2019 年度 愛知学泉大学シラバス
科目番号 科目名 担当者名 基礎・専門
別 単位数 選択・必修 別
開講年次・
時期 3205049 音楽科教育法
Methods in Teaching Music 安江 真由美 専門 2 選択 2 年 後期 科目の概要
この授業では、小学校教諭に必要な専門的知識・技能を育成するために、実際に音楽を演奏したりつくったりするという経験創作の形態をとりながら、子 どもにとっての音楽の意味、学校教育における音楽科の位置などを考えていけるようにしたい。その際、知覚・感受による音楽の授業を追体験しながら、
実際に教師となったときにどのようにそれらを適用していくかという学びを大切にしたい。そのために、まずは学生自身が「音楽に対する感性を 働かせ、音や音楽を、音楽を形づくっている要素とその働きの視点で捉え、自己のイメージや感情、生活や文化などと関連付けること」という 音楽的な見方・考え方を、習得・活用・探究という学びの過程の中で働かせることを通して質の高い深い学びへと繋げて体験することができる ようにしていきたい。さらに、授業の実践的な力、教材の開発およびそれらの教材を授業化する指導案の作成をマネジメントすることを学ぶことができるよ うにする。同時にピアノや歌唱等の演奏技能に自信がなくても音楽の授業ができるように実践力を身につけてもらうことを目的とする。
学修内容 到達目標
① 音や音楽を学ぶ意味を知る。
②
音楽科の授業に対する実践的な能力を養う。
③ 音楽科教材に対する研究を深める。
④ 幼小連携に関することを念頭において学ぶ。
⑤ 幼稚園や中学校との接続、および他教科との関連を意識し、授 業の計画等について考える。
① 小学校学習指導要領等音楽科の目標や内容、指導内容の系統 性や構造を理解する。
② 小学校音楽科における学習領域、表現(歌唱・器楽・音楽 づくり)および鑑賞の指導内容について理解する。
③ 児童が外的環境としての音や音楽に働きかけ、それととも に自分の内的世界が作り替えられる活動の意義について理 解し、教材および学習内容を開発する。
④
模擬授業または授業VTRを通して、音楽科としての「知 識・技能」 「思考力・判断力・表現力」 「学びに向かう力等」
が生かされる授業の意義を学び、学習評価の考え方を議論 する。また、授業改善の視点を身に付ける。
⑤
幼稚園や中学校の学習との接続、および他教科との関連を 意識した学習内容を捉えなおし、カリキュラム・マネジメ ントができるようになる。
学生に発揮させる社会人基
礎力の能力要素 学生に求める社会人基礎力の能力要素の具体的行動事例
前に踏 み出す 力
主体性
ア. 授業のねらいを理解し、主体的に活動に取り組んで進んで学ぼうとしている。イ. 演奏技術や指導技術を習得して高めるために自ら練習をすることができる。
働きかけ力
実行力
ア. 仲間と計画した内容を基に演奏したり、練習したりすることができる。イ. 期日までに演奏力を高めるために具体的な練習方法を考えて行動に移すことができる。
考え抜 く力
課題発見力
ア.自己や他者の演奏や授業案、模擬授業等から、課題を見つけることができる。計画力
創造力
ア. 思いや意図を音や音楽にして表現するために、どのようにしたら自分の思いや意図を人等に伝える ことができるのか考えて創造していくことができる。チ ー ム で 働 く 力
発信力
ア、 それぞれの音や音楽の課題について、音や音楽あるいは言葉で伝えることができる。イ、 批評した音や音楽について、知覚・感受した根拠を基に発表することができる。
傾聴力
ア、 他者の意見を受け止め、時に素直に時に疑問を持ちながら聴くことができる。柔軟性 情況把握力
規律性
ア.リコーダー等、様々な楽器を使用する際、授業者や周りの様子を感じ取り、適応しようとすることができ る。ストレスコントロール力 テキスト及び参考文献
文部科学省『小学校学習指導要領解説 音楽科(最新版)』教育芸術社、その他プリント使用
参考文献 畠澤郎『新・音楽科教育法』朝日出版社、初等科音楽教育研究会『初等科音楽教育法』音楽之友社 橋本龍雄他『「先生力」をつける 待ち遠しい音楽授業のために』教育出版
他科目との関連、資格との関連
他科目との関連:学校教育における学習全般、資格との関連:小学校教諭一種免許
学修上の助言 受講生とのルール
・ソプラノリコーダーを準備してください。小・中学校時代に使ってきたもので かまいません。新たに購入する場合は、アウロス製または鈴木楽器製をおす すめします。
・「こども音楽Ⅰ~Ⅳ」を単位認定されていることが望ましいです。しかし、音 楽が苦手だった人にもわかるように授業をすすめますので安心して受講して ください。
・遅刻3回を欠席1回に換算します。
・授業開始 15 分までの入室は遅刻とし、それ以降は欠席とします。
・座席表通りに着席してください。
・技術を習得する場面が多いため、毎回出席するようにしましょう。
・リコーダーの技術を修得するため、毎回はじめに練習をします。リコ ーダーを忘れずに持ってきてください。
さい。
【評価方法】
評価方法 評価の 割合
到達
目標 各評価方法、評価にあたって重視する観点、評価についてのコメント
筆記試験
①
②
③
④
⑤
小テスト
①
②
②
③
④
レポート 50
⑤ ✔ 現場で実践することを想定して、これまでに学んだ内容を活用して記すこと。
課題については授業中に与える。(30 点)
なお、講義内容を記述するだけでなく、自分の考えを書けているかどうかが評 価のポイントとなる。
※提出期限日から1日遅れるごとに 2 点ずつ減点していく。
② ✔
⑥ ✔
⑦ ✔
⑧ ✔
成果発表
(口頭・実技) 40
① ✔ 模擬授業を実施する。課題は、授業中に提示する。
② ✔
③ ✔
④ ✔
⑤ ✔
作品
②
③
④
⑤
社会人基礎力
(学修態度) 10
① ✔
下記は、振り返りシートや ICT、思考ツール等を活用して判断する。(主体性)
音楽科の授業の技能習得のために自ら練習をすることができる。
(実行力)
自分だけでなく、仲間とともに上達できるよう、協働的に練習に取り組むことができる。
(課題発見力)
グループ活動の内容について技術的な側面から分析することができる。
(創造力)
どのようにしたら自分の思いや意図を児童に伝えることができるのか考えて創造していくことができる。
(発信力)
自らおよびグループの技術を高めるため、まわりに質問することができる。
(傾聴力)
他者や他グループの意見を受け止め、素直に努力することができる。
(規律性)
授業が円滑に進むよう協力態勢をもち、社会人としてのマナーを身につける。
② ✔
③ ✔
④ ✔
⑤ ✔
① ✔
総合評価
割合 100
【到達目標の基準】
到達レベルS(秀)及び到達レベル A(優)の基準 到達レベル B(良)の基準 A(優)は、自分ならばこうする等、自分なりの考えを示すこと
ができるなど、到達目標に照らし合わせて 80%以上達成 できていること。
S(秀)は、自分なりの視点をもって学修した内容について考 え、説明することができるなど、90%以上達成できている こと。
学修した内容を過去の経験と結びつけながら具体的に述べるこ とができるなど、70%以上達成できていること。
週 学修内容 授業の
実施方法 到達レベル C(可)の基準 予習・復習 時間
(分) 能力 名
1週 /
オリエンテーション
教科としての音楽と学習指導要領
上記を体験・経験等することを通し て、教育現場で実践できる基礎力 等を習得・活用・探究する。講義・演習
本時の学びのポイントが振り 返りシートに記述できている。
自分の受けてきた音楽の授業 について振り返り、その長所・
短所を指摘できる。
予習:教科書の目次を 読み、概要をつかんで おく。
復習:教科書の学習指 導要領に関する箇所を 読み、整理する。
90
主 体 性 実 行 力 課 題 発 見 力 創 造 力 発 信 力 傾 聴 力 規律性
2週 /
リコーダーの指導(1)
導入期の指導
・学習指導要領におけるリコーダ ーの位置づけ
・導入の仕方
・3 つの技術
・基本の姿勢
・実践をもとにした指導の方法
・模擬授業
上記を体験・経験等することを通し て、教育現場で実践できる基礎力 等を習得・活用・探究する。
講義・演習
本時の学びのポイントが振り 返りシートに記述できている。
演習時、意欲的に取り組むこ とができている。
タンギング、息づかい、指使 いについて理解している。
予習:教科書のリコーダ ー指導に関する箇所を 読み、概要をつかんで おく。
復習:導入期のリコーダ ーの指導法についてま とめる。
90
主 体 性 実 行 力 課 題 発 見 力 創 造 力 発 信 力 傾 聴 力 規律性
3週 /
リコーダーの指導(2)
高学年の指導
・導入期の指導の確認
・附属品の取り扱い
・技術、タンギングに焦点をあてて
・実践をもとにした指導の方法
・模擬授業
上記を体験・経験等することを通し て、教育現場で実践できる基礎力 等を習得・活用・探究する。
講義・演習
本時の学びのポイントが振り 返りシートに記述できている。
二重奏や合奏に意欲的に取 り組んでいる。
予習:教科書のリコーダ ー指導に関する箇所を 読み、概要をつかんで おく。
復習:高学年のリコーダ ーの指導法についてノ ートにまとめる。
90
主 体 性 実 行 力 課 題 発 見 力 創 造 力 発 信 力 傾 聴 力 規律性
4週 /
歌唱指導(
1) 発声を中心に
・学習指導要領における歌唱の位 置づけ
・発声の基本
・実践をもとにした指導の方法
・模擬授業
上記を体験・経験等することを通し て、教育現場で実践できる基礎力 等を習得・活用・探究する。
講義・演習
本時の学びのポイントが振り 返りシートに記述できている。
演習時、意欲的に取り組むこ とができている。
発声法について理解し、実際 に示すことができる。
予習:教科書の歌唱指 導 に 関 す る 箇 所 を 読 み、概要をつかんでお く。
復習:発声の指導につ いて整理する。
90
主 体 性 実 行 力 課 題 発 見 力 創 造 力 発 信 力 傾 聴 力 規律性
5週 /
歌唱指導(
2) 合唱を中心に
・発声の復習
・実践をもとにした指導の方法
・模擬授業
上記を体験・経験等することを通し て、教育現場で実践できる基礎力 等を習得・活用・探究する。
講義・演習
本時の学びのポイントが振り 返りシートに記述できている。
合唱に意欲的に取り組んでい る。
予習:教科書の歌唱指 導 に 関 す る 箇 所 を 読 み、概要をつかんでお く。
復習:合唱の指導につ いて整理する。
90
主 体 性 実 行 力 課 題 発 見 力 創 造 力 発 信 力 傾 聴 力 規律性
6週 /
楽器と楽器の発音原理
・手づくり楽器の制作をもとにし た楽器の発音原理
・様々な楽器の仕組等
・模擬授業
上記を体験・経験等することを通し て、教育現場で実践できる基礎力 等を習得・活用・探究する。
講義・演習
本時の学びのポイントが振り 返りシートに記述できている。
演習時、意欲的に取り組むこ とができている。
楽器制作のポイントを理解し、
既成の楽器との関連がわか る。
予習:教科書の楽器づく りに関する箇所を読み、
概要をつかんでおく。
復習:楽器と楽器の発音 原 理 に つ い て 整 理 す る。
90
主 体 性 実 行 力 課 題 発 見 力 創 造 力 発 信 力 傾 聴 力 規律性
7週 /
音楽授業の構想と分析(1)
・児童の興味や関心
・様々な授業法を知る
・模擬授業
上記を体験・経験等することを通し て、教育現場で実践できる基礎力 等を習得・活用・探究する。
講義・演習
本時の学びのポイントが振り 返りシートに記述できている。
演習時、意欲的に取り組むこ とができている。
児童の意識に応じた指導の 流れを理解している。
予習:音楽授業の方法
に関する部分を読み、
概要をつかんでおく。
復習:授業の流れにつ
いて、児童の意識の流 れとともに進める方法 について整理する。
90
主 体 性 実 行 力 課 題 発 見 力 創 造 力 発 信 力 傾 聴 力 規律性
8週 /
学習指導案の書き方
・児童観、題材観、指導観
・題材の目標
・題材の指導計画
・評価の観点
・教材研究とICT等情報機器の活用 上記を体験・経験等することを通し て、教育現場で実践できる基礎力 等を習得・活用・探究する。
講義・演習
本時の学びのポイントが振り 返りシートに記述できている。
演習時、意欲的に取り組むこ とができている。
指導案の構成を理解し、目標 と評価との関連について説明 できる。
予習:教科書の学習指
導案の書き方に関する
箇所を読み、概要をつ かんでおく。復習:学習指導案の書
き 方
に つ い て理 解 し 、 略案を書く。90
主 体 性 実 行 力 課 題 発 見 力 創 造 力 発 信 力 傾 聴 力 規律性 能力名:主体性 働きかけ力 実行力 課題発見力 計画力 創造力 発信力 傾聴力 柔軟性 情況把握力 規律性
ストレスコントロール力
週 学修内容 授業の
実施方法 到達レベル C(可)の基準 予習・復習 時間
(分) 能力 名
9週 /
音楽づくり指導(
1)
学習指導要領における音楽づくり の位置づけ
〔共通事項〕との関連
・音楽づくりの系統性
・中間発表を入れる意義
・模擬授業
上記を体験・経験等することを通し て、教育現場で実践できる基礎力 等を習得・活用・探究する。
講義・演習
本時の学びのポイントが振り 返りシートに記述できている。
演習時、意欲的に取り組むこ とができている。
〔共通事項〕と音楽づくりとの 関連を説明することができる。
予習:教科書の創作指 導 に 関 す る 箇 所 を 読 み、概要をつかんでお く。
復習:創作の指導につ いて〔共通事項〕と関連 させて整理する。
90
主 体 性 実 行 力 課 題 発 見 力 創 造 力 発 信 力 傾 聴 力 規律性
10 週 /
音楽づくり指導(2)
楽器や声を使って、音楽づくりを する。 ・模擬授業
上記を体験・経験等することを通し て、教育現場で実践できる基礎力 等を習得・活用・探究する。
講義・演習
本時の学びのポイントが振り 返りシートに記述できている。
音楽づくりに意欲的に取り組 み活動できる。
予習:教科書の創作指 導 に 関 す る 箇 所 を 読 み、概要をつかんでお く。
復習:本時に行った音
楽づくりについて振り 返り、イメージと表現 との関係について整理 する。
90
主 体 性 実 行 力 課 題 発 見 力 創 造 力 発 信 力 傾 聴 力 規律性
11週 /
鑑賞指導(1)
・学習指導要領における鑑賞の位 置づけ ・知覚と感受
・模擬授業
上記を体験・経験等することを通し て、教育現場で実践できる基礎力 等を習得・活用・探究する。
講義・演習
本時の学びのポイントが振り 返りシートに記述できている。
演習時、意欲的に取り組むこ とができている。
鑑賞指導の方法を理解し、知 覚・感受の観点から説明でき る。
予習:教科書の鑑賞指 導 に 関 す る 箇 所 を 読 み、概要をつかんでお く。
復習:知覚と感受の関
係について、扱った鑑 賞 曲 を も と に 図 で 表 す。
90
主 体 性 実 行 力 課 題 発 見 力 創 造 力 発 信 力 傾 聴 力 規律性
12 週 /
鑑賞指導(2)
・共通事項
・音楽以外の媒体で示す方法
・模擬授業
上記を体験・経験等することを通し て、教育現場で実践できる基礎力 等を習得・活用・探究する。
講義・演習
本時の学びのポイントが振り 返りシートに記述できている。
演習時、意欲的に取り組むこ とができている。
鑑賞曲と〔共通事項〕との関係 を説明できる。
予習:教科書の鑑賞指 導 に 関 す る 箇 所 を 読 み、概要をつかんでお く。
復習:1年生から6年
生までに適した鑑賞曲 をリストアップし、理 由をつけてノートに説 明する。
90
主 体 性 実 行 力 課 題 発 見 力 創 造 力 発 信 力 傾 聴 力 規律性
13 週 /
器楽指導(1)
・学習指導要領における器楽の位 置づけ ・鍵盤ハーモニカの演奏
・模擬授業
上記を体験・経験等することを通し て、教育現場で実践できる基礎力 等を習得・活用・探究する。
講義・演習
本時の学びのポイントが振り 返りシートに記述できている。
鍵盤ハーモニカの演奏に積 極的に取り組み、扱い方と運 指について理解している。
予習:鍵盤ハーモニカ
の奏法について調べ、
「かえるのうた」など を練習する。
復習:器楽指導につい て整理する。
90
主 体 性 実 行 力 課 題 発 見 力 創 造 力 発 信 力 傾 聴 力 規律性
14 週 /
器楽指導(2)
・様々な楽器を用いて合奏をする。
・模擬授業
上記を体験・経験等することを通し て、教育現場で実践できる基礎力 等を習得・活用・探究する。
講義・演習
本時の学びのポイントが振り 返りシートに記述できている。
器楽合奏に積極的に取り組 み、演奏をよりよくしようとして いる。
予習:教科書の器楽指 導 に 関 す る 箇 所 を 読 み、楽器の特性や奏法
などをつかんでおく。
復習:器楽合奏の指導
についてのポイントを ノートにまとめる。
90
主 体 性 実 行 力 課 題 発 見 力 創 造 力 発 信 力 傾 聴 力 規律性
15 週 /
音楽授業の構想と分析(2)
・A 表現、B 鑑賞
・国際社会の中の日本
・三河の民謡
・模擬授業
上記を体験・経験等することを通し て、教育現場で実践できる基礎力 等を習得・活用・探究する。
講義・演習
本時の学びのポイントが振り 返りシートに記述できている。
学校における音楽の授業の 位置づけについて理解してい ると同時に音楽の授業を見る 視点を持つことができている。
予習:教科書の音楽授
業の方法に関する箇所
を 読 み 、 概 要 をつ か ん でおく。復習:音楽授業の分析
法について整理する。ま
た、この授業を通して自 分の成長した点や今後 の課題をレポートとして まとめる。90
主 体 性 実 行 力 課 題 発 見 力 創 造 力 発 信 力 傾 聴 力 規律性 能力名:主体性 働きかけ力 実行力 課題発見力 計画力 創造力 発信力 傾聴力 柔軟性 情況把握力 規律性
ストレスコントロール力