化学療法のための生物活性化合物を効率的に得る試みは,天 然物の全合成とともに発展してきた.最近の報告でも,これ ま で 臨 床 に 用 い ら れ て き た 抗 生 物 質 の う ち 実 に65% が 天 然 物 由 来 と の こ と で あ る(1).し か し,こ こ20年 の 間 に そ の 取 り組み方法も多様性を帯びてきた.本稿では,歴史のページ をめくりつつ,現在ホットと思われる取り組みを取り上げ,
さらに個人的に興味をもっているハイブリッド戦略について 紹介したい.
コンビケム(図
1
)1994年に 誌が創刊され(現在は Cell Press社により刊行)
,生物のしくみを生物活性化
合物を用いて解明する化学者の試みがケミカルジェネ ティクスとして紹介された.ちょうど,mTORのヒト 免疫系における役割がrapamycinやFK506を用いて分 子レベルで明らかになったこともあり,医薬品のリード 化合物としての生物活性化合物を得る効率的なシステム はどのようにしたら構築できるかが関心を集めていたため,多数の化合物を与える合成化学的技術とそのスク リーニング方法の開発が世界中の化学者によって研究さ れた.1990年代はいわゆるコンビナトリアルケミスト リー(コンビケム)による取り組みが盛んに研究され た.たとえばSchreiberらは1998年,シキミ酸を出発原 料とし,多数のビルディング・ブロック(BB)を6段 階の反応により縮合させる戦略により218万個の二環性 骨格化合物からなるライブラリー1の構築を報告してい る(2)
.また,Nicolaouらは2000年,独自性の高いSeリ
ンカーを用いる固相合成法によってベンゾピラン骨格を 有する1万個を超える化合物のライブラリー2の構築を 報告している(3).1999年にはACSより
(現 在 は
)が創刊され,多数の類縁体化合物を含む化合物ラ イブラリーに対し大いなる期待が寄せられたが,研究が 進むにつれ,ケミカルバイオロジー研究に有用な化合物 の発見のためには,置換基の多様性だけでは不十分であ るという課題点も明らかにされた.
一方,深瀬・楠本らは1998年,天然糖脂質の脂質部 分に構造多様性をもたせた類縁体3を液相にて少数合成 し,構造活性相関における重要な知見を得ている(4)
.天
Synthetic Strategies toward Bioactive Compounds for Chemotherapy:From Natural Products to Hybrid Strategy
Masato OIKAWA, Yuichi ISHIKAWA, 横浜市立大学大学院生命 ナノシステム科学研究科
化学療法のための化合物を 開発する合成戦略
天然物からハイブリッド戦略へ
及川雅人,石川裕一
日本農芸化学会
● 化学 と 生物
【解説】
然糖脂質というprivileged structureをモチーフとした 研究ではあったが,質の高い化合物ライブラリーを得る ためには置換基の多様性よりむしろ主骨格が重要である ことを示唆するものであり,こうした例は多く報告され た.
DOS(多様性指向型合成)(図
2
〜5
)21世紀に入り,コンビケムで見いだされた課題に取り 組む動きが活発化した.Schreiberらは一つの骨格から 一つの反応条件により多様な骨格を創出する戦略の検 討を始めた.反応の方向性を制御するため,出発化合物 に含まれる置換基に工夫を行い,これを多様性指向型合 図1■コンビケムによる化合物ライブラリー構築(1990年代)
日本農芸化学会
● 化学 と 生物
有機合成 いまむかし
後輩1 : 先輩,次の実験で○○反応をやることになっ て…文献検索って図書館まで行って調べなく ちゃいけないんですか?
先輩 : その必要はないよ! 最近はさまざまな文献 のデータベースが整備されているからネット 上で簡単に検索ができるよ
後輩1 : わかりました,探してみます!
…カタカタカタ…
先輩 : どう? ほしい論文は見つかった?
後輩1 : はい,この論文では反応に使う溶媒を蒸留し ているみたいなんです…蒸留装置ってどう やって組み立てればいいんですか?
先輩 : 蒸留装置? 昔は自分で組み立てて毎回蒸留 していたみたいだけれど,今はそんなものは 使わないよ
後輩1 : 本当ですか?
先輩 : あの脱水溶媒装置は,コックを開けば脱水溶 媒が出てくるよ
後輩1 : そうなんですか! 便利ですね
先輩 : 昔に比べて便利になったのは,脱水溶媒装置 だけじゃないんだよ
後輩1 : 例えばどんなものがあるんですか?
先輩 : やっぱり自動精製装置かな 後輩1 : どう変わったんですか?
先輩 : 今は精製に必要な量のシリカゲルがすでに充 填されたカラム管を使っているけれど,昔は
必要な量を計算して充填するところまです べて手作業でやらなければいけなかったんだ 後輩1 : それは時間と手間がかかりますね…
ガシャン!!
後輩2 : ああ〜っ!
先生 : どうした? 大丈夫か?
後輩2 : ガラスのメスシリンダーを落としてしまって…
先生 : 私が学生の頃と違って今はプラスチック製の ものがあるから,そっちを使ったほうがよ かったかもね
後輩2 : そういえば,そうですね…次から気をつけま す
先生 : 今はいろいろと便利になったからなあ…
後輩1 : あっ,さっきまでその話をしていたんです が,先生,昔よりも便利になったものって何 がありますか?
先生 : そうだなあ…NMRは特に便利になったと思 うよ.昔は夜遅くまで順番を待って試料を自 分でセットしていたけれど,今はホルダーに セットしておけば自動で順番に測定してくれ るよね
後輩2 : そんなに大変だったんですね
先生 : 構造解析もいまはソフトウェアで化合物の構 造を描けば,簡単に立体的に見ることができ るけど,昔は実際に分子模型を組み立てなけ ればいけなかったんだよ.大きな分子を作る ときは苦労したよ
後輩2 : 便利な時代になったんですね
後輩1 : こうした技術によって,これからの化学は もっと発展していくんですね!
コ ラ ム
成(diversity-oriented synthesis; DOS)と名づけた(5)
.
2003年に発表された概念を図2に示す(6).二つの骨格が
一つの骨格から同一反応条件で発生するが,ここでは置 換基はアクセサリーではなく,反応の方向性を制御する ために活用されていることに注意してほしい.実践例に は同時期の報告(図3)を見るとよい(7, 8).反応の方向
性を制御するσ
エレメントを増やすことによって,より 多い6つの骨格が一つの反応条件下にて創出される.さ らに2009年には80個を超える骨格を創出する技術が Nelsonらによって報告された(9)(図4).
彼らはBBに propagatingあるいはcappingと名づけた性質を求め,それぞれを一つずつ含む基質に対しメタセシス反応を 行っている.この技術はその後Schreiberによってbuild- couple-pair(BCP) strategyとして紹介された(10)
.
一方で,天然物の生合成にヒントを得た骨格多様性獲 得の試みも2013年に大栗らによって報告された(11)(図 5)
.ポリエン化合物が起こす[4+2]付加環化反応の向
きを置換基によって制御して,3種の天然物骨格に導く ことに成功している.また,ヒドリド移動に次ぐ環化反 応により2種の四環性骨格も得た.図2■多様性指向型合成(DOS)の概念(2003年,Schreiberら)
図3■DOSの実践例(2003〜2004年,Schreiberら)
図4■80個を超える骨格を与えるDOS(2009年,Nelsonら)
図5■生合成類似の多様合成(2013年,大栗ら)
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DTS(多様性指向型の天然物合成)(図
6
)生物活性天然物の化学合成でより優れた化合物を得る 戦略は2004年,Danishefskyらによってdiverted total synthesis(DTS)と名づけられた(12)
.特に天然物自体
の誘導体化では決して得られることのない化合物ライブ ラリーを与える点で,DTSは優れていると彼らは主張 している.実際,彼らはDTSにより,細胞転移阻害能 を有するmigrastatinよりも高活性な簡略化類縁体を得 ることに成功した.BIOS(生物活性支援型の多様合成)(図
7
) 天然物ライブラリーから新規の活性化合物をスクリー ニングし,ヒット化合物の骨格を分解しつつ合成化学的 展開を図ってより優れた化合物の開発につなげる戦略は Waldmannによってbiology-oriented synthesis(BIOS)と名づけられた(13)
.彼らはターゲットをホスファター
ゼに固定し,阻害アッセイでヒットしたヨヒンビン/レ セルピンをもとに,structural classification of natural products(SCONP)と名づけた解析で構造活性相関(SAR)に関する情報を得て,より強力かつ選択性の高 い阻害剤の開発に成功した.
DOS from natural products(天然物からの多様 合成)(図
8
〜10
)天然物を出発化合物として多様な骨格に導こうとする 試みも報告されている.2013年,Hergenrotherらはジ ベレリン酸を例にとって3〜5段階の反応で複数の骨格 多様化合物群へと導く戦略(ring-distortion strategy)
を報告した(14)(図8)
.彼らによれば,入手が容易で,
かつ骨格改変を可能にするオルソゴナルな官能基を有す る天然物であればこの戦略への適用が可能であり,ほか にアドレノステロンやキニーネについても骨格多様性獲 得を実現している.フムレンを出発化合物とする同様な 試みは菊池らによっても最近報告された(15)(図9)
.彼
らはフムレンエポキシドに対する渡環反応/メタセシス 反応によって骨格多様な32化合物を導き,その中に carnitine palmitoyltransferase 1(CPT-1)を発現促進 する化合物を見いだしている.天然物の粗抽出物に対し反応を行ってより多様性を高 める手法も2014年に菊池らによって提案されている(16)
(図10)
.彼らはテルペン類を含む植物由来のメタノー
ル抽出物に対し,エポキシ化と結合開裂反応を施し,7 つのセスキテルペン様化合物を得ることに成功してい る.ケミカルスペース
複数の化合物を含むライブラリーの構造多様性はケミ カルスペースによって表現される(17)
.物理的特徴(た
とえば疎水性 Log )や構造的特徴(たとえば 3炭図8■天然物からの多様合成(2013年,Hergenrotherら)
図7■生物活性支援型多様合成(2006年,Waldmannら)
図6■多様性指向型天然物合成(2004年,Danishefskyら)
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素の割合F 3)といった化合物の性質がそのライブラ リーにおいて広範囲にわたっているかを評価するもの で,一般的には任意の主成分分析データを3軸にプロッ トして三次元空間における広がりを評価する.現在,ラ イブラリーが広いケミカルスペースを占めるためには骨 格多様性の獲得が鍵を握っていると考えられているが,
それは1990年代のコンビケム研究で明らかにされた成 果であった.この考えのなかで天然物ライブラリーはケ ミカルスペースが広いと評価されていることから,上述 したような,天然物(もしくはprivileged structure)
をモチーフとした,あるいはそれを出発化合物とした,
さらなる骨格多様性の獲得が試みられるのは自然な流れ と言える.また,別のアプローチとして活性化合物のハ イブリッド戦略も未踏ケミカルスペース探索のために研 究されており,以下にそれを紹介したい.
生物活性化合物のハイブリッド戦略
ハイブリッド化合物は,キメラとかダブルドラッグな ど複数の呼び名がある.ほとんどの場合,2つの活性化 合物を含むが,それらの生物機能は同じ場合と異なる場 合とがある.いずれの場合においてもハイブリッド戦略 では親化合物とは全く異なる物理的性質が生み出され,
ハイブリッド化合物ライブラリーでは未踏のケミカルス
ペースの探索が可能になる.また,ハイブリッド化する ことによって,薬剤耐性の菌/株/ウイルスに対応でき ることもメリットの一つとされている.本稿では抗結核 薬,抗がん剤,抗HIVウイルス剤,抗マラリア剤につ いて順に紹介する.
抗結核薬(図
11
)結核菌など抗酸菌に対する活性化合物探索において,
2011年,Deganiらは化学療法で用いられているetham- butolの部分構造と,古くから知られているケイ皮酸を アミド縮合させた化合物の構造活性相関を評価し,
5.1
μ
Mで活性を示す化合物4を見いだした(18).Etham-
butol由来の部分をリンカーとみなし,さまざまなジア ミン/トリアミンを評価した点が興味深い.DNAジャ イレースを標的にした阻害剤のハイブリッド5は結核菌 やスメグマ菌に対し良好な抗菌活性を示した(19).
化学療法で用いられているthioridazineとthiadiazole とのハイブリッド6では,良好なレベルの抗菌活性を示 したと報告されている(20)
.Thioridiazineの本来の抗菌
活性に対し,thiadiazole上の芳香環が活性の強さを調整 図9■天然物からの多様合成(2016年,菊池ら)図10■天然物からの多様合成(2014年,菊池ら)
図11■ハイブリッド抗結核薬
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していることが示された.
既存の抗生物質に対して別のファーマコフォア(phar- macophore)をハイブリッドさせる戦略も報告された.
抗菌活性が知られる三環性スピロ骨格Aに対し,さま ざまな薬剤においてファーマコフォアとして見られる thiochromaneをスピロ縮環させた化合物群は良好な抗 菌活性を示し,そのなかから上述のethambutolよりも 強力な7が見いだされた(21)
.リンカーによらないハイブ
リッド戦略として興味深い.抗がん剤(図
12
,13
)最初に複数の機能性モチーフを含む抗腫瘍性化合物ブ レオマイシンについて紹介する.ブレオマイシンは DNA結合性のチアゾール部,細胞膜通過のための糖質 部,鉄原子結合性のピリミジン部からなり,DNAを強 力に切断する(22)
.抗腫瘍性化合物の開発においては,
このように複数の作用を示すハイブリッドが多く研究さ れている.
DNAのマイナーグルーブに可逆的に作用するdista- mycinと,DNAアルキル化剤DC-81のハイブリッド8
図13■ハイブリッド抗がん剤 図12■ハイブリッド抗がん剤
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では,両者を超える抗腫瘍活性化合物が2007年に見い だされた(23)
.
ミトコンドリアのcomplex Iを阻害するアセトゲニン 天然物とtebufenpyradのハイブリッドでは,親化合物 のソラニンよりも80倍強力な抗腫瘍活性化合物9が 2008年に開発されている(24)
.
Patersonらは2010年,微小管を安定化する3つの天 然物(タキソール,discodermolide, dictyostatin)のハ イブリッドの評価を行い,dictyostatinのマクロ環がタ キソールの縮環部と同様な相互作用を示すこと,しかし ながらタキソールの側鎖のない10のほうが高活性であ ることなどを明らかにした(25)
.微小管重合を阻害する
ansamitocin P-3と葉酸のハイブリッド11は,強力な抗 腫瘍活性を示す前者化合物の作用を,葉酸受容体が過剰 発現しているがん細胞だけに限定することができる(26).
葉酸とのハイブリッド戦略はほかの類縁体でも報告があ り,一般性がある(27).その一方で,ansamitocin/gel-
danamycinハイブリッド12は異なる分子標的に作用し て抗腫瘍活性を示す可能性が示唆されている(28).アク
チンを脱重合させてがん細胞の増殖を抑制させる2つの 天然物(aplyronine A/mycalolide B)のハイブリッド 13では,親化合物をしのぐ脱重合活性化合物が木越ら により2012年に見いだされた(29).2013年,不破らは細
胞 増 殖 抑 制 性 のaspergillide A/neopeltolideを ハ イ ブ リッド化し,その三次元構造と活性の相関関係について 考察している(ジアステレオマーライブラリー14)(30).
アスピリン/酸化窒素のハイブリッド抗腫瘍活性化合 物15では,親化合物のいずれでもなくリンカーが活性 を示した,という特殊な例もあり(2007年)(31)
,リン
カーの選択も重要である.抗HIVウイルス剤(図
12
,14
)2003年にGambariらによって示された例では,dista- mycinと,アルキル化によって不可逆的に作用する DC-81とのハイブリッド8が,いずれの親化合物とも異 なるメカニズムでHIVの長い末端反復(LTR)による 転 写 を 阻 害 す る こ と が 示 さ れ た(32)(図12)
.
ま た,Fossyらは2007年,逆転写酵素阻害剤とインテグラー ゼ阻害剤をリンカーでハイブリッドして抗HIV活性化
合物16として開発し,それが親化合物のいずれよりも
高活性であることを示した(33)(図14)
.HIVプロテアー
ゼの光分解にフラーレンとグルコースのハイブリッド 17が設計/使用された例もある(34).Diarylpyrimidine
とJanssen社のetravirineのハイブリッド18では1.8 nM のEC50値をもつ抗HIV-1薬が見いだされている(2010 年)(35).この研究を行ったChenらはその後etravirine/
elvitegravirハイブリッド19(EC50
=0.28 μ
M)(36),およ
びetravirine/VRX-480773ハ イ ブ リ ッ ド20(EC50=
0.24μ
M)(37)などの成果を上げており,etravirineはハイブ リッド戦略のモチーフとして有用と考えているようであ る.その一方で,抗マラリア剤dihydroartemisininと抗 HIV薬のazidothymidine(AZT)とのハイブリッド(38),
あるいはトリアジン系R106168とキナゾリン系の抗HIV 薬ハイブリッドなど,選択性の変化やシナジー効果は認 められなかったという失敗例もある(39).最近の成功例
では,oleanolic acid/AZTハイブリッド21がAZTより も優れた抗HIV活性を示した(EC50=0.010 μ
M)(40).
図14■ハイブリッド抗HIVウイルス剤
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抗マラリア剤(図
15
)ハイブリッド戦略が化学療法に大きなインパクトを与 えた例としては2種の抗マラリア剤(アルテミシニンと クロロキン)を最初に挙げることができる(41)(化合物 22)
.これらは寄生虫のライフサイクルにおいて異なる
時期に作用するだけでなくそのメカニズムも異なる特徴 があり,構造最適化を経てPA1103-SAR116242(23)が 開発された(42).アルテミシニンとキニーネをエステル
縮合させた例もある.2007年,Walshらはこのハイブ リッド化合物24がそれら単独あるいは混合物のいずれ よりも高活性であることを報告した(43).クロロキンと
トランスポーター阻害imipramineのハイブリッド25の 成功例もある(44).
おわりに
今回,このテーマの原稿を作るにあたってはいくつか の優れた成果に触れることができた.そのなかでも天然 物生合成で共通中間体となるような化合物を起点とする 人工化学合成や,リンカーによらないハイブリッド戦略 は未踏のケミカルスペースを探索するのに有用であろ う.私たちもそう考えてハイブリッド戦略を進めている が,今回は紙面の関係で割愛した.以上のような取り組 みやDOSはさらなる発展が見込めるが,有機合成化学 者の知恵だけではケミカルスペースを探索しきれないと も私たちは感じている.生物活性化合物を求める研究者 のさまざまなリクエストや示唆などがこの取り組みの発 展には欠かせないと思う.
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図15■ハイブリッド抗マラリア剤
日本農芸化学会
● 化学 と 生物
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プロフィール
及川 雅人(Masato OIKAWA)
<略歴>1988年北海道大学理学部化学科 卒業/1994年同大学大学院農学研究科農 芸化学専攻博士後期課程単位取得退学,農 学博士/同年大阪大学理学部化学科助手/
2001年文部科学省在外研究員(ハーバー ド大学)/2003年東北大学大学院生命科学 研究科助教授/2009年横浜市立大学准教 授/2010年 同 教 授,現 在 に 至 る<研 究 テーマと抱負>天然物多様合成とケミカル バイオロジー<趣味>ワイン,ピアノ,百 名 城 め ぐ り<研 究 室 ホ ー ム ペ ー ジ>
http://oiklab.sci.yokohama-cu.ac.jp/
石川 裕一(Yuichi ISHIKAWA)
<略歴>1999年慶應義塾大学理工学部化 学科卒業/2002年同大学理工学部化学科 助手(有期)/2004年同大学大学院理工学 研究科博士課程修了/2005年ライプツィ ヒ大学(ドイツ)博士研究員/2007年慶 應義塾大学理工学部化学科助教/2011年 横浜市立大学国際総合科学部助教/2014 年同准教授,現在に至る<研究テーマと抱 負>特異な生物活性を有する天然有機化合 物の合成<趣味>読書,料理
Copyright © 2017 公益社団法人日本農芸化学会 DOI: 10.1271/kagakutoseibutsu.55.468
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