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京大東アジアセンターニュースレター 第480号

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京大東アジアセンターニュースレター 第 480 号

京都大学経済学研究科東アジア経済研究センター 2013 年 8 月 5 日

目次

========================================================================

○ アジア自動車シンポジウムのお知らせ

○ 中国ニュース 7.29-8.4

○ 日本からの提言-日中は環境・省エネ技術で日中関係の劇的改善を図れ!

○ 【中国経済最新統計】

主催

京都大学東アジア経済研究センター

共催

中国人民大学経済学院 東京大学ものづくり経営研究センター 東京大学社会科学研究所現代中国研究拠点 京都大学人文科学研究所付属現代中国研究センター

協賛

日本汽車工業協会北京代表処 産業学会自動車産業研究会

後援

京都大学東アジア経済研究センター協力会

アジア自動車シンポジウム

現代自動車から何を学ぶか

—新興国における競争力要因—

2013 年 8 月 18 日(日) 13 時

中国人民大学・京都大学共同経済研究センター

(北京市海淀区中関村大街59号 中国人民大学経済学院 明徳楼 7 階 734 室)

13:00-13:10

挨拶 人民大学経済学院 院長 楊 瑞龍

日本汽車工業協会北京代表処 処長 新野 雅史

13:10-14:00

京都大学大学院経済学研究科 教授 塩地 洋 現代自動車から何を学ぶか

14:00-14:40

事業創造大学院大学 教授 富山 栄子 現地適応化めざした商品企画・製品開発プロセス

14:40-15:20

城西大学経済学部 教授 上山 邦雄 中国における日系メーカーの対応-現代自動車を教訓に

15:35-16:15

東京都市大学都市生活学部 教授 井上 隆一郎 外資メーカーブランドの中での現代ブランド

16:15-16:55

大阪商業大学総合経営学部 教授 孫 飛舟 内陸・下級都市にも重点をおいた流通ネットワーク

(2)

2

16:55-17:00 閉会挨拶

17:20-18:50

懇親会 (参加費 2000 円)

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中国ニュース 7 . 29-8 . 4

ヘッドライン

■ 不動産:100都市の新築住宅平均価格、14カ月連続で前月比上昇

■ エネルギー:発電設備容量が世界一に

■ 農業:中国、世界一の小麦輸入国へ

■ 通信:アリババと新浪、共同でSNS活用した電子商取引を推進

■ 産業:ユニクロやH&Mなど世界のファストファッション各社が中国に続々出店

■ 太陽光発電:EU、中国製太陽光パネル摩擦の解決案を承認

■ 外交:フィリピンとベトナム、中国に「南シナ海行動規範」交渉への同意促す

■ 上海:自動車3台“燃え尽きた”夏の朝

■ 浙江:「セミ」を食べることが大流行、消費量は1日5トン

■ 新疆ウイグル自治区:ゴミ置き場に隕石が落下

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ニュース詳細

■ 不動産:100都市の新築住宅平均価格、14カ月連続で前月比上昇

【8月1日 新華社】中国不動産指数システムがこのほど公表した国内100都市の価格指数によると、2 013年7月、100都市の新築住宅の平均価格は1平米当たり1万347元(約16万6500円)で、

前月比では0.87%上昇した。前月比での同平均価格上昇は2012年6月以降、14カ月連続。100 都市のうち、前月比で上昇したのは61都市で、39都市は下落した。

■ エネルギー:発電設備容量が世界一に

【7月30日 中新網】中国電力企業連合会はこのほど報告書を発表し、「中国の発電設備容量は2013年 末に約12億3000万kWに達し、発電設備規模が世界最大の国になる。そのうち再生可能エネルギーは 3億6000万kW、火力発電は8億6000万kW、原子力発電は1461万kWに達する」と予想した。

同報告書は、「全国の発電設備容量は下半期に約5800万kW増となり、通年で約9000万kW増となる。

そのうち再生可能エネルギーは約4700万kW増となり、通年の発電設備容量の増加分の過半数を占める」

とまとめた。

■ 農業:中国、世界一の小麦輸入国へ

【8月1日 環球網】中国は穀類の不作により、過去6カ月で150万トンの小麦をオーストラリアから輸 入した。これにより、輸入量累計は約3倍になるとみられ、従来予測をはるかに上回っている。これで中国 はインドやエジプトを抜き、豪州最大の小麦輸出相手国になる。中国では、霜や暴風雨による深刻な影響で 作物が壊滅的な被害を受け、不足分を補うための輸入需要が高まっている。シドニーの穀類取引関係者によ れば、最近、その他の大手小麦取扱3社でも中国への輸出取引が成立したばかりだという。穀類取引業者や 栽培業者は、米国農務省が次回の報告で中国の小麦輸入量の予測を上方修正するとみている。取引業者の予 想では、中国の輸入量は1050万トンに拡大し、世界最大の小麦輸入国であるエジプトの推定輸入量90 0万トンを上回ることになる。

通信:アリババと新浪、共同でSNS活用した電子商取引を推進

【8月2日 中証網】中国の電子商取引大手・阿里巴巴集団(アリババグループ)が国内インターネット大 手・新浪のミニブログ「微博部門の株式を取得してから3カ月、双方は初めて進展状況を公開し、アリババ が運営する国内最大の個人向け電子商取引サイト「淘宝網(タオバオ)」と「微博」を連携した「微博淘宝版」

の運用がスタートした。これにより、微博のIDと淘宝網で買い物をする際のIDは互いに連携して使用す ることができるようになり、両社のデータも交換することができる。具体的な連携内容を見ると、新浪微博 と淘宝網のIDを連携させれば、微博のユーザーはそのまま同じIDで淘宝網にログインし、買い物や決済 を行うことができる。それだけではなく、売れ行きのモニタリング、コンバージョンレートの分析、影響力 の分析など多くの機能を活用することができる。

■ 産業:ユニクロやH&Mなど世界のファストファッション各社が中国に続々出店

【8月2日 贏商網】世界のファストファッション各社が中国本土に続々と出店している。中国の商業用不 動産サービス会社、睿意徳によると、中国への出店数はユニクロ、H&M、ZARA、MANGO、無印良

(3)

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品、C&A、GAPの7ブランドだけで768店を超えた。中国にファストファッションブランドが進出し て11年になる。先陣を切ったユニクロは2002年、上海に店を構え、4年後にZARAが同じ上海に中 国1号店を開業。2007年の春節(旧正月)シーズンにZARA中国1号店の1日当たりの売上高は80 万元(約1300万円)を超える驚くべき結果となった。各社が中国への出店を加速させる背景には、中国 市場からの業績への大きな貢献がある。中国はH&Mにとって最も利益の大きな市場となり、ユニクロの世 界での販売、利益の伸びも大幅に押し上げた。

■ 太陽光発電:EU、中国製太陽光パネル摩擦の解決案を承認

【8月4日 新華網】欧州委員会は2日に声明を発表し、中国製の太陽光発電パネルをめぐる貿易摩擦の解 決策を承認すると表明した。解決策は6日に正式に発効する。声明は、「欧州委員会のカレル・ドゥグヒュト 通商担当委員が先週末に発表した中国製の太陽光発電パネルをめぐる貿易摩擦の解決策は、加盟国の一致し た支持を得た」とした。解決策は、「EUは中国企業が提出した解決策を認めたうえで、和解内容に合意する 中国企業には、EUによる反ダンピング課税は適用されない」と決めた。カレル・ドゥグヒュト委員は7月 29日の記者会見で「多くの中国企業が、EUによる最低輸入価格の制定を認めているため、懲罰的関税は 適用されない。これらの中国企業がEUに輸出する太陽光パネルの量は輸出総額の70%を占めている」と した。

■ 外交:フィリピンとベトナム、中国に「南シナ海行動規範」交渉への同意促す

【8月2日 環球網】フィリピンの首都マニラで1日、同国とベトナムの協力委員会第7回会合が開かれ、

南シナ海問題が議論の焦点となった。フィリピンのデルロサリオ外相は会合の後、中国との対抗でベトナム と協力する考えを示した。フィリピンスター紙は1日、「ベトナムのミン外相のマニラ訪問は両国が手を組ん でアジアの巨人、中国と領土問題で対抗するためのものとの見方が出ている」と報道。またフィリピンのニ ュースサイトは同日、デルロサリオ外相が「フィリピンとベトナムは東南アジア諸国連合(アセアン)が大 きな一歩を踏み出し、中国に対して年内のできるだけ早い時期に(法的拘束力のある)『南シナ海行動規範』

に関して、『相談』ではなく『交渉』を行うことに同意するよう促すことを求める」と述べたと伝えた。

■ 上海:自動車3台“燃え尽きた”夏の朝

【8月2日 東方網】上海市内で2日午前7時から8時台にかけて、走行中の乗用車が燃えだす事故が3件 連続した。いずれもエンジン部分が火を噴いたという。汶水路と粤秀路の交差点で午前7時ごろ、走行中の 乗用車のエンジン部分から火が出た。消防が駆けつけて消し止めた。周家嘴路と鳳城路の交差点で午前8時 ごろ、走行中の乗用車のエンジン部分から火がでた。目撃者によると、まずエンジン部分から濃い煙が出た。

しばらくしてボンネットの隙間から炎が噴き出した。水産路でも午前8時40分ごろ、走行中の自動車が燃 えだした。交通警察は、「夏には自動車の燃料系統や電気系統を常に確認してほしい」、「燃料配管のゴムのパ ッキングは特に老化して裂けやすい」、「気温が高い時に長時間走行する場合、多く休憩すべきだ。車を長時 間にわたって直射日光にさらさないでほしい」などの注意事項を紹介し、「愛車の“焼身自殺”を予防してほ しい」と呼びかけた。一連の自動車炎上で、死傷者は出なかった。

■ 浙江:「セミ」を食べることが大流行、消費量は1日5トン

【8月1日 銭江晩報】浙江省永康市では今夏、セミを食べることが大流行している。永康の人々は、セミ の頭と尾の部分をとり、胴体部分を炒めたり、揚げたりして食べる。“高たんぱく、低脂肪”で体によいと評 判だ。市民の応さんは「5年前に初めて食べてから、虜になった」と話す。「ザリガニが好きな人も多いが、

自分は断然、セミ派。不思議な魔力がある味だよ」とのこと。市場で5年前からセミを売る黄さんは「今年 は例年の数倍は売れている」と話す。生きているセミは1キロあたり60元(約956円)、頭と尾をとった 後のセミは1キロあたり130元(約2070円)が相場。永康市内では1日に5トンものセミが消費され ているという。

■ 新疆ウイグル自治区:ゴミ置き場に隕石が落下

【7月31日 21CN新聞】7月31日未明、新疆ウイグル自治区クズルス・キルギス自治州アクト(阿 克陶)県に隕石が落下した。隕石は同県のゴミ置き場に落下し、直径3m、深さ2mの大きな穴ができた。

落下の轟音は眠りについていた現地住民を起こすほどのものだったが、幸いにも住宅の窓ガラスが割れた程 度で負傷者は出なかった。当局は現在地中深くに埋まった隕石の発掘および調査を行っている。

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今週号より東アジア経済研究センター協力会大森経徳会長による「日本からの提言」を

5

回の予定で連載 いたします。この連載は『勃興するアジアと日中関係』(2013.7.15発行)に大森会長が寄稿した論文を再掲 するものです。協力会新会長大森から会員の皆様への御挨拶とメッセージ発信とお考えいただければ幸いで す。

(文責 京大東アジア経済研究センター 矢野剛)

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日本からの提言

日中は環境・省エネ技術で日中関係の劇的改善を図れ!

京都大学東アジア経済研究センター協力会会長 京都大学大学院経済学研究科・経済学部名誉フェロー 西安交通大学中国西部発展研究中心資深顧問(Senior Adviser)

大森 經德

連載前言

中国はエネルギー確保の為南シナ海問題等かなり無理をして国際海洋法裁判所に訴えられたりしているが、

それよりも世界主要国の中でエネルギー効率が最低に近い水準であり、世界トップクラスの日本のGDP1 単位当たりのエネルギー効率の

7

分の

1

なので、日本と仲良くし日本のこの世界1の省エネ技術を導入する ことにより今後約

30

年間に亘り今以上の石油や天然ガスを世界から輸入する必要が無くなり国際紛争も大 幅に減少する筈である、という主張が骨子の小論文です。よってスローガン「中国はエネルギー非効率とい う最高の優良油田と優良天然ガス田を国内に持っている。これを日本の世界1のエネルギー効率技術=省エ ネ技術の導入により、今後約

30

年間は平和裏に且つ恐らく超低コストでエネギー問題を解決出来る筈であ る。」ということで、中国のチャイナ・セブンと言われる習近平国家主席以下の7人の中央政治局常務委員の 皆さんに熟読頂きたく思う所存です。

尚、この所論は、出版元の桜美林大学北東アジア総合研究所の特別顧問をしておられる谷口誠先生(元国 連大使、元パリOECD事務次長

7

年)が、去る7月

19

日(金)に大阪能率協会の7月例会兼出版記念会 の講師としてお越しいただいた時、事前にこの大森論文を読んでおられ、私もこの所論に賛成だ、いい提言 です、と講演の中でコメントして下さった。

はじめに

尖閣問題を中心に今、日中関係は戦後最悪ともいうべき状況にある。

簡単には解決困難な難題ではあるが先般の公明党トップとの会談や 3 月 26 日 ソウル市で開かれた日中韓 3 カ国自由貿易協定(FTA)締結に向けた第 1 回交渉(次官級)の開始は、将来トップ同士も含めたさまざま なルートでの実質的交渉、交流、対話を通じて平和裡に何らかの解決策を見出すべきで、その第一歩とする よう引続き双方の努力に期待したい。

本件はこの位にして、今、中国には、この冬の北京の PM2.5 を中心とする大気汚染問題をはじめ、工場排 水のタレ流しや下水道の不備からくる生活排水等による水質汚染、更には土壌汚染等ただちに対策を打たな ければ国民の健康に重大な影響を与える大問題のほか、大気汚染問題は偏西風に乗って隣国の韓国や日本に も大きな悪影響を及ぼす国際問題でもあり、早急な対策が必要である。

これらに対して抜本的解決策として“日本からの提言”もさせていただきたい。このほか省エネ、省資源、

年金、社会保障源資問題、貧困、格差問題や言論の自由、政治の民主化等“国民の健康と幸せ”に関し、解 決すべき難題が山積しており、これらについても問題点の指摘と解決策の提言をしておきたい。最後にアジ アの時代と日本との関係等につき、ここ 11 年間、中国・アジア各国の視察と交流の旅を数多く実施して来た のでこれらの体験からの報告と若干の所見を述べておきたい。

中国の大気汚染について

中国全人代・大気汚染に大量の批判票

賛成 1969 票

反対 850 票

975 票(33.1%)

棄権 125 票

合計 2.944 票 (2013.3.17 朝日・朝刊)

(データ)・3 月 16 日の北京の微小粒子状物質 PM2.5 1 ㎥当たり 350μg(日本の基準の 10 倍)

(出所:以上 2013.3.17 朝日・朝刊)

環境・資源保護委員会

30

名の信任投票結果

(5)

5

・肺癌患者数(北京市)過去 10 年間で+60%増

・肺癌死亡者数(全国)過去 30 年間で+465%増 4.65 倍に

(出所:世銀報告書 2013.3.19 ニューズウィーク日本版)

・上記に対する北京政府のとった対策(2013 年 1 月)

石炭のばいじんが主因につき、石炭使用の 100 以上の工場操業停止・公用車 3 分の 1 の使用停止

しかし実態は、近隣地方・都市で使用する石炭ストーブや全ての工場での石炭ばいじんが主因につきこの 効果は限定的だった。(出所:世銀報告書 2013.3.19 ニューズウィーク日本版)

筆者の西安交通大学留学中(2001 年~2002 年迄 1 年間)の経験では冬に河北省、山西省、陝西省、甘粛省 等をタクシー旅行したことがあるがこれらの地方の小食堂に入ると、必ず昔、日本の小学校等で使用されて いたのと同じ型の鉄の石炭だきダルマストーブが赤々と活躍していた。山には殆んど木材、枯木はなく、燃 料源としては石炭しかないので、これが一般的であり、あらゆる店や農家でも田舎の暖房はこの石炭だきダ ルマストーブであった。11 年間経過した今でも恐らくこれしか方法がないので、石炭火力発電所(全国の約 70%)や石炭だき工場に加え、この家庭用ダルマストーブの出す煤煙、煤塵も大きな原因だと思われる。中 国の北方の冬は内陸部では極めて寒いので電気ストーブなどではとても間に合わず、コストも高い。

更にもう一つ PM2.5 の大きな発生源は自動車の排気ガスで、北京の PM2.5 の発生源の 1/4(25%)はこの排 気ガスだ。中国では 2012 年 1 年間で自動車の販売台数は 1900 万台を超え、民間の保有台数は 1 億台を超え た。更に今後 5 年間でもう 1 億台上積みされ、2018 年には 2 億台を超えると予想されている。(2013,3,26 付 週刊エコノミスト)

もう一つ「中国の大気汚染、水質汚染、土壌汚染とがんの多発傾向」について、ついに中国の環境保護省 が 2 月に「『がんの村』など深刻な健康・社会問題が出現した地域さえある」と公表した文書が話題になって いる。その理由は、こういう話があっても今までその事実に目を背けて来た共産党政権が、やっとその存在 を公文書で初めて認めたからである。その後、人民日報のサイトが、この「がんの村」は全土で少なくとも 247 か所もある、と指摘した学術論文が、既に 4 年も前に発表されていたと発表した。実際にはもっと多い らしい(247 か所以上と)。一部の地方メデイアや海外メデイアは、10 年以上も前から、中国各地の「がんの 村」について報じて来た。(出所:2013、4,7、日経・朝刊)

従って、この問題解決は至難の技であり、李克強首相も「環境を犠牲にして成長を手に入れてはいけない」

と述べ「環境保護・省エネ型経済への経済のバージョンアップを目指す」といっているが、同時に李克強新 首相は「環境問題を解決するのは長い道のりになるだろう」ともいっている。

中国の水質汚染について

湖南省のある農村の例(2013.3.27 NHK ラジオ AM7 時 33 分よりのワールド・レポート 中国の環境問題)

上流にある石炭炭鉱が 1 日 800tもの炭鉱廃水を川にタレ流しており、川が黄色に変色し、水質検査をする と鉛、亜鉛、砒素が含まれており、とても飲料水には使えぬので、やむなく近くの溜池の水を飲料水として いた。そこへ最近大雨が降り、この炭鉱廃水がこの溜池にも流入し、飼育していた魚が死に飲料水も無くな り、本当に困っている。農民はこの会社を訴えたいが政府(地方政府のこと)に近い会社なので迷っており、

結局飼育していた魚の損害賠償だけでも請求する訴訟を起すこととしたと。NHK ワールド・レポートの報告 はここまでであるがこの通りだとすると、この農民達の毎日の生活に必要な飲料水ほかの生活用水はどう調 達されるのか不明である。全てをペットボトルで賄う訳にもいかないと思うが…。

以前はこういう話はよく聞いた。最近あまり聞かないなと思っていた矢先にこの報告である。

この汚染された水が、下流で農業用水として取水されたらどういうことになるのか。結局、次は土壌汚染 ということになる。中国の農村や田舎の小さな村や街に行くと汚い、どす黒い水がちょろちょろと流れてい る溝とか側溝をよく見かける。この汚い水がもう少し流れて行くと小川になり、更に流れてもう少し川幅の ある小さな川に流れ込んでいる。このあたりになると岸辺で女性が野菜を洗っていたり、もう少し下流では 女性が洗濯をしていたり、そのもう少し下流では子供が泳いでいたりする。こういう水汚染問題や土壌汚染 問題は殆ど対策も打たれず、恐らく全国至る所で放置されたままになっている未解決の環境問題である。

これらの汚染水の一部は、めぐりめぐって地下水脈へ流れ込み、また別の報道では、こういう汚

染水をわざわざ地下深くまで掘った穴に捨てている所もあるという。こうした結果、最近では多くの地域で 地下水が汚染されており、生活用水にはとても使えない地下水まで出てきだした地方もあるそうである。

その他の中国の環境問題等について

(6)

6

黄河断流について

中国の黄河流域では、降雨量は極端に少ない上、流域で農業用水を中心に生活用水、工業用水等に取水さ れる為、上流の雪解け水がなくなる 7~8 月頃から洛陽の西 100kmあたりの三門峡ダム以降、渤海湾の河口 迄の 6~700kmの間で断流が起こっている。

この様に、中国の問題点は、大気汚染、水質汚染、土壌汚染のほかに基本的に水不足であり、これは将来 的には食糧不足発生の可能性が常にあるということでもある。

ゴミ汚染について

中国の地方都市や、農村に行くと、至る所にゴミの山があり、一方やや小さな川沿いの集落では、夫々の 家の前の川岸から河原へかけては、生活ごみでいっぱいという風景にもたびたび出会った。このゴミ公害も 恐らく中国全土で放置されているもう一つの重要環境問題である。

資源を爆食する中国

・つい何年か前迄は、日本と中国の年間粗鋼生産能力は約 1 億トンで拮抗していたが現在の中国は日本の約 9 倍の 9 億トンになっている。

・中国の石炭消費量もこれまたすさまじい。以上述べた発電用、各種工場用、地方農家用燃料炭に加え、こ の製鋼用原料炭まで加えると、その使用量はケタ外れに大きく、2012 年は輸入も含め実に 38 億トンを消 費した。この量は全世界の石炭使用量の約半分に相当する量だ。人口は 20%強であるにも拘わらず、であ る。更にこの量は 2020 年には 48 億~53 億トンに達すると中国石炭工業協会は予測している。(2013.3.26 付 週刊エコノミスト)

・ここで問題なのは、日本の工場や製鉄所の場合、環境汚染対策として廃煙脱硫装置等が完備されているが、

中国の場合は、規則はあっても殆ど守られていないのが実情の様だ、ということである。

また中国の場合、公害発生源の少ない天然ガスはあまり使用されておらずもっぱら安くて豊富にある石 炭が中国経済発展の原動力そのものだ、という点も大きな問題点である。

・この項の最後として、中国人の食生活の変化や水不足も絡んで「将来の食糧不足懸念」もあるのでこれら についても述べておく。

中国でも高度成長が永年続き、1 人当りGDPも 5.417 ドル(2011 年)にもなって来たので、このところ 1 人当り年間食肉消費量も急増している。その結果、飼料用トウモロコシの消費量も急増しており、世界全 体の需給関係からみて、もうこれ以上トウモロコシの輸入を増やすのは無理というところまで来ているとい うことを報告しておく。

中国人の食肉消費量(1 人あたり 年間 単位 kg)

食肉生産量(年間)

食肉 1kg 生産に必要な飼料穀物(単位 kg)

この結果、かつては世界有数のトウモロコシ輸出大国であった中国は、2009 年より輸入国となり(130 ト ン)、2011 年は 530 トンをアメリカから輸入した。数年のうちに 1000 万トン規模となり、現在世界最大の輸

1977 年 1985 年 2008 年 今後の見通し(2013 年~)

8.3 18 50 70~

1996 年 2006 年 4,000 万トン 8,000 万トン

牛肉 豚肉 鶏肉

11 7 4

(7)

7

入国である日本(年間輸入量 1600 万トン)を抜くのは時間の問題と見られている。

・同様に、大豆も中国は 10 数年前までは自給出来ていたが食用油の消費拡大にともない、このところ右肩上 りに輸入が増え続け、今や世界大豆輸入量の 6 割に当る約 6300 万トンをブラジルやアルゼンチンから輸入 している世界最大の大豆輸入国となっている(SAPIO 2013 年 4 月号)。 以下次号

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【中国経済最新統計】

① 実 質 GDP 増加率 (%)

② 工 業 付 加 価 値 増 加 率 (%)

③ 消費財 小売総 額 増 加 率(%)

④ 消費者 物価指 数 上 昇 率(%)

⑤ 都 市 固 定 資 産 投 資 増 加 率 (%)

⑥ 貿 易 収 支 (億㌦)

⑦ 輸 出 増 加 率 (%)

⑧ 輸 入 増 加 率 (%)

⑨ 外国直 接投資 件 数 の 増加率 (%)

⑩ 外 国 直 接 投 資 金 額 増 加率 (%)

⑪ 貨 幣 供 給 量 増 加 率 M2(%)

⑫ 人 民 元 貸 出 残 高 増 加 率(%) 2005年 10.4 12.9 1.8 27.2 1020 28.4 17.6 0.8 ▲0.5 17.6 9.3 2006年 11.6 13.7 1.5 24.3 1775 27.2 19.9 ▲5.7 4.5 15.7 15.7 2007年 13.0 18.5 16.8 4.8 25.8 2618 25.7 20.8 ▲8.7 18.7 16.7 16.1 2008年 9.0 12.9 21.6 5.9 26.1 2955 17.2 18.5 ▲27.4 23.6 17.8 15.9 2009年 9.1 11.0 15.5 1.9 31.0 1961 ▲15.9 ▲11.3 ▲14.9 ▲16.9 27.6 31.7 2010年 10.3 15.7 18.4 3.3 24.5 1831 31.3 38.7 16.9 17.4 19.7 19.8

12月 9.8 13.5 19.1 4.6 20.4 131 17.9 25.6 9.2 -13.3 19.7 19.9 2011年 9.2

1月 19.9 4.9 23.7 65 37.7 51.4 16.6 11.4 17.3 16.9 2月 14.9 11.6 4.9 - -73 2.3 19.7 -10.9 32.2 15.7 16.2 3月 9.7 14.8 17.4 5.4 31.2 1 35.8 27.4 10.5 32.9 16.6 16.2 4月 13.4 17.1 5.3 37.2 114 29.8 22.0 8.2 15.2 15.4 15.8 5月 13.3 16.9 5.5 33.6 130 19.3 28.4 12.1 13.4 15.1 15.4 6月 9.5 15.1 17.7 6.4 11.8 223 17.9 19.0 6.6 2.8 15.9 15.2 7月 14.0 17.2 6.5 27.7 315 20.3 23.0 2.7 19.8 14.7 15.0 8月 13.5 17.0 6.2 33.4 178 24.4 30.4 6.4 11.1 13.6 14.8 9月 9.1 13.8 17.7 6.1 27.3 145 17.0 21.1 -3.5 7.9 13.1 14.3 10月 13.2 17.2 5.5 34.1 170 15.8 29.1 -0.6 8.7 16.7 14.1 11月 12.4 17.3 4.2 21.4 145 13.8 22.6 -12.9 -9.8 16.2 14.0 12月 8.9 12.8 18.1 4.1 5.7 165 13.3 12.1 -15.4 -12.7 17.3 14.3 2012年

1月 4.5 25.3 273 -0.5 -15.0 4.6 10.8 16.6 14.8 2月 21.3 3.2 - -315 18.3 40.3 38.7 -0.9 17.8 15.0 3月 8.1 11.9 15.2 3.6 21.1 53 8.8 5.4 -6.5 -6.1 18.1 15.7 4月 9.3 14.1 3.4 19.2 184 4.9 0.4 -26.1 -0.7 17,5 15.4 5月 9.6 13.8 3.0 21.0 187 15.3 12.7 -6.1 0.0 17.9 15.7 6月 7.6 9.5 13.7 2.2 21.8 317 11.3 6.3 -16.3 -6.9 18.5 16.0 7月 9.2 13.1 1.8 20.6 251 1.0 5.7 -7.8 -8.6 18.9 16.0 8月 8.9 13.2 2.0 19.4 267 2.7 -2.7 -12.7 -1.4 18.4 16.1 9月 7.4 9.2 14.2 1.9 23.1 277 9.8 2.3 -6.4 -6.8 19.8 16.2 10月 9.6 14.5 1.7 22.4 320 11.5 2.2 1.8 -0.2 14.6 15.9 11月 10.1 14.9 2.0 20.0 196 2.8 -0.1 -8.7 -5.4 14.5 15.7 12月 7.9 10.3 15.2 2.5 18.8 316 14.0 6.0 -7.8 -4.5 14.4 15.0 2013年

1月 2.0 20.8 291 25.0 29.0 -12.4 -3.4 15.9 15.4 2月 3.2 153 21.7 -14.9 -35.6 6.3 15.2 15.1 3月 7.7 8.9 12.6 2.1 21.5 -9 10.0 14.2 -19.7 5.7 15.7 14.9 4月 9.3 12.8 2.4 19.8 182 14.6 16.6 13.9 0.4 16.1 14.9 5月 9.2 12.9 2.1 19.7 204 0.9 -0.1 -14.4 0.3 15.8 14.5 6月 7.5 8.9 13.3 2.7 19.9 271 -3.3 -0.9 -17.3 20.1 14.0 14.1 注:1.①「実質 GDP 増加率」は前年同期(四半期)比、その他の増加率はいずれも前年同月比である。

2.中国では、旧正月休みは年によって月が変わるため、1月と 2 月の前年同月比は比較できない場合があるので注意 されたい。また、( )内の数字は 1 月から当該月までの合計の前年同期に対する増加率を示している。

3. ③「消費財小売総額」は中国における「社会消費財小売総額」、④「消費者物価指数」は「住民消費価格指数」に対応 している。⑤「都市固定資産投資」は全国総投資額の 86%(2007 年)を占めている。⑥―⑧はいずれもモノの貿易であ る。⑨と⑩は実施ベースである。

出所:①―⑤は国家統計局統計、⑥⑦⑧は海関統計、⑨⑩は商務部統計、⑪⑫は中国人民銀行統計による。

Referensi

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