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三重大学

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Academic year: 2024

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三重大学

教育学部学校教育講座

中西良文

(なかにし よしふみ)

所在地:津市栗真町屋町 1577 http://www.edu.mie-u.ac.jp/

三重大学は,5学部(教育学部,

人文学部,医学部,工学部,生物 資源学部)からなる総合大学です が,全ての学部が1キャンパスに あるという全国でも珍しい大学で す。その中で教育心理学教室は,

教育学部の学校教育講座の中に教 育学教室とともに設置されており ます。

キャンパスは海に面しており,

シーサイドキャンパスと表現され ることもあります。隣接する町屋 海岸は学生の憩いの場所にもなっ ており,夏には多くの学生がバー ベキューなどをして楽しんでいま す。また,ウミガメの産卵が行わ れるところであるため,大学生に よる環境保全活動も積極的に行わ れています。そのキャンパスは県 都・津市にあり,津駅からバスで 10分程度でアクセスできる他,

通学生の多くは最寄りの近鉄江戸 橋駅から,徒歩15分程度で通っ ています。名古屋から津駅ないし 江戸橋駅まで約1時間というこ とからも,愛知県から通学してい る学生も数多くおります。

カリキュラム・教育活動 現在,教育学心理学教室という 単位での学生の募集は行っておら ず,教育学教室とともに,小学校 教員養成コースである学校教育コ ース(学校教育教員養成課程)と 非教員養成コースである人間発達 科学コースを担当しています。い ずれのコースカリキュラムも,教

育心理学と教育学にかかわる授業 が準備され,それらを総合的に学 ぶことで,コースの目標を満たす ことをめざしています。

さて,私たちの教室に関わる授 業の紹介に先立って,三重大学全 学の教育について紹介します。三 重大学は教育目標として,「考え る力」「感じる力」「コミュニケー ション力」「(これらを総合した力 としての)生きる力」の四つの力 を育てることを掲げています。こ れらの力にはそれぞれ下位要素が 設定され,たとえば,考える力と して「批判的思考力」「論理的思 考力」「問題解決力」など,感じ る力として「感性」「モティベー ション」など,コミュニケーショ ン力として「討論・対話力」など が取り上げられ,これらは心理学 で扱われる概念とも関わりが深い ものであるといえます。

これらの全学教育目標について,

単に名目として掲げるのではなく,

実際にそれらが達成されることを 考えるならば,教員の話を聞くだけ という典型的な講義スタイルの授 業だけでは限界があります。その ため,三重大学では,これらの教 育目標の達成のための教育方法とし て,PBL(Problem/Project-based Learning)というやり方を積極的 に取り入れています。PBLは問 題解決やプロジェクト達成を通し て学習を進めていくやり方です。

このような方法は古くから存在し たものですが,PBLという名称

としては,カナダのマクマスター 大学における医学教育を端緒とし たものです。そのため,本邦にお い て も 医 学 教 育 を 中 心 と し て PBLがさかんに取り入れられて いますが,三重大学では医学教育 に限らず,各専門領域に応じた PBL教育の展開を進めています。

なお,三重大学での全学的な教 育改善を担当する部署として,高 等教育創造開発センターが設置さ れていますが,この原稿を書いて いる現在,複数の心理学者が専任 教員として所属しており,そこで の教育改善にも心理学的知見が活 かされています(筆者も兼任教員 として所属しています)。

教育学部においても,教員養成 PBL教育という名称で,PBL教 育が展開されています。たとえば,

教 員 養 成 コ ー ス で は3年 次 ・4 年次の教育実習を含め,毎年,教 育現場で学習を行うよう「教育実 地研究」という名称が含まれる授 業科目が複数展開されています。

この実地研究の科目では,現場で の実地の体験を通して,「理論」

と「実践」の往還による,実践的専 門性の取得がめざされています。

教育心理学教室では,上記の実 地研究を含め,複数のPBL型の 授 業 を 開 設 し て い ま す 。 ま ず ,

「実地研究」に対応する科目とし て,教育心理学教室が担当する学 校教育コース,人間発達科学コー スそれぞれに,「学校教育実地研 究Ⅲ・Ⅳ/人間発達実地研究Ⅲ・

Profile

中西良文 三重大学教育学部准教授。

専門は教育心理学(動機 づけ),教育評価。著書は

『三重大学「4 つの力」ス タ ー ト ア ッ プ セ ミ ナ ー 2011 年度版』(共著,ム イスリ出版)など。

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Ⅳ」という科目を開設しています。

具体的にこの実地研究では,県内 のある地域の幼稚園/小学校/中 学校において,9月上旬に4日間 の実地体験をするとともに,その 中で2時間分の「コミュニケー ション」に関する授業を行います。

その授業実施にあたっては,5月 より毎週定期的に集まって,授業 案づくりを進めます。これらの活 動を通して,学生に「コミュニケ ーション」に関する心理学的知見 を身につけてもらうとともに,そ れを学校現場で授業として扱える ようになることをめざしています。

このコミュニケーションという テーマに関しては,非教員養成課 程である人間発達コースの独自科 目として「コミュニケーション実 習」という科目が設定されており,

コミュニケーションスキルトレー ニングに関わる活動を,学生がそ の対象者となって受講することが できます。同じく人間発達コース 独自科目として「クリティカルシ ンキング」「モティベーションサ イエンス」といった科目が開設さ れており,これらは全学教育目標 として掲げられているものを直接 に扱った科目であるといえます。

これらに加え,教育心理学教室 独自のPBL科目として,各教員 のコアとなる領域ごとに「○○心 理学実践技法」という科目が設定 されています。たとえば,筆者の 担当領域は学習心理学ですが,そ こでは「学習心理学実践技法」と いう科目が設定されています。こ の授業では,中学生に記憶につい ての授業を行うことを通して,学 習心理学の内容を学ぶだけではな く,実際に現場で用いることがで きる実践的な学習心理学的知識を 身につけることもめざしています。

一方,私たちの教室は大学院

(修士課程)の担当も行っており

っています。前述の実地研究やコ ミュニケーション実習の授業で は,教育心理学教室の複数の教員 が授業の担当に関わっています。

そして,教員免許状更新講習でも,

コミュニケーションスキルトレー ニングを扱ったものを複数教員で 開設し,現場の教員に向けた情報 の発信を行っています。そして,

これらのフォーマルな活動とは別 に,教育心理学教室の学生を中心 とした「わくわくコミュニケーシ ョンクラブ」というボランティア 活 動 を2004年 か ら 行 っ て い ま す。これは津市内の小学校に募集 を出して,応募してきた小学生を 対象として,社会的スキルトレー ニングを中心とした活動を,三重 大学教育学部の教室で年に12回 前後のペースで行っているもので す。これらの活動の一部について は,心理学的な研究としてもまと められています。そして,このよ うな活動によって,「コミュニケ ーション力を育てられる人材を地 域に輩出する」ことをめざしてい ます。

ますが,そこでは,所定の授業の 受講によって,一般社団法人学校 心理士認定運営機構が発行する学 校心理士の基礎資格が取得可能で す。また,私たちの教室の大学院 生は授業の受講だけではなく,学 部生に指導的立場で関わることも 行っています。特に,上記の実地 研究では,学部生に対するチュー ターとして参加することで,学部 生の授業づくりを支援する立場を 体験し,将来,心理学的知見を活 かしながら指導的な立場で活躍で きることを期待しています。

教員の紹介

現在,教育心理学教室には,社 会心理学研究室の松浦均教授,認 知発達心理学研究室の南 学教授,

発達臨床研究室の瀬戸美奈子准教 授と学習心理学研究室の中西良文 の4名の教員が在籍しています。

なお,このほかに,関連する講座 等(特別支援教育講座・幼児教育 講座・教育実践総合センター)に も心理学を専門とする教員が在籍 しています。

教室の運営としては,学生と教 員の距離が非常に近いことが特徴 であり,定期的に研究室の垣根を 越えて,合同でゼミを行ったり,

年に一度夏に合同で合宿を行った りしています。この夏合宿では,

PBL型の課題が出され,研究室 の垣根を越えたグループで課題に 取り組んで発表をすることが行わ れています。その際には,日付を 越える時間まで学生が課題に取り 組み,教員が先に寝てしまうとい うようなこともあります。また,

不定期に外部講師を招聘した合同 ゼミなども行われています。

さて,私たちの教育心理学教室 では,特に「コミュニケーション」

をキーワードとして,教員同士も 共同しながらいくつかの活動を行

教育心理学教室専任教員。右から,

南 学・瀬戸美奈子・松浦均・中 西良文。

わくわくコミュニケーションクラ ブのワンシーン。

Referensi

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