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2018年度 第 1 回 6月 東大本番レベル模試
日本史・採点基準
◆添削記号◆
東大本番レベル模試・日本史の採点では,次のような添削記号を用いています。
1.
<
□□□□>
加点要素 2.□□□□ 表現に難あり 3.□□∨□□ 文要素の欠落/脱字 4.□□×□□ 誤字(略字を含む)
5.□□□□× 内容に誤りあり
6.「□□□□」 設問要求に答えていない
◆共通の基準◆
1.採点基準においては加点要素を,3点のものは太字・アミカケ☐☐で,2点のものは二重線□□で,1点のものは下線□
□で,それぞれ示している。採点に際しては常に前後の文脈に留意する(◎で示した事項,( )内に示した事項に内容が 反していないかを確認する。許容する事例や例外的対応などについては※で示してある)。
2.加点要素の要件を一部しか満たしていない箇所については,それぞれの配点未満の得点を与える。(太字・アミカケ☐☐
→2点以内,二重線□□→1点,下線□□→0点)
3.歴史用語(赤字で表示)についての誤字,当て字,漢字で記すべき語句のひらがな・カタカナ表記は,それが加点要素に 直接関係する場合,1点減点。同一語句・文字がくりかえし誤っている場合は,それぞれを減点の対象とするのではなく,
まとめて1点減点とする。加点要素とは直接関係しない箇所に誤字・当て字があった場合,減点しない。
4.欄外に設問記号を記した答案や,句読点のはみだしなど字数がわずかに超過している答案は,本番では無効答案になる可 能性もある。しかし,受験生の学力を正確に測定するという観点から,あまりにも明白に指定条件を無視している場合を 除き,採点の対象とする。
5.設問によっては加点要素の合計が配点を超えている場合がある。ただし,各問とも配点を満点としてこれを超える得点は 与えない。
第1問 古代の貨幣
◆加点要素の合計点25点→15点満点◆
◎銀銭
a 天智天皇の時代〔天智朝〕に銀銭が鋳造された〔流通した〕 ………1点以内 b 天武天皇の時代〔天武朝〕に銀銭の使用が禁止された ………1点以内
◎683年に鋳造された銅銭
c 富本銭 ………2点以内
d 天武天皇の時代〔天武朝〕に鋳造された ………1点以内
e 藤原京の造営費に充てられた ………2点以内
※「宮都〔都城〕の造営費に充てられた」は1点
※「都〔宮/首都/藤原宮〕の造営費に充てられた」は非加点
◎708年に鋳造された銅銭
f 和同開珎 ………2点以内
g 元明天皇の時代〔元明朝〕に鋳造された ………1点以内
h 平城京の造営費に充てられた ………2点以内
※「宮都〔都城〕の造営費に充てられた」は1点
※「都〔宮/首都/平城宮〕の造営費に充てられた」は非加点
i 官人〔官僚〕の給与に用いられた ………2点以内
◎8世紀~10世紀後半に鋳造された銭貨
j 本朝十二銭〔皇朝十二銭〕 ………2点以内
◎10世紀後半に鋳造された銭貨
k 乾元大宝 ………2点以内
l 村上天皇の時代〔村上朝〕に鋳造された ………1点以内
◎貨幣流通の実態
m 稲〔布〕が貨幣の機能を果たした ………2点以内 ※「物々交換〔交換経済〕の方が主体だった」は1点
n 銭貨の流通は限定的だった ………2点以内
o 銭貨が偽造された ………2点以内
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第2問 南都の再建と禅宗文化
◆加点要素の合計点24点→15点満点◆
A 興福寺と東大寺の再建
◆加点要素の合計点4点→3点満点◆
◎興福寺の再建費用
a 藤原氏〔藤原北家/摂関家〕が負担した ………2点以内
◎東大寺の再建費用
b 民衆の支援によった ………2点以内
※「農民の支援によった」は1点
B 大仏開眼供養
◆加点要素の合計点9点→6点満点◆
◎東大寺大勧進職だった僧
a 重源 ………3点以内
◎大勧進職が大仏開眼供養を行うべきと判断した理由
b 地震/天変地異/自然災害/天災 ………2点以内
c 平氏〔平家〕の怨霊 ………2点以内
※「怨霊」は1点
d 民衆に東大寺建立に協力してもらう ………2点以内
※「農民に東大寺建立に協力してもらう」は1点
C 栄西
◆加点要素の合計点11点→6点満点◆
◎栄西が日本に伝えたもの
a 臨済宗〔臨済禅〕 ………2点以内
※「禅宗」「禅」「坐禅」は1点 ※「公案」は非加点
b 茶 ………1点以内
◎15世紀後半を中心とする文化
c 東山文化 ………2点以内
※「室町文化」は非加点
◎栄西が伝えたものが形成した伝統文化
d 水墨画 ………2点以内
e 書院造 ………2点以内
f 枯山水 ………1点以内
g 侘茶 ………1点以内
第3問 江戸時代前半の幕府と天皇
◆加点要素の合計点22点→15点満点◆
A 江戸幕府の天皇観と天皇への要求
◆加点要素の合計点8点→6点満点◆
◎江戸幕府の天皇観
a 統治者と位置づけた ………2点以内
※上位者〔主権者/君主〕と位置づけた」は1点
◎江戸幕府の天皇への要求
b 統治者としての自覚を求めた ………2点以内
※統治者としての態度〔姿勢/ふさわしいあり方〕を求めた」「上位者〔主権者/君主〕としての自覚を求めた」は1点
※「統治者としての行動を求めた」は非加点
◎江戸幕府の要求に対する天皇の態度
c 従来の姿勢の継続にすぎなかった/(肯定的に)受け入れた ………2点以内
◎天皇が実際におかれた状況
d 政治から遠ざけられた ………2点以内
※「政治への関与を禁止された」は1点
B 17世紀前半と後半以降の朝幕関係
◆加点要素の合計点14点→9点満点◆
◎17世紀前半の朝幕関係
a 紫衣事件がおこった ………2点以内
b 緊張した関係だった ………2点以内
◎17世紀後半以降の朝幕関係
c 幕府が朝廷儀式の再興をすすめた ………2点以内 d 幕府が朝廷に経済支援を行った/(幕府が)禁裏御料を増やした ………2点以内
※「禁裏御料が増えた」は1点
e 協調関係が築かれた/関係が改善された/緊張した関係が緩和された ………2点以内
◎17世紀後半以降の経済動向
f 元禄金銀への改鋳で物価が上昇した ………2点以内 ※「改鋳で物価が上昇した」は1点
◎17世紀後半以降の政治基調
g 儒学〔儒教/朱子学〕にもとづくもの/文治主義〔文治政治〕 ………2点以内
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第4問 近代の国際環境と幣原外交・田中外交
◆加点要素の合計点26点→15点満点◆
A 第一次世界大戦中から「憲政の常道」期を迎える直前までの国際環境
◆加点要素の合計点10点→6点満点◆
◎日本をとりまく国際環境
a ロシア革命 ………2点以内
b ロシアとの協調関係が消滅した ………1点以内 c ソヴィエト連邦〔ソ連〕との緊張関係が生じた ………1点以内
d 日英同盟の廃棄 ………2点以内
e イギリスとの関係が希薄化した ………2点以内
f 中国での反日運動が強まった ………1点以内
g アメリカからの抑制が強まった ………1点以内
B 幣原・田中の外交政策
◆加点要素の合計点16点→9点満点◆
◎幣原・田中の外交政策の共通点
a 英米との関係を重視した ………1点以内
b ワシントン体制を前提とした ………2点以内
c 満蒙権益を守る ………1点以内
◎幣原の外交政策
d 協調外交 ………2点以内
e 九カ国条約に沿った ………2点以内
f 中国の主権を尊重した ………2点以内
g 北伐への干渉を避けた ………2点以内
◎田中の外交政策
h 積極外交〔強硬外交〕 ………2点以内
i 山東出兵をおこなった ………2点以内
※「北伐に干渉した」「中国の主権に干渉した」は1点