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ランニングクラブに集う人々の意識と行動

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Academic year: 2025

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卒業論文

ランニングクラブに集う人々の意識と行動

――孤立化する人々の連帯のために――

2012年度入学

九州大学 文学部 人文学科 人間科学コース 社会学・地域福祉社会学専門分野

2016年1月 提出

(2)

要約

近年、地域共同体は崩壊し、住民の連帯感が薄れ、人々が孤立化する状況が見られる。そ のような中で、スポーツ、教養、趣味など、目的を同じくする人々の集まりが、かつての 地域共同体の枠によって果たしえない機能を持つ集団として出現してきている。本論文で は、中でも、スポーツの組織・集団、とりわけ近年のマラソン・ランニングブームにより 増加しているランニングクラブという集団が、コミュニティ活動やコミュニティ形成にど のように関与しているのか、主にランニングクラブへの聞き取り調査の結果から考察して いる。

ランニングは、自由度の高いスポーツであり、個人で行うことが出来る。しかし、ランニ ングを個人で行うのではなく、楽しみや活動の範囲が増すといった目的から、ランニング クラブを結成し、皆でランニングを行う人々は、クラブの所属するメンバー間のつながり を非常に大切にしている。この連帯感の強いつながりからは、地域コミュニティが崩壊し、

再生が求められている近年、ランニングクラブは、今後地域コミュニティとしての役割を 果たしていく可能性を見出すことが出来る。その根拠として、先にも述べたメンバー間の つながりが強いこと、参加者や構成員が基本的には限定されないこと、ランニングスポッ トという特定の活動拠点が存在することなどが挙げられる。

一方で、ランニングクラブが今後、コミュニティとしての役割を果たすための課題として は、ランニングクラブという組織自体が持続するためのランニングという競技の持続性の 低さと、地域住民との相互の協力関係を築くことが挙げられる。

今回、福岡市で最もランニングが盛んに行われている大濠公園を中心として活動を行う2ク ラブに聞き取り調査を行った。2クラブは、2007年の東京マラソンを機に巻き起こっている マラソン・ランニングブーム以前から活動する歴史の長いクラブと、2007年以後の結成さ れた、比較的新しいクラブを対象とした。聞き取り調査では、ランニングクラブの現状や ランニングを行う人々の概況にランニングを行う人々と、大濠公園を利用する一般の人々 との、公園を利用するマナーについての摩擦が明らかになった。ランニングクラブが地域 に根付き、地域に受け入れられているとは言えない現状もるようだ。

そこで、今回聞き取り調査を行ったランニングクラブは、「大濠公園をよくする会」に所 属し、地域貢献のためのボランティア活動を行っていた。また、地域住民との摩擦を減ら すための、ランニングクラブ同士の話し合いが行われるなど、地域コミュニティにおいて 必須である相互関係を築くための試みが現在行われており、今後ランニングクラブが地域 に受け入れられ、より幅広い地域活動を複数クラブで共同して行っていく可能性は十分に 考えられる。孤立化が進む地域コミュニティの再生に向け、地道な活動の積み重ねを通し て、ランニングクラブという一つのアソシエーションが重要な役割を果たしていくことを 本文では論じている。

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目次

1 問題の所在と研究の目的……… 1

1.1 研究の背景……… 1

1.2 問題の所在……… 1

1.3 研究の目的……… 2

2 市民ランナーの概況とランニングクラブの実態……… 3

2.1 市民ランナーと東京マラソン……… 3

2.1.1 成人のジョギング・ランニング実施率 2.1.2 ランニングブームの契機「東京マラソン」 2.2 ランニングクラブの実態……… 5

2.2.1 ランニングスポット 2.2.2 ランニングクラブの目的 3 コミュニティとアソシエーション……… 8

3.1 コミュニティとアソシエーションの定義……… 8

3.2 コミュニティとアソシエーションの役割……… 9

4 先行事例に見るアソシエーションからコミュニティへの広がりとは~札幌市白石区で の事例を通して……… 10

4.1 札幌市白石区での事例………10

4.2 コミュニティ形成主体の混在………11

4.3 コミュニティ形成の構造的課題………12

4.4 アソシエーションを起点としたコミュニティ形成の課題………14

5 ランニングクラブがコミュニティとしての役割を果たすには………15

5.1 プレ調査………17

5.1.1 聞き取り調査概要 5.1.2 T さん概要 5.1.3 N さん概要 5.1.4 調査の目的 5.1.5 調査の方法 5.1.6 プレ調査に選んだ理由 5.1.7 調査データ 5.2 仮説の形成………19

6 調査~新旧のランニングクラブを対象として………19

6.1 ランニングクラブ B への聞き取り調査概要………19 6.1.1 F さん概要

6.1.2 調査の目的

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6.1.3 調査の方法

6.1.4 聞き取り調査に選んだ理由

6.2 ランニングクラブ C への聞き取り調査概要………20

6.2.1 H さん概要 6.2.2 調査の目的 6.2.3 調査の方法 6.2.4 聞き取り調査に選んだ理由 6.3 調査データ………32

6.3.1 ランニングクラブ設立のきっかけ 6.3.2 ランニングクラブについて 6.3.3 ランニングを集まって行うことについて 6.3.4 メンバー同士の交流について 6.3.5 ランニングクラブから派生した活動について 6.4 分析………34

6.4.1 ランニングクラブはコミュニティとしての機能を果たしうるか 6.4.2 ランニングを持続するためには 7 ランニングクラブからつながる人々の連帯のために………34

8 ランニングクラブと地域がつながるために………37

おわりに……… 38

参考文献・参考 URL………39

付録 聞き取り調査質問項目……… 40

Referensi

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