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名目国民総生産と実質国民総生産 - Keio

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マクロ経済学 神谷傳造 平成

11

年11月4日

1

名目国民総生産と実質国民総生産

国内総生産,国民総生産は,最終生産物に含まれるさまざまな生産物をそれぞれの市場価格で評価した 価値額の合計である.市場価格は貨幣を単位として表示されるので,貨幣の購買力が変化すれば,実物と しての生産物の種類や量にまったく変化がなくても,国内総生産,国民総生産は見かけ上変化することに なる.したがって,実物としての総生産の動きを見るためには,このような貨幣の購買力の変化の影響を 取り除く工夫が必要になる.国内総生産,国民総生産の「不変価格表示」がその一つである.これは,あ らかじめ基準となる年を定めて,その年の価格で年々の生産物を評価してその総価値額を示す方法である.

このようにすると,単に価格の変化のみで生じた総生産の動きを取り除くことが出来る.普通,実質国内 総生産,実質国民総生産とは,不変価格表示の国内総生産,国民総生産のことである.これに対して,そ の年々の価格で評価した国内総生産,国民総生産を名目国内総生産,名目国民総生産という.

実質国内総生産,実質国民総生産の概念は,物価指数,数量指数の概念と関連づけて考えると分かりや すい.以下では,はじめに物価指数,数量指数の意味を説明したのち,不変価格表示の国内総生産,国民 総生産が,これらの概念を使ってどのように理解出来るかを示す.

1 物価指数

物価指数は貨幣の購買力の変化を示す指標である.貨幣の購買力が下がれば価格は上がり,貨幣の購買 力が上がれば価格は下がる.ところで,さまざまな生産物の価格の動きを見ると,それはまちまちであり,

すべての価格が同じ率で変動することはまれである.つまり貨幣の購買力の変化は,どの生産物を対象と して考えるかによって異なるのである.たとえば,コメに対する貨幣の購買力の変化,自動車に対する貨 幣の購買力の変化等々である.物価指数は,対象とする生産物によって異なる貨幣の購買力の変化を,平 均化し総合して表す指標である.ここで「価格」は個々の生産物の値段を意味するのに対して,「物価」は,

さまざまな価格全般を総合して指す言葉であることに注意しよう.

物価指数の算出法にはさまざまのものがあるが,最もよく用いられるものとしてラスパイレス

Laspeyres

型とパーシェ

Paasche

型とがある.経済全体を二つの生産部門に分けて,基準年および比較年の価格およ び数量がつぎのようであるとしよう.

生産部門

I

生産部門

II

価格 数量 価格 数量 基準年

p

01

q

10

p

02

q

20 比較年

p

11

q

11

p

12

q

21

そうすると,ラスパイレス型物価指数,パーシェ型物価指数の算式はそれぞれつぎのようになる.

ラスパイレス型: PL

= p

11

q

10

+ p

12

q

02

p

01

q

10

+ p

02

q

02 パーシェ型: 

P

P

= p

11

q

11

+ p

12

q

12

p

01

q

11

+ p

02

q

12

これは,生産物

1

の価格指数

p

11

=p

01 と生産物

2

の価格指数

p

12

=p

02 の加重平均であることが分かる.実 際,ラスパイレスの算式を書きなおすと

P

L

= p

01

q

01

p

01

q

01

+ p

02

q

02

p

11

p

01

+ p

02

q

20

p

01

q

01

+ p

02

q

20

p

12

p

02
(2)

マクロ経済学 神谷傳造 平成

11

年11月4日

2

そこで

w

1

= p

01

q

01

p

01

q

10

+ p

02

q

02

; w

2

= p

02

q

02

p

01

q

01

+ p

02

q

02 とすると,ラスパイレス物価指数は

P

L

= w

1

p

11

p

01

+ w

2

p

12

p

02

となる.ここで

w

1

+ w

2

= 1

であるから,ラスパイレス物価指数は,生産物

1

と生産物

2

の価格指数を,

基準年の総生産額に占めるそれぞれの生産額の割合

w

1,

w

2で加重した加重平均である.同様に,パーシェ 物価指数は

P

P

= p

01

q

11

p

01

q

11

+ p

02

q

21

p

11

p

01

+ p

02

q

12

p

01

q

11

+ p

02

q

12

p

12

p

02

のように書きなおされるから,生産物

1

と生産物

2

の価格指数を,基準年の価格で評価した比較年の総生 産額に占めるそれぞれの生産額の割合

v

1

= p

01

q

11

p

01

q

11

+ p

02

q

21

; v

2

= p

02

q

12

p

01

q

11

+ p

02

q

12

; v

1

+ v

2

= 1

で加重した加重平均

P

P

= v

1

p

11

p

01

+ v

2

p

12

p

02 であることが分かる.

2 数量指数

物価指数に対応して数量指数が考えられる.貨幣の購買力の変化がどの生産物を対象とするかによって 異なるように,時間の経過の中で生じる数量の変化も生産物によって異なる.物価指数がさまざまな価格 変化を平均化して表すのと同じように,数量指数は,異なる生産物の数量の変化を平均化して表す指標で ある.物価指数に対応して,数量指数にもラスパイレス型とパーシェ型がある.再び2生産部門の例を用 いると,ラスパイレス型数量指数,パーシェ型数量指数の算式はそれぞれつぎのようになる.

ラスパイレス型: QL

= p

01

q

11

+ p

02

q

12

p

01

q

10

+ p

02

q

02 パーシェ型: 

Q

P

= p

11

q

11

+ p

12

q

21

p

11

q

01

+ p

12

q

20

物価指数と同じように,これらの数量指数は,生産物ごとの数量変化指数,q11

=q

10

q

12

=q

20,の加重平均 として表すことができる.実際,物価指数の場合と同様の計算をとおして以下の結果が得られる.

Q

L

= w

1

q

11

q

01

+ w

2

q

12

q

02

; w

1

= p

01

q

01

p

01

q

01

+ p

02

q

20

; w

2

= p

02

q

02

p

01

q

01

+ p

02

q

20

Q

P

= u

1

q

11

q

01

+ u

2

q

21

q

20

; u

1

= p

11

q

10

p

11

q

10

+ p

12

q

20

; u

2

= p

12

q

20

p

11

q

01

+ p

12

q

20

ラスパイレス数量指数の算式の加重

w

1,w2は,ラスパイレス物価指数の加重とまったく同じである.そ れに対してパーシェ数量指数の算式の加重

u

1,u2 は,比較年の価格で評価した基準年の総生産額に占め るそれぞれの生産額の割合となっている.これをパーシェ物価指数の加重

v

1,v2 と比較すると,価格,数 量と基準年,比較年の関係が反対になっていることが分かる.
(3)

マクロ経済学 神谷傳造 平成

11

年11月4日

3

3 実質国内総生産および実質国民総生産

現在,各国の統計で発表される実質国内総生産,実質国民総生産は「不変価格表示」の国内総生産,国 民総生産といわれるものである.それは,各年の生産量を,あらかじめ定めた基準年の価格で評価した価 値額の総計である.記号を以下のように定め,名目総生産と実質総生産の関係を考えよう.

名目総生産 実質総生産 基準年

Y

0

X

0 比較年

Y

1

X

1

再び2生産部門の例を用いて示すと,比較年の「不変価格表示の総生産」は

X

1

= p

01

q

11

+ p

02

q

12

のようになる.このように算定した総生産の動きは,その年々の市場価格で生産物を評価して算定した名 目総生産とは異なり,貨幣の購買力の変化を含まない,経済の実物面の動きを表している.

不変価格表示の総生産は,物価指数,数量指数とどのような関係があるであろうか.つぎにその問題を 考えて見よう.まず簡単な計算から,不変価格表示の総生産は,名目総生産をパーシェ型物価指数を用い て補正した実質総生産であることが分かる.実際

p

01

q

11

+ p

02

q

12

= ê p

11p

q

111

+ p

12

q

21

1q11+p12q12 p01q11+p02q12

ë

したがって

X

1

= Y

1

P

P

さらに数量指数との関係を見ると,基準年については

X

0

= Y

0

= p

01

q

01

+ p

02

q

20であることから

p

01

q

11

+ p

02

q

12

= p

01

q

11

+ p

02

q

12

p

01

q

01

+ p

02

q

02

Ä p

01

q

10

+ p

02

q

20

Å

したがって

X

1

= Q

L

X

0

となる.要するに不変価格表示の総生産の動きは,基準年の総生産を基準として,ラスパイレス型数量指 数の動きを示している.

名目総生産をラスパイレス型物価指数で補正した実質総生産を考えることもできる.簡単な計算から,

そのような実質総生産の動きは,基準年の名目総生産を基準として,パーシェ型数量指数の動きを示すも のであることが確かめられる.実際

P

L

= p

11

q

01

+ p

12

q

20

p

01

q

01

+ p

02

q

20 であることから,

X

1

= Y

1

P

L

= p

11

q

11

+ p

12

q

21

p

11

q

01

+ p

12

q

20

Ä p

00

q

00

+ p

02

q

20

Å

したがって

X

1

= Q

P

X

0

要するに,名目値をパーシェ物価指数で補正して実質値を作とその実質値の比はラスパイレス数量指数 となり,名目値をラスパイレス物価指数で補正して実質値を作るとその実質値の比はパーシェ数量指数と なる.このような関係を,価格と数量の双対関係

dual relation

という.

以上では,実質国内総生産,実質国民総生産の概念を理解するために物価指数,数量指数について考え てきた.総生産の実質値を作るとき,名目値を補正するのに用いる物価指数を

GDP

デフレーター,GNP デフレーターと呼ぶことがある.不変価格表示の実質総生産は,手順としてはデフレーターより先に作ら れるので,これに対応するデフレーターをインプリシット・デフレーターと呼ぶこともある.このほかに も,対象をさまざまに限定してさまざまな物価指数を作ることが出来る.たとえば,消費者物価指数,卸 売物価指数,輸入物価指数などである.GNPデフレーター,GDPデフレーターが,通常,パーシェ型で あるのに対して,消費者物価指数は,通常,ラスパイレス型である.

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