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teijugatajido nitaisurunihongokyoiku- kakuchikara noikuseikaragakushugengonoikuseiokangaeru-

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(1)

定 住 型 児 童 」 に対 す る 日本 語 教 育

書 く力』の育 成か ら学 習言語 の育 成 を

考 え る一

東川 祥子

キ ー ワ ー ド 年 少 者 日 本 語 教 育 ・学 習 言 語 ・定 住 型 児 童 ・書 くカ ・課 題 ノ ー ト 1.は じ め に

「出入 国管 理 お よ び難 民 認 定 法 」 が 改 正 され て約10年

が 経 過 し・1・

、 外 国 人児 童 ・生 徒 の

増 加 と滞 在 の 長 期 化 に伴 い 、 年 少者 の 日本語 教 育 は 、学 校 で の学 習 活 動 に参 加 で き ない子

ど もの増 加 と い う 問題 に直 面 して い る・ この 問 題 は 、 西 原(1996)が

、 「

か れ らの 言 語 習

得 上 の 問 題 点 が 日常 言 語 の 流 暢 さの 陰 に 隠 れ て見 え に く くな っ てい る。

」 と指 摘 す る通 り、

児 童 ・生 徒 た ちの 日本 語 習 得 の 問題 とい う よ りは 、児 童 ・生 徒 た ちの 学 習 に関 す る 能 力 の

問題 と して捉 え られ る こ とが 多 い 。

特 に小 学 校 の低 学 年 で来 日 した 児 童 に つ い て 佐 藤(2001)は

、 「

母 語 に よる抽 象 的 、論

理 的 思 考 が 困 難 で あ り、 この よ うな子 ど もた ちに は 、 日本 語 指 導 を徹 底 し、 日本 語 に よ り

抽 象 的 、論 理 的思 考 を可 能 に した 方 が よい の で は な い か との指 摘 もあ るが 、 現 状 で は、 日

本 語 指 導 を徹 底で きず 、学 年 の上 昇 と と もに 「

低 学 力 」 とい う レッテ ル が は られ て しま い、

きわ め て 中 途 半端 な状 態 にお か れ て い る。

」 と述 べ て い る。

この状 況 は 、 日本生 まれ や 小 学 校 入 学 以 前 に来 日 した 「

定 住型 児童 」 も同様 で あ る。

本 稿 で い う 「

定 住 型 児 童 」 とは 、 日本 生 まれ や小 学校 入学 以前 に来 日 し、 定 住 予 定 で あ

る 「

外 国 に つ な が る 児童 」 の こ と を い う。 こ こ で 「

外 国 に つ なが る児童 」 と して い る の は 、

外 国 籍児 童 の み で は な く 日本 国 籍 を取 得 した 児 童 も含 め て い る た めで あ る。

「定 住 型 児 童 」 の場 合 は 、 日常 会話 に 不 自由 な面 が 見 られ な い上 、 日本 で 保 育 園 や 幼 稚

園 に通 園 した 経験 が あ る児 童 が 多 い た め 、 小 学 校 入 学 時 点 で 日本 誘指 導 は不 要 で あ る と判

断 され 、母 語 、 日本語 と も十 分 に発 達 しない 減 算 的 バ イ リ ンガ ル に な る確 率 が 高 くな る と

考 え られ る。

この よ う な現状 に対 処 してい くた め に は、 学 校 で の 学 習 活 動 に参 加 す る ため の 力 〔

学 ぶ

力)を 育 成 す る 日本 語 教 育 につ い て考 え て い く必 要 が あ る。 「学 ぶ 力」 の 育 成 を図 る ため

には 、学 校 と い う社 会 的文 脈 に埋 め 込 まれ た 言 語 能 力 、 す な わ ち 、在 籍 学 級 で の 授 業 を理

解 し、認 知 力 や学 力 を伸 長 して い くこ とので きる 日本 語 力(「 学 習 言 語 」・

り の 育 成 が 重 要

(2)

早 稲rlj大学 目本語 教 育 研 究

とな っ て くる。

学 習 言 語 」 の 育 成 も含 め て 日本 語 教 育 が 必 要 で あ る と考 え た場 合 、 日本 語 教 育 の 必 要

な児 童 ・生 徒 は、 現 在 よ りも遥 か に多 い と推 測 され る3。 また 、今 後 、 日本 全 国 で 確 実 に

増加 して い くこ とが 予 想 され る 。 そ れ ぞ れ の 児 童 の現 状 や背 景 を考慮 した場 合 、児 童 の 母

語 で 「

学 習言 語 」 を育 成 す る必 要 が あ る場 合 もあ る と考 え られ るが 、 日本 で成 長 ・発 達 段

階 を過 ご し、更 に 、 日本 で の 進 学 や就 職 を考 え て い る 「

定 住 型 児 童」 の場 合 、学 習 と学 力

の 保 障 の た め に も、 日本 語 に よ る 「

学 習 言 語 」 の 育 成 に つ い て早 急 に考 えて い く必 要 が あ

るD

学 習言 語」 を育 成 す る ため の ア プ ロ ー チ と して 、 教科 教 育 と 日本 語 教 育 との 統 合 を 目

指 した 内 容 重 視 の 日本 語 教 育 が 挙 げ られ る ・。 内 容 重 視 の 日本 語 学 習 場 面 にお いて は 、意

味 のあ る文 脈 にお い て 自然 な コ ミュ ニ ケ ー シ ョンが 生 じ、意 味 の伝 達 や理 解 の ため の 自発

的 な産 出'5活 動 が 行 わ れ る。 そ して 、 そ の 活 動 を通 して 、 内容(学 習)と

日本 語 教 育 の統

合 ・・

が 可 能 に な る と考 え られ る(齋 藤1998〉 ・ こ の 内容 重 視 の 日本 語 教 育 を基 礎 と して、

現 在 、文 部 科 学 省(2003)で

は 、 「日本 語 の 習 得 を通 して学 校 で の学 習 活 動 に参 加 す るた

め のカ の 育 成 」 を 目指 し、 「日本 語 に よ る学 ぶ 力 の 育成 」 を 目的 と したJSLカ

リキ ュ ラ ム・7・

の 開 発 が進 め られ てい る。

内容 重 視 の 日本 語 教 育 を実 施 して い くに あ た って齋 藤(1999〉

は 、低 学 年 児 童 の場 合 、

認知 的 発達 を支 え ら札 る よ う に、 日本 語 の 「読 み」・「

書 き」 の 力 をつ け る た め の活 動 を十

分 に 設 け る必 要 が あ る と述 べ て い る 。 また 、特 に 、母 語 で 「

読 み 」・「

書 き」 技 能が 獲 得 さ

れ て い な い低 学 年 の 児 童 の 場 合 は 、認 知 能 力 の 発 達 の た め に、 第 二言 語 で あ る 日本 語 の

読 み」・「

書 き」 能 力 を身 につ け させ る こ とが重 要 で あ る と述べ て い る。 しか し、 こ の よ

うな 指 摘 が あ る に もか か わ らず 、「

外 国 に つ な が る 児童 」 の 「

読 み」・「

書 き」(リ テ ラ シー)

能 力 育 成 に関 す る研 究 は少 な く、 日本生 ま れ や小 学 校 入 学 以前 に 来 日 した 「

定 住 型 児 童 」

に関 す る研 究 は な い に等 しい とい って よ い。 「

定住 型 児 童」 の 「

学 習 言 語 」 の育 成 を考 え

る場 合 、 まず 、 学 習 の基 礎 とな る リテ ラ シ ー能 力 の 育 成 が 、大 きな課 題 と な る と考 え られ

るD

本 稿 は、 「

定 住 型 児 童 」 の 「

学 習 言 語」 の 育 成 に つ い て、 「

書 く力 」 の育 成 か ら考 察 す る

もの で あ る。

2.研 究 方 法 「定 住 型 児 童 」 の 学 習 の 現 状 を 把 握 す る た め 、2002年6月 ∼2003年5月 ま で 、 横 浜 市 立 A小 学 校(以 下A小)で フ ィ ー ル ド ワ ー ク を 行 っ た 。 観 察 対 象 は 、 国 際 教 室 に 通 級 して い る3年 生 児 童7名 と した 。 国 際 教 室 の 取 り出 し指 導 旨・で は 、 積 極 的 な 参 与 者 と し て 学 習 支 援 を 行 い な が ら 参 与 観 察 を 行 い 、 デ ー タ を 収 集 し た 。 ま た 、 「書 く力 」 を 育 成 す る 試 み と し て 実 施 し た 「課 題 ノ ー ト」 に 書 か れ た 作 文 の 分 析 を 行 っ た 。 観 察 回 数 は 、3年1組 (3名 〉 が23回 、3年2組(4名)が24回 で あ る 。 更 に 、 観 察 対 象 児 童 や 児 童 に 関 係 す る 先 生 方 に イ ン タ ビ ュ ー を 行 い 、 そ れ ら の デ ー タ を 含 め て 、 質 的 分 析 を 試 み た 。 「課 題 ノ ー ト」 に つ い て の 詳 細 は 、4.1で 述 べ る こ と とす る 。 3年 生 を 観 察 対 象 と して 選 ん だ 理 由 は 、 学 習 内 容 の 抽 象 度 が 進 む 高 学 年 に 入 る 前 の 段 階 一'

(3)

「定 住型 児童 」 に対 す る 日本 語 教 育 で 、 母 語 が 確 立 して い な い 「臨 界 期 」lq'(8∼9歳)に あ り、 「書 く力 」 の 育 成 に 重 要 な 時 期 で あ る と 考 え た た め で あ る 。 2.1A小 の 現 状 「外 国 に つ な が る 児 童 」 が 多 く在 籍 す るA小 で は 、 在 籍 ク ラ ス の 授 業 だ け で 学 習 を 進 め て い く こ と が 難 し い 「外 国 に つ な が る 児 童 」 の 学 習 を 支 援 す る た め 、 日 本 生 ま れ や 小 学 校 入 学 以 前 に 来 日 し た 児 童 に も 、 教 科 の 補 習 と い う 形 で 、 継 続 した 取 り出 し 指 導 が 行 わ れ て い る 。 A小 に 在 籍 す る 「外 国 に つ な が る 児 童 」 は53名(全 校 生 徒 数211名 中25.1%)で 、 関 係 す る 国 は 、 ベ トナ ム ・中 国 ・カ ン ボ ジ ア ・ペ ル ー ・ラ オ ス の 順 に5力 国 に わ た っ て お り(日 本 国 籍 を 取 得 し た 児 童 は15名)、 そ の ほ と ん どが 、 定 住 予 定 で あ る(グ ラ フ1・ グ ラ フ2〉 。 日 本 生 ま れ の 児 童 が39名 、5年 以 上 滞 在 して い る 児 童 が8名 と 、 全 体 の88.7% を 占 め て お り(グ ラ フ3)、 日 本 生 ま れ の 児 童 の 多 く は 、 日本 の 保 育 園 や 幼 稚 園 に 通 園 し た 経 験 が あ る 。 ま た 、 国 際 教 室 で 取 り 出 し 指 導 を 受 け て い る 児 童 が47名 で 、 全 体 の 88.7%を 占 め て い る(2003年2月28日 現 在)。 カンポ ジア 1偽 児 童 の 関 係 す る 国 ラオース ペ ルー6、 6、 囲 偽 中 3

べ騨

グ ラ フ1 児 童 の 国 籍 ラオス ペル ー 5、 4、 カンポ ジア ー 9、 ベトナム 中国4肌 13 日本 23㌔ グ ラ フ2 (人 数)児 童 の 滞 在 年 数 50一一 39:

ii権羨

/凶

り/々

γ

(滞 在 年 〉 グ ラ フ3

A小 の 「

外 国 につ な が る 児童 」 の特 徴 と して、 日本 生 まれ が 多 く、定 住予 定 で あ り、約

9割 が 取 り出 し指 導 を受 けて い る とい うこ とが 挙 げ られ る。 更 に、 家 庭 で 使 用 して い る言

語 と、 学 校 で 使 用 してい る言 語 が 異 な って い る 児 童 が 多 く、 ほ とん どの 児童 が二 重 言 語生

活 を行 っ て い る こ とも特 徴 で あ る 。

2.2観 察 対 象 児 童 国 際 教 室 に 通 級 し て い る3年 生 児 童7名 の 背 景 は 、 表1の 通 りで あ る 。 表1観 察対 象児 竜 の 背 隈 児童名 V MS

MNlL

RlE

N 性別 男 女 男1り}

男1女

女 滞在年 5-9年 1、3年 8-9年Fg一 麻 8-9年15-9fl二 8-9{1乙 家庭内言諾 ベ トナ ム 諸 日本語 ベ トナム 副 ペ トナム 語 中[痛 隊 トナム語 ペ トナ ム語 国籍 ベ トナ ム ベ ル ー 「 べ トナム1嚇 払 肺1ペ ト払 ペ トナ ム クラ ス

3年1組3年z絹

(4)

早 稲 田大 学 日本 語 教 育研 究 滞 在 年 の 一 番 短 いMSは 、 学 齢 で 、 小 学 校1年 生 の2月 に 来 日 し た 。 しか し 、 来 日 時 に 、 日 本 語 が 全 く話 せ な か っ た た め 、 学 年 を1つ 繰 り下 げ て 、 翌4月 、 小 学 校1年 生 と してA 小 に 入 学 し た 。 他 の6名 は 、 日本 生 ま れ で 、 学 齢 通 りで あ る 。 MNとLは 兄 弟 で 、2名 と も 日 本 生 ま れ で あ る が 、 小 学 校 に 入 学 す る ま で 家 庭 に い た た め 、 小 学 校 入 学 時 に 日本 語 が 全 く話 せ な か っ た 。 ま た 、2名 と も2年 生 の2学 期 の 間(約 3ヶ 月 間)、 家 族 の 都 合 で ベ ト ナ ム に 帰 同 し て お り 、 そ の 間 は ・ 現 地 の 小 学 校 に 通 学 し て い た 。 以 上 の よ う に 、 児 童 に よ っ て 背 景 は 異 な る が 、3年 生 の2学 期 時 点 で は 、MS・MN・ Lも 含 め て 、7名 と も 日 常 生 活 に 関 す る 日 本 語 に 問 題 は 見 ら れ な か っ た ・ ま た 、7名 と も そ れ ぞ れ の 母 語 で 、 「話 す 」 ・「聞 く」 こ と は 多 少 で き る が 、 「読 む 」 ・「書 く」 は ほ と ん ど で き な い 状 況 だ っ た 。

3.「 定 住 型 児 童 」 の 学習 の現 状

本 稿 で は 、観 察 対 象 児 童7名 の う ち 、LとR、2名

の 国 際 教 室 で の学 習 の 状 況 を取 り上

げ る。

【L・ 男 子 ・ベ トナ ム 】 Lは 、 教 科 書 を 読 む 際 、 漢 字 で つ ま ず く こ とが 多 く 、 自 分 の 力 だ け で 全 て を読 む こ と は 、 困 難 な 状 況 だ っ た 。 ま た 、 文 字 を 書 く際 、 しば しば 次 に書 く文 字 や 単 語 を 声 に 出 して 書 い て い る 様 子 が 観 察 さ れ た 。(囲 み 内 は 、 授 業 の 記 録) ・Lは 、 「せ つ 明 書 を つ く ろ う」 を 小 声 で 飛 ば し飛 ば し音 読 す る 。 2002/12113(金)4時 間 目 授 業 内 容=「 せ つ 明 書 を つ くろ う 」 ・作 文 を す る 際 、 一 文 字 ず つ か 、 単 語 ご と に 声 に 出 し な が ら書 く。 2002!11118(月)2時 間 目 授 業 内 容:「 動 物 と く ら す 」

作 文 を書 く際 も、漢 字 の 不 足 以外 に書 字 力 が 十分 で ない こ とや 、作 文 形 式 に関 す る知 識

の不 足 な ど、様 々 な問 題 が 観 察 され た 。

・Lは 、 作 文 の 下 書 き を書 き 進 め る 際 、 い ち い ち 確 認 し な が ら書 き 進 め る 。 ・促 音 を き ち ん と 書 け な い 、 書 く位 置 を 確 認 し て く る 。(「 行 た っ ら 」(行 っ た ら)、 「と 、 言 い ま し た 」 に 小 さ い 「っ 」 は 必 要 か ∼ と い う 質 問 あ リ 、 「ま て る 」(待 っ て る)) ・漢 字 で 書 け る 字 を ひ ら が な で 書 く。 ・声 に 出 し た こ と ば を 文 字 に す る 際 、 字 が 抜 け る 。(「 歩 い く と 」(歩 い て い く と)、 「い ま し た 」 (言 い ま し た)) ・濁 点 を 忘 れ る。(「 ね き し」(ね ぎ し)=お 話 の 主 人 公 の 名 前) ・作 文 の 計 画 書 を も と に、 作 文 の 下 書 き を す る 際 、 文 末 表 現 の 統 一 が と れ な い 。(「 ね て た 」(ね い ま し た)、 「走 っ て 逃 げ る」(逃 げ ま し た)) ・会 話 部 分 に 「」 を 書 か な い ・計 画 書 に あ る 気 持 ち の 部 分 は 飛 ば し て 書 く ・行 を変 え る か と い う 質 問 力∫数 回 あ り 2003〆2/7(金 〕4時 間 目 授 業 内 容=「 た か ら 物 を さ が し に 」 他 に 、20D2111!18、2003/2/18に も 同 様 の 記 録 が あ る 。 ま た 、2003/4の 「友 だ ち っ て い い な 」 の 作 文 に も 犠 音 、 促 音 、 長 音 等 の 問 題 が 見 ら れ て い る σ

(5)

「定 住 型 児 童 」 に対 す る 日本 語 教 育

以 上 の よ うな状 況 で あ る の で 、Lの 授業 中 の 発 言 は 否 定 的 な もの とな り、 そ れ が 学 習 態

度 に も表 れ て い た。

・Lの 発 言 は、 「(そ ん な 人 は)い ね 一 よ 。∫、 「(作業 が 一 番 遅 い こ と を指 摘 さ れ)オ レ だ よ 訂 、 「カ ッ コ 例 っ て 何?」 、 「何 フ」、 「何 を7」 、 「わ か ん ね 一 よ っ 。」、 「意 味 ね 一 じ ゃ ん 。」 等 が 大 半 を 占 め て い る 。 2002111!25(月)2時 間 目 授 業 内 容:「 パ ン フ レ ッ トを つ く ろ う 」 他 に 、2002!11!29、12〆2、12113、12!16、2003!凹 、2!1D、3/10も 同 様 の 記 録 が あ る 。 ・Lは 、 漢 字 の 問 題 も文 章 題 も ほ と ん ど 一 人 で 解 く こ と が で き ず 、S先 生 に 、 「L、 国 語 ダ メ だ よ 。」 と言 わ れ 、 「ダ メ だ も ん 。」 と 答 え る 。 そ の 後 、 「調 子 悪 り 一 。」 と 言 う 。(S先 生 は 、 国 際 教 室 担 当 教 諭) 2003/3!10(月 〉2時 間 目 授 業 内 容:学 期 末 の テ ス トと 、 漢 字 の テ ス ト しか し、Lは 、絵 が 上 手 く、 図 工 な ど に 関 し て は ク ラ ス で も一 目 置 か れ る 存 在 で あ っ た 、 そ し て 、 本 人 も 、 そ れ に と て も 自 信 を 持 っ て い る 様 子 が 観 察 さ れ た 。 国 語 の 授 業 中 に も標 識 を 描 い た り、 挿 絵 を 描 い た り す る こ と が 度 々 あ っ た が 、 絵 を 描 く 際 は 、 集 中 し 、 と て も 丁 寧 に 仕 上 げ て い た 。 ま た 、 絵 が 描 き 上 が る と 成 果 物 を 見 せ に 来 て'、そ れ に つ い て 褒 め る と 、 と て も 嬉 し そ う に す る 様 子 が 観 察 さ れ た 。 Lの 場 合 、 絵 を 描 く こ と な ど 、 自 信 の あ る こ と に 関 係 し た 学 習 に 関 して は 、 集 中 して 取 組 む 様 子 が 観 察 さ れ た 。 し か し 、 書 字 力 の 不 足 や 漢 字 の 不 足 な ど か ら 、 そ れ 以 外 の 学 習 に は な か な か 集 中 で き な い 状 況 で あ っ た 。 【R・ 男 子 ・中 国 】 Rは 、 保 護 者 の 教 育 方 針 に よ り 、 家 庭 学 習 で 、 国 語 の 教 科 書 を 丸 暗 記 す る こ と と 、 漢 字 な ど を き れ い に 書 き 写 す こ と(書 写 〉 を 行 っ て い た 。 ま た 、R本 人 の 話 に よ る と 、 小 学 校 入 学 以 前 に 両 親 か ら小 学 校5年 生 レ ベ ル く ら い ま で の 算 数 を 教 わ っ て い る と の こ と だ っ たD Rは 、 家 庭 学 習 の 効 果 も あ っ て 、 授 業 中 に 行 わ れ る 音 読 や 、 漢 字 の 書 き 取 りな ど は 、 速 く確 実 に 行 う こ とが で き て お り、 テ ス トな ど も 自 分 で 考 え て 、 解 く こ と が で き て い た 。 そ の た め 、 取 り 出 し指 導 の 時 間 中 、 他 の 児 童 の 進 度 が 遅 い と き は 待 た さ れ る こ と が 多 く 、 授 業 に 退 屈 し て い る 場 面 が 観 察 さ れ た 。 し か し 、 作 文 に は 時 問 が か か り 、 な か な か 作 文 に 集 中 で き な い 様 子 が 観 察 さ れ た 。 国 際 教 室 の 担 当 教 諭 は イ ン タ ビ ュ ー で 、 「Rは 、2年 生 ま で 、 先 生 が1対1で つ い て 、 書 く こ と を引 き 出 し な が ら で な け れ ば 、 作 文 で き な か っ た 。」 と 話 さ れ て い た 。 ・HY先 生 が 見 本 で 見 せ た 標 識 か ら 作 文 に 書 く も の を 選 ん だ よ う で、 「止 ま れ 」 の 標 識 を ど こ で 見 る の か と い う こ と に つ い て 書 く こ と が で き な い 。Eが 「道 路 じ ゃ な い の 対 と 言 う と 、 「わ か ん ね 一 、 ど こ 、 何 々 県?」 と こ だ わ る 。 (HY先 生 はR(3年2組)の 担 任 教 諭 〉 200312/18(火 〉2時 間 目 授 業 内 容:「 標 識 と 言 葉 」 作 文 に 関 して は 、 「∼ て す 」 な ど と濁 音 が 書 か れ て い な い こ と や 、 「そ し て 」 が 「そ しで 」 に な っ て い る こ と 、 「車 が 」 の と こ ろ が 「車 か 」 に な っ て い る こ と な どが 観 察 さ れ た ・ し

(6)

早稲 田 大学 日本 語 教 育研 究 か し、 同 様 の 表 記 が 頻 出 し て い る の で は な く、 正 し く書 け て い る こ と も あ っ た 。 ま た 、 中 国 語 を 家 庭 内 言 語 と しな い 国 際 教 室 通 級 児 童 や そ れ 以 外 の 日本 人 児 童 に も 、 類 似 し た 問 違 い が 見 受 け ら れ た た め 、Rの 場 合 の 誤 表 記 は 、 母 語 の 影 響 な の か と い う と こ ろ ま で は 確 認 で き な か っ た 。 Rの 話 は 、 話 題 が よ く変 わ り、 話 の 内 容 に 掴 み 所 が な い 印 象 を 受 け た 。 ま た 、 授 業 中 や イ ン タ ビ ュ ー 中 も、Rが 話 し て い る 内 容 を確 認 す る た め に 、 何 度 か 聞 き 返 し を す る 必 要 が あ っ た 。 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に 支 障 を き た す と い う 程 度 で は な い が 、 イ ン タ ビ ュ ー を 文 字 化 し た もの か ら、 助 詞 な ど の 問 違 い が 多 く観 察 さ れ た. (以 前 、 中 国 へ 行 っ た と き 、Rの 母 かSE(Rの 弟)が 、 日本 へ 帰 る た め の 飛 行 機 の 切 符 を失 く し て し ま い 、SEが 中 国 に1年 間 滞 在 す る こ と に な っ て し ま っ た と い う エ ピ ソ ー ドに つ い て 。Hは 、 筆 者 。) R H R H R H R H う ん 。SEが ね 、 何 か 切 符 が な く し た の 。 え? お 母 さ ん の せ い で 。 え 一7 お 母 さ ん 、 な く し た の 。 う ん 、 じ ゃ 、(帰 っ て)来 れ な く な っ ち ゃ っ た ん だ, う ん 。 で 、 そ れ で 、 中 国 の 方 は 、 だ ん だ ん お 金 集 め て き て 、 そ れ で 、 百 万 円 に な っ た ら 、 あ れ 、 切 符 買 っ た の 。 =ふ 一 ん 。 大 変 だ っ た ん だ ね 。 20D3〆4/22Rイ ン タ ビ ュ ー よ り 抜 粋 在 籍 ク ラ ス で のRの 様 子 に つ い て 、 担 任 教 諭 は 、 以 下 の よ う な エ ピ ソ ー ド を 話 さ れ て い るD R君 は 、(授 業 中)み ん な が 目 を 白 黒 さ せ て し ま う く ら い 、 難 し い 、 難 しい 言 い 回 し を し て い て 、 言 っ て る こ と が 良 く わ か ら な く な っ ち ゃ う と い う こ と は あ る ん だ け ど(笑)、 で も 、 だ か ら と い っ て 、 発 言 を し な く な っ ち ゃ う と い う こ と は 全 然 な くて 、 真 っ 先 に 手 を あ げ る こ と が あ る し。 2003/2121HY先 生 イ ン タ ビ ュ ー よ り 抜 粋

Rの 場 合 、 算 数 の 成 績 が よ く、漢 字 な ど も得 意 に してお り、 表 面 的 に は、 日常 生 活 に 関

す る 会 話 や 学 習 に お い て 問 題 が な い よ う に見 え る 。 しか し、 詳 細 に 観 察 し た場 合 、 「

す 」・「

書 く」 とい っ た産 出 に関 す る力 が 発 達段 階 で あ り、Rに も継 続 した 日本 語 指 導 が 必

要 で あ る と考 え ら れ る。

LとR以

外 の 児 童 も含 め 、 国 際 教 室 の 参 与 観 察 で 観 察 され た 、 各 児 童 の 学 習 の 状 況 を

書 く力 」 を 中心 に ま とめ る と、次 の よ う に な る。

・Lは 、 特 殊 音 の 表 記 や 、 ひ らが な ・カ タ カ ナ ・漢 字 の どれ で 書 くの か と い っ た とい っ た 日本 語 の 基 本 的 な部 分 が まだ習 得 段 階 で あ り 、書 字 力 が 全般 的 に 不足 して い る。 ・MNは 、Lよ りも特 殊 音 の 表 記 に つ い て の 問題 は 少 な い が 、 ひ らが な ・カタ カ ナ ・漢 字 の ど れ で 書 くの か とい った 日本 語 の基 本 的 な 部 分 は ま だ習 得 段 階 で あ る ・ また 、作 文 の 文章 に は 繰 り返 しが多 く、 「文 章 体 」 で 的確 に表 現 す る こ とが で き てい な い 。 ・Rは 、書 くこと以外の教科学習に問題が少 ないが、詳細に観 察すると、「話 す」・「書 く」 といっ た 産 出 過 程 が発 達 段 階 で あ る。 ま た 、作 文 す る 課題 に つ い て も、 その 課 題 に つ い て話 す こ と が 多 く、書 くこ と に積 極 的 で は な い 。 ・Nも 、 「話 す 」・「書 く」 と い った 産 出過 程 が発 達段 階 で あ る。 しか し、積 極 的 に 「話 す」・「書 く」 と い う産 出活 動 を行 っ てお リ、助 詞 な どの誤 用 が一 番 多 く観 察 され て い る。

(7)

「定 住 型 児童 」 に対 す る 日本 語 教 育 ・Eは 、漢字 に関す る質問 が多 いが、学 習に関す る問題は少な く、 自らのカ で解決 してい くこと がで き て い る。 ・Vは 、書字 に関 する問題 は少ない。観察 力 を活 か した表現豊 かな文章 を書 く。 ・MSは 、作文形式 は習得 されており、「文章体」 を使 って作文 を書 くことができている。 ま た 、EとMSの2名 は 、3年 生 終 了 時 で 取 り 出 し指 導 を終 了 して も よ い と考 え ら れ て い た 、 1国際 教 室 担 当 教 諭 イ ン タ ビュ ー よ り。) こ の7名 に 共 通 して 多 く見 ら れ る 特 徴 と して は 、 次 の2点 が 挙 げ ら れ る 。 ・作 文 形 式 が 、 習 得 段 階 で あ る 。(各 児 童 に よ っ て 段 階 は 異 な る 。 た だ し 、MSは 、 ほ ぼ 習 得 し て い る 。) ・学 習 し て い る こ と を ア ビ ー ル す る 時 以 外 に は 、 次 に 書 く こ と ば を 声 に 出 し て 文 字 化 す る 様 子 は 観 察 さ れ な い 。(た だ し、Lは 除 く 。) こ こ で 言 う 、 作 文 形 式 と は 、 句 読 点 を 使 用 し 、 会 話 に は 「 」 を 使 い 、 書 き 出 し は1マ ス 空 け る と い っ た 基 本 的 な ル ー ル を 指 し て い る ・ こ の 作 文 形 式 は 、3年 生 の 日 本 人 児 童 も 習 得 段 階 で あ る こ と が 観 察 さ れ て い る.し た が っ て 、MSは 、 日 本 人 児 童 も含 め た3年 生 児 童 の 中 で も 、 作 文 形 式 が 完 成 さ れ て い る 児.童で あ る と考 え ら れ る 。 ま た 、 書 く こ と ば を 声 に 出 して 文 字 化 す る 様 子 が 観 察 さ れ た の はLの み だ っ た 。 内 田 (1990)は 、 一 言 語 環 境 の 子 ど も の 場 合 、 書 く と き に 伴 う外 言 は 、 発 音 と 文 字 の 対 応 の 呼 び 出 し や 定 位 す る 役 割 で 、 あ く ま で も音 声 の 文 字 化 を促 進 す る 役 割 を 果 た して い る と述 べ て い る 。 こ の こ と を 参 考 に す る と 、Lは 、 音 声 を 文 字 化 す る 方 法 を 用 い て 文 章 を 書 い て お り、 考 え た こ と を そ の ま ま 文 章 に す る と い っ た 書 字 力 が 不 足 して い る の で は な い か と 考 え ら れ る 。 4.「 課 題 ノ ー ト」 に 書 か れ た 作 文 の 分 析 4.1「 課 題 ノ ー ト」 「課 題 ノ ー ト」 は 、 週 に1回 、 筆 者 と 児 童 の 間 で 交 換 さ れ る ノ ー トの こ と を い う.課 題 を 貼 っ た ノ ー トを 児 童 に 渡 し 、 そ の 課 題 に つ い て 各 自 作 文 を して く る もの で 、2002年11 月 ∼2003年3月 ま で(全11回)実 施 し た 。 こ の 全11回 以 外 に 、MSは 、4年 生 に な っ て か ら も2回 書 い て き た ・ 課 題 は 大 き く分 け る と 、児 童 の 身 近 な こ と 、 創 作 、 将 来 に 関 し て 、 説 明 文 の4つ に 分 類 で き る(資 料1)。 ま た 、 観 察 期 間 の 後 期 か ら は 、 各 児 童 に 訂 正 が 多 い 項 目 を 注 意 事 項 と し て 記 し た(資 料2〉 ・ そ の 他 に 、 「課 題 ノ ー ト」 を 継 続 的 に 書 か せ る た め に 、 各 課 題 の 作 文 ご と に 、 筆 者 が コ メ ン ト を 書 き 込 み 、 「課 題 ノ ー ト」 の 最 後 の ペ ー ジ に 、 ス タ ン プ を押 し て 返 却 し た 。 「課 題 ノ ー ト」 に は 、 筆 者 と 児 童 と の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン と い う 性 質 が 含 ま れ て い る 。 4.2分 析 「課 題 ノ ー ト」 の 作 文 は 、 内 田(1990、1999a)の 研 究 を 参 考 に し、 「会 話 体 」 か ら 「文 章 体 」 へ の 移 行(表2・ 表3〉 と 「児 童 の 作 文 修 正 過 程 」(表4)に 基 づ い て 分 析 を 行 っ た 。

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表2「 会 話 休」 の 文 草 の特 徴 ① 一 ②一・ ③

⑤ 一 ⑥ 「そ オしか ら ・ 接 続 詞 が 反 復 さ れ る 。 一 して」 の よ うに連 用 形 が 多 用 され る た め 一文 が 長 くな る。 った」 とい う 日常 話 体 が使 わ れ る。 日 で 、 「一 ネ 」 と 助 詞 の 「ネ 」 が 付 加 さ れ る こ と が 多 い 。 一、 そ れ か ら … 」 と か 「で … 、 で … 」 と い う よ う に 順 接 の 復 さ れ る 。 され 述 部 だ けの 文 が 多 い 。 後置 され る現 象 が 見 られ る 。 表3「 文章 体 」 の 文 章 の 特 徴

一 文 に含 ま れ る意 味 単 位 は少 ない。

一 文 の 長 さが 短 い 。

敬 体 や常 体 の文 末 表 現 が一・・貫 して使 わ れ て い る。

接 続 詞 の うち順 接 の接 続 詞 は あ ま り使 わ れ ない 。

主 語 の省 略 は少 な い。

後 置 現象 が 見 られ な い。 (表2・2こ3内 田ll999al『5壱i土'亡 ・理 学 一 こ と はfの5黄f等 と 孝文育 』p,212,213カ ・ら り1用) 表4児 童 の作 文 修 正 過 程 第1段 階 作 文 巾 あ る い は作 文 が 終 わ っ た後 も全 く読 み 返 さな い。 第2段 階 書 い た 直前 の 文字 の 見 返 しをす る こ とが あ る 。誤 字 に気 づ い て 修 正 す る場 合 もあ るが 、 気 づ か ぬ 場 合 が 多 い。 第3段 階 こ とば や句 を 自発 的 に読 み 返 し、 誤 りを見つ け る と修 正 す る。 第4段 階 読 み返 しの単 位 が 大 き くな る。 次 の 文 とのつ なが りの確 認 や 命 題 の探 索 を してい る よ うな 読 み 返 しを す る。 誤 りの 修 正 はか な り確 実 に行 え る よ う に なる 。 第5段 階 誤 りは文 字 の レベ ル に留 ま らず 、 文 の 修 正や 新 た な文 の 書 き加 え も観 察 さ れ る。 (表4内 田(1990)r子 ど も σ)文 章 一 書 く こ と考 え る こ と一 』p.114,115を 参 考 に 作 成)

会 話 体 」 か ら 「文 章 体」 へ の 移 行 を分 析 の観 点 と した理 由 は 、 一 言 語 環 境 で 成 長 す る

子 ど も と 「

文 章 体 」(「書 きこ とば」)を 習 得 す る過 程 が 同 じで あ る か とい う こ とを検 証 す

る た め で あ る 。

内 田(1990〉

は 、一 言 語 環 境 で 成 長 す る 子 ど もの場 合 、書 字 力 の 低 い小 学 校 入 学 前 の 幼

児 期 は 、 「

話 しこ とぱ」 の音 に対 応 す る文 字 を探 しな が ら作 文 す る ため 「

会 話 体 」 が 多 く、

小 学 校 入学 後 、 「

文 章 体」(「書 き こ とば 」〉 に な る と述 べ てい る。一 言 語 環 境 で 成 長 す る 子

ど もの場 合 、 「

会 話 体」 と 「

文 章 体 」 は、 同 時 に学 ぶ もの で は な く、 「

会 話 体 」 か ら 「

文 章

体」 へ 移 行 して い く もの で 、 そ の 過 程 で書 字 能 力 を 育成 す る こ と に よ って 「

文 章 体 」 へ の

移行 が 可 能 に な る と考 え られ る。 しか し、 「

定 住 型 児童 」 の場 合 、 保 育 園 や 幼 稚 園 に通 っ

た経 験 が あ っ て も小 学 校 入 学 時 に は 、日本 人 児 童 と同 じ 日本 語力 は な く、小 学 校 入学 後 に、

(9)

「定 住 型 児 童 』 に 対 す る 目本 語教 育

日本 語 指 導 と教 科 指 導 が 、 ほ ぼ平 行 して行 わ れ る た め 、 「

会 話 体 」 で あ る 「

話 しこ とば 」

も 「

文 章 体 」 で あ る 「

書 きこ とば 」 もほ ぼ 同 時 に学 び始 め る と考 え られ る。 も し、 「

定 住

型 児 童」 が 一言 語 環 境 で 成 長 す る子 ど もと同 様 の過 程 を経 て 「

書 き こ とば」 を習 得 す るの

で あ れ ば 、3年 生 で あ る 対 象 児 童 の 場 合 も、 「文 章 体 」 へ 移 行 しき っ て い な い 「会 話 体 」

が 多 く観 察 され る の で は な い か と考 え た。

また 、 「

児 童 の 作 文 修 正 過 程 」 を分 析 の 観 点 と した 理 由 は、 参 与 観 察 で 書 字 能 力 が 完 成

してい ない 児 童 が 多 く観 察 され た た め で あ る。 作 文 の 修 正 過 程 に つ い て 内 田(1990)は

「作文 の 修 正 が 行 わ れ る とい うこ とは 、作 文 の 読 み 返 しが 行 わ れ て い る と考 え られ る。 作

文 過 程 で 読 み 返 しが 自発 的 に生 ず る段 階 は、書 字 能力 の完 成す る時 期 に対 応 して お り、 外

言 が 音 声 の 文 字 化 を助 け る段 階 か ら、 内言 機 能 、 モ ニ ター 機 能 を果 た し始 め る段 階 に対 応

してい る。そ の ため 、読 み 返 しは 、文 字 か ら意 味へ の橋 渡 しの役 割 を果 た してお り、理 解 、

意 味 表 象 の構 成 に とっ て不 可 欠 で あ る と考 え られ て い る。.1と述 べ てい る。

4.3分 析 結 果 観 察 対 象 児 童 の 「課 題 ノ ー ト」 の 作 文 を 分 析 した 結 果 、 「会 話 体 」 の 文 章 の 特 徴 ①(「 ∼ し て 、 一 し て 」 の よ う に 連 用 形 が 多 用 さ れ る た め 一 文 が 長 く な る ・)が 多 く観 察 さ れ た ・ 類 似 し た 特 徴 と し て 、 「∼ た ら 、 ∼ た ら」 が 多 用 さ れ る た め 一 文 が 長 くな る 傾 向 も見 られ た 。 し か し 、 そ れ 以 外 の 項 目 に 関 し て は 、 い くつ か 観 察 さ れ る 程 度 だ っ た 。 ま た 、7名 と も 、 文 末 表 現 は 、 敬 体 と常 体 が 混 ざ る こ と は ほ と ん ど な く、 敬 体 で 統 一 さ れ て い た. 「定 住 型 児 童 」 の 場 合 は 、 一 言 語 環 境 で 成 長 す る 子 ど も と は 異 な り 、 「話 し こ と ば 」 を そ の ま ま 文 字 に し て 作 文 す る 段 階 か ら 、 「文 章 体 」 へ の 移 行 す る の で は な い と 考 え ら れ る 。 し か し、 文 章 の 内 容 そ の も の は 、 会 話 と 同 様 に書 き な が ら次 を 考 え て 書 く た め 、 先 に 例 示 し た 、 一 文 が 長 くな る と い う特 徴 が 現 れ て く る の で は な い か と 考 え ら れ る。 ま た 、 「児 童 の 作 文 修 正 過 程 」 で 各 課 題 を 分 析 し た 結 果 、 表5の よ う に な っ た 。 こ の 表 は 、 課 題 ご と に 、 「児 童 の 作 文 の 修 正 過 程 」 の 段 階 と作 文 の 文 章 数 を ま と め た も の で あ る 。 表5「 児 童 の 作 文 修 正 過 程 」 に よる 「i瓢亘ノ ー ト」 の 作 文 分 析 V MS MN L R E N 課 題 No 段階 文章数 段 階 文章数 段階 交 章数 段階 文章数 段階 文章数 段 階 文章 数 段階 文章数 ① 】 2 】 ∼ 2 2 [ 2 2 6 1 4 ユ 8 ② 1* 4 3 12 3 5 ∼ 4 [ 6 2 15 z 星4 ③ ユ ユ9 1 4 3 7 ユ 4 L 1 3宰 ZL z 21 ④ 3串 】7 監 9 3 lD 1 3 1 ⊇ 3* B 2 3 ⑤ 3 5 一 ユ 22 【 2 z 3 Z し9 2 22 ⑥ 3 ∼5 4 19 2 10 臨 4 ユ 3 2 16 2 7 ⑦ 3* 21 一 1 7 1 3 2 3 2 5 3 5 ③ コ 寮 妬 一 z 9 L z ユ 5 3* Z3 3 14 (斡一 一 一 3 7 一 1 2 2 呂 艦 3 ⑬ 5 Io 一 1 5 一 一 ∼ 15 一 ⑳ 5 】6 一 一 一 一 3 ユ5 1 4 4年 生 一 5 28 一 一 一 一 一 終了時 5 175 5 74 2 84 1 24 ユ 31 3宰 し63 3 】0し 来 糞 巾の 第1-3段 階 の 横 に つい て い る*は 、 一 度書 き上 げ た 作 文 に 書 き加 え が あ っ た こ とを示 して い る.

(10)

1一

蝉 一

育研究

各 児 童 の 段 階 の 変 化 を 見 る と 、VとNは 、1つ 段 階 が 進 ん で お り、 こ の2名 に は 「課 題 ノ ー ト」 の 効 果 が あ っ た と 考 え ら れ る 。 し か し 、 他 の 児 童 に は あ ま り段 階 の 変 化 は 見 ら れ な い 。 文 章 数 の 少 な い 児 童 の 場 合 は 、 作 文 を な る べ く多 く書 か せ 、 読 み 返 しが お こ る よ う な 工 夫 が 必 要 で あ る と 考 え ら れ る 。 ま た 、 段 階 で は あ ま り変 化 が 見 ら れ な い 児 童 に も 、 文 章 に は 、 「定 住 型 児 童 」 に 見 ら れ る 「会 話 体 」 の 特 徴 か ら 「文 章 体 」 へ の 移 行 が 観 察 さ れ て い る 。 5.ま と め と考 察

5.1「

定 住 型 児 童 」 の 「

書 く力 」

表5の 結 果 を も と に、 「

定 住 型 児 童 」 の 「

作 文 修 正 過 程」 を新 た に作 成 し、 各児 童 の 最

終 的 な段 階 と、

参 与 観 察 を通 して 観 察 され た 各児 重 の話 す 特 徴 を入 れた もの を ま とめ る と、

表6の よ う に なる 。

表6「 定 住 型 児 童(小 学 校3年 生)」 の 「書 くカ 」・「作 文 修 正 過程 」・「話 す 力 」 の特 徴 段 階 「書 く力 」 の 特 徴 作文修 正の特 徴 「話すカ」の特 徴 児童 第1段 階 外 百 を伴 わせ な が ら文 字 を書 く探 壬 が醜 察 され るo書 字 に江 な のほ と ん どが 配 分 さ れて い る。 作 文 中 あ る い は 作文 が 終 わ っ た俵 も全 く証 み 返 さな い、・, L 第2段 階 作 文で 表 現 す る こ と を避 け る傾 向 や.f乍'文 を書 い た場 合で も、1】1じ こ と を繰 り返 し書 く傾 向 が あ る。 古 い た 直 前 の文 宇 の見 込 し を`妻る こ とカ`ある 印 き才しい に 書 けて い な い 字 を 書 き 直 した り、 誤 宇 に気 づ い て修 正 す る場 含 もあ るが 、 気 づ か ぬ 場 合 が 多 い 。 窮1・2段 階=話 す 内 容 が 施 め て 目常 的 な こ とに 隈 定 され て お り、1話 す力 」 に関 す る 問 題 が、 あ ま り見 られ な いD また.生 活 経 験 の イ`足か ら くる 日'本語 の 不 足 が 書 字 に も現 れ て きて い る。 第2・3段 階1詳 細 に韻 察 す る と、 学 習 に 関 す る 発 百 や 、 日常 衰話 にお い て も 「話'ポ」 こ とヵ:、まだ 発 達F気F皆で あ る。 「作 文 の 修 正 過 程 」も自 己 モ ニ ター 能 ノ」が ま だ 発 達 段 階 で あ る と 考'えら れ、 「書 く」・「話 す 」 と い っ た 産 出 過 程 の 両 方 に 問 題 が 見 られ て くる段 階 で あ る.不 特 定 多 数 の 聞 き手 や 、抽 象 的 一 般 者 と して の 聞 き予 を想、『定 して 、 話 した り、 書 い た りす る こ とが 確 立 さ れ て い な い 。 MN R 第3段 階 児 重 本 人 に課 題 を書 き分 けて い る 自 覚 は な いが 、 創 作 な どの と きに 書 き 直 し を行 う な ど、 モ ニ タ ー機 能 が働 き始 め る, こ とば や句 を 自発 的 に 読 み 返 し、 誤 りを 見 つ け る と修 正 す る。 ひ ら が な で 書 い た字 を漢 字 で書 き直 す こと もあ る。 へ' 第4段 階 ノ ー トの 余 白 な ど に漢 字 を宵 いて ,巳い 出 そ う とす る 楊目合 が あ る が. 漢 字 に は謝 ナが あ る。 誤 りの 修 正 が 習 慣 化 さ れて き てお り、作 文 を読 み 返 レて 語句 の 書 き 加 え を す る こ とが あ る 。 しか し、 修 正 は確 実 で は な い。 日常 会 話 力 に特 に 問.題は 見 られ な い。 こグ,匠琵F旨に な る と、 学 習 に 闇 『ぐる 問 題 が 少 な く、 孚 習 に 関 して何 か問 題 が あ っ た 場 含 も・ 自 らの ノノで解 決 して い くこ とカτで きる た め 、 取 り出 し指 導 を 終 了 させ て も よい と考 え ら れ る児 童 も 出 て くる 。 E 第5段 階 専 ら作 文 の内 答 に注 意 が 配 分 され る よ う に な り.書 字 力 力『一 応 の 完 戊 を遂 げ た と考 え られ るが.聞 い て覚 えた 言 葉 な どに は 誤 表 記 が 見 ら れ る。 また 、 作 文 形 式 につ い て は 、 ま だ 聖チ旨u亨力竃必・蛋 な場 合 力【あ る と考 え られ る。 誤 りは 文 字 の レベ ル に留 ま らず 、 文 の 修 正 や 新 た な 文 の 書 き加 え も観 察 さ矛しる。 しか し、 この 段 階 で も修 正 は確 実 で は な い場 合 が あ る。 V Ms

この 表 は 、 観 察対 象 以外 の 「

定 住 型 児 童 」 が どの段 階 に い るの か とい う こ と を把 握 す る

た め の 参 考 に な る と考 え られ る。 しか し、A小 の よ う に継続 した 取 り出 し指導 が な され て

い ない 児 童 や 、 そ れ ぞ れ の児 童 の背 景 に よ って は 、 この段 階 に あ て は ま らない こ と もあ る

と考 え られ る 。

5.2「 書 く力 」 を 育 成 す る た め に 「課 題 ノ ー ト」 を 通 して 、 「書 く こ と」 を 継 続 して き た 児 童 に は 、 「定 住 型 児 童 」 の 特 徴 に 見 ら れ る 「会 話 体 」 か ら 「文 章 体 」 へ の 移 行 、 自 己 モ ニ タ ー 意 識 の 育 成 、 内 言 の 発 達 、 ,'

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「定 住 型 児 童1に 対 す る 日本語 教育 主 題 を 絞 っ て 作 文 す る 力 な ど が 育 成 さ れ て き て い る こ と が 観 察 さ れ た 。 し か し 、 「課 題 ノ ー ト」 の 実 施 期 問 中、 「書 く力 」 に つ い て は 、 あ ま り 変 化 が 見 ら れ な か っ た 児 童 も観 察 さ れ た 。 「課 題 ノ ー ト」 に よ る 指 導 を 通 し て 「書 く 力 」 を 育 成 す る た め に 重 要 で あ る と考 え る こ と を ま と め る と 、 以 下 の よ う に な る 。 5.2.1「 書 く こ と 」 を 継 続 さ せ る た め に 「課 題 ノ ー ト」 に 「書 く こ と」 を 継 続 さ せ る た め に は 、 ど の 段 階 の 児 童 に も言 え る こ と で あ る が 、 学 習 支 援 者 と 児 童 と の 良 好 な 人 問 関 係 を作 る こ と が 大 前 提 で あ る と考 え る 。 良 好 な 人 間 関 係 は 、 お 互 い の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン を 活 発 に し、 「書 く こ と 」 を 継 続 させ る 原 動 力 の1つ に な る と 考 え ら れ る ・ 今 回 の 試 み で は 、 参 与 観 察 で の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン の 他 に 、 「課 題 ノ ー ト」 の 課 題 に 、 各 個 人 名 を 記 し 、 コ メ ン トに も 個 人 名 を 入 れ る よ う に した 。 「課 題 ノ ー ト」 を 返 却 し た 際 、 各 児 童 は 、 コ メ ン トを 一 番 に 読 ん で お り、 筆 者 の 意 図 し た イ ン タ ー ア ク シ ョ ン は あ る 程 度 成 功 で あ っ た の で は な い か と 考 え ら れ る 。 5.2,2課 題 の 選 定 課 題 の 中 で 、 一 番 文 章 数 が 多 か っ た の は 、 ノ ー ト に 貼 っ て あ る絵 本 の 最 初 の 部 分(カ ラ ー コ ピ ー)を 各 自 で 読 み 、 そ の 話 の 続 きを創 作 す る とい う もの で あ った 。 絵 本 の 続 き を 書 く と い う 創 作 の 課 題 は 、 話 を 完 結 さ せ る た め に 文 章 を 多 く書 く こ と に な る よ う で あ る 。 ま た 、 他 の 課 題 で は 、 作 文 の 修 正 が 観 察 さ れ な か っ たNも こ の 課 題 だ け は 、 結 末 部 分 を 書 き 直 して お り 、 創 作 は 、 読 み 返 し を促 し、 認 知 的 な活 動 に結 び つ く の で は な い か と考 え ら れ る 。 し か し 、 書 く意 欲 が あ っ て も 書 け な い 児 童 や 、 書 く意 欲 が な い 児 童 に と っ て は 、 話 の 続 き を 創 作 す る こ と に 時 問 が か か り、 ひ と りで 書 く こ と ま で 結 び つ け る こ と は 困 難 で あ る と 考 え ら れ る ・ 文 章 数 が 二 番 目 と四 番 目 に 多 か っ た 学 校 行 事 と冬 休 み に つ い て の 課 題 は 、 同 語 の 時 間 な ど で も 書 く 機 会 が 多 い た め か 、 文 章 数 に 差 は あ っ た も の の 、 各 児 童 と も書 い て き て い た 。 し か し 、 「書 く 力 」 が あ り 、 創 作 を 好 む 児 童 に と っ て は 、 物 足 り な い 課 題 の よ う で あ っ た 。 文 章 数 が 三 番 目 に 多 か っ た の は 、 各 児 童 が 、 母 国 に 住 ん で い た と き の こ と や 、 国 籍 を持 っ て い る 国 へ 行 っ た と き の こ と に つ い て の 課 題 だ っ た 。 そ れ ぞ れ の 国 の 話 は 、 授 業 中 に も よ く話 題 に な っ て お り、MSを 除 い た6名 の 児 童 に と っ て は 、 書 き や す い 課 題 で あ っ た と 考 え ら れ る 。 こ の 課 題 は 、 学 習 支 援 者 と の イ ン フ ォ メ ー シ ョ ンギ ャ ッ プが 大 き く、 「い ろ い ろ と教 え て く だ さ い 」 と い う 形 に した た め 、 伝 え た い こ と が 多 い 児 童 に と っ て は 、 次 か ら次 へ と書 く こ とが 浮 か ん で き た の で は な い か と考 え ら れ る 。 し か し 、MSの 場 合 は 、 母 国 の 話 か ら 、 来 日当 初 、 い じめ ら れ た こ と に 作 文 の 話 題 が 転 換 して お り 、 作 文 と い う よ り 、MSの 心 情 を 吐 露 す る 手 紙 の よ う な 文 章 で 書 か れ て い た 。 課 題 を 選 定 す る 場 合 、 児 童 の 背 景 な ど も 考 慮 に 入 れ 、 心 の ケ ア な ど も 考 え て い く必 要 が あ る と 感 じ た 。 以 上 の よ う に 、 各 課 題 に 対 す る 反 応 は 、 児 童 に よ っ て 様 々 で あ っ た 。 課 題 を検 証 す る 場 合 、 児 童 へ の イ ン タ ビ ュ ー を 行 う な ど し て 、 「書 か な い 」 の か 、 「書 け な い 」 の か と い う こ と を確 認 す る こ と も重 要 で あ る と 考 え ら れ る 。

(12)

早 稲 田大 学 目木 語教 育 研 究 5.2.3注 意 事 項 と評 価 「課 題 ノ ー ト」 実 施 の 後 期 に は 、 課 題 の 横 に 注 意 事 項 を 書 き 、 蛍 光 ペ ン で 目 立 っ よ う に マ ー カ ー し 、 児 童 へ の 気 付 き と 作 文 形 式 の 意 識 化 を 促 し た 。 そ の 結 果 、7名 中5名 は 、 こ の 注 意 事 項 を 意 識 し て 、 書 き 出 し は 一 文 字 下 げ に 変 化 して い る 。 ま た 、 さ ら に5名 中3名 は 、 「課 題 ノ ー ト」 実 施 期 間 中 に 、 一 文 が 長 く な る 「会 話 体 」 か ら 、 一 文 が 短 く な る 「文 章 体 」 へ と 移 行 して お り、 注 意 事 項 の 効 果 が あ っ た の で は な い か と 考 え ら れ る 。 ま た 、 「書 く こ と 」 に 対 して 児 童 の モ チ ベ ー シ ョ ン を 高 め る た め に 、 そ れ ぞ れ の 作 文 量 に 応 じ て ス タ ン プ を 押 し て ノ ー ト を 返 却 した と こ ろ 、7名 中3名 に 「ス タ ン プ を た く さ ん 押 し て 欲 し い 」 と い う 発 言 が 観 察 さ れ た 。 しか し 、 そ の 反 面 、 他 の 児 童 と 比 較 を して 、 「なぜ 、 自 分 の ス タ ン プ は 少 な い の か 」 と い う こ と に 意 識 が 集 中 す る と い っ た 、 マ イ ナ ス の 効 果 も 観 察 さ れ た 。 こ の よ う に 各 児 童 の 評 価 に つ な が る こ と は 、 事 前 に 児 篁 に 十 分 説 明 す る と と も に 、 各 児 童 へ の 、 フ ィ ー ドバ ッ ク に もつ な げ ら れ る よ う な 評 価 方 法 を 検 討 し て い く必 要 が あ る と 考 え ら れ る 。 5.2.4対 話 に よ る 指 導 表6の 第1・2段 階 の 児 童 の 場 合 、 書 字 力 が 不 足 し て お り 、 課 題 を ひ と りで 書 くの は 、 困 難 な 状 況 で あ っ た ・ そ の 場 合 、 対 話 に よ る 指 導 が 効 果 的 で あ る と 考 え ら れ る 。 対 話 に よ る 指 導 で は 、 学 習 支 援 者 が 、 児 童 が ひ と りで 思 考 を進 め て い け る よ う な 対 話 に 導 く こ と 、 そ し て 、 そ の 対 話 で 引 き 出 し た 「話 し こ と ば 」 を 「沓 き こ と ば 」 に す る た め の 橋 渡 しの 役 割 も担 う 必 要 が あ る 。 LやRは 、 対 話 を 通 して 書 か せ た 場 合 、 対 話 を き っ か け に 作 文 の 内 容 に つ い て 考 え 、 作 文 す る 様 子 が 観 察 さ れ た 。 しか し 、 表6の 段 階 が 高 い 児 童 は 、 作 文 中 に 話 し か け る と1黙 っ て て 」 等 の 発 言 が 観 察 さ れ た 。 こ の よ う な 場 合 、 対 話 が 却 っ て 作 文 の 邪 魔 に な る こ と も 考 え ら れ る 。 対 話 に よ る 指 導 は 、 表6の 段 階 が 低 い 児 童 や 創 作 な ど で 話 が 作 れ な い 場 合 に 、 有 効 で あ る と考 え る 。 5,2,5「 課 題 ノ ー ト」 の 限 界 「課 題 ノ ー ト」 の 提 出 状 況 に 個 人 差 は あ る が 、 ど の 児 童 に も 「課 題 ノ ー ト」 を書 く意 欲 が 観 察 さ れ た 。 「書 く力 」 を 育 成 す る た め に は 、 書 く意 欲 が あ る 低 学 年 か ら 中 学 年 の 時 期 に 、 「書 く力 」 を 養 う こ と が 重 要 で あ る と考 え ら れ る 。 し か し、 週 に1回 、 自宅 で 書 い て く る こ と に し た 「課 題 ノ ー ト」 で は 、 継 続 し て 書 か せ る こ と が 困 難 な 場 合 も あ っ た 。 自 宅 で 、 書 く時 問 を 確 保 す る こ と が 難 しい 場 合 や 、 対 話 に よ る 指 導 が 必 要 な 場 合 な ど で あ る 。 そ の 中 で も 、 対 話 に よ る 指 導 は 、 休 み 時 間 を 利 用 し た た め 、 時 間 や 対 応 で き る 人 数 が 限 ら れ て お り、 全 員 に 書 か せ る こ と が 難 し い 状 況 で あ っ た 。 「書 く こ と」 を継 続 させ る た め に は 、 授 業 中 な ど 、 学 習 支 援 者 が 見 て い る と こ ろ で 短 い 時 間 を と る こ と が で き れ ば 、 効 果 的 な 指 導 が で き る の で は な い か と考 え ら れ る 。 ま た 、 「課 題 ノ ー ト」 は 、 学 習 支 援 者 と 児 童 間 の や り取 りが 中 心 と な る た め 、 児 童 間 で の 意 見 交 換 や 、 他 の 児 童 の 作 文 の 良 い と こ ろ を 学 ぶ と い う機 会 を 持 つ こ とが で き な い と い う 点 を 、 「課 題 ノ ー ト」 の 性 質 上 の 限 界 と し て 、 認 識 して お く必 要 が あ る と考 え る 。

(13)

「定 住 型 児 童 」 に対 す る 目本 語教 育

5,3総

合 的 な示 唆

5,3,1日

本語 教育 の 必 要 な 「

定 住 型 児 童j

A小 で の フ ィー ル ドワ ー ク の結 果 、 日本 生 まれ だ か ら、 日本 の小 学 佼敦 育 を1年 生 か ら

受 け て い るか ら とい う理 由で 、 「

定 住 型 児 童」 に は 、 日本語 教 育 が 必 要 ない とは い えな い

結果 が 示 され てい る。 「

定 住 型 児 童 」 た ち は、 「

話 しこ とば」 や 「

書 き こ とば 」 とい った 重

層 性 のあ る 日本 語 の 中 で 、学 習 を進 め て い か な けれ ば な らず 、 そ の 上 、 生 活 経験 の 不足 な

どか ら、 在 籍 ク ラス で の授 業 の み で は 、 な か な か学 習 が 進 ま ない 状 況 で あ る。 これ らの現

状 か ら、 「

定 住 型 児 童 」 に も、 日本 語 教 育 が必 要 で あ る と考 え る。 児 童 の背 景 は 多 様 で あ

り、 「

定 住 型 児 童 」 の 背 景 な ど も含 め た現 状 と、将 来 も考慮 に入 れ た 日本 語 に 関 す る細 か

い ケ アや 支 援 が 必 要 で あ る。

5.3.2「 書 く力 」 か ら 「学 習 言 語 」 を育 成 す る 3年 生 の 「定 住 型 児 童 」 の 場 合 、 書 字 力 が 不 足 して い る と、 字 を 書 くこ と に 意 識 が い き 、 学 習 内 容 に 集 中 で き な い 様 子 が 観 察 さ れ た 。 ま た 、Rの よ う に 、3年 生 時 点 で は 、 一 見 、 学 習 に 関 す る 問 題 は な い よ う に 見 え る 児 童 も 、 抽 象 的 な 思 考 が 必 要 と さ れ る 高 学 年 に な っ た と き、 書 字 力 の 不 足 が 学 習 に 影 響 を 及 ぼ す の で は な い か と 懸 念 さ れ る 状 況 で あ っ た 。 こ れ ら の こ と か ら 考 え て 、3年 生 以 前 の 低 学 年 の 間 に 、 「書 く力 」 を 育 成 す る こ と が 、 学 力 や 認 知 力 を 伸 ば して い くた め の 基 礎 と し て 重 要 な 意 味 を 持 つ と 考 え ら れ る ・ 「定 住 型 児 童 」 の 「学 習 言 語 」 の 育 成 を 考 え る た め に は 、 小 学 校 低 学 年 の 時 期 に ど の よ う な 日本 語 教 育 を 行 う こ と が で き る の か 、 ま た 、 ど の よ う に して 「書 く力 」 を 育 成 す る の か と い う こ とが 極 め て 重 要 に な っ て くる と考 え ら れ る 。低 学 年 の 問 は 、書 字 に と ら わ れ ず 、 学 力 や 認 知 能 力 を 伸 長 さ せ て い くこ と が で き る よ う な カ リ キ ュ ラ ム を 準 備 し 、 そ して 同 時 に 、 「書 く 力 」 を 育 成 す る た め に 、 継 続 し て 取 組 む こ と の で き る 別 の カ リ キ ュ ラ ム を 準 備 す る 必 要 が あ る 。 「課 題 ノ ー ト」 の 試 み に よ っ て 、 ゆ る や か で は あ る が 、 「書 く力 」 が 育 成 さ れ る こ と が 明 ら か に な っ た 。 「課 題 ノ ー ト」 は 、 「学 習 言 語 」 の 育 成 と 平 行 し て 行 う こ と が で き 、 「書 く 力 」 の 育 成 や 強 化 に つ な が る と考 え ら れ る 。 ま た 、 児 童 そ れ ぞ れ の 学 習 段 階 に 応 じ た 「書 く力 」 の 育 成 が 可 能 で あ る と 考 え ら れ る 。 「書 く力 」 の 不 足 は 、 学 習 内 容 に 集 中 で き な い 原 因 の1つ に な っ て い る 。 「書 く 力 」 を 育 成 す る こ と に よ っ て 、 学 習 内 容 に 集 中 し、 「学 習 言 語 」 の 育 成 も可 能 に な る と考 え る 。 「定 住 型 児 童 」 に対 す る 日本 語 教 育 を 考 え る 場 合 、 「学 習 言 語 」 を 育 成 す る た め に は 、 ま ず 、 「書 く力 」 を 育 成 す る こ とが 重 要 で あ る と言 え よ う 。

5.4今

後 の 課 題

本 稿 は、3年 生 の 「定 住型 児 童 」7名 の 「

書 く力 」 の 育 成 を試 み た ケ ー ス ス タ デ ィで あ

る。

A小 で の 参与 観 察 を通 して 、 他 の 学 年 に は、 学 習 に関 す る 問 題 を抱 え た児 童 が 、 よ り多

く観 察 され てい る。 今 後 、 ケ ー ス を増 や し、 よ り多 くの 「

定 住 型 児 童」 に対 応 で きる よ う

な基 準 を作 成 して い きた い。 また 、低 学 年 か ら 「

書 く力 」 の 育 成 を試 み た場 合 、 どの よ う

な効 果 が 期 待 で きるの か 、高 学 年 児 童 の 「

書 く力 」 を育 成 す るた め に どの よ うな 方 法 が有

(14)

早 稲 田 大 学 日本 語 教 育 研 究 効 な の か と い う こ と に つ い て も検 証 し、 「書 く力 」 の 育 成 を 通 して 、 「学 習 言 語 」 の 育 成 す る た め の 研 究 を 進 め て い き た い 。 資 料1「 課 題 ノー ト」 の課 題

月/日

課題No

2002 11125

日曜 日 に あ っ た こ と を か き ま し ょ うG 12/2

○ ○ さ んの 家 族 を し ょ うか い して くだ さい 。 12/9

OOさたか 。 い ろい ろ と教 え て くだ さい。ん は、 ふ れ あ い広 場 で何 を しま したか 。 友 達 の よ うす は ど うで し 12/16

OOさか 。 ど う して す きです か 。教 え て くだ さい 。ん の 一 番 す きな テ レ ビ番 組 は何 で す か 。 そ れ は 、 どん な番 組 で す 2003 1!17

00さ ん は 、 冬 休 み 何 を し ま し た か 、 』一'番楽 しか っ た こ と は 何 で す か 。 教 え て くだ さ い 。 1!2D

○ ○ さ ん が(国 名 ・各 自)に 行 っ た と きの こ と を 教 え て く だ さ い 。 い つ い き ま し た か 。 一 番 楽 し か っ た こ と は 何 で す か 。 び っ く り し た こ と は ど ん な こ と で す か 。 い ろ い ろ と教 え て くだ さ い ・ 1127

1/26(日)に 何 を し ま し た か 。 日曜 日 に あ っ た こ と を 書 い て く だ さ い 。 (土 曜 日 の こ と で も い い で す 。) 2β

左 に あ る ヒ ン ト を 読 ん で 、 「く ま さ ん の い す 』 の お 話 し の 続 き を 作 ワ て く だ さ い 。 お も し ろ い お 話 、 楽 し み に し て い ま す 。 ツ10

OOさ ん は 、 大 き く な っ た ら何 に な り た い で す か 。 そ れ は 、 ど う し て で す か 。 教 え て く だ さ い ・ 大 人 に な っ た と き の 生 活 は 、 ど う な っ て い る と 思 い ま す か 。 十 年 前 の こ と を ヒ ン ト に 考 え て み ま し ょ う 。 【十 年 前 は 、 学 校 や 会 杜 で パ ソ コ ン は 、 あ ま り使 わ れ て い ませ ん で し た 。 け い た い 電 話 を 持 っ て い る 人 も 、 ほ と ん ど い ませ ん で し た 。 で も 、 今 は 学 校 で も 会 杜 で も パ ソ コ ン が 使 わ れ て い ま す ・ また 、 多 く の 人 が け い た い 電 話 を 持 っ て い て 、 と て も便 利 に な り ま し た 。1 2!17

か ん た ん な(国 名 ・各 自)料 理 の作 り方 を教 え て くだ さい 。 そ れ は 、 ど ん な 料 理 で す か 。 ど ん な材 料 を使 い ます か 。 【料 理 の 材 料 や 作 り方 は 、 お 母 さ ん に聞 い て み ま し ょ う。1 3110

○ ○ さ ん の家 か ら学校 まで の こ とを 教 え て くだ さい。 どん な お 店 が あ り ます か。 どん な 木 が あ り ます か 。 どん な花 が さい てい ます か 。 どん な動 物 が い ます か 。 い ろい ろ と教 え て くだ さい。

(15)

「定 住 型 児 竜 」 に対 す る 日本 語 教 育 資 料2注 、鞍事 項

月/日

課 題No

注意事項

2DO3 且/17

ま る(。)と 、,屯(、)を わ す れ な い よ う に し ま し ょ う 。 文 を 書 き 終 わ っ た ら 、 も う一 度 読 み 直 し て み ま し ょ う 。 ① ま る(∂ と 、 点 〔、)を わ す れ な い よ う に し ま し ょ う 。 1120

② 人 が 話 し て い る こ と は 、 か ぎ か っ こ 〔「 」)に い れ ま し ょ う 。 文 を 書 き 終 わ っ た ら 、 も う一 凌 読 み 直 し て み ま し ょ う 。 ① ま る(。)と 、 点(、)を わ す れ な い よ う に し ま し ょ う。 1/27

② 人 が 話 して い る こ と は 、 か ぎ か っ こ(「 」)に い れ ま し ょ う。 ③ 文 を 書 き は じ め る と き は 、 一 マ ス あ け ま し ょ う 。 文 を 書 き 終 わ っ た ら 、 も う一 度 読 み 直 し て み ま し ょ う 。 ① ま る(。)と 、 点(、)を わ す れ な い よ う に し ま し ょ う。 ② 人 が 話 して い る こ と は 、 か ぎ か っ こ(「 」1に い れ ま し ょ う 。 213

③ 文 を 書 き は じめ る と き は 、 一 マ ス あ け ま し ょ う. ④ 小 さ い 「や ・ゆ ・よ ゴ、 小 さ い 「っ 」 を わ す れ な い よ う に し ま し ょ う 。 文 を 書 き 終 わ っ た ら 、 も う 一 度 読 み 直 し て み ま し ょ う 。 ① ま る(。)と 、 点(、)を わ す れ な い よ う に し ま し ょ うQ ② 人 が 話 して い る こ と は 、 か ぎ か っ こ(「 」1に い れ ま し ょ う。 2!10

③ 会 話 文(か ぎ か っ こ 「 」 の 文)を 書 く と き は 、行 を か え ま し ょ う 。 ④ 文 を 書 き は じめ る と き は 、 一 マ ス あ け ま し ょ う 。 ⑤ 小 さ い 「や ・ゆ ・よ 」、 小 さ い 「っ 」 を わ す れ な い よ う に し ま し ょ う 。 文 を 書 き 終 わ っ た ら 、 も う 一 度 読 み 直 し て み ま し ょ う 。 ① ま る(。)と 、 点(、)を わ す れ な い よ う に し ま し ょ う。 ② 文 を 書 き は じめ る と き は 、 一 マ ス あ け ま し ょ う 。 2ノ且7

③ 小 さ い 「や ・ゆ ・よ 」、 小 さ い 「っ」 を わ す れ な い よ う に し ま し ょ う 。 ④ 料 理 の 材 料 や 作 り方 を わか りや す く書 き ま し ょ う。 文 を 書 き 終 わ っ た ら 、 も う 一 度 読 み 直 して み ま し ょ う 。 ① ま る(。)と 、 点(、)を わ す れ な い よ う に し ま し ょ う。 3ノ且0

7 ② 文 を 書 き は じめ る と き は 、 一 マ ス あ け ま し ょ う 、 ③ 小 さ い 「や ・ゆ ・よ 」、 小 さ い 「っ 」 を わ す れ な い よ う に し ま し ょ う 。 文 を 書 き終 わ っ た ら、 も う 一 度 読 み 直 して み ま し ょ う 。

(16)

∫1罫1目肖田 大f弄 日 本 占費享文でf石IF究

11)1990年 ・6月に 「出 入 国 管 理 お よ び難 民 認 定 法 」 の 改 正、が 施 行 され た こ と な ど に よ りH系 人 を含 む 外 国 人の 滞 日が増 加 し、 これ らの 外 国 人 に 同11トされ る 子 ど もが 増 加 した。 こ れ を契 機 に1991 年 度 か ら、 「日 本 語指 導 が必 要 な 外 田 人児 垂 生 徒 の 受 け 入 れ 状 況 等 に閃 す る調 査1が 行 わ れ る よ う に な った(文 部 秤 学 省2003)。 (2)齋 藤(2(沿1)は 、 「学 習 言語」 とい う言 話 能 力 は 、 学 校 とい う社 会 的 文 化 的 文 脈 に埋 め 込 まれ た もの と して 詔 られ て こそ 意味 が あ る と述 べ て い る ・学 校 とい う文 脈 に埋 め 込 まれ た言 語 能力 とは 、 教 科 等 の 学 習 場面 で 文 法 や語 彙 の 知 識 が 運 用 され て 櫨 能 す る こ とで あ る と し、 実 際 に学 習 活動 に 参 加 し、 そ こ で 使 わ れ て い る こ とば を理 解 ・運 用 す る と い う経 験 を重 ね る こ と に よ っ て 、 「学 習 '言 語」 能 力 は 高 まる と して い る。 (3)平 成M年 度 の 文 部科 学 省 の 「日本 語 指 導 が 必 要 な外 国 人 児 了ll.生徒 の 受 け 入 れ 状 況 等 に 閃 す る調 査 」 で は、 公 立 の 小 ・中 ・高 等 学 校 、 中 等 教 育 学 校 及 び盲 ・聾 ・養 証 学 校 に在 籍 す る 「日本語 指 き專が・必'要一な夕"ξ1人う巳}敦生 徒 」 数1よ、18,734人 とな っ て い る 〔文 部 秤 学 省20031。 しカ・L、 こ の 副 査 で は 、 「日本 話 指 導 が 必 要 な 外 国 人 児 童 生 徒 」 の 「目本 語能 力 」 の基 準 が 明 確 に され て い な い こ とや,「 目本 語 指 導 が ・必要 な 」 と言 う と きの 「日本 語 指 導 」 が 、具 体 的 に示 され て い な い こ と 、 「1木国 籍 を取 得 した 「外 図 に つ なが る児 童 生 徒 」 や 「帰 国 児童 生 徒 」 な ど は 、調 査 対 象 外 と さ れ て お り、報 告 さ れて い る人 数 は、 実 際 よ り も少 な い と考 え られ る(川 上2003)。 (4)内 容 弔:視の ア ブ ロー チ とは 、取 り扱 わ れ て い る内 容(賞 語 以 外 の学 習)を 、第 二 言 語 を媒 介 と し て 理 解 し.学 習 す る と い う言 語 の 敦 育方 法 論 であ る(岡 崎19911。 (5)学 習 の 理解 は 、 産 出 を媒 介 に して 進 む。 産 出す る こ と に よ って 、 初 め て 言・語 の形 に意 識 的 に注 目 した り、 自分 の こ とばの 質 的 向Lに 注 意 を向 け た りす る こ とが 可 能 とな る(同 崎 ・岡崎2DO1〕 。 (6)内 容 重 視 の 日木 語 教 育 の 利,㌧}龍して 、 齋藤(1999〉 は、 ① 教 科 内容 を導 入 す る こ とに よ り日木 語 の 学 習 が 尖 質 的,な味 を持 ち,モ チ ベ ー シ ョ ンが 高 ま る こ と ② 教 秤の 授 業 が 自然.な文 脈 にお け る コ ミュニ ケ ー シ ョンの場 に な る こ と ③ 認 知 杜 会 的 発 達 段 階 に 応 じた 内容 の学 習 を通 して、 認 知 的 、学 力 面 を支 え る 口本 語 が 養・成 で きる 、 とい う3,占 を 挙 げ てい るっ (7)現 在 、 文 部 得 学 省 で は 、 日本 語 指 導 と教 科 指 導 を統 合 し、学 習 活 動 に参 加 す る た め の力 の 育成 を め ざ したJSL〔Japaneseasasecondlanguage)カ リキ ュ ラ ム の 開発 が進 め られ て い る(文 自「科 字 省2002)。 こ の カ リキ ュ ラ ム は 、初 期 指 導 を 終 え た 後 、 目本 語 指 導 と平 行 して(日 本 語 の習 得 を通 して)、 学 校 で の学 習 活 動 に参 加 す る た め の カ(「 学 ぶ 力 」)の 育 成 を 目指 した もの で あ る。 (81取 り出 し指 導 と は、 在 籍 ク ラ スσ)国語 や 祉 会 の 時 問 に 取 り出 し、他 の 教 室 で 指 導 を行 うこ とで あ る。 (9)臨 ソA期と は、 面『語 の 習 得 が容 易 に な され る 時 期 の こ と を言 う。 そ の 年齢 は研 究 者 に よ って い ろ い ろ な説 が あ る が 、 大 まか に は7歳 か ら13歳 で あ る と いわ れ る(迫 田2(}02)。

参考文献

池L摩 希 子(1998)「 児 童 生 徒 に 対 す る 日 本 語 教 育 の 課 題 ・再 検 討 一 研 究 ノ ー トー 」 『中 囮 帰 国 者 定 着 促 進 セ ン タ ー 紀一要 』 笛6一号pp.131-146 (19991「 「母 語 喪 失 」 の 捉 え 方 一 日木 語 教 育 は 子 ど も た ち か ら 「母 語 」 を 奪 う の か 」 『『言 語 』 Vo1.28斡o.4P【),&挑 一85 (199P「 「中[il帰[11生 徒 」 に 対 す る 日 本 語 教 育 の 役 割 と 課 題一 第 二1}語 教 育 と し て の 日 参 語 教 育 の 視 点 か ら 一 」rll本 、滋 矯 』831」 一PP,16-28 石 井'〕旺佳(lgg9)「 多 様 なr旨『r;1…背 景 を も つ 子 ど も の 母 議 教 育 の 現 状 一 「神 奈 川 県1ナ・】の 母 語 教 室i`ll査」 ‡[乏告・一 」 『rllll.1♪II}「「1者定 ∼rl足進 セ ン タ ー 牙巳要 』 第7弓'pp.148-187 伊 束 祐 郎 〔1999)「 外 国 人 児 童 生 徒 に 対 す る 目 本 識 教 育 の 現 状 と 課 題 」 『口 本 語 教 育 』1〔X.1号pp.33-44 内 田 伸 子(1990)『 シ リ ー ズ 人 間 の`&達1子 ど もの 文 章 一 書 く こ と ・考 え る こ と 』 東 京 大 学 出 版 会

Referensi

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