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ケアマネジャーおよび利用者における 3 時点での QOL 評価項目の変化分析 . 125

4.5 分析

4.5.1 ケアマネジャーおよび利用者における 3 時点での QOL 評価項目の変化分析 . 125

ケアマネジメント実施後の利用者の要介護度やQOLに関する項目、また在宅生活継続に ついての自信等の経年変化を従属変数として、反復測定の一元配置分散分析(以下、R-M

ANOVAとする)による分析を行った。この分析では、①ケアマネジメントの実施によって

利用者のQOL等に有意な効果があるのか、②ケアマネジャーによる評価と利用者自身の評 価にどのような差異があるのかということを検討することを目的としている

事前に確認しておかなければならない点として、今回の調査対象者が要介護等高齢者で あることである。つまり、このような調査対象者の場合、ケアマネジメントの実施の有無 に関わらず、加齢に伴う経年変化として、要介護度や ADL、あるいは QOL等の低下が生 じることが指摘されている。したがって、R-M ANOVAにより統計的に有意な差が確認さ れなかった場合には、経年に伴う変化が生じていないということになるが、それはケアマ ネジメント実施の効果として状態を維持することができていると解釈することも可能であ ろう。このような点も考慮に入れながら、分析結果について検討することが必要である。

また、各項目の回答選択肢はそのままの番号を得点としているため、評価がよいほど点 数が低くなるように設定されている。つまり、グラフでは評価が向上した場合に折れ線が 下がり、評価が低下した場合に折れ線が上がる設定となっている点に留意されたい。

※グラフは、縦軸が平均点、横軸が時点(1;10年度、2;11年度、3;12年度)を表す。

1)1)

1)1)要介護度の変化要介護度の変化要介護度の変化 要介護度の変化

要介護度を従属変数としてR-M ANOVAを実施した結果、時間の主効果は有意ではなか った(F(2,111)=2.919,p>.05)。したがって、この3時点(2年間)における要介護度には、

統計学的な差はないといえる。

図図図

図 3333 利用者の要介護度の変化(利用者の要介護度の変化(利用者の要介護度の変化(利用者の要介護度の変化(3333時点)時点) 時点)時点)

126 2)日常生活

2)日常生活 2)日常生活

2)日常生活のののの自立度自立度自立度自立度

日常生活の自立度を従属変数としてR-M ANOVAを実施した。まずケアマネジャーによ る評価について分析を行った結果、時間の主効果が有意であった(F(2,109)=7.533,p<.01)。 一 方 、 利 用 者 に よ る 評 価に つ い て 分 析 を 行 っ た 結果 、 時 間 の 主 効 果 は 有 意で は な か っ た

(F(2,98)=1.383,p>.05)。したがって、この3時点(2年間)における日常生活の自立度

は、ケアマネによる評価は有意に変化しており、利用者による評価には変化がなかったと いえる。ケアマネによる評価の変化としては、11年時点、12年時点ともに若干の悪化傾向 にあることが示された。

図図

図図 4444 日常生活の自立度のケアマネジャーによる評価の変化(日常生活の自立度のケアマネジャーによる評価の変化(日常生活の自立度のケアマネジャーによる評価の変化(日常生活の自立度のケアマネジャーによる評価の変化(3333時点)時点)時点)時点)

図 図 図

図 5555 日常生活の自立度の利用者による評価の変化(日常生活の自立度の利用者による評価の変化(日常生活の自立度の利用者による評価の変化(日常生活の自立度の利用者による評価の変化(3333時点)時点)時点)時点)

127 3)健康状態や受診に関して

3)健康状態や受診に関して 3)健康状態や受診に関して 3)健康状態や受診に関して

健康状態や受診を従属変数としてR-M ANOVAを実施した。まずケアマネジャーによる 評価について分析を行った結果、時間の主効果は有意でなかった(F(2,108)=2.611,p>.05)。 一 方 、 利 用 者 に よ る 評 価に つ い て 分 析 を 行 っ た 結果 、 時 間 の 主 効 果 は 有 意で は な か っ た

(F(2,100)=0.303,p>.05)。したがって、この3時点(2年間)における健康状態や受診は、

ケアマネによる評価と利用者による評価のどちらにも変化がなかったといえる。

図図

図図 6666 健康状態や受診に関してのケアマネジャーによる評価の変化(健康状態や受診に関してのケアマネジャーによる評価の変化(健康状態や受診に関してのケアマネジャーによる評価の変化(健康状態や受診に関してのケアマネジャーによる評価の変化(3333時点)時点) 時点)時点)

図 図 図

図 7777 健康状態や受診に関しての利用者による評価の変化(健康状態や受診に関しての利用者による評価の変化(健康状態や受診に関しての利用者による評価の変化(健康状態や受診に関しての利用者による評価の変化(3333時点)時点)時点)時点)

128 4)食事に関して

4)食事に関して 4)食事に関して 4)食事に関して

食事に関してを従属変数としてR-M ANOVAを実施した。まずケアマネジャーによる評 価について分析を行った結果、時間の主効果が有意であった(F(2,109)=11.805,p<.001)。 ま た 、 利 用 者 に よ る 評 価に つ い て の 分 析 結 果 に おい て も 、 時 間 の 主 効 果 は有 意 で あ っ た

(F(2,100)=3.427,p<.05)。したがって、この3時点(2年間)における食事に関しては、

ケアマネによる評価でも、利用者による評価でも有意に変化しているといえる。ケアマネ による評価では11年時点で一度悪化し、その後多少改善するというパターンを辿っている が、利用者による評価では11年時点で悪化した後は維持というパターンであった。

図 図図

図 8888 食事に関してのケアマネジャーによる評価の変化(食事に関してのケアマネジャーによる評価の変化(食事に関してのケアマネジャーによる評価の変化(食事に関してのケアマネジャーによる評価の変化(3333時点)時点)時点)時点)

図 図 図

図 9999 食事に関しての利用者による評価の変化(食事に関しての利用者による評価の変化(食事に関しての利用者による評価の変化(食事に関しての利用者による評価の変化(3333時点)時点)時点)時点)

129 5)入浴に関して

5)入浴に関して 5)入浴に関して 5)入浴に関して

入浴に関してを従属変数としてR-M ANOVAを実施した。まずケアマネジャーによる評 価について分析を行った結果、時間の主効果が有意であった(F(2,110)=3.893,p<.05)。一 方 、 利 用 者 に よ る 評 価 に つ い て 分 析 を 行 っ た 結 果 、 時 間 の 主 効 果 が 有 意 で な か っ た

(F(2,101)=0.841,p>.05)。したがって、この3時点(2年間)における入浴に関しては、

ケアマネによる評価は有意に変化しており、利用者による評価には変化がなかったといえ る。入浴についても、ケアマネの評価は11年時点で一度悪化し、その後改善するという変 化パターンを辿っていた。

図図

図図 10101010 入浴に関してのケアマネジャーによる評価の変化(入浴に関してのケアマネジャーによる評価の変化(入浴に関してのケアマネジャーによる評価の変化(入浴に関してのケアマネジャーによる評価の変化(3333時点)時点)時点)時点)

図 図 図

図 11111111 入浴に関しての利用者による評価の変化(入浴に関しての利用者による評価の変化(入浴に関しての利用者による評価の変化(入浴に関しての利用者による評価の変化(3333時点)時点)時点)時点)

130 6)排泄に関して

6)排泄に関して 6)排泄に関して 6)排泄に関して

排泄に関してを従属変数としてR-M ANOVAを実施した。まずケアマネジャーによる評 価について分析を行った結果、時間の主効果は有意でなかった(F(2,110)=2.888,p>.05)。 ま た 、 利 用 者 に よ る 評 価 の 分 析 結 果 に お い て も 、 時 間 の 主 効 果 は 有 意 で は な か っ た

(F(2,102)=0.425,p>.05)。したがって、この3時点(2年間)における排泄に関しては、

ケアマネによる評価、利用者による評価の両者とも変化がなかったといえる。

図図

図図 12121212 排泄に関してのケアマネジャーによる評価の変化(排泄に関してのケアマネジャーによる評価の変化(排泄に関してのケアマネジャーによる評価の変化(排泄に関してのケアマネジャーによる評価の変化(3333時点)時点)時点)時点)

図 図 図

図 13131313 排泄に関しての利用者による評価の変化(排泄に関しての利用者による評価の変化(排泄に関しての利用者による評価の変化(排泄に関しての利用者による評価の変化(3333時点)時点)時点)時点)

131 7)家事に関して

7)家事に関して 7)家事に関して 7)家事に関して

家事に関してを従属変数としてR-M ANOVAを実施した。まずケアマネジャーによる評 価について分析を行った結果、時間の主効果は有意でなかった(F(2,108)=0.498、p>.05)。 また、利用者による評価について分析を行った結果においても、時間の主効果は有意では なかった(F(2,100)=1.184,p>.05)。したがって、この3時点(2年間)における家事に関 しては、ケアマネによる評価、利用者による評価ともに変化がなかったといえる。

図図

図図 14141414 家事に関してのケアマネジャーによる評価の変化(家事に関してのケアマネジャーによる評価の変化(家事に関してのケアマネジャーによる評価の変化(家事に関してのケアマネジャーによる評価の変化(3333時点)時点)時点)時点)

図図

図図 15151515 家事に関しての利用者による評価の変化(家事に関しての利用者による評価の変化(家事に関しての利用者による評価の変化(家事に関しての利用者による評価の変化(3333時点)時点)時点)時点)