4.2 利用者調査
4.3.1 QOL ケアマネジャーにおける3時点(3年間)の状態等の変化比較
過去3回の調査でケアマネジャーのデータを突合し、以下の期間を在宅継続している 126 サンプルを3時点で比較している。(無回答を除く有効回答)
10 年度開始(2010 年 10 月~2011 年5月の間にサービスを開始)―10 年度現在(2010 年 11 月現在)―11 年度現在(2011 年 11 月現在)―12 年度現在(2012 年 12 月現在)
Ⅱ-2)
Ⅱ-2)Ⅱ-2)
Ⅱ-2) 家族家族状況家族家族状況状況状況
家族の状況をみると、この3年の間に「同居家族あり」は 80%前後で推移している。
表表表 表 149149149149
10 年度現在 11 年度現在 12 年度現在
度数 パーセント 度数 パーセント 度数 パーセント
独居 23 18.4 30 24.4 26 20.6
同居家族あり 102 81.6 93 75.6 100 79.4
合計 125 100.0 123 100.0 126 100.0
Ⅱ-3)
Ⅱ-3)Ⅱ-3)
Ⅱ-3) 要介護度要介護度 要介護度要介護度
対象利用者の介護度をみると、ここ3年間では「要介護5」が 3.2%から 7.1%と増えて いる。さらに「介護度3」、「介護度4」もそれぞれ 17.7%から 19.8%、12.9%から 19.8%
に増えており、全体にやや介護度の重度化がみられる。
10 年度現在と 12年度現在でノンパラメトリック検定を行うと有意確率.003 で帰無仮説 を拒否しており、差があるといえる。
同様に11年度現在と12年度現在でノンパラメトリック検定を行うと有意確率.510で帰 無仮説を保持しており、差がないといえる。
表 表表 表 150150150150
10 年度現在 11 年度現在 12 年度現在
度数 パーセント 度数 パーセント 度数 パーセント
要支援 1 5 4.0 7 5.6 3 2.4
要支援 2 12 9.7 11 8.9 12 9.5
要介護 1 34 27.4 27 21.8 27 21.4
要介護 2 31 25.0 29 23.4 25 19.8
要介護 3 22 17.7 17 13.7 25 19.8
要介護 4 16 12.9 17 13.7 25 19.8
要介護 5 4 3.2 16 12.9 9 7.1
合計 124 100.0 124 100.0 126 100.0
77
Ⅱ-4)
Ⅱ-4)
Ⅱ-4)
Ⅱ-4) 対象利用者の状態対象利用者の状態対象利用者の状態対象利用者の状態
対象利用者の状態をみると、この3年の間に「脳血管障害後遺症」や「認知症」が 36%
から 40%前後で推移しているほか、廃用症候群は 20.8%から 16.4%と少し減っている状態 が続いている。
表 表表 表 151151151151
10 年度現在 11 年度現在 12 年度現在
度数 ケース(n125)の パーセント
度数 ケース(n125)の パーセント
度数 ケース(n125)
のパーセント
脳血管障害後遺症 45 36.0% 46 36.8% 47 38.5%
認知症 52 41.6% 46 36.8% 47 38.5%
ターミナル(看取り) ― ― 1 .8% ― ―
廃用性症候群 26 20.8% 24 19.2% 20 16.4%
関節疾患 25 20.0% 29 23.2% 26 21.3%
その他 37 29.6% 40 32.0% 35 28.7%
該当なし ― ― 2 1.6% 5 4.1%
合計 185 148.0% 188 150.4% 180 147.5%
78
Ⅲ-1)現在の利用者の状態
Ⅲ-1)現在の利用者の状態Ⅲ-1)現在の利用者の状態
Ⅲ-1)現在の利用者の状態
①日常生活の自立度
①日常生活の自立度
①日常生活の自立度
①日常生活の自立度
身体面等の3時点での変化の状態をみると、日常生活の自立度では「ひとりで外出でき る」などが10 年度現在の 9.8%から7.3%までやや減っている。一方では「ほとんどベッ ドの上」がこの3年間で 4.1%から 12.2%に増えており、日常生活の自立度は低下傾向に ある。
10 年度現在と 12年度現在でノンパラメトリック検定を行うと有意確率.001 で帰無仮説 を拒否しており、差があるといえる。
同様に11年度現在と12年度現在でノンパラメトリック検定を行うと有意確率.343で帰 無仮説を保持しており、差がないといえる。
表表表 表 152
10 年度 開始時 10 年度 現在 11 年度 現在 12 年度 現在 度数 パーセント 度数 パーセント 度数 パーセント 度数 パーセント
ひとりで外出できる 17 13.8 12 9.8 9 7.4 9 7.3
屋内ではひとりで生活できる 54 43.9 82 66.7 69 56.6 65 52.8
座ることができる(車いす) 31 25.2 24 19.5 30 24.6 34 27.6
ほとんどベッドの上 21 17.1 5 4.1 14 11.5 15 12.2
合計 123 100.0 123 100.0 122 100.0 123 100.0
②健康状態や受診に関して
②健康状態や受診に関して
②健康状態や受診に関して
②健康状態や受診に関して
健康状態や受診に関して3時点での変化の状態をみると、「困っていることはない」の 割合がこの3年間で5.6%から6.5%とわずかに増えており、「困っている」も7.3%から 3.3%に少し減っているなど全体に改善傾向にある。
10 年度現在と 12年度現在でノンパラメトリック検定を行うと有意確率.081 で帰無仮説 を保持しており、差がないといえる。
同様に11年度現在と12年度現在でノンパラメトリック検定を行うと有意確率.023で帰 無仮説を拒否しており、差があるといえる。
表 表表 表 153153153 153
10 年度 開始時 10 年度 現在 11 年度 現在 12 年度 現在 度数 パーセント 度数 パーセント 度数 パーセント 度数 パーセント
困っていることはない 5 4.0 7 5.6 7 5.8 8 6.5
困らないよう助けてもらっている 38 30.6 88 71.0 82 67.8 95 77.2 少し困っていることがある 45 36.3 20 16.1 23 19.0 16 13.0
困っている 36 29.0 9 7.3 9 7.4 4 3.3
合計 124 100.0 124 100.0 121 100.0 123 100.0
79
③食事に関して
③食事に関して③食事に関して
③食事に関して
食事に関して3時点での変化の状態をみると、「ひとりでできる」の割合がこの3年間 で52.0%から 35.8%へ大きく減っている。また「できない」が 0%から 1.6%とわずかに 増えるなどやや低下傾向がみられる。
10 年度現在と 12年度現在でノンパラメトリック検定を行うと有意確率.033 で帰無仮説 を拒否しており、差があるといえる。
同様に11年度現在と12年度現在でノンパラメトリック検定を行うと有意確率.002で帰 無仮説を拒否しており、差があるといえる。
表 表表 表 154154154154
10 年度 開始時 10 年度 現在 11 年度 現在 12 年度 現在 度数 パーセント 度数 パーセント 度数 パーセント 度数 パーセント
ひとりでできる 52 41.9 64 52.0 34 27.6 44 35.8
助けてもらってできている 38 30.6 45 36.6 64 52.0 67 54.5 少しできないところがある 26 21.0 14 11.4 16 13.0 10 8.1
できない 8 6.5 ― ― 9 7.3 2 1.6
合計 124 100.0 123 100.0 123 100.0 123 100.0
④入浴に関して
④入浴に関して
④入浴に関して
④入浴に関して
入浴に関して3時点での変化の状態をみると、「ひとりでできる」の割合がこの3年間 で21.0%から 10.6%へ減っている。その一方で「できない」が 5.6%から 7.3%に、わず かに増えるなど全体として低下傾向がみられる。
10 年度現在と 12年度現在でノンパラメトリック検定を行うと有意確率.051 で帰無仮説 を保持しており、差がないといえる。
同様に11年度現在と12年度現在でノンパラメトリック検定を行うと有意確率.130で帰 無仮説を保持しており、差がないといえる。
表 表表 表 155155155155
10 年度 開始時 10 年度 現在 11 年度 現在 12 年度 現在 度数 パーセント 度数 パーセント 度数 パーセント 度数 パーセント
ひとりでできる 18 14.5 26 21.0 17 13.8 13 10.6
助けてもらってできている 44 35.5 77 62.1 73 59.3 87 70.7 少しできないところがある 37 29.8 14 11.3 16 13.0 14 11.4
できない 25 20.2 7 5.6 17 13.8 9 7.3
合計 124 100.0 124 100.0 123 100.0 123 100.0
80
⑤排泄に関して
⑤排泄に関して
⑤排泄に関して
⑤排泄に関して
排泄に関して3時点での変化の状態をみると、「ひとりでできる」の割合がこの3年間 で56.5%から 43.9%へ大きく減っている。その一方で「できない」が 1.6%から7.3%に 増えるなど全体として低下傾向がみられる。
10 年度現在と 12年度現在でノンパラメトリック検定を行うと有意確率.021 で帰無仮説 を拒否しており、差があるといえる。
同様に11年度現在と12年度現在でノンパラメトリック検定を行うと有意確率.534で帰 無仮説を保持しており、差がないといえる。
表 表表 表 156156156156
10 年度 開始時 10 年度 現在 11 年度 現在 12 年度 現在 度数 パーセント 度数 パーセント 度数 パーセント 度数 パーセント
ひとりでできる 55 44.4 70 56.5 56 45.5 54 43.9
助けてもらってできている 31 25.0 30 24.2 37 30.1 43 35.0
少しできないところがある 30 24.2 22 17.7 17 13.8 17 13.8
できない 8 6.5 2 1.6 13 10.6 9 7.3
合計 124 100.0 124 100.0 123 100.0 123 100.0
⑥家事に関して
⑥家事に関して
⑥家事に関して
⑥家事に関して
家事に関して3時点での変化の状態をみると、この3年間で「できない」が 43.5%から 46.3%とやや増えてはいるが、その他「助けてもらってできている」や「少しできないと ころがある」などでは全体としてやや改善傾向がみられる。
10 年度現在と 12年度現在でノンパラメトリック検定を行うと有意確率.782 で帰無仮説 を保持しており、差がないといえる。
同様に11年度現在と12年度現在でノンパラメトリック検定を行うと有意確率.347で帰 無仮説を保持しており、差がないといえる。
表 表表 表 157157157157
10 年度 開始時 10 年度 現在 11 年度 現在 12 年度 現在 度数 パーセント 度数 パーセント 度数 パーセント 度数 パーセント
ひとりでできる 4 3.2 4 3.2 4 3.3 4 3.3
助けてもらってできている 24 19.4 40 32.3 44 35.8 47 38.8
少しできないところがある 18 14.5 26 21.0 14 11.4 14 11.6
できない 78 62.9 54 43.5 61 49.6 56 46.3
合計 124 100.0 124 100.0 123 100.0 121 100.0
81
⑦認知症に関して
⑦認知症に関して
⑦認知症に関して
⑦認知症に関して
認知症に関して3時点での変化の状態をみると、「常に介護が必要」が 8.9%から 12.4%、
「時々介護が必要」が 15.4%から 16.5%にやや増えるなど全体として低下傾向がみられる。
10 年度現在と 12年度現在でノンパラメトリック検定を行うと有意確率.236 で帰無仮説 を保持しており、差がないといえる。
同様に11年度現在と12年度現在でノンパラメトリック検定を行うと有意確率.627で帰 無仮説を保持しており、差がないといえる。
表 表表 表 158158158158
10 年度 開始時 10 年度 現在 11 年度 現在 12 年度 現在 度数 パーセント 度数 パーセント 度数 パーセント 度数 パーセント
問題ない(自立) 45 36.6 39 31.7 44 36.1 38 31.4
誰かが注意していれば問題ない 34 27.6 54 43.9 39 32.0 48 39.7
時々介護が必要 30 24.4 19 15.4 18 14.8 20 16.5
常に介護が必要 14 11.4 11 8.9 21 17.2 15 12.4
合計 123 100.0 123 100.0 122 100.0 121 100.0
⑧生活の意欲
⑧生活の意欲
⑧生活の意欲
⑧生活の意欲
生 活 の 意 欲 を 3 時 点 で の 変 化 の 状 態 を み る と 、 「 と て も あ る 」 の 割 合 が こ の 3 年 間 で 32.2%から 22.7%と減っている。また「あまりない」の割合 16.5%から 22.7%に増えてい る。
10 年度現在と 12年度現在でノンパラメトリック検定を行うと有意確率.033 で帰無仮説 を拒否しており、差があるといえる。
同様に11年度現在と12年度現在でノンパラメトリック検定を行うと有意確率.715で帰 無仮説を保持しており、差がないといえる。
表 表表 表 159159159159
10 年度 開始時 10 年度 現在 11 年度 現在 12 年度 現在 度数 パーセント 度数 パーセント 度数 パーセント 度数 パーセント
とてもある 21 17.2 39 32.2 35 28.5 27 22.7
少しある 40 32.8 60 49.6 50 40.7 62 52.1
あまりない 44 36.1 20 16.5 28 22.8 27 22.7
なかった 17 13.9 2 1.7 10 8.1 3 2.5
合計 122 100.0 121 100.0 123 100.0 119 100.0
82
⑨意思疎通に関して
⑨意思疎通に関して
⑨意思疎通に関して
⑨意思疎通に関して
意思疎通に関して3時点での変化の状態をみると、「ひとりでできる」の割合が 59.8%
から 50.8%とこの3年間で減っている。また「少しできないところがある」や「できない」
の割合が 13.9%から 15.8%、0.8%から 5.0%へとともに少し増えている。
10 年度現在と 12年度現在でノンパラメトリック検定を行うと有意確率.027 で帰無仮説 を拒否しており、差があるといえる。
同様に11年度現在と12年度現在でノンパラメトリック検定を行うと有意確率.218で帰 無仮説を保持しており、差がないといえる。
表 表表 表 160160160160
10 年度 開始時 10 年度 現在 11 年度 現在 12 年度 現在 度数 パーセント 度数 パーセント 度数 パーセント 度数 パーセント
ひとりでできる 61 49.2 73 59.8 62 50.4 61 50.8
助けてもらってできている 25 20.2 31 25.4 26 21.1 34 28.3
少しできないところがある 33 26.6 17 13.9 26 21.1 19 15.8
できない 5 4.0 1 .8 9 7.3 6 5.0
合計 124 100.0 122 100.0 123 100.0 120 100.0
⑩社会参加や役割に関して
⑩社会参加や役割に関して
⑩社会参加や役割に関して
⑩社会参加や役割に関して
社会参加や役割に関して3時点での変化の状態をみると、「自分で参加できている」や
「助けてもらって参加できていた」の割合が 8.1%から 7.4%、51.2%から 50.4%とそれぞ れこの3年間でわずかに減っており、また「参加できない」の割合が3%増えている。
10 年度現在と 12年度現在でノンパラメトリック検定を行うと有意確率.601 で帰無仮説 を保持しており、差がないといえる。
同様に11年度現在と12年度現在でノンパラメトリック検定を行うと有意確率.209で帰 無仮説を保持しており、差がないといえる。
表 表表 表 161161161 161
10 年度 開始時 10 年度 現在 11 年度 現在 12 年度 現在 度数 パーセント 度数 パーセント 度数 パーセント 度数 パーセント
自分で参加できている 9 7.3 10 8.1 9 7.4 9 7.4
助けてもらって参加できている 25 20.2 63 51.2 57 47.1 61 50.4
少し参加できないところがある 35 28.2 32 26.0 25 20.7 30 24.8
参加できない 55 44.4 18 14.6 30 24.8 21 17.4
合計 124 100.0 123 100.0 121 100.0 121 100.0