2022年度 医薬品製造化学特論:授業の予定
担当:吉村文彦(医薬品製造化学)全7回 連絡先:[email protected]
054-264-5740
第1回(4/13) 1章 p1‒23:逆合成解析と合成等価体
第2回(4/27) 2章 p25‒42:配座解析 (環状化合物と鎖状化合物) 第3回(5/11) 2章 p42‒51:立体配座と反応性
第4回(5/18) 3章 p53‒67:アミンとアルコールの保護基 第5回(5/25) 3章 p67‒82:カルボニル基の保護基
4章 p83‒89:アルコールの酸化
第6回(6/1) 4章 p89‒109:官能基選択的酸化、アリル位の酸化 還元全般
第7回(6/8) 4章 p109‒131:選択的な還元 資料の無断配布・公開禁止
医薬品製造化学特論:成績の評価 評価:課題と出席に基づく総合的評価
2/3以上の出席が単位認定要件
・課題7回分を薬造のHP内の「授業情報」にも掲示する 授業資料も掲示する
https://www.us-yakuzo.jp/lesson/
・提出方法:以下任意の方法
1)解答の画像ファイル(PDF または jpeg)を ユニパでアップロードする
矢印や文字が判別できる解像度にすること 2)6511室前の提出袋へ提出
・締切:次の講義の前日18時
・課題の解答例をHPで公開するので復習すること
今回の要点
合成の設計法を学ぶ
(1) 逆合成解析:合成計画の立案手段 (2) 交互極性:結合切断位置の目安 (3) 極性転換:合成の幅を広げる (4) 合成全体の戦略:
収束的合成 vs 直線的合成 有機合成の本質:
入手容易な出発物から目的の化合物を 簡単に合成する
合成設計 p1
出発物質 標的化合物
CO2H
O O アスピリン CO2H
OH
O O O
サリチル酸
H+
O O
NH2·H3PO4 O
N H O
タミフル
? ???
何から、どう作るか
合成設計 p1
合成計画立案において考慮すべき点=理想の合成 (1) 合成経路が短い
(2) 置換基と官能基の位置が正しい さらに、三次元配置も正しい (3) 目的の生成物だけが得られる
出発物質 標的化合物
O O
NH2·H3PO4 O
N H O
タミフル
? ???
逆合成解析:概要 p2-3
逆合成解析:
実際の合成とは逆向きに頭の中で結合を切断し、
標的化合物を入手容易な化合物まで単純化する操作
合成経路を設計する上での論理的な指針
(E. J. Corey, 1990年ノーベル化学賞)
トランスフォーム
C C C
標的化合物
C 受容体 シントン
・結合切断
・官能基相互変換 (FGI)
供与体 シントン
合成等価体 または 反応剤
+
合成等価体 または 反応剤 腕の見せどころ!
性質を理解する必要あり
合成計画の立案サイクル:
①逆合成解析→②反応剤と反応条件の決定 (スキームを作る)
シントン:仮想的な構造単位(部品)
逆合成解析:結合切断の分類 p2-3
トランスフォーム
C C C
標的化合物
C 受容体 シントン
・結合切断
・官能基相互変換 (FGI)
供与体 シントン
合成等価体 または 反応剤
+
合成等価体 または 反応剤
腕の見せどころ!
① 不均等開裂
= 極性反応
C C C C
② 均等開裂
= ラジカル反応
+
③ 協働的変換
= ペリ環状反応
実例は
p4
最も実現可能性の高い ものを選ぶ
逆合成解析:極性転換 (Umpolung) p2-3
極性転換:官能基に備わる極性(+, ‒)を反対にする
カルボニル炭素を求核種にすることができる
極性転換
CH3
O O
+ CH3 供与体 シントン 受容体シントン
O
CH3Li N OMe
+
合成等価体 反応剤 標的化合物
O
+ CH3 受容体 供与体シントン シントン
CH3I + S S
Li
炭素原子に着目
逆合成解析:結合切断のやり方 p4-5
交互極性(潜在的な極性)に基づき切断する
ヘテロ原子があるときのC‒C結合の切断方法(切断位置の選択法)
官能基の分類=交互極性の決め方 Eクラス:結合炭素に(+)を付与
‒NH2, ‒OH, =O, =NR, ‒X(halogens) Gクラス:結合炭素に(‒)を付与
‒Li, ‒MgX, ‒SiR3
Aクラス: (+), (‒)いずれの性質を示す→極性転換にも利用可能
‒C=CR2, ‒C C‒R, ‒NO2, N, ‒SR
cf. ケイ素はα位のアニオンを安定化、β位のカチオンを安定化する(超共役)
逆合成解析:結合切断のやり方 p4-5
官能基の分類=交互極性の決め方 Eクラス:結合炭素に(+)を付与
‒NH2, ‒OH, =O, =NR, ‒X(halogens) Gクラス:結合炭素に(‒)を付与
‒Li, ‒MgX, ‒SiR3
(1) 一官能基
O
標的分子
O
極性を書く潜在的な 受容体 シントン
+ O
供与体 シントン
+ O
合成等価体 Br
切断位置を 決める Aで切断 A
Bで切断 FGI
OH
供与体 シントン
+ OH
受容体 シントン
+ H O
反応剤, 合成等価体 Li
+と‒は交互
B
逆合成解析:実際の合成計画 p4-5
(1) 一官能基
O
標的分子
O
受容体 シントン
+ O
供与体 シントン
+ O
合成等価体 Br
切断位置を 決める Aで切断 A
B
実際の合成 (Aで切断)
エナミンのアルキル化の利点
・多重アルキル化の抑制
・
O
-アルキル化の抑制O NH , H+ N Br N
then
H+, H2O O 標的分子 エノラートのモノアルキル化は難
逆合成解析:実際の合成計画 p4-5
(1) 一官能基
実際の合成 (Bで切断)
Bで切断 FGI
OH
供与体 シントン
+ OH
受容体 シントン
+ H O
反応剤, 合成等価体 Li
B O
標的分子
A O
B
H O Br Li
Li
OH PCC
市販
O
標的分子 入手容易な反応剤、信頼性の高い反応
逆合成の良し悪しを多面的に判断する (工程数、副反応、試薬の入手可能性、精製法)
逆合成解析:実際の合成計画
(1) 一官能基
多様な逆合成ができるようにする(1,4が第一候補)
+ H O
Ph OH
標的分子
Ph H O Ph
1
2 3
PhMgBr Ph
1
+ BrMg
Ph 2
Ph +
BrMg Ph
O 3
Ph O
5 Ph 4
6 FGI
+ Br
Ph O 4 Ph
+ 5
6
Ph NR2
LiCu(CH2CH2Ph)2
Ph O
+ LiCuPh2
逆合成解析:結合切断のやり方 p6-8
(2) 二官能基
Ph
標的分子 O
Ph OH
+ – + – +
極性一致
Ph O
–
+ 供与体シントン
Ph OH
+
受容体シントン FGI
n が奇数:極性一致型になるので逆合成は容易 1,n-ジオキシ化合物
n = 5
Ph O
–
+ 供与体シントン
Ph O
+
受容体シントン
Ph +
Ph N O
合成等価体
逆合成解析:結合切断の鉄則
(2) 二官能基
1,3-ジオキシ化合物
アルドール反応
アシル化反応
反応性の差に注意して逆合成を行う
R1 R2 O OH
R1 O
– +
H R2 O
R1 R2 O O
R1 O
– +
X R2 O
求電子剤の反応性 R H
O
>
RO R
>
アルデヒド ケトン
R OR’
O
エステル
R H
O
<
RO R
<
ROR’
O
求核剤の反応性
逆合成解析:結合切断の鉄則
(2) 二官能基
1,3-ジオキシ化合物
アルドール反応
アシル化反応
R1 R2 O OH
R1 O
– +
H R2 O
R1 R2 O O
R1 O
– +
X R2 O
1,5-ジオキシ化合物
R1 O
R1 O
– +
R2 O R2
O 共役付加反応
(Michael 付加)
逆合成解析:結合切断のやり方 p6-8
(2) 二官能基
n が偶数:極性不一致型になるので注意 1,n-ジオキシ化合物
Ph
標的分子 O
+ Ph
– + –
極性不一致
OH
Aで切断 A
B
Bで切断
Ph O
+ 受容体
シントン 供与体シントン Ph
+ – OH 極性転換
Ph O
+ 供与体
シントン 受容体シントン Ph
– + OH n = 4
極性不一致型では極性転換が必要になるので注意
Ph O
–
+
供与体シントン 受容体シントン
+ Ph OH
–
合成等価体 Ph
O
+ Ph
O 極性転換
+ +
Ph +
Ph CuLi O
反応剤、合成等価体 SPh
PhS
2
逆合成解析:結合切断のやり方 p6-8
(2) 二官能基
n が偶数:教科書
p7 の例
1,n-ジオキシ化合物標的分子 O
+ – + –
極性不一致
O
n = 4
O
–
+ 供与体 シントン
受容体 シントン
+
O
–
反応剤、合成等価体 O
–
+ O
Br
一見よさそう
実際は・・・
Darzens 反応
エナミンのアルキル化が望ましい
O– +
O Br H
O +
O Br
O O Br
O O
カルボニル基の極性転換 p8-13
合成化学上、カルボニル基の極性転換が最も有用 代表例(各アニオン体)
R O
E R
O
– +
アシルアニオン等価体 E+
1) 1,3-ジチアン
3) ニトロアルカン 4) シアノヒドリン
極性転換を使いこなせると合成の幅が広がる
2) FAMSOとMT-スルホン 5) その他
p12-13
S SO
FAMSO
R NO2
R CN OP
H OEt R
S
S Tol S S
O O
MT-スルホン
1,3-ジチアン p9-10
基本形
R O
–
アシルアニオン等価体 R
O H
SH HS
H+
R H
S S
pKa ~ 31
BuLi R
S S
ソフトな求核剤
R’ X
R R’
S S
HgCl2 HgO
H2O R O
R’
then
ジチアンの除去について:
MeI, acetone / H
2O
条件が一般的R R’
S
S Me I S S
R R’
Me
R R’
S SMe
H2O
R R’
S SMe
OH
R R’
S SMe
OH
Me MeI
SMe – MeS
R O
R’
Grobel, B. T.; Seebach, D. Synthesis1977, 357.
FAMSOとMT-スルホン
FAMSOの基本形
いずれも酸加水分解(希塩酸)で除去できる
H O
–
ホルミルアニオン等価体
R’
O
–
アシルアニオン等価体
MT-スルホンの基本形
R’ X then
S S
O
S S
O
FAMSO H H
1) BuLi
S S
O
R’ H
2) BuLi
S S
O
R’
R” X then
S S
O
R’ R”
H3O+
R’ R”
O
小倉克之, 有機合成化学協会誌2007, 65, 90.
S S
MT-スルホン H H
O
O 1) R’–X, NaOH
2) R”–X, NaOH S S R’ R”
O O
H3O+
R’ R”
O
ニトロアルカン p10-11
ニトロ基の酸素化に強い条件が必要 基本形
Rosini, G.; Ballini, R. Synthesis1988, 833.
Ballini, R.; Petrini, M. Tetrahedron2004, 60, 107.
R NO2 H H
base (R3N)
R NO2 then
R’
O H H
R NO2
R’
OH
R O
R’
OH H2SO4, H2O
or TiCl3, H2O Henry 反応 Nef 反応
酸性条件
還元的条件
R1 R2 N O O
H
TiCl3
– Cl– R1 R2 N OTiCl2 O
H – O=TiCl2 R1 R2 O N
H nitroso
互変異性
R1 R2 HO N
oxime H3O+
R1 R2 還元 O
Nef 反応
R O
–
アシルアニオン等価体
R1 R2 N O O base
R1 R2 N O O
H
H+
R1 R2 N O HO
R1 R2 N OH HO
nitronic acid
H2O H+
R1 R2 N OH HO
OH H+
H
R1 R2 O
シアノヒドリン p11-12
基本形
C‒C結合形成能と汎用性が高く有用
R O
H
H+
R CN
LDA R’ X
then + HCN
OH OEt H+
R CN O OEt
H R CN
O OEt
R CN O OEt
R’
R O
–
アシルアニオン等価体
R CN OH
R’
2) NaOH 1) H3O+ R CN
O R R’ R’
O
も可 R1 R2 求電子剤に O
シアノヒドリン p11-12
基本形
R O
H
H+
R CN
LDA R’ X
then + HCN
OH OEt H+
R CN O OEt
H R CN
O OEt
R CN O OEt
R’
R O
–
アシルアニオン等価体
取り扱い容易 取り扱い難
猛毒
R O
H R CN
OSiR3 + R3SiCN
Lewis acid (ZnI2 etc)
or Lewis base
(Et3N etc)
LDA
R CN
OSiR3 R’ X then
R CN
OSiR3
R’
TBAF (Bu4N+F–) R CN
O
R R’ R’
O
– R3Si-F – Bu4NCN
合成計画の手順
(1) 炭素骨格の構築
(2) 三次元配置の制御 (位置および立体)
→2章以降で説明
(3) 官能基の相互変換 (FGI)
相互に関係する以下の点に注意する
合成計画の手順:炭素骨格の構築 p13-17
C‒C結合形成が最重要
指針
1) 信頼性の高い反応を用いる
鍵となる部品(反応剤)と反応を正しく認識する
O A
B A O
+
B+
O2) 結合切断の回数を減らす=大きな部品を使う
3) 近くに官能基(=足がかり)がある位置で結合切断を行う 4) 分岐点で結合切断する
Ph OEt
O O
Ph OEt
O O
+
直線分子は入手容易合成計画の手順:炭素骨格の構築 p13-17
C‒C結合形成が最重要
指針
2) 結合切断の回数を減らす=大きな部品を使う
鍵となる部品(反応剤)と反応を正しく認識する
4) 分岐点で結合切断する
これらをまとめると、大分子は分子の中央で結合切断する
環をひとつずつ作るのは非効率
+
合成計画の手順:炭素骨格の構築 p13-17
C‒C結合形成が最重要
指針
5) 官能基相互変換 (FGI) を利用する
鍵となる部品(反応剤)と反応を正しく認識する 6) 分子の対称を利用する→工程数が短縮
あとで説明
O O O
2 × MgBr
OEt
+
H7) 活性化基(除去可能で反応性向上)を導入する
= マロン酸エステル合成、アセト酢酸合成の考え方
Ph O
O
Ph O
O
+
PhO
O Br
+
Darzens反応が進行
Ph O
O
Ph O
O
+
PhO
O Br
+
FGI
CO2Et CO2Et CO2Et
ソフトな求核剤
合成計画の手順:炭素骨格の構築 p13-17
C‒C結合形成が最重要
指針
8) 環を開環する(特に1,6-ジオキシ化合物)
鍵となる部品(反応剤)と反応を正しく認識する
MeLi SOCl2
O3 H O
O 極性不一致
+ – + – + –
FGI
OH FGI
O
6員環化合物は合成容易
代表的6員環構築法
+
ΔDiels-Alder反応 閉環メタセシス反応(5員環〜大員環も)
O
R O
O O R
+
ORobinson環化
cat.
– C2H4
合成計画の手順:官能基の相互変換 p17-18
官能基相互変換(FGI)を使いこなす
官能基の役割
官能基は置換・付加・脱離反応や酸化・還元で別の官能基へ変換できる
1) 部品をつなげる足がかり
2) 合成計画では官能基置き換えることで合成容易に 具体例
Ph
Br
Ph Br
+
BrMg Br
or Ph MgBr
+
BrBr
H
Ph
Br
Ph FGI
Ph MgBr
+
HO OH
PBr3
合成計画の手順:官能基の相互変換
官能基ごとに相互変換を系統的に理解する
O ケトン OR
OR H3O+ ROH, H+
NaIO4 OH OH 酸化
還元 N OH
R
RNH2 H+
H3O+
H2SO4 H2O
NO2 R3SiCN
TBAF
OSiR3 CN
Ph3P=CH2 O O3
HgCl2 RSH
BF3·OEt2
SR SR
合成法の選択 p19
正しい三次元配置の化合物を得るために、
“選択性”の高い反応を選ぶことが重要
1) 位置選択性 (regioselectivity)
2) 立体選択性 (stereoselectivity)
3) 官能基選択性 (chemoselectivity)
試薬の特徴と基質の性質を理解する
H O
O
reduction
H O
OH
H OH
O
R R’
R ≠ R’
R R’
OH
R R’
OH BH3
then H2O2
R R’
R ≠ R’
R R’
OH
R R’
OH
O
base
O O
H H
合成法の選択:最近の趨勢 p19
環境に優しい反応を選ぶことも需要
(アトムエコノミー)原子効率
・置換反応よりも付加反応 (%) =
・ペリ環状反応
原子効率の高い反応 = 原子を捨てない反応
生成物の分子量
全ての反応物の分子量 100
Trost, B. M. Angew. Chem., Int. Ed. Engl.1995, 34, 259.
R X + Nu R Nu + X 廃棄物
+ H H
H cat. H
廃棄物なし
+
Δ ΔO OH
合成法の選択:合成戦略について p20-21
多段階合成では収束型合成が望ましい
収束型合成(convergent)=分岐型 直線型合成(linear)
ここで失敗 ここだけ やり直せばよい
リスク分散 最長3工程
各70%として0.703 100=34%
A B C D E
F A B C
D E A B C
D A + D
B C
+ E
A B + C
A + B
ここで失敗
最初から すべてやり直す
最長5工程
各70%として0.705 100=17%
A B C D E
F A B C + D E
F
A B + C E
D + F A + B E + F
発展:合成戦略の趨勢
これらは真に理想的な合成を実現する必要条件
1) レドックスエコノミー(redox economy)
Burns, N. Z.; Baran, P. S.; Hoffmann, R. W. Angew. Chem., Int. Ed.2009, 48, 2854.
酸化還元を交互に繰り返さないで目的化合物の合成をめざす 2) ステップエコノミー(step economy)
Wender, P. A. et al. Acc. Chem. Res.2008, 41, 40.
短い工程数で目的化合物の合成をめざす 3) ポットエコノミー(pot economy)
Hayashi, Y. Chem. Sci.2016, 78, 866.
複数の反応を1つのフラスコ内で行い、目的化合物の合成をめざす 3) 保護基フリー合成 (Protecting-group-free synthesis)
Baran, P. S.; Hoffmann, R. W. Nat. Chem.2009, 1, 193.
保護基を使わずに、目的化合物の合成をめざす
効率的合成につながる手法(反応) p21
ドミノ反応:同一容器内で複数の結合形成を連結して行う
(反応条件は1つ)
代表例
ポリエン環化やステロイドの生合成もドミノ反応
Tietze, L. F. Chem. Rev.1996, 96, 115.
O
SnCl4
Cl4Sn
CH2Cl2 Cl3SnO H work-up
HO H
5,5-縮環は
cis
が安定I
H H
n-Bu3SnH, AIBN (cat.) benzene, 80 °C
H H
H H n-Bu3SnH H
n-Bu3Sn
H H
H Me
ラジカル反応はドミノ反応を起こしやすい
効率的合成につながる手法(反応) p21
三成分連結反応
p21のプロスタグランジン合成は特筆
ワンポット反応 or 逐次反応:同一容器内で複数の反応を行う
(複数の反応条件、反応操作)
代表例 Chapdelaine, M. J.; Hulce, M. Org. React. 1990, 38, 225.
O
n
R2CuLi
OM
n R
then E+
O
n R
E
trans
O O
O
R2CuLi
O O
O R
R =
OTBS
then R’ I
O O
O R
R’
R’ = CO
2Me
まとめ-1
(1) 逆合成解析:合成計画の立案手段 (2) 交互極性:結合切断位置の目安 (3) 極性転換:合成の幅を広げる (4) 合成全体の戦略:
多段階の場合は収束的合成
今日のキーワード
まとめ-2
合成計画の立案手順
① 逆合成解析をする
② 交互極性を用いて
滞在極性を記入 ③ シントンに分解
(極性転換も考慮) ④ 合成等価体、反応剤 を選択
⑤ 合成経路 (反応条件) を決める
Ph OH O
Ph O OH
+
Ph O O
+
H
Ph O
O H LDA
then Ph
OH O