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Setsuzoku kokusai sangyo renkanhyo ni motozuku bunseki no shiten to shuho

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接続国際産業連関表 に基 づ く

分析の視点 と手法†

清水 雅 彦 †,池 田明 由 ‡ 1996年10月

慶応義塾大学経済学部,‡早稲 田大学社会科学部

†この研 究 は ,平成7年 度通 商産業省 「国際産業連関表における分析手法(基 本及び応 用分析)の 開発 」プロジェ ク トの 一 環 と して な され た。 しか し,本 論文 に 含 まれ る誤 りはす べ て筆者 に帰 す もの で あ る.この 論 文 は,ブ レ リミナ リーな もの で あ り,コ メ ン トを 歓 迎す る.

(3)

目 次

1本 研 究 の 目的

2国

際産業連関表の理論的背景

3国 際 産業 連 関 表 とアー ミン トンアプ ロー チ 1 s 8 4ア ー ミ ン ト ン ア プ ロ ー チ を 国 際 産 業 連 関 分 析 に 適 用 す る に あ た っ て10 4.1は じ め に ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …10 4.2goods,productの 概 念 と 国 際 産 業 連 関 表 の 共 通 部 門 分 類 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …11 4・3productの 集 計 関 数 φ と 技 術 係 数 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ….。13 4・4イ ン プ リ メ ン テ ー シ ョ ン ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …...15

5接 続国際産業連関表と ドル価値単位

6接 続 国 際産 業連 関 表 を用 いた分 析 の今後 の展望 につ いて 19 21

1本

研究 の目的

1985年 の 国 際産 業 連 関表 にひ きつ づ いて 、現 在1990年 国際 表の 推 計 が進 行 中で あ る。 こ こで新 たな課 題 とされ たの は,こ の異 な る2時 点間 の国 際表 を分 析 上 比較 可 能 な もの に す るた めの接 続 問題 で あ った. 周 知の よ うに,一 国表 であれ,国 際 表 であれ,同 じ観 測対 象 を異 な る時 点で観測 す る こ とに よ ってえ られ る異 時 点産 業 連 関表 の接 続 問題 とい うの は,ま ず第1に 各 時 点 の部 門概 念 を いか に共通 化 す るか とい うこ とで あ る.い いか えれ ば,各 時 点に共 通 な部 門 分類 を い か に設定 す るか とい うこ とであ る.そ して 第2に,異 時 点間 にお け る経 済変 量 の変 化 に は 価 格要 素 の変 化 と数 量 要素 の変 化 が含 まれ て い るこ とか ら,分 析 上 数量 要 素 の変 化 に着 目 す ると き,価 格 要素 を いか に 固定化 す るか とい う問題 で あ る.こ の第2の 問題 は,基 準 時 価格 で 比較 時 の 時価 評価 額 を再 評価 し,比 較 時 に関 して価 格 要素 の変 化 を 除去 した いわ ゆ る基 準 時 固定 価格 の 実質 値 を いか に推 計す るか とい うこ とで あ る. これ ら接続 問題 は,い う まで もな く分析 理 論 の立 場か ら要 請 され る もの で あ り,共 通 部 門分 類の 設 定 にせ よ実質 化の 方 法 にせ よ分 析 理論 と整合 的で なけれ ば な らな い しか し, 実 際 問題 と して は,統 計資料 の 制約 な どか ら整 合 性 を確保 す るこ とは容 易 で は な い と り わ け・複 数 の 異 な る経 済 シス テ ム(国 民経 済)の 生 産 諸部 門を 連結 した 国際 表 の場 合 には, 一 国表 に比べ て ,よ り多 くの制 約 と困難が 伴 うこ と もた しか であ る. 現 在 の とこ ろ,異 時 点 国際 表の 接続 は,1985年 と1990年 の 日米連結 産 業連 関表を 対象 に して試 み られ てい る.そ こで は,第2の 問題す なわ ち実 質化 に際 して2通 りの方 法が 考 え られ て い る.そ の あ らま しと要 点 を説 明す るため に,第1の 問題 す な わ ち共通 部 門分 類 につ いて は 日米 両 国 と もに よ く定 義 され たn個 の 内 生部 門 を もち,日 米表 全体 と して は2

(4)

n個 の 内 生 部 門 か らな る と して お こ う.し た が って,財(good)はn種 類 で そ れ らが 日米 両 国 で 生 産 され る こ とか ら生 産 部 門 は2n個 で あ る. そ の 一 つ の 方 法 は,日 米 両 国 そ れ ぞ れ の 部 門 別 生 産 額 デ フ レー タ ー を 基 本 とす る もの で あ る・ い ま,1985年 を 基 準 時(0),1990年 を 比 較 時(t)と し,各 時 点 の 円 ・ ドル 為 替 レー トを(eO,eり,時 点間 に お け る各 国 の 部 門 別 生 産 額 デ フ レー タ ー を(Stv,St)と す る と,第i財 に 関 す る 日 米 両 国 の 時 価 評 価 に よ る 名 目生 産 額 は 次 の よ う に 表 わ せ る. 米 国(u) 為 替 レー ト(e) 日本(J) 基 準 時(0)   } PUi'XUi eー ㎝ 墫 ヂxg重 デ フ レー タ ー(δ) tSU4 δ5i 比 較 時(t) ・x翫 et 一己皿{皿   {一

巧 ゲxあ

こ こで は,両 国の 第i財 価格 は それ ぞれ の通 貨建 とな って い る.そ こで,日 本側 の 円建 価 格 を各 時 点 の為 替 レー トを用 い て ドル建 価格 に書 き直 し,さ らに 両 国の比 較 時名 目生 産 額 を基 準 時 ドル 建 価格 とデ フ レー ター を用 いて書 き直す と,両 国 両時 点 の名 目生 産額 は次 の よ うに表 わせ る. 米 国(u) 日本(J) 基準 時(0) 瑠i・OXUi

OP

pa'XJi

e 比較 時(t) tS vi・P8ヂx猷 8t・ 瑠  』 ・ "Ji一`Ji ,ht ofJie こ の ドル 建 価 格 表 示 の 日米2時 点名 目生 産額 に 関 して,両 国 の 基 準 時 価 格(OPu: ,OPJi/eO) で 比 較 時 を 再 評 価 す るの が こ こ で い う 一 つ の 方 法 で あ り,米 国 側 に つ い て は 自 国 第i財 の デ フ レ ー タ ー(eSUi)を,日 本 側 に つ い て は 自 国 第i財 デ フ レー タ ー(δ5i)を さ らに 実 質 為 替 レー ト(eヲeO)で 除 し た もの を 用 い て 実 質 化 が お こ な わ れ る.こ の よ う な 実 質 化 の 方 法 をD方 式 と 名 づ け て お こ う.

(5)

D方 式 に よ る実 質値 をマ トリ ック ス形 式で表 わ してお けば ,次 の ようである. povi・XーUi咢 ・XーJ歪 e poUZ・XtU奮PJi OO・Xtl e この うなD方 式 によ る実 質 値 を,国 際表 に関す る産業 連 関分 析 理 論 の観 点か ら検 討 し て お くこ とは重 要 で あ る.周 知 の よ うに,産 業連 関 分析理 論 にお いて 最 も基本 的なパ ラ メ タ ー は・ 内生 諸部 門 間の 相互 依存 関係 を記述 す る投入 係 数(あ るいは技 術係 数)で あ る.ま た・投 入係 数 に よ って各 内生 部 門の生産 技 術(activity)が記述 され る.各 時点で所与の生産 技 術 を 記述 す る投 入係 数 は,そ の生 産技 術 に基 づ いて 産 出 され る財 と生 産 に必 要な 中間財 の 物 的(あ るいは数 量 的)関 係 を表 わ して いる.こ の とき,産 出される財 と投入 され る中間 財 は,共 通の 物 的単 位 で 測 られ た もの でな ければ な らな1な ぜ な ら,異 な る物 的単 位 で 測 られ た財 お よび投 入 係数 は相 互 に比 較不 可 能 だか らであ る.こ の 点 に 関す る理 論 的解 釈 を与 え た のが,レ オ ンテ ィエ フの ドル 価 値単 位(onedollar,sworth)で あ る. で は,先 のD方 式 に よ る実質値 は,2国2時 点の第i財 に関 して 共通 の物 的単位 で 測 ら れ た もの と いえ るの で あ ろ うか.国 別 にみ ると,米 国側 の2時 点 に 関 して は共 通の ドル価 値 単 位(1/」喀 ∂ で 測 られ て い る.ま た,日 本 側 の2時 点 に関 して も共 通 の ドル価 値 単 位

1誓

醜 謂畿 謡鹸 驪 ゑ嬲 掣

鶏裂

犠 讒翻 朧 箪

位(・/噛 と 躰 にお け る第i財 の ドノ瓏 単位(1/(PJi eO))が 必ず しも一致 して い る とは か ぎ らな いか らで あ る.両 国の 第i財 に関す る ドル価 債 単位 が 一致 す るの は,次 のよ うな 場 合 で あ る.

(1)

(2)

11

Pv1

盆L,。

一Ji)

す な わ ち・(2)式 にみ られ るよ うに,米 国の 第i財 に関す る ドル価 値 単位(左 辺の 分 子) と 日本の 第i財 に関す る 円価 値単位(左 辺の 分母)の 比 率が ,両 国通貨の交換比率であ る為 替 レー トに等 しい場 合 で あ る.こ の(2)式 は また,米 国の 第i財 と 日本 の 第i財 が ま った く 同質 で あ るな らば,第i財 で測 られ た ドルの購 買 力 と円の 購買 力 の比,す な わ ち第i財 で測 られ た購 買 力 平価 が 両 国通 貨の 交換 比 率 で あ る為 替 レー トに等 しい場 合 を意 味 して い る. しか し・ 通常,(2)式 が成 立 して い る保 証 はな い む しろ,(3)式 で示す よ うな不 等 式 関 係 が 一般 的で あ る.

(6)

(3)掛'

この(3)式 を先 に記 した 日米 両 国の 第i財 に関す る ドル 価値 単 位 の不 等 式 と して表 わす と,次 の よ うであ る.

(4)(訓

童)

(4)式 か ら明 か な よ うに,日 米 両 国の 第i財 に関 して 物 的単 位(ド ル 価 値単 位)は 異 な っ て い る.し たが って,こ の よ うな物 的単位 を 前 提 と したD方 式 によ る実質 値 は,日 米両国 の いずれ か を相 対 的 に過 大 あ るい は過小 評 価 す る こ とにな るの で あ る.た とえば,米 国の 第i財 ドル 価値 単 位が 日本 の第i財 ドル価 値 単位 よ りも大 きい場 合 ,

(5)(1Pv

i)〉(婁)

日本 側 の 実質 値(」喉/eO・X」 歪0)は米 国側 に比較 して過大 評 価 され るこ とに な る. た だ し,こ こ で注 意 して おか なけ れば な らないの は,先 に第i財 で 測 られ た購 買力 平 価 に関 連 して述 べ た よ うに,日 米 両 国の 第i財 が 同質 で あ る と仮 定 した場 合 に生ず る 問題 で あ る とい うこ とで あ る・ これ は,国 際表(こ こで は 日米 表)に お け る部 門概 念 と部 門分 類 に も関連 して い る.現 行 の 日米表 で は,n種 類 の それ ぞれ に同質 な 財が 日米両 国 で生 産 され る とい う仮 定 の も とで,日 米 ともにn個 の内 生部 門を もち全 体 と して2n個 の 内生 部 門を 設定 した ので あ る. (4)式 の不 等 式関係 が 一般 的 であ る とす れ ば,そ れ は,同 質 な財 で あ るに もか か わ らず 米 国 の第i財 ドル建 価格(Pug)と 日本 の第i財 ドル 建価 格(OPaz/eO)が 相 違 して いる こ とに よ る といわ なけ れ ば な らな い.い わ ゆ る内外 価格 差の存 在 で あ る.そ の 要 因 と しては ,日 米 の財 別 生産 性格 差 と 同時 に,一 物一 価 の成立 を 阻害す る国内 お よ び国 際市 場 の不 完全 性 が考 え られ る. さて,も う一つ の 方 法 は,以 上 の よ うなD方 式 に よ る実質 値 の 問題 点を 除 去す るた め に,さ らに 国際 相対 比 価(日 米 表の 場 合 には基 準時の 財別 日米 相 対 比価)を 用 いて 実質 値 を 推 計 す る方 法 で あ る.以 下 では,こ の方 法 をR方 式 と呼 ん でお こ う.こ のR方 式 につ いて は,す で に文献[8]に お い て詳 しく述べ たの で,こ こで は その要 点の み を記 してお こ う. く り返 して いえ ば,D方 式 に よ る実 質値 の 問題 点 は,同 質 と仮 定 され る第i財 の 物 的単 位(ド ル 価値 単 位)が 日米 間 で相 違 す るこ とが あ るとい う点 で あ った.そ れ は また,第i財 の ドル建 価格 が さま ざまな 要 因 によ って 日米 間 で相 違 して い る とい う現実 を反 映す る もの で あ った.こ れ に対 して,R方 式 に よ る実質 値の 推 計 は,あ らか じめ 基準 国 を定 め て,基 準 国の 基準 時 価格 で 自国の比 較 時 は も とよ り相 手 国の 基 準 時お よび 比 較時 を評 価 す る もの で あ る・ これ を,先 の 第i財 に 関す る 日米2国2時 点の 場 合 に あ ては め てみ る と,D方 式 に よ る実質 値 は 次の よ うで あ った.

(7)

OP Ua・ 峨

P8ボx翫

e ・Xーi

OP

oa'X.li

e た とえば,米 国を 基準 国 とす る とき,R方 式 で は相 手 国 で あ る 日本 の基 準 時 お よび 比 較 時を米 国の基 準 時価 格(一V1)で 評 価す る こ とか ら,D方 式 にお け る 日本 側 基準 時固定 価 格(OPJi/εo)を,第i財 に 関す る 日米 間の価 格 差 で ある 国際相 対 比価 によ って再 評 価す るの であ る.具 体 的 には,第i財 に関す る 日米 間 の相対 比 価 は次 の よ うで あ る. OP az Pv=eーPiiz こ の(6)式 で 示 さ れ る 国 際 相 対 比 価 で 日本 の 基 準 時 固 定 価 格(rJi/eO)を 再 評 価 す る と,

咢(7)

「母=瑤

結 局 の とこ ろ,R方 式 に よ る実 質値 は次の よ うにな る. 瑠 ボxg`OUi'XJi

OttP

UiXUiPUiXJi

この と き,日 米2国2時 点 は単一 の 固定 価格(瑠 i)で 評 価 され てお り,共 通 の物 的単 位 (ドル価 値 単位)で 測 られ た実 質値 を示 す こ と にな るの で あ る. と ころ で,国 際表 の なか で も相 対 的 に関連 統 計情 報 が豊 富な 日米 表:の場 合,1985年 と 1990年 の接 続 にあた って,実 質化 の方 法 はD方 式 とR方 式の 両 面か ら接近 す るこ とが 分析 の視 点か ら も望 ま しい と考 え られ る. R方 式 の 場 合,す で に述 べ た よ うに財 の 同質性 を 仮定 した分 析理 論 と整 合 的 で あ る と い う点 で は望 ま しい実 質化 の 方法 で あ る とい え る.し か し,国 際 相対 比 価 に 関す る統 計 資 料 の 整備 が 容易 で は な い とい う推 計作 業上 の 問題が あ る.他 方,D方 式 は,統 計 資料 の整 備 と推計 作 業 と い う点 で は比 較 的 に容 易 で あ る.し か し,財 の 同質性 とい う仮 定 を満 た さ な い とい う問題 が あ る.そ こで,D方 式 の採 用 に あた って は,部 門概 念 と部 門 分類 に関 し て新 たな解 釈 をつ け加 え なけ れば な らな い それ は,用 途 に よ って分 類 され る財(good)の 種 類はn個 で あ るが,各 財 は生 産 国 に よ って 必ず しも同質 で はな い とい う仮 定 で あ る.こ の 仮 定 は,周 知 の アー ミン トン ・モ デル で も導 入 され た もの で あ る.

(8)

本 研 究 の 目的は ・以 上 の よ うな2通 りの 方法 で実 質 化 され た接続 国際 表 に基 づ く分 析 の 視 点 と手 法を検 討 す るこ とであ る.本 研 究 研究 で は,特 に2国2時 点 か らな る接 続 日米 表 を念 頭 に おい て・ 日米 間 の相 互依 存 関係 を規 定す る 中間財 輸入 係 数 に 関す る分 析 の視 点 と手 法 を以 下 の各 章 で検 討す る.

2国

際産業連 関表 の理論的背景

国 際産 業連 関表 で は,中 間財 の 取 引 関係 を示 す 内 生 部分 が1国 内の 取 引を示 す 対角 部 分 と国 際 間の 輸 出入 を示 す 非対 角 部 分 に分 け て考 え られ る.そ して一つの産業部門には, 同一 の 財 カテ ゴ リ・一に属 す る国産 財 と輸 入 財が 同時 に投 入 され て い る とい うのが 一般 的な 図式 で あ る.い ま,世 界 に は 自国 と外 国の2国 が あ り,あ るカテゴ リーに属す る財 には 自 国で 生産 され た国産 財 と外 国で生 産 され た輸 入財 の2種 類 が あ ると しよ う.そ の場合,第 i部門か ら第j部 門へ の投 入 係 数 は国産 財 を 示すaと 輸入 財 を示 す α群 分cfら れ る こ と に な る. 通 常1国 産業 連 関 表で 定義 され る投 入 係数 αり は,第j部 門の技術状態を示す,相 対価 格 の変 動 に関 して 固定 的 な係数 で あ る との理 論 的解 釈 が 与 え られ て い る.そ れに対 して国 驩 業 連 関表 にお け る・地 域 を 示す サ フ ィックスの つ いた投 入 係 数d9 ,Qに 対 しては な お,そ の理 論 的な 意 味が 定着 して い る とは いえ な い状 態 で あ る. 投 入 係 数が 喝 とQに 地 域 分 割 され るこ とに対 して,よ く考 え られ て い る理 論解 釈 には 大 き く分け てつ ぎの3つ の アプ ロー チが あ る. 1.喝,aは ア イ サ ー ド的 な 立 地 論 に基 づ い て 決 定 して い る.

穰 織

懿雛

鵬 犠総 鷹 係

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のと

α

3・第i部 門か ら第j部 門へ の投 入係 数1ま泊 国財 と輸 入 財の 価格 比 に したがってaと 喝 に分 け られ る.す なわ ち,国 産 財 と輸入 財 が 不 完全 代 替の 関 係 にあ る. この うち第1番 目の アプ ロー チ は,Q3とaが ,距 離 因 子 や集 積 効果 の よ うな各 地 域 の地 理 的特 性の 関数 で あ る と考 えて い る.し たが って ,時 点間で交通網が整備 され る等, 地 理 的条件 の 変化 が あれ ば,喝 やazは 変化 す るだ ろ う. つ ぎに第2翻 の ア ブ ・一 チ は・ある賄1こ 観測 され た α馳 α騨 外生 的 に与え れ た パ ラメ タ とす る考 え方 で あ る.そ の場合,時 点間で 喝 やd9に 変化が見 られ たとした ら , それ は何 らか の外 生 条 件が 変化 した結 果 であ ると考 え る・ただ しここでは,ofやd ad 変化 を 観 測す る こ とに よ って,ど の よ うな外性 変化 が あ ったのか を事後 的に解 釈 で き るか も しれ な いが,Qljやdzの 変 化 その もの を説 明す る枠 組 み はな い といえ る. ま た第3の アプ ロー チは,地 域間 の相 対価格 体系 の 違 いがd9とQfを 決 定す るとい う もの で あ る.そ の よ う な 決 定 図 式 と して よ く知 られ て い る の が ,ア ー ミン トンの シェア ・ フ ァ ン ク シ ョ ンで あ る.こ の シ ェ ア ・フ ァ ン ク シ ョ ン に よれ ば,時 点 間 で 国 際 間 の 相 対 価 格 体系 が 変化 した場 合 のQfとda?の 変化 を説 明 で き る.

(9)

以 上3つ の ア プ ローチ は,国 際 産業 連 関表 の 理論 的基礎 と して何れ も注 目され るが,と りわけ 第3の ア ー ミン トンの シェア ・フ ァンク シ ョ ンによ るア プ ロー チ は,次 の2つ の 理 由か ら実際 上 も っ とも有 効 で あ る と考 え られ る. 1.喝 とaの 変 化 を,価 格 デ ー タ の み で 説 明 で き る3. 2・各地 域 の 価 格 体系 が 変化 した ら,国 際 間の 取 り引 き構 造 が どの よ うに変化 す るだ ろ うか と い う,最 も一 般 的 な質 問 に答 え られ る. こ こ で ア ー ミン トン の フ レー ム ワー ク を 簡 単 に ま と め て お く・ そ こ で は まずgoodsと pr・ductと い う2種 類 の 財 概 念が 定 義 され る.g・ ・dsと い うの は 各 国 に共 通 の 財 概 念で,た とえ ばn個 に 分 類 さ れ て い る・ そ の う ちi番 目のgoodsをXaで 表 そ う.ま たproductsと い うの は ・ お な じ種 類 のgoodsで あ って も,産 出 国 の 違 い に よ って 区 別 さ れ た 財 概 念で あ る . つ ま り・ も しm個 の 国 が あ る とす る と・n個 のgoodsの それ ぞれ は さ らにm種 類 のproduct

に 区 別 さ れ る こ と に な る・ い ま ・i番 目 のgoodsの う ちk番 目 の 国 で 生 産 され たproductを Xikで 表 そ う・ そ の と き,XaとXikの 需 要 量 が,次 の 最 大 化 ま た は 最 小 化 問 題 を 段 階 的 に解 く こ と に よ っ て 導 か れ る.

一 一{㎜

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一一{瀚1醗 講 ∵

た だ し D=P%kXikニPiXi iki か つ

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iik 3た とえば ア イサ ー ドの 立地 論 を 国際 産 業連 関分析 に適用 しよ うとすれ ば ,距 離指 標 や集 積 指標 な どあ らた な デ ー タが 必 要 とな る. その よ うな 指標 につ い て,概 念 定 義を 明確 に し,実 際 に デ ー タ作 成 を しよう とす れ ばか な りの 困 難が 予想 され る.

(10)

こ こで,(1)式 はn個 のgoodsへ の 需 要 配 分 が 支 出制 約 の も と で の 効 用 最 大 化 に よ って 決 ま る こ と を しめ す ・ ま た(2)式 は,(1)式 で 決 ま っ たi番 目のgoodsの 需 要 量Xaが 費 用 最 小 と な る よ うに ・ 各 国産 のproductに 振 り分 け られ る こ と を 示 して い る・(2)式 の な か のX17 に 関 す る 誘 導 形 の 式 が,一 般 に ア ー ミ ン トンの シ ェ ア ・フ ァ ン ク シ ョ ン と 呼 ば れ る もの に 対 応 す る・ こ こ で の 制 約 式 は ・m個 に 区 別 さ れ たproductの 需 要 量Xik(k=1,2 ,…,m) を ・ 共 通 のgoodsの 需 要 量X1に 集 計 す る 式 で あ る・ こ こ で φ鷲 はproductをgoodsへ 集 計 す る 集 計 関 数 で,(1)(2)の 全 体 系 と整 合 的 な 一 次 同 次 の 関 数 で あ る こ とが 仮 定 され て い る・ そ の 場 合 φ褫 は 和 集 計 と は 限 らず,し た が っ て 各productへ の 需 要 を 単 純 に た し あ わ せ た も の がgoodsの 需 要 量 で は な い と い う 点 に 注 意 す べ き で あ る.

3国

際 産 業 連 関 表 と アー ミ ン トンアプ ロー チ

国 際産 業 連 関分 析 の 理 論 的基礎 と して,ア ー ミン トンァプ ロー チが 最 も近 道 で あ るこ とは前章 で述べ たが,こ こで 日米 産 業連 関表 にそれ を適 用 した場 合の 定 式化 を ま とめ て お こ う・ いま簡 単化 の た め その他 世 界 を捨象 し,日 本 とアメ リカの2国 間取 り引 きだけ を考 え る・ す ると 日本 とア メ リカの それ ぞれ につ い て,自 国財 と相 手 国か らの輸入 財 に関す る ア ー ミン トンの シ ェア フ ァン ク シ ョンが 次の よ うに計測 され る だろ う.

(3)偉 覊1鶉

こ こ で 嶋 とQ9は 集 計 関 数 φ に よ っ て 次 の よ う に 集 計 さ れ る. φ¢ゴ=φ`ゴ(Q9,α 置) これ は 第j部 門 に お け る第igoodsの 投 入 係 数 で あ り,生 産 関 数 の 最 大 化 が 解 か れ た 結 果 と み な され る4・ φ`ゴは 国 産 財 と 輸 入 財 の 集 計 関 数 で あ る ・ こ の よ う に 集 計 され たdijは1国 の 産 業 連 関 表 に お け る αiゴと は 異 な る可 能 性 が あ るs.さ ら に, 鳥 φfゴ=理(㌃ ゴd+pmtjd の 関係が 成 り立 って い る必要が あ る.こ こでP;は 国産 財 と輸入 財 の コンポ ジ ッ ト価格 で あ る. 以 上 の よ うなア ー ミン トンの体 系が 完成す れば,価 格 体系 と産 業構 造 と貿 易構 造 との相 互 関係 を定量 的 に分析 でき るよ うに な るだ ろ う.そ の ため には(3)式 の シェア フ ァン クシ ョ ンの 計 測が 不 可 欠 で あ る.シ ェア フ ァンク シ ョンの計 測 に あた って は,実 質 のaとQ a7 4第igoodsが 最 終需 要 され る場 合 は効 用関 数の 最 大化 問題 とみ な せ る.す なわ ち,第igoodsに 属す る国 産 財 の 最終 需 要 を κ.輸 入 財の 最 終 需要 を が とす る と,第igoods全 体 の 最終 需 要 量が φ∫=φ ∫(浮,却) とい う よ うに集 計 され る,こ の と き φ!は 効 用最 大 化の結 果で あ る. 5競 争 輸 入表 で あ る駘 ・1国 麒 表のa;はaとamの 計 と してq'.さ れ る だろ う.

(11)

図1:価 格 ベ ク トル の相 互 関係 a C pov .一po Ptv PtJ d b の デ ー タ系列 とと もに,各 国のproductの 価 格 系列 の情 報 が ど う して も必 要 で あ る.そ れ は,各 国の 相 対 価格 を 時系 列 的 に比較 で き る と同時 に,国 間 で横 断 面 的 に も比 較 で き るよ うな価 格系 列 の こ とで あ る. その よ うな投入 係 数 や 価格 系 列の デー タ構 築 は,異 時点 間 の 国際産 業連 関表 を実 質 化, 接 続 化す る とい う作業 と 同等 であ る.し か し,異 時点 間の 国 際産 業連 関表の 実 質化,接 続 化 には難 しい 問題が あ る.そ れ は 図1に 要約 した よ うに時 点 間 と地 域 間の相 対 価格 の 違 い (矢印a∼eの 関係)を す べ て 同時 に比 較 しな けれ ば な らな いか らであ る. 国 際産 業連 関 表を その よ うに実 質化す るため に,こ れ まで にすす め られ て い るのが,次 の よ うな デ フ レー タ系 列 の作成 であ る. ア メ リカ 日本

黷1::梯;::傘

ψ

こ こ で P擁 Pea 訟 e・f'u+ SUa δJi e :ア メ リカ産i財 の 物量 単位 あ た り価 格(ド ル/Ulllt) :日 本 産i財 の 物量 単位 あ た り価 格(円/Unit) :日 本 産 第i財 の ア メ リカ産i財 に対 す る相 対比 価 :ア メ リカの 基 準時 点 を1と す る時 系列 デ フ レー タ :日 本 の 基準 時 点を1と す る時系 列 デ フ レー タ :為 替 レー ト(1ド ルあ た り円)

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以 上 は基 準 時点 の ア メ リカの相 対 価格 を基準 と して,相 手 国 日本 の 価格体 系,比 較時 点 t時 点の 価 格 体系 を評 価 しよ う とす る試 み で あ る.そ して この デ フ レー タの作 成 には,各 国 の 時系 列 価格 デ フ レー タ δの 系列 と と もに,基 準 時 点にお け る 日米 相 対 比価 ψoの 情 報 が 必要 とな る.こ の う ち前 者 につ い ては情 報 が比 較 的整 って い る もの の,後 者 につ い ては デ ー タが 乏 しい と くに,相 対 比価 に関す る先行 研究 は 最終 財 を 中心 に調 査 を行 って い る た め,中 間 財 に 関す るデ ー タ整 備が キー ポイ ン トで あ る.し か しそれ らの 努 力 に よ って, 時 系列 的 に 日本 とア メ リカ のデ フ レー タ系 列が 整備 され れ ば,国 際産 業 連 関表 の 時点 間比 較が 可 能 とな る.そ して さ らにデー タ蓄 積が す すめ ば,国 際産 業連 関 表 にお いて アー ミン トンの 理 論 ア プ ロー チを 実際 に検 証 で き る よ うにな るだ ろ う. と ころで,い か な るデ フ レー トも行 う前 の 各国各 時点 の名 目のi財 需 要額(単 位:ド ル) を記 号 で表 す と,つ ぎの とお りで あ る. ア メ リカ 日本

1軅::甥1=δ

乱鞴

孝:馨:=气畢.鳩

た だ し, Xゐ:日 本産 第i財 の 物 的需要 量(単 位:自 然 単位) XUi:ア メ リカ 産第i財 の 物 的需 要量(単 位:自 然 単位) 接 続 国際産 業 連 関分 析 で は,こ の よ う に観 測 され る名 目の財 取 引を,先 に示 した価格 デ フ レー タ と実質 数量 に分解 し,そ の うえ で,ア ー ミン トンアプ ロー チ に基 づ いて,価 格 変 化 に対す る実質 の 取 り引 き構 造の変 化が 吟 味 され て い くこ とにな る6.し か し,ア ー ミン ト ンァプ ローチが 実際 に分 析 に適 用 され るに あた って は,な お 考 えて おか な けれ ば な らな い 重要 な 問題 が あ る よ うに思 われ る.そ こ で,次 の章 で は この 点 につ いて 考察 してみ た1

4ア

ー ミン トンアプ ロー チ を国 際産 業 連 関 分析 に適 用す る に

あ た って

4.1は じめ に ア ー ミン トンァプ ローチ を 国際産業 連 関分析 に適 用す るにあ た り,考 え ておか な ければ な らな い 問題 点 と して は主 と してつ ぎの2っ が あ る と思 う. 1.goods,productの 概 念 と 国 際 産 業 連 関 表 の 共 通 部 門 分 類 との 関 係. 2.productの 集 計 関 数 φ と1国 産 業 連 関 表 の 技 術 係 数 との 関 係. 6この名 目金額(ド ルベ ース)の データ系列を上記の価格デフレータをつか って分析す る場合の,実 質数量 と 価格の 関係については後節を参照の こと.

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国 際産 業 連 関表 の部 門分 類 は,対 象 国の オ リジナル デー タ を突 合 わせ る こ とに よ って, それ らの最 大 公約 数 的 な分 類 が採択 され る.し たが って,部 門数 はオ リジナルの もの よ り も必 ず 小 さ く・比 較 的 詳細 な分類 が 可 能 といわれ る 日米表 にお いて さえ,160部 門 と日本 の 国 内表 の 基本 分 類 と比 較す る とか な りあ らくな ると いわ ざ るをえ な い 国際 産業 連 関表 が 接続 化 され れ ば,こ の部 門分 類 は さ らに統 合 され て い くか も しれ な い もちろん で きる だ け細 か い分 類 が可 能 とな るよ う最大 限の努 力が は らわれ るべ きで あ るが ,デ ータの制約 に よ って,そ れ に限 界が あ るこ とは あ る程度認 め ざるを え な い この よ うな こ と も念 頭 に お いた上 で,い った い,国 際産業 連 関表 の 共通 部 門分 類 とは どの よ うに考 え られ るべ きか を 考 察す るのが 第1の 課 題 で あ る. つ ぎに,前 の章 で も指摘 した とお りアー ミン トンの前 提 によれ ば ,同 一のgoodsカ テゴ リー に属 す る国産 財(自 国のproduct)と 輸入 財(外 国のproduct)の 取 引量 は,集 計関数 φ に よ って対 応す るgoodsの 取 引量 とされ る.た とえば,j部 門の財 の生 産1単 位 あた りに 投 入 され るi財 の 量 につ い て い う と,自 国 のproductの 量 喝 と外 国 のproductの 量 α1窒に

た い し㌔goodsの 投 入 量 は φ訊 αみ α鋤 で あ る.つ ま り 喝 とQ z単 純 な 足 し算 でgoodsの 投入 量 が 求め られ るわ けで はな い.そ れ に対 し,競 争 表の 形 式を と る 日本の 国 内表 で は,i 財 の投入 量 は生 産者 価 格評 価 の国産 分 とcif建て の輸 入分 の和 で あ る と定義 されて いる.つ ま り,j財1単 位 あ た りのi財 投入 量(投 入 係数)は 吻=Q17+a で あ り,こ れがj部 門 の技術 パ ラ メ タ と考 え られ て い るわけ で あ る.す ると部門分類を 同 じに ま とめ た場 合 には,国 際産 業 連 関表 で第igoodsに つ いて集 計 した投 入係 数 φiゴと, 国 内表の 第i財 の投 入 係数didは 一致 しない.こ の こ とにつ いて どの よ うに考 え るかが ,第 2の 課題 で あ る. 4・2goods,productの 概 念 と 国 際 産 業 連 関 表 の 共 通 部 門 分 類 国際産 業連 関表 の共 通 部 門分類 と,ア ー ミン トンのgoodsやproductの 概 念 は,次 のよ うな対応 関係 にあ る と考 え るのが 自然 であ ろ う. 1.goodsは 国 とは無 関係の 財 の分 類概念 で あ り,国 際産 業 連 関表 の共 通部 門分 類 に対応 す る. 2.productは 同 じ第j種 類 のgoodsで あ って も,生 産 し た 国 に よ っ て 区 別 され る と い う こ とで あ る.国 際 産 業連 関表 で は,各 国の 第j部 門の 投入 係 数ベ グ トル(Qlj,α弩)に よ っ てproductが 定 義 さ れ る. この よ うに国 際産 業連 関表 で は,productが 国別 の投 入係 数ベ ク トル と して 明確 に定義 で き るわ け で あ る.こ こで も しも第j共 通 部 門 につ い て,自 国 と外 国で異な る投入係数ベ ク トルが 観 察 され た と しよ う.そ の 場 合 に は,同 じgoodsに 属 す る財 で も国 ご とに異 な る productが 生 産 され て い るとい うこ とに な る.ま たあ るgoodsに つ いて 自国 と外 国の 投入

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係 数 ベ ク トル に違 いが な い とす れ ば,国 間 で 同質 のproductが 生 産 され て い る とい うこ と にな る.い ずれ に して も国 間 でproductの 投 入 係 数ベ ク トル が 同 じか ,異 なるか というこ とは先 見 的 に き ま った こ とでは な く,そ れ 自体 今 後検 証 され るべ き問題 で あ る.そ の検 証 にあ た って,地 域 間 と時 点 間の異 な る経 済構 造 を実質 ベ ー スで比 較 で き るよ うにす る こ と, す なわ ち 時点 間地 域 間 にわ た る価格 デ フ レー タを 整備 す るこ とが 不 可欠 であ るこ とは い う まで もな い. 以 上 の よ うに,productは 国間 で 同質 であ る こ とも異 質 で あ る こと も有 り得 るわ けで あ るが,で はproductを ま とめ て い る国 間で共 通 のgoodsと は ど うい う概 念 だ ろ うか .あ る いは,国 際産 業連 関表 の共 通部 門分類 とは い った い どん な分 類 と考 え られ るだ ろ うか7 . この 問題 を 考 え る に あた り,つ ぎの よ うな事 例 を考 えて み よ う.自 動車の部品であ る ク ラ ンク シ ャフ トが,日 本 では主 に鉄鋼 で作 られ,ア メ リカ で は セラ ミック で作 られ て い る と しよ う.し か し原材 料 にか か わ らず ク ラ ンク シャフ トは 自動車 部 品 と して 同 じ用 途 , 機能 を 持つ.こ の とき,日 本で 自動車 を つ くる とクラ ンク シャフ トへ の生 産 波及 を通 じて, 鉄鋼 に生産 が 誘発 され る.一 方 ア メ リカ で は 同様 の経 路 で,セ ラ ミックの 生産 が 誘 発 され る.鉄 鋼 とセ ラ ミックによ る その後 の 生産 誘発 経 路 はか な り異 な るで あ ろ うか ら,同 じ自 動 車 の生 産 が産 業 構造 全 体 に及 ぼす 影響 が,日 本 とア メ リカ で は相 当 に異 な る とい うこ と にな るで あ ろ う. この事 例 で注 意 しな けれ ば な らな いこ とは,同 じクラ ンク シャフ トで も 日本 とア メ リカ で は その 生産 が 産業 構造 に もた らす 波 及 効果 が大 き く違 う とい う事実 で あ る.そ の とき国 際産 業 連 関表 に求め られ る こ とは,も し日本車 の クラ ンク シ ャフ トが 同 じ機能 を果 たす ア メ リカ製 の ク ラ ンク シ ャフ トに置 き換 え られ た ら,ど ん な経 済効 果 が もた らされ るか と い う分 析 で あろ う.そ の よ うな分 析 には 財が 原 材料 や作 り方 いか ん に よ らず,(た とえば クラ ンク シ ャフ トとい うよ うな)用 途 や 機能 で分類 され て い る方 が 便利 で あ る. goodsと は,こ の よ うな 現 実の 経 済分 析 をす る にあ た りど う して も必 要 な,財 の 用 途, 機能 に基づ く分 類 と考 え られ る.上 記の 事 例 で は,鉄 鋼 製 とセ ラ ミック製 の クラ ンク シ ャ フ トを全 く別 の財 とみ な して,分 析 を定 式化 す るこ と も考え うる.し か しモ デル の利 便性 , 操 作 性 か らい って,goodsの よ うな,用 途,機 能 等の 面 か らみ た財 分類 も不 可 欠 で あ るよ うに思 われ る. 1国 の 産 業連 関表 で は伝統 的 に,財 の分 類 定義 は投入 係 数ベ ク トルの 構 成 に よって行 わ れ て い た といえ るだ ろ うが,goodsの 定 義 は それ とはやや 違 った視 点を持 って い る と思 う. 産 業連 関 分析 を 国際 的 に拡 大 させ よ う とす る とき,こ の よ うな 考 え方 の変 更 は 必 要事項 で は な いだ ろ うか.現 在,部 門分 割作 業 以外 に も,国 際産 業連 関 表 を作成 す る うえで い ろ い ろな 問題 点が 生 じて い る.そ れ に対 処 しよ う とす る とき,国 際産 業 連 関分 析の 目的が 何 か を は っ き りさせ た うえ で,従 来 の分 析 とは 異 な る視 点を 取 り入れ て い くこ と も必 要か も し れ な い. ?1国 産業連関表における部門分類は,辜 れそれの生産技術によって定義されている.つまり同一の生産技術 を持つものが同じ部門の財とみなされるわけである,ここで,各部門の生産技術とはその部門の投入係数ベク ト

鑢毳謐誘尖うし鶏1髦

騒瀑

憲靉襞

蓼鰡鸛骸縫警饑嶷齷響鶻葛

鶲 躄鍵鰡蹇

め る ことが で きな くな る.

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4.3productの 集 計 関 数 φ と 技 術 係 数 国際産 業 連 関表 で ア ー ミン トンァプ ローチ を前 提 とす る とき,第j部 門 の生産1単 位 あ た りに投 入 され る第igoodsの 投入 量 は 砺(a,Qz)と い う国産 財 と輸 入 財 の集 計 関数 で 書 き表 せ る.そ れ に対 して 日本 の1国 産業 連 関表 は競 争輸 入 表 で あ るの で, Qaj-d9+did とな るよ う に作 表が され てお り,こ の お お き さが 一般 に技 術 を示 すパ ラ メタ と考 え られ て い る8.こ の 時 も し部 門分類 が 同 じで あ る とす れ ば,国 際産 業 連関表 にお け るY'ijと1国 産 業連 関表 の 吻 が 一 致す る とは限 らな い だ ろ う. この 問題 を 考え るにあ た り,先 の クラ ン ク シャフ トの 事例 を もう一度 考 えて み よ う.い ま,自 動 車産 業 で一部 で は 日本の 鉄鋼 製 クラ ンク シ ャフ トが,ま た一部 では ア メ リカの セ ラ ミック製 ク ラ ンクシ ャフ トが 使われ て い る と しよ う。 この場合,自 動 車産業 全体 には鉄鋼 製 とセ ラ ミック製の クラ ンク シャフ トが 同時に投 入 され て い るこ とにな る.そ の時,自 動 車100万 円あ た りの投 入 係 数 は ど うな るで あ ろ うか.ア ー ミン トンの 定 式化 に よれ ば,そ れ は φiゴとな り,1国 表 の 技術 係数 とは違 った 値 にな る9. しか し,こ の φ匂 は,国 際産業 連 関分析 にお いて次 の3つ の観 点 か ら意 味 の あ る重 要 な数量 指 標 で あ る と悪 う. 1.国 産 ク ラ ンク シ ャフ トと輸入 ク ラ ンク シャフ トは異 な るproductだ とい う理 論 的前提 か らい えば,両 者の 集 計 は単純 な 和集 計 で はな い 2.そ もそ も国際産 業連 関表 の共 通 部 門分類 は,比 較 的統合 され た レベルの ものなので, 同一 部 門の製 品 であ って もその 細 品 目構 成 は 日本 とア メ リカでか な り異 な ってい るこ とが 予想 され る.そ の よ うな 両 国の細 品 目構 成 の 違 いを 反 映 させ た指 標 と して,Y'ij を考 え るこ とが でき る. 3.も し時 点 間で 国産一 輸入 比 率 が変 化 して も,単 純 な和 集 計 では 自動車 産 業 におけ る クラ ンク シ ャフ トの投 入 係数 は変 化 しな1そ こで この よ うな 貿易 構 造 の 変化 を も 反 映す る指 標 と して,Wijの 意 味 を考 え るこ とが で き る. 第1の 点 は,前 節 で 考察 した こ と と関係 して い る.同 一 のgoodsカ テ ゴ リー に属 して い る財 で も,生 産 国 ご と に(Q9,α 咢)ベ ク トル が ち が い,productの 質 が 区 別 さ れ る とす れ ば,質 の 違 い を な らす よ うな 集 計 関 数 φ を 仮 定 す る こ と に は 妥 当 性 が あ る . 第2の 点 で は,集 計 関 数 φ を 財 の 品 目構 成 を な らす よ う な 集 計 関 数 と 考 え て い る.も し も,細 品 目 分 類 の 国 際 産 業 連 関 表 を 推 計 す る こ とが 可 能 な らば ,集 計 関数 は必 要 な いで あ ろ う.ま た は 共 通 部 門 分 類 を 廃 止 し,た と え ば 同 じ農 業 で も 日本 で は 米 ,イ ン ドネ シア で は キ ャッサ バ と い う よ う に 部 門 名 称 を か え て 国 際 産 業 連 関 表 を 作 成 す れ ば,そ も そ も 集 81国 産業 連関表では,国 産の鉄鋼製であろうと輸入のセラ ミック製であろうと自動車1台 を作 るのにクラ ン クシャフ トは一つ しかい らない という考え方に基づいている. 9これは国産 クランクシャフ ト1本 と輸入 クランクシャフ ト1本が 同 じと1本 とはみな されない ということと もいえる.

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計 問題 は お こ らな い しか しデー タの 制約,分 析 の利 便 性,操 作性 か らい って,こ の よ う な解 決 案 は現 実 的で は な いだ ろ う.そ こで,国 際産 業 連 関分 析 を あ る程度 統 合 され た レベ ルの 部 門分 類の も とで行 わ なけれ ば な らな い とす れ ば,集 計 関数 φの よ うな概念 が 必要 と な るだ ろ う. ま た第3の 問 題 は,国 際産 業 連 関表 の 中心 的課 題 と関係 す る.国 際 産 業連 関表 で と く に注 目され るこ とは,同 じ共通 部 門分 類 の財が 自国 と外 国で 同時 に生 産 され ,取 り引きさ れ あ って い る とい う事 実 で あ る.同 じカ テゴ リー に属 す る財 の 国産一 輸入 比 率 を,経 済の い ろ いろ な部 門(生 産 部 門,最 終 需 要部 門)別 に知 ろ う とすれ ば,国 際産 業連 関表が その 情 報 源 と して最 も包括 的 デ ータ を提 供 で き る とい って も過言 で は な いだ ろ う.そ こで その よ うな 国際 産業 連 関表 に特 徴 的な情 報(国 産一 輸入 比 率)を 盛 り込 ん だ よ うな集 計 関数 φ を お くこ とはか な り妥 当性 を持 つ と思 う.そ うす るこ と によ って,1国 の経 済構 造 と貿易 構造 の 相 互依 存 関係 につ いて,分 析 の 操作 性 が 一層 高 ま ると考 え る. ここで,1国 産 業連 関表の技 術係 数dijと 国際産 業 連 関表の集 計 され た投 入係 数 φ重ゴの 2種 類 が あ るこ とにつ いて,こ れ らは それ ぞれ つ ぎの よ うな理 由 よ って両 方 と も分析 的な 意 味 を持 って い ると考 え られ る. 1.1国 産 業連 関表 で は部 門分 類 が可 能 な 限 り細 か く分か れ て い る ため,財 の 質 を な ら す よ うな集 計 関数 を定義 す る必要 が な い 2.1国 産業 連 関 表が 技 術構 造 が 与 え られ た時 の産 業 連 関効果 を 分析 しよ う と して い る の に対 し,国 際産 業連 関表 は技 術 と貿易 の 構造 が 与 え られ た とき の それ を 分析 しよ う とす る.つ ま り分析 の 視 点が 国 際産 業 連 関表 で は増 え たの だか ら,そ れ を考慮 し た1国 産 業 連 関表 とは異 な る投 入係 数 の指 標が 考 え られ るべ きで あ る. 第1の 理 由は,1国 産 業 連関表 で は財 をで きるだけ細 か く分 類 して い るの で,ひ とつ の 項 目に含 まれ る財 は,国 産 輸入 を 問 わず全 く同質 とみ なす ことが で き る,と い う意 味 で あ る.そ れ ゆえ,細 品 目分 類 ベ ースのdijは そ こ に含 まれ る財 の和 集 計 と して 計算 で き,そ の結 果 を技 術 係数 とみ なす こ とが で き る10.そ れ に対 し,国 際産 業漣 関表 で は 同一部 門内 に属 す る製 品が,理 論 的 意 味(productが 生 産 国で 区 別 され る とい う こ と)か らも,推 計 作 業 上 の 限界(共 通部 門分類 は 一定 の 統 合 レベ ル の 分類 にな ら ざるを 得 な い と い うこ と) と い う意 味か ら も同質 とはみ なせ な いの で,集 計 関数 φ の概 念が 必 要 で あ る. 第2の 理 由 は,国 際産 業連 関表 で は あ らた な分析 視 点が1国 産 業 連 関 表 に付 け加 え ら れ たの だか ら,そ れ にみ あ った独 特の 数 量指 標が 考 え られ た方が 良 い,と い うこ とであ る. 1国 産 業 連 関分析 にお け る投 入係数 の 理 論 的意味 は,そ れ は ち ょ うど料 理 レシ ピの よ うに 生産 の 方 法 や技 術を 表 現す る,と い う こ とで あ る.し たが って,国 産 財のd9と 輸入 財 の Q=を 和 集 計 す る こ と に は,物 理 的 な 意 味 を 見 出 す こ とが で き る11.し か し国 際 差 産 業 連 関 表 で は,各 国 の 生 産 技 術 と 同 時 に,国 際 間 の 貿 易 構 造 に つ い て も 分 析 の 視 点 が 広 げ られ 101国 産業連関表の統合部門分類 レベルの 鰯 についても,細 分類 レペルの結 果の積み上げ として,和 集計が 成 り立つ と考え られ よう. llっ まり,国 産の豚肉200gと 輸入の豚肉100gの 合計は300gで ある.

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て い る・ その場 合 に は物 理 的な αり 指標 にか わ って,国 産輸 入比 率 の情 報 を も りこん だ新 た な数 値 指標Y'ijが意 味を 持つ だろ う12. この よ うに 国 際産 業連 関分 析 にお いて は,1国 産 業連 関表 とは 異 な る新 た な分 析 手 法 や 指 標が 考 え られ た方 が ・ よ り諸 問題 の本質 を 捉 え る ことが で き る と思 う.上 記 の問題 の ほか に も,今 後分 析 や推 計 の作 業 を通 じて,国 際 産業 連 関分 析 を め ぐる諸 問題が 生 ず ると 予想 され るが,そ の よ うな場 合 に伝統 的 な1国 産業 連 関表 に と らわれ な い考 え方 を整 理 し て い くこ とも重要 と思 われ る. 4.4イ ン プ リ メ ン テ ー シ ョ ン ア ー ミ ン トン[13]で は,集 計 関 数 を 次 の よ うなCES関 数 に 特 定 化 して い る . Xi≡ φi(Xil,X127…,Xim) =【 δ矼Xl三 ρ`+bi2Xzaー`+…+δ 伽x易f`】 一1/P: こ の 時 シ ェ ア フ ァ ン ク シ ョ ン は 次 の よ う に な る.

(・)鴻

ゴーδ

宥濁 ㈲

包)

ま た(1)式 は 次 の よ うな変 化分 析 の 式 に変換 され て,統 計 デー タ に あて は め られ る. (2)砦 一 ・・一鴫 一(・一Qi)誓 Eti:第igoodsの 所 得 弾 力 性 σi:第igoodsに 属 す るproduct間 の 代 替 の 弾 力 性 た だ し,

昨醗 職

D=Σ 疏 瓦=PikXik iik こ こで(2)式 を 導 くため に,次 の仮 定 が おか れ て い る. 1.goodsの 需 要 の 弾 力 性 ηi=1. 2.goods間 の 需 要 の 交 叉 弾 力 性 は η崩 は 無 視 で き る.

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図2国 際産 業 連 関表 の概念 図 JU lJ Ji Ui ψ」・α謝 ψ」・αが ψ碗 α彩」 ψ腕 α彩ひ

以 上の 内容 を 日米 国際産 業連 関表 にあて はめ てみ る.図2に 従 って,記 号 を次 の よ うに 定義 す る. 4ゴ σ1ゴ EUゴ σFゴ ψ」歪 ψ腕 Jq iゴ Jq iゴ 日本のj部 門 にお け る第igoodsの 費用 弾 力性 日本のj部 門 におけ るQとdJの 代 替 の 弾力 性 ア メ リカのj部 門 にお け る第igoodsの 費用 弾力 性 ア メ リカのj部 門に おけ るQとawの 代替 の 弾力 性 日本 産i財 価 格 ア メ リカ 産i財 価 格 日本 のj部 門 に お け るi財 のcomposite価 格 91ゴ=α ヴ ψ」f+α 彩」ψ腕 ア メ リカ のj部 門 に お け るi財 のcomposite価 格 Uq iゴ=・ αが ψ」盛+α 彩ひψ腕 こ こ で φる=φ 壱(JJびJdiゴ,diゴ) ry"2=φ 彩(Q;J,aひ) とす る・ す る とj財 の 生 産 に 必 要 な 中 間財 の 合 計 額(簡 単 に 生 産 費 用 と 呼 ぷ)の を 次 の よ う に 書 くこ とが で き る. 12先の たとえに従 うと,国 産の豚 肉200gと 輸入の豚 肉100gの 合計指標を300gと はせず 国産。輸入比率が2 対1で あるということをもりこん だあ らたな数量指標 を考えるとい うことである.

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c;:日 本 のj部 門 に お け る 生 産 費 用 :cy=Σ づ9ノゴφ易=Σ 盛ψ」`αガ+Σ`ψ ひ重α彩J qダ:ア メ リカ のj部 門 に お け る 生 産 費 用 :(挈=Σ 歪97ゴφ彩=Σ 重ψ」歪αが+Σfψ 碗 α彩ひ た だ し, ψ」ゴ=O」 ゴ+"メ ψひゴ=(り 妙ゴ+砂 ダ 呼:日 本 のj部 門 の 付 加 価 値 率(与 件) 癨 :ア メ リカ のj部 門 の 付 加 価 値 率(与 件) まず ア ー ミン トンの(1)式 に対 して 国際産 業連 関表 は次 の よ うにあ て はめ られ る.

(3)篝一(畷

黔プ

(4)篝一(畷

黔ゾ

(5)諤=(畷

黔ゾ

(6)篝=(畷

黔ゾ

(3),(4)よ り

(7)響一(舞ゾ

ま た(5),(6)よ り

(8)誰 一㈱

こ こ で(7),(8)式 の 右 辺 の 価 格 比 がi財 に 関 す る 日米 相 対 比 価 と な る. つ ぎ に 変 化 分 析 で あ るが,ア ー ミ ン トンの(2)式 よ り,

(9)夥=縛

一曙

一(1一

(20)

(・

・)響 一拶

一犂 礬

一(1劫 笋

(・

・)dawaU一

一礎 咢 一(1一

晒 笋

(・2)畿 畷

一磯

一(1一

こ こ で 国 産 財 と 輸 入 財 のcomposite価 格qの 変 化 率 は,productの 価 格 ψ の 変 化 率 に 次 の よ う に 分 解 さ れ る.

(・3)笋=織

箸+纏

留 一醪 箸+曜

(・4)笹 織

礁+Sfvd'Vyi

WUi

た だ し,島 ゴ は それ ぞ れ 名 目 シ ェ ア を しめ す.ま た 日本 と ア メ リカ のproductの 価 格 変 化 は 次 の よ う に表 さ れ る.

(・5)讐 一綜

乳 一(tepsJi

et・)

(16)襟=气

譜+・

こ こで,δ は各 国 の 時系列 価格 デフ レー タ,eは 為 替 レー トで あ る.ま たサ フ ィックスの0 は基準 時点 を,tは 比 較 時 点を示 す. 最 後 に(9)∼(12)式 の各 国各 産業 の生 産 費 用の増 加 率 につ い てはつ ぎの とお りで あ る.

(・7)詈

一d鴇 …

(・8)撃一d鴇 三夢)囎

この よ うに国 際産 業連 関表 で はア ー ミン トンアプ ローチ に基 づ いて・喝 とd9の 国間の 差 違 を相 対 比 価 との 関連 で,時 点 間の変 化 を各 国の デ フ レー タ との 関連 で 同時 に説 明す る こ とが で き る.

(21)

5接

続国際産業連 関表 と ドル価値単位

以 上 で は,接 続 国際産 業連 関分 析 に対す るアー ミン トン ・ア プ ローチ の応 用可 能性 につ いて 論 じて きた.ア ー ミン トンの モデ ル に よれ ば,国 産 財 と輸 入 財 との 物 的な 数量 割 合の 変 化 を,そ れ ぞれ の相 対 価格 の変 化 の結 果 と して 説 明で きるの で あ る. と ころ で1国 経 済 を対 象 とす る伝統 的な産 業 連 関分析 で は,財 の 実質 数 量 は 円価 値 単 位(ド ル表 示 の表 な らば ドル価 値単 位)で 測 られ て き た.す な わ ち,そ の 時 点の1円(ま た は1ド ル)で 購 入 しうる財 の量(単 位:個 数,重 量,長 さetc)を 新 たな物量単位 として 定 義 し,金 額 表 示 の表 で あ って もあたか も物 量 表示 され て いるか の よ うに考 え て き た.物 的な 技術 分 析 と金額 的な経 済分 析 とを リンクで きる とい うこ とが,産 業 連 関分析 の 大 きな 特徴 で あ るが,そ の とき この 通貨 価 値単 位 の概 念 は重 要 な理 論 的前 提 とな って い る. と ころが,接 続 国 際産 業連 関表 で は時 点 と地 域 の異 な る価格 体 系が 併 存 して い る.通 貨価 値 単位 は価格 を尺度 の 基本 して い るが,価 格 体系 が入 り組 んで いる時,財 の 実質 数量 は どの よ うに測 られ るだ ろ うか1国 産業 連 関表 と同様 に,通 貨価値単位の考え方は有効 で あ ろ うか.ア ー ミン トン ・ア プ ロー チで 説 明 され る財 の物 的 シェア は,ど の よ うに捉 え た らよい だ ろ うか. そ こで こ こ で は,接 続 国際産 業 連 関表 にお け る,数 量 単 位 と しての ドル価 値 単位 につ いて 問題 を整 理 して お きた1 まず,接 続 国際 産 業連 関表 で観 測 され る名 目的 な金 額 デ ー タの 系列 は次 の とお りで あ る・ ただ し,日 本 の デ ー タにつ いて は一律 の為 替 レー トで,ド ル ベ ー ス に換 算 して示 して あ る. ア メ リカ 日本

1驪::XvXU:=tSUi.鞴

孝:馨:=箏.Po.rli.

eo.鳩

これ はつ ぎの よ うにか きか え られ る. ア メ リカ 日本

廨 鱸

肱 難 義 激.X、

い ま物 量 単 位 を,基 準 時 点の ア メ リカの ドル価 値 単位 と定義 す る.つ ま り時 点や 地 域 の 違 い にか か わ らず,基 準 時点 の ア メ リカで1ド ル で購入 され る財 の量 を,新 たな物 量 単 位 とす るの で あ る.こ の ドル価 値 単位 で 測 られ た 実質 数 量 をAで あ らわす と,各 国各 時 点 にお け るi財 の物 的 需要 量 は以 下 の よ うに書 き換 え られ るだ ろ う.

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鳰 、=XUi1-OPUz.XーU歪 Pu: At t--z _PU%'XU%`YUi一 可; AO Xji一 一XJa-PUi'`YJi

廠 一XJ41=OPvz.Xti 1 た だ しPU iは 鉾 時 点の アメ リカの 価格 で はカ・ったi財 の ドノ糒 単 位 で あ る・ こ のXを 用 いて,観 測 され るデ ータ系 列 は次 の よ うに書 くこ とが で き る. アメ リカ 0時 点1・x翫 t時 点SUi'XUi 日 本 A ψ3歪・xgi 等 ・ψ3、 ・AXJ1-y'Ji・ 鴎1 た だ し,

ψ,・

1

こ こで・Xに か か って い る価 格 は それ ぞれ 次の とお りで あ る. アメ リカ 0時 点 ψ翫=1 t時 点 ψ翫=δ 翫

日本

1;::誑

ψOJi

この価 格 系列 は,現 在 国際産 業 連 関表 の接 続化 の た め に推 計が 進 め られ て い るデ フ レー タ 系 列 に等 しい す なわ ち,一 国 内の 価格変 化 と相 対 比価 を 同 時 に考慮 した時 点 間地 域 間デ フ レー タが 完成 すれ ば,基 準 時点,基 準 国の ドル 価 値単 位 に よ る実質 数量 の デー タ系 列 を 作 成す る こ とが で き る. こ こで・ も し接 続 国際産 業 連 関 表の デ フ レー タ系 列 を 簡 易 的 につ ぎの よ うに お いた と しよ う13. ア メ リ カ 日本 0時 点 ψ銑=1ψ3盛 二1

塒 点

臨=δ み、 臨=畔

13実際には,相 対比価の推計が非常に困蘿であるため,デ フ レータ系列をこの ようにせ ざるを得ない場合が考 え 得 る.

(23)

このダあ鴨

アメリカの ドノ

Uaで あるのに欄

本の ドノ

単位

はPー :と な るだ ろ う・ つ ま り・ 両 国の 黷 数 量 の計 測単 讎 異 な って しま う. この よ う に産 業 連 関分 析 の 基本 とな る通 貨 価値 単 位 の 考 え方 を ,接 続国際産業連 関表 にお い て も厳 密 に適 用 しよ うとす れば,時 点間 ,地 域間をつな ぐ価格デフ レータの作成 は 不 可 欠 の 要件 とな る.

6接

続 国際産業連 関表 を用 いた分析 の今後 の展望 につ いて

現 在 ・異 時 点の 国 際産 業連 関表 を 比較 可 能 にす るた め に,時 点間,地 域 間の相対価格 の違 いを 同時 に表 す よ うな デ フ レー タの推 計 がす す め られ て い る.そ れが完成すれば,異 時点 の 国 際産 業連 関表 が 接続 され,ア ー ミン トン ・アプ ロー チ に よ って,国 際間の相互依 存 関 係 の分 析 な どが進 め られ てい くで あ ろ う.た だ し分 析 を行 うにあ た って,こ れ までの 1国 産 業 連 関分 析 の枠 組 みを さ らに拡 張 す る必 要の あ るこ とは前 章 まで に述べ た とお りで あ る. と ころ で 国際 産業 連 関分析 にお い て,価 格 の み を 説 明変 数 とす る アー ミン トン ・アプ ローチ が有 用 で あ る こ とは始 め に述 べ た とお りだが ,そ の一方で,国 際間の相互依存関係 が 価 格 だ けで は 決 ま らな い とい うこ と もまた,各 方面で指摘 されている.国 際 間の依存関 係 を 決 め る要 因 と して は,価 格 の ほか に も国間 の 距離 や その他 さ ま ざまな地 域 的特 性 の違 いな どを あげ る こ とが で きる.そ のよ うな とき,ア イサー ドの立地論的アブo一 チが,距 離 因 子 や集 積 効 果 な ど価 格 以 外の 要 素 を モ デル に取 り込 ん で い る とい う点 で注 目 され る. したが って ・ 国 際産 業 連 関表 を用 い て さ らに い ろ い ろな視 点か ら分析 を行 お う とす れ ば , 価格の ほか に ・距離 指 標や集 積 指標 な どの デー タ も必要 にな るだ ろ う.そ こで将来的には, それ らの デー タが 公 表 され る国際産 業 連 関表 の付 帯 表 と して整 備 され るこ とが望 ま しい さ らに 国 際産 業 連 関表 を 用 い た構 造分 析 で は ,ミ クロやマクロの経済理論 貿易理論 とは異 な る理 論 展 開が 期待 で き る.た とえば ,同 じクランクシャフ トがなぜA国 では鉄鋼 でつ く られ ・B国 では セ ラ ミックでつ く られ るのか と い う問題 につ い て,ミ クロ理論 的に は コ ス ト ・ミニ マ ムの 原則 が それ を説 明 す るか も知 れ な い しか し・産 業 連 関分 析 に よれば,そ の 問題 をや や違 った視 点か ら分析 で き る.つ ま り, A国 で は 自動 車 → クラ ンク シ ャフ ト→ 鉄 鋼 とい う経路 によ って ,B国 では 自動車 → ク ラ ン ク シ ャフ ト → セ ラ ミック とい う経 路 に よ って ,そ れ ぞれ よ り大 きな乗数効果が期待 で きるの で はな いか とい う視 点で あ る.つ ま りA国 とB国 にはそれぞれ歴史的に過去か ら 築か れ て きた産 業構 造 が あ る.も し,歴 史 的 にA国 で は鉄鋼 重 視型 の ,B国 ではセラ ミッ ク重視 型 の産 業 構 造が 形 成 され て い る とす れ ば,A国 は鉄 鋼 の,B国 はセラ ミックの生産 を産 業 構造 全 体 と して効 率 的 に行 え るだ ろ う.そ の こ とは た とえば ,国 際産業連関表を用 いて 次 の よ うに表現 で き るか も しれ な い す なわ ち,ク ラ ンクシャフ トをA国 は鉄鋼製 に, B国 は セ ラ ミ ック製 にす る と,そ の逆 の場 合 よ り も,レ オ ンテ ィエフ逆行列 で示 した乗数 が 大 き くな る とい う形 でで あ る.こ の よ う にコ ス トミニ マ ムの原 則 の ほか に,産 業構造が

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全 体 と して持 つ効 率 とい う視点 を取 り入 れ る時,国 際 産 業連 関表 で は その こ とを ,実 証的 に確か め る こ とが で き る.さ らに国 際産 業 連 関表の 時 点 間接続 化 が 実現 すれ ば ,各 国で生 じた技 術 構造 や 貿易 構 造 の変化 が産 業 構 造全 体 の効 率 を どの よ うに変 え るか を分 析 で き る の で,上 記 の 仮 説 を一 層 明瞭 に検 証 で き るだ ろ う. この ほか に も,国 際産 業連 関表 を用 い た分析 は今 後 展 開 して い くで あ ろ うが ,そ れ に つ れ て・ 分 析 の範 囲や 方 法 は一層 拡 大 して い くだろ う.そ れ と同時に,従 来の1国 を対象 とす る産 業 連関分 析 との 関係が 論 議 され る機 会 も増 え て い くと予想 され る.そ のような時 に は・ まず 国際産 業 連 関分 析 にお け る概念 定義 や 基礎 的 フ レー ム ワー クを 明確 に した うえ で,従 来 の視 点 を よ り拡 張 して い くこ とが必 要 と思 われ る.

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参考文献

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Referensi

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