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造形要素の観点から保幼小の造形活動をつなぐための基礎研究

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Academic year: 2023

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1 / 3 2.研究の詳細

プロジェクト 名

造形要素の観点から保幼小の造形活動をつなぐための基礎研究 プロジェクト

期間 令和2年度(令和2年4月1日~令和3年3月31日)

申請代表者

(所属等)

松久公嗣(美術教育ユニット) 共同研究者

(所属等)

なし

① 研究の目的

令和元年度より本学の学内プロジェクト「新たな幼稚園教諭の教職課程編成・開発推進プロジェクト」におい て「『幼児と表現(仮)』の開講に向けた幼児期の造形活動に関する研究」を進めている。これは美術科,図画工 作科のなかでも絵画領域を専門とする立場から,乳幼児期における遊びの重要性と遊びから絵の表現へとつなが る際にキーワードとなる点・線・面,形や色,感触やイメージといった造形要素を手掛かりに,先行研究を取り まとめるとともに表現に係る環境構成を主とした実践的検証を行った。

また,研究者はイタリア:Reggio Emilia市との「日伊文化交流作品展」を7年に渡り継続しており,造形要 素を重視したReggio Emilia版学習指導要領の翻訳を終えている。さらに,学内プロジェクトにおいて二つの保 育園・こども園との間に研究実践体制を整備できている。また大学近隣の小学校との連携を継続しており,幼児 教育と初等教育それぞれの造形活動ならびに研究・連携体制はすでに整備されている。

本研究は学校園それぞれに存在する造形活動について,活動の重要性は高く認識されているにもかかわらず,

そのつながりが軽薄であるという事実を実践者の独自の視点から抽出し,Reggio Emilia approachで重視され る造形要素を基に解決策を見出すもので,これらの実践を企画し継続してきた研究者独自の実績と視点から着想 したものである。

この研究を通して,各地の幼児教育と初等教育の造形活動がつながりで意識され,具体的なカリキュラムの構 築や活動が設計しやすくなる。これはアカウンタビリティが求められる教育界において,感性教育という抽象的 な教育対象と学習の尺度で説明が困難であった表現活動について,より具体的な資質や能力を解説できるメソッ ドとして活用されることが期待できる。

② 研究の内容

本プロジェクトでは,これまでの研究者の研究実績に学内プロジェクト研究の成果を融合し,新たな視点で科 研費研究課題を企画することを目的として,造形要素を手掛かりに先行研究を取りまとめるとともに,表現に係 る環境構成を主とした実践的検証を行った。

具体的には,科研費研究における造形教育メソッドの確立に向けて,連携・研究体制を組む2つの実践園にお いて,申請に向けた基礎研究として以下の3点を行った。

(1)全国の保幼小連携の実態調査

申請書作成時に必要となる先行研究ならびに研究の背景について事例を調査する

(2)Reggio Emilia approachに係るReggio Emilia版学習指導要領を造形要素の観点から整理しまとめる。

(3)各学校園で実践可能な活動例を提案し,具体的に解説できる資料や研修会,教材などの環境面で強力に 支援しながら,実践内容を収集し分析する。

保幼小とつながる造形活動を,Reggio Emilia approachの特長となる造形要素から分析し,表現活動と小学 校の題材(単元)との関りについて,各学校園の教員の理解を深めることのできるメソッドの確立を目指す科研 費研究課題を仮定し,その申請に向けた基盤研究を行った。

③ 研究の方法・進め方

研究者はイタリア:Reggio Emilia市との連携体制と二つの保育園・こども園との間に研究実践体制を整備で きている。また大学近隣の小学校との連携を継続しており,幼児教育と初等教育それぞれの造形活動ならびに研 究・連携体制はすでに整備されている。

本研究期間内に進める調査等の研究課題については,H.29-31年の科研費研究「小中一貫教育に展開できる新 たな美術教育カリキュラムをリデザインする」(基盤研究(C))において,全国の小中一貫教育の実態調査を進

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めるにあたり,同様に保幼小連携を進める自治体の情報を収集できていることから,(1)の実態調査について はコロナの影響から各地への出張を見送ったが,これまでのデータを整理することで問題なく活動を計画し提案 することができた。

先行研究としては,『幼児造形の基礎 乳幼児の造形表現と造形教材』(樋口一成 編,2018年,萌文書林)や

『幼稚園・保育園・認定こども園の環境構成 学びを支える保育環境づくり』(高山静子,2017年,㈱小学館)

において,幼児教育における造形活動や環境整備の好事例が紹介されていることから,研究者がまとめた『幼児 期の造形活動を支援する環境構成のあり方』(福岡教育大学紀要,第69号,第5分冊,令和2年3月)ととも に,連携園の教員らと意識共有するための資料として活用した。

(1)及び(2)で整理した内容を基に,造形要素の観点から活動内容をまとめ,連携する実践園2園での実 践を提案した。この提案内容について具体的に要点を解説するとともに教材や環境整備に係る支援を行い,活動 内容を収集・分析した。

④ 実施体制

これまでの科研費研究ならびに学内プロジェクト研究によって研究体制は整備できている。

福岡県内のこども園(C園)と熊本県内の保育園(R園)の2園において実践し,イタリアとの連携に関して は小学校教員を中心に交流作品展に係る実施体制を維持できている。

⑤ 令和2年度実施による研究成果

先行研究の取りまとめとReggio Emiliaの学習指導要領を融合した新たな提案内容について,連携する実践園 の教員等に具体的に要点を解説するとともに,教材や環境整備に係る支援を行い,活動内容を収集・分析した。

実践した2園の活動のなかからEnglish Schoolという個性と独自の確立したカリキュラムを持つC園におけ る活動事例を採りあげ,園の個性や教員の個性,園児の個性を組み合わせた「Reggio活動」を再提案し,その 内容をまとめて学会発表するとともに,本学の紀要論文として投稿した。

C園では,Reggio 活動に係るカリキュラムの変更が可能となり,アトリエリスタの配置と各教員の個性を重 視した役割分担によるチーム保育が実現できたことから,継続的に発展するモデルの確立を目指した科研費研究 で実践予定であった活動を前倒しで実践することができた。

さらに本プロジェクトのまとめとして,活動内容を振り返るためのドキュメンテーションの作成方法を研修会 で示し,今後の科研費研究での連携につなげる活動を行った。

本プロジェクトによって上記進行状況を反映した申請が可能となり,科研費研究が採択された。

⑥ 今後の予想される成果(学問的効果、社会的効果及び改善点・改善効果)

科研費研究として採択されたことで,本プロジェクト研究を基礎とした発展的な実践的研究を継続することが できる。採択された科研費研究の研究成果は,幼児期から中学校へとつながる活動や教科について,学校園の各 教員が普段の活動や共通言語によって振り返り計画することのできる具体的かつ直接的な支援となり,他の領域 や教科のつながりを検討する前例として各地の連携事業に貢献することが予測できる。

⑦ 研究の今後の展望

科研費研究では,各学校園の教員が専門性の高低に関係なく共通して理解を深めることのできる共通言語や共 通する活動を探り,それらの内容をキーワードとして領域や教科の活動を分析してまとめなおすことで,各学校 園の教員がより身近な活動を振り返りながら共通理解と相互理解を深めることのできるガイドブックとデータ ベースの作成を計画している。

はじめに,申請者の小中連携に関する過去の科研費研究の成果に,昨年度から開始した二つの幼児教育に関す る学内プロジェクトの知見を加え,幼児期の表現領域から図画工作科,美術科の教科に共通する学びを“造形活 動”と定義する。

つぎに,点・線・面,形や色,材質やさわった感じ,上下・左右や構成,重なりや組み合わせといった分かり やすい“造形要素”をキーワードとして造形活動を分析し,まとめなおすことで,どの学校園の教員でも共有し 共通理解につなげることのできるガイドブックとデータベースを作成する。

造形活動を活かした保育で評価されているイタリアのReggio Emilia Approachの保育理念を参考に,造形要

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素で分類したガイドブックとデータベースが共通理解と相互理解を深めると仮定して協力学校園での実践的検 証を重ねる。

研究の最終段階では,過去の小中一貫教育に係るカリキュラム開発の成果と融合することで,幼児期から中学 校に至る義務教育期間全体を見通した造形教育カリキュラムとその内容を解説するガイドブック,さらに具体的 な活動事例をまとめたデータベースを改善し,造形活動メソッドを完成する。

本プロジェクト研究の終了までに想定を超えた実践ができており,科研費研究がスムーズにスタートすること ができる状況にある。

⑧ 主な学会発表及び論文等

1:Reggio Emilia Approachを日本の幼児教育に導入する課題と可能性,松久公嗣,第59回大学美術教育学 会 宇都宮大会,2020.9.19-9.20

2:Reggio Emilia Approachを導入した造形活動の実践的検証,松久公嗣,福岡教育大学紀要,第70号,第5

分冊,p51-

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