第5学年 外国語活動学習指導案
令和2年2月19日(水)第5校時 場所:飽田東小学校 体育館
指導者:前田陽子 Bailey Gaudin 黒松百合 木薮豊
1 単元名 We are AIF promoters!② 〜先生方のできることを紹介しよう!〜
(We Can1 U5:She can run fast. He can jump high.) 2 単元について
⑴ 本単元では、自分や第三者ができることについて紹介する活動を通して、英語で伝え合う楽しさを味 わわせることをねらう。子どもたちは、これまで一人称や二人称のみで考えや思いを伝え合ってきた。
しかし、それだけでは伝える範囲が限られ、思うようにやり取りができないもどかしさを味わってしま う。三人称を使用すれば、友達や家族など身近な人のことを話題にできるため、言いたいことを伝え合 う楽しさを一層味わうことができると考える。
そこで、3月に行う国際交流会「飽田東インターナショナルフェスティバル(AIF)」に向けたプロジェ クト型学習に取り組ませる。AIFでは他校のALT8人を迎え、5年生をホスト役に交流内容を企画、運 営し、英語によるコミュニケーションを全校で楽しむようにする。そのため、来校するALT8人に関す る情報をテレビ電話を通してやり取りした後、紹介動画やポスターを作成するのである。本単元では、
「できること」を中心に慣れ親しんだ英語表現を活用しながら、互いのことを知らせ合うこととなる。
このような活動を通して、子どもたちはこれまで学習してきた内容を実生活で活用し、英語によるや り取りや文字を読み書きすることの有用性を実感することができる。また、できることを英語で知らせ 合い、互いを認め合う心地よさを味わうこともできる。テレビ電話交流では、日本語を話さない外国人 との交流で、伝わる喜びと共に伝わらない困り感も味わうであろう。その際、それまでの学習や経験か ら得た力を駆使し、考えながらやり取りを行う中で、言語活動による学びが深まっていくと思われる。
単元最後には、活動全体を振り返らせ、言語だけではない多様なコミュニケーション方略のよさを実 感させながら、達成感や自己肯定感を高めていきたい。
⑵ 学習内容の系統については、次の通りである。
⑶ 本単元に関する子どもの実態は次の通りである。(調査人数:31人)
① 26人が「英語を話す力がついた」と答えているが、24人が「英語を話す力をもっと付けたい」、
26人が「もっと外国人とやりとりしたい」、24人が「自分の英語の力を図るテストなどにチャレ ンジしたい」と答えている。
これまでのソロモン諸島の小学生との交流や、12月と1月にALTの先生方とテレビ電話で自己紹 介し合ったことで、自分が話す英語が伝わったり、相手のことを知ったりする喜びが強まったのだと 言える。子どもたちは、英語を話す力に自信をつけながらも、さらに自分の力を伸ばしたり、試した りしたいと感じていると考える。
② 11人の子どもが、外国語の授業を楽しみにしながらも、英語を聞いたり話したりすることに不安 を感じていたり、「すらすらと話すこと」を強く望んだりしている姿がある。
「しっかり覚えなければ、やりとりができない」あるいは「英語は、上手に、すらすらと話さなけれ ばならない」と考えてしまうことから、英語を通じたコミュニケーションに自信をもつことができな いと考える。どのような姿をめざすのか、具体的な姿の共有ができていないと考える。
③ 全員がプロジェクト型の学習を好きだと答えている。理由として、「本だけで行うより頭に入って くる」、「自分たちで行うことでやる気が出る」、「みんなで協力して英語をたくさん話せたから」、
「本当に英語が伝わっているかが分かるから」などが挙げられている。
子どもたちは自分たちだけでチャレンジできる学習を楽しみ、達成感を見出していると考える。
12月 :U6 We are AIF promoters.① 先生の国紹介
2月:U5
We are AIF promoters.② 先生方のできること紹介
3月: AIF(総合)
市内に住むALTの 先生方と交流しよう
6年:U5 He is famous.
She is great.
人物紹介 3月 :U9
Who is your hero?
あこがれの人
④「自分のことが好き」と答える子どもは、19人(61.3%)であった。残りの子どもたちは、「自信 がない」、「〇〇ができないから」、「人見知りだから」など自己肯定感が低い。
“I can’t ~. But I can ~.”などと紹介し合う中で、「できない自分」も受け止めながら、自分だから できることを互いに認め合うことができるようにしていきたい。
⑷ 指導にあたっては、次の点に留意したい。
①単元構成の工夫
単元のゴールを明確にして、バックワードデザインで授業を組み立てる。単元の導入では、指導者 の家族や友達ができることを写真などを添えながら紹介することで、単元の学習内容を想起させる。
子どもたちには、単元のゴールとして飽田インターナショナルフェスティバル(AIF)で来校するALTの 先生を紹介する動画やポスターを作成することを提案する。そのために、必要なこと、できること、
やってみたいことを考えさせ、具体的な活動内容や活動計画を自分たちで決め、見通しをもって活動 を進めることができるようにする。
また、毎時間の授業で、前時の振り返りをもとに各自でめあてを決めさせ、より具体的なめあてを もって活動し、自分ならではの成果と課題を振り返ることができるようにする。
②困り感をもとに新たな語彙と出会わせる工夫
単元の前半で、校内の先生方ができることをその人になりきって紹介させ、一人称では 「本当の紹 介」にはならないことに困り感を抱かせるようにする。その後、どんな表現が必要か考えさせた後で ALTはどのように紹介するか聞く場を設定する。ALT が先生方の写真を2か所に分けて掲示しながら 紹介することで、HeとSheの違いに気付くことができるようにする。
③ゲームの要素やパフォーマンス課題を活用した慣れ親しみの工夫
He/Sheを使った紹介表現に慣れ親しむことができるように「紹介ゲーム」を取り入れる。4人組 の班で、紹介カードを1枚ずつ引いてはHe/Sheを用いて紹介した後、I can/can’tを使って自分はでき るかどうかを話す。それを聞いた友達は“You can/canʼt〜.Me, too/neither.”と反応を返してから次の 人がカードを引くようにすることで、繰り返しI、You、He /Sheを使いながら区別して話すことがで きるようにする。
単元の後半では、パフォーマンス課題として宣伝用の動画作成に取り組ませ、撮影する過程で英語 表現を繰り返し発話するようにする。また、ポスター作成に取り組ませ、それまで音声として慣れ親 しんだ語彙を書き写し、「誰かに伝えるための文字」として書くことに慣れ親しむようにする。
④言語活動の工夫
本時では、授業の前半で他校に勤務するALTの先生方とテレビ電話で交流する場を設定し、互いに できることを英語でやり取りするようにする。班ごとに1人のALTを固定し、やり取りの時間を十分に 確保することで、一人ずつ自分ができることを紹介しながら、そのことについてできるかできないか をALTに尋ねたり、他に何ができるか新たな情報を聞き出したりできるようにする。
授業の後半では、テレビ電話交流で得た「ALT〇〇先生ができること」を音声で録音する活動に取 り組ませ、He/Sheを使った表現に慣れ親しんでいくようにする。
3 単元の目標
⑴ 自分や第三者についてできることを紹介し合おうとする。(コミュニケーションへの関心・意欲・態度)
⑵ 自分や第三者について、できることやできないことを尋ねたり言ったりする表現に慣れ親しむ。
また、文字を読んだり書いたりすることに慣れ親しむ。 (外国語への慣れ親しみ)
⑶ 相手の話に言葉を加え反応しながら会話することの心地よさに気付く。
(言語や文化に関する気付き)
4 言語材料
⑴ 表現(子どもの発話)
Can you (cook well)? Yes, I can./No, I can’t.[I/You/He/She][can/can’t]
⑵ 語彙(子どもが使う語彙)
動作 (play [the recorder / the piano], ride a [bicycle / unicycle], swim, skate, ski, cook, dance, run fast, jump high, sing well), can, can’t, he, she, Mr., Ms., net, omelet
[既出]日課, 数, 動作, スポーツ
5 単元の指導計画(8時間取り扱い)
次 学習活動 時間 教師の支援 【観点】評価規準(方法)
1
◯ 単元全体の見 通しをもち、で きることを尋ね 合う英語表現に 慣れ親しむ。
1
・指導者がポスターを使って家族や友達を 紹介する姿を見せることで、単元の最後に できそうなことを子どもたちに考えさせ る。さらには、AIFに活用できないかを問 い掛けることで、目的意識を明確に活動で きるようにする。
・「倍倍ゲーム」をやりながら、You can/
can’t ~. I can/can’t~.の英語表現に慣れ親 しませる。
【慣れ親しみ】
・ ゲ ーム の 中 で 、I / Yo u can/can’t~.を繰り返し使い ながら、自分や目の前にい る友達のできることやでき ないことを紹介する英語表 現に慣れ親しんでいる。
(行動観察、振り返りシー ト点検)
2
◯ できることや できないことを 友達や校内の先 生方に尋ねたり 紹介し合ったり する。
3
・校内の先生方にできることをインタビュ ーさせ、他班の友達に紹介する場を設定す る。その際、IやYouを使って紹介できない 困り感を取り上げ、ALTがどのように紹介 するかに注目させ、He/Sheに関する気付 きを交流できるようにする。
・先生紹介ゲームの中で第三者を紹介しな がらも、自分や友達のことについて話す場 を設定し、I、You、He/Sheを区別して使 いながら、He/She can ~.という英語表現 に慣れ親しむようにする。
・自分ができることはどんなことがあるの か、「自分ならでは」のよさを認め合うた めに、絵本「I Am Special」を読み聞かせ する場を設定する。
・これまでの学習で慣れ親しんだ「お手伝 い」のこともI can ~で紹介できることを知 らせるために、絵本「How Can I help?」
を読み聞かせする場を設定する。
【コミュニケーション】
・Can you ~?を使って尋ね たり、You can ~.と相手が 言ったことを確認したりし てやり取りを続けている。
(インタビュー録画、振り 返りシート点検)
【気付き】
・He/Sheの違いに気付いて いる。 ・人によりできることが異 なることを聞き、互いを認 め合うよさに気付いてい る。(発言、振り返りシー ト点検)
【慣れ親しみ】
・ゲームの中で、He/She can~.を繰り返し使いなが ら、自分や目の前にいる友 達、第三者のできることを 紹介する英語表現に慣れ親 しんでいる。
(行動観察、振り返りシー ト点検)
3
◯ 班ごとにALTの 紹介動画、AIF用 ポスターを作成 する。
3 本時
1/3
・各班ごとに決まったALTを相手に、テレ ビ電話でインタビューする場を設定し、で きることを紹介したり、尋ねたりする時間 を十分に保障する。一人ずつ交代で尋ね合 う中で、班の友達と分からない表現を互い に訊き合い、自分たちだけでやり取りを続 けるように声掛けを行う。そのことで、試 行錯誤しながら、既習の表現やジェスチャ ーなどの方略を駆使しながら、ALTとやり 取りができた達成感を味わうことができる ようにする。
・インタビューで分かったことを音声録音 で記録させ、He/She can ~.の英語表現に 慣れ親しむことができるようにする。
・AIF宣伝用の動画やポスターを作成する ことで、ALTができることについて知らせ 合う英語表現に慣れ親しむことができるよ うにする。
【コミュニケーション】
・相手のできることをよく 知るために具体的な情報を 聞き取ったり、確認や反応 を返したりしている。
(動画、音声点検)
【慣れ親しみ】
・He/She can ~.の英語表現 に慣れ親しんでいる。
(行動観察、作品点検、振り 返りシート点検)
・ALTができることを紹介す るためにHe/She can ~.をポ スターに書き写している。
(行動観察、ポスター点検)
4 ◯ 学んだことを 振り返る。 1
・テレビ電話の様子を写した動画、自分た ちで作成した宣伝用動画やポスターを見返 す時間を取ることで、できるようになった こと、分かったこと、今後の学習につなぐ 課題について具体的な姿で振り返ることが できるようにする。
【気付き】
・ こ れ ま で の 学 習 を 通 し て、できるようになったこ と、分かったこと、感じた こと、自分ならではの具体 的な課題を記入している。
(発言、振り返りシート)
6 本時の学習
⑴目標 他校のALTとできることについて尋ね合う活動を通して、自分や第三者ができることを英語で伝 えようとする。
⑵展開
時間 学習活動 主な発問・指示(●)と予想される反応(○) 教師の支援と評価(★)
5
20
10
10
1 スモールトークを楽し む中で本時のめあてをつ かむ。
2 各班に分かれ、テレビ 電話で交流する。
3 テレビ電話でのやり取 りで分かったことを英語 で記録する。
4 学習を振り返る。
● “Iʼd like to make your promotion video! Please answer my question.
Can you play soccer?”
○ ぼくもサッカーは苦手…。
○ ベイリー先生は絵がとっても上手!
○ べイリー先生は、絵の他にもいろんな ことができるんだね。
○ 私はダンスが得意だけど、クリフ先生 はダンスできるのかな?どう聞けばいい かな?
●“Letʼs interview by FaceTime.”
○ ドキドキするけど、楽しみだね。
○ あっ、ルーシー先生だ!
○ “Hello! How are you? ー Thatʼs nice. ”
○ えっと、『質問していいですか』って どう言うんだっけ?
○ “I can play kendama. Can you kendama? あっそうか、Can you play kendama?”
○ すごい!交流会で見せてほしいね。
○ “I canʼt play polo. But I can take care of my sister. This is my sister.”
○ なんて言ったのかな?
“Sorry. One more time, please.”
○ “I can sing and dance Paprika. Can you sing Paprika?”
○ “Oh, you can!”
○ AIFで一緒に歌って踊りたいね!
● “Letʼs record what he or she can.”
“This is Lucy sensei. She can sing well.” She can sing Paprika!”
○ “She can play kendama, too.”
○ “She can play chess.”
○ “She can play polo.”
● “What did you learn today?”
○ 分からなくても、あきらめずに尋ねた から、先生のことがしっかり分かりまし た。知っている英語だけでも絵やジェチャ ーと一緒にすれば、なんとか通じて嬉しか った。ルーシー先生に早く会いたいなあ。
・ALTとデモンストレー ションを示し、本時の活 動で使用する英語表現に ついて想起できるように する。
・代表者とやり取りし、
子どもたちの困り感や考 えを引き出しながら、口 慣らしを行う。
・各ALTの写真カードに 新たな情報を付け加えさ せ、やり取りで得た情報 が増える様子を視覚的に 把握できるようにする。
・試行錯誤しながら会話 を続けたり、相手の話に 反応を返したりする姿を 見取り、中間評価などに 活用する。
・班ごとにテレビ電話の 様子を画面キャプチャー や別のタブレットで録画 させ、単元全体の学びを 振り返る際に活用できる ようにする。
★テレビ電話で得た情報 をもとに、第三者のでき ることを伝えようとして いる。(動画確認、振り 返りシート記述分析)
・振り返りシートに、
「今日の言葉と学び」と
「その理由」を書いて提 出させた後、全体で共有 する。
〇〇先生はどんなことができるのだろう?