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hanasu chokai,kaku chokai-chokaikyoiku jissenkenkyu ni sanka shite-

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Academic year: 2021

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口本語教育実践財究 第3号 話 す 聴 解 、 書 く聴 解 一聴 解教 育 実践 研究 に参 加 して 一

伊能 裕晃

【キ ー ワー ド】退 屈 な授 業 ・琿 解 と しての 聴 解 ・産 出 と しての 聴 解 ・再 生 練 習 1は じめ に r聴 解 は 苫 手 で 、聴 解 の授 業 は 、 あ ま り、好 き で は なか った の で すが 、 この 授 業 は 好 きで した。」 一 この 授 業 の お か げ で、 テ レビの ニ ュー ス が 最近 、 段 々、 わ か るよ うに な って きて 、 聴 解 の 力 が一ヒ が った か な と感 じて い ます 。jrこ の 授 業 は 、 一番 、 楽 しい 授 業 で した。」r今 まで 、 自分 は 、聴 解 の 授 業 の と き、選 択肢 を選 ぶ 練 習 しか した こ とが な か ったの で す が 、 それ とは違 う、 この 授 業 の進 め 方 は 自分 に あ っ て い た と思 い ます 。 」 これ ら は、 早稲 田大 学 日.本語 教 育 セ ン ター で、2005年 度 前 期 に、 吉 岡 英 幸教 授 に よ って 行 わ れ たr口 本 語 聴 解6A」 の授 業 に参 加 した 学 習 者 が 、全 授 業 終 了 後 に、 授業 ア ンケ ー トや 懇 親 会 の 際 に 語 った 言葉 で あ る。 学 習者 が、 参 加 して 、 楽 し く、授 業 で 行 わ れ て い る練 習 方法 に つ いて 納 得 し、 しか も、 自分 の 技能 が伸 び た と感 じ られ る授 業 、 日本 語 教 師 で あ るな らば 、 誰 しもが 、 こん な授 業 が で きれ ば、 と思 う と こ ろで あ るが 、 逆 に 、 口本 語教 師 で あれ ば、 誰 しもが、 自 らの経 験 を通 じて 、 聴解 の授 業 で こ う した 評価 を 学 習 者 か ら得 る こ とが 、 いか に難 しい こ とで あ る か を、 知 って い るだ ろ う。 梅 村(2003)は 、 伝統 的 な聴 解 の授 業 を批 判 した 論文 の中 で、 一般 的 な聴 解 の授 業 に見 られ る1退 屈 さ」 を い さ さか 戯 画 化 した形 で描 写 して い る。 典 型 的 な聴 解 の 授 業 風 景 とは、 ざ っ と次 の よ うな も の で あ る。 教 師 は テ ー プ ・レコー ダ ー を 携 帯 して教 卓に据 え 置 く。 そ して 、 再 生 やPAUSEや 巻 き戻 しの ボ タ ン をガ チ ャ ガチ ャい わ せ 、 学 生 に 聞 くこ と を強 い る。 時 に は、 聴 く前 に概 要 を 説 明 した り、 未 習 語句 を解 説 した り、 途 中 で 止 め て次 に来 る 内容 を予 想 させ た り、 書 き取 らせ た り もす る。 ま た、 令 部聴 き終 わ って か ら大 意 を述 べ させ た りもす る。 しか し、 す ぐに学 生 の 集 中 力 は と ぎれ 、 あ ち こち で居 眠 りが 始 ま る。 昼 食 後 な らも う確 実 に半 分 は寝 る だ ろ う。 こん な こ とな ら、 日本 語 で雑 談 で も してい た ほ うが まだ 実 効性 が あ る とい う もの で あ る。(梅 村20031118-119) 何 故 、学 習 者 に と って、聴 解 の 授 業 は 、退屈 で 、眠 い もの にな って しま うの だ ろ う か。梅 村(2003) は 、 そ の 原 因 につ い て 、r日 本 語教 育 の教 室 に は 、聴 解 能 力 の 評価 の 方法 だ け が あ って 、 聴 解 の 指 導 が ほ とん ど な され て い ないlr聴 解 の指 導 と称 して 、 実 際 は受 験 に 即応 した 聴解 問題 を 聞 か せ て

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れ なか った か と い う形 で 、 聴解 の テ ス トだけ が 行 わ れ て 、聴 解 の技 能 を向 上 させ る た め の指 導 が教 室 で 行 わ れ て い ない とい う問題 は、 す で に、Richards(1983)な ど に よ って 、 テ ス トと指 導 の区 別 と い う形 で 論 じ られ て き て い るが 、実 際 に、 日本 語 教 師 が聴 解 の授 業 を行 う とな る と、 こ う した こ と が 、 相 当 に、 起 こ って くる。 聴 解 の教 材 は 、一般 的 に言 って、 そ の 製 作 に時 間 が か か る。 生 教 材 を使 用 す る 上級 の場 合 で あ っ て も、 レベル に あ った 教材 を選 択 す る まで には 、様 々に配 慮 す ぺ き問題 が あ る し、 ま して、 初 級 や 中 級 の教 材 を製 作 す る と な る と、語 彙 や 文 型 の コ ン トロ ー ル を初 め と して、考 慮 す べ き問 題 が増 え 、 教材 の製 作 に は、 か な りの 労力 と時 間 が 必 要 とな って くる。 毎 日の 授 業 に忙 しい 日本 語 教 師 は、 聴 解 の教 材 をす べ て、 録 昔 して作 る とい うわ け に もい かず 、 白ず と、 既 製 の教 材、 市 販 の教 材 を使 っ て 、授 業 を行 わ ざ る を得 な くな る。 既 製 の 教 材 の 問題 を使 っ て、 た だ 、 それ を止 め た り、 戻 した り して 、答 合わ せ す る よ うな授 業 を行 うな らぱ 、 そ う した授 業 は、 聴 解 の 技能 を 向上 させ る指 導 を欠 い た 、 学 習者 に と って 、 単調 で、 た だ退 屈 なだ け の授 業 に な って しま うだ ろ う。 聴 解 の授 業 が こう した状 態 に陥 らず に、 如 何 に して、 学 習 者 を授 業 に集 中 させ 、学 習 者 の聴 解 の 技 能 を どの よ う に して向 上 させ るの か とい う こ とが 問題 とな るが 、 お そ ら く、 この問 題 を 考え る に あ た って の ヒ ン トが、 このr日 本 語 聴解6A」 の授 業 に は 、数 多 く含 まれ て い る。 練 習 問 題 を繰 り返 す のみ の 退屈 な聴 解 の授 業 を、学 習 効 果 があ り、 か つ学 習 者 に と って 楽 しい 聴解 の授 業 に 変 え て い くに は、 ど の よ う にす れ ぽ よ いの か。 本 稿 で は、 「口本 語 聴 解6A』 の 授 業 を分 析 し、 効 果 的 で 楽 しい 聴 解 の 授 業 の 成 立 に 必要 な条件 につ い て、 考 察 を試 み る こ とと したい 。 2授 業 の 概 要 「日本 語聴 解6A..1の 授 業 につ い て は、 す で に、 中野 真貴 子(2004)、 森 沢 小 百 合(2004)、 杉 山 充 (2005)が 、そ の概 要 につ い て論 じて い る ので 、ここで は、詳 細 は述 べ ず、本 稿 に 関 係 の あ る範 囲 で、 論 じるが 、 まず 、 筆 者 を初 め とす る院 生 の受 講 したr口 本 語 教 育 実 践 研 究(11)」 の 授 業 で は、 授 業 の 最 初 に、r日 本語 聴 解6A」 の 授 業 計 画 に つ い ての プ リン トが 配布 され た。 そ こで は 、r授 業 の 目標 」 と して 以下 の三 つ の 目標 が掲 げ られ て い た 。 ○中..L級の語彙 の習得(講義 などで使用 され る書 き言葉〉 O短 めの講義、講演 などの要 旨把握 ○未知の語の推測 (4月11H配 布 プ リ ン トよ り) これ を見 てわ か る と お り、 こ の授 業 で は、r講 義 の 聴 解1と い う もの が 意 識 的 に 目標 と して掲 げ られ て い る。 漫 然 と抽象 的 に聴 解能 力 を 向上 させ よ う とい うの で は な く、 具 体 的 にr講 義 」 とい う 目標 を設 定 して い る と ころ が、 この授 業 の特 徴 と いえ る。 次 に、 授 業 計 画 の プ リ ン トで は 、 「予定 教 材.と して 、 学 期 の 前半 は、2∼3分 の通 常 の ニ ュー 一194一

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日本語教育実践研 究 第3号 ス を、 学 期 の 後 半 は 、8分 前 後 の特 集 の ニ ュー ス が 教 材 を 用 い る と され て い た(両 者 と もテ レビの ニ ュー ス)が 、 これ は、 予定通 り、実 際 の授 業 で も、 これ らの 教 材 が使 川 され た。ニ ュー スの選 択 、 教 材 の 準備 を、 吉 岡 教授 指 導 の も と、 院 生 が行 った が、 授 業 の 目標 に適 うよ う、 語 彙 の レベ ル が あ る程 度 、 難 し く、 要 旨把 握 に た る論 理 的構 成 を持 った ニ ュー スが選 択 され た. ま た 、r授 業 の組 み 立 て 」につ い て は 、 同 じくプ リン トで 、 以下 の手 順 で 行 わ れ る こ とが 、 あ らか じめ 、説 明 され た. [理解] ① 導人 ② 全体視聴(概要把握) ③ 部分視聴 [練習] ① 要 旨把握 ② 再 生 練 習q)

③ 発展

教 材 の テ ー マ な ど につ い て 話す 。 い つ 、 ど こで、 だ れ が 、 な にを した か、 な ど につ い て理 解 した こと を 引 き出 す。 正確 な 聞 き取 り作 業 を行 わ せ る。 語 句 の 正確 な理 解 を させ る。 余 体 の 止確 な理 解 、 及 び 要 旨把 握 を行 わ せ る。 画 面 な どか らの文 化 情 報 を把 握 させ る。 1文 を 単位 と して、 キ ー ワー ドな どを与 え、 ニ ュー ス と同 じ内容 の 文 を再生 させ る。 テ ー マ な ど に つい て 討 論 を 行 った り、特 定 の 場 面 な どで の 表 現練 習 を 行 う。 (4月11日 配 布 プ リ ン トよ り。 一部 省 略 あ り。) 授業 は、主 に、[理 解]① 、② 、③ 、[練習]① 、② 、③ の順 に行 わ れ た が、学 期 の 前 半 と後 半 で は、 若 干 、練 習 内容 に違 い が 見 られ た。 まず 、 学 期 の前 半で は、!理 解]の ① 、 ② 、 ③ は 、 口頭 で確 認 し て い く形 で行 わ れ 、[練 習]の ① 、 ② は、 作 文練 習 と して行 わ れ た。1練 習1の ③ は 、 一 本 の ニ ュー ス が終 わ る と、必 ず 、 行 われ 、 この部 分 の み 、 授 業 の 準備 と実 際 の 授業 を、 すべ て院 生 が 行 った 。 ま た 、学 期 の 後 半 で は 、[理 解1の ① と③ は 、 そ の ま ま、 口頭 練 習 と して行 わ れ た が 、 ② のr全 休 視 聴 」 は、 まず 、 ニ ュー スを聞 き なが ら メモ を取 らせ、 そ の あ と、要 旨を書 かせ る とい う形 で 、作 文練 習 と して行 わ れ た 。 口頭 に よ る情 報 の確 認 は 、作 文 の後 で行 わ れ る形 とな った。 学 期 の 後 半 で は、[練 習]② のr再 生 練 習 」は 、行 わ れ ず、1練 習/① と③ の練 習 が 中 心 に行 わ れ る予 定 で あ った が 、 時 間 な ど の都 合 に よ り、① が省 かれ 、 院 生 に よ るr練 習 」③ のみ が行 わ れ る こ と も多 か った。 学期 の前 半 と後 半 を比 べ て み る と、学 期 の 後 半 で は 、[練 習]② のr再 生練 習..1が行 わ れ な くな る 代 わ りに、[理 解]② のr全 体 視 聴 」 が作 文 練 習 とな った。 学 期 前 半 で行 われ たr再 生 練 習 」 が 、教 〔1〕「再 生 練 習 」 に っ い て は、 吉 岡(】991)を 参 照.

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師 側 が キ ー ワ ー ドを示 し、 それ を もと に 文 を作 らせ て い た の に対 し、 学 期 後 半 のr全 体 視 聴 」 は 、 学 習 者 自 らが メ モ した キ ー ワ ー ドを も とに して 、要 旨の作 文 を行 わ せ て い る。 キ ー ワ ー ドか ら作 文 を作 る とい う 部 分 は共 通 してい るが 、 学 習 者 の聴 解技 能 の 向上 に応 じて 、 教 師 が キ ー ワ ー ドを示 す 形 か ら、学 習者 自身 が メ モ を取 る形 へ と、練 習 方 法 が難 易 度 の 高い もの に 変 更 され た と い え るだ ろ う。 これ らの 練 習 は、 最 終 的 に は、1一授 業 の 目標 」 で もあ るr講 義 」 に お け る ノー ト ・テー キ ン グ の 訓練 に な る こと を 意図 して 行 わ れ て い た。 3,r日 本 語 聴 解6A」 の 二 つ の側 面 3.1理 解 と して の聴 解 中 野 真 貴 子(2004)、 森 沢 小 百 合(2004)、 杉 山 充(2005)は 、r日 木 語 聴 解6A」 の授 業 に お い て 、 教 師 が、どの よ うに して、学 習 者 の理 解 を促 し、そ の聴 解 の能 力 を 向 ヒさせ て い るか に つ い て、様 マ な角 度 か ら論 じて い る。 中 野(2004)は 、 この授 業 をr学 習者 の トップ ダ ウ ン能 力 を養 う と同 時 に、 ボ トム ア ップ処 理 能 力 につ い て も学 習 者 の 注 意 を促 す 」(p.185-186〉 も の と して論 じて お り、 森 沢 (2004)は 、 この 授 業 に お け る教 師 の行 為 を ス キ ャ フ ォール デ ィン グの 観点 か ら論 じ、 そ れ が 学 習 者 のr聞 く力 」r学 び」 に ど の よ う に作 用 した の か を論 じて い る。 ま た、 杉 山(2005)は 、 この授 業 を ス トラ テ ジ ー ・ト レー ニ ング の観 点 か ら論 じ、教 師 の指 導 に よ って 、r間 題 特 定 」r理 解 モ ニ ター 」 r推損ILと い う三 つ の ス トラ テ ジ ー が トレー ニ ン グ され て い る こ と を明 らか に した、 これ ら三 つ の 研 究 は、教 師 が 学習 者 の理 解 を促 す 過 程 を 、教 師 と学 習者 のや り取 りな ど を分 析 す る こと に よ って、 詳 細 に 明 らか に して お り、学 習 者 の理 解 に関 して 、これ らの 研 究 に付 け加 え るべ き こ とは 、もは や 、 あ ま りな い と もい え る。 筆 者 も これ らのrつ の 研 究 に は、 妥 当性 を認 め るが 、 しか し、 お そ ら く、 単 に理 解 に っ い て 論 じ た だ け で は、 このr日 本 語聴 解6A」 の 授業 の片 面 を論 じた こ とに しか な らない 。 なぜ な ら、 この 授 業 は、 理 解 の 指 導 に特 徴 が あ る と 同時 に、 学 習 者 に よ る産 出 の指 導 に も特 徴 が あ る か らで あ る。 聴 解 とい う と、そ こに含 まれ る文 字 の せ い か、暗黙 の う ち に、理 解 の 側 面 が強 調 され る。 しか し、 現 実 の コ ミュ ニ ケー シ ョンに お け る聴 解 行動 を考 え てみ れ ば 、 聴 解 が理 解 だ け で終 わ り、 何 の 産 出 も行 わ れ な い とい う場 合 は 考 え に くい。話 しか け られ れ ぱ、次 に は 、応 答 が行 なわ れ るで あ ろ う し、 重 要 な ニ ュー スを 見 れ ば 、 周 囲 の 人 間 とそ の 間題 を 話題 に す るか も しれ ない 。 そ して 、 も ち ろん 、 このr日 本 語 聴 解6A」 の 目漂 で も あ るr講 義 」 を聴 け ぱ 、 そ の 後 に は、 デ ィス カ ッ シ ョンや 発表 とい った会 話 や 、 テ ス トや レポ ー トとい う作 文 が待 ってい る。 理 解 の後 に、 産 出 が 伴 わ ず、 理 解 に達 した時 点 です べ て が 終 了 す る と い う の は、 お そ ら く、聴 解 の テ ス トの 中だ け で しか 、起 こ らな い現 象 で あ る。 理 解 に達 した か 、達 して い ない か だ け を 測 る テ ス トの あ り様 は、 現 実 の 人 間 の コ ミュ ニ ケー シ ョンの あ り方 か らは 離 れ て い る。 聴 解 の テ ス トの成 績 をLげ る ため で は な く、現 実 の コ ミュ ニケ ー シ ョンにお け る聴 解 能 力 を鍛 え よ う とす れ ば 、 理 解 の 後 に(あ る い は、 理 解 に並 行 して)、 必 ず 、 産 出 の 練 習 が 行 な わ れ なけ れ ば な ら ない はず で あ る。 そ れ ゆ え、 聴 解 の 授 業 は 、理 解 とい う側 面 か らだ けで はな く、産 出 とい う側 面 か ら も論 じられ る 必 一196一

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日本語教育実践研究 第3号 要 が あ るの で あ る。 果 た して、 このr日 本 語聴 解6A」 の授 業 で は、 産 出の指 導 は どの よ うに行 わ れ て い た で あ ろ うか。 3.2産 出 と して の聴 解 r日 本 語 聴 解6A」 の授 業 で は、 最初 か ら、r講 義 の聴 解 」 とい う現 実 的 な コ ミュニ ケ ー シ ョ ン の 状 況 を 、 「授 業 の 目標 」 と して掲 げ てい る。授 業 で行 わ れ る練 習 は 、 「講 義 」 を受 け る とい う 目標 に向 か って 、組 織 され て お り、そ の ため 、この授 業 の 中 には 、多様 な産 出の機 会 が設 け られ て い る。 3.2、1口 豆頁縁1習と作 郊 東習 この授 業 に含 まれ る練 習 は 、大 別 して、r顧 に よ る練 習 と書 い て行 わ れ る練 習 に 分 かれ る。まず 、 学期 の前 半 に行 わ れ た 口頭練 習 、[理.解]①、 ② 、 ③ に つ い て 、見 て い けば 、 この① か ら③ の過 程 を 通 じて、 教 師 は、 一 貫 して 、学 習者 に話 す 機 会 を与 え よ う と して い る。 まず、 ①r導 入 」 で は、 実 際 に ニ ュー ス を聞 く前 に、ニ ュー ス に 出て くる 内 容 や キー ワー ドにつ い て 、質 疑 応答 が 行 わ れ るが 、 教 師 は 、 内容 や 語 彙 の 説 明 を行 う の で は な く、 ひ た す ら、質 問役 に徹 し、 学 習 者 に よる解 答 を通 じ て 、 ニ ュー ス の聴 解 に必 要 な 情報 が確 認 され て い く。 また 、 ニ ュー ス の全体 を見 た後 の概 要 把 握 で あ る②r全 体 視 聴 」 にお い て も、基 本的 に、 教 師 の 側 か らニ ュー ス につ い て、 情報 が与 え られ る こ とは な い。 こ こで も、 教 師 は 質 問役 に徹 し、 学 習 者 に解 答 させ て 、聞 き取 れ た 情報 を引 き出 し、 引 き出 した情 報 を、 板 書 して い く。 学 習者 が間 違 った 解 答 を して も、 教 師 が それ をそ の場 で修 正 す る こ とは な く、 板 書 を も と に、 あ とで 、 ニ ュ ー ス を見 せ 、 白分 た ち で確 認 させ る。 それ ほ どに、 教 師 は学 習 者 の 聞 き取 っ た情 報 の 引 き出 し手 に徹 す る。 さ らに 、 〔理 解]③ のr部 分視 聴 」 で は、 口頭 に よ って 、 ニ ュー ス の一 文 一 文 を完 全 に再 生 させ る とい う 「再 生練 習」 が行 わ れ た が 、学 習者 が聞 き 取 れ な い場 合 は 、何 度 で も丁 寧 に聞 か せ 、教 師 は推 測 の 手 助 け とな る質 問 を と きお り与 え る こ とは あ って も、 あ くま で 、 こ の練 習 にお い て 、文 を再 生 して い く主体 は、 学 習 者 で あ った。 聴 解 の授 業 で あ りな が ら、この[理 解]① ② ③ の過 程 に おい て 、学 習者 は、大量 に 話す 機 会 を与 え られ てい る。 さ らに、 「理 解 コの練 習 の あ との、[練 習]① 、② にお い て は、 作 文 とい う形 で、 練 習 が 行 わ れ た。 [練習1① のr要 旨把 握 」 は、 も う一 度 、 ニ ュー ス を通 して 視 聴 した後 、 内容 質 問 が 数 問書 い て あ る 用 紙 に記 入 させ る とい う形 で行 わ れ 、 ま た、[練 習]② のr再 生 練 習」 は 、今 度 は 、 口頭 で は な く、 書 い て 練 習 す る形 で行 わ れ 、 ニ ュー スの 一 文 を一一回見 た後 で、 用 紙 に 書 かれ た その 文 に含 まれ るキ ー ワ ー ドを も とに、 その一文 を再生す るという形 で作文の練習が行われた。 ま た、 書 かせ る練 習 とい う こ とに 関 して は 、学 期 の後 半 にお い て 、[理 解]② のr全 体 視 聴 」 が、 口頭 に よ る確 認 か ら、作 文 で 、 まず 、 全 体 の 要 旨 を書 き、 そ の 後 で 、 ロ頭 で確 認 す る とい う形 に代 わ り、学 習 者 が 、 自分 で メ モ を して 、 ニ ュー ス全 体 の要 旨 を作 文 す る とい う練 習 が 行 わ れ る よ う に な った.学 期 後 半 にお い て は 、[練 習]② のr再 生練 習 」 は行 わ れ な くな った が 、[練 習]① のr要 旨 把 撒 の用 紙 に記 入 す る とい う練 習 は、 時 間 に応 じて で は あ った が 、学 期 前半 と同様 、行 わ れ た。 この よ うに、 「日本 語 聴 解6A」 の授 業 に は、 多 様 な形 で 書 く とい う練 習が 組 み 込 まれ て い た 。

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以 上 の よ う に、r目 本 語 聴 解6A」 の 授 業 には 、 学 習 者 が 話 す 機 会 だ け で な く、 書 く機 会 も豊 富 に 設 け られ て い る とい え る が、 この こ とは、 実 際 の 授 業 の時 間配 分 を見 る こ とで 、 よ り …層 明 らか と な る。 例 と して 、 このr目 本 語聴 解6A」 の第1回 口の授 業 と第2回 目の 授 業 の各 練 習 の時 間配 分 をあ げ る。 この 二 同 の授 業 で は、2分43秒 の ひ とつ の ニ ュー スが 教 材 と して 用 い られ た が、 こ の 教 材 が 、 一 回90分 、計180分 の時 間 を かけ て.扱 わ れ た。 [理解1① ② ③ !練習]① ② ③ 導入 令体 視聴 部分視 聴 要 旨把握 再生練習 発展 約4分(第1回 目は この 前 に15分 ほ ど 自己紹 介 が 行 われ た。 〉 約30分 約80分(部 分 視 聴 の途 中 で 、 第1回 目の授 業 は終 了。) 約15分 約20分 約15分 [理解/② のr全 体 視 聴」 で は、2分43秒 の ニ ュー スの 視 聴 が 三 回行 わ れ た。 単 純 計 算 して 、 三 回 で、 約8分 の 時 間 が か か った こ と にな るが 、逆 に、 残 りの 約22分 は、 教 師 と学 習 者 の 口頭 に よ る質 疑 応 答 に使 われ た とい う こ とに な る。 ま た 、[理 解1③ のr部 分 視 聴 」 で は 、 ニ ュー スを繰 り返 し見 る こと に よ って 、 ニ ュー ス の一 文 一 文 を 口頭 で学 習 者 に正 確 に再 生 させ た が、2分43秒 の ニ ュー ス に対 して 、 約80分 の時 間 が 費や され た とい う こ とは、 相 当 に丁 寧 に、 時 間 をか けて 、 口頭 に よ る確 認 が行 わ れ た こ とを 意 味 して い る。 ニ ュー スは、 何 度 とな く繰 り返 され た ので 、 ニ ュー ス の視 聴 が 計 何 分 行 わ れ た か につ い て は正 確 に記 録 す る こ と はで き なか っ たが 、 多 め に見 積 も って、 ・一・・文 に つ き、6回 程 度 の 視 聴 が 行 わ れ た とす れ ば 、視 聴 が 行 わ れ た 時 間 は 、約20分 間 であ り、 残 りの約60分 間 は、 教 師 と学 習 者 の 口頭 に よ る質 疑 応答 に時 間 が か け られ て い た こと に な る。 続 い て、[練 習1① のr要 旨把 握 」 で は、 ニ ュー ス を一 回視 聴 して 、 そ の 後 の約12分 間 が 、 要 旨 の作 文 に 当 て られ た。[練 習]② のr再 生 練 習 」 で は、 ひ とっの 文 を聞 い て は 、 キ ー ワ ー ドを手 が か りに 、 ま った く同 じ文 を作 文 して 再 生す る と い う練 習 が行 われ たが 、 ニ ュー スを 一 回通 して 聞い て も、2分43秒 に しか な らな い の で あ る か ら、残 りの約17分 間 は、 作 文 に 当 て られ た と い う こ と に な る。 [練習1③ のr発 展 」 は、 この 回 の 授業 で は、 聴 解 の 内容 か ら発 展 させ た デ ィス カ ッシ ョンの授 業 が 院 生 に よ って 準備 され たが 、 この 部 分 は 、毎 回 の決 ま って 行 わ れ る練 習 と は異 な るの で 、このr発 展 ユの時 間 を授 業 時 間 か ら除 け ぱ 、 合 計149分 間([理 解 ユ① ②③1練 習1① ② の 合 計)の 授 業 時 悶 の うち 、 ニ ュー スの視 聴 に 費や され た 時 問 は 、約34分(22.9%)と な り、 ニ ュー スの 視聴 以外 の 口頭 練 習 に費 や され た時 間 は、約82分(55.0%)、 作 文 に 費 や され た時 間 は、約29分(19, 5%)と な る。 時 間 的 に 見て 、 ニ ュー スの 視 聴 に 当 て られ る時 問 は、 全 体 のわ ず か22.9%に 過 ぎ な い、 残 りの 約75%の 時 問 、 学 習 者 は 、 教 師 と質 疑 応 答 をす るか、 作 文 の練 習 をす るか して い 一198一

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日本語教育実践研究 第3号 る。r日 本 語聴 解6A.:は 、 聴 解 の時 間 で あ りなが ら、 ニ ュー ス を視 聴 す る こ とよ り も、 口頭 と害 く こ とに よ る産 出 に は る か に多 くの 時 間 が割 り当 て られ てい るの で あ る。 4産 出の練 習 が持 つ 意義 と効 果 r日本 語聴 解6A」 の授 業 は 、 聴 解 の理解 の過 程 を訓 練 す る授 業 で あ る と 同時 に、 質 的 に も時 問 的 に も、 理 解 した 内容 の 産 出の 練 習 に時 間 を割 く授 業 とな って い る。 この授 業 の 目標 は 、r講 義 の 聴 解 」 とい う こ と にあ った が 、 口頭 に よ る練 習 は、 講 義 を 受 け た後 の発 表や デ ィス カ ッ シ ョンを 行 う ため の 前段 階 の 練 習 と して 行 わ れ て い る とい え る し、 作 文 に よ る練 習 は 、 ノー ト ・テ ー キ ン グ、 テ ス ト、レポ ー トな どの た め の 、前 段 階 の 練 習 と して行 わ れ てい る。聴 解 が、理 解 とい う と ころ で 、 自己 完 結 す る の で は な ぐ、理 解 した 後 、 それ を ど う産 出 し、 コ ミ ュニ ケ ー シ ョン に繋 げ て い くか と い う視 点 に立 って、 こ の授 業 は 組 織 され て い る。 この授 業 は、 本 稿 の 冒 頭 で 批判 的 に取 り上 げ た聴 解 の テ ス トや練 習 間 題 を ただ 単調 に繰 り返 す授 業 とは 正反 対 の と こ ろ にあ る授 業 で あ る。 学 習 者 は、 常 に、 教 師 に促 され て、 発 話 し、 文 を書 く と い う練 習 を行 って い る。 もは や 、 聴 解 の授 業 で 、 眠 くな って い る暇 は な い。 聴 解 の 教 材 を 受 身 の 姿 勢 で 聞 い てい る学 習 者 で は な く、 常 に 、話 し、 書 くとい う学 習 者 の 姿 が そ こに は あ る。 聴 解 の授 業 で は、 従 来 、埋 解 の側 面 が重 視 され て きた が 、 現 実 の コ ミュ ニ ケー シ ョンに 効 果 を 上 げ る聴 解 の授 業 を 目指 す な らば 、 話 す聴 解 の授 業 、 書 く聴 解 の 授業 とい う ものが 、 も っ と、 行 わ れ て い か な けれ ば な ら ない だ ろ う。 そ の よ う な授 業 は、 学 習 者 に と って も退 屈 で はな い 、 楽 しい授 業 とな る に ちが い な い だ ろ う。 【参 考 文 献 】 梅 村 修2003r日 本 語 の 聴 解 指 導 一聴 き取 り を 容 易 に す る 』1知識Fと は 何 か一 」 帝 京 大 学 文 学 部 紀 要28 中 野 真 紀 子2004rニ ュー ス 教 材 を利 用 した 聴 解 実 践 研 究 」 早 稲 田 大 学 日本 語 教 育 実 践 研 究1 森 沢 小 百 合2004「 聴 解 教 材 に お け る教 師 の 支 援 の あ り方 に つ い て 一 ス キ ャ フ ォ ー ル デ ィ ン グ の 観 点 か ら」 早 稲 田 大 学 日本 語 教 育 実 践 研 究1 杉 山 充2DO5r聴 解 授 業 の あ り 方 に つ い て 一聴 解 ス トラ テ ジー ・ ト レー ニ ン グ の 観 点 か ら 一 ゴ 早 稲 田 大 学 日本 語 教 育 実 践 研 究2 吉 岡 英 幸1991r表 現 の た め の 基 礎 練 習 一 再 生 練 習 の 方 法一 」 講 座 日本 語 教 育 第26分 冊 Richards,J.C,1983'ListeningComprehensionlAPProach,Desl即,Procedure.一ESOLQuarteriy 17.2 (イ ノ ウ ヒ ロ ア キ ・修 士 課 程1年)

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