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コーズ・リレーテッド・マーケティング (CRM) の可能性と課題
2023 年 1 月 31 日 山田 太郎
想定する結論
CRMによって企業・NGO・消費者の三者がメリットを享受しながら社会貢献が でき、CRM商品の認知度、企業・NGOの透明性を上げることで効果が高まる。
仮目次
はじめに
1コーズ・リレーテッド・マーケティング(CRM)について 1-1 CRMとは
CRMとは、企業が売上げからNGOへの寄付などで社会貢献を行い、それ を消費者に訴求することで売り上げ増加を目指すマーケティングである。
1-2 事例
アメリカン・エキスプレスの自由の女神キャンペーン、エイボンなどのピン ク・リボン運動、森永製菓の1チョコfor1スマイルキャンペーン、イオン の幸せの黄色いレシートキャンペーンなど多様な取り組みがある。
2 日本における企業・NGO・消費者の現状 2-1 企業の課題
CSR(企業の社会的責任)の重要性が増す中で、企業戦略の中核としてCSR に取り組めていない企業は多い。
2-2 NGOの課題
個々のNGOやその活動内容についての認知度は低い。
2-3 消費者の意識
消費者の社会貢献意識が高まり、社会的課題に配慮した商品を購入したいと
考える社会的消費者が増加している。
3 CRMのメリットと課題 3-1 CRMのメリット
企業にはCSRへの取り組みを通じたブランド価値向上・商品差別化、NGO には資金源の安定化・自分たちの活動の認知度向上などの効果があり、消費 者は消費行動を通じての身近な社会貢献が可能となる。
3-2 CRMの課題
企業にとって、プロモーション費用やNGOとの調整への時間がかかる、消 費者が購入しなければ効果が得られない、といった課題がある。
4 CRM実施時の留意点 4-1 CRM商品購入の阻害要因
CRM商品自体の認知度が低いことの他に、購入が社会貢献につながるのか わからない、企業がコーズ支援を利用しているのではないかなどの消費者感 情が主な購入阻害要因である。
4-2 CRM商品の認知度向上の工夫(具体的事例に即して)
効果的なテレビCMや広告に加え、流通の段階で消費者がCRM商品とその コーズの内容を認知・理解しやすくなるようなプロモーションの工夫により 商品の認知度を高めることができる。
4-3 企業・NGOの透明性を示す工夫(具体的事例に即して)
企業の事業と関連性が高いコーズを選択し、企業・NGOが寄付金額や寄付 による取り組みの詳細な情報開示をすることにより、企業・NGOの透明性 を示しCRMの効果を高めることができる。
おわりに 参考文献
- 2 - 参考文献リスト
・奥貫泰正「マネジリアル・マーケティングへの社会的視点の導入に関する考察」
『千葉経済論叢』、第45号、2011年、pp.1-28
http://ci.nii.ac.jp/els/110008750894.pdf?id=ART0009825935&type=pdf&lan g=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1456452499&cp
=
・国際協力NGOセンター「NGOのコミュニケーション戦略とその先にあるも の」『2014年度外務省NGO研究会『NGOの広報力強化』/ NGO認知度向上 プロジェクト報告書』、国際協力NGOセンター、2014年
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/files/000080820.pdf
・経済同友会『日本企業のCSR 自己評価レポート2014』、経済同友会、2014 年
http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2014/pdf/140514a.pdf
・世良耕一『コーズ・リレーテッド・マーケティング 社会貢献をマーケティン グに生かす戦略』、北樹出版、2014年
・内閣府『平成26年度 市民の社会貢献に関する実態調査』、内閣府、2015年 http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2014/pdf/140514a.pdf
・長坂寿久「コーズ・リレーテッド・マーケティング(CRM)とNGO―CSR=企 業とNGOの新しい関係(その4)―」『季刊 国際貿易と投資』、No.81、2010 年、pp.87-108
http://www.iti.or.jp/kikan81/81nagasaka.pdf
・行川一郎「社会的責任のマーケティングについて」『国際経営論集』、第45巻、
2013年、pp.65-77
http://klibredb.lib.kanagawa-u.ac.jp/dspace/bitstream/10487/11547/1/45- 07.pdf
・野村尚克、中島佳織、デルフィス・エシカル・プロジェクト『ソーシャル・プ
ロダクト・マーケティング』、産業能率大学出版部、2014年
・コトラー・フィリップ、デビッド・ヘッセキエル、ナンシー・R・リー『グッ ドワークス!』、東洋経済新報社、2014年
・Kotler Philip, Nancy Lee, “CORPORATE SOCIAL RESPONSIBILITY : Doing the Most Good for Your Company and Your Cause”, Wiley, 2004
(1) 参考サイト
・イオンウェブサイト「環境・社会貢献活動 幸せの黄色いレシートキャンペー ン」
http://www.aeon.info/environment/social/aeonday/yellow_receipt.html
・森永製菓ウェブサイト「1チョコfor1スマイル」
http://www.morinaga.co.jp/1choco-1smile/
(上記URLは2017年2月4日に確認したものです)
- 3 - もっとも参考になると思われる文献の要約
文献:
長坂寿久「コーズ・リレーテッド・マーケティング(CRM)とNGO―CSR=企業 と NGO の新しい関係(その4)―」『季刊 国際貿易と投資』、No.81、2010 年、
pp.87-108
要約:
コーズ・リレーテッド・マーケティング(CRM)は、コーズ(大義・社会的課題解 決)を掲げて販売促進を目的としてマーケティングをおこなうもので、商品・サ ービスの売り上げの一部を NGO などの非営利団体に寄付をおこなう、企業と NGO の協働の一形態である。CRM は企業が本業において社会貢献をする点で CSRの一環であり、企業は販売・収益が増し、NGOは資金源の確保と多様化に より社会的課題の解決に一層取り組めるというメリットがある。
このテーマに決めた理由
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譲りたくない点 (他のことに関心あるゼミ生と共同で論文を書くときに)
私たちが時間や大きな費用をかけずにできる身近な社会貢献の1つとしてCRM 商品を買うことを考え、CRMをテーマにした。マーケティングについて研究し
たいということではなく、人々が社会貢献に参加しやすくなるような取り組みに ついて扱うことがこだわりである。また、NGO・企業などへのヒアリング調査は 必ずおこないたい。その他の部分については、他の人からの意見や視点を取りい れて改善していきたい。