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TOSHIN TIMES 2021「わかる」ことに貢献できる それがいちばんのやりがい
講師特別インタビュー 教壇にいたるマイヒストリー
ここでは、東進の実力講師陣の素顔に迫るエピソードを紹介。
10 代の頃はどんなふうに過ごしていた? 何で教える仕事を選んだの?
どんな授業をしているの? 知られざる講師の一面に迫ります!
た数学の本の中にそれはありました。レベル違いの本を買ってしまい、もちろん当時の私には何を言っているのかわかりませんでした。でも数字が好きなものだから、折に触れて気になって何度も見るわけです。
一年後、まだよくわからなかった。でもさらに一年後、二年後になって読み直すと、部分的にわかることが増えてきました。何か特別なことをしたわけではありません。新たな「点」の知識が増え、点が多くなると距離が近い点、関係のある点たちがつながって線となり、あるとき「わかる」瞬間がきます。
毎日、毎月、毎年の自分の変化、成長を大切にしましょう。それらすべてが「点」であり、いずれは 「線」になります。
勉強ができる人は自分でできることを増やせる人
もちろん、それぞれ好きな学問があると思います。全員が全員、数学を好きになる訳ではないでしょう。無理に好きになることはないですよ。それでも、今よりも数学ができるようにはなりたいですよね。
例えば授業で、見たことのない定理が登場したとしましょう。まず場当たり的に定理を覚えて代入してしまう人、また別の人は自分で示せるか試したり、証明を理解してから解いてみようとするでしょう。
証明できるならば、それが何より望ましいです。ただ、そうそう簡単には示せないもの、わからな いものもたくさんあります。それでも、まず考えてみること、書かれている証明を理解しようと努力してみることは大切です。わかる部分とわからない部分が出てきます。そのあと、わからない部分は棚上げして、いったん数値を入れるなどして解いてみるのもいいでしょう。そうしてあれこれと苦労しているうちに証明のわからなかった部分が理解できたり、計算の力が上がっていたりするものです。ペンキは薄く、何度かに分けて塗った方がきれいに仕上がるように、何度もさまざまな方向から定理に使っているうちにその式を自分のものにしていくことができる。一見すると回り道にも見えるこの試行錯誤が、数学の力を上げるのです。
時間がかかっても、自分一人でできること、自分で説明できることを着実に増やしていく。そうして、数学が少しずつできるようになります。できることが増えていけば、数学が好きとまでいかずとも、嫌いではなくなるかもしれません。
勉強 で は
小 さ な 変 化 を 大 切 に
受験生の皆さんは、もちろん志望校に合格することを目標にしていることを思います。受験勉強の中、皆さんが解けない、難しい問題を前にして、定理の証明をしてみたり、新しい定理を使ってみたり、別解を検討したりと、試行錯誤していくうちに頭の中の「点」の知識が「線」で繋がっていく、そうして学力が上がっていくことに貢献できることが嬉しく、またそのような仕事ができることが楽しいのです。大学受験での合格とは、そういった試行錯誤の先にあるのかなと思います。
教員になりたいと考えていたこともあるものの、この仕事を始めたきっかけは、大学院生のときに塾講師をしたことです。しかし、生徒の皆さんの人生の節目、大きく成長する瞬間に立ち会えること、できることが増えていく過程に寄り添えることがとても楽しく、今でもこうして教壇に立っています。
受験勉強は、小さい変化、小さい成長の積み重ねです。例えば難しい問題が解けるようになるとか、模試で良い成績が出るとか、結果が出るまでには時間がかかることも多いのです。「今日はこの内容が理解できた」「今日はこれが解けるようになった」という、自身の日々の小さな変化を大切にしてほしいと思います。
そういった変化を日々し続けることが、勉強が得意になるための近道です。
わ か る っ て
何 な ん だ ろ う
受験勉強をしていると、理解する、「わかる」って何なんだろうと思いませんか。こんなに覚えなきゃいけないことに囲まれていて、試験もあって、「わかる」なんて言っていられないよと思う人もいるかもしれません。しかし、数学は、あるいは受験勉強は、人間の「わかる」の仕組みそのものを教えてくれ、また成長させてくれる科目であり、機会でもあると思います。
数学で「数学的帰納法」や「背理法」について学びます。どちらも証明の方法の一つです。私がこれらと出会ったのは小学4年生の頃でした。数字が好きで、難易度もわからずに母親に買ってもらっ
緻密かつ多角的な解説は徹底した問題分 析に基づくもの。難解な入試問題も趣味 のパズルのように解きほぐす。数学的背 景へ常に目を向けながら、更に生徒の学 習段階さえも意識して「自ら考え、自ら 解ける」実力の養成を目指す。実戦的で 明快な講義が君の前に立ちはだかる「高
き壁」を乗り越える力になる。
第 8 回 寺
て ら田
だ英
え い智
ち先生
数学
授業で図形を使って説明しようと思ったものの、複雑 な多面体、問題の解説に使えるような手ごろな四面体は、
都合よく購入できるものでもありません。自分で作るし かないかなと思ったのが多面体模型を作ったきっかけで す。写真右下、赤色の側面のものは、「図形を面の形で分 類するとき、凹みのない、6面体は何種類作れますか?」
という問題を解説するために作ったもの。例えば、6面 とも四角形である6面体は、それが立方体であっても、
立方体でない直方体であっても、台形や平行四辺形を面 に含むものでも同じものとします。そして、直方体の面 が台形になっているものも同じものです。シンプルな問 題ですが難しいと思いますよ。ぜひ、考えてみてくださ い。最近は子どもと一緒につくって遊んだりもします。
書斎にはいつも画用紙がいっぱいです。
寺田先生製作の 多面体模型 たち
数学の先生らしく、寺田先生がついつい手作りしてしまうの が、多面体の模型です。最初は問題を解説するために作って いたけれど、だんだん趣味になったという、多面体の魅力を 教えてもらいました!
立体も見ればイメージしやすい?
数学Ⅰ・Aの大学入学共通テスト出題項目・
形式を体系的に学習し、高得点を狙います
Q 共通テスト対策をどうしたらいいのかわかりません
A まずは基礎力をつけ、それから共通テストの出題形式に 慣れることで、着実に対策ができます
数学の基礎力を伸ばしつつ、共通テストの問題形式にも触れていき、
着実に力をつけていく講座です。基本的な事項、見落としがちな事柄 の確認から進めますから、数学が苦手な人、模試の成績が振るわない 人でも無理なく力をつけ、得点を上げていきます。
講座の ココが ポイント!
▶一度基礎は学習したたけれど、成績が伸び悩ん でいるという人に最適
▶基本的なことから学びなおし、実力を伸ばせる
▶さまざまな出題の形式に慣れつつ、共通テスト 対策ができる
講座 紹介
授業のぞき見!