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異種発現による天然化合物創製 - J-Stage

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セミナー室

天然化合物の探索と創製–5

第二部:天然物の創製

異種発現による天然化合物創製

新家一男 *

1

,池田治生 *

2

*1産業技術総合研究所,*2北里大学

はじめに

天然物(天然物を模倣して合成された化合物も含む)

は,現在上市されている臨床医薬品の6割以上を占めて おり,長い間薬剤開発のリード化合物のソースとして用 いられてきた.特に,微生物は生物活性物質の宝庫と呼 ばれており,われわれが思いつかないような多種多様な 構造を有する化合物を生産する.ここ十数年の間,欧米 の効率主義に発する,コンビナトリアルケミストリーに よる化合物合成とそれらのライブラリーを用いたハイス ループットスクリーニングがわが国の製薬企業にも導入 され,盛んに薬剤スクリーニングが行われたが,必ずし も期待された成果が出ていない.そのため,豊富な生物 活性と大きなケミカルスペースをもった天然化合物が再 注目されている.しかしながら,新規化合物の単離が困 難になってきていることに加え,天然物ライブラリー作 製には多くの時間およびコストを要することから非効率 的であると考えられ,天然化合物スクリーニング研究 は,多くの製薬企業で衰退の一途をたどっているのが現 状である.天然物ライブラリーを用いたスクリーニング が非効率的であるというほかの理由として,培養抽出物 という多くの夾雑物を含む試料を用いるため,多くの妨 害物質から目的の活性のみを検知できる特化したアッセ イ系を構築しなければならず,また擬陽性をいかに排除 するかなどの工夫が要求される.さらに,目的の活性を

検出した後,生物活性を指標に活性化合物の単離精製を 要する.一方で,ゲノムシークエンス技術の発展に伴 い,放線菌をはじめとして多くの二次代謝産物を生産す る微生物のゲノム解析が行われた結果,微生物ゲノム中 にはこれまで人類が利用できなかった多くの未利用生合 成遺伝子が存在することが明らかになってきた(1)(ゲノ ム解析された放線菌の二次代謝産物と生合成遺伝子群に 関する最初のreview).

微生物の中でも,特に放線菌からは多くの重要な臨床 応用医薬品が見いだされおり,生物活性物質生産には最 も重要な微生物群である.しかしながら,放線菌は大腸 菌と異なり,ごく一部の放線菌を除き,分子生物学研究 を行うための「道具」に乏しく,遺伝子破壊や特定遺伝 子の高発現など遺伝子の導入が不可能,あるいは極めて 困難な場合が多かったのが現状である.1985年に放線 菌の遺伝子操作による新規抗生物質の創製(2)を皮切り に,その後Khoslaらによる「Unnatural Natural Prod- ucts」の研究など(3),多くの生合成遺伝子の異種発現研 究が行われ,多くの報告例とともに放線菌ゲノム研究の 道具がそろってきており,二次代謝産物の高生産に適し たホストとして放線菌を使うことの有効性が認知されて きているが,単に生合成遺伝子を利用した異種発現がで きれば良いというレベルではない時代になってきている のも現実である.特に,われわれによって開発された抗 寄生虫薬avermectinの工業的生産株

(2)

から構築した異種発現システムは,生産ホストと して工業生産株を用いるという点,ゲノム中に存在する 内在性の二次代謝産物の生合成遺伝子を欠損させた点,

導入遺伝子の安定維持の観点から安定領域に目的遺伝子 を組み込むという点など多くの優れた点をもち(4, 5),実 際にさまざまな異種生合成遺伝子クラスターを導入・発 現を可能とし,生産量に関しても期待がもてる状況であ る.また,「工業生産株を異種発現ホストとして改良し て用いる」というコンセプトは,これまで主にアカデ ミックでの研究目的だった生合成遺伝子クラスターの異 種発現システムを,応用を見据えたレベルまで引き上げ たという点で,今後企業での利用を目的とした大規模な 検証がようやく行える時期にきたと言える.

異種発現システムを主な基盤として,どのような化合 物が異種発現により生産が可能か,どのような化合物の 生産が困難あるいは不可能であるか,さらには工業応用 レベルでの生産が可能な化合物はどのようなものか,さ らなる改良を行うことによりどれだけ大きな範疇の化合 物が高生産できる可能性を秘めているかを,多種多様な 既知化合物を用いて検証することが,今後の企業での応 用を考えた場合重要なポイントとなる.

われわれは,臨床応用されているような,産業上重要 な化合物であるにもかかわらず,その生合成遺伝子クラ スターが巨大であるがゆえに,生合成遺伝子クラスター の取得および異種発現が,テクニカルな困難さのために ほとんど成されていない化合物を主な対象として含め,

多種多様な構造を有する化合物を対象に,生合成遺伝子 クラスターの取得,およびそれに続く異種発現生産の大 規模な検証を行った(6)

放線菌の生産する二次代謝産物の中で臨床応用されてい る化合物のうち,I型ポリケタイド合成酵素(PolyKetide  Synthase ; PKS)によって生合成されるerythromycin,  FK-506 (tacrolimus), rapamycinおよびavermectinなど のマクロライド系化合物は,大きな分子量からなり,有 機合成による供給が困難な,天然化合物を代表する重要 な化合物群である.さらにマクロライド系化合物は多様 な生物活性を有するという観点からも注目される化合物 の一群でもある.一般に遺伝子のクローニングには PCRによる遺伝子増幅手法を用いるが,これは酵素な どの一遺伝子産物のクローニングを行うような実験では 有力な手法であるが,複数の遺伝子を含む何十kbpにも 及ぶ遺伝子クラスターのクローニングには適用すること はできない.原核細胞生物である微生物由来の二次代謝 産物生合成遺伝子はほとんどすべてがクラスターを形成 しており,I型PKSを含む生合成遺伝子クラスターは,

比較的小さなマクロライド化合物であるeryhthromycin でも55 kbpのサイズからなり,これまで生合成研究に おいて汎用されてきたCosmidベクター(50 kbpまでの 遺伝子サイズのゲノムライブラリーが調製可能)内には 収まらない.

このような巨大な遺伝子クラスターを一度にクローニ ングする技術としてBAC(Bacterial Artificial Chromo- some)ベクターを用いる手法がある.BACクローニン グ系は,ヒト全ゲノム解析プロジェクトなどで利用され た,真核細胞生物でのゲノムライブラリー構築などで開 発されたものである.原核細胞生物,それもI型PKS遺 伝子のように極めて高い相同領域を保有し,かつ繰り返 し構造を有する巨大DNAのクローニングはこれまでほ とんど試されていなかった.われわれは,このような巨 大な生合成遺伝子クラスターを含め,2年間で60個以上 の放線菌が生産する化合物について,それらの生合成遺 伝子クラスターの取得と,それを用いた異種発現生産の 検証を行った.

生合成遺伝子クラスターライブラリーの構築 生合成遺伝子のクローニングに際して,遺伝子情報が 報告されていない化合物に関しては,生産菌のドラフト ゲノム解析を行い,化合物構造に基づき生合成遺伝子ク ラスターの同定を行った.

生合成遺伝子クラスターのクローニングは,40 kbp 図1産業応用されているI型ポリケタイドにより生合成され る化合物と生合成遺伝子クラスターサイズ

(3)

の長さを基準に,40 kbpより小さな生合成遺伝子クラ スターはCosimidベクターを用い,40 kbpより大きな生 合成遺伝子クラスターはBACベクターを用いて,それ ぞれゲノムライブラリーを調製し,目的生合成遺伝子ク ラスターのクローニングを行った.図2にBACベク ターを用いたゲノムライブラリー調製法を示す.通常ゲ ノムライブラリーの調製は,あらかじめ菌株から得たゲ ノムDNAを制限酵素による部分消化あるいは物理的な 剪断力などにより断片化を行い,その断片(インサー ト)をベクターに組み込むことにより目的サイズのゲノ ムライブラリーを調製するが,100 kbを超すDNA断片 は物理的な剪断力に極めて脆弱であるため,BACライ ブラリー調製のほとんどの工程は菌体の細胞壁消化から ゲル内に埋包した方法で行う.

以上のようにCosmidおよびBACを用いて,それぞれ 25個および39個の化合物について生合成遺伝子クラス ターの取得を行った.

生合成遺伝子クラスターを用いた異種発現生産 上記でクローニングした生合成遺伝子クラスターに関 して,最終的に再度シークエンス確認したクローンを用 いて,放線菌ホストに導入し異種発現生産の検討を行っ た.放線菌生産ホストとして,汎用されているのは,

 1326あ る い は  A3(2) で あ る が

(これらはともに分類学的には である), これらの菌株は遺伝子操作が容易であるが一般に異種発

現成功率は10%程度と言われており,また生産力価も 低く,これが放線菌異種発現研究および実用化の問題と なっている.そこで,われわれは異種発現成功率および 力価の低さの問題を克服するため,われわれが開発した の染色体大規模欠失株であるSUKA株が 実用化研究には適していると判断し,本ホストを異種発 現のメインホストとして異種発現生産の大規模検証を 行った.前述したように,SUKA株(ここではメイン にSUKA17株を使用)は,目的化合物の生合成前駆体 が外来性生合成遺伝子クラスターを導入することによっ て生成した生合成酵素の各反応に効率良く利用するた め,内在性の代謝産物の生合成遺伝子クラスターを欠失 させ,内在性代謝産物の生成を停止させていること,ま た親株が工業生産に使用されている菌株であるというの が大きな特徴である.このほかのホストとして,世界中 でホスト菌株として汎用されている .   J1074株

(制 限 修 飾 系 変 異 株,SAL1074),お よ び .    KASU-1(geosminをはじめ,いくつかの内在性生合成 遺伝子をノックアウトしている)を用いて,形質転換効 率および生産性の比較検討を行った.

1.  Cosmidベクターで取得した生合成遺伝子クラス ターの放線菌ホストでの異種発現生産

Cosmidベクターを用いて取得した25個の生合成遺伝 子クラスターを含むクローンをそれぞれの宿主菌株に導 入した.これらのクローンに関して,主に4種類の培地 を用いて異種発現生産を確認した.

図2BACベクターを用いたゲ ノムライブラリー調製法

(4)

SUKA株と用いたCosmidベクターの相性は極めて良 く,25個の生合成遺伝子クラスターすべてをSUKA17 株に形質転換することができた.これら25形質転換体 のうち,何ら遺伝子改変を行うことなく,化合物の異種 発現生産が確認されたものは17化合物であった.生産 性に関しては,最も高いもので,360 mg/L(resistomy- cin)と高い生産性を示した.

今回の大規模検証した化合物のうち,bottromycin A2

に関しては特異な抗菌スペクトルをもち,また新しい骨 格をもった抗MRSA薬として期待されている化合物で ある.本化合物については,生産菌の生産力価が極めて 低かったため(100 〜 400 

μ

g/L),合成研究も盛んに行 われたが,複雑な構造のため全合成は困難であり,開発 を進めるに十分なサンプル供給ができていない.そのた め,全合成に代って化合物供給を行うため,生合成研究 が行われてきた.Rolf Müllerらは生合成遺伝子クラス ターを同定し,異種発現生産に成功している(7)(本論文 は唯一の異種発現成功報告例である).彼らは,ホスト として .  および .  (strain名は不明)を 用いているが,生産量はそれぞれ1 

μ

g/Lおよび4 

μ

g/L と産業的応用にはほど遠い値であった.これに対し,

SUKA株を用いて異種発現生産を行った結果,生産菌 の100倍,さらに上記の異種発現系の10,000倍以上の20

〜 40 mg/Lという高い力価でbottromycin A2を生産す ることを明らかにした.本化合物については,現在,さ らなる生産性を高めるとともに,遺伝子改変による誘導 体展開を進めている.

Cosmidクローンに関しては,SUKAの異種発現成功 率および化合物生産力価は群を抜けて高いことが明らか になったが,SUKA以外の菌株でしか生産しない化合 物も見られ,全標的化合物25個中,異種発現生産に成

功した化合物は実に21個という極めて高い成功率で目 的化合物の異種発現生産が確認された(84%).これま で異種発現成功率は10%程度と言われており,産業応 用を目的とした実用化にはほど遠いものであったが,今 回の検証により十分に産業利用可能な成功率で,生合成 遺伝子クラスターを用いた異種発現生産が可能であるこ とを明らかにした.

2.  BAC法で取得した生合成遺伝子クラスターの放線 菌ホストでの異種発現生産

BACベクターを用いて取得した39化合物の生合成遺 伝子クラスターについて,SUKA株に遺伝子導入した 結果,18個の化合物について形質転換体の取得に成功 した(形質転換体取得率46%).しかしながら,形質転 換体が得られたクローンに関しては,12化合物が異種 発現生産された(生産株取得率67%).また,その生産 量に関しては,70%以上の化合物が5 mg/L以上の生産 性で異種発現生産が達成された.

SUKA株に対して,操作性が容易なことからさまざ まな研究に使用されている .  を親株とする KASU-1株では,親株同様,高い形質転換効率を示し,

試験した38個すべての化合物の生合成遺伝子クラス ター形質転換体が取得できた.しかながら,それらの形 質転換体について,異種発現生産を検討したところ,11 個の化合物のみ生産が観察され,かつそれらのうちの半 表1Cosmidクローンの形質転換効率,および異種発現生産効率

ホスト 生合成遺伝子 

クラスター数 形質 

転換体 形質転換体 

取得率 化合物 

生産株数 生産株 

取得率

SUKA17 25個 25個 100% 17個 68%

SAL1074 14個 14個 100%   6個 43%

KASU-1 15個 15個 100%   5個 33%

表2Cosmidクローン形質転換体の化合物生産量

生産性 SUKA17 SAL1074 KASU-1

>5 mg/L 13個 4個 3個

1‒5 mg/L   1個 0個 1個

<1 mg/L   3個 2個 1個

生産化合物数 17個 6個 5個

図3Bottromycin A2の構造

(5)

分は生産性が1 mg/L未満であり,異種発現生産用のホ ストとしては,それほど有望ではなかった.しかしなが ら,KASU-1株のみで生産が確認された化合物として,

borrelidin(抗菌,抗マラリア)やrapamycin(抗腫瘍 剤,免疫抑制剤として臨床応用)のような,産業応用上 重要な化合物も含まれていること,また形質転換体の取 得が容易であることから,検証ホストとしては利用価値 があると考えられる.

SAL1074に関しては,SUKA株およびKASU-1株の 中間の性質を示した.その形質転換体取得率は71%で あり,生産株取得率は52%であった.生産性も60%以 上の化合物が1 mg/L以下であった.SAL1074株の形質 転換体取得に関しては,空ベクターの導入率よりも生合 成遺伝子クラスターが入ったクローンのほうの導入率の ほうが高いといった,奇異な現象が観察された(通常は サイズの大きなもののほうが形質転換は困難である).

以上の3つのホストを用いて,39化合物について異種 発現生産を検討した結果,合計23個の化合物について,

異種発現生産が確認された(59%).BACベクターを用 いた巨大生合成遺伝子クラスターの異種発現生産に関し ては,ほとんど報告例がなく,われわれが構築したシス テムと比較することは不可能であるが,前述したよう に,一般にCosmidベクターを用いた生合成研究でも,

遺伝子改変など行わない場合,その成功率は10%程度 と言われている.今回,われわれはCosmidクローンを 用いた異種発現生産では84%と高い成功率を示したが,

汎用されている .  ではその成功率は約2割と低 いものであったことから,一般的に「10%」と言われて いる数字は妥当なものであると考えられる.また,

BACクローンを用いた異種発現生産では,何も遺伝子 改変など行っていないことを考慮すると,極めて高い確 率で異種発現生産に成功したと言っても過言ではないと

考えられる.

また,BACのような大きなサイズで生合成遺伝子ク ラスターをクローニングした場合,目的とする化合物の 生合成遺伝子クラスター領域に加え,余剰の領域が含ま れる.この余剰領域のサイズにもよるが,同一のクロー ン中に別化合物の生合成遺伝子クラスターが同時に挿入 されているケースが見られる.このようなクローンを用 いた場合,異種発現生産させた際に目的化合物のほかに 未知生合成遺伝子クラスターによる化合物生産が同時に 生産されることが期待される.図4は,BACベクター を用いてfactumycinの生合成遺伝子群をクローニング し,SUKA株にて異種発現生産を行った結果であるが,

明るい緑で示した領域に

β

-carboline系の新奇化合物群 を生合成する未知生合成遺伝子クラスターが含まれてお り,異種発現により生産が誘導された例を示したもので ある(8)

BACベクターを用いた異種発現生産では,Cosmidベ クターを用いた場合(84%)と比較して低い結果となっ たが,この原因としてホストとして用いたSUKA株へ の形質転換効率が低いことが原因の一つと考えられた.

SUKA株は,ほかの2つのホストと比較してBACベク ターの形質転換効率が低いが,形質転換体が得られた場 合,それらの異種発現生産成功率は約7割と極めて高 く,5 mg/L以上の生産量が観察された割合も75%と群 を抜いて高かった(SAL1074およびKASU-1は,それ ぞれ21%および36%).Cosmidクローンを用いた異種発 現生産の成功率,および生産性の高さから,われわれが 主ホストして用いたSUKA株は,現在存在する最も優 れた放線菌ホストと考えられる.したがって,SUKA 株へのBACクローンの導入効率を向上させることが,

今後の産業応用を可能とするレベルでの,有用天然化合 物異種発現生産には最も大きな課題と考えられる.

このように,放線菌の生産する二次代謝産物を対象に 大規模な異種発現生産の検証を行った結果,10年前に は予想もできなかったレベルで,種々の化合物の異種発 現生産が可能になったことが明らかになった.放線菌ホ ストを用いる最大のメリットは,大腸菌を用いた異種発 現生産と比較して,生産力価が高いこと,さらにI型 PKSや非リボソーム型合成酵素の活性発現に必須な翻

表3BACクローンの形質転換効率,および異種発現生産効率

ホスト 生合成遺伝子 

クラスター数 形質 

転換体 形質転換体 

取得率 化合物 

生産株数 生産株 

取得率

SUKA17 39個 18個   46% 12個 67%

SAL1074 38個 27個   71% 14個 52%

KASU-1 38個 38個 100% 11個 29%

表4BACクローン形質転換体の化合物生産量

生産性 SUKA17 SAL1074 KASU-1

>5 mg/L   9個   3個   4個 1‒5 mg/L   0個   1個   1個

<1 mg/L   3個   9個   6個

生産化合物数 12個 14個 11個

(6)

訳後修飾系が存在することが挙げられる.放線菌ゲノム 中には,これまで人類がその能力を引き出すことができ なかった未利用生合成遺伝子が多数含まれており,今後 異種発現生産技術を用いて,未利用生合成遺伝子より多 くの新奇化合物を創出することが期待される.なお,本 稿で紹介した は文部科学省遺伝子組換え 実験指針における認定宿主ベクター系の宿主生物として 認定されている数少ない工業微生物の一つである(平成 22年 文 部 科 学 省 告 示 第6号).ま た,  

SUKA17株は理研バイオリソースセンターに寄託番号 JCM 18251として登録されている.

文献

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プロフィル

新家 一男(Kazuo SHIN-YA)   

<略歴>1988年東京農工大学農学部農学 科卒業/1993年東京大学大学院農学系研 究科農芸化学専攻博士課程修了,博士(農 学)/同年同大学分子細胞生物学研究所助 手/2006年産業技術総合研究所生物情報 解析研究センター主任研究員/2013年同 研究所バイオメディカル研究部門上級主任 研究員<研究テーマと抱負>天然物化学,

天然物由来の医薬品を創出すること<趣味

>ゴルフ,自転車,カーレース,野球,音 楽鑑賞,映画鑑賞,スポーツ鑑賞 池田 治生(Haruo IKEDA)   

<略歴>1977年北里大学薬学部製薬学 科卒業/1982年同大学大学院薬学研究科 博士後期課程修了(薬学博士)/同年英 国John Innes Institute遺伝学部門ポスド ク/1983年北里大学薬学部助手/1992年 同大学薬学部助教授/2002年同大学北里 生命科学研究所および大学院感染制御科学 府教授<研究テーマと抱負>微生物分子遺 伝学および合成生物学,染色体改変による 機能性生物の構築<趣味>音楽(バロック およびジャズ)を聴くこと,奏でること

図4クローニングしたfactumy- cinの生合成遺伝子クラスター配 置図

Referensi

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