社会調査法演習(量的)1
Social Research Practice (Quantitative 1) 渡邉 悟史 資格 2 2年春
本講義の目的は、調査法の中で量的調査のデータの収集方法と分析方法全般についての実践的技法を学習することである。すなわち、調 査の技法を学び、調査の設計をし、実際に調査を行う。また、調査の結果を報告書に書くことも学ぶ。これらの作業や学習を通じて、量的調査 の目的、意義に監視、この方法で明らかにしうる限界をふまえた上で、解説をおこなう。さらに仮説のたて方、調査法の種類、調査の手続上の 流れの解説、質問文のワーディング上の問題や、質問配置を考えた上での調査票の作成方法、標本調査における対象の選定(サンプリング)
とその意味について、理解する。以上をふまえ、実際の調査票の作成を行う。
①量的調査の企画
②仮説構成
③調査票の作成
④サンプリング
①量的調査の手順を実際に作業を進めながら学ぶ。
②自分の調査の意図や計画を他者に説明することができ る。
③他者の行った調査を批判的に検討することができる。
課題発見力 ・自分で企画を進める責任ある態度。
・他の履修者と徹底的に議論をする覚悟。
適宜資料を配布します。
参考文献としては、
轟亮・杉野勇, 2013『入門・社会調査法(第2版)』法律文化社.
「社会調査法入門」(1春)「社会調査方法論」(1秋)を履修した人が対象です。なかでも社会調査士資格を取得したい人 は、他の関連資格科目も履修してください。
本学部で取得できる資格との関連:社会調査士(必修)、ボランティア実務士(必修)
復習をしつづけることです。難しいことをする必要はあり ません。理解したことだけを基盤に、そこへあなたの個性 を積んでください。
主役はあなたなので欠席・遅刻ができません。この点だけ 可能かどうかじっくり判断したうえで履修するかどうか決めて ください。
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30
調査票付きの調査企画書。仮説や研究背景の論理性、調査票の的確さ、調査 スケジュールの妥当性を評価します。
調査企画発表会(2回)。その他、必要に応じて進捗を報告していただきます。
20
・積極的な発言に対して加点していきます。
・遅刻、欠席、学習意欲欠如、課題やその他の提出物の未提出、グループ活 動への非協力などが見られる場合は厳しく減点します。
・発表会の欠席は履修放棄と見なします。
合計が90%以上に秀、80%以上に優を与える。 合計が70%以上に良を与える。
①授業開始にあたって
本科目の目的と内容についての 概要を説明し、社会科学におけ る実証的研究方法としての統計 的調査の位置づけと、その意義 について解説する。
30 ④
②量的調査の方法
社会的現実を把握するための方法と して、帰納・演繹・解釈の各方法が用 いられることを前提に、調査をどの段 階に組み込むかで、上記のどの方法 を重視した研究になるかを考える。
講義と演習 量的調査の具体例を 学びながら、自分で使 えるテクニックを抽出 する。
配布資料をよく読
む。 60
④
③調査の実施をすることの動機と、得 られたデータについて
社会調査を実施することの動機につ いて、調査の結果得られたデータに ついての基礎的な考え方、特に理論 的概念と操作的概念についての関 係性について考える。
講義と演習 概念・変数・仮説といっ た用語を確認しつつ、
仮説を実際に作って みる。
配布資料をよく読 む。
60 ④
④調査結果の分析の視点 調査結果を分析することで見えてくる 意外な社会的現実の側面を、デュル ケムの『自殺論』などを事例として取り 上げながら、解説する。また、調査票 の作成に当たっての注意点をまとめ る。
講義と演習 調査票の構成や質問 文の作成方法につい て学び、実際に質問 文を作ってみる。
配布資料をよく読 む。
60 ④
⑤調査の企画と設計とテーマ 調査票の作成設計にあたっての
「テーマ」「対象者」「調査規模」「実施 時期」「調査方法」などのポイントを概 説し、社会調査を実施するにあたっ ての作業過程の基礎的な把握をして いく。
講義と演習 調査計画の立て方に ついて学ぶ。興味関 心等に従って調査 チームを作る。
配布資料をよく読 む。
60 ⑤
⑥調査方法について
調査方法の分類について解説する。
質的調査との相違点をふまえた上 で、量的調査の手法の違いと対象選 定による方法の分類を解説、それぞ れの方法にプラス、マイナス点につ いて考える。
講義と演習 各チームの関心に合 わせて量的調査の具 体例を講義担当者が 紹介する。その後、各 チームのテーマ設定・
仮説の作成を進める。
作業を進める。 ⑨ 講義と履修者の興味
の把握
量的調査についてこ れまで学んだことを思 い出す。今後のスケ ジュールを理解し、学 習計画を立てる。
シラバスをよく読む。
120
⑦調査票作成の構成
調査票の構成について解説する。前文 の書き方、属性・行動・意識などの質問 内容の形式、回答の選択項目などにつ いて、さらにダブルバーレル、キャリーオーバー など質問作成上の注意点など。
講義と演習 郵送法や個別面談法 等の調査方法の性質 を理解する。
作業を進める。配布 資料をよく読む。
120 ⑤
⑧調査の手順について
調査の手順について、まず企画から 始まり、質問項目の検討、調査票作 詞、プリテスト、サンプリング、依頼状と調 査票の発送、配票、回収と点検、コー ディングと入力、分析と報告までを解 説。
講義と演習 各チームで質問文や 選択肢を作成し、その 妥当性を検討する。
報告の準備をする。 120 ⑤
⑨テーマの設定と質問文の作成 各班の質問テーマを決定する。受講生が 作業班に分かれ実際に質問項目の検 討をする。各々調査票に投入したい項 目を自由に考え、意見を出し合いなが ら、中テーマ、大テーマに分類をおこなって いく。
履修者による報告 とディスカッション
調査のテーマ、意義、
方法について中間報 告する。他のチームの 調査計画を批判的に 検討する。
報告の反省をし、今 後作業を継続して進 める。
90 ⑤
⑩質問文と選択肢の決定
自由回答、選択式回答について理解 する。選択肢についてはシングル・
マルチアンサー形式や限定回答、順序づけ 回答などがあることを紹介。名義・順 序・感覚・比率の各尺度について講義 する。
講義と演習 標本の概念について 理解する。ランダムで はない抽出法につい て理解する。
配布資料をよく読 む。
90 ⑤
⑪適切な質問文と不適切な質問文を 見分ける
実際にダブルバーレル質問やキャリーオー バーの効いてしまっている質問文につ いて回答してみることで、その難点につ いて理解する。その上で、各作業班と して質問文と選択肢の試作を行う。
講義と演習 無作為抽出法につい て理解する。誤差など についての理解を深 める。
配布資料をよく読 む。
90 ⑤
⑫標本抽出方法について理解する (1)
標本抽出方法は非確率と確率抽 出に分けられ、便宜的、判定、クオー タ・サンプリング、雪だるま式の各抽出 方法を解説。
講義と演習 社会調査の倫理につ いて確認する。また社 会調査のリスクについ て具体例をもとに検討 する。
配布資料をよく読 む。
90 ⑨
⑬標本抽出方法について理解する(2) 確率抽出方法について学ぶ。単純無 作為、系統抽出、多段抽出、層化抽出 の各方法と注意すべき点について解 説する。班作業の質問文を完成させ る。
講義と演習 各チームで作成した調 査票を実際に履修生 同士で回答しあいなが ら点検し、調整する。
報告の準備をする。 150 ⑨
⑭調査票全体の流れを考える。
調査票全体の構成と流れについて考 える。実際に試作した調査票に回答し てみて、質問項目の配置順序や言葉 遣い、選択肢などについて全員で チェックを行う。標本抽出方法のまと め。
履修者による報告 とディスカッション
調査のテーマ、意義、
方法について報告す る。他のチームの調査 計画を批判的に検討 する。
報告の反省を行う。 60 ⑨
⑮調査票の作成終了と本科目のま とめ
完成した調査票について、ワー ディングや印刷状態などの最終 チェックを行う。第1回 今回まで の講義内容のまとめの講義を行う。
講義 これまでの総まとめを 行い、調査票の最終 チェックを行う。調査計 画書の執筆方法を学 ぶ。
講義担当者への質 問事項をまとめてお く。
60 ④