なくて命が失われています。限りある資源を、どの国にどの程度配分すればフードロスがなくなり、かつ命が失われずに済むのか。このことを考えたきっかけが「数理最適化」について議論していたときでした。
例えば、タクシーを呼びたいお客さんが複数いて、どのタクシーがどのお客さんの場所に行けば最も効率的なのか。タクシーとお客さんとの関係はまさに食料の需要と供給と同じでした。ある地域で作られた食料を最も近い地域にいる人々に供給(最適化)すれば、輸送費も廃棄される食料も最小限で済むはずです。 食料の供給データを解析し、必要な場所に必要な量の食料を配分できる数理モデルを作れば、フードロスの問題は解決できるのではないか。先輩がフードロスと数理最適化の関係について話してくれたことがフードロスに興味を持ったきっかけでしたが、このアイデアの実現に向けて行動に移すことが学業面での私の目下の目標です。 2022年
10月からは
2年生です。今年はこのアイデアを友人に話してみたり、起業した人が集まるイベントに参加したりして先輩たちがアイデアをどのように実現させたのかを知り、実現に向けて一歩ずつ進んでいきたいと思っています。 ︱︱一年間の学びからどんなことを得た? 将来は数学の研究者になる夢を抱いてケンブリッジに入学しました。ケンブリッジで学ぶなかで、先生方や友人の話から、私が想像していなかった場面で数学の知識、考え方が求められていることを知りました。特に、統計学、データサイエンスはとても刺激的です。世の中の膨大なデータを解析し、データの中に隠れているキーワードを紐解くことで、社会の課題を解決することができるからです。
ある国では食べ物が溢れて捨てられていくのに、ある国では食べるものが
日本の未来を担い、世 界に羽ばたくリーダーの 育成を支援するため、東 進が行っているのが「海 外大学留学支援制度」で す。支援の対象は渡邉さ んが学ぶ英・ケンブリッジ をはじめ、米・ハーバード、
プリンストン、イェールな どまさに世界のトップ大
学。一人あたり総額最大 38 万ドル(約 5500 万円4年間累 計)の返済不要の給付金を授与。卒業後は各分野において 日本を代表として世界を舞台に大活躍する人財となること を願っています。詳しくは東進のウェブサイトで紹介して います。
︱︱イギリスではどんな生活?
住んでいる寮は個人部屋ですがシャワーやキッチンなどを
15人でシェア
しています。キッチンに行けばいつも誰かいるので、情報を共有したり雑談したりと、キッチンが社交の場になっています。また、今年は2年生なのでカレッジのペアレンツになりたいと思っています。ペアレンツとは1年生のサポート係で、相談に乗ったり食事を一緒にしたり、異国からイギリスに来た1年生に寄り添います。寮で唯一の日本人である私が安心して生活を始められたのは、先輩ペアレンツの存在が大きく、次は私が後輩に安心感を提供していきたいと思っています。
︱︱学生の特徴は? 世界各国の友人たちとの交流で感じたことは、みんなそれぞれが自分の "好き"を持っていること。没頭できることに打ち込む彼らの姿には非常に感化されました。これまで私の興味は数学が中心でしたが、数学にもプログラミングにも詳しい友人の影響で、私もプログラミングの勉強を始めたところです。日々の生活や友人たちとの交流を重ねるなかで、高校時代よりも積極的になったなと実感しています。 東進の海外大学留学支援制度は、学費だけでなく寮の費用や生活費もカバーできるので、サークルでの集まりやソーシャルな場にも積極的に参加することができます。授業以外のさまざまな場面で個性豊かな人たちと出会い、知識を吸収できることがとてもありがたいです。加えて、同じく制度を利用した先輩がケンブリッジに二人いるので、それぞれが頑張る姿も大きな刺激になります。
東進卒業生
渡
わ た邉
な べ春
は る華
かさん
東進の海外大学留学支援制度を活用して、2021 年秋からケンブリッジ大学で学 ぶ渡邉春華さん。留学して1年、大学での勉強や将来の夢について変化はあったの でしょうか、その近況を伺いました。
Toshin Alumni
東京都 私立 桜蔭高校卒
ケンブリッジ 大学2年
英・ ケンブリッジ 留学二年目
数学 と 世界のつながりが見 えてきた
そ れ ぞ れ の
好 き を 持 つ ケ ン ブ リ ッ ジ の 学 生 た ち
数学 で 紐解 く 世界 の 課題 数理最適化 か ら 見 え た フ ー ド ロ ス 解決 へ の 道 す じ
渡邉さんが支援を受ける 海外大学留学支援制度とは
輝く
数 学 と 世 界 が つ なが っ た 人 や 知 識 と の 出 会 い
〝
2021年秋、ケンブリッジ 大学の入学式で同級生と。
一列目一番右が渡邉さん。
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TOSHIN TIMES 2022