を図るために、あるいは共有できない部分についてはそれが日本にとって不利に 働かないようにするために、日本として採るべき外交政策(含、世論への働きかけ、各国 国内要路のどの「ボタン」を押せば良いか)を提言する。さらに、国別の分析によって明 らかにされた各国の対中認識・政策を相互に比較し、これら諸国と協調して(「包囲網」を 形成するのではなく)いかなる対中政策・戦略を形成すべきかを提案する。

【研究プロジェクトメンバー】

主査

高木  誠一郎  (当研究所研究顧問)

委員

伊藤  融  (防衛大学校准教授)

小笠原  欣幸  (東京外語大学准教授)

倉田  秀也  (防衛大学校教授)

首藤  もと子  (筑波大学教授)

兵頭  慎治  (防衛省防衛研究所地域研究部米欧ロシア研究室長)

福嶋  輝彦  (防衛大学校教授)

委員兼幹事

角崎  信也  (当研究所研究員)

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