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マイクロ波加熱を利用した メタン高度利用化の連携と展開

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Academic year: 2023

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(1)

マイクロ波加熱を利用した

メタン高度利用化の連携と展開

旭川工業高等専門学校

バーチャル大講座 2015 (旭川高専)

(2)

● 北海道近海に眠るメタンハイドレートや,牧畜産業および林産業の拠点で 生成 されるバイオガスの主成分であるメタンガスをもとに,高純度水素と機能性炭素 を同時に生産するメタン分解プロセスを開発する.

● メタン分解反応から得られる機能性炭素の特性を活かした材料の開発を行い,

既存技術との優位性を実証するほか,新しい炭素素材の提案を行う.

また,講座に所属する学生については,異なる専門分野の交流を通して専門領 域の壁を越えた知識や実践力を有する技術者になるための育成教育を行う.

バーチャル大講座における研究開発目標と概要

【 講座の研究開発目標 】

【 研究概要 】

● メタン直接分解プロセスは,宮越教授が手掛けているマイクロ波加熱と触媒を 組み合わせた反応システムを活用して行う.

● メタン分解反応により得られる機能性炭素の活用法については,小寺准教授が 展開している燃料電池電極材への検討や,中村准教授が蓄積してきたカーボン ナノチューブの評価技術に基づいた電子デバイス材料への利用を検証している.

● マイクロ波加熱にかかる省エネルギー技術を開発するため,大島教授の電磁波 照射シミュレーションの理論に基づき,宮越教授と併せて加熱効率化技術を構築 する.

(3)

本講座の中心技術

(マイクロ波加熱を利用したメタンの直接分解の研究)

1.

本技術はマイクロ波加熱装置と触媒を 組合わせた反応プロセスにより,メタンから の水素収率が

75

%以上の高い性能を実現 します.

CO

CO

2はほとんど副生しません.

2.

メタン分解による副生炭素は,触媒に固定 化されて,多層グラファイトを形成します.

この場合でも,メタン分解反応は継続的に 進行します.(メタン分解炭素は機能性炭素 原料として,電極材等検証実験中です.)

3.

メタン転化活性は,触媒組成やメタン分解 中に形成する化学種の影響を受けるほか に,触媒成分の充填方法や触媒表面温度 の検出位置などの物理的条件,反応操作 のハンドリング等によっても,著しい影響を 受けます.マイクロ波の電磁波としての作 用に配慮しながらプロセスの開発が必要で す.

(その代り,新規な反応を見出せる可能性 を秘めています.)

キーワード

:

マイクロ波加熱

,

メタン直接分解反応

, CO

CO

2

-

フリー水素,機能性炭素

microwave heating + catalyst

catalyst quartz tube CH4inlet

Infrared thermo meter

Products

construction simply

inexpensive

compact size

マルチモード式 マイクロ波加熱反応器

0 500 1000 1500 2000

30 40 50 60 70 80 90 100

Time on stream (min)

H

2

yie ld

High Activity & Long-Life

メタン分解活性(水素収率)

メタン分解炭素の

TEM

イメージ

CH 4 2H 2 + C

メタン直接分解反応

CO & CO2–free Hydrogen

バーチャル大講座 2015 (旭川高専)

(4)

研究の背景と概要

(大講座の目的)

(5)

研究の背景 (北海道におけるメタン資源 と 産業化の可能性)

北海道を取り巻くメタン資源

北海道近海には、奥尻海嶺(2),千島海溝周辺(3),

網走沖(4),西津軽沖(5)など多くのメタンハイドレー ト鉱床が確認されている。

出所:石油公団 ホームページより

出所:アジアインフラストラクチャー総合研究所 ホームページより

ロシアとの産業技術的な協力関係が 進展すれば、サハリンからの天然ガス パイプラインが北海道を経由して日本 列島を縦断設置される可能性がある。

旭川

北見

帯広 釧路

北海道は、十勝平野や根釧台地を中心に 牧畜が盛んである。

地域復興政策としてメタン発酵を利用した バイオガスの生産やエネルギー活用の 方策が各所で進みつつある。

メタン発酵槽と 内部構造

メタンハイドレート鉱床 サハリンⅡの天然ガス採掘

パイプライン設置計画(コースは複数検討)

赤で囲んだ地域は とくに牧畜が盛ん

バイオガス資源 メタンハイドレート資源 天然ガス資源

第一次産業由来資源をもとに北海道に特化した工業を!

バーチャル大講座 2015 (旭川高専)

(6)

水素製造に関する目標 (政府の開発目標を意識して展開)

メタンガスから高純度水素を効率よく生産する技術を開発することで地域や日本の発展に貢献

水素社会実現へのシナリオ(政府指針より)

(7)

大講座概要

(メタンを原料に,高純度水素と機能性炭素の製造・活用を実現)

Ni粒子

catalyst quartz tube CH4inlet

Infrared thermo meter

Products

construction simply

inexpensive

compact size

マルチモード式 マイクロ波加熱反応器

0 500 1000 1500 2000

30 40 50 60 70 80 90 100

Time on stream (min)

H

2

yield

High Activity & Long-Life

CO2フリーな高純度水素 の 直接製造

CO & CO2–free Hydrogen

Ni包含カーボンナノオニオン メタン分解

炭素回収

機能性炭素の電極材への応用

CH 4 2H 2 + C

microwave heating + catalyst

メタン直接分解反応

触媒 :

Ni – HZSM-5 – Mo

2

C + SiC

メタン分解成分 サセプター

・ メタン処理量

・ コンパクトさ

・ 機能拡張性

触媒層

水素製造

メタン分解 炭素応用 マイクロ波加熱反応器+

触媒による メタン転換反応

バーチャル大講座 2015 (旭川高専)

(8)

● マイクロ波加熱反応器および触媒の開発

宮越教授 物質化学工学科, 専門は分析 ・ 無機化学,触媒化学

● グラファイトの活用(電極材の開発)

小寺准教授 物質化学工学科, 専門は分析化学,電気化学

● 電磁波照射シュミレーション(マイクロ波加熱効率の検討)

大島教授 電気情報工学科, 通信 ・ ネットワーク工学

● グラファイトの性質探求(電子デバイス材料の開発)

中村准教授 システム制御情報工学科, マイクロ ・ ナノデバイス,電子デバイス

● A社 マイクロ波装置および素材に関する共同研究

● B社 新規炭素材料に関する共同研究

● C社 SiCサンプルの提供

バーチャル大講座における役割分担と外部連携

【 旭川高専メンバー 】

【 学外との連携 】

● 長岡技術科学大学 メタン活用技術開発センターと連携, 宮越,小寺 各教員は 直接的にも長岡技術科学大学と共同研究を実施

● 宇部高専(山崎教授) と超・亜臨界下における触媒処理反応で共同研究中

● 日本化学経営シンクタンク 事業化や海外展開の情報提供,研究素材の海外調達

(9)

マイクロ波加熱を利用するメタン転換の特徴

● マイクロ波加熱を利用したメタンの化学転換の概要

● 意外な?副産物(機能性炭素の併産を発見)

● マイクロ波加熱と一般的な加熱(電気炉加熱など)の違い

● 機能性炭素研究の方が発展の余地(研究のインパクトや応用性,

拡張性が広い?)

(10)

メタン 導入 方向

メタン濃度:高い

水素濃度:高い

M.W.

が集中 印加しやすい 部分

HZSM-5

の基本構造

Al

3+ の部位が酸点 を担う

CH 4 CHx, H 2

Ni

粒子

CHx

等から 炭素を取り入 れて

C

固溶

NI

を形成

NiC

1-x

メタン分解 反応の進行

Ni

に固溶しきれない炭素は グラフェン層として析出し、積層 化する(カーボンナノオニオン)

マイクロ波吸収性 :

SiC << C により分解活性が向上

傾き : カーボンナノオニオンの成長によりマイクロ波による 発熱性(反応エネルギーの安定化)を示唆

メタン分解反応メカニズム (触媒化学的な視点より)

(11)

メタン分解活性が持続する要素 (マイクロ波加熱の特殊性)

SiC

Ni+HZSM-5 +Mo

2

C

反応開始時 反応進行時 反応開始時 反応進行時

メタン反応当初は

SiC

にマイクロ波が印加し加熱が 促進される.次第に

SiC

からの伝熱で触媒層が 活性化されカーボンナノオニオンが形成される.

マイクロ波吸収性はカーボンが優勢であり、

カーボンナノオニオン自体が発熱し、熱エネルギー が豊富な中でメタン分解反応が進行する.

NZSM-5

のメタン分解と

Ni

の炭素取り込みが永続的.

メタン反応当初から

SiC

層と触媒層が一様に加熱される.

そのため,メタン分解炭素はいずれの触媒成分にも 付着し,とくに

HZSM-5

の酸点を中心に炭素質劣化

(コーキング)が助長される.いずれは失活し,炭素成 分は不定形相となる.

触媒層間の温度差 が顕著

M.W.の選択加熱 特性)

マイクロ波加熱反応 電気炉加熱反応

触媒層間 の温度差 がない

バーチャル大講座 2015 (旭川高専)

(12)

メタン分解炭素のクオリティ (高品位な炭素が生成)

G

バンド/

D

バンド比では,グラム当たり数万円の炭素材に匹敵するデータが得られた。

(13)

透過型電子顕微鏡( TEM )イメージ (特殊な炭素構造体)

グラファイト層 (層間) : 0.34 nm

0.33 nm

多層グラフェン 文献値

) Ni

200 nm

拡大

Ni

粒子

10 nm

カーボン層が成長

Ni

粒子

= =

Ni

粒子

Ni

包含多層グラフェン

Ni

包含カーボンナノオニオン)

バーチャル大講座 2015 (旭川高専)

(14)

【電気化学的計測】

試料(メタン分解炭素)をマイクロ電極に充填し,電位掃引法により酸化還元反応波形(電流-電位曲線)

を計測した.対照試料として市販の

Pt/C

Pt=45.7wt%

)でも同様に試験した.

Pt/C

と金属包含グラ フェン試料は、ほぼ 同じ電位で酸化還 元反応が起こること を確認

燃料極 空気極

Pt

Ru

カーボン

とくに燃料極はH2 混入するCOの対策 のためPtだけでなく, Ruも担持される.

燃料極 空気極

Pt

Ni 包含多層グラフェン はそれ自体が導電性 に優れ,Ptを担持して も少量で済む。

また,Pt量を低減させ ているのでRuは不要.

従来の燃料電池 新規提案(

Pt

量低減)燃料電池

個々の粒子の 導電性が優れる

Ni

メタン分解炭素の応用例 Pt/C 系の代替材として利用)

特願

2014-195207

(15)

研究分野の市場動向と研究展開

(本講座での技術者育成方針を加えて)

(16)

出典 : 表はいずれもNEDOフォーラム 川合知二 氏 講演資料より

=

ニッケル包含カーボンナノオニオン

我々は金属と多層フラーレンを組み合わせた 金属包含ナノオニオンで炭素素材の新分野

開拓を目指す。(炭素素材のトップに!)

日本はCNT技術分野が強く、欧米はグラフェン技 術に注目する傾向が高い。中国・韓国も技術レベ ルが迫っている状態である。

経産省主導の実用化プロジェクトではH27年度に 16.1億円の予算で実施している。なお、核心的な 水素エネルギー貯蔵・輸送技術でも16.6億円が計 上されている。

機能性炭素の研究・市場 動向 (炭素市場の可能性)

代表的な先端炭素材料

(17)

グラフェンの魅力と研究トレンド

バーチャル大講座 2015 (旭川高専)

出典:科学技術動向研究(科学技術動向研究センター 家近 泰 氏 解説より)

グラファイト

単層グラフェン 単層カーボン ナノチューブ

電子など荷電粒子の 移動性が特徴

Si

など

(18)

東北大学 金子先生 (宮城の新聞掲載記事より)

•(左)シスプラティンを内包 したナノ ホーン集合体

•(右)黒い粒子はシスプラ ティン

•(左)培養後72時間のがん細胞

•(右)シスプラティンを内包した カーボンナノホーンを添加。

がん細胞はほとんど消滅。

産総研HPより

マウスの左右わき腹に皮下移植した腫瘍にZnPc-CNH-BSAを注射し、

左側の腫瘍には赤色レーザー光を毎日15分ずつ10日間照射し、右 側には照射しなかった。その結果、左側の腫瘍は消滅し、(黒い点 は、レーザーによるやけど)、右側の腫瘍は日ごとに大きくなった。

CNT のライフサイエンスへの応用例

(19)

catalyst quartz tube CH4inlet

Infrared thermo meter

Products

●construction simply

●inexpensive

●compact size

マイクロ波加熱を利用する メタンから高純度水素の

直接製造技術

再生可能エネルギーからの電力 をマイクロ波加熱に利用

(政府目標の第3フェーズに相当)

カーボン層 他の元素から

なる層 金属粒子核

マイクロ波を応用したナノレベル積層化技術

(グラフェンと組み合わせた新規電子材料)

マイクロ波発振技術

(電気 ・大島)

カーボン配向技術

(制御 ・中村)

Ni包含カーボンナノオニオン

Pt/C 電極のPt量低減化を検討)

電極利用技術

(物質 ・小寺)

反応装置 と 触媒の開発

(物質 ・宮越)

メタン分解炭素 の回収

CO2フリーの 高純度水素

の製造

再生可能 エネルギー 媒体と連結

我が国を支える産業や,発展が期待される産業に貢献する技術

本校の研究連携体制

(メタン反応器の開発から機能性炭素の応用まで)

機能性炭素の応用・実用化 水素と

機能性 炭素の 作成

我が国の諸産業に貢献

バーチャル大講座 2015 (旭川高専)

(20)

機能性炭素による酸素還元反応(ORR): O

2

+ 2H

+

+ 2e

-

→ H

2

O

Setting

Carbon Particles(CP) Porous Microelectrode (PME)

Packing

Electrochemical Cell

測定結果 比較文献 [還元-酸化グラフェン(rGO)

Fig. ORR on (a) rGO, (b) CeOX/rGO, (c) GS Yuasa Technical Report 9(2012) Fig. ORR on CP-PME and Pt/C-PME, at 1 mV/s in various pH solution

saturated with O2

(21)

これから求められる研究者像とは (T 型 ・ π 型人材の育成)

バーチャル大講座 2015 (旭川高専)

横方向:基盤となる知識の幅,縦方向:専門性

出所:文科省

HP

より (

H14

年)

求められる研究者像とキャリヤパス

現在は周辺の専門分野や全く異なる専門 分野へも関心を持ち

,

既存の枠にとらわれ ない見方ができる研究者が求められる.

異分野の融合や新分野の創出には,複数の専門 性をもつ

π

型が望ましい.

(22)

1 番を目指す理由 No 1 を成し得たものが広く認識され,生き残る)

小さな目標・技術からでも構わないので、NO.1

,

Only 1を目指す人材育成や研究を展開してゆく

(23)

出典:

NEDO

フォーラム 川合知二 氏 講演資料より

● 技術分野の抽出や技術開発課題の 抽出は、多くの実験や実習を経験し、

異なる専門分野の学生が近い距離で 集い合う高専(とくに専攻科)で、有利な 技能になる。

(選抜作業は広い知識や経験、そして 異分野技術への理解が必要)

● 大学や企業研究者(より学術・論理的,

製品実用化目的)とは違った視点で ものづくりができる“技術・研究者”。

こうした大学出身者や企業技術者には ない特色を備えた学生の育成システム を構築することが高専の活きる道である。

(高専出身研究・技術者に如何なるカラー を加えることができるかが、我々(教員側)

の命題にもなる。

● 高専における研究やものづくり自体に着 目させることも大事だが、高専のストロング ポイントである技術者教育の視点や精神を 念頭に置くことが大事。⇒“高専システム”

の海外展開で一番アピールできる部分!

本講座の技術研究者育成

(高専の特色を活かした技術研究者に

!

専門領域を越えた実践力を有する科学者を育成

【 現在の主流となる技術者像 】

バーチャル大講座 2015 (旭川高専)

(24)

大講座の状況

(外部資金獲得状況と知的財産権取得状況)

(25)

JST A-STEP FS

ステージ (宮越,

292

万円

, H24.11

月~

H25.11

月)

JST A-STEP FS

ステージ (宮越,

300

万円

, H26.12

月~

H27.11

月)

● 科研費(挑戦的萌芽 宮越・大島・小寺,

403

万円

, H27-28

年度)

● 科研費(若手

B

中村,

350

万円

, H25-27

年度)

● 長岡技術科学大学 共同研究助成(宮越,小寺, 各

70

万円/

3

年)

A

社共同研究費 (宮越 ,

180

万円/年)

JST

戦略的創造研究推進事業(さきがけ)

,

研究助成申請 (宮越,

4000

万円,

H27.12

月~

H29.3

月)

● 科研費 (基盤研究

B

を計画中)

本活動に関する資金獲得およびPR状況 (過去 3 年間の実績より)

バーチャル大講座 2015 (旭川高専)

JST

主催 新技術説明会 (

H25

年度

1

回,

H26

年度

2

回)

● イノベーション ・ ジャパン (

H25, H26, H27

年度)

● 国際 水素 ・ 燃料電池展 (

H25

年度)

● 日本化学経営シンクタンク主催 講演会 (

H26

年度)

● 北海道高等学校工業化学教育研究協議会 特別講演(

H26

年度)

【 外部資金実績 】

【 対外活動等(学会発表は除く) 】

【 外部資金申請予定 】

(26)

本技術に関する知的財産権

【触媒組成に関する特許】

・ 発明の名称: 水素製造装置および水素製造方法,特願2013-150118 (出願日:2013年7月19日)

・ 出願人 : 独立行政法人国立高等専門学校機構

・ 発明者 : 宮越 昭彦, 秋永 祐隆

【反応装置と触媒配置に関する特許】

・ 発明の名称: 水素製造装置および水素製造方法,特願2013-175945 (出願日:2013年8月27日)

・ 出願人 : 独立行政法人国立高等専門学校機構

・ 発明者 : 宮越 昭彦

【グラフェン製造装置に関する特許】

・ 発明の名称: グラフェン製造装置およびグラフェン製造方法,特願2014-106497 (出願日:2014年5月22日)

・ 出願人 : 独立行政法人国立高等専門学校機構

・ 発明者 : 宮越 昭彦

【グラフェン材料の電極材料としての応用に関する特許】

・ 発明の名称: グラフェンを含む複合構造体、および当該複合構造体を含む電極触媒,特願2014-195207

・ 出願人 : 独立行政法人国立高等専門学校機構 (出願日:2014年9月26日)

・ 発明者 : 宮越 昭彦, 小寺 史浩

【水素製造装置および水素製造に関するPCT特許】

・ 発明の名称: 水素製造装置および水素製造方法,PCT/JP2014/004241 (出願日:2014年8月20日)

・ 出願人 : 独立行政法人国立高等専門学校機構

・ 発明者 : 宮越 昭彦

(27)

バーチャル大講座 2015 (旭川高専)

お わ り に

本講座は,①炭化水素からの水素製造法 と ②機能性炭素の製造や応用、を基軸とする2つの 研究技術を中心に展開中です.

● 水素製造法としては直接分解法であり,

CO

CO

2を生じない点が最大の特長です.

ただし,マイクロ波加熱の特性から大規模の水素製造ではなく,小~中規模用の水素 供給装置への適用が向いていると考えられます.メタン供給源は,天然ガスのほかに

メタンハイドレートやバイオプロセス等多岐にわたります.マイクロ波を発生するエネルギー として、風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギー由来電力と組み合わせると

政府目標の

2040

年レベルの技術相当となり,インパクトある技術に進展する可能性があります.

● マイクロ波加熱がメタンの直接分解を促進させる理由は,「ニッケル核+多層グラフェン」

を形成し,メタン分解炭素を触媒活性サイトに影響しない形態で固定化できるためと推測 されます.このニッケルを包含した多層グラフェン自体も機能性炭素材として有効活用

できる要素が揃っています.例えば導電性を活かした電極材料や電子素材に利用できます.

また、カーボンナノオニオンには自動車クラッチ等の滑りを向上させる特性も予想され,機械 材料としての展開も考えられます.さらにはドラックデリバリー分野などライフサイエンス分野 の適用も可能です.

● 上記

2

つの技術を熟成させるには「少ないマイクロ波印加電力で発熱し,周囲の化学種に 熱エネルギーを伝達できる素材」の開発が不可欠です.マイクロ波加熱の原理に適応した 素材開発の手法(特に省エネ技術)が進めば,新たな産業分野開拓の可能性も出てくる ものと思われます.

Referensi

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