(1) 第 83 号 2021(令和3)年3月30日(火) 弘 学 時 報
を注いでいる。弘前市のみならず
青森県および首都圏においても
スポーツ医科学に関する多くの
委員会での要職を務めているこ
とも受賞された理由である。その
功績は大変顕著であると評され
ている。 弘前学院大学学長 𠮷岡 利忠
この一年、誰もが予想すらしな
かった新型コロナウイルス感染
に翻弄され、今もなおその影響が
続いております。目に見えない極
小の病原体ウイルスが原因。この の取り組みをし
ました。3学部
の講義について
は、5月の連休
明けから開始
し、各学科の単
位を取得可能な
ように補習授業
も導入されまし
た。そのような
中で皆さんは必
要な単位を獲得
しめでたく今日
の日を迎えるこ
とができまし
た。首都圏の大
学ではオンライ
ン授業が主流となっています。知
識は得ることができるでしょう
が、知恵を習得することはできま
せん。知恵があってこそ社会で活
躍できるものでしょう。
人類は感染とともに生きてき ました。考えようによっては、1
00年に一度あるかないかとい
うこのような経験は貴重です。危
機管理という面からも、今後の皆
さんの将来に生かされるでしょ
う。
今日の学位記授与式では保護
者の方、来賓の方々の参加をご遠
慮いただきました。また、式自体
の時間を極力短くしました。しか
し、数台のカメラを用いてリモー
トによる同時配信もされていま
す。
最後になりましたが、皆さんは
大学にあっては4年間、修士課程
にあっては2年間で卒業、修了で
す。私事ですが、
17年間の弘前学
院大学学長職を今月で卒業しま
す。
17年もかかりました。調べて
みましたら3学部の学位記を授
与した数はなんと3千以上にな
りました。かなりの数です。私に
とりこの数は重いものです。これ
まで誠にありがとうございまし
た。
God Bless You, and
Myself. ウイルスは一ミリメートルの百
万分の一の大きさで電子顕微鏡
を用い、ネガティブ染色によって
やっと観察することができ、トゲ
トゲのある形態をしておりテレ
ビなどの報道で見たことがある
でしょう。生きた細胞に侵入しな
ければ増殖できないので、生物
(いきもの)であるかどうか、今な
お議論されています。いままで
人類はこのウイルスに感染した ことがないこともあってパンデ
ミック、世界的大流行となりまし
た。ウイルス性肺炎を特徴として
重症化すると生命が脅かされま
す。
このような環境下では、特に私
たち一人ひとりの健康が極めて
重要になります。たとえウイルス
を始めさまざまな病原菌の侵入
があっても健康体であれば原因
ウイルスや感染に対する抗体を 獲得して適切な防御機構が働き
ます。社会で活躍しようとする皆
さんにあっては自分の健康は自
身で管理しなければなりません。
本学では適切な情報をいち早
く受けて、さまざまな感染防止
学校法人弘前学院理事長・学院長 阿保 邦弘
十 四「 教 育 改 革 の 本 丸 」 『 グ ラ ン ド デ ザ イ ン 答 申 Ⅲ』
今年度を振り返ってみると、日
本中が新型コロナウィル感染に
翻弄された感がある。
その状況下で、いかにしたら本
学院が教育研究機関としての機
能を果たせるのか、苦慮する毎日
であった。
第 83 号
(年4回発行)
編集発行 弘 前 学 院 大 学 広 報 委 員 会
印 刷 所
㈲小野印刷所
さて、本題であるグランドデザ
イン答申に戻るが、前々号で述べ
たように、国公立大学関係者はこ
の答申を大学改革の手本とする
べきだと歓迎の意向を示した。
それに反して、私学関係者から
は審議に入る前から多くの批判
が出た。
本学にとっても、この答申から
学ぶべきことは何もないのだろ
うか。
指摘の多い指針ではあるが、汲
み取れるものは何かあるはずだ
と黙殺することは避けた。
そもそも、本学の推し進めてき
た学内改革の最終目標は、教育の
改善と充実にある。 その点では、答申の冒頭に述べ
ている「学修者本位の教育」は、各
大学が追い求めてきた教育目標
であり、本学にとっても教育の柱
の一つである。
国私の区別なく、全大学が共通
の目標として向き合うべきテー
マでもある。
ところで、答申の背景にはいっ
たいどのような事情があるのだ
ろうか。
答申本文では、国際的な大学進
学者急増の流れが顕著となり、教
育の質向上は世界共通の目標に
なってきたと指摘している。
この現状の中で、日本の大学は
海外の大学と比較して学習時間
が極めて短い。
加えて、教育の質保証に関して
も取り組んでいる大学とそうで
ない大学が二極化し、多くの大学 儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉
儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉
儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉儉
は避けて通っている。
しかし、今は時代の要求とし
て、学生の成長とデプロマポリ
シーへの到達が求められている。
その検証と評価、および外部へ
の公表こそが、やがて社会の信頼
を得ることに繋がっていく。
そのためには、内部質保証への
取り組みが急務であり、学長の
リーダーシップに基づく教学マ
ネジメントの確立、組織的で体系
的な教育が必要となる。
言い直すと、大学教育には教育
成果の把握や測定、学習成果の可
視化、それを活用した教育の見直
し、教育の質保証が不可欠だとい
うことである。
文科省は、以上のことに前向き
でない大学は社会から厳しい評
価を受け、大学が存続しない事態
もありうると警鐘を鳴らしてい る。 もともと、日本における教育の
質保証は、大学設置認可とその後
の大学認証評価の組み合わせで
成り立っている。
本学も、教学改革を推進するた
めの教学マネジメント指針を示
し、それに沿って改革を推進しな
ければならない。
学生の成長について根拠を示
して公表することと、問題点を改
善しているのかどうか事実を示
して証明することが急務となっ
ているのである。
今までのように、総論や一般論
の議論をしているようではもは
や通用しない。
具体的な実行と、成果の公表が
強く求められる段階にきている
と言える。
&&&&&&&&&&&&&&&&&&& & &&&&&&&&&&&&&&&&& & & &&&&&&&&&&&&&&&&& & & &&&&&&&&&&&&&&&&& & & &&&&&&&&&&&&&&&&& & &&&&&&&&&&&&&&&&&&& μ ᬏ ೝ ᇿ ฌ ࡸ ే ᅙ ⒣ ተ ጓ ⏞ ࡸ ᤋ ⒠ ك ⒆ ⒛ 令和2年度 学位記授与式 2 0 2
1 年( 令 和 3 年 )3 月
13 日( 土 )
10 時 ~
写真:東奥日報社提供
吉 岡学長、 令和 2 年弘前市 ス ポ ー ツ 賞 ・ 功労章、 を 授与 さ れ る
2021年(令和3年)2月
16
日(火)、弘前市野田のラグリーに
おいてに櫻田宏市長より授与さ
れた。学長の長年にわたる体力科
学、運動生理学、スポーツ医学な
どの研究に従事した功績による
ものである。毎年、スポーツに関
する指導者・ドクター・科学者・ト
レーナーなど200人~300
人を対象として「青森県ビクト
リーサミット」を開催し科学的見
地から運動能力向上を支援し、青
森県のスポーツ競技力向上に力
下段左側:𠮷岡学長
(2) 第 83 号 2021(令和3)年3月30日(火) 弘 学 時 報
数々の有名人との写真を拝見す
ると正にこのことを実践してい
ると感じました。
4月からは、弘前学院大学名
誉教授とのことです。引き続き
地上で元気にご活躍されること
を願っております。
(看護
三上聖治) 最初に昭憲皇太后のスライド
を見た途端、男女間格差や西欧
化の話題から始まる講義内容の
展開しか見えませんでしたが、
ご自身の出身大学である東京慈
恵会医科大学の〝慈恵〟の命名
者であると知りました。
講義は門外漢でもわかるよう
に、筋肉についてその色から赤
筋、白筋に分かれ、持久力と瞬
発力の関係について、発生張力
と収縮時間に差が見られること
が示されました。マラソンのよ
うな長距離走を行うアスリート
では、骨格筋に貯蔵されるグリ
コーゲンが限られていることか
ら
30㎞ほどで枯渇し、グリコー
ゲンローディングが必要にな
り、欧米ではスパゲッティ、日
私
:働くことを当たり前の
ことだと思ってれば、すぐには
答えられないかもね。しかし、
それを考えるきっかけにこの授
業がなっていれば、こちらのね
らい通りだよ。
S
:あっ、そのテーマでリ
ポート書いてみます! ヒロガク特別講話が2021
年(令和3年)1月
21日(木)
本学一号館4階の大講義室で開
催され、タイトルは「性的少数
者LGBTQ その理解と現 状 スポーツと性」でした。小
林啓三先生は本学の客員教授で
あり、東京慈恵会医科大学で基
礎生理学や運動生理学の研究に
従事し、国際武道大学で教鞭を
とり、多くの保健体育教師や
運動指導者を養成しておりま
す。その間、学生指導に関する
相談や授業を進める上で、性的
少数者を取り巻く課題について
知ることの重要性や必要性につ
いて調査や研究を行っておりま
す。先ず近年、言葉としての
LGBTQについては知られる
ようになりましたが、まだまだ、
正確な情報は持ち合わせていな
いようです。それぞれを身体
的、心理的およびこころの問題
から手寧な説明があり、その後
に実例をあげて紹介しておりま
した。特に小林先生の専門であ
る体育分野からエリートスポー
ツ選手のLGBTQについて
述べ、オリンピック選手におけ る競技力や成績への影響に考察
は興味深いものでありました。
同じく本学の客員教授であり
ます大木トオル先生のヒロガク
特別講話は1月
28日(木)に同
会場で開催されました。大木ト
オル先生は本学客員教授であり
数回、講演しておりましたし、
弘前市医師会からも講演要請が
あり、その講演では多くの市民
視聴者に感動を与えておりまし
た。国際的に著名なブルースシ
ンガーであるとともに日本で初
めての動物介在療法を広めてい
る方であります。「人と犬との
共生~命あるもの幸せになる権
利がある~」と題して1時間半
近くの講演でした。日本では動
講義室の窓か ら ― 或る履修者との会話
文学部 日本語・日本文学科 教授 鎌田 学
二〇二〇年は、M・ヴェーバー
没後一〇〇年にあたっていまし
た。これを機会にかの『プロテ
スタンティズムと資本主義の精
神』(岩波文庫 大塚訳)を授
業「哲学と倫理B」のテクスト
に選びました。進行の形態は、
冒頭に私がポイントの解説を行
い、その後週の担当者が指定さ
れた範囲の要約と、最後に、自
分の関心にもとづいて調べたこ
と(歴史的事象が多い)をプレ
ゼンします。この後、ヴェー
バーの記述内容に関する寸評を
六〇〇字程度で履修者全員に書
いてもらい、翌週返却。最終リ
ポートの材料にします。次は、 授業後私に話しかけてきたSさ
んとの会話です。
S
:ヒロガクのルーツが、
プロテスタントのメソジスト派
の人々であることを初めて知り
ました。
私
:そうなんだ。ヴェーバー
自身、論中で少し言及している
くらいで、彼の論述の主眼は他
の派に置かれているけどね。
S
:西洋での資本主義の誕
生を、キリスト教のプロテスタ
ンティズム、とくに清教徒の信
仰心に求めるのは初めて知りま
した。
私
:でも、この著作自体は 多くの論争を引き起こしたし、
いまだに批判の的になってもい
るよ。「真実」とまではいえず、
「仮説」ととりあえず考えると
いいかも。
S
:そうなんですか。
私
:しかし、だからといっ
て価値のない本とはいえない。
ルターによる聖書のドイツ語翻
訳の話から、カルヴァン主義、
新大陸アメリカにおけるベン
ジャミン・フランクリンの堅実
かつ勤勉な人生観などは、いま
読んでみても十分に面白い。
S
:そういえば、先週、現
代資本主義のかかえる「格差問
題」について、先生が紹介した
NHKの番組は何でしたっけ。
私
:「欲望の資本主義」。で
も、実は放送を見ていなくて、
書籍化されたものしか知らない
んだよ。 11111111111111111111111111111111111111111111111111111 11111111111 令和3年3月5日に、井上文
学部長の司会で、楊宗教主任の
祈祷、藁科副学長の業績紹介の
後、𠮷岡利忠学長の最終講義が
実施されました。
zzzzzzzzzzzzzzzzzzzz
111111111111111111
11111111111
吉 岡利忠学長最終講義 「 路 、 ひ と す じ 」
本 年 度 最 終 の ヒ ロ ガ ク 教 養 講 話 の報告
学長 吉 岡 利 忠 本ではうどんやそばが用いられているとのことでした。
生体下での環境確保のための
宇宙環境や単一筋線維の分離
法、瞬間凍結技術、測定装置を
求めて岡崎へ通った話など学問
への真摯な取り組みが必要だと
諭して頂きました。
会場には、出身校の東京慈恵
会医科大学、在職した聖マリア
ンナ医科大学、青森県立保健大
学等からの祝花が飾られ、華や
かな雰囲気でした。講演終了後、
祝電が読まれ、花束贈呈も行わ
れました。
スライドの中の棟方志功の色 紙、雲在嶺頭閑不徹 水流澗下
太忙生は、忙と閑の調和という
意味で、忙しい人ほど時間の使
い方が上手く余暇を作り、それ
がまた仕事に役立つ、いいサイ
クルを生み出すとの事です。
𠮷岡学長の講演に出てきた 物愛護センターなどで捨て犬を
処分することが諸外国より厳し
い非難を受けていることを憂い
し、その境遇にある犬をセラ
ピードック(治療犬)に養成す
る施設を立ち上げ、首都圏はじ
め多くの医療施設に導入し、入
所している患者さんの治療の手
助けで活躍していることなどを
示しておりました。青森県から
の捨て犬も養成され、日本で最
初のセラピードッグの銅像が東
京築地にあることを紹介してお
りました。また、東北大震災で
被災した犬の除染からセラピー
ドッグに育て上げた例も示し、
感動的な講演でした。
両講演とも新型コロナウイルス
感染症対策を施し開催されまし
た。両講演とも本学の学生や教職
員にとり極めて有意義な内容でし
た。 S
:「ヴェーバーは、労働
は禁欲と言っていたが、いま労
働は欲望になった。」と先生が
言っていたことを覚えていま
す。
私
:そう。時代を隔てて労
働の意味が変化したことを言い
たかったんだよ。
S
:禁欲は欲望か~
私
:もちろん、生活のため
に労働するのは現代でも同じな
んだけど、一部の人たちにとっ
ては貪欲のために労働するとい
うことが起こっているんだよ。
Greed is good “
ってね。 ”
S
:あのゴーンみたいな人
たち?
私
:そうかもしれない。で
も、あなたも卒業して、働くつ
もりでしょう。働くということ
をどう理解しているのかな。
S
:・・・・
zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz ような問題に切り込んだこと
は、非常に有意義なことであり、
これからの彼女の人生において
も、大いに役立つことであろう。
自殺に対する西欧の考え方
と、日本の考え方には大きな
違いがある。特に、日本人の
心の中には、心中に対し、許
容する傾向が強くある。曾根
崎心中などの心中ものに代表
される共感の意識がそこにあ
る。明治に入っても、芥川や太 宰に代表される心中へのあこ
がれのようなものがそこにある。
この結果、欧米において母子心
中を図った母親が、全くそのつ
もりもなく、ベービーキラーの
名前で呼ばれ、凶悪な犯罪者と
して扱われるという事例もあ
る。また、特に切腹に代表され
る形式化された畏敬の対象とな
る自殺すらある。
このような西欧と日本の大き
な違いの底には、文化的・宗教
自殺の認識― 否定と許容
社会福祉学部 講師 柘植 秀通 今年度、私のゼミにおいて、
何とか論文を完成させた学生が
出た。社会福祉学部においては、
論文は必須ではなく、しかも社 会福祉士の国家試験に多大な労
力を傾けねばならない中で、論
文を作成することは、決して容
易なことではない。それに挑戦
し、何とか形にすることができ
たことは、本当にその努力には
称賛を惜しまない出来事であ
る。
彼女が作成した論文は、自殺
についてであった。自殺とは許
されるべき行動であるのか、許
されざる行動であるのかとい
う、テーゼについての検討を行
うペーパーであった。自殺とい
う事象は、世界的に見ても、重
要な事象であり、死亡原因の
15
位以内に位置し、殺人による死
者数に倍するものである。この
談話室
的な相違が存在する。この相違
について、彼女は踏み込み、自
殺が許さるべきかどうかという
点に迫った。特に、日本人の持
つ特性に鑑み、さらには、いか
に自殺に対応すべきかを考察し
てみせた。この自殺への認識
が、将来彼女にどのような指標
を示すかはわからないが、大き
な一歩となったことを感謝して
いる。是非、この経験を生かし
てほしいものである。
(3) 第 83 号 2021(令和3)年3月30日(火) 弘 学 時 報
2021年1月
30日(土)、
英語・英米文学科では卒業研究
のポスター発表会を開催しまし
た。今年度の4年生が自分の卒
業研究についてのポスターを
作成し、学会のポスターセッ
ションのような形で発表しまし
た。発表は英語によるものも
日本語によるものもありまし
た。将来の卒論テーマと研究方
法の参考となるように、これま
この度、二〇二〇(令和二)年
度の成績優秀者が決まりまし
た。
この賞は、社会福祉士・精神
保健福祉士養成課程修了者で、
学業成績・人物ともに優秀であ
る学生に対し贈られるもので
す。
日本ソーシャルワーク教育学
校連盟成績優秀表彰者は、清野
孝宜さん(社会福祉士養成課
程)、田村晃大さん(精神保健
福祉士養成課程)です。 と考えました。特別な支援を要
する学生については、多くの大
学が対応に取り組んでおり、本
学でもそれぞれがきめ細やか
な支援を行ない看護学部では
チューター制度で支援を行って
います。しかし、支援を要する
学生へは、暗中模索しながら対
応しているところです。そこで
学生相談の第一線で活躍されて
いる方を講師に招き、啓発され
多くの示唆を受けることができ
ました。
テーマは「学生相談による理
解と支援~特別な支援を要する
学生対応のヒント~」、講師は
弘前大学保健管理センター講師
で臨床心理士の高橋恵子先生。
日時は令和3年2月
17日(水) 17: 40~ 19: 10。参加人数は 17名(看護学部9名、文学部・
社会福祉学部5名、事務部3
名)でした。時間帯により参加
したくてもできない教職員が多
いため、講師へ録画の許可をい
ただき、機器管理センター職
員のアドバイスを受けながら、
Teamsでオンデマンド配信
英語・英米文学科の卒業研究 のポスター発表会
日本ソーシャルワーク教育学校 連盟の成績優秀者表彰される
2月8日に、弘前れんが倉庫美術館にて「文学散歩」を行い
ました。私は、今年度の「文学
散歩」の企画担当をしていまし
た。今回の企画は、学芸員資格
の取得を目指す方にとっては特
に興味深いものだったのではな
いかと思います。
ガイドの方に、美術館の建物
についてのお話を伺いました。煉瓦倉庫は元々、シードルを醸
造する倉庫などとして使われて
いて、改修の際、煉瓦倉庫の名
残を感じられるような造りにし
たそうです。また、入口の煉瓦
は通称「弘前積み」と呼ばれる 象に残りました。左右に4枚ず
つ展示された絵の風景が、右と
左で対になっていたのが印象的
でした。今年度はこの企画の他
に、
10月に三沢市で寺山修司記
念館などを巡る企画を予定して
いましたが、コロナ禍で断念せ
ざるを得ませんでした。しかし、
企画するにあたって寺山修司に
ついて調べたことが予備知識と
なり、この展示に興味を引かれ
ることに繋がったのではないか
と思います。
「
文学散歩」は、青森県出身
の文豪などを取り上げ、その人
物にゆかりのある場所を巡るこ
とが多いです。今回はそれとは
少し異なり、「弘前」という地域
に根付いた煉瓦倉庫、そして煉
瓦倉庫を改修して2020年に
開館した美術館を取り上げまし 看護学部では大学教育の根源
に立ち返ることを目的に、大学
で学ぶことについての講演会を
2年続けてきましたが、今年度
は、もう一つの核となる研修と
して学生支援について深めたい
111111111111111111111
弘 前 れ ん が 倉 庫 美 術 館 へ の 「文 学 散 歩 」
日本語・日本文学科3年 柴田 優貴
卒業研究を終えて
看護学部 看護学科4年 木村絢芽 高橋琴乃
高度な技術を用いているそうで
す。入口はアーチ状になってい
て、かまくらのように、中に入
ると少し暖かさを感じる空間に
なっていました。
今回鑑賞したのは、開館記
念・秋冬プログラムの「小沢剛
展」です。ブースごとに映像と
絵が展示されていて、二つが合
わさって一つの作品になってい
ました。絵を1枚1枚じっくり
と鑑賞したり、ブース全体を見
渡して見え方の違いを味わった
りしながら、独特な世界観に浸
りました。
特に、寺山修司のブースが印 2月
20日(土)、看護学部の
卒業研究発表会が行われまし
た。この日の発表のために私た
ち看護学部の4年生は、担当教
員と共に、実習や就職活動、国
家試験の勉強などと平行しなが
ら卒業研究を進めてきました。
私たちは、「幼児期・青年期
の双子をもつ母親の育児不安内
容―2つの事例から見えてきた
育児への思い―」というテーマ
で研究を進めてきました。先行 研究から、多胎児の母親は単胎
児の母親に比べ不安を抱きやす
く、育児に対し問題を抱えてい
ることが分かりました。さらに、
先行研究では、乳幼児期の多胎
児をもつ母親への調査はあった
のですが、学童期・青年期の
多胎児をもつ母親への調査がな
いことに気づきました。そこ
で、私たちは、幼児期の多胎児
をもつ母親1名と青年期の多胎
児をもつ母親1名を調査の対象
とし、研究を行いました。
調査方法として、アンケート
調査を行い、児の発達段階別に
育児中に嬉しかったこと、大変
だったこと、一番育児不安を感
じた時期を聞き、自由記載欄で
はその具体的な内容を記載して
もらうようにしました。学童期
・青年期の双子をもつ母親への
研究がないため、アンケート調
11111111111111111111111111
11111111111111111111111111111111
では1~3年生も参加していま
したが、今年はコロナウイルス
対策のため、4年生のみの参加
となりました。新年度になって
から学生が見ることができるよ
うに、今年のポスターを1号館
3階に掲示します。今年度の
4年生の卒業研究に興味があ
る人はぜひご覧ください。今
年度の英語・英米文学科4年
生の卒業論文の例を英語・英
111111111111111111111 1111111111111111111111111111111111111111111 11111111111111111111111111111111111111111111111111111 米文学会の学会誌に掲載しま
した。学会誌は以下のURLで閲覧できます:https:// 査を行うにあたって、育児中の
嬉しかったこと、大変だったこ
とを様々な文献を参考にし、項
目を作ることが難しかったで
す。
アンケート結果から、青年期
の双子をもつ母親の一番育児不
安を感じた時期が、青年期だと
知り、双子をもつ母親の育児不
安は、青年期までに及ぶことが
分かりました。そのため、私た
ちは、乳幼児期だけでなく、学
童期や青年期の双子をもつ母親
を対象に、多くの調査をするべ
きだと感じました。さらに、調
査から得られた母親のニーズに
応じた支援の充実化を図る必要
があると思いました。
この研究で、乳児期、幼児期
だけでなく青年期までの長い期
間で双子の育児を理解し、一例
一例を継続的に支援していく必
要があると学んだため、この学
びを臨床の場でも生かしていき
たいと思います。 並びにDVD閲覧をおこないま
した。それにより多くの方の講
演会参加が可能となりました。
「
つまづきを次につなげ、心
の成長を支える支援」「頭の理
解と違う、心も問題」「人間の
心はなぜ思い通りにならない
か」「自分の心の構造を知る」「人
間の心にはいくつかの力が働い
ている」「ほとんどの人は、自
分の心が一つと考えている。そ
れを3つ、あるいは5つの別の
自分と考えると理解できる」「1
つの心が決心しても他の心が反
対してしまう」など、とても考
えさせられる講演でした。私自
身が学生支援時に、こう考える
ともっと生き方が楽になるので
はという思いでアドバイスする
ことがあったが、変わりたくて
も変われないこと、また頭でわ
かっても心が反対してしまって
いたことを考えさせられまし
た。心の構造を知るエゴグラム
が活用され、P、A、Cそれぞ
れの葛藤があり、頭でわかって
も、お腹が痛い等気持ちの葛藤
がある。変わるのには時間がか
かる、いわゆる心の悩みは思い
通りにならないことを理解す
る。C優位の学生は、変わりた
いでも変わりたくないという心 のアンビバレントな面、心の影
の部分を理解する必要がある。
Cという心の背景を理解し、言
語よりもノンバーバルな持ち物
服装など体のメッセージとして
あらわれている。体言葉の観察
アセスメントをして、睡眠入浴
運動など体の調子を整えるなど
体からアプローチしていく。自
分の強みを見つける。最後に心
の栄養ストローク、プラスのス
トロークを得ている限り人の心
は安定する。心の3つの側面を
見極め「変えられないものを受 け入れる心の静けさ、変えられ
るものを変える勇気、見分ける
英知が必要。」
母性看護学を担当しているも
のとして、子どもへの「心の栄
養」の「プラスのストローク」
心の安定につながる子育てなど
にも思いを馳せた講演でした。
心は一つではない。光もあれば
影もある。影を理解し支援して
いく。今後の支援へ多くの示唆
を得ることができました。さら
に学生支援には専門的支援の場
も必要であると感じました。 www.hirogaku-u.ac.jp/faculty/bungaku/activty/e_literature/。
た。時間が足りなくなるくらい、
とても魅力的な美術館でした。
団体だったからこそ聞くことの
できたお話もあったかと思いま
すが、春からは展示を一新する
と聞いたので、今度は個人でも
行ってみたいと思いました。
看護学部FD講演会を終えて
看護学部FD委員会委員長 大瀬 富士子
(4) 第 83 号 2021(令和3)年3月30日(火) 弘 学 時 報
この四年間で得られたのは
看護の知識だけではない。友
と喜怒哀楽をもって遊んだ、
かけがえのない記憶も四年間
で得た大きなものだ。夏季休
暇や冬季、春季休暇を利用し、
岩木山への登山、バンガロー
への宿泊、オープンカーでの
海辺のドライブ、その他さま
ざまな経験を友とはしてきた。
一年生、二年生の時分は、「友
とはまだまだ何度も会える。」
と自身に言い聞かせていたが、
そんな言葉ももう使うことは
できない。なぜもっと会わな
かったのか、今になって後悔
の念だけが先立ってしまう。
四年間お世話になった、友、
先生方、家族、大学生活を陰
ながら支えてくれた事務の
方々に感謝し、単純ではない
色々な意味を込め、「ありがと
うございます。」とだけ言いた
いと思う。 四年間の大学生活も終わり
を迎え、寂しい気持ちでいっ
ぱいです。
大学で過ごした日々を振り
返ると、とても満足のいく四
年間であったと感じておりま
す。入学当初は、これからの
新しい学び舎で、看護の道
を目指そうと期待や不安を持
ちながら入学したのがすでに
四年前。卒業の時を迎え、色々
な思い出がその時の感情を交
えながら思い出される。
入学したては、それまでの学
び方とは違う、大学ならではの
学び方にその都度戸惑い、どう
学んでいくかに四苦八苦してい
た。しかし、友と互いに助け合
いながら、いつの間にか学び方
を覚えていた。そのあとに待っ
ていた幾度の困難な時も友や、
先生、家族に支えられ、今ここ 一緒になってがんばることが
できた仲間たちにも感謝して
ます。
しかし私は、教員の道には
進みません。在学中に自分の
やりたいことが見つかったか
らです。大学生活では自由な
時間が多く、その中で自分の
夢が他に見つかりました。こ
れからはその道に進み、自分
を活かせるように過ごしてい
きたいと思っています。
大学を卒業するまでに就職
活動をして、卒業後の就職先
を見つけなければなりません。
その際、自分のやりたいこと
を職業にできるようにしてほ
しいと思います。そうすれば
きっと社会人生活も充実する
はずです。ぜひ大学生活のな
かで色々なことに挑戦して自
分のやりたいことを見つけて
ほしいと思います。
長いようでとても短かった
大学での四年間を良いものに
yyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyy 大学での四年間を振り返る
と思い浮かぶのはいい思い出
ばかりで、とても充実してい
ました。入学後にリトリート
があり、教員、同期の学生と
一日過ごすことですぐに仲を
深めることができ、いい大学
生活のスタートを切ることが
できました。 私は英語教員になるために
英語・英米文学科に入学し、
教職課程を履修することに決
めました。教職課程を履修す
ることで講義の数はとても多
く、テストやレポートは大変
でしたが、一緒に教職課程を
履修していた仲間たちと勉強
する時間がとても楽しく、そ
のようなことも乗り越えるこ
とができました。その結果、
無事中学・高校英語の教員免
許を取得して卒業することが
でき、嬉しく思います。また、 大学生活に対する大きな期待
と喜びで胸を膨らませていた
ことを思い出します。
大学生活においては、日々
の講義が楽しく、空き時間を
活用してまで、講義内容の復
習に励んで参りました。
さらに、オープンキャンパ
スのスタッフやボランティア
活動に積極的に参加し、自身
の活動の幅を広げてきました。
そんな充実した大学生活に
おいても、時には悩み、立ち
まで来ることができた。そんな
中でも、国家試験や実習は自分
の力だけでは乗り越えることが
できなかった。知識の部分は自
分自身で補えても、精神的な面
は自分一人では保てなかったと
思う。
多くある思い出から1つ取
り上げるとすれば、実習の朝、
引率の先生や友と、「残り~日、
乗り越えていきましょう。」と
士気を高め合ったこと。この
ことで互いに実習に励む友を
感じながら、自分も頑張らね
ばと思っていたことをよく覚
えている。そんな友やお世話
になった先生方とは、卒業を
機に頻繁に会うことがなくな
ると思うと、侘しい気持ちが
こみ上げてくる。
大学生活を振り返って
社会福祉学部 社会福祉学科卒 須藤 咲季
四年間の大学生活を振り返って
看護学部 看護学科卒 蝦名 弘好 止まることも多くありました。
講義や演習においては、学
年が上がるにつれ、より専門
的な知識や考えが求められる
ことから、プレッシャーを感
じ、なかなか前に進めないと
きもありました。
社会福祉・精神保健福祉実
習においては、専門職として
対応することへの難しさを痛
感し、自分にこの仕事は向い
ていないのではないかと不安
に思うこともありました。
そんなとき先生方の丁寧な
ご指導やアドバイス、友人か
らの励ましがあったおかげで、
自分を客観的に見つめ直し、
存在がなければ乗り越えられ
なかったことが、数えきれな
いほどあります。励まし合い、
共に乗り越えてきた友人には
感謝しかありません。
また、大変だった出来事は
一方で、自分を成長させてく
れるものでもありました。特
に実習を通して学んだことは、
自分を大きく変えてくれまし
た。現場で実際に体験してみ
ることで初めて分かったこと
がたくさんあります。実習で
は必要な知識を学ぶことがで
きただけでなく、視野を広げ
ることもできたと感じていま す。人と関わることで、自分
にはない視点から物事を捉え
られるようにもなりました。
そして実習における様々な経
験は、「きっとこれから先も
やっていけるだろう」という
自信にも繋がりました。四月
から新しい環境に身を置くこ
とに不安もありますが、これ
らのことを活かして精進して
いきたいと思います。決して
学ぶ姿勢を忘れることなく生
卒業を迎えて
文学部 日本語・日本文学科卒 下山 あり紗
大学での四年間は、長いよ
うであっという間でした。入
学当初は期待よりも、これか
ら上手くやっていけるのかど
うか、不安に思う気持ちの方
が大きかったことを今でも覚
えています。しかし、優しい
友人たちや先生方に囲まれ、
本当に充実した時間を過ごす
ことができました。当時は何
気なく過ごしていた友人との
時間が、今になって思い返し てみると特別なものに感じら
れます。
大学生活は楽しい反面、大
変だと感じることもたくさん
ありました。講義の多さに戸
惑い、課題に追われ、ついて
行くのがやっとだった頃もあ
ります。課題発表や実習、就
職活動が思うようにいかず、
悩むことも多かったです。け
れど、悩んだ時はいつも友人
が支えてくれました。友人の yyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyy
yyyyyyyyyyyyyyyyyy yyyyyyyyyyyyyyyyyy
二〇 二〇 年度 理事長賞授与者
文学部 英 語・英米文学科 山 口 尚 人 日本語・日本文学科 下 山 あり紗 社会福祉学部・社会福祉学科 須 藤 咲 季 看護学部・看護学科 蝦 名 弘 好
yyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyy yyyyyyyyyyyyyyy
yyyyyyyyyyyyyyyyyyy
活していきたいです。
常に多くの支えがあったか
らこそ、こうして無事に卒業
の日を迎えることができまし
た。
今までお世話になった先生
方、ともに楽しい時間を過ご
した友人たち、そして一番近
くで私を支え見守ってくれた
家族には、本当に感謝してい
ます。四年間本当にありがと
うございました。 前に進むことができました。
さらには、日々成長し続ける
自分に喜びを感じるようになり
ました。本当に嬉しく思います。
四月からは、社会人として自
分の決めた道に進みます。そこ
は、決して容易な道ではなく、
自分の思うままに進むとは限ら
ないと思います。そんな時は、
大学四年間で培ってきた経験や
学びを思い出し、乗り越えてい
きたいと思います。
これまで、支えてくれた友
人、先生方、関わったすべて
の方々に心より感謝を申し上
げます。本当にありがとうご
ざいました。
祝卒業
できたのは、家族はもちろん、
空きコマがあればどこかに遊
びに行ったり、休日には夜遅
くまでバーベキューをしたり、
どんなことにも付き合ってく
れた仲間たちや、英語・英米
文学科ならではのフランクな
関係性でイベントを盛り上げ
てくださった教員のおかげだ
と思っています。四年間の思
い出作りに関わってくれた全
ての人に感謝の気持ちでいっ
ぱいです。ありがとうござい
ました。
四年間の大学生活
文学部 英語・英米文学科卒 山口 尚人