国立大学法人福岡教育大学
インフラ長寿命化計画(行動計画)
平成29年 1 月
国立大学法人 福岡教育大学
目 次
1.策定の趣旨 1
2.目指すべき姿 1
3.計画の範囲と期間
3-1 対象施設 1 3-2 計画期間 1
4.対象施設の現状と課題
4-1 対象施設の現状 2 4-2 対象施設の課題 5
5.維持管理の現状と課題
5-1 維持管理の現状 7 5-2 管理運営費の現状 7 5-3 維持管理の課題 8
6.取り組みの方向性
6-1 メンテナンスサイクルの構築 9 6-2 取り組みの方向性 9
7.中長期的なコストの見通し 13
8.フォローアップ 14
(参考)施設・設備等維持管理計画 15
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1.策定の趣旨
平成25年11月、国民生活や社会経済活動を支えるインフラに関する維持管理 等の方向性を示す基本的な計画「インフラ長寿命化基本計画」(インフラ老朽化対 策の推進に関する関係省庁連絡会議決定)が策定された。
この基本計画を踏まえ、文部科学省は「文部科学省インフラ長寿命化計画(行動 計画)」を策定し、そのなかで国立大学法人等に対し、平成28年度末までに行動 計画を、平成32年度末までに個別施設計画を策定するよう求めている。
このような状況を踏まえ、本学においても、目指すべき姿を明確にし、行動計画 及び個別施設計画を定める。
2.目指すべき姿
本学の基本理念・基本目標である「九州の教員養成拠点大学」としての基盤を支 える施設計画(キャンパスマスタープラン)に基づき、インフラ(施設・基幹設備
)の長寿命化計画を策定する。
定期的な点検・診断による実態把握をもとに、個別施設計画を策定し、より計画 的に修繕や改修等の対策を行うことにより、安全・安心な教育研究環境を確保する とともに、省エネルギーやバリアフリー等の機能向上を推進する。
また、従来の改築から長寿命化改修への転換により、予算の平準化を図りつつ、
維持管理等に係る中長期的なトータルコストの抑制に努める。
なお、これらの取組(メンテナンスサイクル)を着実に実行し、大学の運営方針 を反映させるため、全学的な施設マネジメントの推進体制を構築し、継続的に計画 の強化・見直しを行うものとする。
3.計画の範囲と期間 3-1 対象施設
本学が所有するキャンパス内の建物及び附帯設備、基幹設備(ライフライン)、 屋外施設(緑地や舗装等)を対象とする。
3-2 計画期間
計画期間は平成28年度から平成39年度までの12年間とし、中期目標の設定 期間や予算の平準化を考慮し、6年ごとに計画を更新する。
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0%
100%
40 %
4% 1 %
32 % 36 %
4%
2 5%
20 %
5%
14 %
6% 15 %
2%
32 % 2 9%
14 %
1 0%
36 %
3 % 7 2%
全 体 の 割 合(
%)
改修済 経年40年以上かつ一部改修 経年40年以上かつ未改修 未改修
赤間地区 西公園地区 久留米地区 小倉地区
34%
7%
4.対象施設の現状と課題 4-1 対象施設の現状
(1)基本情報 ○ 所在地
赤間地区 :福岡教育大学校舎等(福岡県宗像市赤間文教町1番1号)
西公園地区:附属福岡小・中学校(福岡市中央区西公園12番1号)
久留米地区:附属久留米小・中学校(福岡県久留米市南1丁目3番1号)
小倉地区 :附属小倉小・中学校(福岡県北九州市小倉北区下富野3丁目)
○ 学生・教職員数(平成 28.5.1 現在)
教育学部:2,755 人、大学院教育学研究科並びに専攻科 206 人 附属学校:幼児数 56 人、児童数 1,318 人、生徒数 1,096 人 教職員数:432 人
○ 財務(収支予算額) 5,109 [百万円](平成 28 年度)
(2)施設の状況
赤間地区の敷地面積は約37.5万㎡、保有建物は約6.8万㎡であるが、全 体の7割程度の建物が経年40年を超過しており、このうち、未改修と一部改修 済の建物は約2.3万㎡(約34%)となっている。
附属学校については、西公園・小倉・久留米の3地区をあわせ、約3.6万㎡
の施設を保有しており、経年40年以上の建物は約1.4万㎡、改修が必要な建 物は約0.3万㎡(約8%)となっている。
未改修または 一部改修済
未改修または 一部改修済
未改修または 一部改修済
未改修または 一部改修済
未改修または 一部改修済
築40年以上 50,180 23,212 4,927 899 5,919 1,615 2,923 101 63,949 29,565 築30年~40年 6,501 3,784 4,124 4,124 1,745 1,227 31 31 12,401 9,166 築30年未満 11,571 10,521 3,711 3,711 4,295 4,295 8,146 8,146 27,723 26,673 合 計 68,252 37,517 12,762 8,734 11,959 7,137 11,100 8,278 104,073 65,404
全 体
赤間地区 西公園地区 久留米地区 小倉地区
築年数から見た施設の状況
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赤間地区の建物経年状況
人文社会教棟 建築年 1964 年 大学院国語・社会・英語棟 建築年 1964 年 共通講義棟 建築年 1964 年 自然科学教棟 建築年 1965 年 美術・書道教棟 建築年 1965 年 事務局 建築年 1965 年 学生会館 建築年 1965 年 キャリア支援センター 建築年 1965 年 学術情報センター図書館 建築年 1965 年 教育・心理教棟 建築年 1965 年 音楽教棟 建築年 1965 年 体育館 建築年 1965 年 ものづくり創造教育センターB棟 建築年 1966 年 東門衛所 建築年 1966 年 保健体育教棟 建築年 1967 年 健康科学センターA棟 建築年 1967 年 第1武道場 建築年 1967 年 特別支援教育第一教棟 建築年 1969 年 学生センター 建築年 1969 年 技術教棟 建築年 1969 年 教育総合研究所 建築年 1972 年
英語習得院棟 建築年 1976 年 特別支援教育第二・幼児教育教棟 建築年 1977 年 家政教棟 建築年 1978 年 人文演習棟 建築年 1983 年 学術情報センター情報システム館 建築年 1984 年 大学院学校教育・特別支援棟 建築年 1986 年 大学院音楽棟 建築年 1986 年 大学院理科棟 建築年 1989 年 大学院美術棟 建築年 1989 年 教育総合研究所附属特別支援教育センター建築年 1991 年 第二武道場 建築年 1993 年 教職大学院棟 建築年 2008 年 ものづくり創造教育センターA棟 建築年 2013 年 アカデミックホール 建築年 2013 年
城山会館 建築年 1964 年 女子寮 建築年 1965 年 職員宿舎 建築年 1966 年 附属幼稚園 建築年 1972 年
赤間
特別教棟 建築年 1962 年 一般教棟(中) 建築年 1963 年 家庭科教棟 建築年 1967 年 特別支援学級教棟 建築年 1971 年 教生研修棟 建築年 1978 年 一般教棟(小) 建築年 1985 年 武道場 建築年 1988 年 体育館(中) 建築年 2006 年 体育館(小) 建築年 2008 年
校舎(小) 建築年 1962 年 一般教棟(中)建築年 1971 年 教生研修棟 建築年 1978 年 第2特別教棟 建築年 1981 年 武道館 建築年 1984 年 体育館(小) 建築年 1993 年 体育館(中) 建築年 1996 年 久留米宿舎 建築年 1972 年
特別教棟(中) 建築年 1970 年 一般教棟(中) 建築年 1970 年 管理棟 建築年 1970 年 一般教棟(小) 建築年 1989 年 武道場 建築年 1992 年 特別教棟(小) 建築年 1989 年
赤間
西公園 久留米 小倉
対象施設一覧
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西公園地区の建物経年状況 久留米地区の建物経年状況
小倉地区の建物経年状況
(3)基幹設備(ライフライン)の状況
基幹設備の幹線部分においては、屋外通信線(約67%)や排水管(約40%)、
ガス管(約52%)において、設置後30年(法定耐用年数の2倍)が経過して おり、老朽化による障害が懸念される。なお、ガス管については、宗像宿舎のプ ロパンガスが大半であり、今後、宿舎のあり方を含め、検討することとする。
(屋外通信線については、平成29年度 施設整備費で改善予定)
2.8%
33.3%
6.8%
50.6%
11.3%
16.8%
67.3%
29.5%
5.7%
8.7%
4.1%
29.6%
8.0%
5.9%
9.6%
13.0%
20.1%
59.7%
26.8%
90.4%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
ガス管 排水管 給水管 通信線 電力線
経年40年以上 経年30~39年 経年20~29年 経年10~19年 経年0~9年 23.6%
44.6%
53.4%
基幹設備経過年数(赤間地区)
(電話)
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4-2 対象施設の課題
(1)施設・基幹設備の老朽化
経年40年を超過した建物については、劣化や機能陳腐化により、安全上のリ スクが生じるとともに、教育研究の高度化・多様化や社会的要請であるバリアフ リー化、省エネルギー等に対応できない恐れがある。宿舎や吉武地区の男子寮を はじめとする学生寮についても、同様の状況であり、今後のあり方を視野に入れ ながら、検討をすすめていく。
また、基幹設備(ライフライン)についても、30年以上が経過する設備とし て、屋外通信線や給排水管等があげられ、安定的な供給ができない等、事故の発 生率が高まり、教育・研究活動に多大な影響を及ぼす恐れがある。
技術教棟(経年47年) 保健体育教棟(経年49年)
事務局横共同溝内設備(経年35年) 学生センター屋外給水管(経年 51 年)
(2)非構造部材の耐震化
東日本大震災を契機に、改めて非構造部材の耐震化の重要性が認識され、本学 においても、大半の施設の耐震補強は完了している。今後は、武道場や学生会館 等の非構造部材の改善をすすめる必要がある。
第 2 武道場 学生会館
(平成28年度施設整備事業(補正2号)で予算措置され、改善済)
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(3)バリアフリー対策
丘陵地に位置する赤間キャンパスの歩行路は急傾斜が多く、歩行困難者にとっ て、支障をきたしていることから、スロープや手すり等、バリアフリー化を積極 的にすすめてきた。引き続き、障害学生支援センター等と連携し、多目的トイレ やエレベーター等の整備を実施していく。
(手すり等を平成29年度 施設整備費で改善予定)
傾斜路(勾配7%) 階段に手すりがなく危険
陥没箇所の補修 車いすの通行に支障
(4)省エネルギー対策
一部の建物においては、エネルギー効率の劣る照明や空調が残存している。省 エネルギー対策として、改修に限らず、修繕時においても、屋根材やガラス等の 断熱性向上にくわえ、照明・空調・変電設備の高効率化をすすめている。今後も これらの取組を継続し、エネルギーコストの削減に努める。
既存外灯(水銀灯) 既存空調機
(5)土砂災害リスクへの対応
赤間地区は土砂災害警戒区域に位置づけられていることから、警戒レベルによ り、リスク対策も含め、投資対象を検討する必要がある。
障害者通行のための 手すりの設置
勾配7% 手すりの設置
陥没箇所の 補修後
車いす通行のための 通路幅が狭い
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5.維持管理の現状と課題 5-1 維持管理の現状
施設の維持管理費は、修繕費や点検・診断にかかる点検保守費(8業務)、建物 清掃や緑地管理など機能維持のための役務等にあてている。年度契約については、
複数年契約等により、コスト抑制に努めているが、今後、保全業務の一元化や管理 施設・設備の縮減をすすめ、より一層のコスト削減に取り組む必要がある。
※ 修繕費:
施設・設備の機能・品質を確保するための更新・補修等及び突発的に発生 する故障等の修理に係る経費
※ 点検保守費:
施設・設備の機能・品質等の劣化状況を定期的・継続的に点検し、保守(調 整・補充・取り替え等)に係る経費
※ 緑地管理費 : 樹木の点検、剪定、除草、芝刈り等の緑地管理に係る経費
※ 校地維持費 : 構内道路、屋外運動場、調整池等の維持管理に係る経費
※ 清掃費 : 日常清掃、定期清掃、害虫防除に係る経費
※ 廃棄物処分費 : 廃棄物の処分に係る経費
※ 警備費 : 盗難事故等の発生を警戒し防止する守衛業務等に係る経費
※ 運転監視費 :
設備機器等を定められた方法で運転し、与えられた機能・性能に対して、
正常であるかどうかを監視・記録に係る経費
5-2 管理運営費(維持管理費+エネルギー料金)の現状
維持管理費にエネルギー料金(光熱水料)をくわえたものを管理運営費とする。
エネルギー料金は、平成26年度まで年々増加していたが、エネルギーコストの 上昇によるところが大きく、平成27年度からは減少に転じている。
赤間キャンパスの上水供給は全て井水によるものであり、上水道にかかるコスト が低く抑えられている。また、ボイラーによる熱源供給を廃止したことにより、
ガス・重油使用量や運転監視費が抑えられた一方で電気料金が全体の約7割を占め、
非常に大きくなっている。
0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 140,000
H28 H27 H26 H25
44,983 43,106 31,732
52,338
15,289 14,813 14,821
16,234
6,319 5,616 8,025
5,316
18,838 19,615 17,695
19,203
40,105 41,246 41,420
40,226
1,491
1,259
修繕費 点検保守費 緑地管理・校地維持費 清掃費・廃棄物処分費 警備費 運転監視費
[ 千円 ]
維持管理費の推移
(見込)
過去 4 年の修繕費平均 43,040 千円
附属学校 ボイラー廃止
(約 150 万円削減)
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5-3 維持管理の課題
今後、施設・設備の老朽化がすすむにつれ、維持管理費の増加が見込まれること にくわえ、経費縮減の圧力もあり、安定的な予算の確保が課題である。なお、赤間 キャンパスは丘陵地に位置することから、傾斜路や低層階へのアクセスに配慮が必 要であるとともに、緑が豊かな反面、緑地管理にかかる経費が嵩んでいる。
また、電気料金については、エネルギー料金に占める割合が大きく、太陽光発電 の活用や入札による特定規模電気事業者との契約等、コスト削減に努めているとこ ろであり、今後も継続してすすめる必要がある。
さらに、土地の有効活用を図るため、鳥飼団地や福間団地、附属小倉教生研修棟 跡地については、売却や譲渡を含め、検討をすすめる必要がある。
0 40,000 80,000 120,000 160,000
H23 H24 H25 H26 H27 H28
89,573 91,416 98,507 106,297 99,012 88,849
9,845 10,020 10,254 9,413
10,053
9,917
18,308 22,049 20,476 21,786
22,180
20,960
15,213 14,816 14,645 15,283
10,232
11,001
電気 上水道 下水道 ガス・重油等
附属学校 ボイラー廃止 [千円]
132,938 152,779 141,477
143,882 138,301
(67%) (68%) (70%) (71%)
(66%) (68%)
130,727 (赤間)電力会社変更
(附属)電力会社変更
エネルギー料金(全キャンパス)
0 40,000 80,000 120,000
64,295 66,728 70,827 77,600 70,090 64,465
31 27 27
32 28
28
12,221 15,832 20,476 15,022
14,997
15,000
5,314 5,938 6,525 6,141
6,264
6,000
電気 上水道 下水道 ガス・重油
[千円]
81,862 91,347
98,795 91,205
88,525
(79%) (75%) (78%) (79%) (77%) (75%)
85,465 電力会社変更
エネルギー料金(赤間キャンパス)
上水 上水 上水
上水 上水 上水
H23 H24 H25 H26 H27 H28
(見込)
(見込)
(約 200 万円削減)
(電気単価 約 17%減)
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6.取り組みの方向性
6-1 メンテナンスサイクルの構築
老朽化対策にくわえ、安全の確保とともに耐久性に優れた部材等への転換による 長寿命化や省エネルギー・バリアフリーなど社会的要請に応じた機能の確保を図る ためには、定期的な点検・診断結果を踏まえ、中長期的な計画を策定し、当該計画 に基づいて、修繕や大規模改修を実施していく「メンテナンスサイクル」を構築す る必要がある。
6-2 取り組みの方向性
(1)点検・診断の着実な実施
12条点検が義務付けられていない管理施設についても、損傷、腐食、劣化等 により安全性が損なわれていないかなど、適時、点検を行う。また、設備保全業 務の複数年契約や業務一元化などコスト抑制に努めるとともに、長寿命化に資す るよう業務内容の見直しを行う。
○ 保全業務契約(業種ごとに7業務)の一元化 ○ 空調設備保全業務の複数年契約(単年から3年へ)
○ 事後保全から「予防保全」への転換
(2)老朽化対策
建物(経年40年以上)の改修や老朽化が著しい基幹設備(経年30年以上)
の更新については、施設整備費補助金による予算措置を軸に検討をすすめる。
○ 建物 : 保健体育教棟、技術教棟 他
○ 基幹設備 : 屋外通信線、屋外排水管、排水溝、ガス管(プロパン)、屋外 照明、道路 等
近年の老朽施設の改修例
図書館・教育・心理教棟、附属幼稚園、特別支援第一教棟、附属プール等 → 長寿命化改修(LED 等)に加え、光熱水費 約 180[万円/年]削減
・老朽化対策
・長寿命化施設・設備への改修
・機能向上(バリアフリー等)
・コスト抑制への取組
・修繕・更新の優先順位の決定
・予算の平準化
・安定的な維持管理費の確保
(コスト減を維持管理費に充当)
メンテナンスサイクルの構築
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(3)長寿命化改修
経済性を考慮しながら、長寿命で耐久性に優れた部材への転換を図るとともに、
維持管理が容易な施設・設備を検討する。今後、個別施設計画において、LED 照明の採用や屋上防水の長寿命化等、具体的な項目を盛り込んでいく。
(4)行動計画・個別施設計画の策定
管理施設の計画的な修繕・改修を図るため、平成28年度、「本行動計画」を 策定し、平成32年度までに、部位別(建築・電気・機械設備)の詳細な対策を 定める「個別施設計画」を策定する。
(5)機能向上
(ⅰ)バリアフリー化
丘陵地に位置する赤間キャンパスにおいては、バリアフリー対策は必須であり、
障害学生支援センター等と連携をすすめ、優先順位を設定し、計画的に対策を実 施していく。
(ⅱ)キャンパス・アメニティの向上
アメニティ向上の一環として、快適性や学生の満足度向上を図るため、食堂等 の福利厚生施設の環境改善や図書館整備にあわせ、学生交流や憩いの場を提供し ている。くわえて老朽化したトイレの改修を継続的に実施してきており、トイレ の改修率(改修済トイレ66箇所/全トイレ92箇所)は約72%に達している。
今後もこれらの取組を継続し、キャンパスの質の向上に努める。
人文演習棟トイレ 憩いの場の創出(図書館周辺)
(平成 28 年度施設交付事業により改善予定)
(ⅲ)省エネルギー対策
ハード面の対策として、改修・新営工事等では、断熱の強化や複層ガラスの採 用、照明や変電設備、空調機の高効率化など、投資回収効果の高いもの、老朽化 が著しいものについては、引き続き導入を図っていく。
また、ソフト面においては、最大需要電力の抑制や夏季・冬季の省エネルギー 対策などを通し、環境保全にかかる啓蒙活動に取り組むことが重要である。
(平成 28 年冬季 使用電力量 4.4%減、電気料金 約 150 万円低減)
タイルの剥離
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(ⅳ)自然エネルギーの活用
赤間キャンパスにおいては、井戸水や太陽光発電の活用を積極的にすすめてい る。上水については、井水のみで供給しており、水道使用量とコストの削減に大 きな効果をあげている。(水道料金削減 約 20,105[千円](平成 27 年度実績))
太陽光発電についても、定格出力(130KW)は契約電力(1334KW)の約1割 に相当し、最大需要電力の抑制と使用電力量の削減に寄与している。(電気料金 削減 約 2,930[千円](平成 27 年度実績))
今後もこれら設備を有効に活用するため、重要施設として位置づけ、適切に維 持管理を行う必要がある。
井水設備 太陽光発電
(年間 6,700 千 を処理) (赤間地区で定格 130KW)
3000 3500 4000
H24 H25 H26 H27 H28
(見込)
3,834 3,931 3,809 3,795 3,795
70
68
151 155 157
電力会社からの電力量 太陽光発電電力量 [千kWh]
太陽光発電増設
96.0%
3 , 904 3 , 999
3 , 960 3 , 950 3 , 952
太陽光発電電力量(赤間地区)
(1.8%) (3.8%) (3.9%) (4.0%)
(96.0%)
(96.2%) (96.1%)
(98.3%)
(98.2%)
(1.7%)
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(6)保有面積の抑制と施設の有効活用
健康科学センターの保健体育教棟への集約など、保有面積を抑制することにより、
管理運営費の圧縮に努めている。マスタープラン策定においては、保有面積の抑制 に向けた取組が継続して行われるよう、施設配置計画を検討する。
また、平成28年度、教員就職率の向上を図るため、従前の講座に代わる組織「教 職教育院」の発足に伴い、施設有効活用調査を行ったうえ、全学共用スペースAL L(アクティブ・ラーニング・ラボラトリー)を確保し、施設の有効活用を図って いる。今後もこれらの取組を継続し、管理運営費の圧縮に努めることが重要である。
(7)予算管理
老朽化した管理施設を良好に維持するため、施設・設備の長寿命化にかかるメン テナンスサイクルを着実に実行し、トータルコストの抑制や予算の平準化を図って いく。今後、個別施設計画の策定に伴い、より詳細に対策費用等を算出し、トータ ルコストの見通しを精査していく。
改築中心のイメージ長寿命化のイメージ
長寿命化改修費
(改築の6割 程度の費用)
大規模改造費
(予防保全的な改修)
大規模改造費
(予防保全的な改修)
「学校施設の長寿命化計画策定に係る手引」より引用(文部科大臣房文教施設企画部(平成 27 年4月))
改築から長寿命化への転換
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7.中長期的なコストの見通し
施設・設備の原状復旧(応急処置を含む)にあてる修繕費にくわえ、設備機器等 の点検・診断にかかる保守点検費や清掃・緑地管理にかかる役務等の維持管理費は、
大学運営上、必須であり、安定的に財源を確保する必要がある。
また、施設・設備を良好な状態で保持するため、予防保全的な改修として、トイ レや防水改修、省エネ対策等、機能向上や安全対策を講じる必要があり、施設費交 付金を財源の中心としているが、今後、多様な財源の確保に努める必要がある。
機能向上に資する投資にくわえ、施設整備補助金を軸とした基幹設備更新や建物 改修が見込めれば、耐用年数の見直しとともに維持管理費(学内予算)の削減が期 待でき、それらの削減分を更なる有効活用へと好循環を生み出す環境を構築するこ とが重要である。
行動計画期間におけるコスト見通し
0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000 40000 45000 50000 55000 60000 65000 70000
H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 H38 H39
14,469 11,016
46,440 41,531
25,065 20,072
26,008 22,392
29,580 31,308 23,365
19,911
3,600 3,557 3,557 3,557 3,557 3,557 3,557 3,557 3,557 3,557 3,557 3,090
12553 12492 12492 12492 12492 12492 12492 12492 12492 12492 12492 12492 845 1,183 1,107 1,241 1,030 655 1,156 1,385 976 370 370 0
維持管理費 (修繕・点検保守等)
大規模改造費
(予防保全的な改修(アメニティ,省エネ等))
改修費
(長寿命化改修、インフラ更新等)
[万円]
長寿命化を図る改造費として、
年間約860万円が不足
国立大学法人福岡教育大学 14
また、中長期的なトータルコストの見通しを以下に示す。建物の改修周期として、
経年20年で予防保全的な改修を行い、目標使用年数の中間(経年40年)におい て、長寿命化に資する改修を実施し、さらに20年後の経年60年で再度、予防保 全的な改修を実施することにより、施設の長寿命化を図るものとする。
8.フォローアップ
本行動計画の取組(メンテナンスサイクル)を着実に実行し、個別施設計画の充 実を図るとともに、適時、大学の運営方針を反映させ、取組の方向性に示した内容 について、継続して強化・発展させていく。
中長期的なトータルコストの見通し
(宿舎・学生寮等にかかる改修費 約 25.7 億円を除く)
学長
施設担当理事
環境マネジメント課 部局長会議
施設マネジメント体制
大学の運営方針を反映
メンテナンスサイクルの実行
6年 12年 18年 24年 30年 30年計 6年平均 億円/年 維持管理費 7.2 7.2 7.2 7.2 7.2 36.0 7.2 1.2 大規模改造費 2.7 2.5 2.8 3.2 3.1 14.3 2.9 0.5 改修費 15.9 15.3 15.4 15.8 17.1 79.5 15.9 2.7 合 計 25.8 25.0 25.4 26.2 27.4 129.8 26.0 4.3
項 目 経過年数毎の修繕費等経費(億円/6年) 合 計
役員会