5.3 ヘッダ
5.3.2 キーワード
【
Primary
ヘッダのキーワード】Primary
ヘッダには次のキーワードが必須である。1 SIMPLE = T 2 BITPIX 3 NAXIS
4 NAXISn (n = 1, ..., NAXIS) .. .
(other keywords) .. .
last END
表
1: Primary
ヘッダの必須キーワード.
SIMPLE
を除くキーワードは、すべてのFITS
ヘッダに必要であり、SIMPLE
キーワード はPrimary
ヘッダには必ず必要である。SIMPLE
キーワードとNAXISn
キーワードの間に12カードイメージという言い方は旧式の言い方なのでstandardでは使わなくなっている。
5.3.
ヘッダ は表1
にある以外の他のキーワードを挿入してはならない。また、SIMPLE
キーワードをextension
ヘッダに書いてはならない。Primary
データ配列の総ビット数は次のように与えられる。N
bits= | BITPIX | ×
(NAXIS1 × NAXIS2 × · · · × NAXISm), (1)
ここでN
bits は非負で、最終レコードのデータ部分の残りを埋めるための空白部分を除い たビット数で、m
はNAXIS
の値、BITPIX
とNAXISn
は各々のキーワードに附属する値で ある。必須キーワードの値は固定フォーマットで書かれるべきである。各々のキーワードの意 味は次の通り。
SIMPLE standard
に従うFITS
ファイルでは論理値T
を持つべきである。F
の場合はstan- dard
に適合していないことを表す。BITPIX
整数値を持ち、付属するデータ配列のデータ値のビット数を表す。有効な値は下記の表
2
の通りで、データ配列の形式や値の範囲・精度に応じた適切な値を選ぶべ きである。NAXIS 999
以下の非負の整数値を持ちデータ配列中の軸の数を表す。0
の場合はそのHDU
にデータがないことを示す。NAXISn
非負の整数値を持ち、データ配列のn
番目の軸に沿った要素数を表す。n = 1, · · · , NAXIS
に対応するこのキーワードが存在すべきである。END
値を持たず9-80
桁は空白。ヘッダの論理的な終わりを表わし、ヘッダ中の最後のFITS
ブロックになければならない。値 データ表現
8
文字または符号無2
進整数16 16
ビット2
進整数(2
の補数) 32 32
ビット2
進整数(2
の補数) 64 64
ビット2
進整数(2
の補数) -32 IEEE
単精度浮動小数点-64 IEEE
倍精度浮動小数点表
2:
有効なBITPIX
値の説明【
extension
ヘッダのキーワード】extension
のヘッダは次の表3
のキーワードを必須とする。XTENSION
キーワードとNAXISn
キーワードの間には表3
にある以外の他のキーワードを挿入してはならない。extension data
中の総ビット数は、次の式で与えられる。1 XTENSION 2 BITPIX 3 NAXIS
4 NAXISn, n= 1, . . . , NAXIS .. .
(other keywords, including . . . ) PCOUNT
GCOUNT .. . last END
表
3:
規格にあったextensions
の必須キーワードN
bits= | BITPIX | × GCOUNT ×
(PCOUNT + NAXIS1 × NAXIS2 × · · · × NAXISm), (2)
ここでN
bits は非負で、最終レコードを満たすため、つけ加えられる空白を除いたビット 数、m
はNAXIS
の値、BITPIX, GCOUNT, PCOUNT, NAXISn
は各々のキーワードに附属する 値である。各々のキーワードの意味は
XTENSION extension
のタイプを示す文字列を持つ。extension
のヘッダには必須であり、Primary
ヘッダには現れてはいけない。衝突を避けるためextension
名はIAUFWG
に登録されなければならない。PCOUNT
整数値を持ち、データ構造を定義する適切な値をとる。IMAGE Extension
とASCII Table Extension
では0
であり、BINTABLE
ではメインデータテーブルに続く予約 エリアと補助データエリア(
ヒープ)
のバイト数を表す。random group
ではグルー プの個々の配列に先立つパラメータ数を表す。GCOUNT
整数値を持ち、データ構造を定義する適切な値をとる。IMAGE, ASCII Table, BINTABLE
の各extension
では1
の値をとる。random group
ではrandom group
の 数を表す。【他の予約されたキーワード】
他にも必須ではないが、予約されているキーワードが多数存在する。詳しくは原版
(FITS
Standard 4.0
の4.4.2)
を参照していただくこととし、ここでは概略を、HDU
全般に関わ るもの、観測の記述に関するもの、書誌的記述に関するもの、コメント、データ配列に関 するもの、WCS
に関するもの、extension
に関するもの、の順に言及する。5.3.
ヘッダ《
HDU
全般に関わるキーワード》DATE YYYY-MM-DD
形式またはYYYY-MM-DDThh:mm:ss[.sss...]
形式のUTC
でのHDU
が作成された日付。YYYY
は4
桁の西暦、MM
は2
桁の月、DD
は2
桁の日であり、時間も記述する場合は
T
を区切り文字として、hh
が2
桁の時間、mm
が2
桁の分、ss
が秒(
小数点以下はオプション)
である13。先頭の0
は省略してはならず、秒の 小数以下の部分は値のフォーマットと矛盾しない限り任意の長さが可能である。あ るHDU
のデッドコピーとして作成されたHDU
の場合はDATE
キーワードはオリ ジナルのものを保持してもかまわない。ORIGIN FITS
ファイルを作成した機関を示す。EXTEND
論理値T
を持つ場合、そのデータセットにextension
がある可能性を示す。以前 のstandard
ではextension
がある場合はPrimary
ヘッダに置くべきとされていた が、現在は単に勧告的なものとなっている。BLOCKED
このキーワードはデータセットの実ブロック長が論理レコード長の整数倍であり必ずしも等しくないことを示すため導入されたが、現在は使わない方が良い。
《観測の記述に関するキーワード》
DATE-OBS
観測日時をUTC
で表わしたもの(1972
年以後。1972
年以前はUT)
。コメン トで特に明記されない限り、観測のスタート時を表すと仮定される。14TELESCOP
データ取得に使われた望遠鏡。INSTRUME
データ取得に使われた機器。OBSERVER
データを取得した観測者。OBJECT
観測された天体名。EQUINOX
ヘッダまたはデータ中に与えられた位置を表すのに使われた座標系に対するequinox
を年単位で浮動小数点表示したもの。EPOCH FITS
ではこのキーワードは使われるべきではない。EQUINOX
を使うこと。《書誌的記述に関するキーワード》
AUTHOR
データを編纂した人の名前。出版物や多数のデータソースから作成されたデータの場合に適用される。
REFERENC
データが出版物から取られた場合の出典。13DATEキーワードについては、2000年問題に関する合意で古い形式が変更された。7.5節も参照のこと。
14DATE-OBSキーワードについても、7.5節を参照のこと。
《コメントに関するキーワード》
COMMENT
値を持たない(’=’
不要)
。注釈のために使う。いくつ書いてもよい。HISTORY
値を持たない(’=’
不要)
。データの処理の履歴を書く。いくつ書いてもよい。“
空白”
キーワード1-8
桁がASCII
のブランク。9-80
桁は何を書いてもよい(’=’
不要)
。 いくつ書いてもよい。《画像のデータ配列に関するキーワード》
BSCALE
浮動小数点値でBZERO
キーワードとともに配列のピクセル値が真の物理値と違う 場合に真の物理値に変換するのに使う。指定がない時のデフォルト値は1.0
である。BZERO
浮動小数点値でBSCALE
キーワードとともに配列のピクセル値が真の物理値と違う 場合に真の物理値に変換するのに使う。デフォルト値は0.0
である。BSCALE
とBZERO
を使った変換方程式は次のようになる:
物理値
= BZERO + BSCALE ×
配列値(3)
BZERO
キーワードはFITS
のBITPIX
で許されていない符号付の8
ビット整数や符号な しの数などの非標準のデータを表すためにも使われる。この場合はBSCALE
キーワードと 一緒に次の表4
のような使い方をする。BITPIX
元の 物理BZERO
データタイプ データタイプ
8
符号無 符号付バイト-128 ( − 2
7)
16
符号付 符号無16
ビット32768 (2
15)
32
符号付 符号無32
ビット2147483648 (2
31)
64
符号付 符号無64
ビット9223372036854775808 (2
63)
表4:
非標準なデータタイプの表現のためのBZERO
の使い方BUNIT
配列の値にBSCALE
とBZERO
を適用したあと、表わされるデータの単位を示す文 字列。8
章の単位が使われるべきである。BLANK BITPIX
キーワードが正の値を持つ(=
整数データ配列)
ヘッダでのみ使われるべき で、整数データ配列中の物理値の定義されていない配列値を表す整数値を指定する。DATAMAX
配列中の最大値の浮動小数点値。有効な物理値の最大値。DATAMIN
配列中の最小値の浮動小数点値。有効な物理値の最小値。5.3.
ヘッダ《
WCS
に関するキーワード(
詳しくは6
章参照)
》WCSAXES WCS
での軸の数(
整数)
。WCS
関係キーワードの先頭におく。CTYPEi i
番目の軸のタイプを表す文字列。CUNITi i
番目の軸のCRVAL
とCDELT
の物理単位。CRPIXi i
番目の軸上の参照点の位置を軸のインデックスで表す浮動小数点値。CRVALi i
番目の軸上の参照点でのWCS
値を表す浮動小数点値。CDELTi i
番目の軸上の参照点でのWCS
値の増分を与える浮動小数点値。CROTAi
標準座標系から異なる座標系への回転を表す浮動小数点値。今後の使用は推奨されず代わりに次の
CDi j, PCi j
を使う。PCi j j
軸とi
軸の間の線形変換行列。CDi j j
軸とi
軸の間のスケールを伴う線形変換行列。《
Extension
に関するキーワード》EXTNAME
同じタイプのExtension (
同じXTENSION
を持つ)
の間を区別するための文字列 を値として持つ。EXTVER
同じXTENSION
とEXTNAME
を持つ異なったextension
を区別するために使う。整 数値。1
から始まる必要はなく、連続していなくてもかまわない。EXTLEVEL extension
ヘッダ中のextension
階層内のレベルを表す整数値。
Dalam dokumen
FITS の手引き
(Halaman 50-55)