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年―1第4学年 組 体育科学習指導案
平成28年11月22日(火) 第5時限 活動場所体育館 第4学年 組(男子18名,女子17名)計35名 指導者
1 単元名 「高跳び」(走・跳の運動)
2 単元について (1)一般的特性 【機能的特性】
・走・跳の基本的運動によって,相手と競争したり,記録に挑戦したりすることで楽しさや喜びを味わう ことのできる運動である。
・より高く跳ぶことで体を引き上げて宙に浮き,バーを跳び越す爽快感を味わうことのできる運動である。
【構造的特性】
・記録を測定することによって,自己の技能の高まりを感じることができる運動である。
・記録に挑戦しやすく,個人やグループで競争の仕方を工夫して競い合うことができる運動である。
【効果的特性】
・強く踏み切り高く跳ぶことで,瞬発力や調整力を高めることができる運動である。
(2)児童生徒から見た特性
・より高く跳びたいという欲求を持って運動することで,記録が向上した時の喜びを味わうことができる運 動である。
・自分に適しためあてを設定し,ルールを工夫して競い合ったり,自分のめあてに挑戦したりして楽しむこ とができる運動である。
(3)児童生徒の実態
本学習を行うに当たり,事前に紙面によるアンケート調査と,運動技能に関する実技調査を行った。
<情意面>
好き どちらかという と好き
あまり好きでは ない
好きではない 体育の学習が好きである。 22人 7人 3人
0
人ゴム跳び遊びや高跳びが好 きである。
13人 14人 3人
2
人友達と教え合って学習して いくことは好きである。
20人 9人 2人
1
人
紙面によるアンケートから,ほとんどの児童が体育の学習を楽しみにしていることがうかがえる。また,
友達と教え合い,高め合うことをことに楽しさを感じることのできる児童が9割以上いることがわかった。
しかし,ゴム跳びや高跳びに対しては好きと回答している児童が10名程少なくなっている。その理由と
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年―2しては「跳び方がわからない。」「跳び越えるのが怖い。」等があげられた。
<技能面>
できる できない 踏み切り足を決めて,腰の高さを跳び越える。 22人 12人 はさみ跳びで腰の高さを跳び越える。 13人 21人
技能に関する調査として,自分の腰の高さを飛び越すことができるか,また,3歩助走のはさみ跳びで リズムよく跳びこすことができるか,体育館で調査を行った。判断の基準は①「踏み切りの足を決めて跳 ぶことができる。」②「体がゴム紐に触れることなく跳ぶことができる。」③「着地が片足でできる。」で ある。
上記の結果,踏み切り足を決めて,自分の跳びやすい跳び方で腰の高さを跳び越すことができる児童が,
7割近くいたが,跳び方をはさみ跳びに限定すると,腰の高さをゴムに触れずに跳び越すことができる児 童は
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割程度であることがわかった。はさみ跳びができない児童はいずれも体育学習を好意的に捉えてい ない児童であることもわかった。本学級は,男子18名女子17名で構成されている。休み時間になると男女共にドッジボールや鬼ごっ こなど活発に外遊びをしている児童が多い。しかし,若干名ではあるが,読書をしたり,絵を描いたりす るなど室内で遊ぶことを好んでいる児童もいる。現在,保健室登校をしており,学級の学習にはほとんど 参加していない男児が1名いる。体育の授業に関しても自分の興味・関心のない活動には参加していない。
全体的に人の話を最後までしっかりと聞くことが苦手な児童が多く,きまりをよく理解していない状態で 体を動かしたり,勝敗にばかりこだわり,相手を責めてしまったりする児童も見られるのが現状である。
現時点では,仲良く協力し合って楽しく運動する段階には至っていない児童が多い。
(4)教師の指導観
中学年の高跳びは,低学年のねらいである「助走をつけて片足で踏み切って上方に跳ぶこと」を発展さ せ,「短い助走から,調子よく踏み切って高く跳ぶ。」ことをねらいとしている。4年生という発達的特性 を踏まえ,競技用のバーではなく,ゴム紐を取り入れ,引っかけた時の恐怖感を軽減し,誰でも楽しみな がら高跳びが経験できるようにする。教え合って高めていく学習を好んでいる児童が多い本学級の実態か ら,本単元では,チーム対抗戦を行い,チーム全体でより高く跳ぶためのポイントを確認し合って,記録 を向上させていくことができる場づくりをしたい。そのために,本校の仮説と照らし合わせながら以下の 点に留意して指導していく。
仮説①については,ゴム紐等を跳び越す場を増やすことで運動に進んで親しむ児童が増えてくると考え る。誰もが自分に会った取り組み方で,より楽しく意欲的に取り組めるように,場や教具を工夫する。場 については,跳ぶ箇所を
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カ所設定し,一人一人の十分な試技数を確保する。器具については,バーのか わりにゴムを使用し,恐怖心や失敗感を助長しないようにしたい。次に仮説②については,より高く跳ぶためのコツをみんなで話し合わせる場面を意図的に設定する。一 人一人の児童が,自己の記録の更新を目指すことで,よりよい跳び方をするための動きの工夫,すなわち 高く跳ぶためのコツを念頭に置いた跳び方の練習をすることができると考える。その際,めあてに向かっ ての児童同士の関わり合いが十分持てるようにグループの中での試技者,着地マットの整備,アドバイス をする者,支柱を持つ者,記録をする者等の役割分担を決めて,協力して学習を進められるようにする。
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年―3グループで個々の課題は異なるが,互いに跳び方を見合って,アドバイスしたり,励まし合ったりするこ とで,共に学習する喜びや課題を達成した時の充実感を分かち合うことにつながるだろう。
3 単元の目標
<技能>
・短い助走で調子よく踏み切り,高く跳ぶことができるようにする。
・自分のめあてを持ち,その課題解決に向けて練習方法を選び,より高く跳ぶことができるようにする。
<態度>
・学習の約束を守り,場や用具の安全に気を付けようとしている。
・友達と協力して,グループ競争を楽しもうとしている。
<思考・判断>
・自分のめあてにあった練習場所を選び,より高く跳ぶことへの挑戦の仕方を工夫することができるよう にする。
4 評価規準
運動への関心・意欲・態度 運動についての思考・判断 運動の技能 内容のまとまり
(領域)ごとの評 価規準
走・跳の運動に進んで取り 組むと共に,きまりを守っ て運動をしようとしたり,
運動する場や用具の安全を 確かめたりしている。
自 分の力 に合っ た課題 をも ち,動きを身につけるための 運動の行い方や競走の仕方を 工夫している。
走・跳の運動を楽しく行うため の基本的な動きや各種の運動 の基礎となるよい動きを身に つけることができる。
単元(種目)の評 価規準
・高跳びに進んで取り組も うとしている。
・順番やきまりを守り,互 いに教え合って,仲良く 運動しようとしている。
・運動する場や用具の安全 に気を付けて運動しよう としている。
・高く跳ぶために助走や踏み 切りのコツを考えたり,自 分の力に合った練習の場や 練習方法を選んだりしてい る。
・リズミカルな短い助走から強 く踏み切って高く跳ぶこと ができる。
学習活動に即し た評価規準
① 学習の約束を守り,友達 と助け合って練習した り競争したりしようと している。
② 友達と教え合いながら 学習を進めようと しよ うとしている。
③ 練習や競争でグループ 内の役割を果たし,安全 に配慮しようとしてい る。
① 高跳びの運動のポイント を知り,自己の課題にあ っためあてを見付けてい る。
② 課題解決のための練習の 場や練習方法を選んでい る。
① リズミカルな短い助走を することができる。
② 踏み切り足を決めて,上方 に踏み切り,高く跳ぶこと ができる。
③ 膝を柔らかく曲げて,足か ら着地することができる。
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年―4 5 指導と評価計画第 4学 年
学習 の流 れ
時 間
0
5
10
15
20
25
30
35 40
45
1 2 3(本時) 4 5 6
習得の段階 活用の段階
オ リ エ ン テ ー ション
1 学 習 課 題 の確認 2 学 習 の 進 め 方 や 決 ま り を知る
3 高 跳 び の 記録を取る。
1 学習準備
○用具の準備や学習課題を確認する。
2 高跳びにつながる,いろいろな跳び方で楽しむ。
○跳び方のポイントを確認する。
3 グループごとに場をセッティングし,各自のめあ てに沿って練習する。
○練習方法を確認する。
○めあてにあった場で練習する。
4 チーム別練習 ○役割分担を確認する。
○より高く跳ぶためのポイントに気を付けて練習す る。
○友達の跳び方を見て学習カードに記録する。
5 グループ対抗で競争する。
○場の安全を確かめながら,競争する。
○グループのカードに記録をとりながら競争する。
6 学習のまとめをする。
○ふりかえりの学習カードを書く。
1 学習準備
○用具の準備や学習課題を確認する。
2 高跳びにつながる,いろいろな跳び 方で楽しむ。
3 グループ対抗の大会を行う。
○対戦チームを相談して,競争の仕方 やルールを決める。
○安全面の確認をする。
○記録をとり,ポイントを合算して競 い合う。
4 まとめをする。
○表彰式をしてチームや友達のよかっ た点を話し合う。
後片付け
指 導 と 評 価の 機 会
関・意・態
③(観察) ②(観察) ①(観察)
思考・判断
① (観察・
学習カー ド)
② ( 観 察・
学 習 カー ド)
技能
① ( 観 察・
学 習 カー ド)
③ ( 観 察・
学 習 カー ド)
② ( 観 察・
学 習 カー ド)
リズムにのった助走でより高く跳んでみよう。 高跳びランド大会をしよう。
安全 協力 進んで取り組む
より高く跳ぶ え ポイント理解 場の選択
短い助走 足から着地
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年―5 6 本時(1)目標
◎【 技 能 】3から
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歩の短い助走で調子よく踏み切り,高く跳ぶことができるようにする。◎【 関 心 】学習の場の安全を確かめながら,互いに教え合って,仲良く運動しようとしている。
○【思考・判断】めあてを持ち,高く跳ぶためのコツを考えたり練習の場を選んだりしようとしている。
(2)展開
過程 時間 学習内容と活動 指導・支援(○)評価(☆) 用具・資料
は じめ
3 1 学習課題を確認する。
・学習課題を確認する。 ○本時はリズミカルな助走や踏み切りに気を つけて練習できるような場をつくることを 確認する。
学習掲示物 ポール ゴム ケンステップ ロイター板 踏み切り板 跳び箱1段 な
か 7
7
7
13
3
2 高跳びにつながる跳び方で楽しむ。
・8の字ジャンプの場 ・ケンステップ助走の場 ・ロイター板や踏み切り板を使った踏み切りの場 ・跳び箱を使った踏み切りの場
・足を振り上げる場 3 高跳びの場づくり
・自己のめあてを確認する。
・自分の課題に合った練習場所を考え,安全に気 をつけて場をつくる。
・同じ場で練習する友達と教え合いながら練習す る。
4 チーム別練習
・より高く跳ぶためのポイントを友達と見合い,
記録する。
5 グループ対抗で競争する。
・判定係や準備係,計測係などの役割を決めて競 争する。
・グループのカードに記録をとりながら競争する。
6 学習のまとめをする。
・ふりかえりの学習カードを書く。
○6つの場を班毎にローテーションする。
○音楽を流し,楽しく運動できる雰囲気にす る。
○助走,踏み切り,空中動作などの練習の場 を設ける。
○自己の記録に応じて練習の場を選択した り,工夫したりできるように支援する。
○同じ高さを続けて3回跳べなかった児童に は記録を落として跳ぶように助言し,1回 は成功できるように支援する。
○グループの得点が伸びるように友達同士で 教え合ったり励まし合ったりできるように支 援する。
☆学習の約束を守り,友達と教え合ったり励 まし合ったりして練習しようとしている。
(観察)
○前の記録を更新した児童にポイントを与 え,賞賛する。
☆途中で止まらずに3から5歩程度の短い助 走で跳ぼうとしている。(観察・学習カード)
CD
ま とめ
5 7 後片付け
・協力して後片付けを行う。
○安全に留意し,チームごとに協力して後片 付けができるように言葉かけをする。
リズムにのった助走でより高く 跳んでみよう。
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