到達目標
<全学部共通>
① 後期中等教育から高等教育への円滑な移行を図るカリキュラム上の配慮を行う。
② インターンシップを含むキャリア教育の拡大と充実を図る。
③ 学生の修学意欲を高める施策の充実を図る。
④ セメスター制の特徴を生かした授業展開を図る。
⑤ 在学中に取得した資格を単位認定するなど、目標を持った学生の成長をサポートする。
<経済学部>
① 高度なコミュニケーション能力(読み、書き、伝達し、対話する)を養う。
② 経済学を基礎に現実経済を分析する能力を養うとともに、幅広い教養の修得を図る。
③ 現代社会の情報化・国際化への対応力を養う。
④ 健全な職業観を養う。
<経営学部>
① 国際化・情報化・価値の多元化へ対応する。
② 系統的かつ体系的教育課程を編成する。
③ 「京都学」を実施する。
④ 高い専門性と、趣味を生かした「スポーツビジネスコース」を創設する。
⑤ 有意の人材になるべく綿密な指導を行う。
<法学部>
① 大学を卒業者として社会から要請される読み・書き・話すという日本語能力を十分に 身につけさせる。
② 社会で起きているさまざまな問題を理解し、考える力を身につけさせる。
③ 法学の基礎をしっかりと身につけさせる。
④ ビジネス社会で起きている法的問題を認識し、そこではどのような法的問題が生じて いるかを理解し、分析できる能力を身につけさせる。
⑤ ビジネス社会で生ずるような法的問題を適切に解決できる能力を身につけさせる。
<人間文化学部>
① 学生の個性に応じて、専門の学芸を教授研究し、幅広く深い教養を身につけられる よう体系的に授業科目を開設する。
② 学生の学修力の違いに配慮しながら、常時、教授方法の創意工夫を重ねる。
③ ゼミなどにおいて、人間の行動、文化と社会のかかわりを総合的に理解し、人間関係
の向上とより良い社会の構築に向けて、優れた判断力を培わせる。
④ 建学の精神にある「世界的視野」で多様な外国文化と日本文化を正しく理解し、豊か な人間性を涵養するよう適切な教育指導を行う。
(1)教育課程等
(学部・学科等の教育課程)
(1)学部・学科等の教育課程と各学部・学科等の理念・目的並びに学校教育法第 52 条、大学設置基準第 19 条との関連
a.経済学部 現状説明
平成 15(2003)年度より実施された新しい教育課程は、前回カリキュラム改革(平成 5(1993)年)以降顕著になった本学部生の基礎学力の全般的な低下とその格差拡大、さらに 社会性の未熟に対応すべく、これまでの経験を集大成したものである。その教育理念は「経 済学の基礎知識を修得し、それを通して、変化の激しい社会に適応できるたくましい社会人 の育成」にある。
このため、本学部は教育内容を専門教育から専門基礎に重点を移す一方、その教育課程 は、入学後の第 1 セメスターから第 3 セメスターまでの基礎学力課程と、各自の興味や関 心に応じてコース選択した第 4 セメスター以降の専門課程からなる、2 階建ての構造になっ ている(下記のカリキュラム構成図を参照)。
経済学部カリキュラムの概念図
年次等 1年次 2年次 3~4年次
1セメスター 2セメスター 3セメスター 4セメスター 5~8セメスター 要卒単位
区分 基 礎 学 力 課 程 専 門 課 程
絶対必修 日本経済入門 経済学 A 経済学 B 6単位
ゼミ1 ゼミ2 ゼミ3
生活と経済コース 経済学のため数学
入門
経済データの見方 マクロ経済学 ※
専門科目 経済系コース
統計学の初歩
統計学入門 ※ 日本経済学 ※ 社会と経済コース
68単位以上
ミクロ経済学 ※ 産業心理学 やさしい税の話
グローバルネットワークと経済コ ース
経済数学 白書で学ぶ現代日
簿記原理 本
地域経済論 日本語表現講座 ファイナンスコース
財政入門 金融入門
京都研究コース
学部横断コース
教職コース
入門数学 入門歴史
キャリア形成概論 仕事研究講座
仕事研究ワークシ ョップ※※
入門政経 入門科学 キャリア 開発クラ スター
技能検定 A・B・C
インターンシップ A
インターンシップ B 現代日本 産業研究 A
現代日本 産業研究 B
4単位以上
情報クラ スター
パソコン入門 パソコン統計解析入門 計量モデル入門 4単位以上
国際クラ スター
総合英語1 総合英語2 英語3 10単位以上
総合教養科目
学術クラ スター
人文科学・社会科学・自然科学・スポーツ 10単位以上
自由選択 他コース・他学部より自由選択(資格取得4単位を含む)
要卒単位 絶対必修6単位+専門科目68単位以上+総合教養科目28単位以上+自由選択 132単位以上
科目は一部抜粋 ※印は選択必修科目 アンダーラインは登録必要科目
斜体表示は絶対必修科目 ※※印は5セメスター
資格試験支援では実用英語検定試験、簿記検定、初級システムアドミニストレータ等の 資格取得を支援し、経済学部教育課程に相応しいものは積極的に単位認定している。さら に、キャリアサポートセンターが実施する公務員入門講座等多くの講座を全学年に対し開 講・支援し、実社会での応用力の強化に努めている。
また、資格課程としては教職課程を置き、中学校教諭 1 種社会、高等学校教諭 1 種公民、
商業、情報の各教員免許の取得を可能にしている。博物館学芸員、日本語教員、図書館司 書、学校図書館司書教諭の各資格は、他学部受講を加えることにより取得可能である。
点検・評価
学生のニーズが極めて多様化しているので、学生一人一人の問題意識や関心に応えられ るだけのきめ細かさが教育課程に求められる。このため、より効果的に教育目標を実現す るためには、かなりボリュームのある「メニュー」を揃えなければならない。当然、財政 上の観点からみれば科目充実は負担増となるが、意識して科目充実に努めてきたと評価さ れよう。
中規模大学としては非常に多彩なカリキュラムを整備してきたと思われる。また、現実 社会との接点を意識した各種プログラムの開発はとくに評価される。
しかしながら、財政的な制約から外部の優れた教員、プログラムを動員することがます ます厳しくなっている。こうした傾向に対しては、平成 14(2002)年度本学で初めて、寄付 講座として「きもの学」を開設することができたし、平成 15(2003)年度からは野村證券提 供の「金融入門」が、平成 19(2007)年度からは西村証券提供の「リスク・マネージメント 論」が開講されている。財政的制約からカリキュラムが魅力のないものになれば、教育理 念・目標を実現することは当然困難になる。
改善方策
現実社会との接点を意識した各種プログラムの開発、スクラップ・アンド・ビルドは、
現実社会の動きが早いだけに、絶えず見直すことが必要であり、同時に、特定個人に頼ら ない外部組織と大学との協力関係の構築も不可欠である。その一つの事例がリメディアル 教育である。数学や統計知識などがなければ現代経済学を理解するのがますます難しくな ってきているのは事実である。このため、学生の基礎的能力を高めることがリメディアル 教育を通して必要なことは言うまでもない。しかしながら、導入期教育やリメディアル教 育は「高度な経済学の理解」ではなく、「経済常識を備えた活力のある社会人」を育成する 上で必須と思われるので、このような分野を今後は大いに増強していきたい。
b.経営学部 現状説明
本学部では、建学の精神を尊重し、経営学科並びに事業構想学科の特性を勘案しながら、
「国際化・情報化・価値の多元化」といった急激な変化を遂げつつある現代社会にあって、
専門的能力の深化、一般教育の修得、個性や創造性の伸展を通じ、企業及びその他の営利・
非営利機関の中で実践的能力を発揮しうる学生を育成するという教育目標を掲げ、教育課 程の運営に当たっている。経営学科の「経営と管理」「会計」「経営情報」といった3領域制度、
事業構想学科の「フィールドワーク・ゼミ」「ケーススタディ・ゼミ」などの特色あるゼミ教 育科目の設置により実践的な経営学教育を行うという本学部の理念・目的と、セメスター 制度やグレード・ナンバー制による系統的かつ体系的教育課程は、「大学設置基準」第 19 条 の目指す「大学は、当該大学、学部及び学科又は課程等の教育上の目的を達成するために必 要な授業科目を開設し、体系的に教育課程を編成するものとする」(第 1 項)及び「教育課 程の編成に当たっては、大学は、学部等の専攻にかかわる専門の学芸を教授するとともに、
幅広い教養及び総合的な判断力を培い、豊かな人間性を育成するよう適切に配慮しなけれ ばならない」(第 2 項)という要件を十分に満たしているといえよう。
(起業家的能力を育成するための教育を実践している場合におけるそうした教育の教養 教育上の位置づけ)
本学部の事業構想学科は起業家育成に教育の重点をおいており、その一つとして企業現 場での教育をとりわけ重んじている。そのためゼミの形態としてフィールドワーク・ゼミ、
ケーススタディ・ゼミ等を設けている。
また、フィールドワーク・ゼミを中心にビジネスプランニングコンテストを開催し、学 生たちの起業能力の育成に努めている。
点検・評価
平成 7(1995)年度には一般・専門教育の区分を廃止し、科目の自由選択制を導入したが、
平成 11(1999)年度にはこれを踏まえつつ、いま一度緩やかな系統的学習プログラムを構築 した。これらは基礎教育の上に立って学生の修学進度、及び将来展望に合わせた段階的学 習を可能にするという基本思想に基づいたものである。
また、春夏半期で 4 単位は月木と火金に固定化されるため、柔軟な科目配置が困難にな ってきた。更に、学生の科目選択が狭く、多様化した社会に対応した科目取得が難しいと の問題点がでてきた。そこで、通年の 4 単位通年科目の導入が論議され、早速今年度から 一部科目について実施された。今後とも、この議論の方向で、半期 2 単位科目の展開を拡 大することにしたい。
学生たちの興味や目標を尊重したという点で、主体的学習に取り組んでいる学生にとっ て自由選択制度は系統的かつ段階的学習を行うにふさわしいシステムであるといえる。し かし、将来設計がなお不確定な学生にとっては、自主性に任せることが必ずしも適切であ るとは言えない。今後はゼミ等を通して学生一人一人の自己実現をサポートするために、
きめ細やかな指導やゼミ等の必修科目の設置も必要ではないかと思われる。
改善方策
授業評価アンケートや学生の達成度を検証することを通じて、常に新しい学生の要求に 応えていく必要がある。とりわけ、これまでボトムアップ教育にかなり主眼をおいてきた が、「学校教育法」がいうように、「深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的 能力を展開させることを目的とする」プルトップ教育も必要となるであろう。
今年度実施したアンケート結果の学生へのフィードバックについても、その内容及び方 法などを改善する方向で検討している。
教育と研究組織の改善、変更としては、「時代にあった」「学生が求める」
「社会が認知し 希望している」学生を育てるべく 6 つのコースを模索中である。まずそ の手始めとして、スポーツビジネスコースの創設を目標として、組織の強化を図ろうとし