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jiyudo no takai hyotei shakudo deta ni taisuru kozo bunsekiho no kenkyu kaihatsu

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(1)

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lrl・稲田大学審査学位論文(博士)

齢出炭の高い評定尺度データ

− ・ − ` ・ -. 皿   J ㎜ I . .   ・ J J∼J j - - - − − − j 一一 4J -/ -y=゜・・ −一一 a'二  j う 一 一 一 −-  ・/ //ヽ、・

(2)

ら 一一

 自由度の高い評定尺度データ

に対する構造分析法の研究・開発

1994年2月

桧 居

辰 則

(3)

目 次

第1章 序論…‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4   1.1 研究の背景…‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4     1.1.1 スケーログラム‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5 士︱︱ 1 工 1 1 2 再現性係数…‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥6 3 再現性を高めるための解析‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥7 4 多重尺度解析法(MSA)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥7 1.1.5 部分尺度解析法(POSA)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥9 2 本論文の構成‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥10 第2章 構造分析法の基本的概念…‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥17   2.1 構造分析法の動機…‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥17   2.2 SS分析法の基本的理論…‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥18 第3章 ファジィ評定データの構造分析法における順序性指標…‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥22   3.1 はじめに‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥22 9︰︶︵j 3 2 3 3 3 FSAの概念の説明‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥23 A型データの構造分析法FSA‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥25 3.1 ファジィ評定と確信度関数‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥259︶︵jQりQJ 2 (n cg cy.1︶ 項目の順序性‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥26 2.1 評定値の差の定義‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥26 2.2 逆順序評定率の定義‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥29 2.3 A型データの場合の順序性係数の定義…‥‥‥‥‥‥‥31 4 B型データの構造分析法FSA‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥32 3.4.1 中央値からの距離の差の分布‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥32 3.4.2 逆順序評定率の定義‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥36   3.4.3 順序性係数の定義‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥38 3.5 C型データの構造分析法FSA‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥38    3. 第4章    4. 3 3 3 6 5.1 C型のファジィ評定データ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥38 5.2 記号の準備…‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥40 5.3 C梨の順序性係数‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥41 離散型の評定尺度データとの関係…‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥42 ファジィ評定データの構造分析法における構造グラフの構築法…‥‥‥‥‥‥‥46 1 順序構造グラフの構築方法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥46 4.1.1 2項目間の順序関連性…‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥46 4.1.2 系ダI』基準‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥47 4.2   4   4 構造グラフ(FSAグラフ)の実例‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥53 2.1 調査方法の概要‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥53 2.2 分析結果‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥55 第5章 選択肢回答の分布特性の定量的分析‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥56   5.1 項目の回答分布の散布度の定量的分析‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥56     5.1.1 記号の説明‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥56 5 [D 5 四 a. 1 1 1 2 有効カテゴリー数の下限値と上限値‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥57 3 回答分布特性と系列基準の関係‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥58 4 有効カテゴリー数と平均評定値との関係‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥61 5.1.5 有効カテゴリー数と平均正答率との関係‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥63 2 SS分析と因子分析(セントロイド怯)との関係‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥65

(4)

II W

10 LO Lr︶ NNN 1 (NI 3 項目の順序性 65 順序性係数と相関係数との関係‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥65 順序性係数と因子負荷量との関係‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥67 第6章 構造グラフの2次元配置法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥72 6.1 6 R︶りn︶g︶ ゾーン決定値を用いた2次元配置法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥72 1.1 準備‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥72 1.2 ゾーン決定値‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥74 1.3 ゾーン決定値を用いた配置法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥76 6.1.4 SSグラフの実伊』‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥77 2 有効カテゴリー数を用いた2次元配置法…‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥78 6.2.1 有効カテゴリー数と順序尺度との関係モデル・‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥81 6.2.2 有効カテゴリー数による横軸の構成‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥83 第7章 構造分析法の精神測定学への応用‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥86 7.1 はじめに‥ 7 7 7 4 86 100 2 調査法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥87 3 尺度構成‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥88 SS分析法を応用した評定用語選定法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥91 第8章 結論…‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥97 参考文献…‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥101 研究業績…‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥104

(5)

■ ㎜ W

第1章 序論

研究の背景

 人間の物理的な測定法に比べると,心理的な測定・分析は立ち後れているが,以前より様々 な方法が開発され利用されてきている.  教育の分野では,教師が通切な教育評価を施したり,授業活動の意思決定・問題解決を図る ために,評定者の能力や学習到達度を測定するテストの他に,評定者の心理的側面を測定する アンケート・面接・行動観察などが利用される.それは,評定者の能力や学習到達度を測定分 析する,いわゆるテストとは別に,評定者の心理的な部分に力点をおいた測定分析もまた教育 上非常に重要だからである.  このように人間と人間の関係にかかわる問題では,人間の心理や行動に関する調査分析は欠 かせない.人間の行動や心理的側面を測定をするデータは態度データと坪ばれているが,この 種のデータの調査・分析技法としては,しばしば利用されているのが,質問紙(アンケート) 調査法である.通常,回答群のカテゴリー(1ユ….m)から士つを選択する方法で,代表的 なものとして,以下の3種類かおり,ここでは便宜上以下のように分類する. ① A型:評定値の1からまで昇順に評定が高くなる,いわゆる評定尺度の場合 ② B型:評定値の中央値に最も高く,両端に最も低い評価を設定している場合 ③ C型:評定値に特に意味をもたない,いわゆる名義尺度の場合  したがって,いずれの方法でも得られるデータは一般に多値データの形式である.  上述のA,B型は,調査データの信頼性を高めるためにしばしば活用されている評定尺旋法 である.これは,一群の項目について,間隔尺度上のいずれに該当するかの判定を,評定者ま たは調査対象者に求めるものである.通常,5段階や7段階の尺度が利用される.  ところが,評定尺度法で得た結果の分析には,度数分布表,プロフィールなどで表現したり, 因子分析したりする方法が利用されている.評定尺度法では,間隔尺度であるという前提に 立って,各々の目盛りに数値を対応させ,直接平均値や標準偏差を算出して尺度上に位置づけ る.通常は,等間隔が保証されるという前提のもと,間隔の単位を1として各目盛りに整数値 を当てる.一方の極を1とし,昇順に1,2,3,・・・と与えるのが普通である.ブロ フィールは上述の特徴を生かして,全評定者の評定の平均値と個々の評定者の評定値とを対照 できるようにグラフ表示したものである.他方,調査自体の分析評価には,因子分析などによ り項目の分析が行われているが,充分使いこなされているとは言い難い.  A型の評定尺度データについては,従来からチャート法による構造分析法として尺度解析法  (スケーログラム)がある.この方法と違った観点から,A,B,C型いずれにも適用できる 分析法の一つとして竹谷によってSS(Semantjc Structure: 意味構造)分析法が提案されてい

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一 一 W るo≒SS分析法は態度尺度データをグラフ法を使って構造分析する方法である.まず,ス ケーコグラムとSS分析法との関連を述べる. 1. 1 1

スケーログラム

 尺度解析法(スケーログラム:Scalogram Analysis)はガットマン(L.A.Guttman,L944)に よって提唱された態度測定と分析に関する手法である白.スケーログラムは態度を尺度化す るための方法であり,評定者の態度についての順位を定めるための方法である.あるひとつの A蜃の態度を尺度化するために月個の質問項目を用意する.また各項目の回答カテゴリーに対 して,評定得点を与える.評定者y人の月項目に対する評定得点をマトリクス召ニ「み」で表現 する.この得点マトリクスを図1.1のように評定者の合計得点順に配列する.この得点マト リクスをズニレ,] で表す.ここで・x,. ゜Σ:心としたとき・特c £>X  1・    知 ⇒影≧潟ザ 力ゝつ y・.ニjx≒ ⇒Xひ.゜χ≒ [1.1]   項目 合計得点 1 2 a−1 54321 54321 54321 54321  h 5,1−1 5几−2 54−3 5n−4 5a−5 × × ×   ×   ×   × × ×   ×   ×   ×     × × × × ×   ×   × ×   ×   ×   ×   ×   × × J1.1 各項目の評定得点の並べ替え一覧表のモデル × なる関係が成り立つとき,1次元性が成り立つという.すなわち,ある任意の評定者の回答パ ターンから一義的に該当の評定者の順位が求まるときである.この性質を再現性Geproducib山 今)という.図1.1の例は完全に再現性が成り立つ例である.完全に再現性が成り立つとき には,ある評定者の合計得点がわかれば,その評定者が各項目に対する回答パターンがどのよ うなものであったかを直ちに予想することが可能である.このように合計得点が決まれぱ,回 答パターンも一義的に決定できる性質が再現性である.

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■ ㎜ ■ W  複数個の質問項目群に対して1次元性,再現性が成り立つとすると,これらの項目の各カテ ゴリーに評定得点を付与し,これをすべて加算した結束で態度を測定する意味をもってくるこ とになる.ガットマンはこのようにして再現性が保証された項目許を尺度性がある(scalable) と呼んでいる.ここで注意を要することは,スケーログラムにおける合計得点として得られる 尺度値は,順位を示すのみであって,距離を示すものではないということである.すなわち, 順序尺度のデータであるということである. 1. 1

2 再現性係数

 一般には1次元性が完全に成り立つことは少ない.そこで実際の質問の申で1次元性から逸 脱した個数によってその再現性の程度を定量化している.それを定量化するために次のような 再現性係数(coemcient of reproducibihty)をガットマンは定義している. Rep.51− y 一 戸7xy [1.2] ただしyは1次元性から逸脱した個数を表す.  この定義をもとに忠実に再現性係数を算出しようとすると,基準となる1次元性をもった全 回答パターンを決める必要が生じる.すなわち,1次元性から逸脱した個数を最小化するアル ゴリズムを求めなければならない.しかし,これらを自動的に計算するアルゴリズムを作成す ることは容易ではない.評定者の順序と項目の順序との両方を同時に動かして求めなければな らないからである.そこで,提案されているのが,近似的に求める方法である.以下,それら の核心部分を簡潔に述べる. コーネル法:コーネル(Come11)は,次のような手順で再現性係数を算出している白 得 ① 得点マトリクス[ら]を評定者の合計得点の高い順に並'`゛かえる.並‘`゛変えた  点マトリクスをx°[xり]で表す'すなわち'xl.ぎ2.≧‥'≧x,v.とする. ② 各質問項目の回答パタンに対して完全回答パタンからの逸脱数が最小になる  ように完全回答パタンを決める‘質問項目/ブの士次元性からの逸脱数をAへと  する. ③ 再現性係数を次の式で算出する. LN

kp日1ΞΣ号

[1.3] グリーン法:グリーン(Green)は,次のような手順で再現性係数を算出している(4’ ① 得点7トリクス[へ]を質問項目の合計得点の高い順に並べかえる.並べ変え  た得点マトリクスをχ゜[孔]で表す.すなわち・x・1≧x・2き‥≧恥、・とする. ② 各評定者の回答パタンに対して完全回答パタンからの逸脱数が最小になるよ

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W  引二完全回答パタンを決める・評定者0尹t次元性からの逸説教を祗とする. ③ 再現性係数を次の式で算出する.

Rep51一万ズノズダ

[1.4]  ところでコーネル法は評定者の合計得点を固定して,換言すれば評定者の合計得点順に1次 見性が成り立つという仮定のもとで議論を展開している.一方のグリーン法は質問項目の合計 得点を固定して,すなわち質問項目の合計得点順に1次元性が成り立つという仮定のもとに議 論している.厳密にはいずれの方法も一方を合計得点順に並べたとしても,他方が合計得点順 に並ぶことを保証していない.ただ,一般的傾向としてはいずれも合計得点順に並ぶ傾向はあ るといえる.スケーログラムにおける合計得点はあくまで順序尺度であり,距離尺度ではない. すなわちスケーログラムで求められる数値は順位の上下を表すだけで態度の隔たりをを表すも のではない.

1.1.3 再現性を高めるための解析

 再現性が成り立つとみなせる最低基準は,再現性係数は85∼90%とされている(5べ問題は 再現性がその最低基準より下回ったときの解析の方法である.逸脱した回答パタンが多い場合 には,得点づけを見直す必要がある.極端に再現性係数の低い項目はときとして,得点を逆転 させると逸脱数が減少することがある.また,隣合った回答パタンを統合してtつの回答パタ ンにすることによって逸説教を減少させることもできる. I 1

4 多重尺度解析法(MSA)

 どうしても再現性係数を高めることができないときの解析法としてリンゴーズの多重尺度解

析法MSA(Multiple Scalogram Analysis)がある(6≒MSAの判定基準の中核は次の5条件 である.リンゴーズは,2値の評定得点のデータに限定して議論している.図1.2の分割表 の度数表現を用いて,これらの条件を表す. 基準I.正相関性(Positive manifold) j≧

○+川○+掴

       7V 基準II 。 単調性(Monotonlcity)          /1十召≧j十£) 基準III.再現性(Reproducibillty) [1.5] じ1 ﹃J 6

(9)

W D≦ (レダ)(乙4十万十掴(2c+召+£)) 基準rV.項目間最小距離 min(Js+£)) 基準V.等距離で最小の誤り ,in(D) 2y y . 図1.2 四分割表 [1.7] 一 L 1.8 ﹃ − j [1.9]  ここで,ぐはす4ての項目対の再現性係数の下限値を示す・以下で簡単に再現性係数とダ の意味を補足しておく.項目対/7と八に対する項目得点マトリクス(Ayに)が完全に等質に なるように,各評定者の2項目の合計得点を一定にしたもとで1,0を並ぺかえたマトリクス を(澗プ;)とする.そのとき・再現性係数をRep °1−スレで定義する.ところで・MSAの 手順は以下の通りである. ① 尺度の先頭項目として正反応数が鼓大の項目を選ぶ. ② 続く項目の候補として,基準I,IIを満足するもののうち,基準Ⅳを満たすものを  士つ選ぶ. ③ 選んだ項目を追加したときの適合性を先に選んだ項目すべてとの間で基準IIIと/基  準で判定する.不合格であれば,当該の尺度に対応する項目の選択は終了する.合格  であれば,当該の尺度に対応する項目前に加えて,②に戻る. ④ 残りの項目があれば,別の尺度を構成するために①に戻る,なければ,終了する.  MSAの問題点は,ある段階で1つの項目を尺度に加えたときに,それが以後の項目の追加 に際しても依然として有効か否か,の保証を与えにくいこと,がある(7).②において,項目

(10)

W を1つ選択するために基準Ⅳが設定されている.したがって,②で合格しても③で不合格にな る可能性がある.このとき,仮に基準IVで2イ立となる他の項目が基準IIIを合格するとしても, それは尺度に追加されることはない.これは再現性の高い尺度を抽出しようとする目的に照ら して不合理である. I

1.5 部分尺度解析法(POSA)

 もうひとつの解決法は部分尺度解析法POSA(Partia1 0rder Scalogram Analysis)である (8≒POSAはレ欠元性が成り立だない場合に有効であり,2次元で表現する方法である.

ここでは・得点マトリクスA≒く影]は・異なる回答パタンの集合とする.すなわち・回答

パタンが同一の評定者はひとりの評定者に代表されているものとする.このとき,前述の1次 元性とは,xi>xh.ならぱ回答パタンの間に順序が成立する,と考える.このとき,次のよう に表現する. (x 1いx123'^' )→(x iい x ・‘21'血‘ ) [1.10]  1次元性が成り立つとは,有効枝”→”でもって線形のネットワークで構成されることに 対応している.1次元性が成り立たないときには,式[1.10]が成立する回答パタンだけをこ の有効枝で結ぶ.これがPOSAの構成図で,線形でないネットワークとなる.  POSAは評定者の順序関係に着目しているのが特徴である.すなわち,POSAは限られ た数の項目による評定者パタンの順序系列を構成し,多次元尺度を抽出する.しかし,POS Aを実際に活用しようとするとき,いくつかの問題点がある.整理すると次の3点に集約する ことができる. ① 再現率(1次元性)を高くするために,頻度の少ない反応パタンを除外しなければ  ならない.10%程度を除外する例が多い.頻度の少ない反応パタンを捨て,可及的に  再現率を高く,次元を抑える方法は多分に試行錯誤的要素が多いといわれている.こ  れら一連の分析作業は研究者の主観に依存する部分が多く,試行錯誤的色彩がどうし  ても強くなってしまう(8)(9≒ ② POSAはパタンで捉える手法であるため,分析に用いる項目数が増大すると収拾  がつかなくなる恐れも生じてくる.項目数は多くて4∼5項目程度であるとされてい  る. ③ 実際の調査のときには多段階評定で実施するカ礼POSAを施す都合上各項目とも  術定的回答”1”とそれ以外の回答”O”の2値に表現し直して処理する(9≒  これらの問題点を解消するための方法としてSS分析法が竹谷によって開発されている.S S分析法はPOSAを構造化するものである.すなわち,SS分析法はPOSAの問題点①② に関しては順序性係数という再現率に関する指標を定義し,定量的に一連の分析作業ができる

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ようにしている.また問題点③に関しては,多値のデータを扱えるようにしている.また,授 業評価という観点で利用方法の研究がなされている昌o白1o(12)ぃ3≒このSS分析法に 関しては第2章においてその概念を述べる.しかしながら,SS分析法においては,次のよう な問題点が残されていた. 1.従来の評定尺度法によるアンケートでは評定者は尺度上の一定点を選択(定点評  定)することによって評定を行う.しかし,アンケート項目の中には,評定者にとっ  て一定点を指定することが困難な項目も存在する.そこで,評定者に尺度上のある範  囲(許容範囲)で評定させる方法(ファジィ評定)が考えられる.この場合に得られ  るデータをファジィ評定データと呼ぶ.このファジィ評定データに対する分析法は来  開発である. 2.構造分析法においては項目間の関連構造を視覚的に提示するために項目間の関連構  造グラフを構成する.項目許は系列基準という指標を用いて1次元的に系列化される.  従来は因子分析を併用して項目群を見易いように配置していた.これに関する定量的  手法のアルゴリズムが未開発である.  以上,本論文では,上述の2点を解決し,従来の評定尺度データの構造分析法の扱えるデー タの領域(自由度)を拡張することにより,構造分析法の一般化を行い,順序性に関する指標 の特性,他の回答特性との関係を数理的に解析し,構造分析法の理論を完結している.

2 本論文の構成

 本論文の目的は,上述の2点を解決し,従来の評定尺度データの構造分析法の扱えるデータ の領域(自由度)を拡張することにより,構造分析法の一般化を行い,順序性に関する指標の 特性,他の回答特性との関係を数理的に解析し,構造析分析法の理論を完結することである. よって,本論文は8章からなり,以 ̄ドの点に関して成果をあげている. 1.従来の評定尺度法によるアンケートでは評定者は尺度上の一定点を選択(定点評定)する ことによって評定を行う.しかし,アンケート項目の中には,評定者にとって一定点を指定す ることが困難な項目も存在する.そこで,評定者に尺度上のある範囲(許容範囲)で評定させ る方法(ファジィ評定)が考えられる.この場合に得られるデータをファジィ評定データと坪 ぶ.このファジィ評定データに対する分析法は未開発である.そこで,ファジィ評定データに 対する項目間の構造分析法(F S A : Fuzzy StructuraIAnalysis)を開発する.さらに,定点評 定データに対する構造分析法(SS分析法:Semantic Stmctural Analysis)が竹谷によって提案 されており,本手法FSAはSS分析法やAirasian&Bartの1-Oデータに対する分析法Ordering

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W 2.構造分析法においては項目間の関連構造を視覚的に提示するために項目間の関連構造グラ フを構成する.項目群は系列基準という指標を用いて1次元的に系列化される.従来は因子分 析を併用して項目群を見易いように配置していた.そこで,構造分析法における順序性指標と 因子分析法における因子負荷量との数理論的な関係を求め,新らたにゾーン決定値という指標 を定義する.さらに,項目のもつ情報量として新たに有効カテゴリー数という指標を定義する. その結果,ゾーン決定値や有効カテゴリー数を横軸に,従来の系列基準を縦軸にとることによ る,項目許の定量的2次元配置法を開発する(第5章,第6章). 以下で,各章の概要を述べる. 第1章では,本研究の背景と目的を明らかにする.  第2章では,構造分析法の概要について述べる.構造分析法では,アンケートに対する評定 者の回答パターンから,アンケート項目間に順序性を定義する.この順序性の指標として,定 点評定の構造分析法(SS分析法)では・2項目/jから八゛の順序性係数y鳶を yj ≡1 1 ΣΣ(9−r)・N。で定義し,項目群の階層構造グラフを作成する。ここで

y(,-I)他

Λしはフパこ対する評定値が゛/かっこに対する評定値カ9である評定者数を表す.この結果から 評定者の心理的側面を測定する.また,アンケートには次のような3種類,A型:評定値の大 きいほど高い評価を設定している評定尺度,B型:評定値の中央値に最も高い評価を設定して いる評定尺度,C型:評定値に特に意味をもたない名義尺度,の尺度が頻繁に用いられる.定 点評定に対する構造分析法(SS分析法)では,これら3種類のデータに対するものが開発さ れており,本章では,これらの順序性指標の特性についても論じる.  第3章では,ファジィ評定データに対する構造分析法(FSA)における順序性指標,順序 性係数を定義し,その統計的特性について論じる.A型・B型におけるファジィ評定では,評 定者に尺度上のある範囲を指定させることによって評定させる.また,「ファジィ評定には確 信度が付随する」と考える.C型においては,「回答群の中から確信度を付随させ,かつ複数 の選択肢を選択することを許可する」ことでファジィ評定と考える.なお,従来の定点評定の 場合には確信度が一定点に集中しているとみなせるので,ファジィ評定の特殊な場合と考える ことができる.すなわち,ファジィ評定データは定点評定データを包含している.ここで,A 型の場合を用いてFSAの概要を述べる.FSAでは,まず2項目間の評定値の差の分布を求 める.このとき,各項目に対する評定には確信度が付随しており,一般的には評定者∂の2項 目し八に対する評かy)確信度o分札7)密度関数をそれぞれパザ)・刀(べ回 こは評定 値)とする.このとき・評定者μの2項目Iバ几に対する評定値の差貼の分布関数/な(zら)

(13)

W

は唇(略)づ/Jバ砂石(略+ヽ・)冶となる.次に,2項目間の差の分布において評定値が逆

転している部分,すなわち(む<Oの部分に着目してド頃序に反する程度を表す指標,逆順序 評定率,ならびに順序性の程度を表す指標,順序性係数を求める.以上より,A型の場合の2 項目77から八͡`の順序性係数“メを次のように定義する' 【定義】 孔心 み メ C少 ら 一 一 ≡1 -一 一 (A型の順序性係数)

Σ

 ,V Σ 」: ぺら) 」 ・ l m l n ¶ じ

Ulk ∫汝 m−1 -lm

似(貼)ゐン ただし・A(匹ma尚い−m尚貼)とする.

ら(糾柚ン ただし・執にmax(八)−min(ら)とする.

八に対する評定値の尺度の中央値からの距離の差・

じう

允ぬ・ハj1ぬ.・瓦

≦1,0 う ≦b lk

ただしべ,はΣΣΣ燦

ぢl, O≦Cメ 引

ΣΣ焉・脳の最大値゛・

上 A( また,B型の場合のFSAもA型の場合と同様に理論を展開することができ,B型の場合の2 項目Λから八A`の順冷性係数似を次のように定義する゛ 【定義】(B型の順序性係数) 上 A糾 ここで・八は評定者Qjの2項目7. Hソ、へ)は差貼の分布を表す関数゛ある.さらに、c型の場合は’項目フパこおいて異なる選 択肢を選択した評定者が項目んにおいて同一の選択肢を選択した割合を定量化したもので順序 性に関する指標を定義する. したが9て・C型の場合の順序性係数c汝を次のように定義する. 【定義】(C型の順序性係数) yV2である. ここで・爪は評定者吋の項目/謬選択肢がこ対する確信度を表す.また・悍は評定者∂,の 項目印二対する選択肢力句で・項目八に対する選択肢力印である確低度で’P;, ゛ plj,ll p`k,を 満たすものとする.以上の各位の場合の順序性係数について,次の2つの定理を得た. 【定理】O回序性係数の正規性)        O≦αメ  【定理】(FSAと従来の構造分析法との関係)  FSAにおける順序性係数はSS分析法における順冷性係数やOrdering Theoryにおける判定 基準の拡張である.

(14)

W これらの順序性係数を用いて,項目許の階層構造を構築することが可能となる.  第4章では,全項目の順序関係を視覚化するための項目群の順序構造グラフの作成方法につ いての理論を展開する.まず・第3章で定義した’項目/7から≒Aヽの順序性係数をy浹とした とき・Λから八゛順序が成立するための条件を芦鳶≧μかつ脳<μが成立することと定義す る.ただし,μは04μ<1なる定数とする.これをもとに,項目間の関連性を次のように定義 する. 【定義】(項目間の関連性)     け)yメ≧μか9脳(μが成立するときパ│回序関連/7→八が成立する.     (2)y少<μか9脳≧μが成立するとき’順序関連几→ljが成立する.     0)アメ≧μかつ脳≧μが成立するとき・等価関連lj ̄ ̄今≒が成立する.     (4)yj(μかつ脳(μが成立するとき・非関連仁L八が成立する. また,2項目間に順序関連または等価関連が成立することを2項目が関連している,または2 項目間に関連性が存在する,という.ここで,FSAでは,A型の順序性係数に関して, μ=0.93または,μ=0.95とすれば構造グラフが視覚的に見易いものとなるとの知見を得て いる.この知見は,ε=1一μとしたとき・SS分析法ではど=0.07,0rdering Theoryでは ど=0.05としていることから,FSAがSS分析法やOrdering Thoeryの拡張であることの妥当 性を示しているといえる.次に,全項目を構造化したときに特性値の低い項目から,高い項目 へ必ず順序が成立することを保証する特性値を系列基準と定義し,この系列基準に関して次の 定理を得た.

【定理】(各型の系列基準)

    (1)平均評定値訂,はA型の系列基準である.

    (2)中央値からの2次のモーメントりはB型の系列基準である.

    o)拡張型有効カテゴリ ̄数几5.ベブ はc型の系列基準である‥

ΣΣこ り-1匹1 以上のように,2項目の順序性係数から順序性を求め,系列基準を用いることによって全項目 の階層構造を構築することが可能となることを示す.  第5章では,定点評定の場合の構造分析法(SS分析法)における順序性指標をまとめると ともに,従来は未解決であった,次の2つの課題を解決する.  ① C型に対するSS分析法と,エントロピーなどの回答特性を用いた分析法との関係が明   確でない.

(15)

W  ② A堅,B型対するSS分析法と因子分析法との併用が効果的であることを経験的に示し   ているが,両者の数理的な関係の解析はなされていない. 特に,②において,A型のSS分析法と因子分析法との関係を解析するために,まず順序性係 数と相関係数との関係を解析した結果,次の定理を得た.

【定理】(順序性係数と相関係数との関係)

 各項目に対する評定値の周辺分布を固定すると・項目7律んとの相関係数らと順序性係数

恥との関係は次式で表される・

      鯨==α(恥+脳)+β (αは正定数,βは定数)

次に,このもとで,A型データのSS分析法と因子分析法の1つの手法であるセントロイド法  (重心法)との関係,すなわち順序性係数と第1因子負荷量,第2因子負荷量および第3因子 負荷量との関係を解析した結果,次の定理を得た.  【定理】(順序性係数と因子負荷量との関係)  第1因子負荷量馬1・第2因子負荷量馬2・第士因子負荷重馬3と順序性係数脳との関係は次 式で表される.

馬1°郡尤(ら+4)+(?1

馬匹尽・£(ら+ら・)+弘

馬汗尽・i(ら+4)+G

個>o, elは定数)

(乃>O,弘は定数)

(尽>O,弘は定数)

 この定理の主張の概要は以下の通りである.第1因子負荷量,第2因子負荷量および第3因 子負荷量の要素は,それぞれ2項目間相互の順序性係数の和と一次結合の関係がある.また, セントロイド法では,各因子負荷量の要素をその絶対値和が最大になるように順に定めている. したがって,各因子負荷量の要素は2項目間相互の順序性係数の和の絶対値和が最大になるよ うに定めていると言い換えられる.すなわち,このことを構造グラフ上で議論するならば,第 1因子に属する項目許は順序性の存在を示す有効核心の密度が高いところに存在する,以下, 順に第2,第3因子に属する項目群の存在が判定できる.このことを定量的に示している.  第6章では,構造グラフの定量的な2次元配置法について論じる.構造分析法における構造 グラフは縦幅は系列化されていたにも関らず,横軸についての項目許の配置については理論的 には論及していなかった.単に因子分析の結果から項目群をクラスターとしてまとめると解釈 が容易であることを経験的に導いていたにすぎない.したがって,横幅の配置まで含めた構造 グラフの2次元配置法に関しては未解決であった.そこで,本章では2次元配置法に関して2

(16)

W つの手法を提案し,この課題を解決している.まず,第1の手法では,第4章で得られた順序 性係数と因子負荷量との関係から,新らたに項目群を配置する領域に関してゾーンという概念 を導入し,ゾーン決定値を次のように定義する. 【定義】(ゾーン決定値)

第rゾーンのゾーン決定値r溥れ日ΣΣべ/河で定義する.

このゾーン決定値について次の定理を得た. 【 定理】(ゾーン決定値の大小関係) ∫</  ならば 「,>1ス ノーIJ  この定理により,横軸にゾーン決定値をとると,各ゾーンが寄与率の高い順に配置されるこ とが保証される.すなわち,第1ゾーンから順に左から配置されることになる.次に,第2の 手法では,横軸に有効カテゴリー数をとる手法である.A型の構造グラフの場合は,平均評定 値が極めて高い項目と,極めて低い項目に関しては評定者の回答パターンが把握できるが,平 均評定値が中央値付近になっている項目に関しては,回答パターンは把握できない.この有効 カテゴリー数は選択肢への回答の集中の程度を定量化した指標であり,有効カテゴリー数を用 いて,各項目に情報量を付加することによって,この問題点を解決することが可能である.総 じて,ゾーン決定値を用いた2次元配置法は項目群の大域的な情報が豊富であり,有効カテゴ リー数を用いた2次元配置法は項目群の局所的な情報が豊富である.本章では,両者の指標を 統合した形での2次元配置法の開発を今後の課題としている.  第7章では,評定尺度法のアンケート調査で用いる程度量を表す副詞読の定量的分析に問す る新しい方法を提案している.本章は,程度量MI」誤読の選定に,構造分析法を適用し,その結 果新しい尺度構成法が実現できることを示すことを目的としている.評定尺度法によるアン ケート調査法は,質問に対して,回答群の選択肢の中からー一つを選択する方法であるに一般に は,評定値の昇順に評定が高くなる尺度の場合が多く,しかもそれぞれの評定値に対して,程 度量を示す副訓話を用いてその評定値の意味するところを記述している場合が多い.ところで, 信頼性や妥当性の高い評定尺度をいかに構成するかはアンケート調査法の最大課題の一つであ る.すなわち,各評定値に対して,いかに適切な程度量表現の副訓話を対応させるかが重要な 課題である.この課題に対して,織田は程度量を表す副詞読の定量的分析を提案している.こ の方法は,評定尺度法で頻繁に利用される程度量表現の副訓話を抽出して分類する.その上で. 同一範聴に属する副詞読別に評定者に一対比較法によりその程度の相対的な関係を求め,その 結果の判断行列をもとに尺度値を求めるものである.この方法は,ギルフオードの尺度化法の ケースVを用いるものである.本章の目的は,構造分析法が,程度量表現の副訓話の評定尺度

(17)

W 法における評定値を明らかにでき,しかも適切な用語を選定する尺度構成,法として利用できる ことを示すことにある.本章では,まず,数値線上の評定尺度値を用いた,程度量副詞語の定 量的測定法を示す.二つの数値線を述べる.一つは,両極に近いと想定される基準語句の尺度 値を固定し,その他の副訓話の尺度付けを評定者に求めるものである.この方法を,本章では, 基準語句固定型と呼ぶことにする.もう一つは,両極をOと100で正規化し,すべての副誤読 の尺度付けを評定者に求めるものである.この方法を,両極尺度値固定型と呼ぶことにする. 次いで,従来の織田の測定法である,一対比較法の結果と本方法とを比較・分析する.その結 果から,両者の尺度値はほぼ同じ結果が得られることを示す.更に,程度量の副訓話の基準語 句固定票と両極尺度値固定型の測定データを構造分析する.構造グラフの順序構造化から,そ れぞれの測定法の特徴を論ずる.また,構造グラフの順序系列に基づき,評定尺度法のアン ケート調査に用いるMI」詞語の選定方法を提案する.すなわち]│辰序関係が成り立ちしかも平均 評定値が等間隔の用語の抽出方法を示す.最後に,本尺度構成法により,従来の織田の方法で は不可能な新しい知見が得られることを示す. 第8章では,本研究のまとめと今後の課題を明確にする.  以上,本論文では,従来の評定尺度データの構造分析法の扱えるデータの領域(自由度)を 拡張することにより,構造分析法の一般化を行い白絹序性に関する指標の特性,他の回答特性 との関係を数理的に解析し,構造分析法の理論を完結する.

(18)

第2章 構造分析法の基本的概念

2.1 構造分析法の動機

 アンケート調査法・面接法・観察法は社会調査法の有効な方法である,特に,人間の心理的 側面を測定するには有効である.伊」えば,教育において,教授者が評定者から様々なデータを 得ることは極めて重要なことである.それには,次のような理由がある.   (1)授業という観点に立てば,教授者は評定者の学力・能力を把握する必要がある.   (2)教役者も評定者からの意見を収集することにより,授業にフィードバックし,授業の     改良・改善に努める必要がある.  ここで,教授者が評定者から得るデータには,評定者の学力・能力の度合いに関するデータ が考えられる.この,評定者の学力・能力的側面の測定に関しては,いわゆるペーパーテスト のように,教授者が設定した問題に対する評定者の回答パターンから,かなり正確な情報を得 ることができる.しかし,評定者の授業に対する興味・関心に関するデータ(態度データ)に 関してはペーパーテストのみからでは得ることが困難な場合が多く,アンケート調査法や面接 法・観察法によるところが大きい.すなわち,評定者の心理的側面を測定するためにはアンケ ート調査法や面接法・観察法を用いることが有効である.このアンケート調査法においては, 特に,評定尺度データのアンケート調査法がデータの信頼性が比較的高いことや処理が簡便で あることからよく用いられる.また,面接法引脱察法,特に他記式の面接法においても,評定 尺度のように尺度化されたチェックリストを利用することが多い.いずれの場合においても集 計結果から評定値の平均値を算出したり,度数分布告を作成することによって評定者の心理的 側面を測定することが可能である.  ところカ≒評定者の興味・関心だけではなく.      ・なぜ,この分野に関心をもっているのか.      ・この分野の問題が得意なのは,どの分野との関係が深いのか. などの,評定者の興味・関心の要因までも把握するためにはアンケート項目に対する評定値の 平均値を算出したり,度数分布表を作成するだけでは不可能な場合が多い.そこで,アンケ一 ト項目相互の関係を分析し,アンケート項目間の相互関係から評定者はどのような価値判断を しているのかを,評定者の回答パターンから分析する必要がある.そのための方法として,因 子分析法がある.この因子分析法は,アンケート項目の構造を評定者の回答パターンから分析 し全項目を関連性の強い項目群にグルーピングし,項目群を構造的に把握する方法である.と ころが,因子分析法ではいくつかの項目群,例えば,      ・授業内容に関係のある項目群      ・教授者に対するイメージに関係のある項目群

(19)

W が存在するということはわかっても,項目群内の項目間の関係や,項目前間の関係を把握する ことはできない.そこで,項目間や項目前間の関連構造を順序という観点から構築する手法と して意味構造分析法(SS分析法)がある(19)白25≒ 2.2ではこのSS分析法について の説明を通して構造分析法の概念を述べる.

2.2 SS分析法の基本的理論

 評定者の心理的側面を測定するためにはアンケート調査法が有効であるこは先ほど述べた. また,アンケート調査法においては比較的データの処理・分析が簡便であることから評定尺度 や名義尺度を用いてアンケートが構成されることが多い.特に,次のような3種類の尺度が頻 繁に用いられる. ① ② ③ A型:評定値の1からまで昇順に評定が高くなる,いわゆる評定尺度の場合 B型:評定値の中央値に最も高く,両端に最も低い評価を設定している場合 C型:評定値に特に意味をもたない,いわゆる名義尺度の場合  さて,評定尺度を用いてアンケートを構成する方法を評定尺度法と呼ぶが,評定尺度法では, しばしば間隔尺度であるとの前提のもとで,それぞれの目盛りに数値を対応させ,直接平均値 や標準偏差を算出し,尺度上に位置づける.通常は,等間隔が保証されると考え,間隔の単位 を1として各目盛りに整数値を与え,求めている.一方の端を1として,整数を昇順に1,2, 3,・ ・ ・,mと与えるのが普通である.また,プロフィールは,上述の特徴を生かして,全 評定者の平均値と個々の評定者の評定値とを対照できるようにグラフ表示したものである.一 方,調査自体の分析・評価には,因子分析などにより項目の分析が行われているカ≒十分使い こなされているとは言い難い.これは,得られた結果の解釈の困難さによるところが大きい.  また,評定尺度法には,データ解析上,次に挙げる問題点がある.それは,評定者によって, その評定基準が異なる,という点てある.すなわち,評定基準の異なる評定値の大小を直接論 じることの是非である.  図2.1に2つの例をあげて説明する.図2.1の(a),(的ともに,2人の評定者の 評定結束をプロフィールで示したものである.まず,(α)の項目7に対する2人の評定に注 目する.2人の評定値は,数学上は一致するが,他の項目に対する評定値の差と比較して,果 たして同一の評価とみなして差し支えないか,という点てある.また,(ゐ)に着目すると, 評定者Aの方がBよりも常に評価が高いと言い切ってしまってよいか,という点てある.いず れも,個々の評定者の評価基準が異なる以上,直接数値を比較すると誤解をきたす場合がある. たとえば,(a)の場合,評定者AとBとでは,項目7に対する評定が,他の項目に対する評 定と較ぺて非常に対称的に異なっていることが特徴であろう.また,(ゐ)の場合,評定者A, Bの評定基準は多少異なるが,すべての項目に対する評定の傾向が完全に一致しているところ

(20)

W に特徴があるといえよう.以上のように,直接評定値の大小比較には,いくつかの問題がある ことカ呻」る. 工  ②    ③ 評  定 頂  目 ①  ⑤ ⑥ ⑦ 1 頃 定 3 評 5

\、

つづ ダ ∧ k x   x   ゝ    ゝ     N      X | 六つ/ (い (評定者A: ①  ② 評  定 墳  目 ③  ④ ⑤  ⑥ ⑦ 1 堕 定 3 評 5

ダダ/

/ /

………\

\\

……ノダ

ノイ

ズ  /

,評定者B:‥‥−) 図2.1 プロフィールの説明のための図 (い  そこで,上述の問題を積極的に克服して,評定尺度データに基づく項目間の関連構造を構築 し,その構造の意味を解析する方法が意味構造分析法,略してSS分析である.SS分析法で は,上述の問題を克服するために次の4つの前提を置く. ・評定者によって評定法準が異なるので,特定の項目に対する評定者間の大小を直  接比較しない.       [前提1] ・特定の評定者の項目に対する評定値は,その個人の評定基準に基づく一貫された  もので,大小比較可能であり,その大きさの差は意味がある.[前提2] ・評定者間で,任意の項目対に対する評定値間の差は,大小比較可能であり,その  大きさの差は意味がある.       [前提3] ・項目に対する全評定者の評定値の平均は,全評定者の統計的特性値(平均値)と  して意義があり,大小比較可能であり,その大きさの差は意味がある.       [前提4]  今後は,上記の前提を踏まえて説明をする.さて,SS分析法は,先ほど述べた3種類の尺 度から得られるデータ(A型データ,B型データ,C型データ)に対応するものが考案されて

(21)

k 1 2 1 1 t L

ra 42 34 29 26 22     (い るか,評定値の度数分布表を作成することによって結果を考察することが多かった.したがっ て,評定値の平均値という観点に立てばαグループ・かグループは同じ回答を示していると言 えよう.そこで,もう少し評定者の回答パターンに注目してみよう.まず,項目①と項目②に 対する評定値はαグループ・ガグループともに項目①に対する評定値の方が項目②に対する評 定値よりも高くなっている.同様にして,aグループは項目②に対する評定値は項目③に対す る評定値よりも高くなっている.ところが,かグループに関しては必ずしもそうとうはいえな い.これを,順次全項目に対して繰り返して,その結果を図示したものが図2.3である.こ のグラフのことをSSグラフと呼ぶ.  このSSグラフ中の項目群は便宜上,平均評定値が高い項目ほど上位に配置してある.また, 失印うが存在する項目間には[順序関連がある]といい,[ほとんどの評定者が上位の項目に 図2.2 評定尺度データのモデル ここで,従来のアンケート調査法の処理方法では単に最下段にある評定値の平均値を算出す W いる.その中でA型データに対するSS分析法を取り上げ,このSS分析法の概念を解説する.  まず,図2.2に示した表は次のような要領でアンケート調査を行った集計結果であり,評 定値の平均値が最下段に示してある. 対  象:αグルーブ(10人)・ゐグループ(10人) 項目数:5項目 評定方法:5段階の定点評定 評  定 2 3 4 [a    6 者 7    8    9    10 ① 一 ’J 7い ’○ 4 4 3

項 日

②③④

一 口 ︻D 4 4 4 3 3 2 7 い 1 4 4 り、︶ り/一 2 2 4 4 4 3 3 Ξ 2 2 ⑤ 一 4 4 3 3 ワ︺ 2 1 t 3  2  2  1  1 3  2  1  1  1 -12 34 29 26 22  陥) ① 1 り乙 評 3 4 ’a    戸n︶ 7 定  者 8 9 to 一 D [a [a ’O ″a 4 t cyg n  項 目 ② ③ ④ = a f cn 1Q IQ f N c\]cg ∼ 斗 ︷ a 4 2 9︼ 2 4 QJ   I I [D 2 2 f︵7︶ r N N N 4

(22)

・ 一 一 W 対して下位の項目よりも高く評価している]ということを表している.       4.2    ① 3 2 2 4 9 6

2.2

平均評定値

②→③ホ’④→⑤

(a)    図 ③ 2 3 ⑤ SSグラフの例  −  心 ① -こ (b) で,[ほとんど] ② ④ とはどの程度なのかを表す指標として,A型データに対するSS分析法では2項目間の順序性 係数を次のように定義している. 爪,1 一 一 一 レ 1

ΣΣ(gづ)J訃?,z・)

y(ご1)元f

[2.1]  ただし・y・1(q,「」は・2項目/j'八に対し'それぞれ評定値を9・ rとした評定者数を表 している.したがって,第2項のΣΣ(9一昨心(9,r)は,度数分布表のら(q,「」と重心        gゝ「 (9−/')との積和であるから・項目/jから八ぺ順序が成立する・すなわち・[全員が項目より も項目を高く評価している(順序評定している)]と仮定した場合の,この仮定に反している  (逆順序評定している)分の評定値の平均を表している.さらに,この値を正規化することに よ゜て〇以上1以下の値となる. したがつて・昌いよ・どの程度仮定にあ゜ている(順序評定 している)かを表す指標となる.この順序性係数があるしきい値μよりも大きいか否かで順序 関連の有無,すなわちSSグラフ中の矢印うの存在が決定するわけである.通常は.          a≧0.93のときム順序関連有り          a<0.93のときい順序関連無し としている.このように,アンケート項目の関連構造グラフを作成することによって,評定者 巣団の心理的側面をさらに詳しく把握することが可能となる.また,この順序性係数の定義は 上述の4つの前提のうち特に[前提1][前提2]の考えを満たしていることがわかる.

(23)

■ ㎜ W

第3章

ファジィ評定データの構造分析法における順序

性指標

 第2章ではアンケート項目の構造分析法としてSS分析法の概念を解説した.このS S分析法は定点評定によるアンケート調査に対する構造分析法である.しかし,現実に は,評定者は特定の離散的な一定点を評定値として確信する(定点評定する)ことが困 難な場合が多く,ある範囲でもって評定していることが多いと考えられる.そこで,尺 度上の離散的な一定点ではなく,ある範囲を指定させて計量する方法について考察する. このように尺度上のある範囲を指定させる方法はファジィ評定と呼ばれている.また, ファジィ評定によって得られるデータのことはファジィ評定データと呼ばれている. ファジィ評定データに関する分析法としては,データから項目間の親近性を処理し,項 目間の親近関係をグラフ論的な構造分析を行う方法が提案されている.そこで,SS分 析法と同様に,項目間の順序性に着目し,項目間の順序関係から構造化をばかり,項目 間の順序(包含)関係を分析する方法,すなわち項目間の順序性に着目したファジィ評 定データの構造分析法としてFSA(Fuzzy Structua1Analysis)の概念を解説する.

3.1

はじめに

 アンケート調査法は,様々な場面で人間の行動や心理的側面を測定するのに活用される.そ の中でも評定尺度データのアンケート調査法はデータの信頼性が比較的高いことや処理が簡便 であることから有効に活用されている.評定尺度データの構造分析法として意味構造分析法

 (SS分析法:Semantic Structure Analysis)が提案されている.このSS分析法は,項目の順 序に着目し,項目の構造化をばかり,その順序構造から人間の行動や心理的側面を解釈する方 法である.このSS分析法においては評定は,尺度上の離散的な一定点を指定させ,評定結果 を1つの尺度値として計量している.本論文では,この尺度上の離散的な一定点を指定させ, 計量する方法を定点評定とよぶことにする.しかし,現実には,評定者は特定の離散的な一定 点を評定値として確信することが困難な場合があり,ある範囲でもって評定し,計量している 場合がある.こうしか場合に対しては,SS分析法の適応は不可能である.そこで,本論文で は,尺度上の離散的な一定点ではなく,ある範囲を指定させて計量した場合の分析法について 考察する.このように尺度上のある範囲を指定させる方法はファジィ評定と呼ばれている.ま た,ファジィ評定によって得られるデータのことをファジィ評定データと呼ぶことにする.従 来のファジィ評定データに関する分析法は,データから項目間の親近性を処理し,項目間の親 近関係をグラフ論的な構造分析を行う方法(15) や評定区間をファジィ数として捉え,ファ ジィ演算を庶す方法(1o o7)(18)であった.しかし,項目間の順序性に着目し,項目間の 順序関係から構造化をばかり,項目間の順序(包含)関係を分析する方法に関する研究は未だ

(24)

W

なされていない.そこで,本研究では項目間の順序性に着目したフアジィー評定データの構造 分析法(F S A : Fuzzy StrucutraIAnalysls)を提案する.

3.2 FSAの概念の説明

 ここでは,ファジィ評定データの2つのモデルを設定し,FSAの概念を説明する(26) ただし,FSAではSS分析におけるA型データに対するもののみを扱う.  まず,図3.1(a),(ゐ)のような2つのモデルを設定する.どちらのモデルも,ある 評定者Aに対して次のような要領でアンケートを実施した場合の結果である. (α)項目数:5項目,評定方法:5段階の定点評定 (ゐ)項目数:5項目,評定方法:5段階のファジィ評定 項目 ① ②   ③   ①   ⑤ 項目 ① ⑤ t 2 3 4 [D ②   1    2    3    4    5 ③ 1 n / ︼ rD ④   1    2    3    4    5 1 0乙 ︻a L 2 3 4 7︶ L 2 j 4 5 1 1 2 2  3 陥) 4 4 − j fo 1 2 図3.1 定点評定とファジィ評定の例  3 (か) ͡ ○ いずれの5段階の評定尺度も評定値が大きいほど肯定的と解釈することにする.図3.1  (α)では定点評定を用いており,図3.1(み)ではファジィ評定を用いている.なお, ファジィ評定では評定者Aはある許容範囲を指定して評定するが,項目1,5のように離散的 な一定点を指定しても差し支えない.  ここで,2つのモデルの許容範囲の中央値に注目する,定点評定では,この定点を許容範囲 の中央値と見なす.さて,従来の評定尺度のアンケート,すなわち離散的な一定点を指定する 方法では,この中央値が評定者Aの評定値になっていたと考えられる.したがって,定点評定 のみのアンケートでは,この評定者Aは両アンケートに対して同一の結果を示していたはずで ある.ところが,ファジィ評定の場合,特にFSAではある許容範囲をもって指定させる,す

(25)

− 一 一 一 一 一 一 W一一一一 なわち,項目に対する評定値の許容範囲の重なっている部分を考慮する.このこのとき,次の ように2つのモデルには構造的な相違点が存在することわかる.その内容を以下で具体的に示 す.

/'`へ ◇ ︿3﹀A、八入﹀バ ノ丁≒  ○, ダノ 仙)   I) でノ / ̄へ 、ノ ピノ (ゐ) \ ≒ I ヘ

X       / j ♂ ♂ s / ♂ / j ︱ / ♂ j ♂ / / 図3.2 図3.1の項目に対する構造グラフ ・図3.1(a)の場合  評定の許容範囲の中央値(評定値)が大きい項目順に考察する.すなわち,項目①と項目② とを比較する.その結果,次のような内容が解釈できる.項目①に対する評定値は項目②に対 する評定値よりも大きい.なおかつ,定点評定であるから,許容範囲の重なり部分はない.こ のように項目①に対する評定値が少なくとも項目②に対する評定値よりも大きいか等しいとき, 項目②から項目①へ順序関連があると言い,②う①と記す.そこで,図3.2(a)のように ②から①へ矢印うを結ぶ.  次に,項目②と項目③とを比較する.同様に,項目②に対する評定値は項目③に対する評定 値よりも大きく,なおかつ許容範囲の重なり部分はない.したがって,順序関連③4②が成り 立つ.以下順次制帽を踏むと,④4③,⑤4④を得る.その結果を図示したものが図3.2  (a)である.この評定者の項目の評定値の順に系列化されている.すなわち,項目を1次元 的に順序づけできることになる. 図3.1(ゐ)の場合 まず,項目①と②を比較する.①に対する評定の許容範回の中央値は②に対する許容範囲の

(26)

■ ㎜ ㎜ ■ W 中央値よりも高く,かつ許容範囲の重なり部分はない.したがって,順序関連②う①が成り立 つ.そこで,図3.2(的のように,②から①へ→を結ぶ.  次に,項目②と項目③とを比較する.項目②に対する評定の許容範囲の中央値は項目③に対 する評定の許容範囲の中央値よりも高い.しかし,許容範囲の重なりが多い.したがって,評 定値の大小関係が逆転している部分が多く存在する.このときは,順序関連③う②が成り立た ないといい,③から②へは矢印を結はない.項目④と項目③とを比較した場合にも同様の議論 がなされる.この結果を図示したものが図3.2(的である.  このように,評定の許容範囲の中央値の並び,すなわち項目の並びが完全に一致していても, 評定の許容範囲の重なり具合により評定者の項目に対する評定の仕方が異なっていることが理 解できる.

3.3 A型データの構造分析法FSA

3.3.1 ファジィ評定と確信度関数

 評定尺度データを得る場合,離散的な一定点を指定させる定点評定では,図3.3(α)の ような尺度を用い,通常目盛り上の一定点(洲段階評定の場合には1,2,…,・)を評定者に指 定させることによって評定結果を計量する.一方,ファジィ評定のアンケートでは図3.3  (α)と同じ尺度を用いるが,図3.3(か)のように評定者にある範囲を指定させることに よって計量する. 有効でない 有効である 1 j  唾  J) (a)定点評定 有効でない       有効である      L  2  3      D    6  7 (み)区間評定 図3.3 アンケート調査の評定方法の例  このように評定値をある範囲でもって指定した場合,その範囲の評定値に対しては,評定者 がある確信度をもって評定したと解釈できる.そこで,評定者の指定した範囲の最大値(上 端)と最小値(下端)に挟まれた尺度上の領域を評定者の評定に対する評定区間とよぶことに する.この結果,評定者の様々な評定値が評定区間内に分布しており,しかも,各々の評定値 に確信度が付随している,すなわち,確感度は評定区間を定義賊とする評定値の関数となると 考える.したがって,評定値の分布を表す密度関数は,評定者の評定に対する確信度を表す関

(27)

び; ら ‥ 一 一 W・ 数とみなす.これを確信度関数と呼ぶことにする.確信度関数として,図3.4のように正規 分布の近似曲線(三角分布)・-一様分布曲線などが考えられる.なお,定点評定の場合には確 信度が一定点に集中しているとみなせるので,ファジィ評定データの特殊な場合と考えること ができ,ファジィ評定データは定点データを包含していることになる. 有効でない 三角分布曲線の場合 有効である 有効でない       有効である      1  2     ・  5  6  7 一様分布曲線の場合 図3.4 確信度関数の伊』

3.3.2 項目の順序性

 ファジィ評定の場合,項目間の順序関連構造は,評定者の評定の評定区間の重なり具合によ り変化する,と考えられる.したがって,FSAにおいてもSS分析法と同様に,項目間の順 序関係や包含関係に着目して項目間の関連構造を構築することの意義が生じる.そして,項目 間の順序関連構造を構築することによって,各々の項目や項目前の意味を考察することを目標 とする.そのためにまず,2項目間の関連性について述べる.

3.3.2.1 評定値の差の定義

まず,以下の議論に必要な記号について説明する.    評定者数:y人

評定者

:

Q,G=1,2,…,y)

項目数:月項目 項目I ll(ゾ゜1・2・'‘‘・7?) 評定者Gの項目ノパこ対する評定の評定区間の上端(最大値) 評定者Gの項目万に対する評定の評定区間の下端(最小値) 評定者吋の項目ノパこ対する評定値:EJ≦ 「J嘔UIJ・ 評定者o,の項目0こ対する評定の確信度関数:バザ)

(28)

W一一一一

評定者の7)項目昂項目ハに対する評定゜同時確信度関数:

.

八((べ)

 さて,FSAにおいては2項目に対する評定の評定区間,すなわち,2項目間の評定値の差 に相当する量が必要となる.そこで,2項目間の評定値の差,[ある評定者0,の2項目/, 八に対する評定値にはどの程度差があるか]を表す量を定義する.  まず・定点評定デ ̄夕の場合は・評定者μの2項目Iリlkに対する評定値がそれぞれ堺い 朕になったとすると・剛一朕(ただし,剛≧吠としている)なる値で表される.  次に・ファジィ評定デ ̄夕の場合は・評定者0,の2項目ノ八八に対する評定値の評定区聞 か図3. 5のようにな9だとしよう.ここで・評定者吋の2項目lj・ lkに対する評定値″7い

朕の確信度関数をそれぞれ,万(ザ)・刀(朕)としており,ともに

二万引網=1,ドパ

を満足するように設定している. A r . 乙

朕)心レ=1

1」'; 謂       図3.5 2項目に対する評定の関係モデル ここで・評定者吋の2項目JJ・ lkに対する評定値は互いに独立である.すなわち・

八(鴫河)=パベ)が(べ)

[3.1] [3.2] が成立する. したが1)て・評定者収の2項目ノ八八に対する評定値?nl」・` mlkの差貼を・[項 目Λに対する評定値の評定区間内での任意の値と,項目んに対する評定値の評定区間内の任意 の値との差]と解釈でき,差貼はある分布に従い,その分布の密度関数酸(貼)は次の定理の ように表すことができる. 【定理3.1】(差の分布の密度関数)  評定者の2項目ら・ き,評定者の2項目/ る. 八 に対する評定値o確信度関数がそれぞれソブ(ザ),刀(朕㈹あると ハに対する評定値o差貼゛)分布9密度関数弧(貼)は次のようにな

回心卜Jてバ心+いづル)冶

(証明)

  万(他)と刀(朕)とは互いに独立である.

[3.3]

(29)

W一一一一 一一一 心心  C よって mk

み;-,))=」'」ゾ(ぺ)姻べ)心弗

夕?i=Zj ん 1?li。 一 一 成一-mj. vとおく 一 一 一 一 と

Jj

ナレー

」 。  .J 圭     ≒﹄     μ

パ貼+ヽ・)

刀㈲嘸油

二万貼+o・パヽ・)凶泳j

        

作図)=Jで刈略+ヽ')刀㈲画

とおけば,作(略)が求める分布゜密度関数になる.

      

(証明終)

この式[3.3]は・評定者Qjの2項目Iいlkに対する評定値の差略の分布の密度関数

岐(ら)が,確信度関数万(剛),刀(涙)によっ7一意的に決定することを示し7いる.また,

密度関数峠(略八間し7:次の定理を得る.

【定理3 2】(差の分布の密度関数の性質)

「“ヒ

_j

ところが さらに

であることから

二醵(貼謳ン=1

njk

jご/7(ら+Jy鴇ふぺ扁t1

+いと岩国とは独立であるから

LJル

1十 い請フン

汀/プ(zら+φzら=1

ムン)ゐン

」 ニ1 し/ル)必 ゛ ふ C O

jで大出画=1

さらに,この式[3.4]は次のように言い換えることができる.

oづ])(脳!1(for

a11貼)

(証日月終) [3.4] [3.5] すなわち,式[3.4][3.5]は差の分布の密度関数が,差の分布関数としての性質を満たして いることを示している.したがって,確率論的な演算を施すことが可能となる. このように,評定値の差乳の分布の密度関数/ら(zら)の性質が明確にされると,次のように

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