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既存 RC 造建物のそで壁増し厚補強工法の開発研究

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Academic year: 2024

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(1)

総合研究所・都市減災研究センター(UDM)研究報告書(平成24年度)

テーマ

1

小課題番号

1.2-1

既存 RC 造建物のそで壁増し厚補強工法の開発研究

キーワード 既存

RC

造建物耐震補強、そで壁増し厚 近藤龍哉* 伴 幸雄**

鉄骨枠付き湿式パネル、鋼板型リブ付き湿式パネル 加藤三晴*** 山本泰稔****

1.はじめに

耐震性能が不足する 既存鉄 筋コンクリート造建物 を「使用しながら・建物外 側から補強する技術開発 研究」を行っている。

耐震改修促進法では 平成 27 年度末に耐震化率を 90%以上に高めることを目指している。

東京都では「緊急輸 送道路 沿道建物の耐震化を促 進する条例(平成 23 年 3 月 18 日)で、私有建物を 含めて、沿道建物の耐震診 断の義務化と改新改修等 実施努力義務を課している 。くわえて、東京都が所 有する建物は平成 32 年を 目途に耐震化率 100%を目 指 し て い る 。 ま た 、 都 営 住 宅 ( 6.700 棟 : 262,000 戸 ) も 東 京 湾 北 部 お よ び 多 摩 直 下 地 震 ( い ず れ も M7.3)を想定して、平成 27 年度末には耐震化率 90%、

平成 32 年度末には耐震化率 100%を目指している。

首都圏の各自治体で も耐震 化が進められ、川口市 が管理する耐火住宅(RC 造市営住宅)や川口市が 管 理する市営住宅も耐震化率 の向上を図っている。さ らに、地方都市でも同様に 耐震化が進められている。

加えて、政権交代(2012 年 12 月)に伴い耐震化工 事が増える傾向がみられる。

こうした中で、学校 校舎等 の「使用性・公平性・

使いながら補強工事する」 の配慮が軽い建物では耐 震改修工事が進んでいる。 一方、配慮が重い集合住 宅や商業建物では改修工事は極めて遅れている。

本技術開発研究は「 使用性 ・公平性・使いながら 補強工事する」、「建物の外 側から工事する」工法の 開発であり、自治体、構造 事務所等から多くの期待 が寄せられている技術である。

2.新工法の概要

新工法は「鉄骨枠付き湿 式パネル(以下では補強 パネルと記す)」を既存袖壁 付き柱の袖壁部に建物の 外側から取り付けて、袖壁 を増して、建物の耐震性 能を向上させる工法である 。既存部と補強パネルの

接合は補強パネル周囲の鉄 骨枠を介してあと施工ア ンカーで行う。鉄骨枠を用 いることで、あと施工ア ンカーの補強パネル内への 定着が良好になり、定着 長を大きく縮減でき、柱梁 枠外に補強パネルを取り 付けることを可能にした。

山 形 鋼

山 形 鋼 鉄 筋

図1 工法イメージ

3.2010/2011 年度の成果概要

せん断力が支配的な状態 と曲げモーメントが支配 的状態とを想定して、耐力 評価実験を行った。いず れも、無補強試験体と比較して強度で 1.6 倍程度以 上、変形性能は F=2.0 以上であった。また、初期剛 性も大きく、層間変形角 R=1/500rad 以下でも最大強 度の 80%程度の強度発現があった。

補強試験体の終局状況は 、既存袖壁および補強パ ネルの損傷は軽微である。 水平接合部(基礎梁・床 梁)の損傷は極 めて大きい(写真1、~写真4)。よ って、終局強度は水平接合 部の破壊機構に大きく依 存することが分かった。接 合部要素実験を行い (写

* :工学院大学建築学部建築学科、 **:矢作建設工業株式会社技術研究所

***:株式会社ピタコラム技術部、****:芝浦工業大学名誉教授

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総合研究所・都市減災研究センター(UDM)研究報告書(平成24 年度)

テーマ

1 小課題番号 1.2-1

真5)、接合部耐力計算法を策定した。耐震補強効果

の詳細は参考文献1)と参考文献2)に記す。

水平接合部の損傷が大きい

写真1 補強パネルによる枠内付け補強実験結果

水平接合部の損傷が大きい

写真2 補強パネルによる枠外付け補強実験結果

水平接合部の損傷が大きい

写真3 補強パネルによる枠内付け補強実験結果

水平接合部の損傷が大きい

写真4 補強パネルによる枠外付け補強実験結果

写真5 接合部強度検証実験

4.2012 年度の成果

新工法の設計法の策定を行った。

2009 年度・2010 年度・2011 年度の研究の結果、

新工法の危険断面位置は水 平接合部(基礎梁および 床梁と補強パネルの接合部)であることが分かった。

また、水平接合部の強度算 定法も策定した。しかし、

補 強 パ ネ ル の 強 度 算 定 法 を 示 せ て は 無 く 、 よ っ て 、

「複数の危険個所を想定し て最も危険な個所を特定 し強度計算する(構造設計の一般的手法)」に倣う強 度算定法を策定できていなかった。

2012 年 度 は 補 強 パ ネ ル の せ ん 断 耐 力 実 験 を 基 に 補強パネルのせん断強度算 定法を示した。詳細を参 考文献3)に記す。そして 、新工法の補強設計法を 策定した。

写真6から写真9に新工法の実施例を示す。また、

表1に実施状況を記す。主 に、集合住宅の耐震補強 で、2012 年 7 月現在で 46 棟の補強が行われた。建 物高さが20mを超えるも のの補強も行われている。

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総合研究所・都市減災研究センター(UDM)研究報告書(平成24 年度)

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1 小課題番号 1.2-1

写真6 建物住まいながら外側補強工事模様

写真7 川口市耐火住宅枠内付け増し厚補強

写真8 札幌 NTT ビル20m超建物の実施例

写真9 川崎市市営住宅枠外付け増し厚補強 5.今後の課題と予定

「鋼板型リブ付き湿式補 強パネル」によるそで壁 増し厚補強の技術開発を進めている。

一般に、内階段型(2住 戸間に階段室がある) の 集合住宅では南側構面に有 開口(小窓・換気扇孔な ど)そで壁付き柱が多くあ り、北側構面には無開口 そで壁付き柱が多くある。 一方、片廊下型 (各階の 建物北側に廊下がある)の 集合住宅では 南側構面に 無開口そで壁付き柱が多く あり、北側構面には有開 口そで壁付き柱が多くある。

「鉄骨枠付き湿式パネル 」は鉄骨枠内に縦横筋を 配して、横筋のせん断抵抗 力とパネル内に生じる圧 縮ストラットの抵抗力の和 で耐震性能を 確保する。

よって、有開口そで壁付き 柱では横筋のせん断抵抗 機構の連続性と圧縮ストラ ットの反力点の確保が で きず、耐震性の向上を得ら れない。「鉄骨枠付き湿式 パネル」の利用は無開口そ で壁付き柱の補強に限ら れ、集合住宅の片側構面の 補強に寄与するに 留まる。

内階段型の集合住宅では北 側構面に、片廊下型集合 住宅では南側構面のみが補強対象に限定される。

有開口そで壁付き柱の耐 震補強も狙って、パネル 内に引張ストラットの抵抗 力が生じることが期待で きる「鋼板型リブ付き湿式 補強パネル」による補強 工法の開発を計画している 。写真9と写真10は試 験体作成過程を示す。有開 口そで壁付き柱に鋼板型 リブ付き板をあと施工アン カーで 留め付け、その後 に無収縮モルタルを打設し て、既存期待を「鋼板型 リブ付き湿式補強パネル」で補強する。

実験は

2013

年2月から 3月に行い、2013 年度内 に工法の有効性を検証する予定である。

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総合研究所・都市減災研究センター(UDM)研究報告書(平成24 年度)

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1 小課題番号 1.2-1

(試験体製作過程)

写真10 有開口そで壁付き柱の枠内付け補強

(試験体製作過程)

写真11 有開口そで壁付き柱の枠外付け補強

表1 新工法による耐震化実施状況

No 建物名称 棟数(階数)(補

強面積など) 住所 竣工(予定)年月 設計事務所 評定機関

1 大通4丁目ビルBD棟(西面) 1棟(2階から7

階)(388m2) 北海道札幌市 平成24年6月 ㈱NTTファシリティーズ ㈱建築構造センター 2 川口市北町耐火住宅 2棟(1階)(10

箇所) 埼玉県川口市 平成24年3月 ㈱森田建築事務所 (社)埼玉建築設計監理協会 3 大通4丁目ビルBD棟(南面) 1棟(1階から7

階)(312m2) 北海道札幌市 平成25年3月 ㈱NTTファシリティーズ ㈱建築構造センター 4 野川西住宅1棟、2棟、3棟、4

棟、5棟、8棟 6棟(258m2) 神奈川県川崎市 平成25年2月 ㈱小川建築設計事務所 川崎市耐震改修構造判定委員会 5 有馬第一住宅11号棟ほか2棟 3棟(187m2) 神奈川県川崎市 平成25年3月 ㈱水谷建築設計事務所 川崎市耐震改修構造判定委員会 6 有馬第一住宅15号棟ほか4棟 5棟(186m2) 神奈川県川崎市 平成25年3月 ㈱水谷建築設計事務所 川崎市耐震改修構造判定委員会 7 明石穂住宅6号棟ほか1棟 2棟(7箇所) 神奈川県川崎市 平成25年3月 ㈱川崎設計 川崎市耐震改修構造判定委員会

8 安城市営新田住宅 4棟 愛知県安城市 評定資料作成中 浦野設計 アスコット

9 岐阜市営三田洞団地 1棟 愛知県岐阜市 評定資料作成中 山田建築設計事務所 アスコット 10 岐阜市営大洞団地 5棟  愛知県岐阜市 評定資料作成中 山田建築設計事務所 アスコット

11 川崎市南平耐火住宅 8棟 神奈川県川崎市 評定資料作成中 川崎市耐震改修構造判定委員会

12 川崎市初山住宅 3棟  神奈川県川崎市 評定資料作成中 川崎市耐震改修構造判定委員会

13 川崎市宮内住宅 3棟  神奈川県川崎市 評定資料作成中 川崎市耐震改修構造判定委員会

14 入間市霞川団地 1棟 埼玉県入間市 評定完了 K構造建築設計事務所 建築研究振興協会

合計14件 合計46棟 6市町村 8設計事務所 5機関

ピタウォール実績表(平成24年7月現在)

参 考 文 献

1) 近 藤 龍 哉 、 山 本 泰 稔 、 加 藤 三晴 、 伴 幸 雄 、 鈴 木 隆 史 、 立 川 沙 緒 美 、既 存 鉄筋 コ ンク リー ト 造 そ で壁 付 き柱 の 補 強 工 法 の提 案 と検 証 、日本 建築 学 会 学 術講 演 梗概 集

( 2010 年 度 大会 )、 543 ペー ジ~ 550 ペ ー ジ、 2010 2) 近 藤 龍 哉 、 山 本 泰 稔 、 加 藤 三晴 、 伴 幸 雄 、 大 和 征 良 、

鈴 木 隆 史 、立川 沙 緒美 、今 岡 恵理 、既 存 建 物そ で 壁付 き 柱 の 曲 げ補 強 に関 す る実 験的 研 究 、日 本建 築 学会 学 術 講 演 梗 概集 ( 2011 年 度 大会 )、 337 ペ ー ジ~ 350 ペ ー ジ 、 2011

3) 近 藤 龍 哉 、 山 本 泰 稔 、 加 藤 三晴 、 伴 幸 雄 、 今 岡 恵 理 、 鉄 骨 枠 付 き 湿 式 パ ネ ル の せ ん 断 耐 力 と 抵 抗 機 構 に 関 す る 実 験 的研 究 、日 本 建 築学 会学 術 講 演 梗概 集( 2012

年 度 大 会 )、 813 ペ ージ ~ 818 ペ ー ジ 、 2012

Referensi

Dokumen terkait