の産業技術に関わる教育機関で,学習者が基本的に学ぶコアカリキュラムの編成とテキスト「産業技術基礎」
の編修を行い,それらを印刷情報,ディスク情報,通信情報として提供するシステムのモデル構築を行った。
本年度は,このテキスト「産業技術基礎」と連携して使用する「産業技術基礎」実習テキストの編修を行い,
同時に,それらを各国の要請に応じて利用可能な印刷情報,ディスク情報,通信情報として提供するためのシ ステムのモデル構築を行うことを目的としている。
2. 活動
テキスト「産業技術基礎」の評価を基にして,開発途上国の産業技術に関わる教育機関で求められている教 育内容を検討し,各国に共通な産業技術に関わる「産業技術基礎」実習テキストの作成を行う。そして,それを 提供するための効果的かつ効率的な提供システムのモデル構築を行う。具体的に,次の(1)~(5)に示す。
(1) 産業技術の基本的な内容を吟味して,専門的な内容へ継続できるためのコアカリキュラムを編成する。次 に,それに基づいて各内容のテキストを作成し,「産業技術基礎」実習テキストとして取りまとめる。
(2) この実習テキストの内容について,実際の開発途上国の産業技術教育に関わる担当者の評価を収集する ために,フィリピン国内で,アフリカ,中東,アジアからの参加者を対象としてワークショップを開催する。
(3) フィリピン国内における現地調査と共に,郵送ならびにインターネットによるアンケート調査を,国際的な産 業技術教育の専門家(約40カ国)を対象にして行う。これらのことより,より良い実習テキストを編修する。
(4) 上記の情報を,印刷情報,ディスク情報,通信情報として提供するシステムの構築を行う。
(5) 活動実施者は,主として本学の教員であるが,学内では得られないコンテンツの作成を学外の協力者にお 願いする。また,実習テキストをホームページ上に掲載して普及を図る。
3. 成果
(1)期待する成果:各国の産業技術の特徴に応じ,そして学習者の実情に合わせて,テキストの内容を選択し 使用できる。また,産業技術に関わる教育機関の新人教員も,基本的かつ共通な内容として使用できる。
(2)成果物:
・産業技術に関わる基本としての「産業技術基礎」実習テキストのコアカリキュラムの編成。
・「産業技術基礎」実習テキストを構成する各コンテンツの作成とテキストの編修。
・実習テキストを,開発途上国の要請に応じて利用可能な印刷情報,ディスク情報,通信情報として作成。
①印刷情報,②ディスク情報,③通信情報,ならびにこれらの提供システムの構築
活 動 コアカリキュラムと各内容のテキストを作成して「産業技術基礎」j実習テキストを編修 する。続いて,これらを提供する効果的かつ効率的なシステムを検討する。アンケート 調査と現地聞き取り調査を実施して,その有効性を検証する。
「産業技術基礎」実習テキスト 技術基礎
製 図
木材 加工
金属 加工
電 気
機 械
情 報
共通基礎
安全 衛生
技術 倫理
○ホームページの作成
○コアカリキュラムの編成
成果物
○「産業技術基礎」実習テキストの編修
○アンケート調査と聞き取り調査 フィリピン等世界の国々で実施
平成21年度「国際協力イニシアティブ」教育協力拠点形成事業 第1回国内報告会
愛知教育大学 宮川秀俊
2010/4/20 1
事業 的 1.事業の目的 2.事業の概要
3.具体的な活動内容と成果
4.成果物作成に向けた進捗状況
・大学の立地
製造業,産業技術の拠点地域
・教育大学としての経験
地域連携と教育リソースの充実
国際協力部門の発足
●
・国際協力部門の発足
技術教育講座とのタイアップ
2010/4/20 国際協力イニシアティブ 愛知教育大学 3
愛知県
●
これまでの経験
・集団研修「産業技術教育」コースの実施(1999年~)
・国別特設「工業教育」研修コースの実施(2000~2002年)
・国別特設「教育カリキュラム開発」研修コースの実施
(2003~2005年)
・国別特設「学校教育改善」研修コースの実施(2004~2006年)
・愛知万博「ものづくりと教育」国際フォーラムの開催(2005年)
・第1回「産業技術教育」のための国際教育協力シンポジウム 第1回「産業技術教育」のための国際教育協力シンポジウム の開催(2003年)
・第2回「産業技術教育」のための国際教育協力シンポジウム の開催(2008年)
・国別特設「産業技術教育」研修コースの実施(2007~)
2010/4/20 国際協力イニシアティブ 愛知教育大学 4
開発途上国の産業技術の基礎教育を支援する
・開発途上国の産業技術の基礎教育を支援する。
・各国に対応できるコアカリキュラムを編成する。
・各専門の基礎教育内容をテキストとして編修する。
上記内容の有効な提供システムを構築する
・上記内容の有効な提供システムを構築する。
2010/4/20 国際協力イニシアティブ 愛知教育大学 5
平成19年度
・産業技術教員養成のコースウエア,コアカリキュラムの編成 産業技術教員養成のコ スウ ア,コアカリキュラムの編成
・教員養成コンテンツの編修
・提供システムの構築 平成20年度
・産業技術教育のコースウエア,コアカリキュラムの編成
・テキスト「産業技術基礎」の編修
・提供システムの構築 平成21年度
・産業技術教育のコースウエア,コアカリキュラムの編成
・「産業技術教育」実習テキストの編修
・提供システムの構築
研修教材
書 名 コンテンツ ページ数
Industrial Technology Education 18 278
School Education Improvement 10 89
Educational Curriculum Development 21 167 Proceedings of International
Symposium on Educational Cooperation 43 342
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Final Report of International
Symposium on Educational Cooperation 12 162
Making Things and Education 11 88
合 計 115 1126
産業技術教育のための教員養成
技 術 教 育 工 業 教 育 専 門 教 育
コースウエア
コアカリキュラム
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コンテンツ,シラバス,教育階梯
工業教育のコアカリキュラム
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技術教育のコアカリキュラム
専門教育のための教員養成
専門教育(電気)のコアカリキュラム 専門教育のコースウエア
教育階梯の例
展 開
↑
Phase of Progress (Electrical Practice)
電 気
↑
発 展↑
基 礎Phase of Development (Electricity 3, Electronic 1, 2)
Phase of Basis (Electricity 1, 2)
Phase of Progress (Metalworking Practice 3)
Phase of Development (Metalworking Practice 1 2)
電 気
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金属加工
(Metalworking Practice 1, 2)
Phase of Basis (Metalworking 1,2, 3,4)
印刷物
通信
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印刷物
ディスク
国際協力イニシアティブ 愛知教育大学
・コアカリキュラムの編成
・テキスト「産業技術基礎」の編修
・評価のためのアンケート調査,聞き取り調査
・対象国:過去の研修国39カ国,その他 フ リピン ケ アの現地調査
2010/4/20 国際協力イニシアティブ 愛知教育大学 13
・フィリピン,ケニアの現地調査
・提供システムの構築
技 術 教 育 工 業 教 育 専 門 教 育
コアカリキュラム
コンテンツ
コアカリキュラムの編成
テキスト「産業技術基礎」
技術基礎 共通基礎
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製図 木材加工 金属加工 電気 機械 情報 安全衛生 技術倫理
テキストの編修
・技術倫理 ・木材加工 ・電気
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(2) ディスクによる情報の提供
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コアカリキ ラムの編成
・コアカリキュラムの編成
・実習テキストの編修
・評価のためのアンケート調査,聞き取り調査
・対象国:過去の研修国40カ国,その他
・フィリピンの現地調査
・提供システムの構築
技 術 教 育 工 業 教 育 専 門 教 育
コアカリキュラム
2010/4/20 国際協力イニシアティブ 愛知教育大学 19
コンテンツ
コアカリキュラムの編成
「産業技術基礎」実習テキスト
技術基礎 共通基礎
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製図 木材加工 金属加工 電気 機械 情報 安全衛生 技術倫理
・製図 ・木材加工 ・電気
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実習テキストの編修
・機械 ・情報 ・技術倫理
実習テキストの編修
・安全衛生 ・評価シート
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調査目的:コアカリキュラム,各テキストの評価
・アンケート調査
・アンケ ト調査
・現地調査
対 象 者:産業技術に関わる教育行政,教員,研究者等
・JICA研修員
・CPSC関係者
・ITEA(国際技術教育学会)会員 ITEA(国際技術教育学会)会員 調査内容:・コアカリキュラム
・コンテンツ
・提供システム
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・時 期:2009年12月~2010月2月 ・調査方式:郵送,電子メール
アメリカ 台湾
メキシコ
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●
●
ミャンマー パキスタン トルコ
インド ● エルサルバドル
コートジボワール
韓国 エジプト
ガーナ カンボジア
ネパール パレスティナ
中国
フィリピン バングラディッシュ
●ウズベキスタン
オマーン サウジアラビア
シリア バーレーン ヨルダン
●
アルメニア
コスタリカ コロンビア
セントクリストファー・ネービス フィンランド
オランダ
スペイン クロアチア
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●●
● ●
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● ● ●
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●
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●タイ
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2010/4/20 25
スリランカ
オーストラリア
ブラジル 南アフリカ
インドネシア マレーシア
パラグアイ ガ ナ
パプアニューギニア ケニア
タンザニア ボツワナ
マラウイ
チリ コロンビア
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● ニュージーランド
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国際協力イニシアティブ 愛知教育大学
現地調査
・対象国:フィリピン
・対象機関 対象機関 1) CPSC
2) ウエスタン・ビサヤ科学技術大学
・時 期
1) 2009年11月30日~12月 2日 2) 2010年 2月10日~ 2月14日
●
月 月
・調査方式:インタビュー調査
調査結果
2010/4/20 国際協力イニシアティブ 愛知教育大学 27
2010/4/20 国際協力イニシアティブ 愛知教育大学 28
2010/4/20 国際協力イニシアティブ 愛知教育大学 29
調査国:ケニア,ガーナ,トルコ,パキスタン,スリランカ,フィリピン,等20カ国(’10.2.22現在)
質問内容
Very
S ti fi d S ti fi d A U ti fi d Poor
調査結果
質問内容 Satisfied (Agree)
Satisfied Average Unsatisfied
(Disagree)
コンテンツ
製図 10 9 2 0 0
木材加工 8 12 2 0 0
金属加工 11 10 1 0 0
電気 11 9 2 0 0
2010/4/20 国際協力イニシアティブ 愛知教育大学 31
コンテンツ
機械 10 11 0 0 0
情報 13 7 2 0 0
技術倫理 10 11 0 0 0
安全衛生 14 7 1 0 0
(1) 印刷物による情報の提供
(3)通信による情報の提供
(2) ディスクによる情報の提供
(3)通信による情報の提供
2010/4/20 国際協力イニシアティブ 愛知教育大学 32
ビ アラビア語
2010/4/20 国際協力イニシアティブ 愛知教育大学 33
1.産業技術に関するコアカリキュラムの編成 2.「産業技術基礎」実習テキストの編修 3.提供システムの構築
・印刷情報として
・ディスク情報として
・通信情報として
2010/4/20 国際協力イニシアティブ 愛知教育大学 35
本事業の流れ 成果の発表
平成21年度国際協力 イニシアティブ
事業開始
・コアカリキュラムの編成
・実習テキストの編修
・提供システムの構築
・アンケート調査
・現地調査による検証 成果物
○終了
実習テキストの作成 -実習テキストの作成
-印刷情報,ディスク情報,通信情報の作成 -アンケート収集・評価
○今後
-本年度のまとめ
◎今後の課題
-産業技術教育のための教材評価規準の検討
2010/4/20 国際協力イニシアティブ 愛知教育大学 36
清水 秀己 愛知教育大学・教授 テキスト作成(電気教育),調査 大西 研治 愛知教育大学・教授 テキスト作成(金属加工教育)
久永 直見 愛知教育大学・教授 テキスト作成(安全衛生教育),調査 鎌田 敏之 愛知教育大学・准教授 テキスト作成(情報教育),調査 北村 一浩 愛知教育大学・准教授 テキスト作成(機械教育),調査 魚住 明生 三重大学・教授 テキスト作成(技術倫理教育),調査 中山 茂 鹿児島大学・教授 テキスト作成(提供システム)
西 正明 信州大学・教授 テキスト作成(情報教育),調査
2010/4/20 国際協力イニシアティブ 愛知教育大学 37
村松 浩幸 信州大学・准教授 ホームページ作成 鈴木 和宏 実教出版(株)・課長 テキスト編修の検討,調査
谷口 義昭 奈良教育大学・教授 テキスト作成(木材加工教育),調査 浅田 茂裕 埼玉大学・教授 テキスト作成(製図教育),調査 宮川 秀俊 愛知教育大学・教授 全体総括(立案,調査,まとめ)