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令和2事業年度に係る業務の実績に関する報告書

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  法人番号  72

 

           

令和2事業年度に係る業務の実績に関する報告書 

   

   

令和3年6月 

       

   

(2)

目    次   

○ 大学の概要   ……… 1   

(1)現況  ……… 1 

(2)大学の基本的な目標等  ……… 1 

(3)大学の機構図  ……… 3   

○ 全体的な状況   ……… 5     

はじめに  ……… 5  1.教育研究等の質の向上の状況  ……… 5  2.業務運営・財務内容等の状況  ……… 7  3.附属学校の取組状況  ……… 7  4.大学入学者選抜の実施体制の強化に関する取組……… 8  5.戦略性が高く、意欲的な目標・計画の状況  ……… 9   

○ 項目別の状況   ……… 14 

  Ⅰ 業務運営・財務内容等の状況    (1)業務運営の改善及び効率化に関する目標  ①組織運営の改善に関する目標  ……… 14 

②教育研究組織の見直しに関する目標  ……… 16 

③事務等の効率化・合理化に関する目標  ……… 17 

業務運営の改善及び効率化に関する特記事項等  ……… 18 

  (2)財務内容の改善に関する目標  ①外部研究資金、寄附金その他の自己収入の増加に関する目標  … 20  ②経費の抑制に関する目標  ……… 21 

③資産の運用管理の改善に関する目標  ……… 22 

財務内容の改善に関する特記事項等  ……… 23 

  (3)自己点検・評価及び当該状況に係る情報の提供に関する目標  ①評価の充実に関する目標  ……… 24 

②情報公開や情報発信等の推進に関する目標  ……… 25 

自己点検・評価及び当該状況に係る情報の提供に関する特記事項等  26    (4)その他業務運営に関する重要目標  ①施設設備の整備・活用等に関する目標  ……… 28 

②安全管理に関する目標  ……… 29 

③法令遵守に関する目標  ……… 30 

その他業務運営に関する特記事項等  ……… 31 

  Ⅱ 予算(人件費の見積りを含む。)、収支計画及び資金計画 ………… 34 

  Ⅲ 短期借入金の限度額 ……… 34 

  Ⅳ 重要財産を譲渡し、又は担保に供する計画 ……… 34 

  Ⅴ 剰余金の使途 ……… 35 

  Ⅵ その他    1  施設・設備に関する計画  ……… 35 

2  人事に関する計画        ……… 36   

○ 別表1(学部の学科、研究科の専攻等の定員未充足の状況について)…37   

(3)

福岡教育大学

 

- 1 -

○  大学の概要   

 

(1)現況   

①  大学名 

国立大学法人福岡教育大学   

②  所在地 

  赤間地区(本部)  福岡県宗像市    福岡地区      福岡県福岡市    小倉地区      福岡県北九州市    久留米地区        福岡県久留米市   

③  役員の状況 

  学長名:飯田慎司(令和2年4月1日〜令和8年3月 31 日) 

  理事数:3人 

  監事数:2人(非常勤) 

 

④  学部等の構成    教育学部 

  大学院教育学研究科    特別支援教育特別専攻科    附属幼稚園 

  附属小学校    附属中学校   

⑤  学生数及び教職員数(令和2年5月1日現在) 

  学生数:教育学部      2,614 人(3人) 

      大学院教育学研究科        152 人(1人) 

      特別支援教育特別専攻科       19 人   

  附属学校園児・児童・生徒数:      2,425 人   

  教職員数:大学教員      167 人        附属学校教員      123 人        職員      120 人 

※(  )は留学生数で内数   

                   

(2)大学の基本的な目標等   

豊かな知を創造し、力のある教員を育てる―九州の教員養成拠点大学― 

 

  福岡教育大学は、有為な教育者の養成を目的に掲げ、今日までその達成に鋭意 努めてきた。そして、先に国とともに行った「ミッションの再定義」において、

義務教育諸学校に関する教員養成機能における広域の拠点的役割を目指すことを 基本的な目標とし、実践型教員養成機能への質的転換を図り、我が国の学校教員 の質の向上に貢献することを宣言した。この使命と責任を果たすため、第3期中 期目標期間においては、以下のような目に見えるかたちでの改革を実行し、国民 及び地域社会からの一層の期待に応える。 

  教育における取組では、これまで進めてきた学部改組と大学院改革の方向性を 一層確実にする。すなわち、学部は入学定員の移動の上に、初等・中等・特別支 援教育教員養成課程における「課程」としての教育を充実させ、大学院は教員養 成大学における大学院としての性格を明確にし、我が国最先端の卓越した大学院 を目指したものに創り変える。具体的には、学部では、義務教育段階の教員養成 を確実に担う「教職教育院」の教育実施体制を強化し、学習指導要領改訂を見据 えて教員養成カリキュラムと教養教育を抜本的に見直す。社会が教員の在るべき 姿として本学卒業生に求める資質・能力を「福教大ブランド」として明確化し、

新たに定める入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)に即した入試に転換 する。大学院では、修士課程の縮減とコース再編並びに教職大学院の入学定員増 を行い、近隣の大学と連携して教職大学院の拡充を行い、いじめの根絶、知識・

技能の活用を促す新しい学習指導や教育課程の編成等に関する卓越した知見と教 育計画を開発する大学院を目指す。また、英語が話せる小学校教員の養成と現職 教員の研修、協定校留学、海外短期語学研修事業を行うため、本学独自に設けた

「英語習得院」による教育体制を強化する。さらに、学生ボランティア活動の充 実と附属学校での教育実習の改善により、教員志望の学生の意欲や自信を幅広く 醸成し、教育総合インターンシップ実習につなげる仕組みを構築する。これらに より、本学卒業者における教員就職率の格段の向上に徹底して取り組む。併せて 附属学校教員を含む現職教員の大学院就学、特に教職大学院への就学を強力に推 進するため、附属学校に大学院のサテライト教室を整備する。附属学校では、大 学との連携を一層強化し、義務教育段階でのグローバル化やインクルーシブ教 育、小中一貫教育、情報化に対応する先進的取組を重点化して行うとともに、安 全・安心の修学環境整備の下、ゆとりのある学校生活を創造し、公立学校の真の モデルとなりうる教育実施体制を実現する。 

  研究における取組では、大学全体の研究としては、「教育総合研究所」におい て、国及び地域の教育力向上に資する研究プロジェクトを強力に推進する。大学 教員個人の研究については、外部資金の活用を基本とするよう改めるとともに、

教育研究費を本学のミッションの実現に向けた戦略的な配分方式に転換する。加 えて、不正防止に係る研究倫理教育を充実し、研究水準の向上を図るため、紀要 等における査読システムを導入する。 

  社会貢献と国際交流における取組では、学生のボランティア活動の推奨と併せ て本学版 COC 事業(地(知)の拠点整備事業)を地域の教育委員会との連携協力 の下に実行する。また、海外協定校との国際交流実績を踏まえ、安全の確保に配 慮しながらアジアやヨーロッパにおける海外協定校を増やす。留学生の派遣にお

(4)

- 2 - いては、留学により身に付く内容を研修プログラムとして策定し、学内外に公表 し、派遣学生の増大を図る。 

  学内運営における取組では、これからのあるべき教員配置についての中長期的 な移行方策を立案して実行するとともに、教員組織を大括り化し、教育機能の集 中化と再配置を進める。採用や昇任に係る大学教員人事は当該講座が発議する方 式を改め、理事や部局長を加えた教員人事委員会で行い、ミッションの実現に尽 力する教職員の人事考課を一層公正かつ適切に実施する。これらを始め、学長の リーダーシップを発揮する体制を強化する。 

  以上の取組により、九州の教員養成拠点大学としての強みと特色を強化する。 

                                                                             

                                                                                               

(5)

福岡教育大学

 

- 3 -

(3)大学の機構図 

 

【平成 31 年度】      (令和2年3月 31 日) 

 

教職 教育院

教育研究評議会 経営協議会

教員養成の質向上に関する諮問会議 役員会

学長 部局長会議

学長室 戦略企画室 理事 副学長

(6)

- 4 -

【令和2年度】      (令和3年3月 31 日) 

 

教員養成の質向上に関する諮問会議 役員会

学長 部局長会議

学長室 戦略企画室 理事 副学長

教育研究評議会 経営協議会

教職 教育院

(7)

福岡教育大学

 

- 5 -

○  全体的な状況

   

はじめに 

  福岡教育大学は、学術の中心として深く専門の学芸を研究教授するとともに、

広く知識技能を開発し、豊かな教養を与え、もって有為な教育者を養成し、文化 の進展に寄与することを目的としている。 

  本学では九州の教員養成拠点大学として、豊かな知を創造し、教育の実践力に あふれた教員を養成することを目標に掲げて、第3期中期目標期間において、義 務教育諸学校に関する教員養成機能における広域の拠点的役割を目指すことを 基本的な目標とし、実践型教員養成機能への質的転換を図り、我が国の学校教員 の質の向上に貢献するための改革を推進する。 

  令和元年度には、平成 28 年度に実施した生涯教育課程を募集停止、学校教育 課程のみの教員養成に特化するという学部改組後に入学した学生の卒業までの 1サイクルが終了し、令和2年度は、第3期中期目標期間の中間評価として第3 期において掲げている実践型教員養成機能への質的転換の実現状況を確認し、中 期目標・中期計画を達成する最終段階の計画を実行するとともに、教員養成大学 としての充実を図るため、第4期中期目標期間の改革構想の検討を開始する重要 な年度と位置づけた。 

   

1.教育研究等の質の向上の状況̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲ 

 

◇教育の質向上 

(1)実践型教員養成への質的転換による教員就職率向上    ➀教育総合インターンシップ実習の必修化に向けた取組 

【詳細は P9の「5.戦略性が高く、意欲的な目標・計画の状況」の年度計画 1の実施状況欄において記載。】 

 

②福岡市との教育実習に関する連携 

教育総合インターンシップ実習の受入先の増加など、学部における4年間を通 じての体系的な教育実習の充実による実践型教員養成機能の強化につながる取 組として、令和3年3月に福岡市と、教員を志望する本学学生の素養及び実践力 の向上のため、福岡市立学校における教育実習の受入、採用の特別選考等に関す る「教員養成にかかる連携・協力協定」を締結した。 

 

③教職大学院における他大学との連携協定 

令和3年4月から 10 名の定員を拡充する教職大学院への近隣大学からの入学 志願者を増加させる取組として、令和2年5月に福岡女学院大学と、12 月に筑紫 女学園大学と、本学教職大学院へ進学を希望する各大学の学生に対する特別選抜 の実施や、学生及び教職員の行事等の交流を行い教員養成の充実を図ることを目 的に、連携協定を締結した。 

 

④ICT 教育の推進 

  小中学校においても GIGA スクール構想が推進されていることを踏まえ、教員 養成においても ICT を活用した教育の高度化・効率化・双方向化、ICT 利活用能 力の向上などを図るため、令和4年4月から学部学生のノートパソコンを必携化 することとし、その環境整備及び支援のため学術情報センターの下に「福岡教育 大学ノートパソコン必携化にかかる環境・設備検討部会」を設置して、検討を開 始した。 

 

(2) コロナウイルス感染症拡大に対応した教育の実施について 

    令和2年4月において、コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言により 対面授業実施が困難となったことから、授業については、対面型、遠隔型、ハイ ブリッド(遠隔と対面を併用)型を状況に応じて実施した。授業の実施状況につ いては、「学生授業評価アンケート」における学生からの回答において、対面授 業を基本とする昨年度までの回答傾向と比較して顕著な変化は見受けられず、遠 隔授業を含めて一定のコントロール下で必要な教育を継続して実施することが できた。 

    【各授業方法の実績】 

    前期:遠隔型 約 47%、ハイブリッド型 約 40%、開講時期変更 約 13% 

後期:遠隔型 約 29%、ハイブリッド型 約 38%、対面型 約 33% 

 

➀遠隔授業の取組 

本学の危機対策本部の下に、教育学部長をリーダーとする遠隔授業サポートチ ーム(教員と教務担当の事務職員で編成)を設置し、遠隔授業の実施や受講に向 けた教員用・学生用マニュアルの作成を行うとともに、学生から寄せられる様々 な質問にメール及び電話で対応した。 

また、遠隔授業の教材開発支援のため、ファカルティ・ディベロップメント委 員会で教材作成時の留意事項をまとめ、教職員グループウェア・ガルーンにおい て情報共有を行った。 

なお、遠隔授業の教材開発をはじめ、急遽オンラインでの実施を余儀なくされ た実習の事前指導・事後指導や入試説明会、各種発表会など多方面の資料作成に おいて、教育支援のため設置している本学教材開発スタジオ(写真や映像の撮影・

編集・加工を可能とする機材を整備した施設)が活用された。 

 

②対面授業(演習・実習科目を含む)実施に際しての工夫、対策等について    緊急事態宣言の解除等を受け、令和2年6月 15 日から実験・実習の一部科目 を対面の形態で開始し、さらに同年6月 29 日から対面授業を順次拡大した。 

    対面授業の開始にあたり、「新型コロナウィルス感染拡大防止と面接授業実施 に係るガイドライン」を定め、講義室では学生の身体的距離が1メートル確保で きるように収容人数を調整し、各授業の割り振りを行った。また、対面授業を希 望する授業担当教員に、本学が定めた感染対策へのチェックシートの提出を求 め、感染対策が十分できると判断される科目に限って、対面授業の実施を許可し

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- 6 - た。   

    また、授業環境の感染対策として、「音楽教棟への飛沫防止設備(カーテン等)

の設置」、「大教室や自然科学教棟の網戸等の設置(換気機能の強化)」、「共 通講義棟教室の消毒契約追加」等の対策を行った。 

 

③教育実習等について 

  教育実習について、附属学校実習は、感染症対策を徹底したうえで、例年どお りの実習時期及び期間で実施することができた。附属学校以外での実習は、実習 協力校に対してできる限り予定どおり実施するよう依頼し、実習を受け入れる学 校の状況によって実習期間の短縮など弾力的な対応を行った。実習期間中に新型 コロナウイルス感染者の発生等により実習の継続が困難な場合は、直ちに実習を 中止し、不足する実習時間は、学校におけるボランティア活動を中心とした代替 措置を講じた。 

    介護等体験について、令和2年8月 11 日付け文部科学省通知による「介護等 体験代替措置」を適用し、施設等における体験活動は実施せず、国立特別支援教 育総合研究所が開設する科目の学修を課す対応を行った。 

 

◇学生支援の取組 

(3)教員就職率を向上させる取組 

コロナ禍においても、これまで教職協働で行ってきた教員就職に向けた取組を 継続し、就職支援を行うキャリア支援センターにおいて、メールや電話で教員採 用試験対策などの相談、添削指導を実施し、対面授業再開後の令和2年6月から 参考図書の貸し出しを、また、同年7月から教員採用試験対策特別講座を対面に より再開し、400 名以上の学生に対し模擬授業、集団討論、面接等の対策を実施 した。また、学部学生に対する指導体制である教職教育院において、学生の「学 びの場」の提供が必要と判断し、ガイダンス教員(新設)を柱とするクラス担任 制の見直し、ガイダンス教員、キャリア支援アドバイザー、ボランティア及び教 育実習の各コーディネータ等による「学生支援プロジェクトチーム」を新設し、

「学生支援プロジェクトチーム」会議を稼働させ、学生支援関係部局の連携強化 を図り、学生が自らの主体的な「学びの場」を創設する組織として活動している

「学生支援ネットワーク」への支援の取組を開始した。 

 

(4)「新型コロナウイルスに係る緊急学生支援プロジェクト」の実施 

  新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済的影響を受け、学業に専念できない学 生に対し、福岡教育大学基金を原資に 1 人あたり3万円を給付する緊急支援措置 を2回にわたり実施した。 

【第1回支給金額 及び 支給対象者数】5月募集(支援金支給  6月 11 日) 

・学部生 551 名、大学院生 18 名、専攻科生4名、協定留学生2名 

      計 575 名(17,250 千円) 

【第2回支給金額 及び 支給対象者数】6月募集(支援金支給  7月9日) 

・学部生 192 名、大学院生7名、専攻科生1名、    計 200 名(6,000 千円) 

また、この支援事業について本学のウェブサイトに掲載し、福岡教育大学基金 への寄附を呼びかけた。 

 

(5)遠隔授業実施に伴う教科書の宅配販売の送料等の助成 

  年度当初、前期の授業の全てを遠隔授業で開始することに伴い必要となった教 科書の宅配送料等(通常は学生が支払う費用)約 3,000 千円を大学(大学後援会 からの寄附金 1,500 千円を含む。)にて負担した。 

 

(6)オンライン授業受講に伴う通信費支援事業の実施 

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の「新型コロナウイルス感染症対策助 成事業」からの助成金 100 万円及び学生支援に賛同する企業等の寄附から 94 万 円を活用し、経済的支援を要する学生の申請に基づき、後期の遠隔授業に係る通 信費の支援事業を実施した。 

【支援対象者数及び金額】 

学部生 373 名、大学院生 12 名、専攻科生 3 名  計 388 名        (1 人あたり 5,000 円支給、1,940 千円) 

 

(7)障害学生支援の取組 

    障害を持った学生の就学支援として、障害学生支援センターにおいて学生テイ カーを派遣し、授業をはじめ、入学式・卒業式、教育実習事前指導・事後指導、

教員採用試験対策講座等でのノートテイク・パソコンテイク、字幕挿入を実施し ている。令和2年度からは、コロナ禍における遠隔授業実施に対応するため、こ れに加えて「音声録音授業資料の文字起こし」(実績 82 件)を開始した。 

 

(8)その他の教育環境整備のための支援 

    コロナ禍における安全な教育環境を提供するための学生支援として、対面授業 の実施に伴い大学学生食堂に飛沫防止パネルを設置して昼食会場を整備し、昼休 み終了時に毎日職員による消毒作業を行った。 

また、学生寮には、手指消毒液及び非接触型の体温計を設置し、寮生に検温の 記録を求め、体調管理を行うと共に、体調不良者は健康科学センターに連絡し、

指示を受けるように周知を徹底した。 

 

◇研究の推進 

(9)教育総合研究所による総合的な研究の推進 

令和2年度は、第3期中期目標期間中に実施した研究プロジェクト成果の社会 への還元状況を検証した。 

【詳細は P11 の「5.戦略性が高く、意欲的な目標・計画の状況」の年度計画  9の実施状況欄において記載。】 

 

◇社会連携・社会貢献の推進 

(10)教員研修プログラムの開発と活用の促進 

(9)

福岡教育大学

- 7 -     県域を越えて教育資源の交流を図り、教員研修を効果的・効率的に実施し、地

域の教育課題の解決とともに九州全体の教育力の向上に寄与することを目的に 平成 30 年度に発足した国公私立大学と九州・沖縄の各県、政令市等の教育委員 会が参画する「九州教員研修支援ネットワーク」(事務局・福岡教育大学教員研 修支援センター)の取組として、令和2年度において、福岡県をはじめ九州各県、

政令市、中核市教育委員会に教員研修プログラムの開発希望についてアンケート 調査を行い、調査結果を踏まえて、教員研修プログラムとして 10 件の動画コン テンツを作成できた。 

併せて、令和元年度に開発した教員研修プログラムの活用状況についてアンケ ート調査を行い、各教育委員会等で多くのプログラムが研修等で活用されている こと、動画による授業イメージを持てること、コロナ禍のような集合研修が実施 できない環境下においても研修の機会を確保でき、何度でも見返すことができる ため、校内研修での活用が可能であることなどの評価を得られたこと等が確認で きた。開発プログラムの活用促進のため、ネットワーク参画団体へ活用を要請す るほか、福岡県教育センターを通じて、九州各県の教育委員会へパンフレットを 配付して広報活動を行った。 

 

◇グローバル化の推進 

(11)英語力向上に向けたグローバル化の推進 

【詳細は P12 の「5.戦略性が高く、意欲的な目標・計画の状況」の年度計画  14 の実施状況欄において記載。】 

   

2.業務運営・財務内容等の状況    ̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲ 

 

(1)業務運営の改善及び効率化に関する目標 

・学長のリーダーシップによる組織運営 

ガバナンスの強化に関する取組について(P19  2.①)を参照。 

・学長のリーダーシップの確立(予算配分や執行について) 

ガバナンスの強化に関する取組について(P19  2.②)を参照。 

 

(2)財務内容の改善に関する目標 

・教育研究の充実に資する寄附金の獲得及び自己収入の多様化  特記事項(P23  1.②)を参照。 

 

(3)自己点検・評価及び情報提供に関する目標 

・自己点検・評価に基づく内部質保証体制の充実  特記事項(P26  1.①)を参照。 

・戦略的広報活動の検証と実施    特記事項(P26  1.②)を参照。 

 

(4)その他の業務運営に関する目標 

・コンプライアンス教育の充実  特記事項(P31  1.②)を参照。 

 

3.附属学校の取組状況̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲__̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲ 

 

(1)教育課題への取組 

  附属学校において、第3期中期目標期間中に公立学校の先導的モデルとなる教 育研究活動を行うため、平成 28 年度に策定した研究方針と各附属学校で定めた マスタープランに基づき、福岡地区の附属学校ではグローバル化対応、インクル ーシブ教育及び小学校カリキュラム開発、小倉地区の附属学校では小中一貫教育 の推進、久留米地区の附属学校では ICT  活用の教育推進に重点を置いた先導的 モデルとなる研究を進めている。 

特に附属小倉中学校では、文部科学省の「これからの時代に求められる資質・

能力を育むためのカリキュラム・マネジメントの在り方」に関する調査研究を推 進し、その成果を「カリキュラム・マネジメントの手引き」としてまとめ、令和 3年2月 22 日の成果報告会(オンライン開催)にて、広く公表した。理論編、実 践編、Q&A 編からなる本手引きは、県内外の学校(教師)に向け附属小倉中学校 ウェブサイトからダウンロードを可能とし、今後各学校でのカリキュラム編成へ の活用が期待される。 

 

(2)大学・学部との連携 

本学のミッションの再定義として定められている「学校現場での指導経験のあ る大学教員を第3期中期目標期間末までに 30%を確保するとともに、すべての 教員が実務を経験し、教育行政に関与するなど学校現場に通じた大学教員となる よう第2期中期目標期間に改革を行う。」との項目を達成するために、平成 29 年 度より各附属学校を研修場所として大学教員の特別研修プログラムを開始して いる。令和2年度は、コロナ禍のため実務経験研修(学校現場で3年ごとに3日 間以上の研修)は中止となったが、実地指導研修(学校現場で通算約 180 日間の 研修)については継続して6名が実施した。 

 

(3)地域との連携 

  附属学校教員人事を調整するために附属学校担当理事の統括の下で大学が主 体となって福岡県、福岡市及び北九州市との人事の調整を行う体制を平成 29 年 度から実施しているが、その連携体制を活かし、本学が定めた人事方針への理解 を得た上で、双方の意向に沿った人事協議を行っている。 

また、コロナ禍の中、附属福岡小学校、中学校においては、遠隔授業のために 作成した国語科、社会科等計 37 本の授業動画を、福岡市教育委員会からの要望 に基づき、福岡市が遠隔授業で児童、生徒及び教員が利用するために開設した授 業動画閲覧サイト「福岡  TSUNAGARU  Cloud」へ提供し、その中には視聴回数が 3,000 回を超えるものもあった。また、福岡県に最初の新型コロナ感染症緊急事

(10)

- 8 - 態宣言が出された令和2年4月には、附属福岡小学校において「オンライン朝の 会」を実施し、その様子を、5月には福岡県をはじめとした全国の教育関係者に 公開するとともに、相談会を実施することで ICT 活用のノウハウを迅速に伝える ことができた。なお、これらの取組みは、文部科学省の「国立教員養成大学・学 部、大学院、附属学校の取組状況について〜グッドプラクティスの共有と発信に 向けた事例集〜Vol.3」に取り上げられた。 

 

(4)役割・機能の見直し 

    「国立教員養成大学・学部、大学院、附属学校の改革に関する有識者会議報告 書(平成 29 年8月)」で課題として求められている「校長の常勤化」への対応と して、令和2年度から副園長(公立小学校教員出身者)を附属幼稚園長に登用し て園長の常勤化を行い、責任体制を強化した。 

 

(5)新型コロナウイルス感染症にかかる対応 

令和2年度4月の新型コロナ感染症流行に伴う臨時休校期間において、各附属 学校では、Web 会議ツール Zoom を利用したオンライン朝の会を実施することで、

児童生徒の健康観察や教師、級友とのつながりが実感でき、家庭学習におけるモ チベーションアップにもつながった。また、「みんなで、同時に(Zoom)」、「い つでも、何度でも(You Tube)」、「先生と双方向で(ロイロノート)」、「ひ とりでも(まなびのポケット)」と学習場面に応じた特色あるアプリを活用する ことで、多様で効果的な学びを実現することができた。なお、これらの取組みは、

文部科学省の「国立教員養成大学・学部、大学院、附属学校の取組状況について

〜グッドプラクティスの共有と発信に向けた事例集〜Vol.3」に取り上げられ た。 

   

4.大学入学者選抜の実施体制の強化に関する取組  ̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲ 

 

(1)新型コロナウイルス感染症にかかる対応 

  新型コロナウイルス感染症対策として、令和2年 11 月 11 日(令和2年 12 月 18 日付け一部更新)に「令和3年度入学試験にかかる新型コロナウイルス感染症 に対応した本学試験実施のガイドライン(基本方針)」を作成し、筆記試験にお ける1メートル程度の間隔の確保、受験者のマスク着用の義務付け(未所持者に は大学からマスク提供)、建物の入口や試験室へのアルコール消毒液の設置、試 験前日と試験終了時の消毒作業、換気の徹底のほか、実技試験や面接試験におけ る感染防止策を示すなど、入学試験の実施に向けた対応策等を取りまとめたうえ で、令和3年度入学試験を実施した。(令和2年度において、入学試験実施会場 における感染は確認されていない。) 

       

                                                                                     

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福岡教育大学

 

- 9 - 5.戦略性が高く、意欲的な目標・計画の状況 

ユ ニ ッ ト 1   教員組織改革及び実践型教員養成機能への質的転換による教員就職率の向上 

中 期 目 標 【 1 】  

第2期においては、学位授与、教育課程編成・実施、入学者受入の各方針を整備し、育成すべき資質・能力の内容と基準 を「福岡教育大学スタンダード」として明確化し、教育学部としての学士力を身に付けさせながら、本学卒業後の教員就職 率 70%(5年間平均)を実現してきた。第3期においては、こうした第2期の取組を見直して一層強化する。義務教育諸学 校に関する教員養成機能における九州の広域拠点的役割を担うというミッションを実現するため、再構築した学位授与の方 針(ディプロマ・ポリシー)の下、教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)、入学者受入方針(アドミッシ ョン・ポリシー)を改めて策定し直し、今日的な教育課題に対応できる実践型教員養成機能への質的転換を図り、学部教育 から大学院教育に至る教育内容を、段階的・階層的に整序して、教育の質を向上させる。 

 

中 期 計 画 【 1 】  

学士課程では、初等・中等・特別支援教育教員養成課程における各課程としての教育を充実させる。平成 28 年度から実施 するカリキュラムでは、能動的学習(アクティブ・ラーニング)、ICT 活用を効果的に位置づけながら、各教科等の指導、生 徒指導、学級経営等を全般的に確実に指導できる資質・能力を育む取組、及び新しい学習指導要領や今日的な教育課題に対 応するための指導力を育む取組を、教養教育の充実及び教育総合インターンシップ実習の必修化による4年間を通しての学 校現場体験の充実と連動させて実行する。また、ディプロマ・ポリシーに照らした学生の到達状況を判定する基準を作成す るなどの教育成果の検証と研究プロジェクトの成果を踏まえて、平成 32 年度には、カリキュラム改革を再度実施する。こう した取組により、第3期中期目標期間末までに卒業生の教員就職率 90%を実現する。 

 

令 和 2 年 度 計 画

【 1 】  

教育総合インターンシップ実習の必修化に向けた取組を推進する。また、教員就職率向上に向けた改善策を強化する。 

実 施 状 況  

4年次後期に行う教育総合インターンシップ実習の必修化に向けて、現状把握と改善のため、前年度参加した学生の事前・

事後の学生アンケート分析及び実施学校関係者からの意見等の集約を行った。学生アンケートにおいては、教科指導力のほ か、各種指導力のいずれについても、身についているとする回答率が実習後に増加しており、特に本実習が「教科指導力」、

「他の教員とのチームワーク力」の習得に役立ったと評価されていること、学校関係者の意見からは、就職前のインターン シップとしての意義が評価されていることが確認できたとともに、実施地域の拡大などの検討課題を得た。令和3年度実施 に向けての取組として予定していた実施説明会は、コロナ禍の影響で実施できなかったが、代わりに附属学校実習時など他 の機会を捉えて周知を行い、コロナ禍においても、令和2年度参加者と同程度の令和3年度実習希望者(年度末現在 115 名)

と各受入学校(年度末現在 104 校)からの内諾を得ることができた。 

教員就職率向上のため、カリキュラムについては、平成 31 年度(令和元年度)に策定した改訂カリキュラムを令和2年度 から実施するとともに、改訂を踏まえて学生の到達状況を判定する基準を見直し、より教育の体系性と紐付けた「ディプロ マ・ポリシーに基づく達成度測定の指標」を作成した。また、次のカリキュラム見直しに向けた検討を開始した。 

なお、令和2年3月卒業生の教員就職者数は、卒業生 550 人中 448 人と教員就職者数全国大学中 1 位、教員就職率は 81.5%

(令和3年2月文部科学省発表)であった。令和3年3月卒業生においても、446 人が教員として就職しており、同程度の 水準を維持している。 

【数値目標の達成状況】  中期計画の達成指標  令和2年度状況  備考  学部卒業生の教員就職率 

 

90%  77.2% 

(578 人中 446 人) 

※母数は、卒業生から進学者・

保育士就職者数を除いた数。 

令和3年5月 10 日現在 

令和3年3月卒業生の就職状況   

 

中 期 計 画 【 2 】  

修士課程では、九州の広域拠点的な役割を担うため、教科等に関する深い知識の修得に加えて、初等・中等・特別支援教 育の各学校段階及びそれらの学校が置かれた地域の課題解決に資する学校現場をフィールドとする活動を導入した平成 28 年度から実施するカリキュラムにより、学校現場での実践を理論的に構築するとともに、教育課題を演繹的に展開して問題

(12)

- 10 -

解決することができる研究力を備えた教員を養成する。こうした取組により、第3期中期目標期間末までに修了生の教員就 職率 90%を実現する。 

 

令 和 2 年 度 計 画

【 2 】  修士課程修了生の教員就職率 90%を実現するための取組を行う。 

実 施 状 況  

コロナ禍においても、修士課程学生に対して、教員採用試験受験に向けた特別講座の実施(オンデマンドまたは対面実施)

や公立学校の講師登録推進に向けた各種情報提供を学生ポータルサイト等で積極的に行うとともに、指導教員に対して同様 の情報提供を行い周知の徹底を図るなど、修士課程の修了生の教員就職率 90%を実現のための取組を継続して行うことがで きた。 

【数値目標の達成状況】  中期計画の達成指標  令和2年度状況  備考  修士課程修了生の教員就職

率 

90%  71.4% 

(28 人中 20 人) 

※大学非常勤講師を教員就職 者に含む場合、78.6%(28 人 中 22 人)   

令和3年5月 10 日現在 

令和3年3月修了生の就職状況   

 

中 期 計 画 【 3 】  

教職大学院では、理論と実践を架橋した教育を一層充実するため、教育実践の具体的事例を帰納的な手法によって省察し 改善することを軸とした実践即応型の教員養成高度化のプログラムを平成 28 年度より導入し、他大学の卒業者から教職志 望者を幅広く受け入れることにより、初任者教員並びに学年主任や教務主任、指導教諭・主幹教諭、教頭・校長など 

の学校現場のリーダーとして活躍しうる人材を育成して、第3期中期目標期間末までに修了生の教員就職率 100%を実現 する。 

 

令 和 2 年 度 計 画

【 3 】  

教職大学院の新しい組織と教育課程について、令和3年度実施に向けた具体的な取組を実行する。また、実践即応型の教 員養成高度化のプログラム(3年プログラム)の検証結果を基に改善策を立案し、実行する。 

実 施 状 況  

教職大学院において、令和3年度から教育課程に新たに教科領域(国語科、数学科(算数科)、社会科、理科、英語科、

保健体育科)を加え、従来の3コースから2コース8プログラムとするため、それに伴う学生募集、シラバス・時間割の作 成と共に、学内関係規程の整備を行った 

また、教職大学院の実践即応型の教員養成高度化のプログラム(3年プログラム)=小学校教員免許状取得プログラム(以 下「3年プログラム」)において、従来3年生で実施していた学校での実習を試行的に2年生後期で実施したほか、修了生

(1・2期生)へのアンケート調査やヒアリングを実施して検証を行い、検証結果を令和3年度から開設する3年プログラ ムのカリキュラム、履修方法に反映し、改善した。 

【数値目標の達成状況】  中期計画の達成指標  令和2年度状況  備考  専門職学位課程修了生の教

員就職率 

100%  95% 

(20 人中 19 人) 

令和3年5月 10 日現在 

令和3年3月修了生の就職状況 

※平成 30・31(令和元)年度に おいては 100%達成済 

 

中 期 目 標 【 2 】  

第2期においては、入試から修学及び卒業に至るまで教育の実施体制の中心的役割を果たしてきた教科等の区分による選 修の体制(いわゆるピーク制)の廃止を決定し、それに替わるより強力な教育実施体制として、「教職教育院」を創設した。

これは、初等・中等・特別支援教育教員養成の各「課程」としての教育を徹底する趣旨で置いたものである。この取組を強 化し、第3期においては、「教職教育院」による教育実施体制を充実する。併せて、本学の実践型教員養成機能への質的転 換をさらに推進するため、英語習得院の体制を充実するとともに、学校現場で指導経験のある大学教員の確保や学校現場に 通じた教員となるための方策を策定し実行する。 

(13)

福岡教育大学

- 11 -  

中 期 計 画 【 4 】  

学士課程教育の質的転換を確実にするため、大学教員の専門性と領域を考慮しながら従前の講座への所属から教職教育院 への再配置を行い、教職教育院を拡充・強化するとともに、平成 30 年度末に講座制を廃止する。併せて、教職大学院の実務 家教員に学士課程の授業を担当させるなどして、学士課程教育を教職大学院の教育と連携して充実させる措置を講じる。こ の新体制を創出することにより、学士課程における教員養成のための「課程」としての教育と教職大学院の高度化の機能を 連動させて向上させる。また、「英語習得院」における語学力向上のためのプログラムや、獲得した語学力に磨きをかけ生 かすための海外研修や留学事業を充実させるため、民間の経験豊富な英語習得院講師と大学教員との協働教育体制を強化す る。 

 

令 和 2 年 度 計 画

【 4 】  

教職大学院の教育・研究を活用して学士課程の教員養成のための機能を向上させる取組を実施する。 

実 施 状 況  

学士課程の教員養成のための機能を向上させる取組として、本学学部と教職大学院との連携を目的とした「6年間を通し た高度な資質能力を持つ教員の養成のための福岡教育大学教育学部及び教職大学院の連絡会」を定例化し、教職大学院専任 教員による学士課程の兼担科目の拡大・拡充方法の検討を行い、令和3年度には新たに 29 科目を増やし、計 33 科目を兼担 科目として開設することとした。 

 

ユ ニ ッ ト 2   学生ボランティア活動の推進による実践型教員の養成  中 期 目 標 【 3 】 

第2期においては、学生への支援として、経験豊富な退職校長をキャリア支援センターや学生支援課に登用するなどして、

キャリア支援やボランティア支援の体制を強化した。第3期においては、教員養成機能に特化したキャリア支援及びボラン ティア活動の支援策を講じる。とりわけ、ボランティア活動にあっては、今後その全校化が指向されるコミュニティ・スク ールを担うことのできる資質・能力を育成する。 

 

中 期 計 画 【 6 】 

学生の教員志望動機を高め、教員としての職業意識を涵養するために、今後その全校化が指向されるコミュニティ・スク ールにおいて保護者や地域と協働して運用することができる資質・能力を育成する本学独自の「地域志向型学生ボランティ ア認定システム」を普及することにより学生を支援し、学士課程の学生ボランティア活動参加率 100%を達成する。 

 

令 和 2 年 度 計 画

【 6 】  平成 31 年度(令和元年度)までに中期計画を達成したため、令和2年度は年度計画なし。 

実 施 状 況       

ユ ニ ッ ト 3   教育委員会等と連携した九州の教育力向上に貢献する研究の推進 

中 期 目 標 【 5 】 

第2期においては、各教科等における言語活動の充実を期したプロジェクト等、教員養成大学ならではの研究プロジェク トを企画・実施し、それらの成果を直ちに福岡県内の義務教育関係者に還元してきた。第3期においては、こうした研究の 志向性を保持しつつさらに国の教育施策と連動させ、教員養成機能における九州の広域拠点大学にふさわしく、個別の研究 プロジェクトのみならず、他大学などと連携した研究プロジェクトを実行する。これにより、義務教育諸学校の教育の質の 向上及び学校現場の課題解決に資する研究を推進し、九州地区の教育力の向上に貢献する。 

 

中 期 計 画 【 9 】 

学習指導要領の改訂を見据えた教育の質の向上や学力向上に関する研究プロジェクト、教員養成教育の在り方を刷新する ための研究プロジェクト、いじめの防止・根絶など学校現場の期待と課題解決に資する研究プロジェクトを平成 28 年度か ら立ち上げ、教育委員会や他大学と連携した研究を推進し、その成果を九州地区をはじめとする全国の義務教育関係者に還 元するとともに、平成 32 年度のカリキュラム改訂における授業科目や教育プログラムに適切に反映させる。 

  令 和 2 年 度 計 画

【 9 】  九州地区をはじめとする全国の義務教育関係者を対象に、還元した研究プロジェクトの成果を検証する。 

(14)

- 12 - 実 施 状 況 

これまでの本学研究プロジェクトの成果の社会への還元状況について検証を行った結果、文部科学省委託事業、BP プロジ ェクトに関し、次のような事例が確認された。また、研究プロジェクト成果の活用を定量的に把握する方策や、福岡県教育 センターとの共同開発の動画教材を含め、プロジェクト成果のより広い活用を促すため、広報面の強化に向けた方策等、検 討すべき課題を明らかにすることができた。 

〇「平成 28 年度  総合的な教師力向上のための調査研究事業(文部科学省委託事業)」 

九州地区研修研究協議会を立ち上げて作成した教員育成指標の九州モデルと活用ガイドブックについて、九州地区で は、福岡県、福岡市、北九州市、大分県などがこのモデルを基に教員育成指標を作成しているほか、活用ガイドブックは 教職員支援機構(Nits)の調査において、自治体が教員育成指標作成に参考にした資料として挙げられている。 

〇「平成 30 年度  教員の養成・採用・研修の一体的改革推進事業 〜研修の一体的改革推進事業/特色ある研修改革取組の 推進〜(文部科学省委託事業)」 

令和元年度教師力向上フォーラム(文部科学省主催、令和元年8月1日)でこのプロジェクトを報告し、アンケート調 査において、新規性、教師力向上、汎用性の観点で高い評価を得た。このプロジェクトの取り組み「福岡県教育センター と本学教職大学院との連携講座におけるオンラインを活用した研修コンテンツモデルの開発」が好評であったことを受 け、令和元年度には福岡県教育センターの初任者研修において、本学教育総合研究所の動画プログラム(YouTube により 配信)が活用された。令和2年度には国語科も同様の企画を行った。 

〇「いじめ根絶アクションプログラム(4大学連携 BP プロジェクト)」 

  宮城教育大学、上越教育大学、鳴門教育大学、福岡教育大学で平成 27 年度より継続的に実施している本プロジェクトで は、令和元年に大学間で関連授業の相互乗り入れを実施し、本学教授の実施授業について、受講者アンケートでも肯定的 評価(とてもそう思う・少しそう思う)として、「授業内容が全体として満足できたか(99%)」、「いじめ問題の理解 を進める参考となった(100%)」、「学校現場での防止を進める参考となった(89%)」との回答を得た。 

 

ユ ニ ッ ト 4   学校現場で実践可能な英語コミュニケーション能力を身に付けた小学校教員の養成 

中 期 目 標 【 8 】 

第2期においては、学校現場で実践可能な英語コミュニケーション能力の習得や留学に必要な英語力の向上を目指す全学 共通の取組を推進するとともに、現職義務教育諸学校教員の英語力向上に寄与することを目的とする「英語習得院」を開設 した(初年度受講生:375 名)。第3期においては、「英語習得院」をより充実させ、各年度で増加する受講生の適切な受入 れを行うとともに、講座の指導内容・方法の改善を行い、英語力を身に付けた教員を輩出する。 

 

中 期 計 画 【 14】 

学校現場で実践可能な英語コミュニケーション能力を身に付けた小学校教員を養成するために、「英語習得院」の講座及 び海外研修事業を充実させ、「英語習得院」の受講者数を増加させるとともに、関係教育委員会と連携して現職義務教育諸 学校教員の英語力向上のための研修事業を行う。また、「英語習得院」での英語力向上方策に加え、海外協定校を増やすな どの方策により、英語圏への協定留学などを推進するとともに、留学により身に付く内容を研修プログラムとして策定・実 施することにより、各地域の小・中学校英語のリーダーとしての役割を果たすことのできる教員を養成する。 

 

令 和 2 年 度 計 画

【 14】  留学により身に付く内容を研修プログラムとして策定・実施する。 

実 施 状 況 

令和3年度以降の留学及び海外語学研修への参加促進のため、実際に渡航した学生による記載項目・内容の充実や各種 情報に容易にアクセスが可能となる二次元コードの掲載を含めた「留学を目指す人のために(留学・語学研修ガイドブッ ク 2021 年度版)」を作成した。本学公式ウェブサイトへの掲載だけでなく、留学に意欲のある学生には電子データの情報 提供を積極的に行うことで、留学等により身に付く内容等を周知し、全体として研修プログラムを充実することができ た。 

コロナ禍のため、令和2年度中の渡航を伴う研修プログラムの実施はできなかったが、海外の多文化の教育現場を体験 し、視野を拡げる機会をつくり、コミュニケーション力の向上を図るため、ミャンマーのインターナショナルスクール児

(15)

福岡教育大学

- 13 -

童・生徒への TEAMS(リモート授業用のアプリ)を使ったリモート授業実施プログラムを実施した(令和2年 10 月から事 前説明会、オリエンテーション、事前研修を実施の上、令和3年3月 15 日〜21 日の7日間インターンシップ実施、参加学 生5名)。リモートを活用した海外研修プログラム手法を獲得できたことで、海外研修のリモート及び対面実施の双方の 利点を活かし、学生のニーズや各国・地域の現地状況を踏まえたハイブリッドな研修方法を計画することができるように なった。 

   

(16)

- 14 -  

   

Ⅰ  業務運営・財務内容等の状況 

(1)  業務運営の改善及び効率化に関する目標      ①  組織運営の改善に関する目標 

 

中 期 目 標 

【10】 

  第2期においては、学長のガバナンスを強化するため、学内すべての教育研究組織の長を学長指名とし、学長のリーダーシップを明確化した。第3期において は、九州の教員養成拠点大学として義務教育諸学校の教員養成機能を強化するため、学長のリーダーシップの下、情報の収集、分析、企画立案等を機動的に行う とともに、適切な教職員配置を行うなど、社会の要請に応えることができるよう運営組織を強化する。 

 

【11】 

  第2期においては、男女共同参画の推進に関する事項を検討するための教職協働の組織として、男女共同参画推進部会を設置した。教員の女性比率は約 20%で ある。第3期においては、男女共同参画に関する取組方針を改めて策定するとともに、役員、管理職員及び教員における女性比率の増加に向けた取組を行う。 

   

中期計画  令和2年度計画  進捗 

状況 

【18】 

  学長の企画立案を補佐する戦略企画室の長に副学長を充 て、専任の職員を配置することにより、学長の戦略的な大学 運営に必要な情報を収集・分析する体制を強化し、 

IR(Institutional Research)に基づく学長の適時適切な判 断を補佐する。また、戦略企画室との密接な連携の下、学長 室は、機動的な企画立案を行い、実行する。 

 

【18】 

  学長室は、戦略企画室との密接な連携の下、機動的な企画立案を行い、実行できているか検証す る。また、戦略企画室はその体制について検証し、改善策を実行する。 

 

 

Ⅲ   

【19】 

  ミッションの実現に向けた適切な人事配置を行うため、

採用や昇任に係る大学教員人事をこれまでの講座が発議す る体制から改めて、理事・部局長を加えた教員人事委員会で 行う。また、教員就職率の向上や研究プロジェクトへの貢献 などの基準を設けて、業績・能力に応じた人事考課を行い給 与などの処遇に反映させるとともに、第3期中期目標期間 中に年俸制を実施する。 

 

【19】 

  平成 31 年度(令和元年度)までに中期計画を達成したため、令和2年度は年度計画なし。 

 

− 

【20】 

  監事が監査業務をより充実できるように、役員会、経営協 議会、教育研究評議会及び学長選考会議などの重要な会議 へ出席し、教育研究や社会貢献の状況、学長選考方法や大学 内部のガバナンス体制などについて円滑な監査を行える態 勢を整える。その監事監査への対応状況を広く社会に公表 する。 

 

【20】 

  監事監査への対応状況を広く社会に公表する方策を検討する。   

Ⅲ 

○  項目別の状況 

(17)

福岡教育大学

- 15 -

【21】 

  経営協議会の学外委員の意見や、教育委員会の幹部職員、

公立の連携協力校の長等が構成員となる教員養成の質向上 に関する諮問会議の委員による意見を積極的に取り入れ、

地域社会のニーズを的確に反映して、幅広い視野での自律 的な運営改善を行い、その状況を広く社会に公表する。 

【21】 

  平成 31 年度(令和元年度)までに中期計画を達成したため、令和2年度は年度計画なし。 

 

 

− 

【22】 

  男女共同参画を重視した大学運営を推進するため、男女 共同参画推進のための取組方針を平成 28 年度に策定すると ともに、性別、年齢や経験にとらわれない資質・能力を主体 にした人事配置を行うことにより、役員及び管理職員にお ける女性の割合を 15%以上とする。優秀な女性教員の採用 を積極的に進めることにより、大学教員における女性の割 合は 20%以上を維持する。 

   

【22】 

  管理職員における女性比率増加に向けた取組を引き続き実施する。   

Ⅲ 

 

   

Referensi

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