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2010年度比較法研究所共同研究報告 - CORE

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2010年度比較法研究所共同研究報告

研究課題: 株式会社における取締役会と取締役個人の 職務および責任にかかる相互関係に関する 比較法的研究

研究組織:王子田誠(研究代表:法学部教授)

菊田秀雄(法学部准教授)

我が国の会社法は、公開会社(会社法2条5号)につき取締役会の設 置を義務付け(同法327条1項1号)、取締役はその構成員として株式会 社の意思決定および経営監督機能を担うとともに、委員会設置会社以外 の会社においては、取締役の中から業務執行取締役・代表取締役が選定 され(同法362条3項・363条1項2号)、株式会社の業務執行・代表行 為に携わる。取締役は会社に対して一般的な義務として善管注意義務(会 社法330条・民法644条)および忠実義務(会社法355条)を負い、これ ら義務に基づいた各種の行為規制が置かれるほか(同法356条など)、義 務違反については会社法上の特別責任が課されている(同法423条・429 条など)。取締役会に関しては、十分な情報に基づいた上での実質的な 議論と決議の公正を確保するための諸制度(同法369条など)を設ける など、取締役会の監督機能の十全な発揮を確保することによって会社経 営の健全性および効率性を図っている。

このような取締役会を通じた経営者監督システムは我が国に固有のも のではなく、一層制と二層制の違いなどバリエーションは様々であるが、

世界的に採用されている。我が国のみならず各国においてより優れたガ バナンス・システムの構築へ向けて議論が積み重ねられているのが現状 である。

そこで本共同研究では、我が国の株式会社における経営者牽制システ ムの在り方について、とくに取締役個人を名宛人とする各種行為規制と 取締役会(内部統制システムや監査役制度などより広範な意味での経営 監督機能を含む)との機能的連関について示唆を得ることを目的として、

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2010年度比較法研究所共同研究報告 127

王子田所員はアメリカ法、菊田所員はイギリス法における各種制度にか かる調査および研究を行うことを目的とするものである。

王子田所員は、これまで取締役の選任に対する株主の関与を中心にア メリカ法の研究を行ってきたが、最近では経営者報酬においても株主か らのコントロールを強める考え方(いわゆるsay on pay)も有力になっ てきている。これら二つの領域における経営者のチェックは2010年の ドッド=フランク法(Dodd‒Frank Wall Street Reform and Consumer  Protection  Act)にも生かされており、現在これらの点に関して研究を 進めている。また、事後処理の問題として内部統制制度を前提とする会 社と取締役の不実開示責任のあり方についてもアメリカ法の研究を進め ており、近日中に発表する予定である。

菊田所員は、2006年イギリス会社法(Companies  Act  2006  c.13)の 日本語訳プロジェクト(イギリス会社法制研究会(代表者:川島いづみ 早稲田大学教授)に参加し、同法の翻訳作業に携わってきた。2010年度 においては イギリス2006年会社法(9) 比較法学44巻2号300‑335頁

(2010)(川島教授との分担翻訳)、 イギリス2006年会社法(11) 比較 法学45巻1号(2011)(川島教授・中村信男早稲田大学教授との分担翻訳)

(6月刊行予定)が公表されるか、公表の予定である。このほかイギリ ス会社法における制度研究を行ってきており、その成果を2011年度中に 現在 国際商事法務 において同プロジェクトが連載中の イギリス会 社法研究 に公表する予定である。

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