― 1 ―
― 2 ―
― 3 ―
― 4 ―
― 5 ―
― 6 ―
― 7 ―
― 8 ―
― 9 ―
― 10 ―
― 11 ―
― 12 ―
― 13 ―
問題番号︵配点︶設問解答番号正解
Ⅰ
︵
75点︶
問
1
1
④
2
③
3
②
4
①
5
⑤問
2
6
③
7
②
8
①問
3
9
②問
4
10
①問
5
11
④問
6
12
④問
7
13
②問
8
14
⑤問
9
15
⑤問
10
16− 17
①
−③
Ⅱ
︵
75点︶
問
1
18
①
19
②
20
②
21
②
22
④問
2
23
①
24
③問
3
25
②
26
⑥問
4
27
②問
5
28
③問
6
29
①問
7
30
①問
8
31
③問
9
32
⑤︻注︼
−︵ハイフン︶
でつながれた正解は︑順序を問わない︒
解答
Ⅰ
陣内秀信﹃東京の空間人類学﹄︵ちくま学芸文庫︶第三章﹁近代都市のレトリック﹂の
﹁都市のスケール感﹂と題する一節から出題しました︒江戸・東京の都市計画や都市形態
について述べています︒
問1︻漢字問題︼︵解答番号は1から5︶
本文中で使われた漢字を最初に示し以下①から⑤の漢字を示しておきます︒︵ ︶内
は正答率︵%︶を示します︒
1 植生 ①増殖 ②触手 ③委嘱 ④誤植 ⑤容色 ︵
17%︶
2 繁華 ①煩雑 ②反響 ③頻繁 ④搬出 ⑤販路 ︵
79%︶
3 折衷 ①忠言 ②衷心 ③鋳造 ④駐屯 ⑤宙 ︵
38%︶
4 分析 ①析出 ②堆積 ③自責 ④惜敗 ⑤布石 ︵
51%︶
5 誇張 ①鼓吹 ②顧問 ③孤立 ④呼称 ⑤誇示 ︵
61%︶
正答率が2割以下だったのは︑
a﹁ショクセイ
︵植生︶﹂でした︒文中の﹁大地の起
伏﹂﹁水面﹂に並列するにふさわしい熟語に思い当たればよいでしょう︒
問2︻ことばの意味を問う問題︼︵解答番号は6・7・8︶
文脈からその意味に見当をつける訓練をすることが大切です︒正答率が
24%
と低かっ
たのは︑イ﹁なりわい﹂でした︒
問3︻慣用句の意味を問う問題︼︵解答番号は9︶
正解の﹁龍に翼﹂は耳慣れないことわざかも知れませんが︑他の選択肢はわかりやす
いものなので︑
82%
の正答率でした︒
問4︻文脈把握を試した問題︼︵解答番号は
10︶
前後に﹁自然から遮断された﹂﹁人間が築いた建造物﹂とあるのがヒントになります︒
大多数が正解していました︒
問5︻内容理解に関する問題︼︵解答番号は
11︶
都市の内部にあるものと外部にあるものを︑本文を読んで区別すれば解答できます︒
外部にあるのは富士山と東京湾︑その他は内部にあります︒正答率は
49%
でした︒
問6︻具体的説明を求めて理解力を問う問題︼︵解答番号は
12︶
直前の﹁その理由としては﹂に始まる段落に︑町割が河川の方向に一致していること
が述べられているのを踏まえれば︑正解できます︒①の格子状プランは原地形と無関
係︑②の富士山もここでは無関係︑③は地形の利用例︑⑤は本文にない記述︑いずれも
不正解です︒正答率は
53%
でした︒
講評
問7︻読解力を問う問題︼︵解答番号は
13︶
2段落目に富士山や筑波山をランドマークとして町づくりがなされたことが述べら
れ︑﹁富士山や筑波山に象徴的な意味﹂﹁山そのものを⁝⁝御神体とみなす﹂などとある
のがヒントになります︒正答率は
30%
以下でした︒
問8︻文脈をよく読んで空欄補充する問題︼︵解答番号は
14︶
問9
とともに原文で
︿
﹀によって強調されている言葉を問うています
︒直後の
﹁遠く隔たった要素が⁝⁝誇張﹂や︑この段落の﹁壮大なスケール﹂﹁東京湾が遠望﹂
がヒントです︒正答率は
57%
でした︒
問9︻文脈をよく読んで空欄補充する問題︼︵解答番号は
15︶
直前の﹁防御を固めた﹂という修飾語だけにひかれて③﹁砦﹂と答えてしまいがちで
すが︑文章全体を見渡して答える必要があります︒直前の﹁細やかな人間的尺度の空
間﹂や三行後の﹁都市の制度﹂がヒントになります︒
最後まで読めば︑﹁社会の仕組みが都市形態にも直接反映している﹂という記述もあ
ります︒正答率は低く︑
10%
にとどきませんでした︒
問
10︻文章全体の読解力を問う問題︼︵解答番号は
16・
17︶
本文は前半に①︑後半に③が述べられています︒それを的確に指摘する選択肢を選び
ます︒②は﹁四神相応の考えに基づき﹂︑⑥は﹁自然に連続しており﹂の箇所が誤り︑
④⑤はスケール感とは無関係です︒正答率は
32%
でした︒
Ⅱ
加藤週一﹃日本文化における時間と空間﹄︵岩波書店二〇〇七年刊︶の﹁はじめに﹂の
冒頭の一節﹃﹁今=ここ﹂に生きる﹄の全文から出題しました︒全体で3000字程度で
す︒
問1︻漢字問題︼︵解答番号は
18から
22︶
本文中で使われた漢字を最初に示し以下①から⑤の漢字を示しておきます︒︵ ︶内
は正答率︵%︶を示します︒
18 伸縮①屈伸②天真③振興④進展⑤浸食︵
59%︶
19 摩擦①察知②擦過③刷新④忙殺⑤撮影︵
46%︶
20 交渉①高尚②干渉③称賛・賞賛④掌握⑤衝天︵
62%︶
21 還元①環視②還暦③緩慢④敢然⑤変換︵
43%︶
22 融合①誘因②悠然③優先④融通⑤有償︵
48%︶
問2︻基本的な接続詞の使い方の問題︼︵解答番号は
23・
24︶
空欄甲の前後は逆接なので正解は①﹁しかし﹂です︒空欄乙の前後は言い換えです︒
問3︻ことばの意味を問う問題︼︵解答番号は
25・
26︶
一見すると空欄補充ですが︑意味問題の変形と考えるべきです︒選択肢のどの表現も
日本語の常識として知っておくべきものです︒Ⅰは前文に﹃未来を思い煩う必要はな
い﹄とあります︒これに合致するのは②です︒Ⅲは循環する時間なので正解は⑥です︒
問4︻文脈把握を試した問題︼︵解答番号は
27︶
﹁︵意図の善悪︶が話の中心になるだろう﹂がヒント︒﹁おわび﹂するときは②以外あ
りません︒
問5・6︻両者ともに要約問題︼︵解答番号は
28・
29︶
ペアで考えると簡単に解けるでしょう︒いずれも﹁﹁空間﹂の全体は無限の広がりで
ある︒﹂から始まる2段落の要約問題と考えます︒部分が全体に先行するものの見方が
この部分の中心的な考え方であり︑筆者の主眼点です︒問5には﹁部分が成り立つので
はなく﹂とあり︑普通の考え方としての③﹁分割すると﹂をいれます︒問6は問5が解
ければ自ずとわかるでしょう︒しかし︑自分勝手な読みで間違ったものが多数でした︒
全体をきちんと読み解くことが大事です︵5%︶︒
問7︻全体的な文脈の把握問題︼︵解答番号は
30︶
﹁歴史的興味から﹂ではなく直後にある﹁彼ら自身の劇﹂であるいま=﹁現代﹂の劇
となります︒悲劇は本文から離れています︒自分勝手な思いこみでは正解にたどりつけ
ません︵
48%︶
︒
問8︻全体の要旨を具体例と関連づけられるかを問う問題︼︵解答番号は
31︶
﹁関心の中心﹂が自己にある点の具体例︒利害関係を中核とする①④⑤は行き過ぎた
考え︒②は方法論の問題で方向が違います︒アの直後に﹁外側の〜関心の対象外﹂とあ
り︑③は自分のいるべき場所が関心の中心であるので正解になります︵
22%︶
︒
問9︻内容合致問題︼︵解答番号は
32︶
正解以外の選択肢の良くない点を以下に示しておきます︒①﹁過去と現在は互いに競
い合って﹂②﹁内側と直接の取り引きをもつ特定の面﹂は本文にありません︒③﹁日本
の伝統文化﹂は論点ではなく︑常に﹁いま﹂文化として考えられています︒④﹁過去の
直線的延長の上に﹂は
﹁循環する円周﹂と相反します︵
29%︶
︒