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高温加熱を受けたコンクリートの基礎的物性と微細構造変化

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(1)

総合研究所・都市減災研究センター(

UDM

)研究報告書(平成23年度)

小課題番号

3.1-7

*1 工学院大学建築系学科・学部生 *2工学院大学建築学部・准教授 *3 (社)建築研究振興協会 博士(工学)

*4 株式会社フローリック技術本部コンクリート研究所 *5 株式会社長谷工コーポレーション技術研究所

*6 (社)建築研究振興協会

   水空隙     気泡

水銀圧入可能

(3.5mm~50µm)

。 ゜ 。゜

  。。  ゜

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。  。

  ゲル空隙  毛細管空隙   小径エントラッ 大径エントラッ  1nm~5nm 5nm~50µm プドエア     プドエア       50µm~1mm 1mm~10mm 

耐久性、強度に影響 強度に影響

熱容量Q(J/K)=c×m c:比熱(J/kg ・K)          m:質量(kg) 蓄熱

放熱

高温加熱を受けたコンクリートの基礎的物性と微細構造変化

石垣芙季1

,

田村雅紀2

,

嵩英雄3 蓄熱, 封緘, 高温暴露, 圧縮強度 西祐宜4

,

金子樹5

,

田山隆文6

1.はじめに

世の中の一般的な建材は蓄熱し, 放熱する性質を持っ ている。建物の蓄熱性はその建物の使用材料の熱容量 で 評 価 さ れ る 。 こ の 熱 容 量 は 質 量 ×比 熱 で 表 さ れ ,普 通 コ ンクリートの単位容積当たりの熱容量は 880J/K 程度 と なり, 木材に比べて高く, 蓄熱性が高い。図1にセメ ン ト硬化体の空隙構造と蓄熱の特性を示す。近い将来, 世 の中のエネルギーが自然エネルギーへと移行していっ た 場 合 , 夜 間 な ど は 作 ら れ る エ ネ ル ギ ー が 減 少 す る た め , このようなコンクリートの蓄熱性を活かし, コンクリ ー トからエネルギーへの変換に期待ができる。一方, 暴 露 温度によってはコンクリートの強度が変わる可能性も 考 えられ る。1)- 3)そこ で本 研究で は, 直 射日光 を受 け るビ ル の 外 壁 な ど の コ ン ク リ ー ト は 夏 場 50℃ ~ 80℃ ま で 上 昇することがあること, 原子炉, 工業炉, コンクリー ト 煙突などでは 100℃以上の高温に常時さらされること を 踏まえて, 20℃, 50℃, 80℃, 110℃, 300℃の温度条 件 下で養生方法別に暴露した後の強度, 強度低下の原因 と なりうる細孔構造を分析し, 加熱後のコンクリートの 基 礎的物性と微細構造を分析した結果を報告する。

2.実験概要

2.1 使用材料及びコンクリート調合

表1に使用した材料の品質を示す。表2に実験要因を 示す。表3にコンクリートの調合を示す。使用したセ メ ントは普通ポルトランドセメント(Ns), 中庸熱ポルト ラ ンド(Ms), 高炉B種セメント(Bs), フライアッシュセ メ ン ト (Fs)の 4 種 類 使 用 し ,

Fs

を 除 い て 市 販 品 を 使 用 し

, Fs

につい て は普通 ポル ト ランド セメ ン トの

15

%を フラ イアッシュⅡ種で置換してフライアッシュセメント

B

種 とした。化学混和材はリグニンスルホン酸系の

AE

減 水 剤標準形を使用した。普通ポルトランドセメントでは 全 てのセメント種類で使用した砂岩砕石に加え, 石灰岩 砕 石も使用した(NL)。計画調合は水セメント比 50%, 単 位 水量 174kg/m,空気量 4.5%一定とした。また, AE 減水 剤は C×1.25%一定と し, 空気量は 空気 量調整剤 にて 目 標空気量となるように調整した。

2.2 実験項目および実験内容

表4に実験項目と実験方法を示す。図2に供試体の養 生方法, 高温暴露のプロセスを示す。供試体は, 使用 す るセメント4種に加え, 石灰を加えた普通ポルトラン ド セメントを含み, 全5種のコンクリートをフレッシュ コ ンクリート試験後にサミットモールド(φ10×20cm)を

(建物に関する蓄熱の状況例) 20℃:常温のコンクリート

50℃:夏場のビルの外壁などのコンクリート 80℃:夏場のビルの外壁などのコンクリート 110℃:原子炉や工業炉などに使用されるコンクリート

300℃:銭湯などの煙突, 原子炉や工業炉などに使用されるコンクリート

図1 セメント硬化体の空隙構造と蓄熱の特性

表1 使用材料

項 目 記 号 種 類 密 度

(g/cm

)

吸 水 率

(%) Ns

普 通 ポルトランドセメント

3.16

Ms

中 庸 熱 ポルトランドセメント

3.21

Bs

高 炉

B

種 セメント

3.04

セメント

Fs

フライアッシュセメント

B

3.02

S1

陸 砂 ( 大 井 川 産 )

2.58 2.17

細 骨 材

S2

石 灰 岩 砕 砂 ( 福 岡 産 )

2.70 0.78 G1

硬 質 砂 岩 砕 石 ( 青 梅 産 )

2.65 0.57 G2

石 灰 岩 砕 石 ( 山 口 県 産 )

2.69 0.48

粗 骨 材

G3

石 灰 岩 砕 石 ( 青 森 県 産 )

2.69 0.46

表2 実験要因

要 因 水 準

細 骨 材 陸 砂 , 石 灰 岩 砕 砂 粗 骨 材 砂 岩 砕 石 , 石 灰 岩 砕 石

コ ン ク リ ー ト Ns, Ms, Bs, Fs, NL(Ns に 石 灰 石 骨 材 を 加 え た ) 養 生 方 法 標 準 , 封 緘 ( 13W)

暴 露 方 法 標 準 → アンシール( 13W) ,封 緘 → シール,アンシール( 13W)

暴 露 温 度 20℃ , 50℃ , 80℃ , 110℃ , 300℃

アンシール:暴露状態において封緘されていない状態

シール:暴露状態において

, 水分の移動が無いように封緘されている状態

表3 コンクリート調合

単 位 量 (kg/m3)

W/C(%) s/a(%)

W S1 S2 G1 G2 G3

Ns 44.3 766 - 991 - -

Ms 44.4 771 - 991 - -

Bs 43.9 756 - 991 - -

Fs 43.6 746 - 991 - -

NL

50

44.3 174

384 400 - 705 301

(2)

総合研究所・都市減災研究センター(UDM)研究報告書(平成23年度)

小課題番号

3.1-

7 用いて採取し, 20℃60%RH の恒温室にて静置した。そ の

後, 標準→アンシール, 封緘→シール, 封緘→アンシ ー ルの全3水準の養生を 13W 行った。標準→アンシール 養 生を行うものについては翌日脱型し, 封緘→シールお よ び封緘→アンシールではサミットモールドのまま供試 体 上部をポリエチレンフィルム等で封緘処理を行いそれ ぞ れの養生を開始した。その後, 全ての供試体において 材 齢4週時に研磨にて表面処理を行った。封緘→アンシ ー ルおよび封緘→シールについては, サミットモールド の まま水ではなくブタノールを使用し研磨した。さらに 研 磨後には, 上記と同様な封緘処理に加え, ポリエチレ ン フィルムの上からエポキシ樹脂で覆い, 封緘状態とした 。 その後それぞれを 20℃, 50℃, 80℃, 110℃, 300℃の全 3水準で暴露した。よって, 供試体の種類は全 45 種類 と なる。ただし, 300℃加熱時にエポキシ樹脂が溶け出し た ので, 300℃, 封緘養生の水準の供試体に関しては, エポ キシ樹脂を取り除き, 剥き出しになった上部を下にし て 底を上にして置き, 封緘状態とした。高温暴露は, 20℃ , 50℃, 80℃, 110℃, 300℃に調節した熱風循環式恒温 機 で 13W 行った。恒温機内の供試体の配置はランダムにし , セメント種別, 養生方法別に偏りが出ないようにした 。 なお,高温暴露開始前後では, 20℃/h で昇降温させ, 暴 露後の強度試験は降温翌日, 供試体が常温となってか ら 実施した。その後, 強度試験を終えた供試体は, 次の 試 験 が 行 わ れ る ま で 空 気 に 触 れ な い よ う に 袋 で 密 閉 し , 20℃恒温室で保存した。

3.実験結果及び考察

3.1 フレッシュコンクリート試験結果

表5にフレッシュコンクリート試験の結果を示す。フレッシュコ ンクリート試験はスランプ(JIS A 1101), スランプフロー(JIS A 1150), 空気量(JIS A 1128), 単位容積質量, コンクリート温度(JIS A 1156)とした。コンクリート温度は 20℃一定であった。Bs, NL 種においてはスランプ値が高く出ているが結果をそのまま使用し た。

3.2 高温暴露前の圧縮強度と静弾性係数

図3に高温暴露前の脱型後 13W の供試体のセメント別 にみた圧縮強度と静弾性係数のグラフを養生方法別に 示 す。封緘養生に比べて標準養生の方が圧縮強度が高い 。 養生条件に関わらず Fs 種は圧縮強度, 静弾性係数が低く , NL 種 に お い て は 静 弾 性 係 数 が 他 セ メ ン ト 種 に 比 べ 高 い 。 3.3 高温暴露後の供試体の単位容積質量の変化

図 4 a)に 高 温 暴 露 後 の 供 試 体 の 単 位 容 積 質 量 の 変 化 を示す。20℃から 300℃まで, 自由水, 物理吸着水の 蒸 発, 移動により段階的に減少した。封緘-シール種に お いては, 110℃から, 封緘のために使用したエポキシ樹 脂 が溶けて完全封緘ではなくなったので乾燥により急激に

図2 供試体の養生方法および高温暴露プロセス

表4 試験項目と実験方法

試 験 項 目 実 験 方 法

加 熱 処 理 20,50,80,110,300℃ 環 境 に 13 週 間 暴 露 圧 縮 強 度 JIS A 1108 準 拠 。 円 柱 供 試 体 ( φ 100mm×200mm)

静 弾 性 係 数 JIS A 1149 準 拠 。 圧 縮 強 度 試 験 と 同 時 に 測 定 供 試 体 密 度 測 定 加 熱 処 理 前 後 の 密 度 を 測 定

細 孔 径 分 布 測 定 Ns,Bs,NL 種 は D-乾 燥 後 , Ms 種 は 20℃ 乾 燥 後 水 銀 圧 入

粉 末 X 線 回 折 封 緘 - シ ー ル の Ns,Ms 種 の 高 温 暴 露 前 (13W)と 300℃ 高 温 暴 露 後 (26W)を 測 定

表5 フレッシュコンクリート試験結果

種 類 スランプ(cm) スランプフロー

(mm) 空 気 量 (%) 単 位 容 積 質 量 (kg/L)

Ns 14.0 283 4.1 2.32

Ms 14.8 259 3.5 2.34

Bs 17.6 267 3.6 2.32

Fs 15.5 255 4.5 2.29

NL 17.3 277 3.9 2.35

図3 高温暴露前の圧縮強度と静弾性係数

質 量 が 減 少 し た と 考 え ら れ る 。 他 セ メ ン ト 種 に 比 べ

Fs

種は単位容積質量が小さい。

3.4 高温暴露後の供試体の圧縮強度の変化

図 4 b)に 高 温 暴 露 前 後 の 養 生 別 , セ メ ン ト 種 別 の 圧 縮 強 度 を 示 す 。 110 ℃ ま で は 強 度 が 発 現 し て い る が , 300℃の場合は乾燥が進み, 結合水, 自由水が分解され 強 度が低下していると考えられる。封緘-アンシール養 生 の Ms, Bs 種は 110℃よりも 50℃, 80℃の方が強度が低い。

封 緘 養 生 で は 乾 燥 を 抑 え て い る の で 50℃ か ら 温 度 変 化 とともに序々に強度が低下している。

3.5 高温暴露後の圧縮強度残存比

図 4 c)に 加 熱 前 の 高 温 暴 露 後 の セ メ ン ト 別 圧 縮 強 度 残存率を示す。なお, 加熱前の脱型後 13W の圧縮強度を

供試体 練り混ぜ

24h      

脱型  4w 13w 26w

:圧縮強度試験 圧縮強度 静弾性係数 密度測定 細孔径分布 水中養生   気中養生

封緘養生       封緘

     13w       

脱型 封緘

標準-アンシール

封緘-アンシール 封緘-シール

20~300℃暴露 20 ℃/h

20 ℃/h

加熱温度

20,50,80, 110,300 ℃

標準温度

20 ℃

13w

0 5 10 15 20 25 30 35 40

0 10 20 30 40 50 60 70

Ns Ms Bs Fs NL

静弾性係数(N/mm2

圧縮強度(N/mm2

標準

0 5 10 15 20 25 30 35 40

0 10 20 30 40 50 60 70

Ns Ms Bs Fs NL

静弾性係数(N/mm2

圧縮強度(N/mm2

封緘

粉 末 X 線 回 折

質 量 が 減 少 し た と 考 え ら れ る 。 他 セ メ ン ト 種 に 比 べ Fs 種は単位容積質量が小さい。

3.4 高温暴露後の供試体の圧縮強度の変化

図 4 b)に 高 温 暴 露 前 後 の 養 生 別 , セ メ ン ト 種 別 の 圧 縮 強 度 を 示 す 。 110 ℃ ま で は 強 度 が 発 現 し て い る が , 300℃ の 場 合 は 乾 燥 が 進 み , 結 合 水 , 自 由 水 が 分 解 さ れ 強 度 が 低 下 し て い る と 考 え ら れ る 。 封 緘 - ア ン シ ー ル , 封 緘 - シ ー ル 養 生 で は 高 温 暴 露 に よ り 強 度 が 上 が る 傾 向にある。これは熱を受けることによる水和促進での強 度 増 加 と 乾 燥 に よ る 強 度 増 加 が 同 時 に 作 用 し て い る 可 能性がある。

3.5 高温暴露後の圧縮強度残存比

図 4 c)に 加 熱 前 の 高 温 暴 露 後 の セ メ ン ト 別 圧 縮 強 度 残 存率を示す。なお, 加熱前の脱型後 13W の圧縮強度を

(3)

総合研究所・都市減災研究センター(UDM)研究報告書(平成23年度)

小課題番号

3.1-

7 100% と し た 。 温 度 が 上 が る に つ れ 残 存 率 は

低下しているが, 封緘-シール養生におい て は 80℃までは残存率が 100%以上か 100%付 近 に あ る が そ の 後 低 下 している。しかし他養 生条件と比べて 300℃での 低 下 は 小 さ い 。 Bs 種 に 関 し て は 養 生 条 件 関 わ ら ず 50℃ 付 近 で の残存比低下が大きい。

3.6 高温暴露後の静弾性係数の変化 図 4 d)に 高 温 暴 露 後 の 静 弾 性 係 数 の 変 化 を示す。養生 条件に関わらず石灰を加えた NL 種は 20℃~110℃では大きい値を示している が 300℃では数値が急激に低下する。Bs 種に 関しては, 圧縮強度同様, 他セメント種に比 べて 50℃での圧縮強度の値の低下が大 き い 。 3.7 高温暴露 後の圧縮強度と静弾性係数の関 係

図 4 e)に 高 温 暴 露 後 の 圧 縮 強 度 と 静 弾 性 係数の関係を示す。NewRC 式(図中)に従い推 移している。20℃, 50℃で は推定式近傍にあ る が 高 温 に な る に つ れ 推 定 式 か ら 離 れ る 。 300℃ で は 圧 縮 強 度 , 静 弾 性 係 数 と も に 推 定 式から大きく離れる。Bs は Ns に比べ圧縮強 度と静弾性係数の値の低下が激しい。Fs に比 べ Bs は圧縮 強度が高いが 300℃では静弾性 係数に関しては Fs の方が高い。なお, 図中 で は 供 試 体 密 度 γ は 実 測 値 の 平 均 か ら 2.3t/m3とした。

3.8 高温暴露後の細孔量分布特性

図 5 に 高 温 暴 露 後 の 封 緘 - ア ン シ ー ル 種 の Ns, Ms, Bs, NL 種の 4 水準の供試体の細 孔径分布を示す。累積細孔 量は加熱により増 加する傾向にある。セメント種, 暴露温 度に 関わらず, 100nm 付近の細 孔量が一番大きい 値を示している。加熱によ り空隙のピークが 右 方 向 に ず れ て お り , 110℃ か ら は 小 空 隙 側 に ず れ る 傾 向 が 見 ら れ る 。 300℃ で は 大 空 隙 側の細孔量が増えている。Bs 種に関し ては 他 セ メ ン ト 種 に 比 べ て 緩 や か な 山 を 描 い て いる。Ms 種に関しては 50℃で細孔量のピー クが大幅に大空隙側にずれている。

3.9 高温暴露 後の温度変化による累積細孔量 特性

図 6 に 高 温 暴 露 後 の 累 積 細 孔 量 特 性 を 示 す 。 グ ラ フ の 勾 配 の 位 置 が 問 題 と な っ て く る 。 20℃ か ら 温 度 が あ が る に つ れ , 大 空 隙 側 で 勾 配が急になっていて, 大空 隙の増加がわかる。

累 積 細 孔 量 は 高 温 に な る に つ れ 値 が 大 き く な る傾向にある。

2 2.1 2.2 2.3 2.4

単位容積質量(kg/L

暴露温度(℃)

(a)標準-アンシール

Ns Ms Bs Fs NL

20 50 80 110 300

暴露温度(℃)

(b)封緘-アンシール

20 50 80 110 300

暴露温度(℃)

(c)封緘-シール

20 50 80 110 300

0 10 20 30 40 50 60 70

圧縮強度(N/mm2

暴露温度(℃)

(a)標準-アンシール

20 50 80 110 300

暴露温度(℃)

(b)封緘-アンシール

20 50 80 110 300

暴露温度(℃)

(c)封緘-シール

20 50 80 110 300

0 20 40 60 80 100 120

圧縮強度残存比(%)

暴露温度(℃)

(a)標準-アンシール

20 50 80 110 300

暴露温度(℃)

(b)封緘-アンシール

20 50 80 110 300

暴露温度(℃)

(c)封緘-シール

20 50 80 110 300

0 5 10 15 20 25 30 35 40

静弾性係数(N/mm2

暴露温度(℃)

(a)標準-アンシール

20 50 80 110 300

暴露温度(℃)

(b)封緘-アンシール

20 50 80 110 300

暴露温度(℃)

(c)封緘-シール

20 50 80 110 300

20 30 40 50 60 70

静弾性係数(×104N/mm2

圧縮強度(N/ mm2

Ns Ms Bs Fs NL

1=1.2 =1.0

E=33.5×k×k×(γ/2.4)×(F/60)1/3 40

30

20

10

20 30 40 50 60 70

圧縮強度(N/ mm2=1.0

E=33.5×k×k×(γ/2.4)×(F/60)1/ 3

20 30 40 50 60 70

圧縮強度(N/mm2=1.0

E=33.5×k×k×(γ/2.4)×(F/60)1/ 3

E:静 弾 性 係 数(kN/mm2),k1:粗 骨 材 の 種 類 に よ る 係 数(=1.0, NL=1.2), k2:混 和 材 の 種 類 に よ る 係 数(=1.0), γ:コ ン ク リ ー ト 密 度(t/m3), Fc:圧 縮 強 度(N/mm2)

e) 圧縮強度と静弾性係数の関係 図4 高温暴露後の各種物性の変化

d) 静弾性係数の変化 c)圧縮強度残存比の変化

b) 圧縮強度の変化 a) 単位容積質量の変化

(4)

総合研究所・都市減災研究センター(UDM)研究報告書(平成23年度)

小課題番号

3.1-

7 3.10 高温暴露後の累積細孔量特性

図 7 に 温 度 別 で み た 累 積 細 孔 量 特 性 を 示 す 。 温 度 が 上 が る に つ れ 累 積 細 孔 量 も 増 え て い く 傾 向 に あ る が , B s 種 は 高 温 時 の 累 積 細 孔 量 が 他 セ メ ン ト 種 に 比 べ て 少 な い 。

3 . 1 1 高 温 暴 露 前 後 の 粉 末 X 線 回 折 結 果

図8に封緘-シールの Ns, Ms 種の高温暴露前(13W)と高 温暴露後(26W)の粉末X線回折図を示す。ともに加熱前では エ ト リ ン ガ イ ト (E)や カ ル シ ウ ム ア ル ミ ネ - ト ハ イ ド レ ー ド(CA)の回折ピークがみられるが, 300℃では消失している。

こ れ は 水 分 移 動 の 無 い 封 緘 状 態 の 温 度 環 境 下 な ら び に 高 温 暴 露 ま で の 過 程 で 結 合 水 が 失 わ れ て こ れ ら の 結 合 水 を 多 く 含 む 水 和 物 が 消 失 し た と 考 え る こ と が で き る 。 な お , 蓄 熱 な ら び に 高 温 暴 露 に よ り 結 合 水 を 含 む 水 和 物 の 消 失 が 生 じ た場合, 強度低下が起こると考えられる。

4 まとめ

1)高 温 暴 露 後 の 各 セ メ ン ト 種 の 供 試 体 質 量 は 自 由 水 や 物 理 吸着水により段階的に減少した。

2)高温暴露後の Ms 種を使った供試体は, 標準-アンシール, 封 緘 - ア ン シ ー ル だ と 圧 縮 強 度 が 50℃ で 落 ち , 110℃ で また上がる。

3)NL 種 で は 静 弾 性 係 数 が 他 セ メ ン ト 種 に 比 べ て 高 い が , 300℃高温では急激に低下する。

4)常温 20℃の供試体の細孔構造は Ns, NL 種では 100nm 前後, Bs 種では 1000nm 手前に最 大量があり, 加熱温度が高くな る に つ れ , 細 孔 量 の 大 き い 方 へ ず れ て い き , 50~ 80℃ 付 近で折り返し, 300℃でまでは再び小空隙側にずれていく。

5)蓄 熱 , 高 温 暴 露 に よ る , コ ン ク リ ー ト 供 試 体 内 で 起 き る 結 合 水 を 含 む 水 和 物 の 消 失 が 強 度 低 下 に つ な が る と 考 え られる。

参 考 文 献

(1) 志 村 重 顕 、 嵩 英 雄 、 全 洪 珠 、 洪 杰 : 高 温 に 長 期 間 さ ら さ れ た コ ン ク リ ー ト の 諸 性 質 に 関 す る 研 究 第 一 報 高 温 暴 露 後 の 強 度 性 状 に 及 ぼ す セ メ ン ト の 種 類 の 影 響 、 日 本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演 梗 概 集 、 2002.08, pp603~ 604

(2) 志 村 重 顕 、 嵩 英 雄 、 假 屋 園 礼 文 : 高 温 に 長 期 間 さ ら さ れ た コ ン ク リ ー ト の 諸 性 質 に 関 す る 研 究 第 二 報 高 温 暴 露 後 の 強 度 性 状 に 及 ぼ す セ メ ン ト の 種 類 及 び 加 熱 前 養 生 方 法 の 影 響 、 日 本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演 梗 概 集 、 pp583~ 584、 2003.09 (3) 岡 野 速 人 、 田 村 雅 紀 : 各 種 副 産 材 料 を 使 用 し た セ メ ン ト 系 建

設 資 材 の 熱 的 物 性 変 化 、 仕 上 学 会 、 p21~ 22、 2011.10 謝 辞

本 研 究 の 一 部 は , 建 築 研 究 振 興 協 会 , 株 式 会 社 フ ロ ー リ ッ ク , 株 式 会 社 長 谷 川 コ ー ポ レ ー シ ョ ン が 共 同 で 実 験 し た 。セ メ ン ト 協 会 , 地 質 鉱 物 エ ン ジ ニ ア リ ン グ・丸 章 夫 博 士 , 関 係 各 位 に 助 力 を 得 た 。

図5 高温暴露後の温度変化による細孔径分布特性

図6 高温暴露後の温度変化による累積細孔量特性

a)Ns種 b)Ms種 図8 粉末X線回折図

0 50 100 150 200 250

20 50 80 110 300

累積細孔量(mm3/cm3

温度(℃)

Ns Ms Bs NL

8% 11% 5%

19% 12% 9% 28% 5% 4%

18% 6% 0% 31% 7%5%

図7 高温暴露後の温度別累積細孔量特性

P:ポルトランダイト[Ca(OH)

2] CA:カルシウムアルミネートハイドレード[4CaO・Al

2O

3・13H

2O]

E:エトリンガイト[C3A・3CaSO4・32H2O] M:雲母 C:緑泥石 F:長石

20℃

300℃

10

10   20

P

E C F E

P

20℃

300℃

10

10   20

P

E C F E

E

ME E E

M C F

P

P 20℃

300℃

CA

測定条件:管球(Cu), フィルター(Ni), 管電圧(30KV), 計数管(15mA), スケールレンジ(シンチレーション式) 0

5 10 15 20 25

1 10 100 1000 1000

細孔量(mm3/cm3

細孔直径(nm)

Bs

20℃50℃

80℃

110℃

300℃

0 10 102 103 104 0 5 10 15 20 25

1.00 10.00 100.00 1000.0010000 細孔量(mm3/cm3

細孔直径(nm)

NL

20℃

50℃

80℃

110℃

300℃

0 10 102 103 104 0

5 10 15 20 25

0.00 0.01 0.10 1.00 10.0 細孔量(mm3/cm3

細孔直径(nm)

20℃

Ns

50℃

80℃

110℃

300℃

0 10 102 103 104 0 5 10 15 20 25

1 10 100 1000 1000010000 細孔量mm3/cm3

細孔直径(nm)

Ms

20℃50℃

80℃

110℃

300℃

0 10 102 103 104

0 50 100 150 200 250

0.00 0.01 0.10 1.00 10.00 累積細孔mm3/cm3

細孔直径(nm)

Ns

20℃

50℃

80℃

110℃

300℃

0 10 100 1000 10000 0 50 100 150 200 250

0.00 0.01 0.10 1.00 10.00 累積細孔量mm3/cm3

細孔直径(nm)

Ms

20℃

50℃

80℃

110℃

300℃

0 10 100 1000 10000

0 50 100 150 200 250

0.00 0.01 0.10 1.00 10.00 累積細孔量(mm3/cm3

細孔直径(nm)

Bs

20℃

50℃

80℃

110℃

300℃

0 10 100 1000 10000 0 50 100 150 200 250

0.00 0.01 0.10 1.00 10.00 累積細孔量(mm3/cm3

細孔直径(nm)

NL

20℃

50℃

80℃

110℃

300℃

0 10 100 1000 10000

Referensi

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