大阪樟蔭女子大学
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Ⅰ.建学の精神・大学の基本理念、使命・目的、 大学の個性・特色
1.建学の精神
「樟蔭学園はこのときにあたり、知情意兼備の豊かな母性が 女性の充実した人生も、地球の明るい未来も
ともに約束するという信念に基づき女子教育を志す
若々しき知性よ、この無窮の大空を翔けよ 優しき虹の環をもって地球を包め
志は玉よりも清らかに、笑顔は花よりも美しく ここ樟の葉蔭に集う人々よ、いざともに手を携え 真理と正義の大道をまっすぐに進もう
徳は孤ならず、人類の平和と繁栄は必ずこの道より始まる」
この建学の精神は、樟蔭学園の創立者である森平蔵の創立当時の思いを文章化したもの である。
本学園の前身である樟蔭高等女学校が設立された大正 6(1917)年当時、女子教育の状況 は、大正デモクラシーの進展もあって高等女学校への進学率が急速に高まり、大変な入学 難を呈していた。特に大阪では女子のための中・高等教育機関が少なく、進学志望の小学 生は狭き門を突破するため、非常な受験勉強を強いられていた。実業家であった森平蔵は、
こうした児童・生徒の心身発達の過程上、悪影響を及ぼしかねない不毛の受験勉強を憂い、
さらに狭き門から生じる偏った秀才教育に異を唱えて、内容の充実した質の高い女子教育 を推進するため、巨額の私財を投じて私立樟蔭高等女学校を設立した。
このような創立者の熱き思いを反映するように、樟蔭高等女学校では、当時の女子教育 に手薄であった教養教育の充実を図り、高い教養を持ち一人の人間として真に成熟した女 性を育成することを目的として、最高の教育環境と設備が整えられた。そして、その精神
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を踏まえて大正 14(1925)年に当時の女子の最高教育機関であった女子専門学校を設立、戦 後の学制改革などを経て幼稚園、中学校、高等学校、短期大学、大学、大学院からなる女 子の総合学園として発展してきた。
本学では、いつの時代も「『高い知性』と『豊かな情操』を兼ね備えた社会に貢献でき る女性の育成をめざす。」との建学の精神の主旨が大切に受け継がれ、確固たる校風として 熟成されてきた。そして、これからもこの建学の精神を中核とし、最高の教育環境の創造 に一層邁進していく。
2.目的
上記の建学の精神に基づき、本学の使命・目的については、大阪樟蔭女子大学学則並び に大阪樟蔭女子大学大学院学則において、大学、大学院の目的を定めている。
大阪樟蔭女子大学学則
本学は、広く一般学科に関する知識を授くると共に、深く専門の学術技芸を教授研究して知性を 磨き女性としての豊かなる情操と高き品性とを養成するをもって目的とする。
各学部、学科毎の教育研究上の目的は、下記に定める通りとする。
学 部 学 科 専 攻 教育研究上の目的
学芸学部
国文 学科
国文学 日本の言語・文学・歴史・書に関する高度な知識を教授する ことにより、日本文化に対する造詣を深め、豊かな情操を涵 養する。日本文化を継承・創造・発信する能力を以て社会で 活躍する人材の育成を目的とする。
歴史 文化
英米
文学科 ―
英語圏の文化・文学・語学についての国際的な視点をもった 教養を与え、将来社会で活躍するための実践的な英語力を兼 ね備えた人材の育成を目的とする。
食物栄 養学科
管理 栄養士
健康をキーワードに、医療を中心とした現場で栄養教育や指 導ができる管理栄養士の育成、ならびに、食を中心とした正 しい健康情報を広く国民に教育指導できる人材の育成を目的 とする。
食物 栄養
被服 学科
被服学 服飾・化粧を中心に、よそおいに関する幅広い専門的知識や 技能、豊かな感性を養い、ファッション関連産業で活躍し得 る人材の育成を目的とする。
化粧学 インテリア
デザイン 学科
―
自然・街・建築・インテリア空間・モノ、これらの調和を総 合的に学び、現代社会の生活環境を、理論・造形・マネジメ ントの各面で提案できる人材の育成を目的とする。
ライフ プランニン グ学科
―
現代に生きる女性がその人生において経験するライフ・イベ ントに対処するために必要な知識と技能を養い、家庭と職場 の双方において必要とされる人材の育成を目的とする。
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心理学部
臨 床 心
理学科 ―
人の個性を深く理解し、家庭や社会における諸問題に、心理 学および臨床心理学の専門知識と技能によって適切な対処・
支援ができる人材を育成する。
発 達 教 育 心 理 学科
―
生涯発達・生涯教育の視点に基づき、ひとの一生を誕生から 死に至るまでのあらゆる段階で深く理解し、支援ができる人 材の育成を目的とする。
ビ ジ ネ ス 心 理 学科
―
心理学の専門的知識と応用力を備え、ビジネス社会の健全な 発展と、そこに働く個人の可能性の追求やメンタルヘルスの 向上に貢献できる人材の育成を目的とする。
児童学部
児 童 学
科 ―
子どもを様々な角度から見つめることができ、教育、文化、
福祉、保健、心理に関する専門的知識及び技能を兼ね備えた 子どもの専門家として、、社会に貢献できる人材の育成を目的 とする。
大阪樟蔭女子大学大学院学則
大阪樟蔭女子大学大学院は、大阪樟蔭女子大学の教育理念に則り、学部教育の基礎の上 に、広い視野に立って精深な学識を教授し、専攻分野における研究能力又はこれに加えて 高度の専門性が求められる職業を担うための卓越した能力を培うと共に、女性としての特 性と人格を陶冶し、もって文化の進展に寄与することを目的とする。
大学院研究科、各専攻の目的は以下の通りである。
臨床心理学専攻は、人間や心の問題に関する高度な知識や技能を養うことを目的として、
心理臨床の職業に携わる人材の総合力の育成を目的とする。
人間栄養学専攻は、臨床的に、より高度な専門知識と技能を持った管理栄養士の養成と、
食品関連産業等の食に関する研究に携わる人材の養成を目的とする。