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医療の視点に基づくメディア教材の分析について

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99

医療 の視 点 に基づ くメデ ィア教材 の分析 につ いて

吉 留文 男

*

On the Analysis of PIedia PIaterials fronl a Medical Point of View Fumio YOSIDOME

Abstract

Our goals are to identitt a path to the development ofeffective teaching mateHals for those who are engaged at medical institutions through the analysis of convcrsations bet、 veen doctors,nurses,and patients in hospital

settings. Firstly,an analysis ofthe needs ofthe suljects is conducted in the fOnn ofquestionnaires including three items;English ability,col■ llnuniCative skills,and inedical language skill. Further,thrce othcr concepts are addrcsscd:

asscrtivc colninunications,therapcutic conllmunication and inforlnation gathering techniqucs. Thcsc arc thcn adoptcd to analyze conversations extracted from the'doctor acclaimed'TV drama"Emergency Room"(ER).We t00 have concluded thatin medical environments ER carries some potcntial as valuable training inaterial for students involved in medical institutions.

Key words: Needs analysis, Language hnction, Therapeutic conlmunication

l.はじめに

近年 、英語教育 にお ける実践的英語 力を求 める要請が高 くなってい る。看護 分野 にお ける英語 に対す る広 範囲な調査 に よる と、 「看護 英会話授 業

Jや

「専門用語の英語授業」の必要性が高い割合 を示 している (円

城 寺康子 2003)。 この よ うなデ ィス コー ス・ コ ミュニテ ィで特定の 目的 に応 じた英語教育の在 り方の議論 も 今後 さらに高まる と予想 され る。本研 究では学習者 のニー ズ、言語機能 、治療 法的 コ ミュニケー シ ョンの 3 つの観点か ら疑似オーセ ンテ ィックな 自然な会話を題材 に した言語材料 を分析 し、その教材 としての意味 を 考 える。

2.研究の 目的

本研 究の 目的 は医療環境 の下で医療 従事者 と患者 の会話分析 を試 み 、医療従 事者 のニー ズに対応 で きる English for Speci■ c PurpOses(ESP)の 教材 開発 の糸 口を探 る研 究である。今 回実施 した看護学生へのアンケ ー ト結果 (資

1)に

よる と医療従事者 の必要 と してい る英語力は医療現場 での 「会話力」 を身 につ けるこ とである。 ところが医療従事者 と患者 間の会話デー タを実際の医療現場か ら収集す ることは困難 なのが現状 である。 そ こで、 自然 な会話 に近 く国語 を学ぶ に分か りやすいテ レビ映画 を活用 し、医療環境 とい う特定の 状況 で行 われ る医療従事者 と患者 間の会話 の特徴 を調査す る。 さ らに、assertive communications(Davis 1998),therapeutic collnlnunications(Bradley 1990),informatiOn gathering techniques(Bradley 1998)の 視点か ら、言語機能 と形式の融合 だけでな く、特定の社会的状況での適切 な コ ミュニケー シ ョンを展開でき

る教材 開発の必要性 に言及 し、メデ ィア教材 の有効性 の有無を考察す る。

3.研究手順

3.1.ア ンケー ト調査

3.1.1.ア ンケー ト対象 (資料 1)

2004年5月 に以下の対象者 にアンケー トを実施 し、集計、分析、考察 をお こなった。 アンケー トに関 しては 渡邊 (1998)、 Bourh麓 (1989)を参考 に構成 した。

対象者

:Y県 0高

等看護学生の1年生

39名

(男子学生4名

,女

子学生

35名

)

ア ンケー ト構成

 :①  

医療従事者 に関す る英語力についての項 目

 

医療現場 での コ ミュニケー シ ョン技能項 目

 

専門用語の使 用度

*一般科 目 2004年9月 13日 受付

(2)

3.1.2.調査 と結果

第1項目、医療従事者 に関す る英語力 についてのア ンケー トの 中で、 「医療従事者 として英語力 は必要 と 思います か」 とい う間に対 して、 「絶対必要Jと回答 した ものが15.4%、 「必要」 と回答 した ものが79.5%で あった。 また 「医療現場 で必要 な英語力 とは?」 の間に対 して78.4%が 「会話力」、13.5%が 「読解 力」 と回 答 した。 さらに、 「あなたに とつて最 も英語 力の必要 とな る状況 の項 目」について、 「海外か らの患者 (日 本語 を母語 と しない

)と

の コ ミュニケー シ ョン」 と回答 した割合 は84.6%、 「医療専門用語 の理解」が82%,

「海外での研修 。留学」が666%、 「医者 のカルテ 。検査依頼 な どの読解」が51.2%であった。

第2項目、医療現場 での コ ミュニケー シ ョン技能 に関す るア ンケー トの中での回答 の割合 は以下の通 りで ある。 「絶対必要である」 と回答 した割合 は 「患者 に 自己紹介 をす る会話技能」では48.7%、 「患者 との軽 い 日常会話 の技能」で53.8%、 「患者 を元気づ ける会話技能」に56.4%、「患者 を落 ち着かせ る会話技能」に69.2%、

「患者 の気持 ちに反応す る会話技能」では61.5%であつた。 「絶対必要である」 と「幾分必要で ある」 と回答 した割合 を総合す る とそれぞれ の項 目は95%を越 えた。

第3項目、専門用語 の使 用 に関す るア ンケー トの中で、顕著 な特徴 と して述べ られ ることは医療従事者 間 で専門用語 を用 い る割合 が高 く、医療従事者 と患者 間では専門用語 の使用度 が低 い傾 向を示 した。

結論 として、ア ンケー ト結果 に よる と、英語力 と して 「会話力」のニーズが高い ことを示 し、特 にその中 で も 「外 国か らの患者 (日本語 を母語 としない

)と

の コ ミュニケー シ ョン」 に対す る必要性 を感 じてい るこ とが明 らかになつた。更 に、 日常的な患者 とのinteraclveな 活動 で必要 とされ る技能 のニー ズの傾 向 も知 るこ とがで きる。 「患者 と話す段 になる と非常な困難 に出 くわす ことが多い、それ は非常に言語使用域 での教科 書 では教 え られ ない類 の ものであ るか らだ」 とM.A.K.ハリデー (寛 寿雄 1991)が述べてい るよ うに、医療 機 関 とい う特定の環境 の中で医療従事者 と患者 間の コ ミュニケー シ ョンが特殊 な状況 を示 してい ることが推 察 され る。

3.2.テキス ト分析 3.2.1.目

ア ンケー ト分析 は看護学生のニーズに基づ く分析 で あ り、当然緊急救命室

(ER)に

お ける医者 と患者 との 会話 とは必ず しも学生のア ンケー ト結果 とは一致す るものではない。 しか し、患者への対処法 に関 して、双 方 に多 くの共通項 目が存在す ることも事実である。 医療従事者 と患者 間の コ ミュニケー シ ョンの視点か ら、

ERか

ら抽 出 した資料 を分析す るこ とで医療従事者 が教材 のための有益 な情報 を享受 で きる可能性 を示す こ とがテ キス ト分析 の 目的である。

一般的 に、医療従事者 と患者間の コミュニケー シ ョンを構成す る要素は どんな ものだろ うか。Pu■■o(2002) は この構成要素 を 「通常求 め られ るもの」 と 「定期的 に求 め られ るもの」 とに区分 し、以下 に示す よ うに細 分化 してい る。

☆通常求 め られ るこ と

 

関係 を確 立す ること

 

患者 の状態 、経過 に関す る情報 の収集す ること

 

理解度 を確認す るこ と

 

患者やその家族 に対す る指示 をす ること

 

他 の医療従事者へ の核心の伝達や サポー トをす るこ と

☆定期的に求 め られ ること

 

励 ま しや サポー トをす ること

 

改善のための努力 に対す る報い を与 えるこ と

 

よくない知 らせ を伝 えること

 

専門的デー タを報告す ること

 

情報 を解説す ること

 

患者 を悟 らせ ること

 

相談者 として行動す ること

上記 に示 した コ ミュニケー シ ョンの要素はある意味で明 らかな方 向性 を示 してい る。それ はHospital se ing にお ける医療従事者 と患者 間の コ ミュニケー シ ョンが特定の 目的 に焦点化 され るか らであろ う。従 つて医療 従事者 は この2つの領域で求め られ る状況 に対処す るための コ ミュニケー シ ョン・ スキルの習得 を必然的に 求 め られ ることにな る。

(3)

医療 の視 点 に基づ くメデ ィア教材 の分析 につ いて (吉)

3.2.2.分析対象

ESPの

教材 はオーセ ンテ ィ ックな教材 が望 ま しいが、現実的に医療機 関にお ける会話デー タの収集 は困難 なために、会話分析 の対象 として

ERで

の医者 と患者 の会話 を言語資料 として用い ることとした。 日常のラ ジオない しテ レビ番組等 を収録 した 自然な話 し言葉の言語資料 として適 当であるとい う理 由か ら(田1994)、

ERは

ほぼオーセ ンテ ィックな教材 に近 く、疑似 オーセ ンテ ィックな教材 と位置づけた。従 つて、

ERの

会話 分析 に基づいた言語資料 は学習者 に とっては学習価値 のあるもの と判 断 した。調査資料 は緊急救命室Ⅶ (ワ

ーナー・ ホーム・ ビデ オ、2000〜2∞1制作

)の

第 1話Homecomingから第22話Rampageの

DVD版

を調査対 象 と して、その会話 をテ キス トとして2次資料 と した。 この2次資料 は

23の

場面か ら構成 され 、それ ぞれ の話題 と語数は資料3に示 され てい る。尚、2次資料 の分析 はニーズ分析 の結果 を踏 まえ、

ERの

文機能分析 及び談話構造の特性 をBradley(1990)や Davis(1998)に 基づ いて分析 した。

3.3.3.分析 の観 点

分析 の観 点では次 の① か ら③ の領域 (表

1)に

分類 し、 さらに下位項 目 (表

2)を

設定 しテ キス ト分析 を お こなつた。Assertive communicationにC)1,No.15(資料

2)の

例 を取 り上 げて観 点 に基づいた考 え方 を具 体的 に以 下説 明す る。 この談話 の状況 は年輩 の男性 の患者 が病室 のベ ッ ドに横 たわ り女性 の看護 師 との対話 である。 「耳の裏側 は出血 あ りませ ん。頭 も大丈夫 です。 」 と看護 師が言 つた後のや り取 りである。患者 は No.15.の 1で「まずはデー トか ら」 とこの状況か ら逸脱 した発言 を している。 これ に対 してNo.15の 2にお いて 「レン トゲ ンが先です。他 に痛む ところは?」 と対応 してい る。 同様 に、Scene No.15の 4において も 患者 の 「女性 の前では話せ ないんだ。」 とい う意味 あ りげな発言 に も看護師は毅然 と 「私 は看護 師です よ。」

と答 えてい る。 この よ うに談話 の流れ の中で、具体的な状況 を説 明 し、他人の感情 を害す ることな く医療従 事者 としてその意 図を伝 えてい る と考 え られ る。従 つて、Scene No.15にお ける2はexpressing opinion,

4は

being assert市eの表2下位 項 目に分類 され、看護 師の発話が

ACの

範疇 に規定 され るであろ う。 この よ うな分析観 点 に照 ら し合 わせ た方法 で資料2の

3, 4を

分析 した。口herapeutic communication(TC)2,

No.23(資

2)に

お ける状況 は老婦人 が病院 に搬 送 され手 当を受 けるが亡 くな り、医師がその老婦人の夫 に語 りかけてい る場面である。

No.23の

2で 「この薬は必要ではないか?」 と妻 の生 きる可能性 を問いかけ てい る夫 に、担 当の医師が 「で きる限 りの手 は尽 くしま したが、奥 さんの病気 は我 々の力 をこえ救 えません で した。 ブ リス トさん、亡 くな られ ま した。お気 の毒 に思 います。」 と発話 してい る。 このよ うにNo.23の

3では

TCの

calming a patient(Have a seat,MI Bristo),showing empathy with a patient(She died,M■

Bristo.I'm sorrり ,sharing feelinglML Bristo,your wife has suffered a massive heart attack)等 のコミュ ニケーシ ョン手段が用い られ、医師の発話は相手 (夫

)に

心理的な苦痛を和 らげるために機能 していると考 えられる。InfOrmation gathe五 ng techniques(IGD3、 No.21(資料

)は

医療現場における情報収集のための 質問形式の例である。 このNo.21の lCWhat's happened?), 3KWho did thiS tO you?)、 5 CWith whatのは asking questionsに 分類 され、さらにそれぞれの機能は自由形式の質問、応答限定質問、詳細検査の質問 と 特徴づけ られ る。

・表

1分

析観点

 Assertive comIInunicttions

Getting yolr point across without ottnding others.Direct,cOngrucnt expression of thoughts, feelings,beliefs and opinions in a nonoffensive way.(Davis 1998:119)

②  Therapeutic conlmunications

The terln therapeutic conlmunication''is used"dcnOte Or pomt out corlllmunication sequences in which the purpose ofthe communication is to allcviate psychological distrcss.(Bradley 1990:19)

 lnforrndion gathenng techniques

Some info...lation gathering tcchniques relatcd to inteⅣ iewing(BradlCy 1990:94)

・ 表

2下

位 項 目

>  Assert市e conlmunications

> Being assertive or confident

> Expressing opinions,

> Responding to an angry patient or colleague

101

(4)

>   support from a col

Informa10n techniques (Bradley 1990

> Askine questions

> Restating information

> Clarifyins information provided by a patient

> Summarizing information provided by a patient

3.3.4.結果 と考察 1.分析結果 の考察

前述 で説明 したそれ ぞれ の下位項 目 (表

2)に

照 らし、抽 出 され た

ER会

話資料 (資

3)を

分析 し、それ ぞれ の範疇 に生起 した発話 を3つの観点にま とめた割合が以下の表である。 (資

2, 3)

表 3

 Assert市e coIIIInunications(AC)

 Therapeutic communications(TC)

回 数

67 87

割合

30.6%

39.6%

 lnforlnation gttheHng techniques(IGT)      66     29.8%

       222     100%

2次

資料 と して取 り上げた

ERの

会話 は

23の

場面 を対象 とし,それ ぞれの場面で用い られた言語形式 だけ でな く、話者 の意 図 を反映 した言語機能 を分析対象 とした。

ACの

機能 を含む発話 は

67例

TCの

機能 を含 む発話 は

87例

IGTの

機能 を含 む発話 は

66例

であつた。 また、看護 学生 のニー ズを顕著 に示 したア ンケ ー トの項 目 (資

1)と

共通す る点 に も注 目す る必要がある。その顕著 な項 目と

ERの

会話 の場合 を比較検 討す るこ とで次 の共通 した項 目が浮 かび上が った。

TCの

範疇 に属す る 「患者 を元気づ ける会話技能」、 「落 ち着 かせ る会話技能」 とい う項 目がア ンケー ト回答 とほぼ一致 し、

IGTの

項 目も相 関関係 が高い ことを示 し た。 一方 、

ACの

範疇 に属す る 「意見 を述べ る会話技能」 、 「同僚や患者 と対峙す る会話技能」 な どの項 目 は

ERの

場面で多 く出現す るが、 この項 目に対す るニー ズ分析 の結果 は高い数値 を示 していない。 この問題 に関 しては2つの要因が推 察 され る。

ERの

場合 は医者 と患者 との会話 であ り、専門的判断権 限 を持 つ者 の 発話 であることが

ACの

発話 の出現率 を高 めた要因 と考 え られ る。

 2つ

日として、ア ンケー トに回答 した学 生 とのイ ンタ ビューで、 「患者 に対す る個人的意 見は控 えることを指導 され てい る」 と述べてい るよ うに、

看護学生の置 かれ た現在 の医療制度上の問題 が指摘 で きるだろ う。 しか し、最近大学院 レベル等 では

ACの

重要性 を教育 し始 めてい る ところもあ り、 この項 目に関 しては今後 の課題 である。 さらに

IGTの

項 目では、

ERの

場 面 で用 い られ てい る質 問形式 を談話分析視 点 か ら、open‐ended questions(自 由応答 質 問

)か

focused questions(応 答限定質問),prObing(詳 細調査 の質問

)へ

と一連 の質 問技法 を観察で きる。従 つて、

この よ うな問診等 で用 い られ る質問形式 と機能 をモデル と して学習者 に提供す るこ とも可能 であろ う。最後 に、本研 究の2次資料 か ら得 られ る言語教材 は非言語的 な韻律 、周辺言語や非音声的な動作学、近接学 、接 触学の要素 を多 く有 してお り、その扱 い に も留意 しなけれ ばな らない。例 えば、視覚的な もの と して、微笑 み、 うなずき、アイコンタク ト、聴覚的なもの として、"um‐humm"、

 

声の トー ン、会話のス ピー ド、動作 的なもの として、握手、肩や腕 に触れ ること、会話の間相手の手を握 っていることな どがあげ られ る。 この よ うに内面的な感情を伝達 した り、読み とつた り、発話のフィー ドバ ックを与えることも可能である非言語 的要素で構成 され る場面を映像や音声を通 しての言語材料は特に医療従事者 に とつて有益且つ実践的な価値 がある。

>

'

Calming a patient

>

'

Responding to patients'feelings

>

'

Using silence with a patient

>

'

Showing empathy with a patient

>

'

Sharing feelings

>

'

Understanding non-verbal communication
(5)

医療 の視点 に基づ くメデ ィア教材 の分析 につ いて (吉)

2.医

療 専門用語 の使用

Medical language α

Llは 23の場面(資料3)で138個が観察 され た。予想 された よ うにMLは患者 の 病状 とその治療 に関す る語彙 が中心であ り、品詞 は名詞形 が多 く用い られている。 さらに、略語や固有薬 品 名 が多用 され るのが特徴 である。(例、lidocaine,Percocet,Demerol,a head C電 宙tals,BP's90,prostatitis, catheter)従 つて、資料3が示す よ うにMLの頻度 はそれ ぞれ の場 面 と状況 に依存 してお り、均一ではない

こ とが分かる。今回実施 した看護学生へのアンケー トによると、医療現場 にお ける医療専門用語 の使用 に関 して、同僚や 医師 との会話で専門用語 を 「よく用い る」が33%,「時々使 用す る」が35%と高い割合 を示 して い る。 しか し患者 との会話では専門用語 を「あま り使用 しない」が47%,「全 く使用 しない」が37%と専門用 語 を使用 しない傾 向がある。

ERの

場面 (資3、 No.8)で最 も多 く現れ た

MLの

語数 は19個であ り、全体 の 占有率は約 7%と低 い。 その他 の場面での

MLの

頻度 は低 い傾 向を示 した。 この原 因 として、今 回の資料

と して医者 と患者 の会話場面 を選 んだ ことが

MLの

使用度 に少 なか らず影響 を与 えてい る と推察 され る。

4。ま とめ

本研 究の 目的は

ERの

会話資料 をニー ズ分析 、言語機 能 、治療法的 コ ミュニケー シ ョンか ら考察 し、 さら にAC,TC,IGTの観点か ら分析 を試 み教材 開発 の糸 口を示す ことであつた。ニーズ分析は医療従事者が必要 と す る英語 の特定分野 を示 し、 この結果 に基づいた言語機 能 の分類 は会話資料 に反映 され た。結論 として、医 療従事者 が求 める発話行為 の要素が

23の

場面 に含 まれ てい るこ とを分析結果 は示 した。従 つて、

ERを

教 材 として、特 に治療法的 コ ミュニケー シ ョンに焦点化 した教材 としての有効性 はあると考 え られ る。さらに、

今 回取 り上げた会話場面は実践的 な場面が多 く、言語機能 と形式 の融合か ら特定の社会状況 に適応 できる語 用論的な視点か らの さらなる研究が必要であろ う。今後 authenticな教材へ改善す るためには医療環境 での デー タを量的に拡大す ること、ニーズ分析 の対象 を学生か ら医療 に従事 している社会人へ と広 げることが課 題 である。 同時 に、語学教育か らの視点 と医療 関係者か らの視点 を融合 させ る方向が望まれ ることは言 うま で もない。しか しなが ら、

ER資

料 の分析 はあ くまで試行的段階の考察 に過 ぎず資料の規模や分析方法に関 し て さらに改良が望 まれ る。

103

(6)

参 考 文 献

l  Bourhis,R.Y.,Roth,S.,&MacQucen,G.(1989).Cο ″″γ′たα′ο′加 湯θみο〔ψ′″′s̀″gr И s夕νO(プ″θ′たα′α″グ

θνθッグヮlaれagθ ttθ α″ο4gS′′α′た″お,″rsω α′グ滅96ゎrs Social Science and Medicine,2∂ (4),336‑346.

2 Bradley,J.C.and Edinberg,M.A.(1990).6ο″″夕れたα″0″ J″ ″θハリ浴′″g Cο′″χムNorwalk,Colmecticut, Appleton&Lange.

3 Davis,C.M.(1998).2″ た″′′″ε′ノ′′ο′

̀′

″″た″ε′ノ0′″ιフθガθ″′滋′″α′″α′ヵrルッθ′″j辱ルθα″げ力 Jrm εα″ (3rd Ed.).ThOrOfare,NJ.SLACk.

4  Dudley―Evans,T.,&St John,M.J.(1998).И ″グJrJJiscrip′″αッρЮ α

̀力,Dθ ッ

̀及υフ″θ″rs′ESP CambHdge:

Camb五dge University Press.

5 Ek,J.A.v.and J.Lo M.Trim(1991).動 ras力ο″ ιθ″ ′′99a Camb五dge University Press:米 山 朝 二 ・ 松 沢 伸 二 訳

『新 しい英語教育への指針一中級学習者 レベル (指導要領〉』

6 Hutchinson,T.,&Walters,A.(1987).E′ griSカカ ″sレθε′θP″ψοSω :Cambridge Univcrsity Press.

7 Munby,J.(1987).Cο ″″夕′たα″た シ 〃αS D■g″.Camb五 dge:Camb五dge University Press.

8 Purtilo,R.and A.Haddad(2002).Hθαtt Pra/ass′ο″α′α″グ″′ルた″ αわ″.New York,W.B.SAIINDERS

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寛 寿雄 訳.1991.『 機能文法のすすめ』大修館書店.

10 

田中正道.1994。 「教科書教材 とAuthenticity」 『 現代英語教育』3月 号30/12:H‑13.

11成

沢和子他.2003.「

4年

生看護教育における英語教育の現状 と問題点」『看護教育』44/12:1080‑1088.

12仁

木久恵他.2001.『 Let's Listen,Speよ and Lcam臨 床看護英語』第四版

 

医学書院.

13深

澤清治.2000。Pragmatic sensitivityを育てる教材開発への示唆的研究」『 中国地区英語教育学会研究紀

要』No.30:229‑234.

14深

山晶子.1996.「ニーズ分析に基づ く科学技術英語教授法」『 大阪工業大学紀要

 

人文社会編』第

41巻

2号

:1‑14.

15深

山晶子編集.2000.『

ESPの

理論 と実践一 これで 日本の英語教育が変わる』三修社.

16渡

邊容子。1998.「臨床看護婦の英語必要分析」動θ Zα昭″

r2α

C力θr 22/7:29‑38.

資 料

ア ンケー ト調 査 と結 果

英語 とコミュニケーション技能についてのアンケー ト

英語 とコミュニケーション技能についてのアンケー トをお願い します。このアンケー ト用紙

 

には名前を記入する必要 はあ りません。

性別

   (1 

  2.女

 )

年齢     (  10,  20,  30,  40,  50,  60 )代

A英

語 について

1医療従事者 として英語力は必要 と思いますか。

A間1の 集計

ア絶対必要 6

 

必 要

ウ 不必要 2

 

絶対必要

 

 

必要

  

 

不必 要

      (  )

ア、イの どれかで答 え られ た方にお聞き します。

医療現場 で必要な英語力 とは

 

読解カ

 

 

作 文カ

 

 

聴解カ

 

 

会話 力

      (  )

2の集計 ア 読解 力 イ 作 文 力 ウ 聴解 力 工 会話 力

(7)

医療 の視点 に基づ くメデ ィア教材 の分析 について (吉)

あ な た に とつて最 も英 語 力 の必 要 とな る状 況 の項 目を5つ選 ん で そ の番 号 を記 入 して くだ さい。

 

説明書読解

 

医療専門用語の理解

 

検査結果 レポー トの読解

 

学会での英語理解 。発表

 

海外での研修 。留学

 

海外か らの見学者や研修者の対応

 

社会人 としての常識

 

医者 との会話理解

 

海外論文 。文献読解

 

医者のカルテ 。検査依頼などの読解

 

海外の患者 (日本語を母語 としない)とのコミュニケーシ ョン

(  )(  )(  )(  )(  )

間3の 集計

105

 

説明書読解

 

医療専門用語の理解

 

検査結果 レポー トの読解

 

学会での英語理解 発 表

 

海外での研修 留 学

 

海外からの見学者や研修者の対応

 

社会人としての常識

 

医者 との会話理解

 

海外論文 。文献読解

 

医者のカルテ 。検査依頼などの読解

 

海外の患者 (日本語を母語 としない)とのコミュニケーション

全員にお聞 き します。 各専門の雑誌 を

 

よ く読んでいる

 

 

た まに読んでいる

 

 

ほ とん ど読んでいない

   (  )

4の集計

アよく読んでいる 0

イたまに読んでいる ウほとんど読んでいない

5 4で

ア、イの どれかに答 えた方 にお聞 き します。

         

´

 

英文雑誌 を必ず読む

  

 

英文雑誌 をた まに読む

 

 

邦文雑誌 だけを読む

(  )

全員の方 にお聞 き します。 具体的にあなたが比較的一番お読みにな る雑誌名 を上げて くだ さい。

医療 現 場 で必 要 と思 われ る コ ミュニ ケー シ ョンの技 能 につ い て

医療 現 場 で 、あ な た が 日頃 必 要 と感 じて い る コ ミュニ ケ ー シ ョンの技 能 項 目につ い て 、あなたの気持 ちに一番 近 い もの の数 字 を選 びお答 え下 さい。

(1234

)

(1絶対 必 要 で あ る 2.幾分 必 要 で あ る

  3あ

ま り必 要 で な い 4.全く必 要 で な い)

1)患

者 に 自己紹介の会話技能

2)患

者 との軽 い 日常会話の技能

3)患

者 を元気づ け る会話技能

4)患

者 を落 ち着かせ る会話技能

5)患

者 の気持 ちに反応す る会話技能

6)患

者 を無言 で扱 う対応技能

7)患

者 に同情 を示す会話技能

8)患

者 と感情 を共有す る会話技能

9)患

者 に質 問す る会話技能

(1234 (1234 (1234 (1234 (1234 (1234 (1234 (1234 (1234

(8)

10)患

者 に情報 を知 らせ る会話技能

11)患

者 か らの情報 を明確 にす る会話技能

12)患

者 か らの情報 をま とめる会話技能

13)自信 を持 つた会話技能

14)意

見 を主張す る会話技能

15)ユ

ーモアを用 いる会話技能

16)患

者や 同僚 と対決 で きる会話技能

17)怒

つた患者や 同僚 に対応す る会話技能

18)理

不尽 な要求 を拒絶す る会話技能

19)同

僚 に支援 を求 める会話技能

20)非

言語 的 コ ミュニケー シ ョンを理解す る会話技能 B項目の集計

項 目

あ な た の気 持 ち に一番 近 い ものの数字 を 選 びお答 え下 さい。

医療 現場 にお ける医療専門用語の使用 について、

1)医

師 と医師 の会話 の 中で医療 専門用語 を

2)医

者 と看護師の会話の中で医療 専門用語 を

3)看

護 師 と看護 師の会話 の 中で 医療 専門用語 を

4)看

護 師 と患者 の会話 の中で 医療 専門用語 を

1 1 1 1 な い

2   3   4 2  3・  4 2   3   4 2   3   4

( 1 

よく使用い る

 2 

時 々使 用す る

 3 

あま り使用 し

全 く使用 しない)

1)患

者 に 自己紹介の会話技能 1) 49

2)患

者 との軽 い 日常会話 の技能 2)

3)患

者 を元気づ け る会話技能 3) 0

4)患

者 を落 ち着 かせ る会話技能 4)

5)患

者 の気持 ちに反応す る会話技能 5)

6)患

者 を無言 で扱 う対応技能 6)

7)患

者 に同情 を示す会話技能 7)

8)患

者 と感 情 を共有す る会話技能 8)

9)患

者 に質問す る会話技能 9)

10)患

者 に情報 を知 らせ る会話技能 10

11)患

者 か らの情報 を明確 にす る会話技能

12)患

者 か らの情報 をま とめる会話技能

13)自信 を持 った会話技能 13

14)意

見 を主張す る会話技能 14 0

15)ユ

ーモアを用い る会話技能 15

16)患

者や 同僚 と対決 で きる会話技能 16

17)怒

った患者や 同僚 に対応す る会話技能 17 44

18)理

不尽 な要求 を拒絶す る会話技能 18 0

19)同

僚 に支援 を求 め る会話技能 19

20)非

言語 的 コ ミュニケー シ ョンを理解す る会話技能 20 54

Cの集 計

1)医

師 と医師 の会話 の 中で医療 専 門用語 を

2)医

者 と看護 師 の会話 の中で医療 専門用語 を 2) 14

3)看

護 師 と看護 師 の会話 の 中で 医療 専門用語 を 3)

4)看

護 師 と患者 の会話 の 中で 医療 専門用語 を 4)
(9)

医療 の視点 に基づ くメデ ィア教材 の分析 について (吉)

資料

2分

析観点の3つの例 l Asscrtivc communications

Sccnc No.15

1  (P〉 : We have to gct to know cach othcr flrst

2 (N〉 ″セカαッ′′ο Иηゴ′レら″″′χ―″ιッ  I dOn't see any other ittu」 es  Anything else hurt?

3 (P):Nothing l want to talk about in m破 cd company.

4 (N): ″υノみ ′'″ α ″″おι Notes;P(patiCnt)N(nursC) 2. Thcrapcutic cOnlmunications

Sccnc No 23

1(D): Shc's on Enaville, and codeine for arthritis 2 (F) : You don't nccd these?

3(D):Havc a scat,Mr.Bristo  ″υ α″αtts″グ α〃 ″ι″

̀α

ノ″ωο″ 実咎 αツαブ/abた ο ″s 3′′′″′ 滅α″agι ο 力θ′力θα″′was bりο′グ οtr″ c″αbブas ッι 力θr  S力

̀′̀こ 静  B′おわ  ′物,sογ

ル″B′お′ο,ノο′′″確 力 セ″′α″assJ ″θα″ α′″εた Notcs;D(doctOr)F(a patiCnt's family)

3. Inforrnation gathe五ng techniques Scene No. 21

1(D): Could yOu take off your hat so l can have a look? Gcc!   ″物α′力ゃp̀″ο7 2 (P〉 : I couldn't stop thc blccding.

3(D):hum.″

物ο ″′ ″な わ ッο″2 4 (P〉  : I did.

5(D〉 7″ lt力α′

6(P):Kitchcn shcars.

7(D〉 :On purposc?

8 (P〉 :(silcncc)

資料

会話場面 と

MLの

語彙数

No. Scene Words Medical lansuase

1 鎮静剤 の要求 285 6

ガ ンで苦痛 を訴 える女性 166 5

3 意識 回復 147 9

4 大 にか まれ た少 年 122 10

5 レイプ され た少女の診 断 192

6 家族への医療説明 129

病状悪化 との説 明 235 3

8 手術内容の説 明 281 19

9 手術 の確認 82 0

10 回復への対処 138 4

緊急手術 253

12 間 診 163

13 娘 の死 144 3

14 薬物 の運 び屋 153 2

15 頑 固 な老 人 163

16 入院要請 と拒否 169 6

17 HIV患 231 2

18 血液検査報告 161 6

19 性 病 と少 女 172 2

20 車椅子の少年 151 4

鋏 で 耳 を切 つた男 182 6

22 妊 娠 診 断 109 3

23 妻 を亡 く した夫 189 8

107

(10)

Referensi

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