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中国の原子力安全規制体制の現状と課題について

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Academic year: 2023

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中国の原子力安全規制体制の現状と課題について

――規制機関の独立性と意志決定の透明性に着目して

Current Status and Challenges of China's Nuclear Safety Regulatory System --Focusing on the Independence and Transparency of Decision-making

何 彦旻1・周 瑋生2 1.先行研究

原子力安全規制の社会的信頼確保は、原子力発電所の立地、運転、廃棄物処理・処分などにとって、

最も重要な政策課題である。また、社会的信頼確保を実現させるには、安全規制体制に一定の独立性を 付与すると同時に、意思決定のプロセスにおける透明性を担保しなければならない。独立性には政治的 独立性と技術的独立性に分けて検討することができる。本報告は、東アジア地域における原子力規制機 関の国際比較の一環として、中国の原子力安全規制について考察するものである。先行研究として、河 津ほか(2020)は、原発事故事象に着目して、世界の原発事故事象と中国原発との共通性・相違性を分 析した上、中国の原発安全規制制度の実態と課題について検討した。また、自然資源保護協会(2013)

と呉宜燦(2020)は、世界各国の原子力安全管理規制を比較した上、中国の原子力ガバナンス体制と原 子力安全文化を考察し、中国の原発安全規制制度の実態と課題を指摘した。馬帥(2017)は原子力規制 管理の担当者や技術者、一般市民を対象とするアンケート調査を通じて原子力安全規制の現状と課題を 明らかにした。しかし、いずれの研究においても規制機関の独立性、透明性の視点に基づく分析は行わ れていない。

2.研究方法

IAEA は、原子力規制に関して基準を作成している。規制機関の独立性、透明性は、IAEA の定めた基準 において、General Safety Requirements(一般安全要件)の Part 1「安全のための行政上、法令上及び 規制上の枠組み」 (Governmental, Legal and Regulatory Framework for Safety )(GSR Part1 (Rev.1)) の「規制機関の一般的特徴」(General Characteristics of a Regulatory Body)に記載されている。そ して、この GSR Part1(Rev.1)の要件を満たすうえで必要な「推奨」(recommendation)を行う Safety Guide(安全ガイド)(GSG-12)が作成されている。本研究は中国における原⼦⼒規制機関の設立経緯、変 遷、役割、位置づけを整理したうえ、原子力開発の歴史や政治体制面で他国とは大きく異なることに留 意しつつ、IAEA の GSG-12 を用いて、規制機関の政治的独⽴性、意思決定の透明性の視点から考察する。

3.分析結果

3.1 原子力安全規制体制の推移

1 〒567-8502 大阪府茨木市西安威 2-1-15 追手門学院大学経済学部,[email protected]

2 〒567-8570 大阪府茨木市岩倉町 2-150 立命館大学政策科学部,[email protected]

(2)

中国の原子力安全規制機関(国家核安全局)は、3 つの段階に分かれて発展してきた。国家核安全局

(NNSA)は 1984 年10月に設立され、独立した人事、外事、財務、行政管理、インフラ建設などの権限 を持って独自かつ客観的に民用原子力施設の監督管理を行っていた。1998 年の機構改革により、NNSA は 国家環境保護総局(現生態環境部)に編入され、対外的に国家核安全局の看板を掲げ、一行政組織とし て国内の原子力発電所の原子力安全について統一して監督を行っている。現在環境保護部の副部長が国 家核安全局の局長を兼任している。NNSA の下には核施設監督管理部門と原発安全監督管理部門、放射能 安全管理部門が併設されており、それぞれ原子力安全関連法規定や、安全基準の策定と原発施設の安全 管理、核燃料サイクルと放射性廃棄物の処理を担っている。

3.2 独立性

中国においては、民用核施設安全監督管理条例(1986 年)は初めて原子力施設の管理監督分野におけ る独立性の原則を確立した。条例の 4 条では、「国家核安全局が全国の各原子力施設の安全について統 一した監督を行い、核安全監督権を独立して行使する」と決めている。また、核安全法(2017年)の4 条 2 項は、その条約を拡張し、核の安全対策は、安全最優先、予防重視、責任明確化、管理厳格化、独立 した監督管理等の原則を堅持しなければならないと決めている。しかし、同法6 条は、国は核の安全に 係る関係官庁間の協力体制を構築し、統一的に対策を進めると定めており、国務院原子力安全監督管理 部門が責任を負うとされている。

核安全法の第34 条に基づき、123名の専門家からなる原子力安全専門委員会が設置されている。専 門委員会の下には、原子力安全戦略・政策、核施設の設計・建設・運転、核燃料サイクル、廃棄物・プ ラントサイト、計装・制御・電気・機械設備、緊急時・放射線安全、原子力施設安全評価・ソフトウェ ア解析の6つの専門小委員会が設置されている。

3.2 透明性

核安全法第 5 章では、情報公開と公衆参加について規定しており、国務院原子力安全監督管理部門が 原子力安全に関する文書や事故情報を公開することに責任を負うこと、原子力施設運営の事業者が原子 力安全に関する文書やデータ情報を開示し、原子力発電所の建設、運転許可の承認および発行のプロセ スには、一般市民の参加を組織することなどが定められている。

3.結論

NNSA は全国の各原子力施設の安全について統一した監督を行い、核安全監督権を独立して行使する行 政機関として位置付けられている。核安全法の実施に伴い、情報公開や公衆参加についても明確に規定 されているため、独立性、透明性については、形式的要件を満たしていると言える。

しかしながら、実際は工業主管部門やエネルギー主管部門、その他の関連部門が各自の職責範囲内に おいて原子力の関連業務を推進することとなっており、どの部門が原子力安全を監視するのを明確に定 義されておらず、独立した監督管理等の原則が徹底されていないことが懸念される。また、原子力安全 専門委員会は NNSA の諮問委員会に過ぎず、独立してその職権を行うことができない。さらに、一方的 な情報公開にとどまり、一般市民との間でのコミュニケーションはほとんど行われていない。

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