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(1)

二〇二一(令和三)年度 東北学院高等学校入学試験問題

        〈一般

   国 語   A 日程〉

注意事項

  一.受験番号・氏名を解答用紙にはっきり記入しなさい。

  二.解答は、すべて解答用紙に記入しなさい。

  三.解答用紙だけを提出しなさい。

二〇二一(令和三)年二月二日 ( 火) 九時~九時五〇分(五〇分間)

著作権に関する注意

本校の入試問題は著作権の対象となっており,著作権法で保護されています。

「私的使用のための複製」や「引用」など著作権法上認められた場合を除き,無断で複製・転用することはできません。

お 断 り

本校の入試問題中で引用した文章・文献等について,著作物保護の観点から一部掲載を控えた箇所があります。ご了承ください。

(2)

【文章Ⅱ】

  なぜ人は自分を抑えてまで、他者との関係にこだわるのだろうか。なかには、次のような意見を述べる人がいるかもしれない。

  「自分なりの価値観に自信をもっていて、的確にそれを実現できれば十分ではないか。他人に自分を認めてもらおうとするのは、結局、自

分の存在意義の確認を他人に依存しているだけで、自立できていない証拠ではないか」

  もし、こうした意見が正しければ、人間にとって本当に必要なのは、私的な自己制御の方だけということになる。しかし、こうした考え方

は対人関係や社会のもつ重要性をあまりに軽く考えすぎているように思われる。

いるという。(中略) 現代人はこうした自然の「ふるい」を通り抜けてきた人々の末裔であり、したがって、生得的に社会への所属を求める性質を強く受け継いで まつえい 団」だったわけである。逆に言えば、集団を形成することを嫌った個人は自然淘汰の圧力によって、後世に遺伝子を残すことができなかった。 とう で達成し、厳しい自然環境を生き延びてきた。鋭い牙も鋭敏な感覚ももたなかった人類にとって、生存と遺伝子継承のための最大の武器が「集 きば 食料の分配、配偶者との出会い、子どもの保護や養育、狩猟、略奪者に対する防衛など、様々な課題を私たちの祖先は互いに協力し合うこと need to belong 述べている。これを、所属の要求()と呼ぶ。集団に所属することは、生存や遺伝子の継承という面で多くの利益が得られる。   バBaumeister & Leary, 1995 ウマイスターとリアリー()によれば、人間にはそもそも社会や集団に所属しようとする生得欲求があると せいとく

  「社会」とは一種のデータバンクである。個々人の体験や発見が世代を超えて社会のなかに蓄積されている。食料の生産や備蓄の方法、疾

しっ

ぺいの予防や医療技術、社会を安定させるための法的構造、これら生活上不可欠な知識のほとんどは過去の人々の遺産であり、また、現代人はこれに新たな情報を付け加えて次世代に引き渡してゆく。こうして進化してゆく社会は、その時代の資源をフルに利用し、必要な物品やサービスを私たちに供給してくれる。蛇口をひねれば飲用水が出る。消防署に電話をすれば救急車が駆けつける。狩りをせずとも食用の肉を手に入れられる。学校に行けば教育を受けられるし、友情や愛情を深めるための様々な場所やコミュニケーションの方法も充実している。私たちがこんな生活を送れるのは、脳がサルよりも優れているからではなく、生活を維持し楽しむための諸 もろもろの資源を供給してくれる「社会」に所属しているからに他ならない。

  特殊なサバイバル訓練を受けていない限り、大自然のなかで独りになった人間は長く生存できない。「社会」が与えてくれる諸々の資源が

頼みの綱なのである。ところが、社会はすべての個人に対して平等に資源を分け与えてはくれない。貧富の差といった言葉に端的に表されるように、豊富な資源を費やして快適な生活を送れる人と、わずかな資源でぎりぎりの生活を迫られる人がいる。こうした違いを生じさせる要

   次の【文章Ⅰ】は、駅での座りこみや電車内での化粧など、公共空間での若者の行動について述べた文章です。また、【文章Ⅱ】は、人が他者に見られる自分のイメージを自己コントロールする「印象管理」について述べた文章です。これらを読んで後の問いに答えなさい。   (一部本文を改めたところがあります。)

【文章Ⅰ】

  若者たちにも羞

しゅう心が存在するとするならば、なぜ、彼らは公共の空間で奇妙な行動ができるのだろうか。そこに、日本人の対人関係構造の変化があるように思われる。

  かつて、日本人の人間関係は大きく三つの領域から構成されていたという。ミウチ、セケン、タニンである。ミウチとは家族や親族のよう

に親密な間柄である。一方、タニンとは、遠方の地域に住む人や旅先での関係のように、生活上の利害関係がない人々を指す。ミウチとタニンの間の中間的な位置にある関係がセケンである。そして、このセケンこそ、日本人が恥を覚えやすい対象であった。ミウチは失うことのできない重要なパートナーであるが、少々のわがままや失態は許してくれる。一方、タニンに甘えは通じないものの、そもそも関係がないのだから、どう思われようが問題はない。これに対し、セケンはミウチと同様、関係を保たなければならない相手であるものの、ミウチと違って甘えがきかない。迷惑をかけたり失態をさらしたりすれば縁を切られる恐れもある。地縁社会に生きる人々にとって、セケンは生活の舞台そのものであり、だからこそ、何かみっともない姿をさらしたりしたときには強い恥の意識を覚えることになった。

  ところが、近年、地域社会の崩壊とともに近隣関係の機能は急速に低下しつつある。こうした社会状況のなかで幼少期から育ち、また、や

がてはその土地を離れてゆく若者たちにとって、近隣関係の重要度は低くなった。これに伴って地域の人々が集う駅前周辺も、その延長線上の車内も、以前のような意味でのセケンではありえなくなった。公共空間は共同生活を営む人々の集まりではなく、あくまで、自分とは無関係な人たちが偶然居合わせる場に過ぎない。若い人たちが、公共の場で行き交う人々の視線を気にしなくなった背景には、こうした社会構造の変化がありそうだ。

  ※羞恥心……恥ずかしく感じる気持ち。

  ※地縁社会……一定の地域の人間関係によって結ばれる社会。 一

著作物保護のため掲載を控えます

(3)

【文章Ⅱ】

  なぜ人は自分を抑えてまで、他者との関係にこだわるのだろうか。なかには、次のような意見を述べる人がいるかもしれない。

  「自分なりの価値観に自信をもっていて、的確にそれを実現できれば十分ではないか。他人に自分を認めてもらおうとするのは、結局、自

分の存在意義の確認を他人に依存しているだけで、自立できていない証拠ではないか」

  もし、こうした意見が正しければ、人間にとって本当に必要なのは、私的な自己制御の方だけということになる。しかし、こうした考え方

は対人関係や社会のもつ重要性をあまりに軽く考えすぎているように思われる。

いるという。(中略) 現代人はこうした自然の「ふるい」を通り抜けてきた人々の末裔であり、したがって、生得的に社会への所属を求める性質を強く受け継いで まつえい 団」だったわけである。逆に言えば、集団を形成することを嫌った個人は自然淘汰の圧力によって、後世に遺伝子を残すことができなかった。 とう で達成し、厳しい自然環境を生き延びてきた。鋭い牙も鋭敏な感覚ももたなかった人類にとって、生存と遺伝子継承のための最大の武器が「集 きば 食料の分配、配偶者との出会い、子どもの保護や養育、狩猟、略奪者に対する防衛など、様々な課題を私たちの祖先は互いに協力し合うこと need to belong 述べている。これを、所属の要求()と呼ぶ。集団に所属することは、生存や遺伝子の継承という面で多くの利益が得られる。   バBaumeister & Leary, 1995 ウマイスターとリアリー()によれば、人間にはそもそも社会や集団に所属しようとする生得欲求があると せいとく

  「社会」とは一種のデータバンクである。個々人の体験や発見が世代を超えて社会のなかに蓄積されている。食料の生産や備蓄の方法、疾

しっ

ぺいの予防や医療技術、社会を安定させるための法的構造、これら生活上不可欠な知識のほとんどは過去の人々の遺産であり、また、現代人はこれに新たな情報を付け加えて次世代に引き渡してゆく。こうして進化してゆく社会は、その時代の資源をフルに利用し、必要な物品やサービスを私たちに供給してくれる。蛇口をひねれば飲用水が出る。消防署に電話をすれば救急車が駆けつける。狩りをせずとも食用の肉を手に入れられる。学校に行けば教育を受けられるし、友情や愛情を深めるための様々な場所やコミュニケーションの方法も充実している。私たちがこんな生活を送れるのは、脳がサルよりも優れているからではなく、生活を維持し楽しむための諸 もろもろの資源を供給してくれる「社会」に所属しているからに他ならない。

  特殊なサバイバル訓練を受けていない限り、大自然のなかで独りになった人間は長く生存できない。「社会」が与えてくれる諸々の資源が

頼みの綱なのである。ところが、社会はすべての個人に対して平等に資源を分け与えてはくれない。貧富の差といった言葉に端的に表されるように、豊富な資源を費やして快適な生活を送れる人と、わずかな資源でぎりぎりの生活を迫られる人がいる。こうした違いを生じさせる要

著作物保護のため掲載を控えます

(4)

問一     部「なぜ、彼らは公共の空間で奇妙な行動ができるのだろうか」について、その理由の説明としてふさわしいものを次の中から一つ選び、記号で答えなさい。

   ア

  若者にとって、地域社会とは物心ついたときにはすでに消滅していた場であり、公共空間に居合わせる人々とは生活上の利害関係を

感じる必要がないから。

   イ

  若者にとって、地域社会の人間関係は次第に重要でなくなり、公共空間に居合わせる人々は、たまたまそこにいるだけの気づかいの

必要のない相手だから。

   ウ

  日本からセケンの機能が失われたことにより、若者はタニンに甘えて過ごすことができなくなり、自分の考えを行動でアピールする

必要が生じたから。

   エ

  日本ではミウチの親密な間柄が次第に希薄になり、その中で幼少期を過ごした若者は、自分の行動が周囲に及ぼす影響を学ぶことが

できなくなったから。

問二     部敢「ミウチとタニンの間の中間的な位置にある関係がセケンである」について、「中間的な位置」とは「セケン」のどのような特徴を指しますか。次の   A   、   B   に当てはまる語句を、指定された字数で本文中から抜き出して答えなさい。

問三     部柑「対人関係や社会のもつ重要性」に当てはまらないもの 444444444を次の中から一つ選び、記号で答えなさい。

   ア  生存を保ったり遺伝子を継承したりすること。

   イ

  生活上の知識を次世代に伝えていくこと。

   ウ

  さまざまな方法で友情や愛情を深めること。

   エ

  進化によってサルよりも優れた脳を得たこと。

   オ

  社会に蓄積された過去の遺産を利用すること。   ミ

ウチと同様に    A(十三字)   が、ミウチと違って

  B(七字)

  が許されない特徴。 因はいくつか考えられるが、個人というレベルに注目したとき、決定的に重要なのは「社会」からその個人がどれだけ高い評価を得ているかという点である。

  科学技術でも芸術でもエンターテイメントでも、社会の発展に寄与し、人々の幸福に何らかの貢献ができる人は、通常、他者から期待され

仕事をしやすい有利な環境を与えられる。また、人格的に魅力ある人物は、多くの人から慕われ、かわいがられ、人的なネットワークを通して様々な情報や機会やサービスが提供されるだろう。外見的魅力、リーダーシップ、人望、人格、ユーモア、知性、体力、コネクション  人間の社会には個人を評価するための様々な基準が用意されていて、それらのパラメーター値が高い個人ほど、より多くの資源が与えられるというルールが普遍的に成立しているようだ。印象管理は、まさにこうしたルールに個人が適応するためのシステムなのである。

(Ⅰ・Ⅱともに、菅原健介編著『ひとの目に映る自己』より)

  ※バウマイスターとリアリー……ともに社会心理学者。

  ※生得……生まれながらに備えている、ということ。

  ※淘汰……生存競争によって、適応するものが生き残ること。

  ※末裔……子孫。

  ※データバンク……情報を収集、蓄積するための機関。

  ※パラメーター……もとは数学で「変数」の意味だが、ここでは「結果に影響を与える値」の意味で使われている。

著作物保護のため掲載を控えます

(5)

問一     部「なぜ、彼らは公共の空間で奇妙な行動ができるのだろうか」について、その理由の説明としてふさわしいものを次の中から一つ選び、記号で答えなさい。

   ア

  若者にとって、地域社会とは物心ついたときにはすでに消滅していた場であり、公共空間に居合わせる人々とは生活上の利害関係を

感じる必要がないから。

   イ

  若者にとって、地域社会の人間関係は次第に重要でなくなり、公共空間に居合わせる人々は、たまたまそこにいるだけの気づかいの

必要のない相手だから。

   ウ

  日本からセケンの機能が失われたことにより、若者はタニンに甘えて過ごすことができなくなり、自分の考えを行動でアピールする

必要が生じたから。

   エ

  日本ではミウチの親密な間柄が次第に希薄になり、その中で幼少期を過ごした若者は、自分の行動が周囲に及ぼす影響を学ぶことが

できなくなったから。

問二     部敢「ミウチとタニンの間の中間的な位置にある関係がセケンである」について、「中間的な位置」とは「セケン」のどのような特徴を指しますか。次の   A   、   B   に当てはまる語句を、指定された字数で本文中から抜き出して答えなさい。

問三     部柑「対人関係や社会のもつ重要性」に当てはまらないもの 444444444を次の中から一つ選び、記号で答えなさい。

   ア  生存を保ったり遺伝子を継承したりすること。

   イ

  生活上の知識を次世代に伝えていくこと。

   ウ

  さまざまな方法で友情や愛情を深めること。

   エ

  進化によってサルよりも優れた脳を得たこと。

   オ

  社会に蓄積された過去の遺産を利用すること。   ミ

ウチと同様に    A(十三字)   が、ミウチと違って

  B(七字)

  が許されない特徴。

(6)

二   次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。(一部本文を改めたところがあります。)   昼休みの教室には、机をくっつけたいくつもの島ができていた。大陸と呼びたいような大所帯もある。中学の給食の時間とは違う。めいめ

い仲の良い相手と昼食をともにすることができる。

  入学式から半月以上過ぎた。僕は教卓の近くの、机みっつ分の島にいる。宮多を中心とする、五人組のグループだ。

  宮多たちは、にゃんこなんとかという僕の知らないスマホゲームの話で盛り上がっている。猫のキャラクターがたくさん出てきて戦うのだ という。ゲームをする習慣がないから、意味がよくわからない。さっきからぜんぜん会話に入れない。課金とかログインボーナスという単語が飛び交っている。もう、相 あいづちすら打てなくなってきた。

  祖母の顔を思い出して、懸命に話についていこうとした。だって友だちがいないのは、よくないことなのだ。家族に心配されるようなこと

なのだから。「なあ、松岡くんは」

  宮多の話す声が、途中で聞こえなくなった。ふいに高杉くるみが視界に入ったから。

  世界地図なら、砂粒ほどのサイズで描かれる孤島。そこに彼女はいた。箸

はしでつまんだたまごやきを口に運んでいる。唇の両端がきゅっと持ち上がった。虚勢を張るわけでもなく、おどおどするでもなく、たまごやきを味わっている。その顔を見た瞬間「ごめん」と口走っていた。「え」「ごめん。俺、見たい本あるから席に戻るわ」

  ぽかんと口を開ける宮多たちに、背を向ける。

  図書室で借りた、世界各国の民族衣装に施された刺

しゅうを集めた本を開く。宮多たちがこの本に興味を示すとは到底思えない。わかってもらえるわけがない。ほんとうは『明治の刺繍絵画名品集』というぶあつい図録がよかった。残念ながらそちらは貸出禁止になっていたのだ。どのように糸を重ねてあるか、食い入るように眺める。ここはこうなって、こうなってて。勝手に指が動く。

  主人公

の「僕」(松岡)は、縫い物が趣味の高校一年生である。友人の宮 みやたちとは趣味の違いもあり、一定の距離を取って付き合っている。次の文章は、高校に入学してから半月後の場面である。

問四     部桓「個人というレベルに注目したとき、決定的に重要なのは『社会』からその個人がどれだけ高い評価を得ているかという点である」について、以下のようにまとめました。      に当てはまる語句を、本文の記述を参考にして書きなさい。

問五

きますか。与えられた枠内で記述しなさい。   【文章Ⅱ】の内容をふまえると、駅での座りこみや電車内での化粧など、【文章Ⅰ】が指摘する若者の奇妙な行動はどのように評価で

問六

  これらの文章を読んで、六人の生徒が話し合いを行いました。本文の内容に

合わないもの 444444を、次の中から三つ選び、ア~カの記号で答えなさい。

   ア

  生徒A    【文章Ⅱ】にある印象管理は、公の場できちんとした身なりをすることにも当てはまるね。他者からの期待や信頼を得られるという、自分へのメリットがあることだったんだね。

   イ

  生徒B    ぼくは自分の得になるからという理由で自分の外見を作るのは、打算的な態度だと思うな。ありのままの自分の姿が評価される社会が理想的だと思うよ。

   ウ

  生徒C    人々の価値観や考え方が時代とともに変化することは【文章Ⅰ】からも読み取れます。いずれ「見た目」に意味を見出すことは時代遅れになるんじゃないかな。

   エ

  生徒D    私は先日パンを食べながら歩いている人を見たけれど、ちょっといやな感じを受けました。でも、それを気にしない人もいるということは、社会の変化とも関係のあることだと、文章を読んで気づきました。

   オ

  生徒E    私たちが生きているのは、多くの見知らぬ人に開かれた空間であることに気づきました。【文章Ⅱ】にあるように、この社会から資源を得るためには、自分をいつわることも必要なんだね。

   カ

  生徒F    【文章Ⅰ】のように、駅前では知らない人ばかりだから、自分がどう見えるか気にしなかったけれど、【文章Ⅱ】のように「社会」という観点で見ると、自分もその一員であることに気付くね。

  社       会から高い評価を得ることによって、から。

(7)

二   次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。(一部本文を改めたところがあります。)   昼休みの教室には、机をくっつけたいくつもの島ができていた。大陸と呼びたいような大所帯もある。中学の給食の時間とは違う。めいめ

い仲の良い相手と昼食をともにすることができる。

  入学式から半月以上過ぎた。僕は教卓の近くの、机みっつ分の島にいる。宮多を中心とする、五人組のグループだ。

  宮多たちは、にゃんこなんとかという僕の知らないスマホゲームの話で盛り上がっている。猫のキャラクターがたくさん出てきて戦うのだ という。ゲームをする習慣がないから、意味がよくわからない。さっきからぜんぜん会話に入れない。課金とかログインボーナスという単語が飛び交っている。もう、相 あいづちすら打てなくなってきた。

  祖母の顔を思い出して、懸命に話についていこうとした。だって友だちがいないのは、よくないことなのだ。家族に心配されるようなこと

なのだから。「なあ、松岡くんは」

  宮多の話す声が、途中で聞こえなくなった。ふいに高杉くるみ

が視界に入ったから。

  世界地図なら、砂粒ほどのサイズで描かれる孤島。そこに彼女はいた。箸

はしでつまんだたまごやきを口に運んでいる。唇の両端がきゅっと持ち上がった。虚勢を張るわけでもなく、おどおどするでもなく、たまごやきを味わっている。その顔を見た瞬間「ごめん」と口走っていた。「え」「ごめん。俺、見たい本あるから席に戻るわ」

  ぽかんと口を開ける宮多たちに、背を向ける。

  図書室で借りた、世界各国の民族衣装に施された刺

しゅうを集めた本を開く。宮多たちがこの本に興味を示すとは到底思えない。わかってもらえるわけがない。ほんとうは『明治の刺繍絵画名品集』というぶあつい図録がよかった。残念ながらそちらは貸出禁止になっていたのだ。どのように糸を重ねてあるか、食い入るように眺める。ここはこうなって、こうなってて。勝手に指が動く。

  主人公

の「僕」(松岡)は、縫い物が趣味の高校一年生である。友人の宮 みやたちとは趣味の違いもあり、一定の距離を取って付き合っている。次の文章は、高校に入学してから半月後の場面である。

著作物保護のため掲載を控えます

(8)

「あんまり気にせんほうがええよ。山田くんたちのことは」「山田って誰?」

  僕の手つきを真似て笑っていたのが山田某

なにがしらしい。「私らと同じ中学やったで」「覚えてない」

  犬の集団にアヒルが入ってきたら、あつかいに困る。 柴犬の群れに交じったナポリタン・マスティフ。あるいはポメラニアン。集団の中でもてはやされる個性なんて、せいぜいその程度のものだ。   個しばいぬ 性は大事、というようなことを人はよく言うが、学校以上に「個性を尊重すること、伸ばすこと」に向いていない場所は、たぶんない。

  アヒルはアヒルの群れに交じれば見分けがつかなくなる。その程度のめずらしさであっても、学校ではもてあまされる。浮く。くすくす笑

いながら仕草を真似される。「だいじょうぶ。慣れてるし」

「うん、石」 「なにしてんの?」 しげしげと観察しはじめた。   けど、お気遣いありがとう。そう言って隣を見たら、くるみはいなかった。数メートル後方でしゃがんでいる。灰色の石をつまみあげて、

  うん、石。ぜんぜん答えになってない。入学式の日に「石が好き」だと言っていたことはもちろんちゃんと覚えていたが、まさか道端の石

を拾っているとは思わなかった。「いつも石拾ってんの?

  帰る時に」

「いつもではないよ。だいたい土日にさがしにいく。河原とか、山に」「土日に?

  わざわざ?」

「やすりで磨くの。つるつるのぴかぴかになるまで」

  放課後の時間はすべて石の研磨にあてているという。ほんまにきれいになんねんで、と言う頰がかすかに上気している。

手を伸ばした。指先で、しばらくすべすべとした感触を楽しむ。   ポケットから取り出して見せられた石は三角のおにぎりのような形状だった。たしかによく磨かれている。触ってもええよ、と言われて、

  ふと顔を上げると、近くにいた数名がこっちを見ていた。男女混合の四人グループのうちのひとりが僕の手つきを真

て、くすくす笑っている。「なに?」

  自分で思っていたより、大きな声が出た。他の島の生徒たちが気づいて、こちらに注目しているのがわかった。宮多たちも。でももう、あ

とには引けない。「なあ、なんか用?」

  まさか話しかけられるとは思っていなかったのか、ひとりがぎょっとしたように目を見開く。その隣の男子が「は?

  なんなん」と頰

ほおをひきつらせた。「いや、なんなん?

  そっちこそ」

  べつに。なあ。うん。彼らはもごもごと言い合い、視線を逸

らす。教室に、ざわめきが戻る。遠くで交わされるひそやかなささやきや笑い声が、耳たぶをちりっと掠 かすめた。

  校門を出たところでキヨくん、と呼ばれた。振り返ったその瞬間に、強い風が吹く。

  キヨくん。小学校低学年の頃のままに、高杉くるみは僕の名を呼ぶ。当時は僕も彼女を「くるみちゃん」と親しげな感じで呼んでいたのだ

が、学年が上がるにつれて会話の機会が減り、今ではもうどう呼べばいいのかわからない。「高杉さん。くるみさん。どっちで呼んだらええかな?」「どっちでも」

  名字が高杉というだけで塾の子らに「晋

しんさく」と呼ばれていた時期があって嫌だった、なので晋作でなければ、なんと呼ばれても構わないらしい。「高杉晋作、嫌いなん?」「嫌いじゃないけど、もうちょい長生きしたいやん」「なるほど。じゃあ……くるみさん、かな」

  歩いていると、グラウンドの野球部やサッカー部の声がどんどん遠くなっていく。今日は世界がうっすらと黄色くて、遠くの山がぼやけて

見えた。春はいつもそうだ。すべての輪郭があいまいになる。

著作物保護のため掲載を控えます

(9)

「あんまり気にせんほうがええよ。山田くんたちのことは」「山田って誰?」

  僕の手つきを真似て笑っていたのが山田某

なにがしらしい。「私らと同じ中学やったで」「覚えてない」

  犬の集団にアヒルが入ってきたら、あつかいに困る。 柴犬の群れに交じったナポリタン・マスティフ。あるいはポメラニアン。集団の中でもてはやされる個性なんて、せいぜいその程度のものだ。   個しばいぬ 性は大事、というようなことを人はよく言うが、学校以上に「個性を尊重すること、伸ばすこと」に向いていない場所は、たぶんない。

  アヒルはアヒルの群れに交じれば見分けがつかなくなる。その程度のめずらしさであっても、学校ではもてあまされる。浮く。くすくす笑

いながら仕草を真似される。「だいじょうぶ。慣れてるし」

「うん、石」 「なにしてんの?」 しげしげと観察しはじめた。   けど、お気遣いありがとう。そう言って隣を見たら、くるみはいなかった。数メートル後方でしゃがんでいる。灰色の石をつまみあげて、

  うん、石。ぜんぜん答えになってない。入学式の日に「石が好き」だと言っていたことはもちろんちゃんと覚えていたが、まさか道端の石

を拾っているとは思わなかった。「いつも石拾ってんの?

  帰る時に」

「いつもではないよ。だいたい土日にさがしにいく。河原とか、山に」「土日に?

  わざわざ?」

「やすりで磨くの。つるつるのぴかぴかになるまで」

  放課後の時間はすべて石の研磨にあてているという。ほんまにきれいになんねんで、と言う頰がかすかに上気している。

手を伸ばした。指先で、しばらくすべすべとした感触を楽しむ。   ポケットから取り出して見せられた石は三角のおにぎりのような形状だった。たしかによく磨かれている。触ってもええよ、と言われて、

著作物保護のため掲載を控えます

(10)

  ポケットにスマートフォンをつっこんだ。数歩歩いたところで、またスマートフォンが鳴った。

「え、めっちゃうまいやん。松岡くんすごいな」

  そのメッセージを、何度も繰り返し読んだ。

  わかってもらえるわけがない。どうして勝手にそう思いこんでいたのだろう。

  今まで出会ってきた人間が、みんなそうだったから。だとしても、宮多は彼らではないのに。

  いつのまにか、また靴紐

ひもがほどけていた。しゃがんだ瞬間、川で魚がぱしゃんと跳ねた。波紋が幾 いくにも広がる。太陽の光を受けた川の水 みな

が風で波打つ。まぶしさに目の奥が痛くなって、じんわりと涙が滲 にじむ。

  きらめくもの。揺らめくもの。目に見えていても、かたちのないものには触れられない。すくいとって保管することはできない。太陽が翳

かげ

ればたちまち消え失せる。だからこそ美しいのだとわかっていても、願う。布の上で、あれを再現できたらいい。そうすれば指で触れてたしかめられる。身にまとうことだって。そういうドレスをつくりたい。着てほしい。すべてのものを「無理」と遠ざける姉にこそ。きらめくもの。揺らめくもの。どうせ触れられないのだから、なんてあきらめる必要などない。無理なんかじゃないから、ぜったい。

  どんな布を、どんなかたちに裁断して、どんな装飾をほどこせばいいのか。それを考えはじめたら、いてもたってもいられなくなる。

  それから、明日。明日、学校に行ったら、宮多に例のにゃんこなんとかというゲームのことを、教えてもらおう。好きじゃないものを好き

なふりをする必要はない。でも僕はまだ宮多たちのことをよく知らない。知ろうともしていなかった。

  靴紐をきつく締め直して、歩く速度をはやめる。

(寺地はるな『水を縫う』より)

  ※祖母……忙しい母の代わりに、「僕」を育てた。縫い物もこの祖母から教わった。

  ※姉……

近々結婚することになっているが、あまり結婚式に乗り気でない。特に派手なドレスは着たくないと言っており、「僕」がシンプルなドレスを作ってあげることになっている。

「さっき拾った石も磨くの?」

  くるみはすこし考えて、これはたぶん磨かへん、と答えた。

「磨かれたくない石もあるから。つるつるのぴかぴかになりたくないってこの石が言うてる」

  石には石の意思がある。駄

じゃのようなことを真顔で言うが、意味がわからない。「石の意思、わかんの?」「わかりたい、といつも思ってる。それに、ぴかぴかしてないときれいやないってわけでもないやんか。ごつごつのざらざらの石のきれいさってあるから。そこは尊重してやらんとな」

  じゃあね。その挨

あいさつがあまりに唐突でそっけなかったので、怒ったのかと一瞬焦 あせった。「キヨくん、まっすぐやろ。私、こっちやから」

  川沿いの道を一歩踏み出してから振り返った。ずんずんと前進していくくるみの後ろ姿は、巨大なリュックが移動しているように見えた。

  石を磨くのが楽しいという話も、石の意思という話も、よくわからなかった。わからなくて、おもしろい。わからないことに触れるという

こと。似たもの同士で「わかるわかる」と言い合うより、そのほうが楽しい。

  ポケットの中でスマートフォンが鳴って、宮多からのメッセージが表示された。

「昼、なんか怒ってた?

  もしや俺あかんこと言うた?」

  違う。声に出して言いそうになる。宮多はなにも悪いことをしていない。ただ僕があの時、気づいてしまっただけだ。自分が楽しいふりを

していることに。

  いつも、ひとりだった。

  教科書を忘れた時に気軽に借りる相手がいないのは、心もとない。ひとりでぽつんと弁当を食べるのは、わびしい。でもさびしさをごまか

すために、自分の好きなことを好きではないふりをするのは、好きではないことを好きなふりをするのは、もっともっとさびしい。

  好きなものを追い求めることは、楽しいと同時にとても苦しい。その苦しさに耐える覚悟が、僕にはあるのか。

  文字を入力する指がひどく震える。

「ちゃうねん。ほんまに本読みたかっただけ。刺繍の本」

  ポケットからハンカチを取り出した。祖母に褒められた猫の刺繍を撮影して送った。すぐに既読の通知がつく。

「こうやって刺繍するのが趣味で、ゲームとかほんまはぜんぜん興味なくて、自分の席に戻りたかった。ごめん」

著作物保護のため掲載を控えます

(11)

  ポケットにスマートフォンをつっこんだ。数歩歩いたところで、またスマートフォンが鳴った。

「え、めっちゃうまいやん。松岡くんすごいな」

  そのメッセージを、何度も繰り返し読んだ。

  わかってもらえるわけがない。どうして勝手にそう思いこんでいたのだろう。

  今まで出会ってきた人間が、みんなそうだったから。だとしても、宮多は彼らではないのに。

  いつのまにか、また靴紐

ひもがほどけていた。しゃがんだ瞬間、川で魚がぱしゃんと跳ねた。波紋が幾 いくにも広がる。太陽の光を受けた川の水 みな

が風で波打つ。まぶしさに目の奥が痛くなって、じんわりと涙が滲 にじむ。

  きらめくもの。揺らめくもの。目に見えていても、かたちのないものには触れられない。すくいとって保管することはできない。太陽が翳

かげ

ればたちまち消え失せる。だからこそ美しいのだとわかっていても、願う。布の上で、あれを再現できたらいい。そうすれば指で触れてたしかめられる。身にまとうことだって。そういうドレスをつくりたい。着てほしい。すべてのものを「無理」と遠ざける姉にこそ。きらめくもの。揺らめくもの。どうせ触れられないのだから、なんてあきらめる必要などない。無理なんかじゃないから、ぜったい。

  どんな布を、どんなかたちに裁断して、どんな装飾をほどこせばいいのか。それを考えはじめたら、いてもたってもいられなくなる。

  それから、明日。明日、学校に行ったら、宮多に例のにゃんこなんとかというゲームのことを、教えてもらおう。好きじゃないものを好き

なふりをする必要はない。でも僕はまだ宮多たちのことをよく知らない。知ろうともしていなかった。

  靴紐をきつく締め直して、歩く速度をはやめる。

(寺地はるな『水を縫う』より)

  ※祖母……忙しい母の代わりに、「僕」を育てた。縫い物もこの祖母から教わった。

  ※姉……

近々結婚することになっているが、あまり結婚式に乗り気でない。特に派手なドレスは着たくないと言っており、「僕」がシンプルなドレスを作ってあげることになっている。

著作物保護のため掲載を控えます

(12)

問四     部柑「学校以上に『個性を尊重すること、伸ばすこと』に向いていない場所は、たぶんない」について、「僕」がこのように考える理由としてふさわしいものを次の中から一つ選び、記号で答えなさい。

   ア

  学校では、人と人との違いを尊重しようと言われる一方で、集団生活の中でのルールを強制されるから。

   イ

  学校では、個性を大切にと声高に叫ばれるが、個性の伸ばし方がわからず誰も個性を伸ばそうとしないから。

   ウ

  学校では、周囲の生徒と異なる点がことさらに取り上げられ、攻撃やからかいの対象になってしまうから。

   エ

  学校では、それぞれ異なる存在であると強調され、皆が必要以上に自分の個性をアピールしようとしているから。

   オ

  学校では、自分と同じ価値観を持つ集団の中で生活することが多く、それ以外のものとは接触ができないから。

問五   

とったのですか。三十字以上四十字以内で説明しなさい。   部桓「ポケットにスマートフォンをつっこんだ」について、「僕」は宮多たちに対するどのような考えからこのような行動を 問六     部棺「靴紐をきつく締め直して、歩く速度をはやめる」について、この表現から「僕」のどのような状態が読み取れますか。ふさわしいものを次の中から一つ選び、記号で答えなさい。

   ア

  自分の趣味に興味を示されたことで気持ちが落ち着き、もっと丁寧に自分の好みを説明し理解してもらおうと意気込んでいる。

   イ

  謝罪を受けたことから周囲の無理解を許す気持ちになり、これからはよい関係になれるよう努力していこうと考えている。

   ウ

  自分の一方的な誤解から失礼な言動を取ってしまったことを反省し、これからは同級生たちの好みに合わせようと決意している。

   エ

  同級生たちとの間に感じていた隔たりについて考え直し、互いを理解しあえる関係性を築くことに前向きになろうとしている。

   オ

  違いがあることは悪いことではないと気が付き、これからは程よく距離を置いて関わらないようにしようと決心している。

問一     部A「心もとない」、B「いてもたってもいられなく」の意味としてふさわしいものを、次の中からそれぞれ一つずつ選び、記号で答えなさい。

        ア

  感謝してもしきれない

       ア

  どうしても辛抱しきれなく

        イ

  待ち遠しくて落ち着かない

       イ

  その場にじっとしていられなく

   A「心もとない」  ウ

  自分とうまく心が通わない

     B「いてもたってもいられなく」  ウ

  何をしたらよいのか見当がつかなく

        エ

  気持ちを慰めるものがない

       エ

  不安で落ち着いていられなく

        オ

  頼りなくて安心できない

        オ

  迷い始めて決断ができなく 問二     部敢「もう、相槌すら打てなくなってきた」について、「僕」がこれ以前までは相槌を打とうとしていた理由を、二十五字以上三十字以内で答えなさい。なお、句読点や記号も一字とし、以下の問いでも同様の扱いとします。

問三     部「高杉くるみ」について、彼女の人柄を説明したものとしてふさわしいものを次の中から一つ選び、記号で答えなさい。

   ア

  他人思いで、協力したいと思ったらいつまでも辛抱強く関わりを続けようとする性格。

   イ

  自分が興味のある分野にはこだわるが、それ以外のことには何も関心が持てない性格。

   ウ

  世話好きで、周囲の人たちがよい関係を保つためには自分が苦労することもいとわない性格。

   エ

  他人への気配りができる一方で、興味があることには確固としたこだわりをみせる性格。

   オ

  何事においても皆と協調することが第一と考え、そうできない人を放っておけない性格。

(13)

問四     部柑「学校以上に『個性を尊重すること、伸ばすこと』に向いていない場所は、たぶんない」について、「僕」がこのように考える理由としてふさわしいものを次の中から一つ選び、記号で答えなさい。

   ア

  学校では、人と人との違いを尊重しようと言われる一方で、集団生活の中でのルールを強制されるから。

   イ

  学校では、個性を大切にと声高に叫ばれるが、個性の伸ばし方がわからず誰も個性を伸ばそうとしないから。

   ウ

  学校では、周囲の生徒と異なる点がことさらに取り上げられ、攻撃やからかいの対象になってしまうから。

   エ

  学校では、それぞれ異なる存在であると強調され、皆が必要以上に自分の個性をアピールしようとしているから。

   オ

  学校では、自分と同じ価値観を持つ集団の中で生活することが多く、それ以外のものとは接触ができないから。

問五   

とったのですか。三十字以上四十字以内で説明しなさい。   部桓「ポケットにスマートフォンをつっこんだ」について、「僕」は宮多たちに対するどのような考えからこのような行動を 問六     部棺「靴紐をきつく締め直して、歩く速度をはやめる」について、この表現から「僕」のどのような状態が読み取れますか。ふさわしいものを次の中から一つ選び、記号で答えなさい。

   ア

  自分の趣味に興味を示されたことで気持ちが落ち着き、もっと丁寧に自分の好みを説明し理解してもらおうと意気込んでいる。

   イ

  謝罪を受けたことから周囲の無理解を許す気持ちになり、これからはよい関係になれるよう努力していこうと考えている。

   ウ

  自分の一方的な誤解から失礼な言動を取ってしまったことを反省し、これからは同級生たちの好みに合わせようと決意している。

   エ

  同級生たちとの間に感じていた隔たりについて考え直し、互いを理解しあえる関係性を築くことに前向きになろうとしている。

   オ

  違いがあることは悪いことではないと気が付き、これからは程よく距離を置いて関わらないようにしようと決心している。

(14)

   次の①~⑤の    部のカタカナを漢字に直し、⑥~⑩の    部の漢字の読みをひらがなで書きなさい。

   ①  相手の手を強くニギる。

   ②

  飲料水でのどが

ウルオう。

   ③  スイハン器の電源を入れる。

   ④  サビしい農村の風景。

   ⑤

  企業と

ケイヤクを結ぶ。 四 問四

  俳句

Xにおけるⅰ「麦を月夜の」、ⅱ「卯兵衛かな」の表現について説明したものとして、ふさわしいものを次の中からそれぞれ一つずつ選び、記号で答えなさい。

   ⅰ「麦を月夜の」

    ア

  「つく」の部分には、「尽きる」の意味が掛けられている。

    イ

  「つく」の部分には、「到着する」の意味が掛けられている。

    ウ

  「つく」の部分には、「脱穀する」の意味が掛けられている。

    エ

  「つく」の部分には、「くっつく」の意味が掛けられている。

   ⅱ「卯兵衛かな」

    ア

  「宇兵衛」の名前が「卯兵衛」になっているのは、初対面で名前の漢字がわからなかったからである。

    イ

  「宇兵衛」の名前が「卯兵衛」になっているのは、宇兵衛の干

が「卯年」であることからである。

    ウ

  「宇兵衛」の名前が「卯兵衛」になっているのは、「月」と「うさぎ」の取り合わせを意識している。

    エ

  「宇兵衛」の名前が「卯兵衛」になっているのは、当時の名前の漢字表記が流動的だったからである。

  理不尽な要求を拒む。

  時には我慢も必要だ。

  次の勤務地に赴く。

  新鮮な果物を買う。

  事前に注意を喚起する。

   次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。(一部本文を改めたところがあります。)

  出

の国よりみちのくのかたへ通りけるに、山中にて日くれければ、からうじて九 ぶくろといへる里にたどりつきて、宿りもとめぬ。

  夜すがらごとごとともののひびく音しければ、あやしくて立ち出で見るに、古寺の広

ひろにはに、老いたるをのこの麦をつくにてありけり。予もそこら徘 はいくわい徊しけるに、月孤 ほうの影を倒し、風千 せん竿 かんの竹を吹きて、朗 ろうけしきいふばかりなし。このをのこ、昼の暑さをいとひて、かくいとなむなめりと。やがて立ちよりて、名は何といふぞと問へば、宇 と答ふ。

   X

  涼しさに麦を月

つくの卯 かな(与 そんの文章より)

  ※出羽の国……羽前・羽後二国の総称。現在の山形・秋田両県にあたる。

   ※孤峯……周囲に高い山がなく、ただ一つそびえる峯 みね

  ※宿りもとめぬ……宿泊をさせてもらった。

        ※千竿……竹林。

  ※予……「私」の意。

        ※朗夜……晴れわたり、空気の澄んだ気持ちのよい夜。

  問一     部「からうじて」を現代仮名遣いに直し、ひらがなで書きなさい。

問二     部敢「夜すがら」、柑「あやしくて」の意味をそれぞれ答えなさい。

問三     部桓「老いたるをのこの麦をつくにてありけり」について、「老いたるをのこ(宇兵衛)」はなぜ、この時間帯に麦をついていたのですか。その理由としてふさわしいものを次の中から一つ選び、記号で答えなさい。

   ア

  夜は風情があって、雰囲気が好ましいから。

     イ

  夜は昼より涼しく、仕事がしやすいから。

   ウ

  夜は月の光のために、視界が良いから。

     エ

  夜は人通りが少なく、集中できるから。

(15)

   次の①~⑤の    部のカタカナを漢字に直し、⑥~⑩の    部の漢字の読みをひらがなで書きなさい。

   ①  相手の手を強くニギる。

   ②

  飲料水でのどが

ウルオう。

   ③  スイハン器の電源を入れる。

   ④  サビしい農村の風景。

   ⑤

  企業と

ケイヤクを結ぶ。 四 問四

  俳句

Xにおけるⅰ「麦を月夜の」、ⅱ「卯兵衛かな」の表現について説明したものとして、ふさわしいものを次の中からそれぞれ一つずつ選び、記号で答えなさい。

   ⅰ「麦を月夜の」

    ア

  「つく」の部分には、「尽きる」の意味が掛けられている。

    イ

  「つく」の部分には、「到着する」の意味が掛けられている。

    ウ

  「つく」の部分には、「脱穀する」の意味が掛けられている。

    エ

  「つく」の部分には、「くっつく」の意味が掛けられている。

   ⅱ「卯兵衛かな」

    ア

  「宇兵衛」の名前が「卯兵衛」になっているのは、初対面で名前の漢字がわからなかったからである。

    イ

  「宇兵衛」の名前が「卯兵衛」になっているのは、宇兵衛の干

が「卯年」であることからである。

    ウ

  「宇兵衛」の名前が「卯兵衛」になっているのは、「月」と「うさぎ」の取り合わせを意識している。

    エ

  「宇兵衛」の名前が「卯兵衛」になっているのは、当時の名前の漢字表記が流動的だったからである。

  理不尽な要求を拒む。

  時には我慢も必要だ。

  次の勤務地に赴く。

  新鮮な果物を買う。

  事前に注意を喚起する。

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