世界一美しい等式
前回に続いて,いよいよ「一番美しい等式」の発表です。
やはり数学者 レオンハルト・オイラー が発見した等式です。
e
: ネイピア数,すなわち自然対数の底とよばれる数で,
e
=2.71828182845904……
という無理数です。オイラーは,この数 を,彼の著書『力学』(1736)で最初に使用しました。i
: 虚数単位,すなわち自乗(2 乗)すると -1 となる複素数です。1 を表すために
imaginary unit
(虚数単位)の頭文字をとって「i
」を用い始めたのはオイラーでした(1777)。
π
: 円周率,すなわち円の周の直径に対する比率を表す数で,よく知られた 数ですが,これもπ
=3.1415926535
………とどこまでも続く無理数な のです。実は,円周率としてπ
(パイ)を使うことを広めたのもオイラーでした。
π
と表現することによって格段に扱いやすくなり,その後の研究の発 展に大きく寄与したのです。ところで,今回の等式はこれら 3 つの 数「
π
,i
,e
」に加えて,実数の加法,乗法の単位となる「
0
,1
」が一堂に会する素晴らしい等式です。
別々に定義された「
π
,i
,e
」がi
e
という形にまとめられて,それに1
を加えると,なんと0
になってしまう。神秘的なものさえ感じさせます。この等式には,「全ての数学分野において最 も有名な式」,「数学的な美の絶対的基準」,「オ イラーの等式は存在の遥かな深遠にまで到達 している」など,数々の賛辞が寄せられてい ます。
次回は,この等式のもとになった
「
オイラーの公式
」を紹介しましょう。0 1
e i
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