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日本の資源外交とエネルギー協力

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Academic year: 2025

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「日本の資源外交とエネルギー協力」

【研究概要】

エネルギーの安定供給は、国家の繁栄を担保するための必須条件である。我が国はエ ネルギー資源のほとんど(石油の 99.6%、ガスの 96.9%)を海外からの輸入に頼って おり、安全保障上、エネルギーの安定供給を確保(エネルギー安全保障)することは極 めて重要である。近年、日本のエネルギー安全保障に、肯定的な面でも否定的な面でも 大きな影響を及ぼす、いくつかの重大な環境の変化(エネルギー戦略環境のパラダイム シフト)が起きている。

第1は、新興国の急速な経済成長に伴う世界のエネルギー需要の爆発的な伸びである。

特に中国を中心とするアジア新興国でのエネルギー需要増加の影響は大きく、エネルギ ー市場の攪乱と安全保障上の脅威を引き起こすリスクを孕んでおり、今後の国際情勢の 変化を大きく左右しかねない要素である。第2は、エネルギー資源の主要な供給源であ る中東地域において、政治体制の変化、ISIS の台頭等、不安定な状態が続いているこ とである。中東地域の社会的混乱は、資源供給において大きな地政学的リスクとして認 識されている。第3は、東日本大震災とそれに伴う福島第一原発の事故により、国内の エネルギー政策の根幹が揺るがされたことである。将来のエネルギーミックスの見直し が迫られる中、目下においては全ての原子力発電所が稼働停止となり、化石燃料による 発電で代替する状態が続いており、経済にも悪影響を及ぼしている。第4は、「シェー ル革命」による北米でのエネルギーパラダイムシフトである。米国では、豊富なシェー ル資源が賦存することが分かっており、天然ガスでは将来、輸入国から輸出国に転ずる ことが見込まれている。米国以外に、カナダ、オーストラリア、欧州、中国でもシェー ル開発の準備が進められており、その市場規模はさらに拡大していくと期待されている。

第5は、ロシアのエネルギー戦略が、アジア重視に大きく転じてきていることである。

日本は、クリミアやウクライナ問題に対する制裁レジームにおいて、国際社会との協調 が求められる一方、ロシアとのエネルギー分野での関係強化が重要であることも事実で ある。

本事業では、エネルギー戦略環境に大きな影響を及ぼす世界各地の政治・経済情勢の パラダイムシフトについて考察し、日本の資源外交資源外交・エネルギー戦略のあり方 を検討して、政策提言を産出せんと試みるものである。主に以下の論点について議論し ていく。

(1)中東情勢とエネルギー戦略

(2)シェールガスを含む非在来型資源の獲得に向けて

(3)原子力エネルギーの位置づけと日本の原子力協力のあり方

(4)日露間のエネルギー協力

(5)中国をはじめとするアジア新興国のエネルギーの安定確保のための課題とアジア におけるエネルギー協力の可能性

(6)エネルギー安定供給の確保のための日米協力―エネルギー安全保障と日米同盟

(2)

【研究プロジェクトメンバー】

主査

十市 勉 (日本エネルギー経済研究所 研究顧問)

委員

須藤 繁 (帝京平成大学現代ライフ学部 教授)

畔蒜 泰助 (東京財団 研究員)

秋山 信将 (一橋大学 教授/日本国際問題研究所 客員研究員)

武石 礼司 (東京国際大学国際関係学部 教授)

野 神 隆 之 ( 石 油 天 然 ガ ス ・ 金 属 鉱 物 資 源 機 構 ( JOGMEC ) 上席エコノミスト)

畑佐 伸英 (名古屋経済大学 准教授)

委員兼幹事

柳田 健介 (日本国際問題研究所 研究員)

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